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20 3. 容器包装の製造時における排出抑制の取組実態にかかる把握・分析 主として小売店等を中心として企業等(一部は関連団体も想定)へのヒアリング調査を実施し 容器包装の製造に係わる排出抑制の取り組み実態等を把握、分析した。 3.1 我が国におけるレジ袋等容器包装の利用実態等調査 3.1.1 各種統計や文献等の収集 レジ袋の利用実態に関連する統計や文献等を収集し、整理した。 (1) 日本ポリオレフィンフィルム工業組合 日本ポリオレフィンフィルム工業組合の統計に基づき、ポリオレフィンフィルムの年別出荷状 況、ポリエチレン袋輸入量の推移を整理した。 レジ袋に着目すると、近年は減尐傾向にある。 3.1-1 ポリオレフィンフィルムの年別出荷状況(数量:トン 対前年比:%区分 2004 2005 2006 2007 2008 数量 対前年比 数量 対前年比 数量 対前年比 数量 対前年比 数量 対前年比 LDPE・ LLDPE フィルム 産業用 283,393 93.9% 272,052 96.0% 272,450 100.1% 244,980 89.9% 224,242 91.5% ごみ袋 50,973 88.0% 46,225 90.7% 48,060 104.0% 42,694 88.8% 40,173 94.1% 農業用 41,009 82.5% 42,568 103.8% 42,541 99.9% 161,441 87.8% 150,095 93.0% その他 131,684 76.5% 140,239 106.5% 141,360 100.8% 507,059 87.2% 501,084 98.8% 504,411 100.7% 449,115 89.0% 414,510 92.3% HDPE フィルム レジ袋 145,676 93.7% 143,835 98.7% 138,892 96.6% 123,577 89.0% 108,740 88.0% ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6% 346 75.7% 83,088 86.5% 81,876 98.5% 産業用その他 102,306 86.7% 94,469 92.3% 95,704 101.3% 280,353 90.9% 269,573 96.2% 267,353 99.2% 242,604 90.7% 226,170 93.2% IPPフィルム 19,655 67.5% 19,366 98.5% 18,605 96.1% 16,751 90.0% 16,273 97.1% 合計 807,067 87.8% 790,023 97.9% 790,369 100.0% 708,470 89.6% 656,953 92.7% (出典) 日本ポリオレフィンフィルム工業組合 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 数量(トン) 82.0% 84.0% 86.0% 88.0% 90.0% 92.0% 94.0% 96.0% 98.0% 100.0% 対前年比(%) 数量(トン) 対前年比(%) (出典) 日本ポリオレフィンフィルム工業組合 3.1-1 レジ袋の生産推移

140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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Page 1: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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3. 容器包装の製造時における排出抑制の取組実態にかかる把握・分析

主として小売店等を中心として企業等(一部は関連団体も想定)へのヒアリング調査を実施し

容器包装の製造に係わる排出抑制の取り組み実態等を把握、分析した。

3.1 我が国におけるレジ袋等容器包装の利用実態等調査

3.1.1 各種統計や文献等の収集

レジ袋の利用実態に関連する統計や文献等を収集し、整理した。

(1) 日本ポリオレフィンフィルム工業組合

日本ポリオレフィンフィルム工業組合の統計に基づき、ポリオレフィンフィルムの年別出荷状

況、ポリエチレン袋輸入量の推移を整理した。

レジ袋に着目すると、近年は減尐傾向にある。

表 3.1-1 ポリオレフィンフィルムの年別出荷状況(数量:トン 対前年比:%)

区分 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年

数量 対前年比 数量 対前年比 数量 対前年比 数量 対前年比 数量 対前年比

LDPE・

LLDPE

フィルム

産業用 283,393 93.9% 272,052 96.0% 272,450 100.1% 244,980 89.9% 224,242 91.5%

ごみ袋 50,973 88.0% 46,225 90.7% 48,060 104.0% 42,694 88.8% 40,173 94.1%

農業用 41,009 82.5% 42,568 103.8% 42,541 99.9% 161,441 87.8% 150,095 93.0%

その他 131,684 76.5% 140,239 106.5% 141,360 100.8%

計 507,059 87.2% 501,084 98.8% 504,411 100.7% 449,115 89.0% 414,510 92.3%

HDPE

フィルム

レジ袋 145,676 93.7% 143,835 98.7% 138,892 96.6% 123,577 89.0% 108,740 88.0%

ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9%

農業用 450 106.1% 457 101.6% 346 75.7% 83,088 86.5% 81,876 98.5%

産業用その他 102,306 86.7% 94,469 92.3% 95,704 101.3%

計 280,353 90.9% 269,573 96.2% 267,353 99.2% 242,604 90.7% 226,170 93.2%

IPPフィルム 19,655 67.5% 19,366 98.5% 18,605 96.1% 16,751 90.0% 16,273 97.1%

合計 807,067 87.8% 790,023 97.9% 790,369 100.0% 708,470 89.6% 656,953 92.7%

(出典) 日本ポリオレフィンフィルム工業組合

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年

数量(トン)

82.0%

84.0%

86.0%

88.0%

90.0%

92.0%

94.0%

96.0%

98.0%

100.0%

対前年比(%)

数量(トン) 対前年比(%)

(出典) 日本ポリオレフィンフィルム工業組合

図 3.1-1 レジ袋の生産推移

Page 2: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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一方、ポリエチレン袋の輸入推移を見ると、中国からの輸入量増加が強く影響して、全体的に

増加基調にある。用途の内訳が分からないため、この増加が国内のレジ袋生産量の減尐分をカバ

ーしているか否かは不明である。

表 3.1-2 ポリエチレン袋輸入量の推移(千トン)

年 中国 タイ マレーシア フィリピン インドネシア その他 計

2004年 188.3 70.8 33.1 20.1 70.8 37.1 420.1

2005年 217.5 72.0 32.3 19.6 66.0 35.3 442.7

2006年 254.4 73.7 36.2 18.1 65.0 32.4 479.8

2007年 260.5 67.1 33.8 18.1 61.0 31.1 471.5

2008年 270.0 67.9 32.4 16.2 59.2 35.3 481.0

(出典) 財務省 貿易統計

0

100

200

300

400

500

2004年 2005年 2006年 2007年 2008年

(千トン)

中国

タイ

マレーシア

フィリピン

インドネシア

その他

(出典) 日本ポリオレフィンフィルム工業組合

図 3.1-2 ポリエチレン袋輸入量の推移

Page 3: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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(2) 食品容器包装「排出抑制事例集」

(財)食品産業センターが公表している、食品容器包装に係る「排出抑制事例集」において推

奨されている事例を以下に示す。

表 3.1-3 排出抑制事例集

製品 害虫忌避カートン

事業者 大日本印刷/ハウス食品

削減効果 カートンに使用していた防虫用プラスチックフィ

ルムが不要。

特徴 食品包装で大きな課題であった流通時の防虫対策

として開発。開発された忌避剤は天然成分を利用

しており、安全性が高く、効果が数ヶ月持続する。

通常のカートンと同一工程での製造・充填が可能

である。

製品 環境対応型ビールケース

「ウェーブ段ボール」

事業者 サッポロビール/株式会社スマイル

削減効果 従来比で 17%減量し、省資源を実現。シートが薄

くゴミ容積を 40%減少させることが出来た。

特徴 CFS(Crystal Folding System)ボードは、建築工

学における折板構造から生まれたウェーブ型段ボ

ールシートである。縦横ウェーブ形状の中芯を使

用し、トラス構造で強度が高く、坪量ダウンを実

現する。

製品 世界最高水準の「超軽量びん」

事業者 東洋ガラス/アヲハタ

削減効果 従来のびんよりも 30%の軽量化に成功。

特徴 「アヲハタスーパーフルーティ」にこの超軽量び

んを採用した。丸みをおびた形は軽量であっても

「強度」を増すためであり、軽さ、環境への配慮

のため、安全性は犠牲にはしていない。

製品 ウインドウォッシャー液の容器

事業者 ソフト 99 コーポレーション

削減効果 容器の樹脂の減量化と廃棄時の減容化

特徴 カー用品の中で比較的使用頻度の高いウインドウ

ォッシャー液の容器の樹脂の減量化と廃棄時の減

容化・素材の分別化と意匠性の両立を目指して、

独自に容器を作成した。

製品 液晶ディスプレイの包装

事業者 NEC/三菱電機/ビジュアルシステムズ、三菱電機

住環境研究開発センター

削減効果 包装容積半減、包装使用量半減、包装費用 25%削

特徴 製品強度設計と包装設計の最適化及びスタンド部

分の収納改善により、包装容積半減、包装使用量

半減、包装費用 25%削減を実現した。これにより

コンテナ積載数を 2 倍とした。

Page 4: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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3.1.2 企業・関係団体等へのヒアリング調査

「2.1.1 容器包装使用合理化の実態把握及び分析」のヒアリング調査と合わせて、レジ袋製造、

使用に関する企業及び関連団体等を対象として、ヒアリング調査を実施した。

以下に示す業種の小売業者は、最寄り品から買回り品まで多様であるが、毎日消費者が来店す

ることは尐ないと考えられることから、レジ袋削減のインセンティブは小さいと考えられる。ま

た、レジ袋以外の容器包装への削減意欲も尐ないと判断した。

これらの小売業者に対して、ホームページの収集や電話ヒアリングを実施し、レジ袋の使用実

態を把握した。

表 3.1-4 ヒアリング対象企業

区分 区分 対象企業

各種商品小売業 ホームセンター コメリ・ホーマック・東急ハンズ・ジョイフル本田

織物・衣服・身の回り品小売業 衣料スーパー しまむら・ジーンズメイト・青山商事

自動車部分品・附属品小売業 カー用品量販 オートバックス・オートウェーブ

家具・じゅう器・機械器具小売業 家具販売 IKEA港北・大塚家具・カリモク家具

医薬品・化粧品小売業 ドラッグストア マツモトキヨシ・コクミン・寺島薬局

書籍・文房具小売業 書籍販売・文房具販売 丸善・三省堂・イトーヤ

スポーツ用品・がん具・娯楽用

品・楽器小売業

スポーツ用品販売 ICIスポーツ・アルペン

がん具販売 トイザらス・博品館

楽器販売 ヤマハ・山野楽器

Page 5: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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3.1.3 レジ袋の利用実態分析

