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1 1. 品目の総括 1.1 品目の概要 1 医療用品(4)整形用品 2 一般的名称 人工椎間板(JMDN コード:34163000PRESTIGE LP Cervical Disc システム 3 クラス III 4 メドトロニックソファモアダネック株式会社 5 使 本品は、頚椎の椎間板を置換するために用いられる頚椎人工椎間 板である。 適応部位 頚椎(C3C7)の 1 椎間 適応疾患 本品の適応疾患は、画像所見(CT, MRI, X 線等)により確認され た次のいずれかを伴う 1 椎間レベルの神経根症又は脊髄症であ る。 1. 椎間板ヘルニア 2. 骨棘 なお、本品は最低 3 ヵ月の保存療法が奏効しなかった患者に用 いられる。ただし、進行性の神経障害が確認された場合は、その 限りではない。 6 頚椎の椎間板を摘出した後、本品を適応椎間に設置する。本品の ボール部とトラフ部が組み合わさり、適応椎間の可動性を維持す る。

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1

1. 品目の総括

1.1 品目の概要

1 類 別 医療用品(4)整形用品

2 名称

一般的名称 人工椎間板(JMDN コード:34163000)

販 売 名 PRESTIGE LP Cervical Disc システム

3 ク ラ ス 分 類 クラス III

4 申 請 者 名 メドトロニックソファモアダネック株式会社

5 使 用 目 的

又 は 効 果

本品は、頚椎の椎間板を置換するために用いられる頚椎人工椎間

板である。

適応部位

頚椎(C3~C7)の 1 椎間

適応疾患

本品の適応疾患は、画像所見(CT, MRI, X線等)により確認され

た次のいずれかを伴う 1椎間レベルの神経根症又は脊髄症であ

る。

1. 椎間板ヘルニア

2. 骨棘

なお、本品は最低 3 ヵ月の保存療法が奏効しなかった患者に用

いられる。ただし、進行性の神経障害が確認された場合は、その

限りではない。

6 構 造 ・ 原 理

頚椎の椎間板を摘出した後、本品を適応椎間に設置する。本品の

ボール部とトラフ部が組み合わさり、適応椎間の可動性を維持す

る。

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2

7 使 用 方 法

本品は滅菌済みの製品であるため、包装に破損及び亀裂等がな

いことを確認する。

本品は再使用できない。

手術器械は、製造販売業者が指定するものを使用すること。

本品の一般的手技は以下に示すとおりである。

1. 術前計画

テンプレートを用いて、本品が正中に設置されるようにサイズを

決定する。

2. 椎間板の摘出及び除圧

前方アプローチで椎間板を摘出し、除圧を完成させる。

3. 椎体終板の処理

必要に応じて、椎体終板を平ら及び平行にする。

4. トライアリング

トライアルを用いて、インプラントのサイズを確認する。

5. レールの溝の準備

トライアルカッターガイドを正中に設置する。

レールカッタービットをトライアルカッターガイドの孔に挿入し、

下穴をあける。その際、フィグゼーションピンを用いて、トライア

ルカッターガイドを一時的に固定する。

6. レールの溝の作成

レールパンチを下穴に挿入し、レールの溝を作成する。

7. インプラントの設置

インサーターを用いて、本品を設置する。ボール部は頭側の椎

体に、トラフ部は尾側の椎体に固定する。

8. 確認

インプラントが適切な位置に設置されていることを確認する。

8 備 考

申請年月日:平成 28 年 5 月 30 日

申請区分:新医療機器・承認基準なし・臨床あり

一般的名称の該当性:本品は、2 つの可動椎体間のプレート様構

造を置換する器具であり、チタン基複合材料及び純チタンを原材

料とする。以上により、本品は、一般的名称「人工椎間板」に該当す

ると判断した。

製品写真は製造販売承認申請書「備考」欄(別紙 9)に添付のとおり。

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1.2 開発の経緯

1.2.1 頚椎人工椎間板置換術が考案された背景

本品は、頚椎人工椎間板置換術(Cervical Artificial Disc Replacement、以下『CADR』)に用

いられる頚椎人工椎間板である。CADR が考案された背景を示す。

頚椎前方椎体間固定術(Anterior Cervical Discectomy and Fusion、以下『ACDF』)は、頚椎

の神経根症や脊髄症等に対して行われる手術である。

「頚椎の椎間板は線維軟骨で構成されており、椎体と椎体をつなぐ、いわゆるクッション装置の

役割を果たしている。椎間板の中心部の髄核が脱出する状態を頚椎椎間板ヘルニアと呼称

する。ヘルニアが脊柱管の外側方向に脱出すると神経根が圧迫され、通常は一側上肢への

放散痛が出現する(神経根症)。一方、ヘルニアによって脊髄の中央部分が圧迫されると、両

手巧緻運動障害、歩行障害および排尿障害が生じる(脊髄症)」(図 1.2.1-1 参照)1。

図 1.2.1-1 頚椎椎間板ヘルニアと症状 1

1 平成 25年度次世代医療機器評価指標作成事業 脊椎インプラント分野 審査 WG報告書,

p.22-39

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ACDF は、前方進入により頚椎の椎間板及び圧迫因子を取り除いた後、移植骨や頚椎前方

プレート等を用いて、罹患椎間を固定する手術である。ACDF の一例を表 1.2.1-1 に示す 2。

表 1.2.1-1 ACDF の一例(表中の図は、文献 2 から引用)2

ACDF

椎間板及び 圧迫因子を取り除く

移植骨を設置する ↓

頚椎前方プレート を設置する

2 http://www.mayfieldclinic.com/PE-ACDF.htm

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1.2.3 Cummnins’ Artificial Disc を改良し、開発された PRESTIGE I

当社の米国開発元である Medtronic Sofamor Danek は、Frenchay Hospital の医師と共同で

Cummins’ Artificial Disc の改良に取り掛かり、PRESTIGE I(又は Frenchay artificial cervical

joint)を開発した。PRESTIGE I の主な改良点は、可動域の拡大であった。PRESTIGE I の概要

を表 1.2.3-1 に示す 4。

表 1.2.3-1 PRESTIGE I の概要(表中の図は、文献 4 から引用)4

概要

デザイン

ボール部の前後方向の動きを可能にするため、Cummins’ Artificial Disc では半球型で

あったソケットが、楕円に近い形のトラフ型に改良された。

可動域は、側屈±10°、屈曲・伸展±10°、トランスレーション±2mm、ねじりの制限は

なし。

原材料 ステンレススチール

ボール部

トラフ部

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1998年、Medtronic Sofamor Danekが依頼者となり、PRESTIGE Iの臨床試験が開始された。対

象患者は、神経根症又は脊髄症を有する15名であった。

PRESTIGE Iが埋植された椎間において、術後24ヵ月で平均6.5±3.8°の可動性が維持され

ていた(表1.2.3-2参照)5。図1.2.3-1にPRESTIGE Iが埋植された椎間を示す5。

表 1.2.3-2 PRESTIGE I が埋植された椎間の平均可動域 5

PRESTIGE I が埋植された椎間の平均可動域

術前(n=15) 7.5±4.6°

術後 24 ヵ月(n=14) 6.5±3.8°

図 1.2.3-1 PRESTIGE I が埋植された椎間 5

5 Crispin C. Wigfield, Steven S. Gill, Richard J. Nelson, Newton H. Metcalf,

James T. Robertson, SPINE 27, p.2446-2452(2002)

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PRESTIGE ST を用いた 1 椎間レベルの CADR の有効性及び安全性を評価するために米国で

臨床試験が実施された。その結果、2007 年 7 月、Medtronic Sofamor Danek は米国 FDA から

PRESTIGE ST の 1 椎間使用を認める市販前承認(Premarket Approval、以下『PMA』)を取得

した(PMA P060018)。

PRESTIGE ST の Pivotal 治験(IDE G010188)では、神経根症又は脊髄症患者 276 名に対し

て PRESTIGE ST が使用された。

PRESTIGE STが埋植された椎間において、術後 24ヵ月で平均 7.73±4.38°の可動性が維持

されていた(表 1.2.4-2 参照)。図 1.2.4-1 に PRESTIGE ST が埋植された椎間を示す 6。

表 1.2.4-2 PRESTIGE ST が埋植された椎間の平均可動域(PRESTIGE ST の Pivotal 治験,

IDE G010188)

PRESTIGE ST が埋植された椎間の平均可動域

術前(n=216) 7.55±4.25°

術後 24 ヵ月(n=238) 7.73±4.38°

図 1.2.4-1 PRESTIGE ST が埋植された椎間 6

(術後 24 ヵ月)(PRESTIGE ST の Pivotal 治験, IDE G010188)

