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438 感染症学雑誌 第51巻 第8号 急性骨髄性白血病に合併 したBacillus cereusに よ る敗 血 症 の1例 日本大学医学部臨床病理学教室(主 任:土 屋俊夫教授) 板 橋 日大 病院中央検査科 日本大学医学部第1内 科教室 堀越 高橋 好一 武尾 大島 年照 Key words: Leukemia, Bacillus cereus, Septicemia は じめ に グ ラ ム陽 性 有 芽 胞 好 気 性 のBacillus属 は 自然 界 に 広 く分 布 し て お り,Contaminantsと して時 折 検 査 材 料 よ り分 離 され る.Bacillus属 は一般に Bacillus anthrax以 外は人間に対して病原性は弱 い と考 え られ て い る. わ れ わ れ は 最 近,急 性 骨 髄 性 白 血 病 の 患 者 で, 抗白血病剤による化学療法中に敗血症の臨床症状 を示 し,血 液 培 養 で9日 間 の あ い だ に3回 続け てBacillus cereusを 検 出 した 症例 を 経験 した. Bacilius cereusとBacillu ssubtilisの 生物化学的 性 状 の違 い も検 討 した の で,そ れ も含 め て,こ 症 例 を 報 告 す る. 症 例:26歳,男,会 社員 主 訴:全 身 倦 怠 感,微 既 往 歴,家 族 歴:特 記 す べ き こ と な し. 現 病 歴:昭 和51年6月26日,ラ ンニ ング後疲労 息 切 れ が強 く,又 家族に顔色不良を指摘され近医 を7月1日 受 診.白 血 病 の疑 い で 日大 板 橋 病 院 を 紹 介 さ れ,7月13日 入 院. 入 院 時 所 見:体 格 大,肥 満,皮 膚 は蒼 白,意 清 明,眼 瞼 結 膜 貧 血 著 明,リ ンパ節 腫 大 な く,肝 二 横 指 触 知,脾 触 知 せ ず,体 温36.5℃,血 圧140/ 90mmHgで あ つ た. 入 院 時 検 査 成 績 〔Table 1, 2〕:血 液一般検査で は著明 な 貧 血,血 小板減少 が あ り,白 血球数は 2,200/mm3と 減 少 して お り,血 液像 では 幼若細 胞 が13%出 してい る.胸 骨骨髄像では細胞数 6.9×104/mm3と 減 少 し て い るが 幼 若 細 胞 が68.4 %を 占 め て い る.幼 細胞 はperoxidase反 (一),PAS反 応(一)で あ る が,前 骨髄球様細 胞 へ の移 行 が見 られ る こ とな どか ら急 性 骨 髄 性 白 血 病 と診 断 され た.肝 臓,腎 臓の機能検査では明 らか な異 常 は認 め られ な かつ た. 入 院 後 経 過 〔Table 1, 3〕:た だちに多量輸血 と,Daunomycin, Cy. arabinoside, nineに よる化学 療法 を 開 始 した が,そ の後末血 で は血 小 板 と好 中球 の減 少 が著 明 で あ り,骨 髄像 で は 正常 の骨 髄 固有 細 胞 の減 少 が強 く,白 血病細 胞 は な か な か 減 少 し な か つ た.又 頑 固 な鼻 出血 が 続 き,患 者 は 咽頭 痛 を強 く訴 え る よ うに な つ た. 8月3日 か ら急 に39℃ 近 くの発熱 が起 り,8月3 日,5日,8日 の静脈血培養で続けてグラム陽性 の好 気 性 有芽 胞桿 菌 を検 出 した.又 咽頭の多発性 潰瘍部からの細菌検査でもグラム陽性の有芽胞桿 菌 が 少数 検 出 され た. 8月3日 の発熱 と同時 に,CBPC, CEZ, GM による強力な化学療法を開始したが体温は低下せ ず,CBPCをLCMに え る と,8月12日 には

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438 感染症学雑誌 第51巻 第8号

臨 床

急 性 骨 髄 性 白血 病 に合 併 したBacillus cereusに

よる敗血症の1例

日本大学医学部臨床病理学教室(主 任:土 屋俊夫教授)

