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とべ動物園魅力向上戦略検討委員会 報告書 平成30年3月 愛媛県

1.動物園の現状・役割 - Ehime Prefecture...1.動物園の現状・役割 2 3.展示方法の変遷 動物園の展示方法は初期から現在まで様々な変化をしてきた。従来からの展

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とべ動物園魅力向上戦略検討委員会

報告書

平成30年3月

愛媛県

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- 目 次 -

1.動物園の現状・役割 ········································· 1~3

1-1 日本の動物園の現状 ······································· 1

1-2 動物園の社会的役割 ······································· 3

1-3 動物園における課題 ······································· 3

2.とべ動物園の現状 ············································· 5~15

2-1 とべ動物園の概要 ·········································· 5

2-2 県民に愛されるとべ動物園のあり方検討会(平成17年度)の概要 · 8

2-3 とべ動物園アンケート調査結果の整理・分析 ··················· 10

3.とべ動物園の課題 ·············································· 16~19

3-1 とべ動物園の課題 ········································· 16

4.とべ動物園整備基本方針 ······································· 20~24

4-1 目標の設定 ··············································· 20

4-2 基本方針の設定 ··········································· 20

4-3 施策体系図 ················································ 24

5.とべ動物園魅力向上戦略 ········································ 25~47

5-1 魅力向上戦略 ·············································· 25

5-2 動物の導入計画 ··········································· 42

5-3 施設等の整備計画 ········································· 44

5-4 魅力向上の推進体制 ······································· 47

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1.動物園の現状・役割

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1動物園の現状・役割

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1-1 日本の動物園の現状

1.動物園を取り巻く状況

地球温暖化による気候変動などによって、動物の生息域が減少し絶滅危惧種

が増加するなど、動物を取り巻く環境が大きく変化している。また「動物の保

護及び管理に関する法律」が施行され、動物園の飼育環境を見直す動きが始ま

った。あわせて、ワシントン条約によって、絶滅の恐れがある動物の商業取引

を厳しく取り締まることとなり、野生動物の輸入は一層難しくなってきている。

また、動物園の基本的機能は、「レクリエーション(自然の不思議さに感動で

きる)」、「教育」、「調査研究」、「種の保存」の 4点とされているが、レクリエー

ションの多様化などにより、国内動物園の入園者数が低迷する中で、各地の動

物園では試行錯誤を重ねている。行動展示への転換や環境エンリッチメント(動

物本来の行動ができる飼育環境への改善)の工夫、生命観をはぐくむ教育、地

域の生態系に重点を置くなど、4 つの機能を強化させた独自の取り組みが求め

られている。

2.動物園の動向

全国の動物園及び動植物園は、博物館及び博物館類似施設に分けられており、

過去5回の統計(文部科学省 社会教育調査統計)を集計すると、入園者数及

び施設数は以下のとおりとなっている。

入園者数は調査年毎において増減は見られるが、総じて微減が続いている。

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1.動物園の現状・役割

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3.展示方法の変遷

動物園の展示方法は初期から現在まで様々な変化をしてきた。従来からの展

示方法は以下のものがある。

1)分類学的展示

サル舎とかヘビ舎といった同類の動物を並べて展示し、種の多様性を比較

する方法で、どこの動物園でも行われている、伝統的な展示方法。形態的特

徴に注目させて解説するため形態比較展示ともいう。

2)地理学的展示

アフリカ園とかアジア園というように、野生動物の生息する地域ごとに動

物を展示し、よく見られるのは、キリンとシマウマ、ヌー、ダチョウなどを

同一の放飼場で混合展示をしている例がある。

3)生態的展示

無柵放養式展示の一種である「パノラマ展示」から発展した、 ランドスケ

ープ・イマージョンなどを使用し、その動物が野生で生息している環境を再

現するなどして、動物にストレスのかからない環境エンリッチメントなどを

考慮し、ライオンはアフリカサバンナの中にいて、バイソン、ラマはアメリ

カに生息することが一目で理解できる展示である。

動物の展示方法としては、従来の檻展示から生態展示方式に欧米を中心とし

て移行している。この方式は、「環境教育」と「種の保全」を目的として動物と

その生息環境の関連性を人々に示すものであり、環境保護教育のための施設と

してもクローズアップされている。さらに、欧米の動物園では、生態的展示に

加え動物の福祉の立場から、「飼育動物の幸福な暮らし」を実現する具体的な方

策として、飼育環境の改善「環境エンリッチメント」に本格的に取り組んでい

る。動物行動学の適用により、動物の自然な行動を誘発するエンリッチメント

は、同時に生き生きとした動物本来の姿を見ることが出来るため、来園者の評

判もよく、多くの動物園で取り入れられるようになってきた。

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1動物園の現状・役割

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1-2 動物園の社会的役割

現代における動物園の役割は主に以下の4つが主要な柱とされている。

○レクリエーション(自然の不思議さに感動できる)としての役割

○環境教育としての役割

○自然保護 希少動物種の保全からの役割

○調査・研究としての役割

また、動物園は生きた標本を取り扱う“自然史博物館”としての側面も持ち合

わせている。

1-3 動物園における課題

動物園の一般的な課題は以下の通りである。

①目指すべき姿が明確になっていない。

入園者が伸び悩む中ハード、ソフトともに抜本的な改革が行われず、現在

に至っている動物園もあり、今後どのような整備を行うのか、または動物園

の存在自体を問われる意見もあり、目指すべき方向を明確に定める必要があ

る。

②動物園と近隣施設の一体的・効率的な運営が必要である。

近隣施設との一体的な運営体制により、無駄を省き、効果のある来園者サ

ービスを提供していくことが強く求められている。

③継続可能な動物飼育の方針を立てる必要がある。

ワシントン条約により、絶滅のおそれのある野生動物の商業取引はできな

くなり、今後は、新たな動物を購入することは困難となる中で、将来の飼育

動物をどのように定め、動物園としてどのように存続するのか明確な方針が

求められる。

④施設改修はコストの削減をはじめ優先度や効果を充分考慮して進める必要

がある。

老朽化施設や、新しい展示スペースなどの施設についてリニューアルを進

めるとなると、莫大な費用が必要になる。そのため整備にあたっては、工事

の優先度や整備の効果を十分に検討した計画的な改修が求められる。

⑤動物をもっと知ってもらうためにさらなる職員(キーパー)の意識改革が

必要である。

日本の動物園は県立や市立、町立など地方自治体の1部署で運営されてい

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1.動物園の現状・役割

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る場合がほとんどである。飼育担当職員も事務系職員と変わらず、人事異動

も多くあり、動物の担当替えも稀にある。飼育スタッフが「動物の飼育管理」

「教育普及」「保全」など複数種の業務を一手に担っている園がほとんどであ

るため、欧米の動物園で見られる、博士号を持ったキュレーターの下に、飼

育専門スタッフ(キーパー)、教育普及スタッフがおり、保全は別部署になっ

てなどの整備が必要となっている。

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2.とべ動物園の現状

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2.とべ動物園の現状

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2-1 とべ動物園の概要

1.とべ動物園の概要

展示動物 約160種771点(平成29年3月31日現在)

面 積 有料区域 11.24ha その他区域 6.16ha 計 17.40ha

施設概要 獣舎37棟 管理施設18棟 便益施設11棟 教養施設(獣舎

を除く)4棟

2.とべ動物園の目的

とべ動物園は、動物とのふれあいを大切にしつつ、自然・世界・科学(より

豊かな自然環境のもとで、世界中の動物を、また動物の世界を科学的に展示)

をコンセプトとして、展示動物を収集し、動物の生態行動に適した施設計画に

基づき、昭和63年4月1日に開園した。

3.経緯

とべ動物園の前身は、昭和28年に設立された愛媛県立道後動物園である。

設立以来、県内唯一の動物園として多くの人に親しまれてきたが、市街地に隣

接していたため、月日が経つにつれ、騒音や悪臭に対する苦情、施設の老朽化、

敷地の拡張が難しい等の問題が目立ちはじめた。

そのため、動物をより自然生態に適した環境の中で飼育、展示するために、

県立総合運動公園内の丘陵地部分(砥部町)に移転が決定し、松山市周辺の近

郊緑地の保全と県民の高度なレクリエーションの活動拠点として整備すること

となった。

しかしながら開園から29年が経過し老朽化等による機能低下で外見的なイ

メージダウンや来園者のニーズの変化により、本動物園を取り巻く環境は大き

く変わってきている。

4.現況

開園直後の昭和63年度には100万人を超える入園者があったが、平成1

0年度には50万人を割り込み、その後も減少傾向にあった。このため、ハー

ド・ソフトの両面から、魅力的な動物園づくりを検討することを目的として、

平成17年6月に設置した「県民に愛されるとべ動物園のあり方検討協議会」

から、「県民に愛されるとべ動物園を目指す」ことを基本目標とし、“来園者の

安全性、快適性の向上”“動物の福祉の向上、種の保存への貢献、展示動物の確

保”“環境学習機能の充実、強化”“経営的視点の導入”の提案を受けている。

平成18年度からは指定管理者制度を導入するとともに、「あり方検討協議会」

の提言を受け、行動展示を取り入れた獣舎の改修、夜の動物園をはじめとする

各種イベントの実施に取り組んだ結果、アフリカゾウの「媛(ひめ♀)、砥夢(と

む♂)」など人気動物の赤ちゃんの誕生などの相乗効果により、入園者は増加傾

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2.とべ動物園の現状

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向に転じ、平成21年度には64万人を超える入場者数となった。