6 Cheerag D. Upadhyaya, Jau-Ching Wu, Gregory Trost, Regis W. Haid,

Vincent C. Traynelis, Bobby Tay, Domagoj Coric, Praveen V. Mummaneni, J Neurosurg

Spine 16, p.216-228(2012)

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本品を用いた 1 椎間レベルの CADR の有効性及び安全性を評価するために 2005 年から米国

で次の 3 つの治験が実施された。

① 本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験, IDE G040086

頚椎前方プレート及び同種骨を用いて治療された ACDF 群をヒストリカルコントロー

ル群とした本品の Pivotal 治験

② 本品の 1 椎間レベルの Metal Ion 治験, IDE G040086

金属イオンの体内への溶出を確認するために追加で実施された本品の Metal Ion

治験

③ 本品の 1 椎間レベルの Continued Access 治験, IDE G040086

患者救済を目的として、追加で実施された本品の Continued Access 治験

これらの治験の結果、2014 年 7 月、Medtronic Sofamor Danek は米国 FDA から本品の 1 椎

間使用を認める PMA を取得した(PMA P090029)。

上記の 3 つの治験では、計 334 名の神経根症又は脊髄症患者に対して本品が使用された。

本品が埋植された椎間において、術後 24 ヵ月で平均 7.51±4.87°の可動性が維持されてい

た(表 1.2.5-2 参照)。図 1.2.5-1 に本品が埋植された椎間を示す。

加えて、米国では、本品を用いた 2椎間レベルのCADRの有効性及び安全性を評価する臨床

試験も 2006 年から実施され、2016 年 7 月に PMA を取得した(PMA P090029/S003)。

表 1.2.5-3 に本品の米国臨床試験の一覧を示す。

表 1.2.5-2 本品が埋植された椎間の平均可動域(本品の 1椎間レベルの Pivotal治験,IDE

G040086)

本品が埋植された椎間の平均可動域

術前(n=260) 5.67±3.69°

術後 24 ヵ月(n=264) 7.51±4.87°

図 1.2.5-1 本品が埋植された椎間

(術後 24 ヵ月)(本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験,IDE G040086)

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表 1.2.5-3 本品の米国臨床試験の一覧

# 治験 評価対象 被験機器・対照機器

(症例数) 実施状況 米国の承認状況

1

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象とした Artificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験, IDE G040086)

本品を用いた 1 椎間レベルの CADR

本品

(N=280)

初回治験手術日:

2005 年 1 月 日

Post Approval Study(以下『PAS』)として術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

2014 年 7 月米国 PMA取得 2

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象とした Artificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 1 椎間レベルの Metal Ion 治験, IDE G040086)

本品を用いた 1 椎間レベルの CADR

(金属イオンの体内への溶出を確認するために

実施)

本品

(N=30)

初回治験手術日:

2005 年 11 月 日

PAS として術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

3

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象とした Artificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 1 椎間レベルの Continued Access 治験, IDE G040086)

本品を用いた 1 椎間レベルの CADR

(患者救済目的で実施)

本品

(N=24)

初回治験手術日:

2006 年 6 月 日

PAS として術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

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# 治験 評価対象 被験機器・対照機器

(症例数) 実施状況 米国の承認状況

4

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象とした Artificial disc の前向き多施設共同比較試験

(PRESTIGE ST の 1 椎間レベルのPivotal 治験, IDE G010188)

PRESTIGE ST を用いた1 椎間レベルの CADR

PRESTIGE ST

(N=276) 初回治験手術日:

2002 年 10 月 日

PAS として術後 84 ヵ月までフォローアップ実施

2007 年 7 月米国 PMA取得

対照群※1

頚椎前方プレート※2及び同種骨

(N=265)

5

2 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象とした Artificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 2 椎間レベルの治験, IDE G050202)

本品を用いた 2 椎間レベルの CADR

本品

(N=209)

1 症例目登録:

2006 年 6 月 日

PAS として術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

2016 年 7 月米国 PMA取得 対

照群

頚椎前方プレート※2及び同種骨

(N=188)

※1 本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086)のヒストリカルコントロール群。

※2 本邦既承認の頚椎前方プレート『滅菌済 ATLANTIS スパイナルシステム』又は『滅菌済 ATLANTIS VISION スパイナルシステム』の未滅菌品。

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15

1.2.6 隣接椎間障害の発生頻度の低減と本品の開発コンセプト

※本項より、米国臨床試験で本品が用いられた群を PRESTIGE LP 群、ACDF が施された群を

ACDF 群と称す。

隣接椎間障害の発生には、罹患椎間の固定、固定範囲、加齢変化等さまざまな要因が関係

すると考えられる。ACDF 後に隣接椎間障害が発生していることを鑑みれば 1、手術で罹患椎

間を固定することは、隣接椎間障害の危険因子の一つであると考えられる。前述の米国臨床

試験の結果が示すとおり、本品を用いた CADR は、除圧後、適応椎間の可動性を維持できる

ため、隣接椎間障害の一つのリスクを低減できると考えられる。

一方、本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086)において、術後 24 ヵ月までの期間

に隣接椎間に外科的処置を受けた被験者数を確認したところ、PRESTIGE LP 群で 2.5%(7 例

9 件)、ACDF 群で 4.2%(11 例 14 件)と、PRESTIGE LP 群の方が少なかった(表 1.2.6-1 参照)。

しかし、両群に有意差は認められなかった(Fisher's Exact Test、p=0.2477)。

表 1.2.6-1 隣接椎間に外科的処置を受けた被験者数(本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験,

IDE G040086)

時点 PRESTIGE LP 群

(N=280) ACDF 群 (N=265)

報告例数(%) 件数 報告例数(%) 件数

手術 0(0.0%) 0 0(0.0%) 0

術後 1 日-4 週 0(0.0%) 0 0(0.0%) 0

術後 6 週 0(0.0%) 0 0(0.0%) 0

術後 3 ヵ月 0(0.0%) 0 3(1.1%) 3

術後 6 ヵ月 1(0.4%) 1 0(0.0%) 0

術後 12 ヵ月 5(1.8%) 5 8(3.0%) 9

術後 24 ヵ月 3(1.1%) 3 2(0.8%) 2

合計 (術後 24 ヵ月まで)

7(2.5%) 9 11(4.2%) 14

本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086)では、表 1.2.6-1 のデータ以外に隣接椎

間障害の発生頻度の低減を評価するデータは収集されていない。このため、当該治験では、

本品を用いた CADR が ACDF に比べ、隣接椎間障害の発生頻度を低減できるかどうかは明ら

かになっていない。

前述のとおり、隣接椎間障害には複数の要因が関係すると考えられることから、本品やその前

世代品の開発において、隣接椎間障害の発生頻度の低減は、達成しなければならない開発

コンセプトとして位置づけられていない。

頚椎人工椎間板として、本品が達成しなければならないと位置づけられた開発コンセプトは、

以下の 4 点であり、これらの達成は、米国臨床試験等により確認されている。

① 本品を用いた CADR の有効性及び安全性は ACDF に劣らない

② 本品を用いた CADR は、術後に適応椎間の可動性を維持できる

③ 本品を用いた CADR には採骨の必要がない

④ 本品を用いた CADR 後、インプラント周囲組織を MR 画像で評価できる

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22

神経学的所見

上述のとおり、本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086)の結果、術後 24 ヵ月の神

経学的所見(運動、知覚及び反射)について、PRESTIGE LP 群の ACDF 群に対する優越性

が示された。詳細は、8.1.3.8 項参照。

仕事復帰までの日数

本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086 Pivotal 治験)の結果、仕事復帰までの日

数について、PRESTIGE LP 群の方が ACDF 群よりも有意に短かった(p=0.0019;Log-Rank 検

定、 p=0.0001;Wilcoxon 検定)。手術時から仕事に復帰するまでの日数の中央値は、

PRESTIGE LP 群では 40 日、ACDF 群では 60 日であった。詳細は、8.1.3.7 項参照。

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<本品の開発コンセプト③:本品を用いた CADR には、採骨の必要がない>

ACDFのために行われる自家腸骨移植については、採骨部痛、神経障害、血腫形成、感染等

の採骨部合併症が報告されている 7。本品を用いた CADR には採骨の必要がないため、採骨

に関する合併症のリスクがない。

<本品の開発コンセプト④:本品を用いた CADR 後、インプラント周囲組織を MR 画像で評価

できる>

Sekhon らは、本品又はコバルトクロム合金製頚椎人工椎間板が埋植された患者の術後 MR 画

像を評価した。その結果、本品が埋植された椎間及びその隣接椎間高位において神経組織

の画像化が可能であった。一方、コバルトクロム合金製の頚椎人工椎間板は、MR 画像の画質

を著しく低下させた(図 1.2.6-8 参照) 8。

図 1.2.6-8 本品又はコバルトクロム合金製頚椎人工椎間板が埋植された椎間の X 線画像

及び MR 画像

7 Shunsuke Fujibayashi, Masashi Neo, Takashi Nakamura, Journal of Clinical Neuroscience,

15, p.1017-1022(2008) 8 Lali H.S. Sekhon, Neil Duggal, James J. Lynch, Regis W. Haid, John G. Heller,