寺 島 英 一 土 屋 俊 夫

板橋日大病院中央検査科

奥 山 清 子

日本大学医学部第1内 科教室

堀越 昶 高橋 好一 武尾 宏 大島 年照

Key words: Leukemia, Bacillus cereus, Septicemia

は じめ に

グ ラ ム陽 性 有 芽 胞 好 気 性 のBacillus属 は 自然

界 に 広 く分 布 し て お り,Contaminantsと して 時

折 検 査 材 料 よ り分 離 され る.Bacillus属 は 一 般 に

Bacillus anthrax以 外 は 人 間 に 対 して病 原 性 は 弱

い と考 え られ て い る.

わ れ わ れ は 最 近,急 性 骨 髄 性 白 血 病 の 患 者 で,

抗 白血 病 剤 に よる化 学 療 法 中 に 敗 血 症 の臨 床 症 状

を示 し,血 液 培 養 で9日 間 の あ い だ に3回 続 け

てBacillus cereusを 検 出 した 症例 を 経験 した.

Bacilius cereusとBacillu ssubtilisの 生 物 化 学 的

性 状 の違 い も検 討 した の で,そ れ も含 め て,こ の

症 例 を 報 告 す る.

症 例

症 例:26歳,男,会 社 員

主 訴:全 身 倦 怠 感,微 熱

既 往 歴,家 族 歴:特 記 す べ き こ とな し.

現 病 歴:昭 和51年6月26日,ラ ンニ ング後 疲 労

息 切 れ が強 く,又 家 族 に顔 色 不 良 を指 摘 され 近 医

を7月1日 受 診.白 血 病 の疑 い で 日大 板 橋 病 院 を

紹 介 され,7月13日 入 院.

入 院 時 所 見:体 格 大,肥 満,皮 膚 は蒼 白,意 識

清 明,眼 瞼 結 膜 貧 血 著 明,リ ンパ節 腫 大 な く,肝

二 横 指 触 知,脾 触 知 せず,体 温36.5℃,血 圧140/

90mmHgで あ つ た.

入 院 時 検 査 成 績 〔Table 1, 2〕:血 液 一 般 検 査 で

は 著 明 な 貧 血,血 小 板 減 少 が あ り,白 血球 数 は

2,200/mm3と 減 少 して お り,血 液 像 で は 幼 若 細

胞 が13%出 現 し て い る.胸 骨 骨 髄 像 で は 細 胞 数

6.9×104/mm3と 減 少 し て い るが 幼 若 細 胞 が68.4

%を 占 め て い る.幼 若 細 胞 はperoxidase反 応

(一),PAS反 応(一)で あ るが,前 骨 髄 球 様 細

胞 へ の移 行 が見 られ る こ とな どか ら急 性 骨 髄 性 白

血 病 と診 断 され た.肝 臓,腎 臓 の機 能 検 査 で は 明

らか な異 常 は認 め られ な かつ た.

入 院後 経 過 〔Table 1, 3〕:た だ ち に多 量 輸 血

と,Daunomycin, Cy. arabinoside, 6-MP, Predo-

nineに よる化学 療法 を 開 始 した が,そ の後 末 血

で は血 小 板 と好 中球 の減 少 が著 明 で あ り,骨 髄 像

で は 正常 の骨 髄 固有 細 胞 の減 少 が強 く,白 血 病 細

胞 は な か な か減 少 しな か つ た.又 頑 固 な鼻 出血 が

続 き,患 者 は 咽頭 痛 を強 く訴 え る よ うに な つ た.

8月3日 か ら急 に39℃ 近 くの発 熱 が起 り,8月3

日,5日,8日 の静 脈 血 培 養 で続 け て グ ラ ム陽 性

の好 気 性 有芽 胞桿 菌 を検 出 した.又 咽頭 の多 発 性

潰 瘍 部 か らの細 菌 検 査 で もグ ラム陽 性 の有 芽 胞 桿

菌 が 少数 検 出 され た.