しかしながら、22年度以降は、口蹄疫、鳥インフルエンザ、天候不順の影

響などにより再び減少傾向にあり、28年度は、アフリカゾウやジャガーなど

の人気動物の死亡情報が多く、また天候不良、猛暑などが影響したことにより

約45万人(451,761人)と減少している。

28年度には、ソフト面では、新たに動物デコレーションバスを購入し、松

山市内観光地からの無料送迎を行うとともに、「しろくまピース」などの着ぐる

みを帯同したPRキャラバン隊を県内外の集客施設に派遣している。またハー

ド面では、アフリカゾウの愛らしい姿を間近に観覧でき、餌やりなどのふれあ

い体験ができる園路を整備し、ペンギンの水中遊泳を快適に観覧できる屋根を

設置するとともに、連絡バス利用者の負担軽減を図るため、動物園入口まで停

留所を移設する等、施設の魅力向上に努めている。

このような中、今年度で開園から29年が経過し、動物の高齢化や個体数の

減少、獣舎や休憩施設等の老朽化、さらに年少人口の減少などの問題が顕在化

しており、動物園を取り巻く環境は厳しさを増しているところである。

図:とべ動物園の来園者数の変移

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2.とべ動物園の現状

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気候や天候等による影響をみると以下の通りである。

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2.とべ動物園の現状

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2-2.県民に愛されるとべ動物園のあり方検討会(平成17年度)の概要

1.抽出された課題

1)来園者に愛され、親しまれる動物園へ

最近は、高齢者や障害を持つ人々についても余暇活動が活発化しており、

動物園も全ての来園者の安全と快適性の充実・向上に配慮した園内施設の整

備が求められている。また、魅力的な展示施設の整備など来園者が楽しく時

間を過ごすことができるように、おもてなしの心=「ようこそ」という気持

ちを表現することが重要である。

また、計画的な施設の改修・修繕を行い、老朽化等による機能低下や外見

的なイメージダウンが最小限となるように努める必要がある。

2)生息域外保全として種の保存に貢献する動物園へ(研究機能の強化)

動物園の大きな役割のひとつが種の保存である。飼育下における種の保存

は動物園の責務であり、動物の福祉やエンリッチメント等に配慮した施設づ

くりが求められている。また、愛媛県内にもモモンガ、ヤマネ(国の天然記

念物)など希少種が生息している。

今後更に、飼育技術の確立や地道な調査・研究に取り組み、その繁殖に努

める必要がある。

3)展示動物の確保

10年後においても、とべ動物園が県民に愛され、誇れる動物園として存

続するためには、展示動物の確保がなにより重要な課題となる。

動物の入手がますます難しくなっている状況下においては、飼育環境の改

善やより高度な飼育技術が求められる。また、動物の購入資金や手続きなど

現行制度では対応が難しいため、制度改善が必要である。

4)情報発信基地となる動物園へ

動物園は人の心に驚きや感動を与えるメッセージ性の高い媒体である。自

然保護思想の普及啓蒙に関する教育的メッセージは重要であり、環境学習の

取り組みなどメディア対策の強化、新しい学習プログラムの開発等など情報

発信も重要である。

来園者に楽しみながら学べる環境を提供するために、教育的機能を充実・

強化する。

5)経営的理念の積極的な導入

非営利の公立動物園においても経営的視点と感覚が求められるようになっ

てきた。動物園の経営改善を図るために、管理運営面におけるボランティア

の活用や各種団体との連携について具体的な取り組みを検討し、実行してい

くことが重要である。

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2.とべ動物園の現状

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2.検討会以降の整備改修状況

①最近の取り組み(ハード事業)

②最近の取り組み(ソフト事業)

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2.とべ動物園の現状

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2-3 とべ動物園アンケート調査結果の整理・分析 とべ動物園の運営等に対するアンケート用紙と回収箱を設置しておき、来園

者に自由に記入してもらい投函していただく形で調査を実施している。

○調査期間と回答人数

平成25年 3月 1日~3月31日 165人

平成26年 3月 1日~3月31日 115人

平成26年 8月 6日~9月 6日 906人

平成27年 8月 7日~9月 6日 906人

平成28年 7月16日~7月31日 926人

1.入園者の属性類別

(1)性別

入園者は、女性が全体の2

/3を占めている。

(2)年齢

年齢別にみると、平成26年

には半数であった小学生以下

の入園者がここ数年減少して

おり、30~49歳の来園者が多

くみられる傾向にある。家族

での来園が多いことが要因の

一つと考えられる。

(3)グループ

入園者が誰と来たかという

ことでみると、家族という回

答が圧倒的に多いことがわか

る。次に友人・知人、夫婦で

という回答が多い。少数では

あるが、1人との回答もある。

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

平成25年 平成26年

(3月)

平成26年

(8~9月)

平成27年 平成28年 (調査日)

グループ

家族

友人知人

一人

夫婦

団体

その他

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

平成25年 平成26年

(3月)

平成26年

(8~9月)

平成27年 平成28年 (調査日)

年 齢

小学生以下

中学生

高校生

19歳以下

20~29歳

30~39歳

40~49歳

50~59歳

60歳以上

31% 32%40% 37% 36%

69% 68%60% 63% 64%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成25年 平成26年

(3月)

平成26年

(8~9月)

平成27年 平成28年 (調査日)

性 別

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2.とべ動物園の現状

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2.来場者の居住地及び交通手段

(1)居住地

アンケートの回答者による

結果ではあるが、平成 27年、

平成 28年の 2年においては、

県内外の来場者は半々の比率

となっている。

(2)交通手段

交通手段としては、自家用

車が圧倒的に多い。

3.来園回数

来園回数については、今回が初

めてという回答が多かったが、リ

ピーター者の内、1年間に 1回か

ら 3回くらい再来園している人の

割合が多い結果となっている。な

かには 50回、60回という回答も

みられた。

また、何年か振りに再来園した

という人の上位 3位は下表のとお

りである。2年、3年、5年間隔で

の来訪者が多いようである。

■頻度上位3位(何年目再来)

項目 平成25年平成26年(3月)

平成26年(8~9月)

平成27年 平成28年

1位 2年10年

3年 2年 1年 3年

2位5年7年

5年7年

3年 3年 2年

3位 3年 10年 5年2年5年

5年

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成25年 平成26年

(3月)

平成26年

(8~9月)

平成27年 平成28年 (調査日)

交通手段

自家用車

路線バス

観光バス

その他

70% 72% 77%

45%55%

30% 28% 23%

55%45%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成25年 平成26年

(3月)

平成26年

(8~9月)

平成27年 平成28年 (調査日)

居住地

県外

県内

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2.とべ動物園の現状

12

4.園内の施設についての満足度

施設については、満足できてい

るという回答が多く得られている

が、一方では、整備不足であると

感じている人もいる。特にレスト

ランが不足していると感じている

人が比較的多いようであり、イベ

ント等が重なる混雑時にはなおさ

ら整備不足を感じることになる。

施設に関する不満意見としては

次のようなことがあげられている。

○洋式トイレを中心に。ベビー関

連施設の充実。

○売店に物が少ない。

○駐車場が狭い。

○レストランの味が悪い。

○食事場所が少ない。

○施設が古くなっている。

5.展示についての満足度

調査結果によると、概ね、来

園者の満足度は高いと考えられ

るが、来園者の意見として、次

のようなことがあげられている。

○動物が少ない、動かない

○閉園時間前に動物がいなくな

るのが早すぎる。

○見られない動物が多い場合あ

り。(休止が多い)

○生態など情報が少ない。

○展示場のガラスが汚れていて見えない。

○餌がよく売り切れている。

○自然をもう少し取り入れてほしい。

○空き檻が多くてつまらない。

○暑いと思わせないでください。

90%80%

98%90% 97%

10%20%

2%10% 3%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成25年 平成26年

(3月)