K. Daniel Riew, Kevin Seex, Paul A. Anderson, SPINE, 32, p.673-680(2007)

本品埋植後の X 線画像及び MR 画像 コバルトクロム合金製頚椎人工椎間板

埋植後の X 線画像及び MR 画像

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1.2.7 本邦における本品の対象患者

本邦における本品の対象患者は、主に次の 2 種類であると考える。

<本邦において ACDF の適応と判断されている脊髄症・神経根症の患者>

本邦においては、保存療法が奏効しない「耐え難い疼痛を有する神経根症」「進行性の麻痺

を伴う神経根症」や「歩行障害等日常生活に支障をきたす脊髄症」は、ACDF の適応となって

いる。

これらの患者は、本品を用いた CADR の適応になると考えられる。

<現在、保存療法が選択されている神経根症の患者>

上述の「耐え難い疼痛を有する神経根症」に対しても、ACDF が罹患椎間の可動性を奪うこと

を懸念して、内服やブロック治療などの保存療法が長期に行われる場合がある。

例えば、頚椎椎間板ヘルニアは若年性(20~30 代)の患者も多く、疼痛が高度であっても、若

年患者の椎間可動性を奪うことを敬遠して保存療法が選択され、継続されるケースは少なくは

ない。長期の保存療法には、通院によるストレスや疼痛の慢性化等のデメリットやリスクがある。

このような「十分な疼痛改善が得られないのにも拘らず、保存療法が継続されている神経根症」

の患者は本品の適応になり得ると考えられる。本品を用いた CADR は、適応椎間の可動性を

維持できるため、早期治療による早期社会復帰や疼痛の慢性化の防止等が期待できる。

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26

1.2.8 対面助言に基づく対応

本申請に先立ち、利用した対面助言を表 1.2.8-1 に示す。

表 1.2.8-1 利用した対面助言

実施日 番号 相談区分 参考資料番号

平成 年 月 日 機 P 相談 87

平成 年 月 日 機 P 相談 88

平成 年 月 日 機 P 相談

89

平成 年 月 日 機 P 相談

90

平成 年 月 日 機 P 相談

91

機 P ~機 P の相談時に機 P 及び機 P の助言に対する対応も網羅されたため、

機 P ~機 P の助言に対する対応のみを表 1.2.8-2 及び 1.2.8-3 に示す。

表 1.2.8-2 機 P の助言に対する対応

助言 助言に対する対応

相談事項 2: 臨床データの統計解析法の妥当性について

機構は、ベイズ流解析法を用いて、本品群の、IDE G010188 試 験の頸 椎前 方除 圧 固定 術(Anterior cervical discectomy and fusion。以下、「ACDF」)群に対する非劣性及び優越性の評価を実施したことについて、提示された資料からは特段の問題は認められないことから、当該臨床データは受入れ可能と考える。

-

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27

助言 助言に対する対応

相談事項 3:申請品目の IDE Study に含まれていないサイズバリエーション(高さ 5mm のインプラント)を申請するために必要な臨床データの確認

機構は、本邦において高さ 5mm のインプラントを申請するにあたって、まずは以下の点を根拠とともに十分に説明できることが必要と考える。

-

・本邦において高さ 5mm のインプラントを導入する必要性

以下 2 点から本邦において高さ 5mm のインプラントのニーズがあると判断した。

① 8.1.2.1 項に記載のとおり、高さ 5mm のインプラントの形状は、日本人の椎間板高及び椎体サイズに適合する。

② 1.4.1項に示すとおり、アジア諸国で高さ 5mmのインプラントが広く使用されている。

・非臨床試験成績や不具合報告等から、高さ5mm のインプラントの機械的強度が 6mm 以上のインプラントと比較して、臨床使用上、問題のない強度を有していること

以下の非臨床試験結果及び不具合報告から、高さ5mm のインプラントは、高さ 6mm 以上のインプラントと同様、臨床使用上問題のない強度を有していると判断した。

① 非臨床試験結果

4.1.1 項~4.1.22 項に記載のとおり、高さ 5mm のインプラントも含めて本品は適切な以下の強度を有すると判断した。 亜脱臼強度

沈み込み強度

押し出し強度

静的圧縮強度

圧縮疲労強度

静的圧縮剪断強度

圧縮剪断疲労強度

摩耗強度

② 不具合報告

1.4.2 項に記載のとおり、規制当局に報告された不具合は、インプラントの移動 7 件及びインプラントによる不快感 1件であった。移動が報告されたインプラントのサイズの内訳は、高さ 5mm で 2 件、高さ 6mm 以上で 5 件であった。インプラントによる不快感は高さ 6mm のもので報告された。

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28

助言 助言に対する対応

6mm以上のインプラントと比較して、高さ 5mmのインプラントの作用原理、適応患者、インプラントの設置方法及び併用する手術器械に違いがないこと

1.2.9.1 項に記載のとおり、高さ 5mm と高さ 6mm 以上のインプラントでは形状に違いがある。しかしながら、作用原理、適応患者、インプラントの設置方法及び併用する手術器械に違いはない。

その上で、1 椎間と 2 椎間に本品を適用した場合の生体力学的な環境の違いを以てしても、2 椎間の臨床試験成績から、1 椎間で使用した際の有効性及び安全性を評価できることを十分な妥当性を持って説明できるのであれば、高さ 5mm インプラントの 2 椎間の臨床試験(IDE G050202 試験)成績を 1 椎間の臨床成績の評価に利用することは可能と考える。 その際、有効性主要評価項目だけでなく、副次評価項目、安全性評価項目等の成績についても、 ・2 椎間の高さ 5mm インプラントの成績と高さ 6、7及び 8mm インプラントの成績 ・高さ 6、7、8mm インプラントの 1 椎間の成績と 2椎間の成績 の間にそれぞれ大きな乖離がないこと(差異が認められた場合にはその差異があったとしても問題ないこと)を説明すること。

以下 2 点から、高さ 5mm のインプラントの 2 椎間の臨床試験成績(IDE G050202)をもって、高さ 5mmのインプラントの 1椎間の臨床成績を評価できると判断した。

① 8.1.2.5 項に記載のとおり、本品の 2 椎間レベルの治験(IDE G050202)について、高さ 5mmのインプラントの成績と高さ 6mm 以上のインプラントの成績に大きな乖離はない。

② 8.1.2.5 項に記載のとおり、本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086)及び本品の 2 椎間レベルの治験( IDE G050202)について、高さ6mm 以上のインプラントの 1 椎間レベルの成績と高さ 6mm 以上のインプラントの 2 椎間レベルの成績に大きな乖離はない。

なお、その場合は、IDE G050202 試験(2 椎間)に係る資料は、添付資料とすることが必要と考える。

本品の 2 椎間レベルの治験(IDE G050202)に係る資料は、添付資料とした。

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29

助言 助言に対する対応

相談事項 1:臨床データパッケージの充足性の確認

機構は、臨床データパッケージについて、相談者の考えで概ね問題ないと考えるが、有効性及び安全性評価に用いる臨床試験成績が含まれる資料については、原則として添付資料とする必要があると考える。

8.1.1 項に記載のとおり、有効性及び安全性評価に用いる臨床試験成績が含まれる資料は、添付資料とした。

また、承認申請にあたっては、以下の事項を適切に承認申請資料中に反映すること。 ・国内外の当該適応に対する既存療法や医療環境、人種等の違いを踏まえても、米国で実施された臨床試験成績を本邦における本品の成績として外挿可能と考える妥当性を十分に説明すること。

8.1.2 項に記載のとおり、米国の臨床試験成績を本邦における本品の成績として外挿可能と判断した。

また、対照群である ACDF 群の成績が、本邦における ACDF の治療成績と比較した際に受入れ可能な成績であることを、文献等の根拠を示して説明すること。

8.1.2.2 項に記載のとおり、対照群である ACDF 群の成績と本邦の ACDF 群の成績に大きな乖離はないと判断した。

・本邦において上市された場合に想定される本品の臨床的位置づけについて、相談者が想定する適応に対する既存療法や医療環境等の国内外の違いも踏まえて説明すること。

本邦において上市された場合に想定される本品の臨床的位置づけは、1.2.7 項に記載のとおり。

・本品の開発コンセプトとしての隣接椎間障害の低減や長期の可動性の維持に関して、本品に関するデータを踏まえて考察すること。

1.2.6 項に隣接椎間障害の低減について記載した。 長期の可動性の維持については、8.1.3.11 項参照。

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30

助言 助言に対する対応

・既存療法及び本品を用いた治療を行うメリット・デメリットをそれぞれ説明し、IDE 試験から得られた成績も踏まえて、本品を当該適応に対して適用するリスク・ベネフィットバランスについて考察すること。