上記の調査で収集したデータ、ヒアリング結果等を用いて、レジ袋の利用実態について、分析

を行った。

レジ袋の有料化やポイント制度を導入している小売業者はゼロであった。しかし、尐量の購入

に対しては、シール貼付で対応している小売企業もある。また、書籍販売・文房具販売のように

ブランドイメージを意識している小売業者では、利用量も尐なく、積極的な取組を行っていない

場合がある。

表 3.1-5 レジ袋利用に関する回答一覧

レジ袋の有料化

レジ袋削減

ポイント制度

マイバック

主な理由

ホームセンター シール貼付 NBエコバック有 ・コストが掛かる

衣料スーパー ・本部からの指示なし

・尐しずつ取組んでいる

カー用品量販 声掛け、シール貼付 ・尐しずつ取組んでいる

家具販売 ・本部からの指示なし

・イメージを大切にしている

ドラッグストア 声掛け、シール貼付 ・コストが掛かる

・リスクが有る

書籍販売・文房具販売 雨の日用のみ

・必要性なし

・使用頻度が低い

・イメージを大切にしている

スポーツ用品販売 ・リスクが有る

がん具販売 声掛け、シール貼付 ・尐しずつ取組んでいる

・考えていない

楽器販売 ・使用頻度が低い

Page 6: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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(1) レジ袋の有料化(精算時の取組)

「レジ袋の有料化」について、各種商品小売業や飲食料品小売業等も含めて、取組内容と取組

効果の整理結果を以下に示す。

かなりの企業がレジ袋の有料化を実施しており、総合スーパーや百貨店を中心に、大幅な削減

効果が見られている。

表 3.1-6 「レジ袋の有料化」の取組内容と取組効果

取組実施 取組結果

総合スーパー

・3店舗で実施 レジ袋辞退率20.4%

・区との協定で実施 8店舗

・31店舗で実施 レジ袋辞退率約80%

・三者協定実施 161店舗 レジ袋辞退率約88.0%

・募金方式 レジ袋削減率63.8%

・グループ447店舗実施 レジ袋削減7億6000万枚

・41店舗実施 レジ袋辞退者30%

・18店舗で実施 レジ袋辞退率85%

・杉並区・中部地区11店舗で実施 ー

・行政と市民団体と協動 レジ袋辞退率86.6%

・5店舗で実施 レジ袋削減1.775万枚

・県と市民団体との協定 全店舗レジ袋無料配布中止(辞退率32%)

・56%店舗で実施 レジ袋事態率80%

「お買物袋持参運動」実施 レジ袋削減枚数2.081枚、レジ袋辞退率8.74%

レジ袋辞退者(2円のキャッシュバック) レジ袋辞退率者50%強

百貨店

・啓発ポスターを掲出 レジ袋辞退率22.3%

・レジ袋不要札の設置 ー

・簡易包装の推進(納品量) ・包装・手さげ662t削減(前年比60t削減)

・簡易包装の推進 ・レジ袋267t削減

衣類・雑貨

・POPを設置 ー

シール対応・呼びかけ ー

・レジ袋の軽量化 約350t削減

ファストフード・飲食

・レジ袋を廃止 年間プラスチック124t削減

・ポリ袋→紙パック変更 ー

・店頭のみ「ふろしき」対応 収益の一部を寄付

POPや声掛けを実施 ー

コンビニ

・協会主催の POPを掲示(CO2削減レジ袋) 約225tの CO2オフセット

・レジコマーシャルの表示(店内放送) ・レジ袋使用量(1店舗あたり年間227.495枚)

Page 7: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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(2) ポイント制度の実施(精算時の取組)

「ポイント制度の実施」について、各種商品小売業や飲食料品小売業等も含めて、取組内容と

取組効果の整理結果を以下に示す。

特に総合スーパーがポイント制度を実施しており、大幅な削減効果が見られている。

表 3.1-7 「ポイント制度の実施」の取組内容と取組効果

取組実施 取組結果

総合スーパー

・「ノー・レジ袋カード」提示で2ポイント ・マイバック持参率34.0%

・「マイバック持参値引き」2円値引き ー

・「お買物袋持参運動」(20個スタンプが貯まったら100円の割引券と交換) レジ袋辞退率16%

・1050円以上のお買物で2円のキャッシュバック スタンプカード利用数3186万枚

・マイバック持参者に付与(千葉県のみ) レジ袋削減率75.7%

・「レジ袋不要カード」提示で5P加算(500Pで500円のお買物券を進呈) レジ袋削減枚数6.695万枚

・レジ袋辞退者に精算時に2円のキャッシュバック レジ袋辞退率42.6%

・レジ袋有料化の店舗のみスタンプカードを実施(2P提供している) レジ袋辞退率30%

・「お買物袋持参運動」で持参された方に5点(5円)加点 マイバック持参率43.9%

・スタンプ20個貯まると100円のお買物券として利用 マイバック持参率19.5%

・スタンプ20個貯まると100円のお買物券として利用(松江店のみ) マイバック持参率26.0%

・スタンプ20個貯まると100円のお買物券として利用、又は、WWF募金に利

用出来る レジ袋辞退率(全店32.1%)

・エコスタンプ15個で100円のお買物券 レジ袋削減枚数19.9%

・エコロジーポイント2ポイント換算 レジ袋使用量(前年比-7.3%)

百貨店

・キャンペーン中・レジ袋20回辞退でエコポイント(100円相当) マイバック持参率22.7%

・一定のスタンプ数で粗品と交換 ー

ファーストフード・飲食

・量り売り商品を購入の際にスタンプサービスを実施 ー

Page 8: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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(3) マイバック等の利用促進(精算時の取組)

「マイバック等の利用促進」について、各種商品小売業や飲食料品小売業等も含めて、取組内

容と取組効果の整理結果を以下に示す。

多くの企業がマイバッく等の利用促進を実施しており、総合スーパーや百貨店を中心に、レジ

袋有料化やポイント制度と併せて大幅な削減効果が見られている。

表 3.1-8 「マイバック等の利用促進」の取組内容と取組効果

取組実施 取組結果

総合スーパー

・マイバック・マイバスケット販売 ・マイバック持参率31.8%

・1カゴ300円(不要の場合は返金)34店舗で実施 ー

・「お買物袋持参運動」や「マイバックキャンペーン」実

施 マイバック持参率16%

・店内放送・ポスターキャンペーン宣伝

(マイバック持参呼びかけ) ー

・マイバック・マイバスケット運動 マイバック持参率48.0%

・マイバック・マイバスケット(カーボンオフ付) マイバック持参率38.6%・マイバック4850個販売

・マイバスケット10.210個販売

・マイバック持参運動キャンペーン1枚20円 マイバック持参率42.6%

・全店でマイバック販売 マイバック持参率30%

・マイバック運動「アイバック」の提案 マイバック持参率19.5%

・マイバックキャンペーン マイバック10.350個販売

・マイバック・マイバスケット販売 マイバック持参率19.9%

・「マイバック運動」エコバックの販売 マイバック持参率20.4%

・「お買物袋持参運動」 「エコバスケット」半年で6.200個販売

百貨店

・ショッピングバックの販売 エコバック600枚

・デザインバックの販売 デザインバックの売上げ1枚ごとに20円を寄付

している(販売枚数15.000枚)

・「マイバック持参キャンペーン」 マイバック持参率22.73%

・「お届け用エコバック」開発 ー

衣類・雑貨

・マイバックの販売(全店) 50円・70円・100円の布製マイバック

ファストフード

・オリジナルバックを無償導入 ー

・バック持参の顧客 スタンプサービスを実施

・エコバック販売 店舗で250円で販売

・マイバックの販売

日本カーボンオフセットを通じてマイバック売上げ1%を寄

付している

「コンビニ ecoバック」一部店舗無償配布 200万枚以上配布

Page 9: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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3.2 容器包装リサイクル法の再商品化の質を高めるための方策検討

容器包装リサイクル法の再商品化の質を高めるための方策について以下のような調査を実施し、

とりまとめを行った。特に本調査では、再商品化の質に関する課題がある、その他容器包装プラ

スチックを対象として以下の検討を行った。

3.2.1 各種統計や文献等の収集

再商品化製品の用途について各種統計、文献等を収集し、現状の利用状況を把握する。また、

国内外の再商品化製品の需要動向について各種統計、文献等を収集・整理した。

(1) 再商品化の状況

① 再商品化の概況

容器包装リサイクル法による引取りと再商品化の状況を確認しておく。図 3.2-1 に示す

とおりガラスびんと紙製容器包装の再商品化率は 90%を超えており、引き取ったものの大

部分が再商品化されていることがわかる。PET ボトルについては、やや低く 80%程度なっ

ており、プラスチック製容器包装では 60%~70%の間の低い率となっている。

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

120.0%

H9年度

H10年度

H11年度

H12年度

H13年度

H14年度

H15年度

H16年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

再商品化率(再商品化製品販売量/協会引取量)

ガラスびん(無色)

ガラスびん(茶色)

ガラスびん(その他)

PETボトル

紙製容器包装

プラスチック製容器包装

図 3.2-1 容器種類別の再商品化率(再商品化製品販売量/協会引取量)

(出典)容器包装リサイクル協会

Page 10: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 29 -

再商品化製品の内訳を容器包装の種類ごとに見ると図 3.2-2~図 3.2-5 となる。ガラスび

んについては、H13 年度以降にほぼ安定した再商品化が行われており、無色、茶色につい

てはびん原料、その他についてはびん原料以外の用途に使用されている。PET ボトルにつ

いては繊維とシートが再商品化用途としては多い。

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

H9年度

H10年度

H11年度

H12年度

H13年度

H14年度

H15年度

H16年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

再商品化製品販売量(トン)

その他(その他)

その他(びん原料)

茶色(その他)

茶色(びん原料)

無色(その他)

無色(びん原料)

