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管理操作 採算を確認する 1.採算を確認する 1-1 採算管理とは 採算管理とは、採算、人事、スキル、情報、学習という 5 項目で社員を評価し、各社員がどのくら い利益を出しているか、を算出するツールです。その方法は、この5つの項目で、社員が活動した 数をカウントし、定量評価をします。その内容を上司が確認し、定性評価で調整します。定性評価 をしなければ、自動的に定量評価だけで評価が確定します。その評価の割合から社員の稼ぎ出 す利益を算出します。 (図 1-1) 1.各商品の利益を算出し、その利益の合計から会社の共通経費、管理費用を引くと、会社の 純利益が出ます。 2.その純利益を、直接貢献利益と間接貢献利益に分割します。 上図の場合、評価基準の「採算」の項目が直接貢献利益になります。そして「人事」「スキ ル」「情報」「学習」が間接貢献利益になります。 3.間接利益は人事、スキル、情報、学習の評価のプライオリティに応じてあわせた評価をパ ーセンテージで算出します。 4.直接貢献利益はその利益に直接貢献した割合で分配します。たとえば直接利益と間接利 益の平均を6:4にします。 5.1 で出した売上げ利益を 4 で出した各社員の売上げ配分で分けると各社員の利益が算出さ れます。(図 1-2)

1.採算を確認する 1-1 採算管理とは...管理操作 採算を確認する (図1-2) 上記の内容をこのシステムで説明すると(図1-3) 1.まず会社の仕事を商品、取引、管理に分類します。

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管理操作

採算を確認する

1.採算を確認する

1-1 採算管理とは

採算管理とは、採算、人事、スキル、情報、学習という 5 項目で社員を評価し、各社員がどのくら

い利益を出しているか、を算出するツールです。その方法は、この5つの項目で、社員が活動した

数をカウントし、定量評価をします。その内容を上司が確認し、定性評価で調整します。定性評価

をしなければ、自動的に定量評価だけで評価が確定します。その評価の割合から社員の稼ぎ出

す利益を算出します。

(図 1-1)

1.各商品の利益を算出し、その利益の合計から会社の共通経費、管理費用を引くと、会社の

純利益が出ます。

2.その純利益を、直接貢献利益と間接貢献利益に分割します。

上図の場合、評価基準の「採算」の項目が直接貢献利益になります。そして「人事」「スキ

ル」「情報」「学習」が間接貢献利益になります。

3.間接利益は人事、スキル、情報、学習の評価のプライオリティに応じてあわせた評価をパ

ーセンテージで算出します。

4.直接貢献利益はその利益に直接貢献した割合で分配します。たとえば直接利益と間接利

益の平均を6:4にします。

5.1で出した売上げ利益を4で出した各社員の売上げ配分で分けると各社員の利益が算出さ

れます。(図 1-2)

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採算を確認する

(図 1-2)

上記の内容をこのシステムで説明すると(図 1-3)