1.2.6 項に記載のとおり、頚椎人工椎間板に特有と考えられるリスクについて、本品を用いた CADR に臨床上許容できないものはないと判断した。さらに、同項に記載のとおり、本品を用いた CADR は ACDF にはない利点を有する。

(2)その他の助言 1)適応について

相談者は、保存療法抵抗性の期間を「最低 6 週間」としているが、国内の治療実態及び IDE 試験で組入れられた症例の 60%以上が症状を発症してから 6 ヶ月以上経過していること等を踏まえると、当該期間では不十分と考える。承認申請時には適切な期間(最低 3 ヶ月以上が望ましい)を設定すること。

申請書の「使用目的又は効果」に記載のとおり、保存療法抵抗性の期間を 3 ヵ月とした。

また、本品は、髄核ヘルニア又は骨棘により圧迫された患者が適応と想定されることから、例外規定に関する文言を適切に修正すること。さらに、提示された例外規定では、どのような症状であっても“進行性の症状”が存在すれば適用できる可能性を含むため、例えば、“進行性の運動麻痺が認められた場合”等、保存療法によって手術時期を引き延ばすべきではない症例のみに限定されるよう適切に修正すること。

申請書の「使用目的又は効果」に記載のとおり、例外規定を“進行性の神経障害が確認された場合は”とした。

2)市販後対策について

機構は、本品の新規性に鑑みると、本邦における使用実態や安全性の情報収集が必要と考える。ついては、承認申請時に、製造販売後使用成績調査の計画案を添付すること。

9 章に製造販売後使用成績調査の計画案を添付した。

また、本品の適正使用のための方策として、販売方法(施設要件、講習会・トレーニングの実施等)・患者登録等の方法について予め検討されたい。

添付文書の「警告」に記載のとおり、本品は、弊社が主催する本品の取扱いに関する講習を受けた医師のみが使用できることとした。

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31

表 1.2.8-3 機 P 号及び機 P 号の助言に対する対応

助言 助言に対する対応

1)機械的安全性試験について

機構は、実施された機械的安全性試験については概ね妥当と考えるが、承認申請時に以下の点に対応すること。

-

各試験に用いた検体の妥当性について十分説明すること。また、各試験で認められた故障モードについて、臨床使用した際の影響も踏まえて考察すること。

検体の妥当性及び故障モードに関する考察を 4.1.1項から 4.1.17 項に記載した。

安全性及び性能に関する規格について、各項目の規格値と実測値との間に乖離が認められており、承認申請書上に規定された性能と実際の製品の性能との間に乖離が生じることになる可能性があることから、本品の本来の特性を示す値を設定するよう検討すること。

申請書の「性能及び安全性に関する規格」に合格基準と設計検証値の両方を記載した。

2)生物学的安全性評価について

機構は、プラズマスプレーコーティングに係る安全性について、溶出物試験を追加実施することにより評価するという相談者の考えに異論はないが、承認申請時には、試験方法(抽出溶媒、抽出方法、分析方法及びその検出感度)の妥当性について十分説明した上で、得られた試験結果について考察すること。

4.2.8 項~4.2.15 項に溶出物試験結果及びそれに関する考察を記載した。

3)性能について

プラズマスプレーコーティングによる骨固定性能(bone ingrowth)について、米国で実施された文献レビューや類似コーティングが施されている本邦既承認品に関する情報(使用実績だけでなく、動物試験等の情報も含む)を踏まえて、当該性能について評価すること。

4.1.31 項に記載のとおり、①米国で実施された臨床試験の結果、②類似コーティングが施されている本邦承認前例、及び③類似コーティングの文献報告を踏まえて、本品のチタンプラズマスプレーコーティングによる骨固定性能を評価した。

4)MR 装置との相互作用

平成 25 年 5 月 20 日付け薬食安発 0520 第 1 号/薬食機発 0520 第 4 号「磁気共鳴画像診断装置に係る使用上の注意の改訂について」に基づき、本品を体内に埋植した患者に対し MRI 検査を実施する際に注意すべき事項(撮像条件等)やMR 装置から発生する磁場による影響について、MR 装置との相互作用に関する試験結果も踏まえて、添付文書上で適切に情報提供すること。

また、性能及び安全性に関する規格に、MRI に関する規格を設定することを検討されたい。

添付文書の「重要な基本的注意」に MR 装置との相互作用に関する情報を記載した。

なお、MR 装置との相互作用の評価の主目的は、特定の撮像条件下における製品特性の明確化であるため、申請書の「性能及び安全性に関する規格」には、MRI に関する規格を設定していない。

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43

1.2.9.2 非臨床試験の概要

非臨床試験の一覧を表 1.2.9.2-1 に示す。非臨床試験の詳細については、4 章を参照。

表 1.2.9.2-1 非臨床試験の一覧

# 試験 試験実施時期 STED の該当項 別添資料番号/ 試験レポート番号

1

機械試験

同一検体を用いた亜脱臼試験 20 年 月 4.1.1 項 ロ-1/

TS

2 異なる検体を用いた亜脱臼試験 20 年 月 4.1.2 項 ロ-2/

TR

3 X mm(高さ X 奥行)の沈み込み試験 20 年 月 4.1.3 項 ロ-3/

TS

4 X mm の沈み込み試験 20 年 月 4.1.4 項 ロ-4/

TS

5 X mm の押し出し試験 20 年 月 4.1.5 項 ロ-5/

TS

6 X mm の押し出し試験 20 年 月 4.1.6 項 ロ-6/

TS

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44

# 試験 試験実施期間 STED の該当項 別添資料番号/ 試験レポート番号

7

機械試験

X mm の静的圧縮試験 20 年 月 4.1.7 項 ロ-7/

TS

8 X mm の静的圧縮試験 20 年 月~ 月 4.1.8 項 ロ-8/

TS

9 X mm の静的圧縮試験 20 年 月~ 月 4.1.9 項 ロ-9/

TS

10 X mm の静的圧縮試験 20 年 月~ 月 4.1.10 項 ロ-10/

TR

11 X mm の圧縮疲労試験 20 年 月~ 月 4.1.11 項 ロ-11/

TS

12 X mm の圧縮疲労試験 20 年 月~ 月 4.1.12 項 ロ-8/

TS

13 X mm の圧縮疲労試験 20 年 月~ 月 4.1.13 項 ロ-9/

TS

14 X mm の圧縮疲労試験 20 年 月~ 月 4.1.14 項 ロ-10/

TR

15 X mm の静的圧縮剪断試験 20 年 月~ 月 4.1.15 項 ロ-12/

TR 16 X mm の圧縮剪断疲労試験 20 年 月~ 月 4.1.16 項

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# 試験 試験実施期間 STED の該当項 別添資料番号/ 試験レポート番号

17

摩耗試験

オリジナルの試験方法による 摩耗試験

20 年 月~20 年 月 4.1.17 項 ロ-13/

TR

18 ASTM F2423-05 に準じた摩耗試験 20 年 月~ 月 4.1.18 項 ロ-14/

TR

19 ASTM F2423-05 に準じた摺動面の半径Clearance の影響を評価する摩耗試験

20 年 月~20 年 月 4.1.19 項 ロ-15/

TR

20 ISO18192-1 に準じた摩耗試験 20 年 月~20 年 月 4.1.20 項 ロ-16/

TR

21 ISO18192-1 に準じた 1Hz での

摩耗試験 20 年 月~20 年 月 4.1.21 項

ロ-17/ TR

22 インピンジメント試験 20 年 月~ 月 4.1.22 項 ロ-18/

TR

23

チタンプラズマスプレーコーティングの機械試験※

チタンプラズマスプレーコーティングの静的引張試験

20 年 月(試験完了日)

4.1.24 項

ロ-20/ TS

24 チタンプラズマスプレーコーティングの静的剪断

試験 4.1.25 項

25 チタンプラズマスプレーコーティングの剪断疲労

試験 4.1.26 項

26 チタンプラズマスプレーコーティングの摩耗試験 20 年 月(試験完了日) 4.1.27 項 ロ-21/ TR-

27

チタンプラズマスプレーコーティングの厚さ・気孔

率・気孔径の測定

チタンプラズマスプレーコーティングの厚さの測定

20 年 月(試験完了日)

4.1.28 項

ロ-22/ TR-

28 チタンプラズマスプレーコーティングの気孔率の

測定 4.1.29 項

29 チタンプラズマスプレーコーティングの気孔径の

測定 4.1.30 項

※チタンプラズマスプレーコーティングの動物試験を省略した根拠は、4.1.31 項参照。

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# 試験 試験実施期間 STED の該当項 別添資料番号/ 試験レポート番号