図 3.2-2 ガラスびんの用途別再商品化製品販売量

(出典)容器包装リサイクル協会

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

H9年度

H10年度

H11年度

H12年度

H13年度

H14年度

H15年度

H16年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

再商品化製品販売量(トン)

その他

成形品

ボトル

シート

繊維

図 3.2-3 PET ボトルの用途別再商品化製品販売量

(出典)容器包装リサイクル協会

Page 11: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 30 -

紙製容器包装では大部分が製紙原料として、再び紙に利用されている。プラスチック製

容器包装については、材料リサイクルであるプラスチック製品の量が増加しており、高炉

還元剤、コークス炉化学原料が減尐している。これは、プラスチック製容器包装の再商品

化における材料リサイクルの推進状況を示しているものとなる。

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

H12年度

H13年度

H14年度

H15年度

H16年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

再商品化製品販売量(トン)

固形燃料

製紙原料以外の材料リサイクル※

製紙原料

図 3.2-4 紙製容器包装の用途別再商品化製品販売量

(出典)容器包装リサイクル協会

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

H12年度

H13年度

H14年度

H15年度

H16年度

H17年度

H18年度

H19年度

H20年度

再商品化製品販売量(トン)

白色トレイ・熱分解油(燃料油等)

白色トレイ・プラスチック製品(日用雑貨品、トレイ等)

合成ガス(石油化学原料、燃料)

コークス炉化学原料

高炉還元剤

熱分解油(燃料油等)

プラスチック製品(擬木、パレット等)

図 3.2-5 プラスチック製容器包装の用途別再商品化製品販売量

(出典)容器包装リサイクル協会

Page 12: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 31 -

再商品化の質を見るための、もう一つの指標となるものが再商品化の落札単価である。

再商品化に係るコストが一定の場合は、落札単価が低いほど、再商品化製品の販売単価が

高くなっていると考えられるためである。

図 3.2-6 に容器包装リサイクル協会の落札単価の経年変化を示す。これによる、概ねす

べての容器包装種で落札単価が低下傾向を示しており、事業者のノウハウ蓄積などによる

再商品化の高品質化が進められていることが想定される。ただし、PET ボトルについては

平成 21 年度には逆有償状態の解消傾向となり落札単価は高くなっている。

ここで、落札単価を見ると、全体的には容器包装プラスチックが高くなっており、特に

材料リサイクルの高さが目立っている。

これまでの整理を踏まえて、以降では特に再商品化の高品質化について検討が必要と考

えられるプラスチック製容器包装に絞って、分析・検討を行うこととする。

-60,000

-40,000

-20,000

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

9年度

10年度

11年度

12年度

13年度

14年度

15年度

16年度

17年度

18年度

19年度

20年度

21年度

落札単価(加重平均)(円

/トン)

ガラスびん(無色)

ガラスびん(茶色)

ガラスびん(その他)

PETボトル

プラスチック(全体)

材料リサイクル

(白色トレイ)

ケミカルリサイクル

図 3.2-6 各種容器包装の落札単価の経年変化

(出典)容器包装リサイクル協会

Page 13: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 32 -

② プラスチック製容器包装の再商品化状況

図 3.2-5 に示したように、プラスチック製容器包装については材料リサイクルの再商品

化量が増加傾向を示している。この内訳について具体的に整理する。

図 3.2-7 は、プラスチック製容器包装の

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

180,000

200,000

H18年度 H19年度 H20年度

再商品化製品販売量(トン) 日用雑貨品・その他

工業用部品

園芸農業用資材

電力・通信用資材

プラスチック板

棒・杭・擬木

土木建築用資材

パレット

再生樹脂

図 3.2-7 プラスチック製容器包装の材料リサイクルの再商品化製品販売量

(出典)容器包装リサイクル協会

表 3.2-1 容器包装プラスチックの再商品化製品販売価格(H20 年度)

手法 再商品化製品 平均値 最高値 最低値PE・PP混合 上期 6,725 28,896 -11,840

下期 4,150 20,000 -11,536PS 上期 21,196 66,800 1,000

下期 11,997 40,000 5PE/PP 上期 24,079 75,000 0

下期 16,160 87,149 0上期 8,086 24,700 0下期 8,558 27,900 0

再商品化製品販売価格(円/トン)

熱分解油、高炉還元剤、コークス

ケミカルリサイクル

材料リサイクル

(出典)容器包装リサイクル協会

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- 33 -

(2) 再商品化の製品の市場動向

プラスチック製容器包装の代表的な再商品化製品について、市場規模などの市場動向を整理し

た。

① パレット

輸送用パレットの生産量は、図 3.2-8 に示すとおり年間約 7000 万枚程度あり、その多く

は木製で、プラスチック製は約 900 万枚ほどである。後述のヒアリングによると、容器包

装プラスチック由来のパレットは、このうちの 1/4 程度(240 万~250 万枚程度)と考えら

れる。市場規模は全体で2000億円程度、プラスチック製では300億円程度である(図 3.2-9)。

典型的なパレットの重量を 20kg と想定すると、250 万枚で 18 万トン程度の樹脂が使用

されていることとなる。ヒアリングでは容器包装由来の樹脂は 5~6 万トン程度がパレット

用に使用されている状況ということで、概ね再生樹脂パレットの 1/3 程度が容器包装由来

のものと考えることができる。

プラスチック製パレットの大まかな平均値は、近年 3,500 円/枚程度となっている(図

3.2-10)。先の重量想定 20kg とすると重量当りの単価は 175 円/kg と推計される。表 3.2-1

に示した PP/PE の混合樹脂の平均値 4~6 円/kg であるが、産廃系の PE 再生樹脂は 40~50

円/kg 程度1であり、容器包装由来の再生樹脂の使用率が 1/3 程度であることを考えると、品

質と価格を考慮して、容器包装由来の樹脂の利用率を調整していることが想定される。

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

年度

パレット生産数(万枚)

紙製

シート

プラスチック製

金属製

木製

図 3.2-8 輸送用パレットの生産統計

(出典)社団法人日本パレット協会

1 「2009 年 プラスチックリサイクル市場」(シーエムシー出版)

Page 15: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 34 -

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

年度

パレット出荷額(億円)

紙製

シート

プラスチック製

金属製

木製

図 3.2-9 輸送用パレットの市場規模推移

(出典)社団法人日本パレット協会資料から作成

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

20,000

1990

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

年度

パレット平均価格推移(円

/枚)

木製

金属製

プラスチック製

シート

紙製

図 3.2-10 輸送用パレットの種類別平均価格(出荷金額/出荷枚数)推移

(出典)社団法人日本パレット協会資料から作成

Page 16: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 35 -

② 土木建築用資材

土木建築用資材として使用されている容器包装由来のプラスチック製品の市場規模を整

理した。再生樹脂が利用されている割合は明確でないため、プラスチック以外の素材の製

品も含めた市場規模として整理している。

いずれも、数十億規模の市場であり、

a) プラスチック擬木

・市場規模 年 35 億円

(出典)「ベース設計資料」建設工業調査会

・製品事例 ロープ柵用支柱 直径 100mm×長さ 1m

重量 6.5kg 参考価格 2,800 円/本

(出典)「プラ擬木(カタログ)」前田工繊(株)

先の擬木を重量当りの単価に換算すると 430 円/kg となり、パレットよりも高い価格帯に

なっていることが想定される。なお、擬木については樹脂 100%タイプのものと木粉と混合

タイプの 2 種類が一般的である。

b) 車止め

・市場規模 年 100 億円(プラスチック製、コンクリート製など全体)

(出典)『ベース設計資料』建設工業調査会

c) フリーアクセスフロア(OA フロア)

・市場規模 494 万 m2(平成 20 年度)

うちプラスチック製は 11.2%(約 55 万 m2)

(出典)フリーアクセスフロア工業会資料

d) ケーブルトラフ

・市場規模 年 45 億円(プラスチック製、コンクリート製など全体)

(出典)『ベース設計資料』建設工業調査会

e) プランター(植栽コンテナ)

・市場規模 年 35 億円(4 万台、プラスチック製、木製、コンクリート製など全体)

(出典)『ベース設計資料』建設工業調査会

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- 36 -

③ 再生樹脂

廃プラスチック全体のマテリアル利用量の推移は、樹脂種類別に見ると図 3.2-11 となっ

ている。2007 年以降は指定 PET が区分され、この利用量が最大となっているが、その他は

PE、PP、PVC、PS がほぼ同程度マテリアル利用されている。マテリアル利用の形態別で見

ると、図 3.2-12 のように再生材料として利用されている量が多く 2008 年で 132 万トンと

なっており、再生製品として利用されている量(2008 年 82 万トン)よりも多い。

0

50

100

150

200

250

2000年

2001年

2002年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

廃プラのマテリアルリサイクル量(万トン)

その他

指定PET

PS

PVC

PE

PP

図 3.2-11 廃プラスチックのマテリアル利用量推移 (出典)(社)プラスチック処理促進協会

(注)指定 PET は 2007 年より区分(それ以前はその他プラに含まれる)

0

50

100

150

200

250

2000年

2001年

2002年

2003年

2004年

2005年

2006年

2007年

2008年

マテリアルリサイクル量(万トン)

再生製品

再生材料

図 3.2-12 廃プラスチックのマテリアル利用形態別の利用量推移 (出典)(社)プラスチック処理促進協会

Page 18: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 37 -

主な再生樹脂の価格帯は、単一の樹脂の場合にはおおよそ 40 円/kg~60 円/kg となってお

り、これは一般的な価格である 200 円/kg の 1/4 程度の価格帯となっている。ただし、廃プ

ラの買取価格については、形態等にもよるが PE で安くなっている。これを、容器包装プラ

スチック由来の場合(表 3.2-1)と比較すると、単一樹種に選別された PS、PE/PP の平均

価格 20 円/kg よりも高い価格であり、PE・PP 混合物の数円/kg よりも明らかに高い。

表 3.2-2 为な再生樹脂の価格帯 2008年平均出荷単価円/kg 円/kg 円/kg 円/kg

PET 223 350~400 耐熱ボトル用 60~80 PETボトル破砕品(A級) 40~50 ペレットPVC 140 160~180 ストレート塩ビ 0.3 塩ビ管・継手 40~50 ペレットPS 225 190~220 GPPS(弱電用) 40~45 GPPS透明ナチュラル品 55~60 ペレット(断熱材用)LDPE 201 215~230 フィルム用・フレコン 1~4 ナチュラル品 45~55 ペレットHDPE 166 210~225 フィルム用・フレコン 3~5 ナチュラル品 42~47 ペレットPP 187 205~210 フィルム用、雑貨用 47~50 HB透明品 60~70 ペレット、中級品