平成26年

(8~9月)

平成27年 平成28年 (調査日)

動物展示満足度

不満である

満足できる

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2.とべ動物園の現状

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6.目当ての動物、面白かった動物

目当ての動物と面白かった動物の上位 5位までをみてみると、しろくまピー

スの人気が非常に高い。また、ゾウやペンギンも人気がある。

7.イベントについて

(1)充実してほしいイベント

動物とのスキンシップや夜の

動物園についての充実を希望す

る回答が約半数を占めている。

次いで、ガイドツアーや飼育員

による説明を希望する回答も多

い。その他として、朝の動物園

の開催や大人向けの解説、バス

で見れるイベントが欲しかった

等の意見が寄せられている。

(2)イベントの参加

イベントの参加については、

2/3の来園者が参加できなか

ったという回答である。平日の

イベントを増やしてほしいとい

う要望もでているため考慮が必

要であると思われる。 31%

48%

25%41% 36%

69%52%

75%59% 64%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成25年 平成26年…平成26年…平成27年 平成28年 (調査日)

イベント参加

参加できな

かった

参加した

■目当ての動物上位5位

項目 平成25年平成26年(3月)

平成26年(8~9月)

平成27年 平成28年

1位 しろくまピース ゾウ しろくまピース しろくまピース しろくまピース

2位 ペンギン しろくまピース ゾウ ゾウ ゾウ

3位 ゾウ カワウソ ペンギン ライオン ライオン

4位カワウソキリン

ペンギン キリン レッサーパンダ ペンギン

5位 ライオン ライオン ライオンカワウソトラ

キリン

■面白かった動物上位5位

項目 平成25年平成26年(3月)

平成26年(8~9月)

平成27年 平成28年

1位 サル しろくまピース しろくまピース サル サル

2位 アシカペンギンアシカ

サル ゾウ ゾウ

3位 しろくまピース ゾウ ペンギン ペンギン ペンギン

4位カワウソ

オランウータンカバサル

ゾウ しろくまピース しろくまピース

5位 ゾウ カワウソ アシカ ライオン カバ

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2.とべ動物園の現状

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8.職員の勤務態度

概ね、よくやっているとの回

答であるが、接客態度に難と答

えた回答もある。

来園者の意見として、次のよ

うなことがあげられている。

○対応がやさしかった。

○飼育員とのふれあいが増加。

○あいさつがない。

○接客態度がよくない。

9.今後のとべ動物園に求めるもの

飼育動物の繁殖、イベントの

充実、動物展示の工夫を希望す

る回答が多い。

その他として次のような意見

があがっている。

○ヘビ、大型鳥類とのふれあい

があるとうれしい。

○説明をたくさん掲示してほし

い。

○自由研究の資料にしたい。

10.新たに導入してほしい動物

パンダ、ゴリラ、コアラという回答が非常に多い。

93% 87%99% 98% 98%

7% 13%1% 2% 2%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

平成25年 平成26年

(3月)

平成26年

(8~9月)

平成27年 平成28年(調査日)

職員の勤務態度

努力・研修

不足である

よくやってい

■新たに導入してほしい動物上位5位

項目 平成25年平成26年(3月)

平成26年(8~9月)

平成27年 平成28年

1位 パンダ パンダ ゴリラ パンダ パンダ

2位 コアラ コアラ パンダ ゴリラ ゴリラ

3位 ゴリラオオカミインドゾウ

コアラ コアラ コアラ

4位カピパラ

インドゾウマウンテンゴリラ カピパラ チーター ヤブイヌ

5位 ユキヒョウ バイソン他 クジャク イヌ ホワイトタイガー

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2.とべ動物園の現状

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11.その他要望事項など

○他の動物園で行っている試みをとべ動物園でも希望。

(動物とのふれあい方法の改善、展示の仕方、解説の表示の仕方等)

○高齢者への配慮や大人のためのイベントを希望。

○日陰を作ってほしい。

○オリジナルグッズの増加。

○動物が動いていないときの楽しみ方の工夫。

(眠っていてつまらなかった。動きが少ない等)

○宣伝、情報発信してはどうか。

(ホームページの充実・近況報告の更新等)

○園内動線の改善。

(迷った。案内表示がわかりにくい等)

○駐車料金の前払い機を導入したらよい。

○駐車場が遠い。

○正面ゲート横にトイレを。

12.まとめ

近年、動物園のありかたとして、かつてのように、珍しい動物を見て楽しま

せる場所としてだけではなく、来園者が動物のことをもっと知ることのできる

場所として、人と動物との接点になっていくことが、動物園には求められてい

る。

とべ動物園は、平成 27年度動物園人気ランキング(トリップアドバイザー)

において全国の人気動物園中、第5位となるほどに魅力のある動物園であると

いえる。来園者の中には、宣伝を見て来たという人もいるようである。情報発

信や継続した来園者の興味、関心をひくための工夫が重要である。

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3.とべ動物園の課題

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3.とべ動物園の課題

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3-1 とべ動物園の課題

1.県民に愛されるとべ動物園のあり方検討会(平成17年度)で実施することと

なった内容のうち取り組めなかった内容

1)展示施設・設備の計画的な維持・改修・整備

動物舎やパドックをはじめとする展示環境の改善・改修や飼育管理施設・

設備などの維持・改修、見やすく快適な観覧環境の整備を計画的に進め、ト

ータル的なコスト縮減や施設の延命を図る。

2)展示施設の方向性

(1)魅力ある展示施設

①檻からガラス展示へ

ベアストリートやアメリカストリート・アフリカストリートのネコ

科の動物、モンキータウンなどの比較展示について、部分的に強化ガ

ラスを導入し、障壁のない新たな視点の場を確保するなど観察しやす

い施設への改修が必要である。

②水中展示の導入

ホッキョクグマのピースについて水中展示の導入が必要である。

(2)展示動物の更新と展示動物の確保

動物の高齢化や購入費不足等により、動物の更新が難しい中、将来を

見据えた展示動物を計画的に整理し、繁殖が可能で展示効果の高い主に

ついて多頭飼育を目指す必要がある。

①空き部屋をつくらない

動物の死亡後空いている施設は、入手しやすい動物や展示効果を高

める施設に改修する必要がある。

②新たな動物展示(新しい出会い)

a.ふるさと愛媛の動物

ホンドモモンガや、ヤマネ、ニホンリスなど身近な動物の生態を通

して自然保護の大切さ、自然との関わり方を知り、自然保護に関する

意識を高めるために、「ふるさと愛媛の動物展示コーナー」整備を検

討する。

3)安全で快適な観覧環境の創出

①休憩所・広場

モンキータウンの広場やオアシスガーデンなどの芝生化。

レストラン裏や風の庭の拡張など新たな広場の確保。

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3.とべ動物園の課題

17

②トイレ

駐車場と入口ゲートに距離があることや集合離散の場である入口周辺

にトイレが不足しているなど、全園的なトイレ配置等の見直しも必要であ

る。

③レストラン・売店

売店周りなどの雰囲気の良いカフェテラスの整備やオリジナルグッズ

の開発、レストランの新たなメニュー開発やゾウが見えるレストランをア

ピールするなどの工夫も必要である。

4)環境学習機能の充実

大人も楽しめる豊富なプログラム。

①教育機関等における利用促進

a.教育部門との強い連携

・学校利用の際の入園料を、簡便な事前手続きで、県や自治体の教育予

算から補助してもらえるような仕組みを作る。

・動物園へ教育スタッフ(理科や生物の教員、学芸員など)を出向させ

るなどして、教育プログラムや学校向けサービスの開発に、動物園スタ

ッフと協働して取り組む。

b.動物園所有のシャトルバスの活用

・とらバス、ライオンバスの愛称で親しまれているシャトルバスを、平

日の学校利用の送迎に活用する。(あの車両が街中を走って学校まで往

復すれば、それだけで非常に大きな広告効果も期待できる。)