1.まず会社の仕事を商品、取引、管理に分類します。

2.商品は、主に会社に収入をもたらす財やサービスをさします。

3.取引は主に収入をもたらす取引先や顧客をさします。

4.管理は主に総務部門やシステム部門など、収入に関係のない部門をさします。

それぞれの部門でどのように売上げや利益を出すかを表示します。

5.採算管理では、商品の採算、取引先との採算、スタッフの採算、プロジェクトの採算を明確に表

示します。

6.売上げは、「商品」と「取引」に表示されます。商品の売れた数と取引の売れた数は原則一致し

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ます。したがって、計算は商品を基準におこないます。

7.各商品の生み出す純利益の合計を総利益とします。

8.総利益を指定する割合で固定配分利益と相対配分利益にわけます。固定配分利益は主に管理

部門で活用されます。

9.相対配分利益を商品、取引、管理に分類します。

10.そしてそれぞれ商品にたずさわった人、取引にたずさわった人、管理にたずさわった人に利益

を配分します。

11.このように仕事をするスタッフがどのくらい直接利益に貢献しているか、間接的に組織に貢献し

ているかをリアルタイムに算出することがこのシステムの特徴です。

1-2 採算管理モードの見方

縦の列のタブに「プロダクト」「プロジェクト」「スタッフ」と並びます。縦のタブは「人の集合体の種

類」と見るとわかりやすいでしょう。

「プロダクト」は商品をプロデュースするチームの集まり、「プロジェクト」はチームで仕事をするスタ

ッフの集まり、「スタッフ」はその商品の開発やプロデュースに関わるスタッフ個人をあらわします。

この縦の列は人もしくはひとの集まりであるチーム、チームのあつまりである組織という、人、もし

くは人の集合体を表します。

横のタブは「商品」、「取引」、「管理」、「会社」と並びます。横のタブは「行為の種類」と見るとわ

かりやすいでしょう。

2.商品の採算を確認する

商品における利益の算出方法を説明します。

1.まず商品の売上げがあり、それに携わった人の⑦プロジェクト人件費、直接かかったプ⑥ロジ

ェクト経費、商品の製造にかかわった③プロダクト経費を引きます。そうすると商品の営業利益

が出ます。

横の線(行為の種類)

縦の線(人・組織の種類)

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2.商品をプロデュースするにあたり、それを企画、開発するスタッフ、スタッフが協力してチームで

おこなうプロジェクト、それを商品にするプロダクトに分けます。

3.プロダクトは商品と同じですから、売上げがあります。プロジェクトとスタッフでは経費のみ

発生します。

2-1.商品の中のプロダクト採算を確認する

この項目は商品の売上げに貢献した組織(企画部や開発部)への利益状況や経費の消化状況を

表示します。ここで示す商品は売上げをあげるための商品、プロダクトは商品を生み出すチーム

の集まり。たとえば企画部と開発部など。

そして下記の項目が表示されます。

① 売上目標、 ②売上、利益(⑤-⑥-⑧-⑨)、 ③プロダクト経費(製品の製造原価など) ④

予算、 ⑤経費合計(⑥+⑦)、 消化率(④+⑤)そして ⑥プロジェクト経費、⑦プロジェクト人

件費そのほか労働時間、プロジェクト数、工程数、スタッフ数が表示されます。

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2-2.商品の中のプロジェクト採算を確認する

この項目は商品をプロデュースするための、チームの仕事(プロジェクト)の結果状況を表示し

ます。

表示される項目は、配分利益、④予算、⑤経費合計(⑤+⑥) 消化率(⑤/④) ⑤ プロジェ

クト経費 ⑦プロジェクト人件費 プロジェクト労働時間、プロダクト数、工程数、スタッフ数で

す。

2-3.商品の中のスタッフ採算を確認する

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採算を確認する

ここではスタッフのプロジェクト人件費、プロジェクト労働時間、プロダクト数、プロジェクト数、各ス

タッフの配分利益が表示されます。商品の利益が出た場合、各スタッフの努力に応じて利益が

割り振られます。(標準は時間×労働単価)