30

生物学的安全性試験

細胞毒性試験 20 年 月~ 月 4.2.1 項 ロ-23/

31 感作性試験 20 年 月~ 月 4.2.2 項 ロ-24/

32 刺激性試験(皮内反応) 20 年 月 4.2.3 項 ロ-25/

33 急性全身毒性試験 20 年 月 4.2.4 項 ロ-26/

34 遺伝毒性試験(復帰突然変異試験) 20 年 月~ 月 4.2.5 項 ロ-27/

35 遺伝毒性試験(染色体異常試験) 20 年 月~ 月 4.2.6 項 ロ-28/

36 筋肉内埋植試験(病理評価:組織反応) 20 年 月~ 月 4.2.7 項

ロ-29/ ,

ロ-30/ ,

ロ-31/

37 抽出試験 20 年 月~ 月 4.2.8~4.2.15 項 ロ-32/

, ロ-33

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1.2.9.3 臨床試験の概要

米国で実施された臨床試験の一覧を表 1.2.9.3-1 に示す。臨床試験の詳細については、8 章を参照。米国の臨床試験成績を本邦における

成績として外挿可能と判断した根拠は、8.1.2 項に記載。

表 1.2.9.3-1 米国臨床試験の一覧

# 治験 評価対象 被験機器・対照機

器 (症例数)

実施状況 STED の該当項 別添資料番号/ 試験レポート番号

1

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象としたArtificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 1 椎間レベルのPivotal 治験, IDE G040086)

本品を用いた 1 椎間レベルの CADR

本品

(N=280)

初回治験手術日:

2005 年 1 月 日

PAS として術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

8.1.3 項 ヘ-1~5

2

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象としたArtificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 1 椎間レベルの Metal Ion 治験, IDE G040086)

本品を用いた 1 椎間レベルの CADR

(金属イオンの体内への溶出を確認するために実施)

本品

(N=30)

初回治験手術日:

2005 年 11 月 日

PAS として術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

8.1.4 項 ヘ-6~8

3

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象としたArtificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 1 椎間レベルのContinued Access 治験, IDE G040086)

本品を用いた 1 椎間レベルの CADR

(患者救済目的で実施)

本品

(N=24)

初回治験手術日:

2006 年 6 月 日

PAS として術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

8.1.5 項 参考資料 71~73

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49

# 治験 評価対象 被験機器・対照機

器 (症例数)

実施状況 STED の該当項 別添資料番号/ 試験レポート番号

4

1 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象とした Artificial disc の前向き多施設共同比較試験

(PRESTIGE ST の 1 椎間レベルの Pivotal 治験, IDE G010188)

PRESTIGE ST を用いた 1 椎間レベル

の CADR

PRESTIGE ST

(N=276) 初回治験手術日:

2002 年 10 月 日

PAS として術後 84 ヵ月までフォローアップ実施

8.1.3 項 ヘ-1~5 対照群※1

頚椎前方プレート※2 及び同種骨

(N=265)

5

2 椎間の症候性頚椎椎間板変性疾患を対象とした Artificial disc LP の前向き多施設共同比較試験

(本品の 2 椎間レベルの治験, IDE G050202)

本品を用いた 2 椎間レベルの CADR

本品

(N=209) 1 症例目登録: 2006 年 6 月日

術後 120 ヵ月までフォローアップ実施中

8.1.6 項 ヘ-9~11 対照群

頚椎前方プレート※2 及び同種骨

(N=188)

※1 本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086)のヒストリカルコントロール群。

※2 本邦既承認の頚椎前方プレート『滅菌済 ATLANTIS スパイナルシステム』又は『滅菌済 ATLANTIS VISION スパイナルシステム』の未滅菌品。

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50

1.3 類似医療機器との比較

本品の 1 椎間レベルの Pivotal 治験(IDE G040086)では、『滅菌済 ATLANTIS スパイナルシステム』又は『滅菌済 ATLANTIS VISION スパイ

ナルシステム』の未滅菌品、及び同種骨を用いて治療された ACDF 群がヒストリカルコントロール群とされた。本品と IDE G040086 で用いられ

た頚椎前方プレートの比較を表 1.3-1 に示す。

表 1.3-1 本品と IDE G040086 で用いられた頚椎前方プレートの比較

本品 『滅菌済 ATLANTIS スパイナ

ルシステム』 『滅菌済 ATLANTIS VISION ス

パイナルシステム』 差分に関する情報

一般的名称 人工椎間板 脊椎内固定器具 脊椎内固定器具 ‐

販売名 PRESTIGE LP Cervical Disc

システム 滅菌済 ATLANTIS スパイナ

ルシステム 滅菌済ATLANTIS VISIONスパ

イナルシステム ‐

製造販売業者等 メドトロニックソファモアダネッ

ク株式会社 メドトロニックソファモアダネッ

ク株式会社 メドトロニックソファモアダネック

株式会社 ‐

承認番号 - 21600BZY00581000 21800BZY10031000 ‐

承認年月日 - 平成 16 年 10 月 28 日 平成 18 年 2 月 8 日

使用目的又は効果

本品は、頚椎の椎間板を置換するために用いられる頚椎人工椎間板である。 適応部位 頚椎(C3~C7)の 1 椎間 適応疾患 本品の適応疾患は、画像所見(CT, MRI, X 線等)により確認された次のいずれかを伴う1 椎間レベルの神経根症又は脊髄症である。 1.椎間板ヘルニア 2.骨棘 なお、本品は最低 3 ヵ月の保存療法が奏効しなかった患者に用いられる。ただし、進行性の神経障害が確認された場合は、その限りではない。

1.使用目的 本品は、外傷、変性疾患、腫瘍及び脊柱変形等の脊椎疾患のため、脊椎固定術の適用が必要とされる患者に用いられる骨接合用品である。 2.効能又は効果 脊椎の外科的矯正及び固定を補助し、骨癒合を促す。

使用目的 本品は、外傷、変性疾患、腫瘍及び脊柱変形等の脊椎疾患のため、脊椎固定術の適用が必要とされる患者に用いられる骨接合用品である。

差分有り 左記品目は、いずれも頚椎の神経根症及び脊髄症に用いられる。しかしながら、『滅菌済ATLANTIS スパイナルシステム』及び『滅菌済ATLANTIS VISION スパイナルシステム』は、ACDF に用いられる頚椎前方プレートであり、それらの適応は本品よりも広い。

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本品

『滅菌済 ATLANTIS スパイナルシステム』

『滅菌済 ATLANTIS VISION スパイナルシステム』

差分に関する情報

原理

頚椎の椎間板を摘出した後、本品を適応椎間に設置する。本品のボール部とトラフ部が組み合わさり、適応椎間の可動性を維持する。

- - 差分有り

原材料 チタン基複合材料(Ti-6Al-4V/10 wt.% TiC) 純チタン

チタン合金 チタン合金 差分有り

滅菌方法 ガンマ線 ガンマ線 ガンマ線 差分無し

性能及び安全性に関す

る規格

亜脱臼試験 沈み込み試験 押し出し試験 静的圧縮試験 圧縮疲労試験 静的圧縮剪断試験 圧縮剪断疲労試験 摩耗試験 チタンプラズマスプレーコーティングの静的引張試験 チタンプラズマスプレーコーティングの静的剪断試験 チタンプラズマスプレーコーティングの剪断疲労試験 チタンプラズマスプレーコーティングの摩耗試験 チタンプラズマスプレーコーティングの厚さの測定 生物学的安全性

外観試験 寸法試験 強度試験(硬さ試験) 強度試験(折り曲げ試験) 無菌性保証(SAL)及び担保の方法 無菌試験(滅菌バリデーションの資料以外で無菌性を確認する必要が生じた場合、実施する。)

外観試験 寸法試験 強度試験(硬さ試験) 強度試験(折り曲げ試験) 無菌性保証(SAL)及び担保の方法 無菌試験(滅菌バリデーションの資料以外で無菌性を確認する必要が生じた場合、実施する。)

差分有り

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本品

『滅菌済 ATLANTIS スパイナルシステム』

『滅菌済 ATLANTIS VISION スパイナルシステム』

差分に関する情報

使用方法

本品は滅菌済みの製品であるため、包装に破損及び亀裂等がないことを確認する。 本品は再使用できない。 手術器械は、製造販売業者が指定するものを使用すること。 本品の一般的手技は以下に示すとおりである。 1. 術前計画