5)経営的視点

(1)サービスの拡充

①近隣施設との連携

こどもの城など近隣の施設は、乳幼児をベビーカーに乗せて訪れる

利用者や幼稚園等の団体利用者も多いため、来園者の利便性を考慮し、

階段がなく短時間で移動できる連絡手段の検討が求められる。

(2)経営戦略の明確化

①地域のイベントや観光施設との連携

地元砥部町の温泉「湯砥里館」とのセット割引や、町内外から多く

の人が訪れる砥部焼まつりや七折梅まつり、とべ日曜市など地域のイ

ベントと連携して相乗効果を生み出す取り組みを検討する。

また、平成18年のシーズンからJ2に参加する愛媛FCや平成18年4

月にオープンする東温市の「坊ちゃん劇場」は、場所が近くて集客効

果も高いことから、それらと連携したチケットや旅行ツアーなども話

題性があっておもしろい。

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3.とべ動物園の課題

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②民間資金の導入

屋外広告や協賛などにより民間資金を活用した園内の環境整備、施

設整備、イベント開催等の取り組みを行っていく。

2.とべ動物園の課題

前回の検討会を踏まえ、今回の検討に当たっての課題を以下に整理する。

1)地理的メリットの有効活用

とべ動物園は、年間で約65万人訪れる総合運動公園や約35万人訪れる

えひめこどもの城に隣接しているが、円滑に移動する連絡路が整備されてい

ないなど地理的メリットを十分に活かせておらず、近隣の観光地(松山市、

砥部町等)との連携も不十分である。また、これらの施設を複数利用するた

めには砥部町で滞在観光できる環境が必要であるが、宿泊施設は少ない。

2)種の保存に向けた取り組み

とべ動物園では、国内初の人工哺育で育ったホッキョクグマの「ピース」

や国内唯一の家族で暮らすアフリカゾウを有し、日本動物園水族館協会から

アフリカゾウの繁殖拠点としての依頼を受けている等誇れる繁殖技術を有し

ており、これらの動物を目当てに本園を訪れる来園者も多い。この繁殖技術

を活かした希少動物の導入及び繁殖が本園の強みを活かした魅力向上につな

がると思われる。

3)安全・快適な動物園に向けた取り組み

開園から29年が経過し獣舎等の施設の老朽化が進んでおり外見的にイメ

ージダウンとなっている。また、園内には木陰や休憩所が不足しており、売

店は狭くオリジナルグッズも少ないため、安全・快適に観覧できる施設の整

備が必要である。

4)集客増に向けた新たなターゲット

更なる集客のためには、高齢者や外国人観光客等の新たなターゲットに向

けた取り組みが必要であり、また、入場者数が減少する平日、雨天、冬季に

いかに人を呼び込む仕掛けを行うかが課題である。

5)効果的な情報発信

現在も魅力向上に向けて様々な取り組みを行っているが、その情報がうま

く外部に発信できておらず、魅力が十分に伝わっていないため、効果的な情

報発信を行うことも課題である。

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3.とべ動物園の課題

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6)環境教育・情操教育に向けた取り組み

動物の福祉の立場から生息環境に合わせた展示方法が求められており、こ

れにより生き生きとした動物本来の姿を見ることができ来園者の評判も良く

本園でも取り組む必要がある。また、飼育展示施設の整備に当たっては、利

用者目線、来園者が新たな発見や驚きを得られるような視点を考慮して行う

必要がある。

安全面を優先するため、近年では動物に触れ合うことができる環境が減少

してきており、動物と触れ合える体験的な機能が低下している。また、子供

センターの老朽化等により学習機能も低下している。

愛媛県のレッドデータブックに載っている在来動物の飼育展示により、本

県の野生動物に親しみを持ち、生物多様性と自然環境の保全の重要性を啓発

することも必要である。

7)経営的な視点に立った取り組み

寄付やクラウドファンディング等の資本の導入を強化し、安定した経営を

目指すことが重要である。また、職員の人材交流により、人材の育成に努め

る環境づくりも重要である。

動物個体数は、西日本有数の規模を誇るが、ピーク時の約6割に減少して

おり、動物のコレクションプランを作成し、安定した動物の確保を行う必要

がある。

また、地元産業によるオリジナルグッズ(動物をモチーフにした砥部焼等)