3.取引の採算を確認する

取引先は主に営業先を示します。

プロダクトは取引先をサポートするスタッフの集団。たとえば営業1課 営業2課といったもの。

プロジェクトはたとえばその取引先に支店があるならば、その支店をサポートする営業のチームを

指します。スタッフは営業を構成するスタッフを指します。

3-1.取引におけるプロダクトの採算を確認する

この項目は取引先別の商品(プロダクツ)の売上、利益状況を主に表示します。

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採算を確認する

この場合、取引先別の商品の売上げや利益を表示します。

表示される項目は配分利益、利益(②-③-⑤)、達成率、①売上目標 ②売上 ⑤プロダク

ト経費(売上にからむ製造費用)、予算 ⑤経費合計(⑥プロジェクト経費+⑦人件費)、プロ

ジェクト人件費、プロジェクト労働時間、プロジェクト数、工程数、スタッフ数です。配分利益は

会社の総利益からすべての経費を除いた利益からプロジェクトごとの利益の割合に応じて利

益が配分されます。それをこの取引先別の配分利益といいます。

配分利益は各商品の総合計(企業の売上げ全体)―(⑤プロダクト費用+⑥プロジェクト経費

+プロジェクト人件費+会社の管理費用)で算出された利益から利益の割合で割り振ったもの

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採算を確認する

です。

3-2.取引におけるスタッフの採算を確認する

この項目は主に取引先の営業をサポートするための、チームの仕事(プロジェクト)の状況を

表示します。

具体的には取引先別のプロジェクト、たとえば担当の営業チームを意味します。○○商事に 3

人で営業をしていれば、その 3人の経費や労働時間が表示されます。

表示される項目は、配分利益、④予算、⑤経費合計(⑥+⑦)、消化率(⑤/④) ⑥プロジェク

ト経費 ⑦人件費、労働時間、プロダクト数、工程数、スタッフ数です。

3-3.取引におけるスタッフの採算を確認する

この項目はおもに取引先をサポートする営業スタッフの営業状況を表示するものです。

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採算を確認する

表示項目は配分利益、人件費、労働時間、プロダクト数(取引会社数)、プロジェクト数(店舗

数、もしくは顧客数)です。配分利益はデフォルト(標準)では時間×単価で評価しますが、こ

の分野は上司の定性評価が重要なので、定性評価をこまめにする必要があります。

4.管理の採算を確認する

4-1管理の採算のしくみ

・総利益を指定する割合で固定配分利益と相対配分利益にわけます。固定配分利益は管理部門

など直接利益に関係しない部門を評価するためです。たとえば図 4-1を参照すると、まず会社が

1000 万円の利益を出したとします。そうするとまず管理部門に、会社が赤字、黒字にかかわらず

100万円割り振ります。そして残りの9割である900万円を相対配分利益として、実績に応じて各

部署に配分します。

(図 4-1)

(図 4-2)

(図 4-1)で算出された利益相対配分利益+固定配分利益の 190 万円は、人件費の割合、プロジ

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採算を確認する

ェクト経費の消化率の割合、間接評価の割合を加味して、それぞれの管理部門のスタッフに利益

を配分します。

4-2.管理の採算を確認する

この項目は総務などの管理部門の仕事状況を表します。

表示される項目は、配分利益、④予算、⑤経費合計(⑥プロジェクト経費+⑦プロジェクト人

件費) ④ 消化率 ⑥プロジェクト外人件費 労働時間、プロダクト数、工程数、スタッフ数

です。

4-2.管理のスタッフの採算を確認する

この項目は管理部門のスタッフの仕事状況を表します。

表示項目は配分利益、人件費、労働時間、プロダクト数(取引会社数)、プロジェクト数(店舗

数、もしくは顧客数)です。配分利益はデフォルト(標準)では時間×単価で評価しますが、こ

の分野は上司の定性評価が重要なので、定性評価をこまめにするこおとをお勧めします。

5.会社全体の採算を確認する

管理操作

採算を確認する

各採算管理の流れは上記のようになります。

5-1.会社の採算を確認する

会社のいままでの状況を表示します。

表示項目は売上げ、経費合計(③プロジェクト経費+④プロジェクト人件費)