再生樹脂価格廃プラ買取価格一般価格

(出典)「2009 年 プラスチックリサイクル市場」(シーエムシー出版)

(注1)2008 年平均出荷単価:化学工業統計(経済産業省)

(注2)廃プラ買取価格:単一樹脂のみの粉砕処理物を対象とする参考価格(2008 年春時点)

(注3)再生樹脂価格:シーエムシー出版のヒアリング及び推定による参考価格

プラスチックくずについては、その相当量が輸出されている状況がある。図 3.2-13 は貿

易統計で見たプラスチックくずの輸出状況である。図 3.2-11 に示した再生樹脂の量が 200

万トン程度であるのに対して、輸出されるプラスチックくずの量が 100 万トン以上になっ

ている。両者の定義は一致するもので無いと考えられるが、廃プラの国内外での需要の状

況を示しているものと考える。

図 3.2-15 は、貿易統計の廃プラスチックの輸出量と輸出金額から計算した年度平均の輸

出単価である。2008 年度の単価をみると PE が 47 円/kg、PET が 55 円/kg、PS が 50 円/kg、

PVC が 37 円/kg となっており、表 3.2-2 に示した再生樹脂価格と同じような価格帯になっ

ている。これは、再生樹脂の価格については、ある程度輸出の価格帯が参照価格帯となっ

ており、国内の再生樹脂価格が低下すると輸出に向かうという可能性があることを示して

いるもの考えることができる。

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- 38 -

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2000年度

2001年度

2002年度

2003年度

2004年度

2005年度

2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

プラスチックくず輸出量(千トン)

その他プラくず

PETくず

PVCくず

PSくず

PEくず

図 3.2-13 日本の廃プラスチック輸出量推移(貿易統計) (注1)PET くずは 2005 年度より区分(それ以前はその他プラくずに含まれる)

(注2)2009 年度は 2010 年 1 月分までのデータ

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000

90,000

2000年度

2001年度

2002年度

2003年度

2004年度

2005年度

2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

プラスチックくず輸出金額(百万円)

その他プラくず

PETくず

PVCくず

PSくず

PEくず

図 3.2-14 日本の廃プラスチック輸出金額推移(貿易統計) (注1)PET くずは 2005 年度より区分(それ以前はその他プラくずに含まれる)

(注2)2009 年度は 2010 年 1 月分までのデータ

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- 39 -

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

2000年度

2001年度

2002年度

2003年度

2004年度

2005年度

2006年度

2007年度

2008年度

2009年度

プラスチックくず輸出単価(円

/kg)

PEくず

PSくず

PVCくず

PETくず

その他プラくず

図 3.2-15 日本の廃プラスチック輸出単価(年度平均値、貿易統計) (注1)PET くずは 2005 年度より区分(それ以前はその他プラくずに含まれる)

(注2)2009 年度は 2010 年 1 月分までのデータ

Page 21: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 40 -

(3) 再生樹脂の品質に関わる状況

① 物性評価項目

樹脂の性質は、一般的に PE、PP などの組成よりも、成形・加工や使用時に必要となる

各種物性値により決定される。

例えば、バージンの PE 樹脂の主要な物性値としては以下のような項目がカタログに記載

されている。これらの物性値をもとに製品製造者は樹脂の選択を行うこととなる。

◎日本ポリエチレン(株)ノバテック TMHD のカタログ記載項目

○MFR(Melt Flow Rate) 単位:g/10min

○密度 単位:g/cm3

・引張降伏応力 単位:MPa

・引張破壊呼びひずみ 単位:%

○曲げ弾性率 単位:MPa

○シャルピー衝撃強さ 単位:kJ/m2

・デュロメータ硬さ 単位:(HDD)

・ビカット軟化点 単位:℃

・融点(DSC法) 単位:℃

・耐環境応力き裂(定歪み) 単位:h

・耐環境応力き裂(ボトル法) 単位:h

・脆化温度 単位:℃

このような樹脂の需要家の選択基準に合致するように樹脂の調整を行うことが再生樹脂

の販売者に求められることとなる。このため、容リプラ利用事業者協会では以下のような

基準を設けて引取樹脂の品質を確保すると伴に、最終製品需要者のニーズに合致した物性

の樹脂供給を行っている。

表 3.2-3 容リプラ利用事業者協会における引取の品質基準

品質基準に必要な項目 品質基準 評価方法

1 ) メルトインデックス 2.5 MFR 以上 JIS に準拠

2 ) 曲げ弾性 850 Mpa 以上 JIS に準拠

3 ) 耐衝撃性 5 kj /m2 以上 JIS に準拠

4 ) 比重 0.97 以下 発泡の無い状態で計測

5 ) 残存水分率 0.1 % 以下

6 ) 異物混入度合い 1 mm 以下 使用したストレーナー穴の有効

最大長にて表示

7 ) 有害物質の溶出について 法律に適合している事 別途定める

Page 22: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 41 -

(4) 再生樹脂の使用における化学物質管理

① プラスチック製品に関わる化学物質関連の規制等

[従来の規制]

リサイクルに限らず、プラスチックを材料として使用する場合には、化学物質に関わる

規制等を遵守しなければならない。従来、国内においては、食品の容器包装や器具、乳幼

児が口に接触する玩具などについて、含有される重金属等の物質が規制(食品衛生法)さ

れてきた。また、玩具やプラスチックの原材料および添加剤については、業界団体が自主

的な安全基準を策定・運用している。

[電気電子製品や自動車向けのプラスチック材料・部品]

プラスチックに関わる規制の近年の動向としては、EU(欧州連合)による RoHS 指令2や

ELV 指令3による製品に含有される重金属や特定の臭素系難燃剤(RoHS 指令のみ)に対す

る規制があげられる。対象となる電気電子製品と自動車については、プラスチック部品も

含め、製品を構成する均質材料(homogeneous materials)に対して、対象物質の最大含有許

容濃度が設定され、それを超える製品は上市することができない。RoHS 指令等が適用さ

れるのは EU 域内であるが、EU 域外で製造した製品を輸入する際にも適用されるため、電

気電子機器や自動車のサプライチェーンに連なる企業の多くは、何らかの影響を受けてい

ると考えられる。

また、RoHS 指令に端を発して、電気電子製品における特定化学物質の含有規制は世界

各国に広がりつつあり、米国・カリフォルニア州、中国、韓国などで RoHS 指令と類似の

規制が導入されている。

国内では、パソコン、テレビ、エアコンなど 7 品目に RoHS 指令と同様の 6 物質が含有

されている場合には、オレンジ色の「含有マーク」を表示し、ウェブサイトで詳細な「含

有状況表示」を行う情報開示(資源有効利用促進法)が施行されている。

[プラスチック材料・部品全般]

2008 年より運用が開始された EU の新しい化学品規制の REACH 規則(EU 規則 No

1907/2006)では、製品カテゴリによらず、成形品(アーティクル)が定められた濃度を超

えて対象物質を含有する場合には、成形品の供給者が、受給者に当該成形品を安全に使用

するために十分な情報を提供したり、消費者からの要求に応じて安全に使用ができる十分

な情報を 45 日以内に提供する「情報伝達」、およびその物質が事業者あたり年間 1 トンを

超える場合には、物質および成形品の用途についての簡単な記述、物質のトン数範囲など

を管理当局に伝える「届出」の義務が課せられている。

REACH 規則において、成形品に関する情報伝達や届出の対象となるのは、認可対象候補

物質(高懸念物質、SVHC)であり、2010 年 1 月までに 29 物質が公表されているが、発が

ん性・変異原性・生殖毒性物質、残留性・蓄積性・毒性を有する物質などを対象として検

2 2002/95/EC、電気電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する欧州議会及び理事会指令

3 2000/53/EC、使用済み自動車に関する欧州議会及び理事会指令

Page 23: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 42 -

討することが定められており、最終的には 1,000 以上の化学物質が対象となる可能性もあ

る。REACH 規則が適用されるのは EU 域内であるが、RoHS 指令等と同様に国際的に広が

るサプライチェーンに影響を与えている。すなわち、製品が EU に輸出されるサプライチ

ェーンにおいては、REACH 規則への対応に必要な含有化学物質の管理や情報伝達がビジネ

ス上、必要となり、間接的に同規則への対応が必要となっている。

[国際的な化学物質管理の動向]

化学物質管理への国際的な活動は、持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)に

おける合意である「化学物質が、人の健康と環境にもたらす悪影響を最小化する方法で使

用、生産されることを 2020 年までに達成する」ことの実現を目標として進められている。

その目標の実現のために、科学的なリスク評価に基づくリスク削減、情報の収集と提供、

能力構築と技術協力などを進めることを定めた「国際的な化学物質管理のための戦略的ア

プローチ(SAICM)」に沿った取り組みを各国が進めている。成形品に含有される化学物質

の管理は、SAICM が目指す化学物質および有害廃棄物のライフサイクルを通じた適正管理

を推進するために必要な活動であり、REACH における成形品に対する責務もその対応と考

えることができる。

② 管理体制として行うべきこと

リサイクル材に限らず、プラスチックに含有される化学物質を管理するには、以下のよ

うな取り組みが必要となる。

[製造に用いる原料の購入段階]

入手した原材料・部品等の含有化学物質情報の確認

[購入した原料を投入する製造段階]

入手した情報や製造条件、工程管理に基づいた製造工程のプロセス管理と、それに基づ

く自社製品の含有化学物質の把握・管理

[製造した製品の販売段階]