を開発し、ここでしか販売されていない物、集めたくなるような物を提供し、

リピーターを増やす努力が必要である。

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4.とべ動物園整備基本方針

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4.とべ動物園整備基本方針

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4-1 目標の設定

将来にわたり、公立動物園として生物多様性確保の基地としての役割や、環

境教育の拠点としての役割を果たすとともに、独自性にあふれた動物園に人が

集いたくさんの物に興味を持てる持続可能な動物園を目指すために以下に目標

を設定する。

4-2 基本方針の設定

前項の基本理念を実現させるため以下の基本方針により、より一層充実した

動物園を目指した取り組みを行う。

1.とべ動物園の強みを活かした(独自性のある)動物園の実現

とべ動物園の立地状況や周辺環境、とべ動物園の持つ繁殖技術等のとべ動物

園の持つ他にはない独自性を活かした動物園の実現を目指す。

1)地理的特性を活かした施設連携

隣接する運動公園、えひめこどもの城と連携し共同イベント等を行う。さ

らに、県内の類似施設とも連携し年間共通パスポート等の発行を行うなど、

それぞれの施設が競い合い何度も足を運んでもらう取り組みを行う。

また、えひめこどもの城との連携については、来園者の利便性を考慮し、

階段がなく短時間で移動できる連絡手段の検討が必要である。

2)地理的特性を活かした県内の観光地や地元との連携

県内の道後温泉等の観光地や、動物園のある砥部町の観光地である砥部焼

の里、坂村真民記念館等と連携し、観光で訪れる人を動物園に誘致できるシ

ステムの開発を行う。砥部町の観光地との連携を考える場合は、砥部町で滞

在観光できるよう宿泊環境の検討も必要である。

3)とべの繁殖技術等を活かした動物の導入

日本でここ10年でアフリカゾウの繁殖に成功しているのは当動物園だけで

あり、また、国内で初めて人工哺育でホッキョクグマを育てる等、優れた繁

殖技術を有しており、その技術を活用して希少動物の導入、繁殖に努めると

ともに、飼育技術の確立や調査研究機能を強化する。

また、県獣でありとべ動物園のシンボルマークにもなっているニホンカワ

ウソ※を最後に飼育展示した当動物園の技術を活かした動物を導入する。

野生動物の保全や環境教育に取り組むとともに、

何度も来たくなる魅力あふれる動物園を目指す。

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4.とべ動物園整備基本方針

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※ニホンカワウソ

環境省は2012年、ニホンカワウソの絶滅を宣言したが、愛媛県レッドデータブック2014では絶滅危

惧ⅠA類(絶滅の危険性が極めて高い種)に選定されている。かつて県内に広く分布していたが、1975

年、宇和島市九島の記録のあと確認されていない。しかし、本種は分葉腎をもち海浜の生活にも適応

できるため生息の可能性は否定できず、今後の調査が待たれる。なお、2017年2月、長崎県対馬でユ

ーラシアカワウソの生息が確認されている。

2.人が集い活力のある動物園の実現

対象者を広くとらえ、それぞれの人が自分に合った楽しみ方ができるように

工夫を行うことで繰り返し訪れ笑顔があふれ活力のある動物園の実現を目指す。

1)新たなターゲットに向けた取り組み

日帰り圏内の住民だけを対象にしても集客には限界があるため、最近増加

傾向にある海外からの観光客を誘致する。また、少子高齢化を踏まえて高齢

者もターゲットとするほか、来園者数の少ない中高生もターゲットとして取

り組む。

2)魅力的なイベントの創出

現在実施しているイベントについて、要望を踏まえて平日のイベントを増

やす等改善を図るとともに、幅広い対象者が楽しめる魅力的なイベントを年

間通して計画的に実施する。特に冬場や雨の日等閑散期のイベントを強化す

る。

3)安全・快適に観覧できる施設の整備

集客数が減少する雨の日対策や、開園後29年が経過し老朽化が進む獣舎

等の老朽化対策として施設整備を行う。また、園内に不足する気軽に立ち寄

れる休憩所を整備するほか、狭い売店を拡張するとともにオリジナルグッズ

の開発を行う。

その他、広い園内を回遊できる乗り物を整備し、休日等に不足する駐車場

の拡幅及び区画割の見直し、要望のあるトイレの整備更新や、来園者の安全

確保のための樹木の維持管理等を行う。

4)海外の動物園との連携

感染症対策やバックヤード等の飼育環境の整備により、海外からの動物を

受け入れる環境をつくる。

また、国際種情報システムなどを活用して海外の動物園の個体の情報を入

手するとともに、動物の交換や繁殖のためのブリーディングローンを実施す

るため、海外の動物園と共同研究や人的交流を行う。

その他海外の動物園と連携したイベント等を実施する。

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4.とべ動物園整備基本方針

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5)効果的な情報発信

パノラマ展示などの動物を見せる工夫等の現在ある魅力について、積極的

にキーパーの解説等により伝えていく。また、それら動物園の魅力をSNS

を活用して来園者から情報発信してもらえるような環境整備を行う。

3.動物と自然の関わりについて興味を抱かせる動物園の実現

動物への感性を育み、自然を大切にする心を養うことにより動物と自然の関

わりについて興味を抱かせる動物園の実現を目指す。

1)動物の生息環境整備

より動物の生態に近づけるため、施設整備を行う際には生息地の植物と一

体的に整備する等動物が生息している自然環境をできるだけ再現し、動物本

来の行動を引き出す。動物の負担にならない環境整備は、海外の動物園から

の動物導入の際にアピールポイントとなる。

2)学習的・体験的な機能の充実

動物との触れ合いコーナーや子供動物センターの充実を図るとともに、キ

ーパーによる解説、または解説版の設置、学習館等の整備による学習機能の

充実を図るとともに、学校との連携を強化する。また、動物の負担にならな

いように工夫しながらバックヤードの見学を行う。

その他、獣医体験やVR・ARなどのIT技術の活用による体験的な機能

の充実を図る。

3)希少種の保存に向けた取り組み

現在飼育している希少動物の繁殖に努め、他園とも協力して種の保存と持

続可能な繁栄に努める。また、在来動物の飼育展示により、郷土の動物をよ

り多く知ってもらうことで、レッドデータブックに載っている動物の保護に

努める。

4)視点を考慮した施設の整備

キーパー目線や子供目線で施設整備を行ったり、高い視点から見る等視点

を変えたりするなど、来園者に興味を抱かせる施設整備を行う。

4.持続可能な動物園の実現

今後の将来を見据え経営的な視点に立ち持続可能な動物園の実現を目指す。

1)資本の強化

基金や寄付、クラウドファンディング等の資本の導入を強化し、また、企

業版ふるさと納税やサポーター制の寄付の拡大に努め、民間活力やネーミン

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4.とべ動物園整備基本方針

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グライツ等の導入も検討し、安定した経営を目指す。

2)持続可能な運営体制の構築

職員の人事交流や飼育体制の強化により動物園の運営体制を強化する。ま

た、AIを導入することにより、効率的な運営やサービスの向上を行う。

3)飼育動物の安定的な確保

コレクションプランの作成により、動物の購入、繁殖、ブリーディングロ

ーンを計画的に行い、安定した動物の確保を行う。

4)広報・情報提供の充実

イベントなどの動物園の取り組みに統一感を持たせるため、コンセプトを

設定して共通のロゴを使用し事業を実施する。また、見どころなどについて

の広報、情報発信については、案内ガイドを充実させ、WEBやSNSを使

用した情報発信の強化を図る。

その他キャラバン隊によるPR活動を行う。

5)経営改善

健全な経営状況を維持するため経費節減に努めるとともに、適切な管理運

営に努める。

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4-3 施策体系図

地理的メリットの有効活用

種の保存に向けた取り組み

安全・快適な動物園に向けた取り組み

集客増に向けた新たなターゲット

効果的な情報発信

環境教育・情操教育に向けた取り組み

経営的な視点に立った取り組み

とべ動物園の強みを活かし

た(独自性のある)動物園の

実現

○地理的特性を活かした施設連携

○地理的特性を活かした県内の観光地や地元との連携

○とべの繁殖技術等を活かした動物の導入

○新たなターゲットに向けた取り組み

○魅力的なイベントの創出

○安全・快適に観覧できる施設の整備

○海外の動物園との連携

○効果的な情報発信

○資本の強化

○持続可能な運営体制の構築

○飼育動物の安定的な確保

○広報・情報提供の充実

○経営改善

人が集い活力のある動物園

の実現

動物と自然の関わりについ

て興味を抱かせる動物園の

実現

持続可能な動物園の実現

課 題 基 本 方 針 取 り 組 み 項 目

○動物の生息環境整備

○学習的・体験的な機能の充実

○希少種の保存に向けた取り組み

○視点を考慮した施設の整備

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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5-1 魅力向上戦略

基本方針に沿って以下のように魅力向上戦略を設定し、その具体化を進める。

1.とべ動物園の強みを活かした(独自性のある)動物園の実現

1)地理的特性を活かした施設連携

(1)県内類似施設との年間共通パスポート等の発行

県内の料金が類似している施設と連携して年間共通パスポート等を発

行し、年間を通じて何度も訪れてもらう。

(2)運動公園、えひめこどもの城と連携し共同イベントの開催

近隣施設と連携し、親子いきもの調査、食育セミナー、環境学習等の

共通したイベントを開催することにより、施設単体ではなくエリアとし

ての相乗効果により集客力を高める。

(3)えひめこどもの城との円滑な移動手段の確保

共同イベントにも活用できるよう、えひめこどもの城との間を短時間

で移動できる園路の整備や手軽に利用できる移動手段の整備を行う。

2)地理的特性を活かした県内の観光地や地元との連携

(1)動物園と県内の観光施設(道後温泉や砥部焼の里等)との相互誘致

無料送迎バスの運行、県内の観光施設と連携したツアーの企画、施設

利用による割引サービスや特典(非買の動物のエサ)等により相互誘致

を図る。

(2)地元産業(砥部焼等)を活かしたグッズの開発

地元産業を活かしたご当地ならではのグッズの開発を行い、リピータ

ー等の集客につなげる。

【砥部焼による記念皿】

(3)砥部町で滞在観光できる環境の整備

周辺施設を含め1日で利用することは難しいため、砥部町での宿泊環

境等を整備し、ゆっくり滞在して観光してもらうことで集客につなげる。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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3)とべの繁殖技術等を活かした動物の導入

(1)とべの繁殖技術等を活かした希少種、絶滅危惧種の繁殖

とべ動物園におけるアフリカゾウ等の優れた繁殖技術や、県獣であり

前身の道後動物園において日本で唯一飼育していたニホンカワウソの飼

育展示実績等を活かした希少種、絶滅危惧種の繁殖に努める。

【アフリカゾウ】

【カワウソ】

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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(2)飼育技術の確立や調査研究機能の強化

他の動物園等との人材交流を行うとともに、研究会への参加及び発表

を積極的に行う等技術の向上に努める。

2.人が集い活力のある動物園の実現

1)新たなターゲットに向けた取り組み

(1)海外からの観光客をターゲットとした取り組み

近年増加している海外からの観光客を誘致するためツアー等を企画す

るとともに、同時通訳の確保や動物園内の多言語表記等、受け入れ態勢

の充実を図る。

(2)高齢者をターゲットとした取り組み

高齢者施設のお出かけ先として積極的に営業するとともに、日常の散

歩コースとして気軽に入園できるパスポート等の積極的なPR等を行い、

平日の利用促進を図る。また、広い園内を1周する健康を絡めた取り組

みや祖父母と孫という観点での取り組みを実施したり、高齢者向けの乗

り物を整備したりする等新しい取り組みにより高齢者を誘客する。

(3)中高生をターゲットとした取り組み

教育の場としての活用及び新規顧客の開拓の観点から、修学旅行の誘

致の拡大や専門的な研究会・学習会を実施する等、中高生の参加する機

会を増やす。

(4)施設向けの企業パスポートによる平日の団体誘致(週末は家族や個人)

平日の集客に向けて、小、中学校、幼稚園、高齢者施設等に企業パス

ポートを発行し、団体の誘致に取り組む。

2)魅力的なイベントの創出

(1)既存イベントの改善(平日のイベントを増やす等)

平日における話題性のあるイベントの開発等既存イベントの改善や、

企業等の参加による独自イベントの開催等により平日の集客を行う。

(2)閑散期(冬場や雨の日等)の集客を考慮した年間のイベント計画(イ

ルミネーション等の冬のイベント等)

イルミネーション等の冬のイベントを強化する等、閑散期(冬場や雨

の日等)に来園してもらうことを考慮した年間のイベント計画を立てる。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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【イメージされたイルミネーション】

(3)記念イベントの実施(平成30年度は開園30周年)

開園○○周年記念イベントや、動物ごとの記念イベント等、特別感を

持たせたイベントの実施により集客を図る。

3)安全・快適に観覧できる施設の整備

(1)獣舎等の施設の計画的な老朽化対策

開園後29年が経過し、獣舎等の施設の老朽化が進んでいるため、計

画的な老朽化対策を行う。

(2)アメニティ施設の整備

日陰で休憩できるスペースの拡充に努め、軽食等手軽に行えるように

整備する。また遠足などの大人数の休憩スペースの確保や、各獣舎付近

で座ってじっくり観察できる施設の整備を行う。

また、広い園内を回遊できる安全な乗り物の整備や、売店の拡張等に

より、より多くのグッズを展示しゆっくり買い物できるような整備を行

う。

【園内を安全に通行できるカート】 【獣舎前のベンチ】

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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【休憩スペース】

