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1. 抗原の賦活化法 丸いアクリル枠の上に耐熱ガラスを載せます。 パイレックスの容器に賦活液を500cc入れ、スライドグラスを金属ラック に入れ、広い面を下にして置く。 容器に付いている蓋をし、耐熱ガラスの上にセットする。 蓋の上部に空いている2つの穴に熱電対温度センサーとエアー用の金属の棒を 差し入れ、エアースイッチを押す。 賦活液の中に界面活性剤が入っている場合にはエアースイッチは入れない。 熱電対温度計使用 設定温度90~98℃ 出力6 連続照射タイマー20~25分 試料は常温から賦活液に入れ、マイクロウェーブの照射を始めること。 高温になってから試料は入れない。(試料へのダメージが大きくなるため) 500ccの賦活液が設定温度に達するまで約5分かかる。 高温を15分間行いたい時は、常温から高温になる5分間を足して連続照射タ イマーは20分にする。

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Page 1: 1. 抗原の賦活化法 - Fujita Health Universitykyori-mb/molecularbiology/Microwave/...1. 抗原の賦活化法 丸いアクリル枠の上に耐熱ガラスを載せます。

1. 抗原の賦活化法

丸いアクリル枠の上に耐熱ガラスを載せます。 パイレックスの容器に賦活液を500cc入れ、スライドグラスを金属ラック

に入れ、広い面を下にして置く。 容器に付いている蓋をし、耐熱ガラスの上にセットする。 蓋の上部に空いている2つの穴に熱電対温度センサーとエアー用の金属の棒を

差し入れ、エアースイッチを押す。 ※ 賦活液の中に界面活性剤が入っている場合にはエアースイッチは入れない。

熱電対温度計使用 設定温度90~98℃ 出力6 連続照射タイマー20~25分

試料は常温から賦活液に入れ、マイクロウェーブの照射を始めること。 高温になってから試料は入れない。(試料へのダメージが大きくなるため) 500ccの賦活液が設定温度に達するまで約5分かかる。 高温を15分間行いたい時は、常温から高温になる5分間を足して連続照射タ

イマーは20分にする。

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2. 免疫組織化学染色法

黒い試料板を庫内にセットする。染色バットが載る面を上側にセットする。 専用の染色バットに約5ccの水を入れる。 染色バットの中には10枚までスライドグラスが入り、10枚以上行うときは

染色バットを重ね、最大5枚まで重ねることができます。 赤外線温度計使用 設定温度 37℃ 実際には3~15分ほど照射しても抗体の温度は5℃くらいしか上がりません。

出力 2 (染色バット1~2枚) 3 ( 〃 3~5枚) 間欠照射 4秒 on , 3秒 off 処理時間 通常 MW照射

15~30分 → 3~4分 1~2時間 → 5~7分 オーバーナイト → 15~20分 マイクロウェーブ照射後の水洗は10~30秒程度の洗いでもバックグラウン

ドの抜ける染色をおこなうことができます。 マイクロウェーブを照射することで水分子が動き、抗原抗体反応が促進される

と思われます。 反応時間が短いためにバックグラウンドに抗体が付着しないため、水洗は短時

間の処理で済みます。 しかし全ての抗体がうまくいくとは限りません。 ※10~15%程度はマイクロ波との相性が合わないものがあります。 合わないものは通常の方法でしてください。 DABの処理時間は通常よりも1.5倍~2倍の時間がかかることもあります。

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3.特殊染色法

例 ・ PAM ・ KB ・ グロコット ・ グルメリウス 他 ドーゼにスライドグラスと染色液をセットし、ドーゼを庫内の中心に置き、赤

外線温度計にて温度測定を行う。 前処理と後処理の2回に分けて照射します。 ・前処理

赤外線温度計使用 設定温度 60℃ 出力5 連続照射 30秒~1分 60℃に達したら一度取り出し、スライドグラスを上下に動かし、

上下の温度斑をなくす。 そしてまた元の位置に置く。 ・後処理 10℃位下がりますので、出力はそのままで 間欠照射 on, off 処理時間 通常 MW照射

1~2時間 → 5~10分前後 オーバーナイト→ 30~40分 但し、PAMは処理時間が短く、後処理の時間は2~5分間染色性を見ながら

止める。

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4.FISH及びインサイチューハイブリダイゼーション法

試料板の材質は塩ビを使用し、試料板中には温度斑をなくすために水が入って

いる。 急激に温めることと、60℃以上の温度では使用しない。 ・利点 FISHは通常48時間以内の固定とされているが、施設により固定条件は異

なり、安定した結果を得ることができませんでした。 マイクロウェーブをハイブリに使用することにより、固定時間の不安定さから

くるシグナルの不具合を改善させることができ、安定した結果を得ることがで

きます。 マイクロウェーブをハイブリに使用することで全処理のキットが全く要らなく

なるため、安価でできます。

赤外線温度計を使用し、設定温度43℃でハイブリをします。 前処理として予め試料板を温めておく必要があります。 出力4で連続照射10~20分。

実際のハイブリは試料板の温度が39~40℃くらいに冷めてから始めます。 43℃の状態から照射し始めると、マイクロウェーブは設定温度に達すると照

射されないため、必ず温度が39~40℃に下がってから照射します。 ハイブリダイゼーション 出力 4 間欠照射 秒 on, 秒 off 処理時間 60分 この後はシグナルの安定性をもたせるため、恒温槽(42℃)でオーバーナイ

トさせます。

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5. 脱灰・脱脂法

ポイント 処理する溶液は冷蔵庫にて必ず冷やしておきます。 テフロン板を庫内にセットし、容器をこの上に載せます。 液の蒸発を防ぐ意味で、サランラップや専用の蓋(真ん中に穴が開いたもの)

をかぶせます。 設定温度を45~50℃と決めているため、最初の温度が高いと直ぐに設定温

度に達してしまい、マイクロ波があたりません。 マイクロ波の効果を高めるために必ず冷やす必要があります。 照射方法・照射時間は液量により、条件が異なります。 赤外線温度計 設定温度 45~50℃ 出力 間欠照射 on, off 処理時間 ・脱灰 この機種で使用できる溶液は蟻酸、K‐CX。 通常方法に比べ、1/10くらいの時間短縮になります。

・脱脂 溶液の種類は問いません。 オーバーナイトするものが30分~2時間程度になります。 ※溶液により脱脂効果の強弱があるため、照射時間は異なります。