顧客、消費者(最終製品の場合)に供給する製品の含有化学物質情報の整備・管理

ものづくりの各ステップにおいて製品含有化学物質管理の取り組みを推進することで、

関連する法規制や顧客が遵守する必要のある法規制への対応や、製品に含有される化学物

質の情報提供が可能となる(図 3.2-16 参照)。

Page 24: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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組織内における製品含有化学物質情報管理

顧客、消費者(最終製品)に供給する製品の含有化学物質情報(OUT情報)の整備・管理

IN情報や製造条件、工程管理に基づいた自社製品の含有化学物質の把握・管理

IN情報の管理 OUT情報の管理生産プロセスの管理

サプライヤから入手した原材料・部品等の含有化学物質情報(IN情報)の確認

‐製造工程・条件‐投入する原材料・部品・副資材等の情報‐組織のノウハウ‐サプライヤからの関連情報‐科学的な知見

など

[供給製品]含有化学物質情報DB

含有情報

[成形品]含有化学物質情報DB

含有情報

[物質・調剤]含有化学物質情報DB

図 3.2-16 含有化学物質の管理

(出典)みずほ情報総研作成

リサイクル・プラスチックについてはさらに、原料となるプラスチックの回収品の管理、

ロット毎の含有化学物質の把握・管理など、慎重な対応が必要となると考えられる。含有

化学物質の規制は、対象となる化学物質の微量の含有も規制するものであるので、リサイ

クルの形態(オープン/クローズド)や、回収国や地域、回収業者などにより、製品含有

化学物質管理上のリスクは大きく影響を受けることが想定される。

③ リサイクル材使用拡大に向けた課題

製品含有化学物質管理をふまえたプラスチック・リサイクル材の使用は、かなり難しい

課題といえる。例えば、RoHS 指令対応が必要な電気電子機器メーカーでは、出所の分か

らない回収材を使ったリサイクル・プラスチックの使用を避けたり、含有物質の種類や量

が明らかでなくてもバージン材に尐量混ぜて使用することで、規制値を下回るような使い

方をしているところもある。

一方で、電気電子機器メーカー等においても環境に配慮したものづくり、3R が推進され

ており、リサイクル材の利用拡大と含有化学物質の管理の両立は重要な課題となっている。

プラスチックのリサイクル材の含有化学物質の管理や情報伝達の実践可能な方法を検討し、

サプライチェーン全体で取り組むことが必要である。

製品含有化学物質の管理と情報伝達を推進する業界横断組織アーティクルマネジメント

推進協議会(JAMP)では、川上から川中、川下までの多くの企業が参画して、問題解決に

取り組んでいる(次図参照)。その活動の中でも、リサイクル材の含有化学物質の問題が認

識されている。JAMP が提案する製品含有化学物質管理の考え方(製品含有化学物質管理

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ガイドライン4)や情報伝達書式(JAMP MSDSplus5や JAMP AIS6)が活用され、サプライ

チェーン全体の管理レベルが向上すると共に、JAMP が提案するツール等が「共通言語」

となって、リサイクル材の管理・利用のための知見が蓄積・集約されることが期待される。

含有化学物質の問題には「情報の非対称性」が存在するため、情報の不足する買い手は、

含有情報や管理状況などで確認しようとするが、満足できないケースもある。実際に事故

事例も散見され、疑心暗鬼の状態になりかねない。情報を有するリサイクル材の売り手は、

買い手の置かれた状況を理解し、含有化学物質の管理や情報提供の取り組みなどを買い手

に伝えることが、この課題を解決するための第一歩となる。

川上の企業(サブスタンス / プレパレーション)

川中の企業(アーティクル)

MSDSplus

MSDS

AIS (原部品)

川下の企業(アーティクル)

製品含有化学物質の管理および情報開示・伝達の考え方とその手順を解説(公開済)

ガイダンスガイダンス

管理上、重要な工程・製品別の詳細かつ具体的な管理手順の解説・めっき、樹脂成形加工、商社輸送方法のガイダンス(公開済)・電線ガイダンス(推奨済み)

製品含有化学物質管理ガイドライン

AIS(複合部品)

既存の情報伝達手段との組合せ・補完により、サプライチェーンの川上から川下までの含有化学物質情報の効率的な伝達を実現

MSDSplusおよびAIS (情報伝達書式) 製品含有化学物質管理ガイドライン川上から川下までの事業者における共通的な製品含有化学物質管理の要件を明示する。含有化学物質の授受の基礎となる仕組みを構築を促す。

既存の調達・調査

JGPSSIと共同発行

モノと情報の流れ

モノと情報の流れ

JGPファイル、JAMA/JAPIA

シート(IMDS)等

川上の企業(サブスタンス / プレパレーション)

川中の企業(アーティクル)

MSDSplus

MSDS

AIS (原部品)

川下の企業(アーティクル)

製品含有化学物質の管理および情報開示・伝達の考え方とその手順を解説(公開済)

ガイダンスガイダンス

管理上、重要な工程・製品別の詳細かつ具体的な管理手順の解説・めっき、樹脂成形加工、商社輸送方法のガイダンス(公開済)・電線ガイダンス(推奨済み)

製品含有化学物質管理ガイドライン

AIS(複合部品)

既存の情報伝達手段との組合せ・補完により、サプライチェーンの川上から川下までの含有化学物質情報の効率的な伝達を実現

MSDSplusおよびAIS (情報伝達書式) 製品含有化学物質管理ガイドライン川上から川下までの事業者における共通的な製品含有化学物質管理の要件を明示する。含有化学物質の授受の基礎となる仕組みを構築を促す。

既存の調達・調査

JGPSSIと共同発行

モノと情報の流れ

モノと情報の流れ

JGPファイル、JAMA/JAPIA

シート(IMDS)等

図 3.2-17 製品含有化学物質の管理と情報伝達のための JAMP の取り組み

(出典)JAMP の資料を修正

リサイクル・プラスチックに関連する取り組みとして、JAMP は、製品含有化学物質の

管理および情報伝達・開示に関するガイダンス7として、「熱可塑性樹脂の射出成形加工工

程」や、主に段ボールを取り上げた「輸送包装」が公開している(図 3.2-18 参照)。

4 製品含有化学物質管理ガイドラインおよび関連文書 http://www.jamp-info.com/dl 5 JAMP MSDSplus および関連文書 http://www.jamp-info.com/msds

6 JAMP AIS および関連文書 http://www.jamp-info.com/ais

7 製品含有化学物質の管理および情報伝達・開示に関するガイダンス http://www.jamp-info.com/dl

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【マスターバッチ方式】

MSDS

JAMPMSDSplus

ナチュラルコンバウンド【Preparation】

マスターバッチ【Preparation】

IN情報入手

IN情報入手

本ガイダンス適用範囲

JAMPAIS

成形【Article】

メッキor印刷or塗装【Preparation】

製品【Article】

OUT情報

提供

(必要に応じて)副資材(スクリュー洗浄剤、金型防錆剤など) 【Preparation】

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

JAMPAIS

【マスターバッチ方式】

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

ナチュラルコンバウンド【Preparation】

マスターバッチ【Preparation】

IN情報入手

IN情報入手

本ガイダンス適用範囲

JAMPAIS

成形【Article】

メッキor印刷or塗装【Preparation】

製品【Article】

OUT情報

提供

(必要に応じて)副資材(スクリュー洗浄剤、金型防錆剤など) 【Preparation】

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

JAMPAIS

【コンバウンド方式】

ベース樹脂【Preparation】

添加剤【Preparation】

ピグメント(顔料)orマスターパッチ【Preparation】

MSDS

JAMPMSDSplus

カラー(着色)コンパウンド【Preparation】

IN情報

入手

本ガイダンス適用範囲

JAMPAIS

成形

【Article】

MSDS

JAMPMSDSplus

メッキor印刷or塗装【Preparation】

JAMPAIS

製品【Article】

OUT情報

提供

MSDS

JAMPMSDSplus

(必要に応じて)

副資材(スクリュー洗浄剤、金型防錆材など)【Preparation】

【コンバウンド方式】

ベース樹脂【Preparation】

添加剤【Preparation】

ピグメント(顔料)orマスターパッチ【Preparation】

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

カラー(着色)コンパウンド【Preparation】

IN情報

入手

本ガイダンス適用範囲

JAMPAIS

成形

【Article】

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

メッキor印刷or塗装【Preparation】

JAMPAIS

製品【Article】

OUT情報

提供

MSDS

JAMPMSDSplus

MSDS

JAMPMSDSplus

(必要に応じて)

副資材(スクリュー洗浄剤、金型防錆材など)【Preparation】

図 3.2-18 熱可塑性樹脂の射出成形工程における製品含有化学物質の管理と情報授受

(出典)製品含有化学物質の管理および情報伝達・開示に関するガイダンス・熱可塑性樹脂の射出成形工程(第 1

版)、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)

Page 27: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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リサイクル・プラスチックを扱うには、製品含有化学物質管理上のリスクを十分に理解