8月3日 の発 熱 と同時 に,CBPC, CEZ, GM

に よ る強 力 な化 学 療 法 を 開始 した が体 温 は低 下 せ

ず,CBPCをLCMに 変 え る と,8月12日 に は

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昭 和52年8月20日 439

Table 1 Common blood examination, hemogram and pattern of serum electrophoresis, after admission

Table 2 Myelogram of the patient, beforeantileukemic chemotherapy (Sternum,

July 13)

Table 3 Venous blood culture, temperature and

chemotherapy, after admission

体温は下つた.し かし全身皮膚の点状出血 と肉眼

的血尿が著明になつてきた.

8月26日 には再度発熱すると同時に今度は静脈

血培養で緑膿菌が検出された.又 心窩部圧痛が増

強し,腫 瘤を触知するようになり,そ の後吐血下

血を合併し,入 院48日 目の8月30日 に死亡した.

細菌学的検査所見:カ ルチャーボ トル1号2号

共 にBacillusが 検 出 され(Photo. 1),血 液 寒 天

培 地 に移 して一 夜 培 養 後 グ ラム染 色 す る と,増 殖

期 のBacillusは 大 桿菌(Photo. 2)で,枯 草 菌

ATCC 6633 (Photo. 3)よ り太 くて 長 い.し か し

培 養2日 目以 後 の芽 胞 形 成 期 の グ ラム染 色 標 本 で

は形 態 学 的 に枯 草 菌 と区別 で きな い.

検 出 菌 の 生 物 学 的 性 状 をBergey's Manual of

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440 感 染症学会雑 誌 第51巻 第8号

Photo. 1 Bacillus cereus isolated from blood of

the patient (Grarn's stain from the culture bottle,

×1000)

Photo. 2 Bacillus cereus isolated from blood of

the patient (Gram's stain from blood agar, incu-

bated during 12 hours at 36℃. ×1000)

Photo. 3 Bacillus subilis ATCC 6633 (Gram's stain

from blood agar, incubated during 12 hours at 36

℃. ×1000)

Table 4 Biochemical chracters of the isolated

strain and Bacillus subtilis ATCC 6633

IsolateB. subtilis

ATCC 6633

Rods width 1.0-1.2micron 0.7-0.8micron

length 3.0-5.0micron 2.0-3.0micron

Spore shape elliptical elliptical

dominant central central

position

Motility++

Growth in Anaerobic agar + -

Intracellular protein crystals - -

Egg yolk reaction + -

Hemolysis on blood agar + -

aAcid from glucose + +

xylose - +

arabinose - +

mannitol - +

aMedium (gram per liter):(NH 4)2 HPO4, 1.0;KCl, 0.2; MgSO4. 7H20, 0.2; yeastextract, 0.2;agar, 15; bromcresol purple, 0.008; glucose, 5; used

as slants, incubated during two-days.

Determinatlve Bacteriologyを も とに して,Ba-

cillus subtilis ATCC 6633と 比 較 し なが ら検 査 した

〔Table 4〕.又 検 出菌 の そ の 他 の 生 化 学 的 性 状

は,硝 酸 塩 還 元 能(+),ク エ ン酸 利 用 能(+),

アル ギ ニ ン ・ジ ヒ ドロラ ーゼ(+),ゼ ラチ ナ ー

ゼ(+),カ タ ラ ーゼ(+),オ キ シ ダ ー ゼ(+)

で あ つ た.

以 上 か ら 検 出 菌 はBacillus cereusと 同定 し

た.

抗 生 物 質 感 受 性 試 験 〔Table 5〕 で は,枯 草菌

ATCC 6633が ほ とん どす べ て の も の に感 受 性 が あ

るが,検 出 され たBacillus cereusは,PCGと そ

の誘 導 体 の抗 生 物 質 群 や,CER, CEZに は 全 く

感 受 性 を 示 し てい ない.