(3)雨天時の対策

室内でお弁当を食べる場所の確保及びそれがあることを小中学校等へ

情報発信を行うことや、雨宿りマップの作成・配布、雨の日ならではの

体験イベント、動物の生態情報を発信すること等により、雨天時の動物

園を賑わうように努める。

資料:天王寺動物園雨やどりマップ

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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(4)トイレの整備・更新(正面ゲート横に追加設置する等)

駐車場と入口ゲートに距離があることや集合離散の場である入口周辺

にトイレが不足しているなど、全園的なトイレ配置等の見直しを行う。

(5)危険木撤去等の樹木の維持管理(樹木診断含む)

開園後29年が経過し、樹木が大きくなるとともに老朽化しているた

め、樹木診断を行い、倒れる可能性のある危険木を撤去する等の維持管

理を行う。

(6)駐車場の拡張及び区画割の見直し

土日等に駐車場が不足する場合があり、駐車可能台数を増やす必要が

あるため、駐車場の拡張及び区画割の見直しを行う。

4)海外の動物園との連携

(1)海外の動物園からの動物の導入

費用面や血統管理の面において有効であるため、海外の動物園と連携

し、動物の交換等により動物を導入する。

(2)検疫施設やバックヤードの整備

動物の導入、特に海外からの導入の際には検疫施設等は重要であり、

対外的にアピールするためにも整備を行う。

【バックヤードの整備】 【作業用通路の拡張】

(3)国際種情報システムなどを活用した個体情報の入手

各種詳細な個体情報を入手することにより、動物の交換や譲渡等に活

用する。

(4)動物の交換や繁殖に向けた共同研究や人的交流

海外からの視察団の受入れや、獣医師や飼育員の交流など積極的な共

同研修や人的交流を行うことにより、飼育や繁殖等に関する技術を向上

させ、海外の動物園からの動物の導入等に活用する。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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(5)連携したイベント等の実施

海外の動物園(ハワイのホノルルズー等)と連携したイベント等を実

施することにより、海外の人や海外を訪問した日本人にとべ動物園をア

ピールする。

5)効果的な情報発信

(1)パノラマ展示の動物を見せる工夫等の現在ある魅力についてキーパー

の解説等による積極的な情報発信

現在ある魅力について、キーパーが積極的に解説を行うこと等により

来園者に気づいてもらう。

(2)SNSの活用による来園者からの情報発信を行える環境整備

Wi-Fiを整備し、動物園ならではの写真が撮影できる場所等の提

供(レストラン、夕焼けのきれいな展望等)により、来園者に魅力的な

動物園の情報を発信してもらう。また、Wi-Fiの整備については、

海外観光客に対するおもてなしともなる。

3.動物と自然の関わりについて興味を抱かせる動物園の実現

1)動物の生息環境整備

(1)動物の生息環境に合わせた展示施設の整備

施設整備を行う際には生息地の植物と一体的に整備する等動物が生息

している自然環境をできるだけ再現し、動物本来の行動を引き出す。

【サル舎】

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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【シロクマ舎】

2)学習的・体験的な機能の充実。

(1)動物との触れ合いコーナーや子供動物センターの充実

動物と触れ合うことが大切であり、また、触れ合いを求めて来園する

人もいるため、動物との触れ合いコーナーや子供動物センターの充実を

図り、バーチャルではない本物を感じてもらう体験や癒し(アニマルセ

ラピー等)などの様々な形態の触れ合いを通じた学習的・体験的な機能

を充実させる。

【どうぶつふれあい広場】

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5.とべ動物園魅力向上戦略

33

(2)学習館等の整備

動物園が持つべき教育機能を充実させ、死蔵となっているニホンカワ

ウソなどの貴重な資料を公開展示するため、学習館等の整備を行う。

【博物館】

(3)昆虫園等の整備

脊椎動物のほか昆虫類の生態が観察できる施設を整備することで、よ

り幅広く本物の自然に触れられる環境を提供し、環境学習の充実を図る。

【昆虫園】

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5.とべ動物園魅力向上戦略

34

(4)バックヤードの見学

命の教育として、飼育のためにどのような環境整備をしているかとい

うことをバックヤードの見学を通じて行う。その際には動物の負担にな

らないように工夫して行う。

【飼育状況】 【繁殖施設】

(5)レクチャーシステムの導入

学習機能の充実を図るため動物園見学の最初と最後にレクチャーする

システムの導入に取り組む。

【レクチャールーム】

(6)学校と動物園の連携強化

小学校のカリキュラムへ動物園見学を導入し、その際の費用負担の軽

減のため、動物園所有のシャトルバスを学校利用の送迎に活用する等、

教育利用の機会の場の確保に努める。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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(7)子供動物園の運営に携わる職員、ボランティアの育成

子供動物園については、運営が大切であり、携わる職員やボランティ

アの育成を行う。

(8)キーパーによる解説や解説版の設置による学習機能の充実

キーパーによる積極的な来園者への解説や、解説版の増設等により、

学習機能を充実させる

【キーパーによるガイド】 【詳細な解説版】

(9)体験型解説やセルフガイド等の整備

スタンプラリー、クイズラリーの充実や、セルフガイドシートの配布

等により新たな発見をしてもらい、より深く知り楽しんでもらう。

(10)獣医体験

動物病院で診療機器の説明や、治療の見学を行うなど小中校生を対象

とした体験プログラムを実施することで、生命の大切さや環境問題など

について学習してもらう。

【獣医体験】

(11)VRやARなどのIT技術の活用

VR(仮想現実)、AR(拡張現実)などのIT技術を活用し、リア

リティのある映像等を通じて体験し、文字だけでは分らない情報の確認

に役立てる。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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3)希少種の保存に向けた取り組み

(1)現在飼育している希少動物の繁殖

現在飼育している希少動物の個体数を維持し、種の保存に貢献する。

(2)在来動物の保護及び飼育展示

日本産、四国産の動物の保護及び飼育展示を通じて、身近な環境学習

を行う。

【ツシマヤマネコ】

(3)愛媛県のレッドデータブックに載っている動物の保護及び飼育展示

愛媛県のレッドデータブックに載っている動物の保護及び飼育展示を

通じて、身近な環境学習を行う。

【アズマモグラ】 【ヤマネ】

(4)繁殖しやすい環境づくりの推進

研究機関や保護団体等と連携し、繁殖しやすい環境整備を行う。また、

動物病院等を充実させる。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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【最先端の動物医療センター】

4)視点を考慮した施設の整備

(1)キーパー目線や子供目線での施設整備

働いているキーパーが面白いと感じる施設や、子供が見やすい施設整

備を実施する。

(2)視点(高い視点や水中目線等)を変えた施設整備

視点を変えることにより、動物の様々な生態に気づき、より興味関心

を持ってもらうことができるような施設整備を行う。

【アシカ展示】

4.持続可能な動物園の実現

1)資本の強化

(1)とべ動物園魅力向上基金、企業版ふるさと納税、動物サポーター制等

の既存資本の充実・拡充

気軽に寄付行為ができる仕掛けを検討するとともに、ホームページや

園内掲示板により積極的にアピールする。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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(2)新たな資本の導入検討

施設整備や動物の導入について、魅力的なクラウドファンディング等

を検討するとともに、個別施設のネーミングライツの導入を検討する。

(3)民間活力の導入

多様な事業者が参入して来園者サービスが向上するよう民間活力の導

入について検討する。

2)持続可能な運営体制の構築

(1)職員(キーパー等)の人事交流

人材育成のため、職員の他園等との人事交流を行う。

(2)スキルアップのための研修など組織的・計画的な人材育成

人材育成のため、外部研修に積極的に参加したり、計画的に内部研修

を行う等個人のスキルアップを図るとともに、組織としての実施体制を

再構築するなど、組織的・計画的な人材育成に努める。

(3)ボランティア制度の整備

来園者へのガイドにボランティアを活用する等、ボランティアの受け

入れ体制や研修についてボランティアガイドセンターの設置を検討する。

(4)AI導入による効率的な運営やサービスの向上

AI導入により来園者情報や来園者の動線を把握する等効率的な運営

やサービスの向上に努める。

3)飼育動物の安定的な確保

(1)コレクションプランの策定

コレクションプランの策定により、計画的に種の保存を行う。

(2)動物の購入、繁殖、ブリーディングローンを計画的に推進

他園と連携して動物の購入、繁殖、ブリーディングローンを計画的に

推進する。

4)広報・情報提供の充実

(1)コンセプトを設定した取り組みの統一(共通のロゴを使用)

統一コンセプトのもと事業を実施することにより訴求効果を高める。

(2)案内ガイドの充実

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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とべ動物園の魅力を伝えるため、キーパーやボランティア等による案