テンプレートを用いて、本品が正中に設置されるようにサイズを決定する。

2. 椎間板の摘出及び除圧 前方アプローチで椎間板を摘出し、除圧を完成させる。

3. 椎体終板の処理 必要に応じて、椎体終板を平ら及び平行にする。

4. トライアリング トライアルを用いて、インプラントのサイズを確認する。

5. レールの溝の準備 トライアルカッターガイドを正中に設置する。 レールカッタービットをトライアルカッターガイドの孔に挿入し、下穴をあける。その際、フィグゼーションピンを用いて、トライアルカッターガイドを一時的に固定する。

6. レールの溝の作成 レールパンチを下穴に挿入し、レールの溝を作成する。

7. インプラントの設置 インサーターを用いて、本品を設置する。ボール部は頭側の椎体に、トラフ部は尾側の椎体に固定する。

8. 確認 インプラントが適切な位置に設置されていることを確認する。

【準備】 本品は滅菌済の製品であるため、包装に破損及び亀裂等がないことを確認する。 【骨接合方法の一例】 ①患者の解剖学的構造に合わせ、脊椎プレートを選択し、必要な場合はベンディングを行う。 ②脊椎プレートを術部に設置し、適切なタイプ及びサイズの脊椎スクリューを設置後、固定する。 ③専用付属品(ロックスクリュー)を締結し、最終固定を行う。 【骨癒合後】 骨癒合の完成を確認したら、抜去を行う。 ※本品は使いきりの製品であり、一回限りの使用で再使用できない。

【準備】 本品は滅菌済の製品であるため、包装に破損及び亀裂等がないことを確認する。 【骨接合方法の一例】 1.骨移植を行った後に、予め患者の解剖学的構造にあわせて、脊椎プレートのベンディングを行う。 2.専用付属品(ロックワッシャー)及び専用付属品(ロックスクリュー)が装着されている脊椎プレートを椎体に設置し、脊椎スクリューを椎体に挿入する。この時、脊椎プレートに装着されているロックワッシャーが脊椎スクリューを挿入する穴と反対方向に移動するため、脊椎スクリューは、ロックワッシャー及びロックスクリューの下に設置される。 3.全ての脊椎スクリューを挿入した後、専用付属品(ロックスクリュー)を締結する。 【骨癒合後】 骨癒合の完成を確認したら、抜去を行う。

※本品は使い切りの製品であり、一回限り

の使用で再使用できない。

※本品は主として頚椎に使用する。

※頚椎、胸椎又は腰椎への後方要素(ペディクルを含む)へのスクリュー固定を実施しない。

差分有り

出典

医療機器製造販売承認申請書 平成 20 年 5 月 26 日付医療機器製造販売承認事項軽微変更届書 平成 16 年 10 月 28 日付医療用具輸入承認書

平成 20 年 5 月 26 日付医療機器製造販売承認事項軽微変更届書 平成 18 年 2 月 8 日付医療用具輸入承認書

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1.4 外国における使用状況

1.4.1 外国における認可及び販売状況

外国における主要な認可及び販売状況について、表 1.4.1-1~1.4.1-3 に示す。2016 年 6 月

までの期間で、本品は計 個販売された。

表 1.4.1-1 外国における主要な認可状況

国名等 販売名 許認可

EU PRESTIGETM LP Cervical Disc System 2006 年 6 月 CE マーク取得

米国 PRESTIGETM LP Cervical Disc

2014年 7月、1椎間レベルの PMA取得(P090029)

2016年 7月、2椎間レベルの PMA取得(PMA P090029/S003)

7X12MM は、米国未承認。

オーストラリア PRESTIGETM LP Cervical Disc System 2004 年 4 月承認取得

中国 PRESTIGETM LP Cervical Disc System 2006 年 1 月承認取得

韓国 PRESTIGETM LP Cervical Disc System 2006 年 11 月承認取得

台湾 PRESTIGETM LP Cervical Disc System 2013 年 9 月承認取得

表 1.4.1-2 高さ 5mm 及び 6mm のインプラントの外国における販売状況

(対象期間: 2005 年 8 月~2016 年 6 月)

5X12MM 5X14MM 5X16MM 6X12MM 6X14MM 6X16MM 6X18MM

米国

イギリス

ドイツ

フランス

オーストラリア

中国

香港

台湾

韓国

その他

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表 1.4.1-3 高さ 7mm 及び 8mm のインプラントの外国における販売状況

(対象期間: 2005 年 8 月~2016 年 6 月)

7X12MM 7X14MM 7X16MM 7X18MM 8X14MM 8X16MM 8X18MM

米国

イギリス

ドイツ

フランス

オーストラリア

中国

香港

台湾

韓国

その他

<7X12MM が米国で承認されていない理由>

7X12MM が米国で承認されていない理由は、需要が少なく、承認を取得する必要がないと

米国開発元により判断されたためである。頚椎人工椎間板のサイズを選択する際、沈み込み

を防ぐために、できる限り椎体終板全体をカバーできるサイズを選択する。高さが大きい頚椎

人工椎間板が選択される多くの症例では、患者の椎体の奥行も大きく、12MM よりも大きい奥

行が必要となる。このため、7X12MM の需要は少なく、FDA の承認不要と判断された。一方、

東アジア市場の状況を鑑みると、数は少ないが、7X12MM が使用されていることも事実である。

本邦においては、使用頻度が少ないサイズバリエーションも提供できる準備を整えたいと考え、

7X12MM も申請アイテムに含めた。

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1.4.2 外国における不具合の発生状況

販売開始(2005 年 8 月)~2016 年 6 月 30 日の期間を対象に、外国におけるインプラントの不具合状況を調査した。報告された不具合を表

1.4.2-1 に示す(規制当局に報告されたものは赤字記載)。当該不具合情報は、米国臨床試験及び中央/東ヨーロッパ・中東の臨床観察研

究で発生した不具合情報を含んでいない。

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表 1.4.2-1 外国におけるインプラントの不具合の発生状況

# サイズ 報告日 報告された国 不具合の概要

1 5X12MM

6971250 2015 年 4 月 日 オーストラリア

期限切れインプラントの

使用

期限切れの PRESTIGE LP が使用された。抜去は行われず、健康被害の報告はな

かった。

2 5X14MM

6971450 2009 年 8 月 日 ドイツ インプラントの把持 インサーターで PRESTIGE LP の両方のコンポーネントを把持できなかった。

3 5X14MM

6971450 2009年 10月 日 イギリス インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LPの両方のコンポーネントを把持できなかった。新しい

PRESTIGE LP を開封したところ把持できた。健康被害の報告はなかった。

4 5X14MM

6971450 2010 年 4 月 日 イギリス インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LPの両方のコンポーネントを把持できなかった。新しい

PRESTIGE LP を開封したところ把持できた。健康被害の報告はなかった。

5 5X14MM

6971450 2010 年 11 月 日 オーストラリア インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP の両方のコンポーネントを把持できなかった。人工

椎間板置換術の代わりに前方固定術が施行された。

6 5X14MM

6971450 2012 年 4 月 日 ドイツ インプラントの破損

医師が誤ったサイズの PRESTIGE LP を使用し、それを抜去したところ、PRESTIGE

LP が破損した。破損片は患者の体内に残らなかった。その後、患者には新しい

PRESTIGE LP が埋植された。

7 5X14MM

6971450CK 2012 年 7 月 日 台湾 インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LPを把持できなかった。新しい PRESTIGE LPを開封し

たところ把持できた。健康被害の報告はなかった。

8

5X14MM

5X16MM

6971450CK

6971650CK

2010 年 5 月 日 台湾 インプラントの表示

PRESTIGE LP が 2 椎間に埋植された。一つの PRESTIGE LP には PRESTIGE LP

TM Cervical Disc System、もう 1 つには CERVICAL Disc と記載があったため、両

方とも本当に Medtronic の製品かどうか確認依頼があった。患者の健康被害の報

告はなかった。

9 5X16MM

6971650 2007 年 3 月 日 オーストリア インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。人工椎間板置換術の代わりに

固定術が施行された。患者の健康被害の報告はなかった。

10 5X16MM

6971650 2007 年 3 月 日 オーストリア インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。人工椎間板置換術の代わりに