そ の他 の 細 菌 学 的検 査 で は,咽 頭,鼻 腔,口

腔,腹 部 皮 膚,腋 窩 な どか ら細 菌培 養 が 行 わ れ,

そ の 結果 咽 頭 粘液 の み か らBacillus cereusが 分

離 され た.こ の菌 の抗 生 物 質 感 受 性 パ タ ー ンは血

液 か ら分 離 され た もの と全 く同 じだ つ た.

剖 検 所 見:剖 検 で は,全 身 皮 膚 の点 状 出血,各

臓 器 の出 血 が 著 明 で あ り,胃 の 体 部 か ら幽 門 前庭

部 に か け て,び 漫 性 に筋 層 内漿 膜 下 に 出 血 し てお

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昭和52年8月20日 441

Table 5 Drug sensitivity of the isolated strainand Bacillus subtilis ATCC 6633 (Paper discusmethod)

り,胃 壁の厚さは一部では4cmに も達する.又

多発性の急性胃潰瘍と,び 漫性の胃粘膜出血を伴

つている.

骨髄は脂肪髄であ り,組 織学的には白血病細胞

が散在性巣状に増殖している.

肝臓は2,500g,う つ血が強 く,実 質では肝細胞

の脂肪変性が強 く,巣 状壊死も散見される.し か

し細胞浸潤はほとんど見 られない.

腎臓は左350g右280g,共 に腫大 しており,左 腎

孟尿管内は血腫で完全に閉塞 している.組 織学的

には左右共に尿細管上皮の変性 と間質の浮腫が強

いが,糸 球体には硝子血栓などは見られない.

心臓,肺 臓,脾 臓には大きな異常は認められな

い.

脳の解剖は承諾が得 られなかつた.

考 察

Bacillus属 は明らかに分類が確定 しているもの

だけで22種 あ り,そ の中で人間に強い病原性のあ

るものはBacillus anthraxの みで,他 は一般に

非病原性菌 とされている.し かし非病原性のBa-

ci11usに よる外傷性全眼球炎1)2)3),血液透析器の

滅菌不十分からのBacillusに よる菌血症,敗 血

症4)5),さ らには最近 は 悪性腫瘍などの免疫機能

の低下 した状態での非病原性Bacillusに よる敗

血症6)7)8)9)が 多 く報 告 され て い る.こ れ らの 原 因

菌 は 一 部,古 い 文 献 で は 枯 草 菌 と の区 別 が は つ き

りされ て い な い も の も あ るが,大 部 分 はBacillus

cereusで あ る.Bacillus cereusは 食 中 毒 の原 因 菌

と して も古 くか ら知 られ て お り,そ の原 因 とな る

腸 毒 素 の研 究 もな され て い る10)11).

今 回 わ れ わ れ も急 性 骨髄 性 白 血病 に 合 併 し た

Bacillus cereusに よる敗 血 症 を1例 経 験 し,生 物

学 的 性 状 を 調 べ た 結 果,枯 草 菌 とはか な り異 なつ

た性 状 を示 す こ とを知 つ た.す なわ ち,lecithinase

が強 陽 性 で あ る こ とや,β 溶 血 毒 素 を 持 つ こ と

は,炭 疽 菌 の 性 状 と同 じで あ る.

Bacillus cereusは 他 の 非 病 原 性Bacillusと 同

様 に広 く 自然 界 に分 布 して お り,人 間 の 口腔 内 に

も一 時 的 に寄 生 す る こ とが あ る とい う.

この症 例 は 咽頭 に多 発 性 の潰 瘍 を認 め,咽 頭 粘

液 か らBacillus cereusが 検 出 され て い る こ とか

ら,咽 頭 潰 瘍 で 増 殖 した菌 が 血 中 に 侵 入 した と考

え られ る.

近 年 弱 毒 菌 また は非 病 原 性 菌 の感 染 症 の漸 増 の

傾 向 が認 め られ て い る が,多 くは基 礎 疾 患,例 え

ば血 液 疾 患,悪 性 腫 瘍,糖 尿 病 が あ りそ れ らに強

力 な 治療 が加 え られ た場 合 に感 染 症 の 発 症 が あ

る.