内ガイドの充実を図る。

(3)WEBやSNSなどを使用した情報発信の強化

WEBやSNSなどを使用した情報発信について、わかりやすいイン

パクトのある情報発信に努める。

(4)キャラバン隊によるPR活動

「しろくまピース」などの着ぐるみを帯同したキャラバン隊により、

集客施設や集客イベント等においてPR活動を行う。

(5)出張講話や動物の出張などによる動物との触れ合い体験の実施

県内各所の小学校等へ出向き、小動物とのスキンシップや解説、学校

で飼育している動物の飼い方の指導などを実施する。

5)経営改善

(1)健全な経営状況を維持するため経費節減に努めるとともに、適切な管

理運営に努める。

運営計画を作成し、定期的に内容をチェックし見直しを行う。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

40

短期(概ね5年以内)

中・長期(概ね5年以降)

○ ○料金等類似施設と連携し年間共通パスポート等を発行

○ ○共同イベントの開催によりエリアとしての相乗効果を得る

○ ○ 園路の整備や手軽に利用できる移動手段の整備

○ ○ 無料送迎。割引サービス等のシステムづくり

○ ○ ご当地ならではのグッズ開発

○ 砥部町での宿泊環境等の充実を図る

○ ○とべの繁殖技術等を活かした希少種、絶滅危惧種の繁殖

○ ○他の動物園等との人材交流や研究会等への積極的参加

○ ○ツアー等の企画、同時通訳の確保、動物園内の多言語表記等

○ ○高齢者施設への営業、パスポートのPR、祖父母と孫という観点での取り組み、乗り物整備等

○ ○修学旅行の誘致の拡大や専門的な研究会・学習会を実施する等

○ ○小、中学校、高齢者施設などの団体に営業を行い平日の誘致に努める

○ ○話題性のあるイベントの開発や既存イベント強化を行う等

○ ○ 閑散期に来園してもらえる年間イベントの計画を行う

○ ○開園○○周年記念イベント等特別感を持たせたイベントを実施する

○ ○ 計画的に老朽化対策を行う

○ ○ 日陰、休憩施設や園内カート、売店等の整備を行う

○ ○室内でお弁当を食べる場所の確保及びそのことの学校等への情報発信等

○ 入口部の新設、全体的なトイレ配置等の見直しを行う

○ ○ 危険木撤去等来園者の安全対策を行う

○土日等に不足する駐車場の拡張及び区画割の見直しを行う

○ ○動物の交換等により海外の動物園から動物を導入する

○ ○ 検疫施設の整備やバックヤードの整備を行う

○ ○ 動物の交換や譲渡等に活用する

○ ○ 積極的な共同研修や人的交流を行う

○ ○ 海外の動物園と連携したイベント等を実施する

○ ○ キーパーの育成に努める

○Wi-Fiの整備による来園者からの情報発信等。海外観光客のおもてなし。

SNSの活用による来園者からの情報発信を行える環境整備

安全・快適に観覧できる施設の整備

獣舎等の施設の計画的な老朽化対策

アメニティ施設の整備

雨天時の対策

トイレの整備・更新

駐車場の拡張及び区画割の見直し

海外の動物園との連携

海外の動物園からの動物の導入

連携したイベント等の実施

効果的な情報発信

パノラマ展示の動物を見せる工夫等の現在ある魅力についてキーパー等の解説等による積極的な情報発信

危険木撤去等の樹木の維持管理(樹木診断含む)

検疫施設やバックヤードの整備

国際種情報システムなどを活用した個体情報の入手

動物の交換や繁殖に向けた共同研究や人的交流

魅力的なイベントの創出

閑散期(冬場や雨の日等)の集客を考慮した年間のイベント計画(イルミネーション等の冬のイベント等)

飼育技術の確立や調査研究機能の強化

既存イベントの改善(平日のイベントを増やす等)

人が集い活力のある動物園の実現

新たなターゲットに向けた取り組み

海外からの観光客をターゲットとした取り組み

高齢者をターゲットとした取り組み

中高生をターゲットとした取り組み

記念イベントの実施(平成30年度は開園30周年)

とべの繁殖技術等を活かした希少種、絶滅危惧種の繁殖

とべの繁殖技術等を活かした動物の導入

実施内容

砥部町で滞在観光できる環境の整備

実施項目実施時期

とべ動物園の強みを活かした(独自性のある)動物園の実現

地理的特性を活かした施設連携

県内類似施設との年間共通パスポート等の発行

運動公園、えひめこどもの城と連携し共同イベントの開催

えひめこどもの城との円滑な移動手段の確保

地理的特性を活かした県内の観光地や地元との連携

動物園と県内の観光施設(道後温泉や砥部焼の里等)との相互誘致

地元産業(砥部焼等)を活かしたグッズの開発

施設向けの企業パスポートによる平日の団体誘致(週末は家族や個人)

■魅力向上戦略一覧

前述の魅力向上戦略を項目毎に以下の一覧表に整理する。

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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○ ○ 生息環境に近づける展示施設整備等を行う

○ ○家畜等触れ合える動物の拡充や、癒し(アニマルセラピー等)などの様々な形態の触れ合いを実施。

○ ○ 博物館・学習館等の整備を行う

○ ○ 昆虫園等の整備を行う

○ ○ 命の教育として飼育環境の見学

○ ○ 動物園見学の最初と最後にレクチャーする

○ ○ 小学校のカリキュラムへ動物見学を導入

○ ○ 運営が大切であり、携わる職員等の育成を行う

○ ○ キーパーの育成及び解説板の充実等を図る

○ ○ スタンプラリー・クイズラリー等の充実を図る

○ ○ 体験プログラムの開発を行う

○ ○ IT技術の活用

○ ○ 個体数の維持、種の保存に貢献する

○ ○ 日本産、四国産の動物の保護及び飼育展示

○ ○ 保護し繁殖施設の整備による種の保存に努める

○ ○ 動物病院等を充実させる

○ ○ キーパーや子供目線の施設整備を行う

○ ○ 視点を変えた施設整備を行う

○ ○ 積極的にアピールする

○ ○魅力的なクラウドファンディング等や個別施設のネーミングライツの導入を検討

○多様な事業者に参入してもらい来園者サービスの向上を図る

○ ○ 人材育成のため職員の他園等との人事交流を行う

○ ○個人のスキルアップを図るとともに、組織としての実施体制を構築する。

○ ○ ボランティアガイドセンターの設置を検討

○ システムの開発や情報の蓄積に努める

○ 策定を行い計画的な種の保存を行う

○ ○ 他の動物園との協力体制の強化を行う

○ ○ 統一コンセプトのもと事業を実施し訴求効果を高める

○ ○ 案内ガイドの充実に努める

○ ○ わかりやすいインパクトのある情報発信に努める

○ ○集客施設や集客イベント等においてPR活動を実施する

○ ○県内各所の小学校等へ出向き動物との触れ合い体験等を実施する

○ ○運営計画の作成及び定期的な見直しにより経費節減に努める

WEBやSNSを使用した情報発信の強化

VRやARなどのIT技術の活用

在来動物の保護及び飼育展示

愛媛県のレッドデータブックに載っている動物の保護及び飼育展示

キーパー目線や子供目線での施設整備

視点(高い視点や水中目線等)を変えた施設整備

希少種の保存に向けた取り組み

視点を考慮した施設の整備

持続可能な動物園の実現

資本の強化

とべ動物園魅力向上基金、企業版ふるさと納税、動物サポーター制等の既存資本の充実・拡充

新たな資本の導入検討

民間活力の導入

コレクションプランの策定

繁殖しやすい環境づくりの推進

キーパーによる解説や解説版の設置による学習機能の充実

体験型解説やセルフガイド等の整備

動物と自然の関わりについて興味を抱かせる動物園の実現

動物の生息環境整備

学習的・体験的な機能の充実

動物との触れ合いコーナーや子供動物センターの充実

学習館等の整備

昆虫園等の整備

バックヤードの見学

レクチャーシステムの導入

学校と動物園の連携強化

子供動物園の運営に携わる職員、ボランティアの育成

動物の生息環境に合わせた展示施設の整備

経営改善

健全な経営状況を維持するため経費節減に努めるとともに、適切な管理運営に努める

獣医体験

現在飼育している希少動物の繁殖

コンセプトを設定した取り組みの統一(共通のロゴを使用)