しておく必要がある。一般に投入する回収品の質により、製造されるリサイクル材の品質

は大きく影響を受けると考えられるが、従来の品質の基準を満たせても、含有される化学

物質の種類や量はさらに大きく変動する可能性がある。

含有化学物質規制の動きを考えると、オープンリサイクルによる回収品を原料とする場

合、回収品に含有される化学物質を把握する(入口での管理)手段を持たなければ、自社

で製造・販売するプラスチック製品について、ロット毎に含有物質の把握・管理(出口で

の管理)するなど、極めて徹底した製品含有化学物質管理を実施する必要があると考えら

れる。そうでなければリサイクル材については、厳しい含有化学物質規制を遵守しなけれ

ばならない顧客の理解は簡単には得られない可能性がある。

RoHS 指令等が対象とする鉛などの重金属であれば、コストはかかるが比較的容易に分

析を実施して確認をすることが可能かもしれない。実際に、リサイクル・ペレットの製造

業者の中には、全ロットの含有分析を行って対象物質の含有を把握しているとアピールし

ているところもある。分析による確認の要/不要や実施頻度は、回収品の質や管理対象物

質などに応じて、事業者自身がリスクとビジネス戦略から決めるべきことである。

しかし、REACH 規則の認可対象候補物質のように、成形品への含有を分析によって確認

することが困難なケースが多くなると考えられる。尐なくとも分析だけに依存するような

方法ではなく、製品含有化学物質管理ガイドラインに示されるような取り組みを業務プロ

セスに導入して「管理」しなければ、これからの含有化学物質規制への継続的な対応は困

難となる。

類似する分野として、包装材に使用される段ボールについても含有化学物質の問題への

対応が求められている。JAMP の輸送包装ガイダンスでは、段ボール材料を取り上げて、

含有化学管理の基本的な考え方を提案している。4 重金属の分析データ例を表 3.2-4 に示す。

段ボールについては、含有化学物質にも配慮した工程管理により、管理対象物質を一定レ

ベルに抑えることの可能性を示唆している。

製品含有化学物質の規制とその対応は開始されたばかりであり、リサイクル材は重要な

課題となっている。売り手であるリサイクル・プラスチック業者は、製品の含有化学物質

の管理に取り組み、含有情報を提供する必要がある。買い手となる川下側のメーカーは、

リサイクル材の含有化学物質管理の難しさとリサイクル材活用の社会的な重要性を理解し、

両者は協調して現実的な解決策を探っていかなければならない。

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表 3.2-4 リサイクル材(段ボールのライナおよび中しん)の含有化学物質の分析データの例

(出典)製品含有化学物質の管理および情報伝達・開示に関するガイダンス・輸送方法(第 1 版)、アーティ

クルマネジメント推進協議会(JAMP)、2010

(注意)同ガイダンスは分析による確認を求めていない。管理の結果、含有される重金属の濃度は、低い濃

度に抑えられている状況を示す参考データである。

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3.2.2 企業・関係団体等へのヒアリング調査

再商品化物の高品質化に向けて、再生樹脂の利用者に対するヒアリング調査を実施し、再商品

化製品の製造の需要創出及び製造時の課題といった観点からの調査を実施した。

ヒアリング対象は、「プラスチックマテリアルリサイクル最終製品協議会」および「容リプラ利

用事業者協会」の 2 団体に対して行った。ヒアリング結果について以下のとおり整理した。

(1) その他プラ由来のリサイクル材の用途について

その他プラ由来のリサイクル材の用途としては、パレット、ポリ袋(ごみ袋、レジ袋)などが多い

が、これらの用途に使われている理由は何か。

パレットについては、需要が多いことと、射出成形でなくプレス製造できることが大きな要

因であろう

パレット用途は 5~6 万トン程度あるのではないか

ポテンシャルはもっとあるが、製造能力の面でこの程度になっている

事業者によってはフラフからの一体成形を行っている場合あり

パレット 6000 万枚のうち、1000 万枚程度がプラ製で、容リ由来のものは 240 万~250 万

枚程度でないか

パレットも当初は顧客に受入れられていなかった

パレットは規格品であり、「裏方」の商品としてボリュームが出ることがメリット

買い手も安いことが大きな購入理由になっている

パレット以外でも物流系の「裏方」商品(通い箱等)は、ポテンシャルが有るのではないか

文具など、消費者から見てわかりやすい商品は、アピール面では良いが、ボリュームを

考慮すると、このような観点が必要

ポリ袋などは技術的に困難で、実態としても再生素材からは製造されていないのではないか

10%程度の容リ由来プラ(その他は産廃由来プラ or バージン)を使用してごみ袋を製造

している事例あり

柏市などで指定ごみ袋に利用

その他の用途

擬木

木粉と混ぜた建材用ボード

協会が提示している品質基準を満たすものは、様々な用途の原料に加工可能(原料製造が可

能)

量的にも十分に引取可能

一定の品質基準を満たせば、後は製品製造者がコスト等の観点から原料の選択を行う

再生素材を使う製品製造者側のメリットは、ほぼコスト要因

パレットについては、需要がある点が用途として多い理由で無いか

パレットでも、何回も使えるものについては、他の製品にも使える程度の品質が必要

ワンウェイ(輸出用など)パレットとして一部品質の悪い再生素材が使われているケー

スもある(船積みまで壊れなければ良いという感覚)

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レジ袋など袋物については、技術的にここまでできるというベンチマークとして使われてい

るのでないか

価格的に輸入品には勝てない状況のため、再生素材で大量に製造する状況は想定できない

(2) 再生樹脂の品質要件について

その他プラ由来の再商品化物として再生樹脂としての販売量が多いが、再生樹脂として購入する際

の品質要件として重要なものは何か。

再生樹脂の品質要件を大きく分けると、物理的品質、処理品質、事業者品質となる

製品製造者の原料に対するニーズは、組成(物理的品質)が一番で、容リのマテリアルリサ

イクルをポリオレフィン(PE、PP)とみなせば、以下の他の素材の除外できるかが重要とな

物理的品質

再生樹脂の組成(対象物、割合)

現状は、ポリオレフィン(PE、PP、PE+PP 混合物)であれば、類似の原料として

考慮することは可能

素材の混合性(均一に混合して、素材としてムラがなくなる)

基本的に PE、PP 以外は不純物となる

PE リッチもしくは PP リッチの状況であれば、それぞれに PE 代替、PP 代替として

使いやすい

処理品質

分別分離精度(プラスチック以外の異物・よごれ)

洗浄度合い(よごれ・臭い)

残量塩素

残量水分

均一性・安定性(個別ロットでの品質もあるが、長期的な供給面の品質が重要)

危険物質残留

事業者品質

記録・管理等の状況

供給体制(安定供給)

需要者ニーズへの対応

主な用途別に見て求められる品質要件はどのような項目か。

(詳細については、別途整理し提供頂くことは可能)

(3) その他プラ・リサイクルの質の向上策について

① 再商品化時の残さの削減可能性

容リプラの段階で PP、PE 以外のものが使用されている。

PP、PE を利用する立場からすると、これ以外は全て不純物であり、残さとなる。

このため、分別収集の段階で PP、PE 以外の収集されないことが残さ削減の対策となる。

PP、PE 以外が収集されていると、再生処理段階で不純物を含めたもの全体を処理することに

なるので、残さが増えるとともに、処理量が増加するため、両面からコスト増要因となって

Page 31: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

- 50 -

いないか。

② 用途拡大可能性

一部の会員で、医療廃棄物用のペール缶を開発して販売しているケースがある

このような先端的な事例は出てきているが、基本的には射出成形に利用できないため、用途

が限定されているものと考える

パレット以外は、擬木などになっているのでないか

需要者側(製品製造者)に、何らかの義務を課さないと需要拡大は難しいのではないか

用途拡大のためには、原料製造段階でコンパウンドすることも一つの想定

容リ由来プラの課題は、独特のにおいが残ることと色が黒っぽい色となること

色合いやデザイン面(原色が使い難い)の制約があり用途が限定

ペール缶の事例も、病院側で白が常識であったが説得の結果、黒を認めてもらった。一

旦受容されると継続的に使用してもらえることとなる。

ペール缶でのシェアは 20~25%

市場開拓先としては、担当者レベルで意思決定してもらえる先が有効(意思決定プ

ロセスが長いと、どこかでリサイクル原料に NO と言われる可能性が高い)

売り側にも顧客を説得するだけの思いが必要

容リプラの需要拡大のネックとしては、製品販売者の意向が大きく、売れるものを作る際に

原料から除外されるケースが多い

買い手も含めてインセンティブをどう与えるかが重要

電力会社と共同で電装系の部品への利用可能性を検討している

これには、射出成形できる技術が必要

公共系でもっと使って欲しい

③ リサイクルの質の向上策

その他プラ由来の再生樹脂の質を向上するために必要な対策はどのようなものか。

質が向上した場合に利用事業者として期待できることは何か。

PE、PP の混合物でなく単一素材化(PE のみ、PP のみ)を目指す動きがあるが、現状の収集

等の状況からすると難しいのではないか。

特に、単一素材化のためには相当に設備投資が必要であり、高コスト化となるものと考える

高コスト化を補うほどは、再生素材が高く売れないのでないか(需要者は安さを重視し

て再生素材を使っているため)

成形段階は、機器の設定が、大部分の業者でバージン材のグレードレベルでチューニングさ

れている状況

物性が変化すると成形時の不良品としてロスとなる

製造者は、このロスのリスクを恐れている

その他プラ由来の再生樹脂の質を向上するために必要な対策はどのようなものか。

質が向上した場合に利用事業者として期待できることは何か。

何を持って質の向上とするかが重要

再生樹脂の品質向上であれば、不純物となるものを除去することであり、対策としては

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- 51 -

再生処理段階での残さを増やすこと(つまり、選別精度を上げる)か、収集段階で一緒

に収集しないことになるのではないか

このため、再生樹脂の品質としては、フラフの品質が最も的確な品質を示していると考

える

一部の再商品化業者は異物除去のために、ペレット化を行っているが、原料製造者

としてはペレットである必要性は低い

ペレット化のメリットは輸送効率の向上である

フラフ 100kg/1t 袋

フラフ(圧縮) 300kg/1t 袋

ペレット 500kg/1t 袋

④ 協会「原料受入基準」について(容リプラ利用事業者協会)

下記の基準は、製品製造者での利用可能性の観点から問題の無いレベルの基準を、実証実験

などを通じて作ったもの

実務上、測定可能で有用な項目を選定した

a) 品質基準について

再商品化製品(フレーク、フラフ)を ほかの素材・添加物の配合を行わず、単一でペ

レット化し、下記の、試験項目の評価を行い、品質基準を満たしたものを受け入れ対象原

料(再商品化製品)とする。

b) 品質の信頼性の確保について

「再商品化製品」の品質の信頼性を確保するため、主な項目、評価方法による物性評価

を別途定めるロット、期間毎に行い、その物性評価が基準値(表 3.2-3)を満たしている事

の確認を義務化する。また、求められた場合、その物性評価の結果を、試験成績表として

提出できる事とする。

(4) リサイクル材の高品質化

① 単一素材化の可能性

マテリアルリサイクルで、単一素材化を進めることを考えた場合に、分別収集の範囲はどの

ように区分すると良いか。

その他プラを、マテリアルリサイクル用とケミカルリサイクル用の 2 区分とした場合に、

マテリアルリサイクルとして、どの範囲とすることが望ましいか(収集量も考慮した基

準イメージ)。

現状の「プラ」マークでは素材レベルまで分別時に区別されていない

費用対効果が出るのであれば、マテリアルリサイクル用の分別は望ましい

単一素材化の場合に、PE&PP とその他の樹脂(PS、PET 等)の分離が重要であるか、PE と

PP の分離が重要であるか。

単一素材化を目指す場合には、その他の樹脂(PS、PET 等)が分離されていることは大

前提

パレットであれば PS、PET は 1~2%の混入は対応可能

汚れ、コーティング(アルミ等)の影響はどのくらいか。

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汚れに関しては PET ボトルで設定されている基準と同程度のものが必要