本 来 感 染症 は 宿 主 と寄 生 体 との力 関 係 に 破 綻

を 生 じ た 際 に 発 症 す る こ とが 明 らか に なつ て き

た12).そ の 意 味 か ら従 来 の 病 原 性,非 病 原 性 とい

う区 別 は,特 殊 な 菌 を の ぞ い て は,意 味 が な い.

以 上 の 様 な 現 状 で は,臨 床 細 菌 学 的 に,検 体 の

採 取 法,検 出 菌 の 判 断 に 十 分 な 注 意 が 必 要 とな つ

て きた も の と考 え る.

文 献

1) Von Bijsterveld, O. P. and Richards, R. D.:Bacillus Infection of the Cornea. Arch. Oph-thal., 74: 91-95, 1965.

2) Davenport, R. and Smith, C.: Panoph-thalmitis due to organism of Bacillus subtilis

group. Brit. J. Ophth., 36: 389-392, 1952.3) Pearson, H. E.: Human infection caused

by organisms of the Bacillus species. Am.

J. Clin. Path., 53: 506-515, 1970.4) Curtis, J. R., Wing, A. J. and Coleman,

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442 感 染症学雑 誌 第51巻 第8号

J. C.: Bacillus cereus bacteremia. A complica-tion of intermittent hemodialysis. Lancet,21: 136-138, 1967.

5) Weinstein, L. and Colburn, C. G.: Bacillussubtilis meningitis and bacteremia. Arch.Intern. Med., 86: 585-594, 1950.

6) Coonrod, J. D., Leadley, P. J. and Eickhoff,T. C.: Bacillus cereus Pneumonia and Bac-teremia. A case Report. Am. Rev. Resp.Dis., 103: 711-714, 1971.

7) Ihde, D. C. and Armstrong, D.: ClinicalSpectrum of Infection Due to Bacillus Species.Am. J. Med., 55: 839-845, 1973.

8) 川上 浩, 重 田 英 夫: Bacillus cereus感 染 症

に よ る 一 死 亡 例, 臨 床 病 理 総 会 号, 24: 305,

1976.

9) Farrar, W. E.: Serious Infections Dueto "Non-Pathogenic Organisms of the GenusBacillus. Am. J. Med., 34: 134-141, 1963.

10) Melling, J. and Capel, B. J.: Identifica-tion of anovel enterotoxigenic activity as-sociated with Bacillus cereus. J. clin. Path.,29: 938-940, 1976.

11) Turnbull, P. C. B.: Studies on the productionof enterotixins by Bacillus cereus. J. clin.Path., 29: 941-948, 1976.

12) 河 野 均 也:「 宿 主抵 抗 性 」(免 疫) の 立 場 か ら,

臨 床 病 理, 25: 282-286. 1977.

A case of acute myelogenous leukemia, complicated with Bacillus cereus septicemia

Eiichi TERASHIMA, Toshio TSUCHIYA*1, Kiyoko OKUYAMA*2, Akira HORIKOSHI,

Koichi TAKAHASHI, Hiroshi TAKEO, Toshiteru OSHIMA*3

*1 Dept . of Clin. Path., Nihon Univ. School of Med.

*2 Clinical Lab ., Itabashi Nihon Univ. Hosp.

*3 First Dept . of Int. Med., Nihon Univ. School of Med.

A 26-year-old male was admitted to Itabashi Nihon Univ. Hosp., with the diagnosis of acute

myelogenous leukemia. Soon after the admission he was started to have antileukemic chemotherapy with

Daunomycin, Cy. arabinoside, 6-MP and Predonine.

On the twentieth hospital day, he was noticed to have high fever, 39℃,and continued to have high

fever for nine days. On the first, third and fifth day of fever, venous blood were drawn and cultivated

Bacillus cereus. Bacillus cereus was also cultivated from pharyngeal swab.

He became afebrile by chemotherapy of GM, CER and LCM, but died on the forty-eight hospital

day with complication of hemorrhagic diathesis.

The isolated Bacillus was compared with Bacillus subtilis ATCC 6633, biologically.