固定術が施行された。患者の健康被害の報告はなかった。

11 5X16MM

6971650 2008 年 6 月 日 ドイツ インプラントの包装

5X16MM の PRESTIGE LP を開封したところ、ボール部が 2 つ入っていた。新しい

PRESTIGE LP を開封し、使用した。患者の健康被害の報告はなかった。

12 5X16MM

6971650CK 2008年 10月 日 韓国 インプラントの包装

PRESTIGE LPの一方のコンポーネントのサイズが間違っていた。新しいPRESTIGE

LP を開封し、使用した。患者の健康被害の報告はなかった。

13 5X16MM

6971650 2008 年 11 月 日 ポルトガル インプラントの移動

術後 1 年で患者は嚥下障害を訴えた。X 線画像で確認したところ、トラフ部の前方

への移動が認められた。PRESTIGE LP の抜去及びケージによる固定術が行われ

た。

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# サイズ 報告日 報告された国 不具合の概要

14 5X16MM

6971650 2009 年 7 月 日 イギリス インプラントのサイズ

トライアルを使用し、PRESTIGE LP のサイズを 5X16MM に決定し、挿入した。

PRESTIGE LP 挿入後、医師はサイズが異なるように感じたため抜去した。もう一つ

別の 5X16 MM を開封し、新たに挿入した。医師は、後から使用した PRESTIGE LP

の方がより適切に患者にフィットすると感じた。抜去されたものを確認したところ、

5X16MM と刻印されていた。患者の健康被害の報告はなかった。

15 5X16MM

6971650 2009 年 8 月 日 ドイツ インプラントの把持

5X16MM の使用を試みたところ、インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかっ

た。このため、6X16MM を使用し、手術を施行した。患者の健康被害の報告はな

かった。

16 5X16MM

6971650 2009 年 9 月 日 ドイツ インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。患者の健康被害の報告はな

かった。

17 5X16MM

6971650 2010 年 1 月 日 南アフリカ インプラントの把持

インサーターでPRESTIGE LPを把持できなかった。別のインサーターを使用しても

把持できなかった。新しい PRESTIGE LP を開封したところ、問題なく把持できた。

患者の健康被害の報告はなかった。

18 5X16MM

6971650 2010 年 3 月 日 デンマーク インプラントの把持

2椎間に PRESTIGE LPが埋植された。1つ目の PRESTIGE LPは問題なくインサー

ターで把持することができた。しかし、2 つ目について、インサーターで両方のコン

ポーネントを適切に把持できなかった。にもかかわらず、2 つ目の PRESTIGE LP を

埋植したところ、正しく設置できず抜去が必要になった。代わりに PEEK ケージによ

る固定術が施行された。患者の健康被害の報告はなかった。

19 5X16MM

6971650 2010 年 12 月 日 ニュージーランド インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。患者の健康被害の報告はな

かった。

20 5X16MM

6971650CK 2011 年 8 月 日 韓国 インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。患者の健康被害の報告はな

かった。

21 5X16MM

6971650CK 2011年 12月 日 韓国 インプラントの包装

PRESTIGE LP のトラフ部が 2 つ包装箱に入っていた。それらは使用されなかった。

患者の健康被害の報告はなかった。

22 5X16MM

6971650CK 2012 年 2 月 日 アルゼンチン インプラントの包装

PRESTIGE LPの同一コンポーネントが2つ包装箱に入っていて、使用することがで

きなかった。患者の健康被害の報告はなかった。

23 5X16MM

6971650CK 2012 年 3 月 日 ブラジル インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。大きいサイズの PRESTIGE LP

を開封し、使用した。最初に開封したものは使用できなかった。患者の健康被害の

報告はなかった。

24 5X16MM

6971650 2015 年 12 月 日

ニュージーラン

ド インプラントの移動

術後、一方のコンポーネントがもう一方よりも突出していた。埋植部位の痛み、脊

柱管狭窄、上肢障害が認められた。

25 6X12MM

6971260 2004 年 5 月 日 オーストラリア インプラントの包装

PRESTIGE LP のボール部が 2 つ包装箱に入っていた。新しい PRESTIGE LP が開

封され、使用された。

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# サイズ 報告日 報告された国 不具合の概要

26 6X12MM

6971260 2006 年 2 月 日 スイス インプラントの移動

PRESTIGE LP の前方移動が認められた。PRESTIGE LP は抜去され、固定術が施

行された。

27 6X12MM

6971260 2006 年 4 月 日 フランス インプラントの移動

手術翌日、PRESTIGE LP の前方移動が認められた。ケージを用いた再手術が施

行された。

28 6X12MM

6971260CK 2009 年 3 月 日 ブラジル インプラントの包装

PRESTIGE LP の包装に輸入段階で生じた破損が認められた。当該 PRESTIGE LP

は使用されなかった。患者の健康被害の報告はなかった。

29 6X12MM

6971260 2016 年 5 月 日 台湾 不快感

術後約 1 ヵ月で患者は不快感を訴えた。可動域も大きくなかったため、抜去が決

定された。プレート及びケージを用いた固定術が施行された。

30 6X14MM

6971460 2004 年 12 月 日 ポルトガル インプラントの破損 術中、PRESTIGE LP が破損した。

31 6X14MM

6971460 2005 年 2 月 日 南アフリカ インプラントの破損

術中、PRESTIGE LP の一つのコンポーネント及びドリルが破損した。患者の健康

被害の報告はなかった。

32 6X14MM

6971460 2006 年 5 月 日 フランス インプラントの破損

PRESTIGE LP の設置時にボール部のインサーター把持部が破損した。このボー

ル部は抜去され、代わりに固定術が施行された。手術時間が延長された。患者の

健康被害の報告はなかった。

33 6X14MM

6971460 2009 年 1 月 日 イギリス インプラントの包装

PRESTIGE LP のトラフ部が 2 つ包装箱に入っていた。新しい PRESTIGE LP を開

封し、問題なく使用した。患者の健康被害の報告はなかった。

34 6X14MM

6971460CK 2009 年 12 月 日 韓国 インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。患者の健康被害の報告はな

かった。

35 6X14MM

6971460 2013 年 11 月 日 中国 インプラントの移動 術後 2 日、PRESTIGE LP の移動が認められ、再手術が行われた。

36 6X14MM

6972460 2016 年 5 月 日 米国 インプラントの移動 PRESTIGE LP が前方に移動した。

37 6X16MM

6971660 2007年 11月 日 オーストラリア 脊柱管狭窄

術後約 24 ヵ月において、頚部脊柱管狭窄及び後方脊椎すべり症のため、

PRESTIGE LP が抜去された。

38 6X16MM

6971660CK 2009 年 7 月 日 韓国 インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持できなかった。患者の健康被害の報告はな