アルミ等のコーディングも混入は問題あり

単一素材化されたリサイクル樹脂は、バージン材と同等の価格になるか。

究極的に単一素材化されればバージン材に価格は近づく

高付加価値製品に、容リのマテリアルリサイクル樹脂が使用される可能性はあるか。

この場合の条件は、単一素材化か。

基本的には樹脂の物性値(カタログ値となる項目)が重要であり、単一素材化は十

分条件である。

ポリオレフィン(PP、PE)であれば、物性値が確保されてあれば、製品製造段階で

PE、PP の混合比は問題にならないもの

PE については単一素材化を高めるには LDPE と HDPE は分ける必要あり

比率的には 95:5 程度(PET ボトルでの不純物)で同じ素材があれば単一素材化のメ

リットが出てくる

7:3 程度の混入があれば単一素材化でなく、物性値で判断して使用する

混合比が変化すると物性値が変わるため影響あり

PP、PE の選別は光学選別機などを入れればある程度できるが、表面のデータで判断している

ため複合素材(複層化)には対応できていない

② 用途拡大

容リの利用事業者にマテリアルリサイクル樹脂の使用を義務付けた場合、用途拡大のための

方策はどのようなものが想定されるか。

パレット等のような現状のマテリアルリサイクル樹脂で製造できる新商品の開発

コンパウンドによる一般製品への利用

例えば、文具向け(ボールペン等)の場合に、リサイクル樹脂をどのくらいの割合

混合できるか。

再生樹脂を利用した製品の用途の拡大可能性はどのような状況か。

用途拡大に向けて必要となる再生樹脂の品質要件はどのようなものか。

PP、PE 以外のものが含まれていると、製品製造者の要求する品質基準を満たすことは困難と

なる

このため、PP、PE 以外の不純物を含んだ樹脂の用途と考えることは無理でないか

ただし、他の素材も単独で純度が高くなるとと用途が生ずるのではないか(例:A-PET など)

擬木についても、寒冷地は成分や製造方法を変えるなど、長期使えるものを作るには一定の

品質の原料と製造ノウハウが必要である

増量剤(他のプラ原料に一部混ぜて使う)としての利用は、再生素材のメリットである低コ

スト性の観点から見るとメリットが尐ない

(5) 再商品化の定義の厳密化

容リプラをマテリアルリサイクルする際の基本的なフローについては、以下のようなプロセ

スに区分される。特に、製品製造までに複数の工程があるため、再商品化の定義を一律とな

るように設定することが重要ではないか。

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収集・輸送(対象が廃棄物であれば、廃掃法の収運許可が必要)

再生処理(対象が廃棄物であれば、廃掃法の処理業の許可が必要)

原料製造(再生素材等を用いて、製品製造のための原料化を実施)

製品製造(再生素材等を用いた製品の製造)

(6) 容リ法の課題について

容リ法が H12 にスタートして当初は実際に運用することが重要であった。

現状でも、スタート時の再商品化に関するガイドラインが生きており、変わっていない

再商品化物の引き取り時にチェックがなされていない

引渡し後の強制力が何もないため、ペレット等で引き渡した後の状況が不明となっ

ている

容リのマテリアルリサイクルで、再商品化後にどのくらいが国内で利用されているかが

わからない。

実態として再生素材などで輸出されているものが無いのか確認して欲しい

役所のヒアリング対象が一部に偏っているのではないか

ヒアリングで報告しても、実態がどこまで伴って報告しているかが不明

国内で最終製品を作っている事業者にリサイクル材が回ってこないことがある

海外(主に中国)に回す方が、コンパウンド等のコストが掛からず、再商品化の購入時

に優位になる

コンパウンド化も、コンパウンド工程の加工賃をもらうビジネスであり、中小業者が行って

いる状況(大手ではペイしない)

コンパウンド化のコストの大部分は電気代

配合剤が多くなると、配合剤のコストのほうが高くなるような状況も想定される

マテリアルリサイクル優先時の点数評価方法の課題

書類審査のみで実態チェックまでできていないのではないか

基準が定量的でなく定性的であいまい

「単一素材化している」という記述さえすればよい

透明化、トレーサビリティが確保できるルールで評価して欲しい

分別

収集

圧縮

ベール化

輸送 再生

処理

自治体

原料

製造

製品

製造

廃掃法の対象(現状のその他プラ) 再商品化

再商品化事業者により業務範囲が異なる

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マテリアルリサイクル用の再商品化樹脂の基準として定められている塩素分やオレフィ

ン割合が入札での評価項目にも入っており、ダブルカウントではないか

エコマーク取得品への利用についても、実態の確認がなされていないことが懸念材料

特定事業者の再商品化費用を、リサイクルの用意さで区分する

単一プラの容器包装と、複合素材やコーティングされたものとで単価を変える

現状は総重量でコストが決まるため、リサイクルしにくい複合素材のものを使うなどし

て軽量化に進んでいるのではないか

現状のプラ製品の製造状況

既に国内でのプラ製品の製造が、高付加価値品に限定されており、低付加価値品の製造

拠点は海外になっている

このため、容リ由来のプラの需要先である低付加価値品の製造者が国内にいない状況

中国では、質の悪いプラ(リサイクル原料)を使って、上手に製品を製造する技術(ノ

ウハウ)があるため、日本から購入しようとしている

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(7) ヒアリング結果まとめ

ヒアリング結果を元に、その他プラのマテリアルリサイクルのプロセスを物理的なプロセスで

整理すると、以下のように考えられる。

表 3.2-5 ヒアリング結果整理表

プロセス 物理的扱い 具体的な処理 課題

分別排出 ・対象となる容リプラを抽出

して指定の方法でごみ出し

・対象物の選定

・廃棄前の洗浄

・不純物の除去

・対象はプラマークで判定

・洗浄レベルは自治体によるル

ールが基本

分別収集 ・対象物を各家庭から収集

・パッカー車での収集では車

両での圧縮

・圧縮

・移動

・収集

ベール化 ・輸送効率を上げるためのベ

ール化(分別基準適合物化)

・一定の大きさ、密度

・洗浄

・圧縮

・不純物の除去

・分別の状態に依存

輸送 ・再生処理場所への移動

・形状などの加工なし

・移動 ・輸送量の効率化(輸送車両の

大きさなど)

再生処理 ・分別基準適合物から原料と

して使える素材を抽出

・その際に、汚れや不純物を

除去

・必要があれば素材を複数に

区分

・洗浄(汚れの除

去)

・不純物の除去

・素材の選別(区

分)

・フラフ化

・ペレット化

・品質検査

・何を素材として抽出するか

で、抽出されないものが不純

物となる

・ペレット化は不純物の除去と

して行っているケースあり

・ただし、一般にペレット化に

よる品質向上効果はなく、輸

送効率の向上が主目的

原料製造 ・再生素材やその他の材料(バ

ージン素材、添加剤等)を

混合して原料を製造

・形状としては需要者(製品

製造者)のニーズに合わせ

て加工(ペレットサイズ等)

・混合

・ペレット化

・品質検査

・再生素材の場合は、長期安定

的に同一品質のものが供給

されることが重要

製品製造 ・原料を用いて製品を製造 ・射出成形

・押出成形

・プレス成形

・フィルム化

など

・製造工程に合わせて、特定の

品質の原料が必要

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3.2.3 再商品化の高品質化の阻害要因の整理

上記の調査で実施した文献・ヒアリング調査結果等を用いて、容器包装プラスチックの材料リ

サイクル時における阻害要因を分析、整理した。

(1) 色・臭気等

現状の容器包装プラスチック由来の再生樹脂には、処理過程を通じて独特の臭気が残る状態と

なる。また、色が黒っぽい色となることにより製品の色合いやデザイン面(原色が使い難い)の

制約があり用途が限定される。図 3.2-19 は、プラスチックパレットの色のイメージであるが、容

器包装由来の樹脂の色としても一般的なものと考えられる。

図 3.2-19 再生樹脂パレットの色のイメージ

(出典)弘英産業(株)Web ページ(http://www.koei-ltd.co.jp/pallet01.html)

(2) リサイクル処理に不適なプラスチックの存在

現在の材料リサイクルでは、リサイクル対象としてポリオレフィン(PE、PP)を想定している。

また、一部は白色トレイ(PS)についても別途材料リサイクルがなされている。

これに対して、実際に収集される容器包装プラスチックは、かなりのばらつきがあるものの、

典型的な成分構成としては表 3.2-6 のように PE、PP 以外に PS、PET、PVC などのプラスチック

が含まれており、その他に不純物や水分が混ざっている。このため、単純に PP、PE のみを材料

リサイクルとした場合には、合計しても約 50%のみリサイクル対象となり、実際のリサイクル率

と近い状況になっている。

従って、材料リサイクルの対象を PE、PP とした場合には、現状の分別収集方法では、およそ

半分が非リサイクル物(言わば残さ)となることは避けられない状況にあると考えられる。

表 3.2-6 典型的な容器包装プラスチックの成分構成(事例)

成分割合

PE(乾) 29.8%

PP(乾) 20.9%

PS(乾) 17.7%

PET(乾) 13.8%

PVC(乾) 4.9%

複合(乾) 2.1%

その他 1.0%

金属類 2.6%

水分 7.3%

合計 100.0% (出典)「プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等の検討」平成 19 年 6 月