売上目標、達成率、予算、消化率、労働時間、プロジェクト数、工程数、スタッフ数

プロダクト外労働時間、プロダクト外人件費、プロジェクト外人件費を表示します。

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5-2.会社全体の採算を確認する

このモードは会社における社員の労働状況、生産性、利益などの状況を表示します。

表示項目は労働生産性、利益合計、プロダクト人件費、労働時間、プロダクト外人件費、プロ

ダクト外労働時間、プロダクト数、プロジェクト数、工程数、配分利益、提案掲示板書込数評

価 、提案掲示板評価、連絡掲示板書込数評価、連絡掲示板評価、問題定義数評価、情報

収集数評価、企画立案数評価、実行数評価、評価反省数評価、その他数評価、サイクル数

評価亜、学習フロー評価、人事評価、目標数評価、目標評価、用語集作成数評価、用語集評

価、業務マニュアル作成数評価、用語集作成数評価、用語集評価、業務マニュアル作成数評

価、Q&A 回答数評価、Q&A評価数評価、Q&A 評価、一般スキルスコア評価です。

5-2.スタッフへの採算の計算方法

1. まず商品や取引の累積利益が集計されます。

2. 「商品」「取引」「管理」とその利益を固定的に配分します。それは人数であってもよいし、

この割合は運用で公平になるように微調整するとよいでしょう。たとえば管理部門は利益

の 10%が計上、営業部は 30%、企画部開発部をあわせて 60%などと設定します。

3. 次にその売上げに貢献したプロジェクト単位に利益は配分されます。最後にそのプロジェ

クトに参加しているスタッフに、利益が配分されます。その配分値はデフォルト(標準)では

時間×単価の構成比率で割り振ります。ただマニュアルで定性評価をするところもありま

す。

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5-2.スタッフの採算データの見方

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5-2-1.労働生産性

労働生産性はスタッフの、その期間まで出した利益を、その期の総労働時間で割ったものです。

1 時間あたりどのくらいの利益を出しているかを示します。スタッフはこのデータがより向上するよ

うに試行錯誤しながら仕事をします。

5-2-2.利益合計

利益合計はスタッフがその期初からその日まで算出した(直接利益、間接利益含めた)利益の合

計をさします。

5-2-3.プロジェクト人件費

プロダクト、プロジェクト、工程に乗って労働した人件費=時間×労働単価です。

5-2-4.プロジェクト労働時間

プロダクト、プロジェクト、工程に乗って労働した時間です。

5-2-5.プロダクト外人件費

プロダクトに入っていない人件費=労働の時間×労働単価です。

5-2-5.プロダクト外労働時間

プロダクトに入っていない労働の時間です。

5-2-6.プロジェクト外人件費

プロダクトやプロジェクトに入っていない人件費=労働の時間×労働単価です。

5-2-6.プロジェクト外労働時間

プロダクトやプロジェクトに入っていない労働の時間です。

5-2-7.プロダクト数

かかわった商品数や取引先数の数です。

5-2-8.プロジェクト数

かかわったプロジェクト数です。

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5-2-9.工定数

自分の仕事の数です。

5-2-10.プロダクト配分利益

プロダクトにかかわった利益。直接売上げに貢献した利益を指す。

5-2-11.提案掲示板書込み数評価 提案掲示板評価

提案掲示板への書込み数の定量評価と定性評価を加えたものです。

5-2-12.連絡掲示板書込み数評価 連絡掲示板評価

連絡掲示板への書込み数の定量評価と定性評価を加えたものです。

5-2-13.問題定義数評価

掲示板に問題定義した数および定性評価を加えたもの(定性評価をしない場合は自動的に定量

評価のみ)です。

5-2-14.企画立案数評価

掲示板に企画立案した数およびその定性評価を加えたもの(定性評価ない場合、同上)です。

5-2-15.実行数評価

掲示板に実行した数およびその定性評価を加えたもの(定性評価ない場合、同上)です。

5-2-16.評価反省数評価

掲示板に評価反省した数およびその定性評価を加えたもの(定性評価ない場合、同上)です。

5-2-17.その他評価

掲示板に上記の5つの類型にはいらないその他の情報を提供した数およびその定性評価を加え

たもの(定性評価ない場合、同上)

5-2-18.サイクル数評価

掲示板に問題定義→情報収集→企画立案→実行→評価反省を意識して繰り返した数およびそ

の定性評価を加えたもの(定性評価ない場合、同上)

5-2-19.学習フロー評価

上記学習サイクルにより、商品、職場環境、リーダーシップ、方向性、スキルなどもろもろの仕事

現場での学習、改善に努め、より仕事のクオリティを努めたかの定性評価です。

5-2-20.人事評価

人事評価を利益に算定したもの。

5-2-21.目標数評価

今期設定した目標の数です。

5-2-22.目標管理評価

今期設定した目標の到達度状況の、上司による評価です。

5-2-23.用語集作成数評価

専門スキルでいかに教材を作成したか、その数の評価です。

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5-2-24.用語集評価

用語集のクオリティに対する定性評価です。

5-2-25.業務マニュアル作成数評価

業務マニュアルを今期いくつ作成したか、その数の評価です。

5-2-26.業務マニュアル評価

業務マニュアルのクオリティの定性評価およびどれくらい組織で利用されたかの定量評価です。

5-2-27.Q&A回答数評価

今期、Q&Aをいかに利用したかの定量評価です。

5-2-27.Q&A評価数評価

Q&Aを今期どのくらい評価したかその数の評価です。

5-2-27.Q&A評価

Q&Aを今期どのくらい有効に活用したかの評価です。

5-2-27.一般スキル利用評価

今期積極的に一般スキルを利用したかの評価です。

5-2-27.一般スキルスコア評価

今期一般スキルがどのくらい成長したたかの評価です。