かった。

39 6X16MM

6971660 2010 年 7 月 日 ドイツ インプラントの移動

PRESTIGE LPの前方への移動が認められた。PRESTIGE LPの抜去及びケージに

よる固定術が行われた。

40 6X16MM

6971660 2010年 11月 日 オーストラリア インプラントの把持

インサーターで PRESTIGE LP を把持し、椎間に設置しようとしたところ、トラフ部が

インサーターから外れた。もう一度インサーターでPRESTIGE LPを把持したところ、

問題なく設置できた。

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# サイズ 報告日 報告された国 不具合の概要

41 6X16MM

6971660 2013 年 9 月 日 オーストラリア 疼痛

疼痛が原因で PRESTIGE LP は抜去され、後方固定術が施行された。PRESTIGE

LP の抜去時、埋植部位周囲にメタローシスを認めた。調査の結果、PRESTIGE LP

のチタンプラズマコーティングの部分的な剥離が認められた。しかし、この剥離が

術前に起こっていたのか、それとも抜去に伴い発生したものなのかは不明であっ

た。

42 6X16MM

6971660 2014 年 3 月 日 ニュージーランド インプラントの音

術後約 18 ヵ月において、PRESTIGE LP からの「きしみ音」が報告された。医師もき

しみ音を確認した。その他の有害事象は確認されていない。

43 6X16MM

6971660 2014 年 9 月 日 中国 インプラントのサイズ

術中 6X16MM の PRESTIGE LP が小さく感じられたため、その PRESTIGE LP を使

用しなかった。新しい PRESTIGE LP を開封し、手術を完了した。患者の健康被害

の報告はなかった。

44

6X16MM

6971660

又は

7X16MM

6971670

2014 年 10 月 日 ドイツ インプラントの移動 PRESTIGE LP が C4/C5 に埋植され、移動した。

45 6X16MM

6972660 2014年 11月 日 米国 疼痛

患者は術後に疼痛を訴えた。術中、レールパンチの挿入が困難であった。挿入の

際、EMG に異常所見が認められ、患者の体が手術台の上で跳ね上がった。

46 6X16MM

6972660 2015 年 9 月 日 米国 インプラントの移動 PRESTIGE LP のボール部が前方に移動した。再手術の予定。

47 6X18MM

6971860 2013 年 8 月 日 ニュージーランド インプラントの設置

PRESTIGE LP が上下逆さまに埋植された。

抜去は行われず、経過観察中。

48 6X18MM

6971860 2014 年 2 月 日 南アフリカ インプラントの包装

RESTIGE LP を包装箱から取り出すことが困難であった。取り出す際、PRESTIGE

LP のインサーターの把持部が欠けた。手術には新しい PRESTIGE LP を開封して

使用した。

49 7X16MM

6971670 2005 年 2 月 日 フランス インプラントの表示

PRESTIGE LP の包装に記載のサイズ表記とインプラントに記載のサイズ表記に齟

齬が認められた。

50 7X16MM

6971670 2005 年 6 月 日 ドイツ インプラントの移動

PRESTIGE LP の前方への移動が認められた。再手術が実施され、当該

PRESTIGE LP は抜去された。

51 7X16MM

6971670 2011 年 10 月 日 オーストリア メタローシス

術後、PRESTIGE LP が抜去された。組織病理学的検査でメタローシスが認められ

た(PRESTIGE LP の磨耗)。再手術にはケージ及びプレートが使用された。

52 7X16MM

6971670 2011年 10月 日 イギリス インプラントの音 術後、患者は屈曲・伸展時に発生する PRESTIGE LP のノイズを訴えた。

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# サイズ 報告日 報告された国 不具合の概要

53

7X16MM

6971670

7X18MM

6971870

2012 年 2 月 日 中国 インプラントの把持

インサーターで最初に開封した PRESTIGE LP を把持できなかったため、次に 7 X

18MM を開封した。しかし、そのサイズは患者に適合しなかったため、8 X 18MM を

開封し、使用した。問題なく手術は完了した。患者の健康被害は報告されなかっ

た。

54 7X16MM

6971670 2013 年 6 月 日 中国 インプラントの破損

術中、インストゥルメントの使用時に PRESTIGE LP が破損した。前方プレートを使

用して手術は完了した。

55 7X16MM

6972670 2015 年 5 月 日 米国 インプラントの包装

包装箱を開封したところ、PRESTIGE LP が入っていなかった。他の PRESTIGE LP

を開封して、手術は完了した。手術時間の延長はなかった。

56 7X18MM

6971870 2005 年 9 月 日 ドイツ インプラントの移動 PRESTIGE LP が前方へ移動した。

57 7X18MM

6971870 2005年 11月 日 ドイツ メタローシス

PRESTIGE LP を抜去した際、組織反応を確認した。組織は黒ずんでおり、組織学

的検査の結果、チタンが認められた。

58 7X18MM

6971870 2006年 12月 日 オーストラリア 脊髄症・神経根症

PRESTIGE LP 埋植から約 1 年半後、脊髄症を伴う神経根障害が持続するため再

手術が施行された。PRESTIGE LP が抜去され、前方プレートを用いた C5/C6 の

頚椎椎体亜全摘固定術が実施された。

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1.4.3 インサーターのデザイン変更

1.4.2 項に記載のとおり、“インサーターで PRESTIGE LP を把持できない”という不具合が多く発生し

たため、新しいインサーターが開発され、2011 年 3 月から臨床使用が開始された。米国臨床試験で

は新インサーターは使用されていない。以下に、インサーターの使用方法、問題点及び改善点を記

載する。

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旧インサーターの問題点

主に以下 2 点により、旧インサーターでは“インサーターで PRESTIGE LP を把持できない”という不具合が多く発生したと考えられた。

1. インプラントを把持する部分が複数部品から構成されており、左右のピンの距離を管理することが困難であった(左右のピンの距離には、各部品の公差だけ

ではなく、組み立て公差も影響する)。

図 1.4.3-7 旧インサーターの構成

2. 把持機構が、アンロック、ロックの 2 通りしかなかったため、左右のピンの距離の調整範囲が狭かった。

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新インサーターの改良点

1. 部品点数を減らし、公差管理を容易にした。新インサーターのインプラント把持部は 1 部品なので一体加工により製造が可能である。

図 1.4.3-8 新インサーターの構成

2. ハンドルを回し、シャフトを引き上げる機構にし、左右のピンの距離の調整範囲を広げた。

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1.4.4 新インサーターの不具合情報

旧インサーターから新インサーターへの変更は、2011 年 3 月から running change で行われた。

新インサーターに関する不具合情報を確認したところ、その導入時から 2016 年 6 月 日まで

の間で高さ 6mm のインプラント用のインサーターについて、1 件の不具合が報告されている。な

お、高さ 6mm のインプラント用のインサーターの使用回数は、その導入から 2016 年 6 月 日

までの間で約 回であった。

1件の不具合は、“術中、インサーターを用いてインプラントを把持することが非常に困難であっ

た。後にデモインプラントを用いて、術者がインサーターでインプラントを把持しようと試みたとこ

ろ、同様の結果であった。”という内容のものであり、重篤な健康被害は、報告されていない。

当該不具合品を調査したところ、新インサーターのシャフト先端部が変形していたことがわかっ

た。この変形は、ハンドルを強く締めすぎたために起こったものと考えられた。

本邦には、旧インサーターが導入されることはなく、新インサーターのみ導入される。そして、新

インサーターの不具合発生状況は、臨床上許容できないリスクを表していないと考えられる。

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1.4.5 インプラントの移動に関する補足情報

表 1.4.5-1 にインプラントの移動に関する不具合情報を記載する。

インプラントの移動に最も関係するインプラントのデザインは、レールの形状及びプラズマ

スプレーコーティングの面積と考えられるため、これらのデザインに関するボール部とトラフ

部の違いを表 1.4.5-2 に示す。

ボール部とトラフ部のどちらかが移動しやすい傾向があるのかという点について、インプラ

ントの不具合情報では、どちらが移動したか不明な例も多く、答えを出すことは困難である。

また、移動に関係するインプラントのデザインについて、ボール部とトラフ部にはわずかな

違いしかない。STED 4.1.6 項に記載のとおり、米国臨床試験等の臨床結果及び押し出し

試験の非臨床試験結果に基づき、本品の耐移動特性(押し出し特性)について、臨床上

許容できないリスクはないと判断した。

表 1.4.5-1 インプラントの移動に関する不具合情報

対象データ インプラントの 移動の件数

ボール部の 移動の件数

トラフ部の 移動の件数

どちらのコンポーネントの移動か 不明な件数

外国におけるインプラントの不具合情報

(STED 1.4.2 項参照) 11 1 1 9

米国臨床試験 (STED 4.1.6 項参照)

11 7 2 2

中央/東ヨーロッパ・中東の臨床観察研究

(STED 8.1.7 項参照) 0 0 0 0

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1.4.6 外国の適応

表 1.4.6-1 に外国の適応を示す。米国以外の適応は、米国のそれよりも広い。米国では、

臨床試験を経て承認を取得した。一方、EU 諸国、中国、韓国及び台湾では承認取得の

ための臨床試験は実施されていない。

表 1.4.6-1 外国の適応

国 Indication 適応

米国

The PRESTIGE LP™ Cervical Disc is indicated in skeletally mature patients for reconstruction of the disc from C3-C7 following discectomy at one level or two contiguous levels for intractable radiculopathy (arm pain and/or a neurological deficit) with or without neck pain, or myelopathy due to abnormality localized to the level of the disc space and at least one of the following conditions confirmed by imaging (CT, MRI, X-rays): herniated nucleus pulposus, spondylosis (defined by the presence of osteophytes), and/or visible loss of disc height as compared to adjacent levels. The PRESTIGE LP™ Cervical Disc is implanted using an anterior approach. Patients should have failed at least 6 weeks of non-operative treatment or have had the presence of progressive symptoms or signs of nerve root/spinal cord compression in the face of continued non-operative management prior to implantation of the PRESTIGE LP™ Cervical Disc.

適応患者の年齢 -骨格が成熟していること。 適応部位 -C3 から C7 の 1 又は 2 椎間 適応疾患 -難治性の神経根症(上肢痛及び/又は神経障害を伴う。頚部痛がない場合も含む) -脊髄症(椎間板高位の異常による) ただし、いずれの疾患についても、次の内、少なくとも一つの画像所見があること。 -椎間板ヘルニア -頚椎症(骨棘があること) -椎間板高の明らかな減少(隣接椎間に比べて) アプローチ -前方法 保存療法 -6 週間の保存療法に抵抗する患者が対象。ただし、進行性の症状又は神経根/脊髄の圧迫が認められる場合はその限りではない。

EU 諸国 中国 韓国 台湾

The PRESTIGE® Cervical Disc is generally indicated for use at any level from C2/C3 to C7/T1: -for cervical degenerative discopathy and instability • in patients with adjacent levels either congenitally or surgically fused • for primary surgery for degenerative discopathies or extensive anterior decompression •revision surgery for failed disc operation, stenosis, post-operative instability -pseudarthrosis or failed arthrodesis.

適応部位 -C2/C3 から C7/T1 適応疾患・適応する状況 -頚椎椎間板症及び不安定性 •隣接椎間が骨癒合している患者(先天性及び医原性の両方を含む) •頚椎椎間板症に対する初回手術又は再手術(手術範囲の延長) •失敗した前方除圧術、術後の狭窄症又は術後の不安定性に対する再手術 -偽関節又は失敗した椎体間固定術に対する再手術