財団法人 日本容器包装リサイクル協会、プラスチック製容器包装再商品化手法に関する環境負荷等検討委員会

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材料リサイクル以外の方法であるケミカルリサイクルを含めて、プラ素材別のリサイクル処理

の適否を整理すると、表 3.2-7 のようになる。ここで、プラスチックに注目すると、PVC につい

ては、ガス化が受入可能な以外は一定割合以上の混入は設備にとって負担がある状況と考えられ

る。その他のプラスチックについては、材料リサイクル(PP・PE 混合)では一定割合以下、単一

素材化では忌避物として想定される。

このような状況を考慮すると、材料リサイクルの高品質化には、材料リサイクルに適しないプ

ラスチックが含まれないことが望ましいことが分かる。この場合の対策としては、分別収集の収

集範囲を変えることが想定される。一つは収集対象を尐なくして材料リサイクルに適したものだ

けを分別収集して、その他は可燃ごみ等の一般廃棄物として扱うという方法である。もう一つは、

材料リサイクルに適した分別区分と、それ以外の2区分に分けることで、後者は概ねケミカルリ

サイクルの対象物と考えることができる。

収集対象を尐なくした場合は、一般廃棄物の処理対象が増加し、収集区分を増やした場合は収

集負担が増えることになるため、いずれも市町村の負担が増加する対策となる。このため、負担

軽減が想定される特定事業者が市町村の負担軽減を支援するというような形が必要となる。

表 3.2-7 リサイクル方法別の容器包装プラスチックの成分構成の適否

成分混合 単一素材化 油化 ガス化

高炉還元(*1)

コークス炉化学原料化

(*2)

RPF/セメント焼成

焼却発電

PE(乾) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○PP(乾) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○PS(乾) △ × ○ ○ ○ ○ ○ ○PET(乾) △ × ○ ○ ○ ○ ○ ○PVC(乾) △ × △ ○ × △ × △複合(乾) △ × △ ○ × △ ○ ○その他 △ × △ ○ × △ × △金属類 × × × × × × × △水分 △ △ △ △ △ △ △ △

○:処理対象 (*1)高炉は脱塩に対してシビア(含有率0.5%-Cl以下)△:一部混入可 (*2)受入プラの塩素含有率は2%-Cl×:不適物(選別対象)

材料リサイクル ケミカルリサイクル 固形燃料等

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(3) 再生樹脂利用時の課題

容器包装プラスチックだけでなく、再生樹脂を利用する際の課題について整理した。

① 再生に伴う樹脂性能の低下

一般的に、樹脂の成形時には熱を加え加工を行う。このような加熱工程を経ることで、

一般的に樹脂の分子量が小さくなり、加工後の強度が低下するなどの性能低下が起こる。

また、PET などでは加水分解による性能低下も発生するため、注意が必要である。

② 不純物の混合等による樹脂性能の低下

各種不純物の混合により、樹脂性能の低下が発生する。課題となる条件は以下のような

ものが挙げられる。これらは、特に単一樹脂化を目指す際には大きな課題として考慮すべ

き事項となる。

離型剤の混入

前成形時に使用した離型剤が混入

油の混入

金型油などの付着

焼けごみ(炭化物)の混入

金属異物の混入

異樹脂の混合

塗料、接着剤、塵埃等の混入

(出典)「設計者のためのプラスチックの強度特性」(本間精一著、工業調査会)を元に作成

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3.2.4 再商品化の高品質化の方策検討

上記の調査結果を踏まえて、再商品化の質を高めるための方策について検討を行った。

(1) 単一樹脂化

リサイクル樹脂の品質が最も高いのは、単一の樹脂のみを選別してペレット化などの原料化を

行う方法である。

現行の容器包装プラスチックの再商品化のコスト負担状況を模式化すると図 3.2-20 のように、

収集コストを市町村が、再商品化コストと販売収入の差額を特定事業者が負担している状況とな

る。これに対して、単一樹脂化の考え方は、図 3.2-21 のように、再商品化コストが上げても、販

売収入を増やすことで落札価格を維持もしくは低下させようというものである。つまり、単一樹

脂化のターゲットとしては、再商品化コスト以上に販売収入を多く得られることが条件となるも

のと考えられる。

【収集・中間処理】

収集コスト=市町村負担

再商品化コスト

販売収入

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格=特定事業者負担

社会コスト

【収集・中間処理】

収集コスト=市町村負担

再商品化コスト

販売収入

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格=特定事業者負担

社会コスト

図 3.2-20 現行の状況

【収集・中間処理】

収集コスト=市町村負担

再商品化コスト

販売収入

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格=特定事業者負担

社会コスト

【収集・中間処理】

収集コスト=市町村負担

再商品化コスト

販売収入

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格=特定事業者負担

社会コスト

図 3.2-21 単純な単一樹脂化のイメージ(収集方法不変)

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一方、単一樹脂化に向けた考え方としては、単一樹脂化に向いた容器包装プラスチック

のみを収集し、不適なものについては一般廃棄物として焼却等の処理を行うというものが

ある。この場合は図 3.2-22 のように市町村の焼却等の処理コストが増加し、一方、落札価

格の低下による特定事業者の負担が減ることが想定される。このため、負担の分担を変え

て、市町村の焼却等の処理コストを特定事業者が負担するという考え方が想定される。

いずれにしても、社会コストが削減されるかどうかという点を精査することが必要であ

る。

【収集・中間処理】

収集コスト・不変(総量不変)

再商品化コスト・減 販売収入・増

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格・減

焼却コスト・増

負担分担?

社会コスト

【収集・中間処理】

収集コスト・不変(総量不変)

再商品化コスト・減 販売収入・増

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格・減

焼却コスト・増

負担分担?

社会コスト

図 3.2-22 単純な単一樹脂化のイメージ(収集範囲削減)

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(2) 分別区分の増加

先に示したとおり、材料リサイクルとケミカルリサイクルという大きな2方法がある中で、現

状では分別区分がその他容器包装製プラスチックの 1 種類となっている。

材料リサイクルとケミカルリサイクルには、それぞれ処理の特徴があるため、双方の特徴を活

かす新たな分別区分を設けることは、再商品化の高品質化に向けては有効な方策と考えられる。

この場合の費用負担のイメージは、図 3.2-23 のとおりに収集コストが増加する分市町村の負担

が増え、その代わりに落札価格の低下により特定事業者の負担が減るという構図である。これは、

図 3.2-22 の収集範囲を減らした場合と同様の形となるため、社会コストの削減効果を踏まえて費

用負担の分担を見直すことが必要である。

【収集・中間処理】

収集コスト・増

再商品化コスト・減販売収入・増

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格・減

社会コスト

【収集・中間処理】

収集コスト・増

再商品化コスト・減販売収入・増

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格・減

社会コスト

図 3.2-23 収集区分の増加イメージ(容リプラの分別区分増加)

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(3) 容リプラ再生樹脂利用の推進

現状は、容リプラの再生樹脂の用途としては、再生樹脂としての販売が最も多く、具体的な製

品としては、パレット、土木建築用資材、棒・杭・擬木、プラスチック板の順になっており、製

品としては比較的加工が容易な製品が多いことがわかる。

【収集・中間処理】

収集コスト=市町村負担

再商品化コスト

販売収入(通常)

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格=特定事業者負担

社会コスト

樹脂購入義務分=特定事業者負担

【収集・中間処理】

収集コスト=市町村負担

再商品化コスト

販売収入(通常)

【再商品化処理】 【再商品化製品販売】

落札価格=特定事業者負担

社会コスト

樹脂購入義務分=特定事業者負担

図 3.2-24 再生樹脂利用推進(利用義務化)イメージ

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(4) まとめ

上述のとおり、再商品化物の高品質化については、容器包装プラスチック由来の樹脂の、収集

段階での組成による品質の低下が大きな課題となっている。これに対する対策としては、収集区

分の変更を伴う対策と再商品化物の需要創出による対策が想定される。収集区分の変更では材料

リサイクルに適したものに限定して収集することで、再商品化物の価値を高め、結果として落札

価格の低下を図るものであるが、市町村の収集、処理への負担が発生することが想定されるため、

その部分の負担軽減策を検討することが必要である。また、再商品化物の需要創出では、特定事

業者等に再商品化物の利用を課すことが想定される。この場合に積極的に再商品化物を利用した

事業者が有利となるような対策とすることが必要であろう。

いずれにしても、複数の素材、異物の混合した容器包装プラスチックの再商品化については、

図 3.2-25 のような形で再商品化物の価格と品質を費用対効果が高まる方向に誘導していくこと

が求められる。

バージン材

容リプラ(PE・PP混合)

品質

価格

単一素材化

コンパウンド化

価格帯がバージン材と変わらなくなる(コストパフォーマンスでバージン材を上回ることが困難)

容リプラではこの領域の樹脂の供給が困難

低価格用途のゾーン(市場あり)

バージン材

容リプラ(PE・PP混合)

品質

価格

単一素材化

コンパウンド化

価格帯がバージン材と変わらなくなる(コストパフォーマンスでバージン材を上回ることが困難)

容リプラではこの領域の樹脂の供給が困難

低価格用途のゾーン(市場あり)

バージン材

容リプラ(PE・PP混合)

品質

価格

単一素材化

コンパウンド化

再商品化コスト削減で実質的な価格低下効果を得る

分別の見直しで単一素材化を容易とすることで価格低下

を品質向上を図る

需要拡大によりバージン材との実質的な価格差の解消を図る

バージン材

容リプラ(PE・PP混合)

品質

価格

単一素材化

コンパウンド化

再商品化コスト削減で実質的な価格低下効果を得る

分別の見直しで単一素材化を容易とすることで価格低下

を品質向上を図る

需要拡大によりバージン材との実質的な価格差の解消を図る

図 3.2-25 再商品化物の高品質化の方向性イメージ

Page 45: 140,000 98.0% 96.0% 容器包装の製造に係わる排出抑制の ......ごみ袋 31,921 92.2% 30,812 96.5% 32,411 105.2% 35,939 110.9% 35,554 98.9% 農業用 450 106.1% 457 101.6%

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