案内ガイドの充実

キャラバン隊によるPR活動

出張講話や動物の出張などによる動物との触れ合い体験の実施

飼育動物の安定的な確保

広報・情報提供の充実

持続可能な運営体制の構築

職員(キーパー等)の人事交流

スキルアップのための研修など組織的・計画的な人材育成

ボランティア制度の整備

AI導入による効率的な運営やサービスの向上

動物の購入、繁殖、ブリーディングローンを計画的に推進

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5.とべ動物園魅力向上戦略

42

5-2 動物の導入計画

動物の導入・繁殖について検討した結果、主な推進種と撤退種は以下のとお

り。

○推進種

1)とべの強みを活かす動物

(1)とべ動物園の繁殖技術等を活かせる動物

アフリカゾウ、ホッキョクグマ、ユーラシアカワウソ

(2)とべ動物園において人気のある動物

ホッキョクグマ、アフリカゾウ、ペンギン、サル、オランウータン、

トラ

2)種の保存へ貢献する動物

(1)日本産希少種の繁殖に貢献するための動物

ツシマヤマネコ

(2)四国産動物の保全を図るための動物

ニホンカモシカ等(四国産動物)

(3)個体数の維持に貢献するための動物

カメ類、ヘビ類、鳥類、ボリビアリスザル、ジャガー、ピューマ、エ

ランド、スイギュウ、ヒトコブラクダ、フタコブラクダ

3)利用者のニーズへ対応した動物

(1)ふれあいの充実を図るための動物

ミニチュアホース・ポニー等

○撤退種

1)入手困難

オオサンショウウオ、ボウシテナガザル、ショウハナジログエノン、ムー

アモンキー、パプアヒクイドリ

2)国内繁殖計画がない

ヒマラヤグマ、ヒグマ、アジルテナガザル、サバンナモンキー、パタスザ

ル、ブタオザル

3)その他(費用対効果の低いもの等)

ツル・オオハクチョウ、タイワンザル

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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○推進種一覧

雌♀ 雄♂

カメ類 単性飼育種の解消を図る。

ヘビ類 Ⅱ 7 4 単性飼育種の解消を図る。

鳥類 個体数を維持し、種の保存に貢献する。

オウサマペンギン 該当せず 1 とべ動物園において人気のある動物を導入し繁殖を図る。

ボリビアリスザル Ⅱ 5 2高齢個体が多いため、群れの若返りを図る。とべ動物園において人気のある動物を導入し繁殖を図る。

ジャガー Ⅰ 1 個体数を維持し、種の保存に貢献する。

ピューマ Ⅰ 2 2 個体数を維持し、種の保存に貢献する。

エランド 該当せず 個体数を維持し、種の保存に貢献する。

アフリカゾウ Ⅰ 3高い繁殖技術等を生かし種の保存に貢献する。とべ動物園において人気のある動物を導入し繁殖を図る。

トラ Ⅰ 2 2 とべ動物園において人気のある動物を導入し繁殖を図る。

オランウータン Ⅰ 1 とべ動物園において人気のある動物を導入し繁殖を図る。

スイギュウ Ⅲ 1 個体数を維持し、種の保存に貢献する。

ヒトコブラクダ 該当せず 個体数を維持し、種の保存に貢献する。

フタコブラクダ 該当せず 個体数を維持し、種の保存に貢献する。

ツシマヤマネコ Ⅱ 日本産希少種の繁殖に貢献する。

ニホンカモシカ等(四国産動物)

該当せず 四国産動物の保全を図る。

ユーラシアカワウソ Ⅰ 高い繁殖技術等を生かし種の保存に貢献する。

ホッキョクグマ Ⅱ 2高い繁殖技術等を生かし種の保存に貢献する。とべ動物園において人気のある動物を導入し繁殖を図る。

ミニチュアホース・ポニー等 該当せず ふれあいの充実を図る。

※導入時期については市場の動向や他の動物園の個体の状況に左右されるため、個体の情報入手に努め、ブリーディングローンの活用も含め臨機に対応する。

導入目的動物名ワシントン条約付属書の区分

飼育の現状

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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観-⑨

観-③

獣-⑦

獣-⑧

獣-⑩ 獣-⑫

獣-⑮

教-③

教-⑤

教-④

獣-⑬

獣-⑭

① ② ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯③ ④ ⑪⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩

スネーク

ハ ウ

ウォーター

ストリート

アメリカ

ストリート

アフリカ

ストリート

ゾウ

ストリート

モンキー

タ ウ

アジア

ストリート

リトル

ワールド

鳥インフルエンザ対応

ベア

ストリート

ツル舎

キリン

シマウマ

オリックス舎

中獣舎

サイ・

カバ舎

アフリカ

ゾウ舎

トラ舎

サル舎

サル山

レッサー

パンダ舎

カワウソ舎

スネーク

ハ ウ

カピバラ舎

日本産動物舎

アシカ・

シロクマ舎

短期

中・長期

実施時期 ○ ○ ○ ○ ○ ○

○ ○

○ ○ ○ ○

エリア名

施設名

獣 舎

施設

種類 ① ② ③ ④ ⑤

短期

中・長期

実施時期

エリア名

施設名

教 育 施 設

昆虫園

子ども動物センター

ふれあいセンター

ふれあい広場

○ ○

○ ○ ○ ○ ○

施設

種類 ① ② ③ ④

短期

中・長期

実施時期

エリア名

施設名

○ ○ ○ ○

⑤○ ○ ○ ○

観 覧 環 境

休憩施設

売店

園路

園内移動手段

園内街灯、放送施設

トイレ

駐車場

○○○○

⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩

科学館

広場

Wi

fi環境

こどもの城との

円滑な移動手段

施設

種類

ライオン舎

(ガオパーク

)

※図示は短期に取り組む施設

5-3 施設等の整備計画

動物の導入・繁殖計画を踏まえ施設の整備計画を策定した。整備を行うエリ

アは下図の通りである。

1.施設等の整備計画図

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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レクレー

ショ ン 教育 繁殖 調査研究 動物福祉 老朽化 短期(概ね5年以内)

中・長期(概ね5年以降)

①スネークハウス

スネークハウス

○ ○ ・老朽施設の更新

② カピバラ舎 ○ ○ ○ ・学習的・体験的な機能の追加

③ ツル舎 ○ ○ ○ ○ ・天井のメッシュ整備

④アメリカストリート

中獣舎 ○ ○ ○ ○ ・視点を変えた獣舎整備

⑤ライオン舎(ガオパーク)

○ ○ ○ ○ ・学習的・体験的な機能の追加

⑥キリン・シマウマ・オリックス舎

○ ○ ○ ○ ・視点を変えた獣舎整備

⑦ サイ・カバ舎 ○ ○ ○ ○ ○ ○・繁殖のための予備室の増設及び扉の改修等

⑧アフリカゾウ舎

○ ○ ○ ○ ○ ○ ・新規個体の導入及び繁殖のための改修

⑨ トラ舎 ○ ○ ○ ○ ○ ・学習的・体験的な機能の追加

⑩モンキータウン

サル舎 ○ ○ ○ ○ ○ ・動物の生息環境に合わせた獣舎整備

⑪アジアストリート

サル山 ○ ○ ○ ○ ○・老朽施設の更新・動物の生息環境に合わせた獣舎整備

⑫レッサーパンダ舎

○ ○ ○ ○ ○ ・動物の生息環境に合わせた獣舎整備

⑬ カワウソ舎 ○ ○ ○ ○ ○ ・新規個体の導入及び繁殖のための新設

⑭日本産動物舎

○ ○ ○ ○ ○・ツシマヤマネコ等の日本固有種や四国産動物の展示施設の新設

⑮ベアストリート

アシカ・シロクマ舎

○ ○ ○ ○ ○ ○・新規個体の導入及び繁殖のための改修・視点を変えた獣舎整備

⑯ ○ ○ ○ ・鳥類の隔離施設の設置及び屋根の設置等

① ○ ○ ○ ○ ・昆虫園等の整備

② ○ ○ ○ ○ ○・多人数を収容可能な視聴覚ホールを備えた学習施設の新設・標本や学習パネル等を展示する

③ ○ ○ ○ ・老朽施設の更新

④ ○ ○ ○・老朽施設の更新・バリアフリー化

⑤ ○ ○ ○ ○ ・暑さ、寒さ対策

整備内容

実施時期施設種類 エリア名 施設名

評価項目

獣舎

鳥インフルエンザ対応

ふれあいセンター

教育施設

子ども動物センター

ふれあい広場

昆虫園

リトルワールド

ゾウストリート

ウォーターストリート

アフリカストリート

科学館

2.施設等の整備計画(獣舎等)

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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レクレー

ショ ン

ソフトに

関連 要望快適性

効果大老朽化 短期

(概ね5年以内)

中・長期(概ね5年以降)

① ○ ○ ○ ○ ○ ・芝生等の広場整備

② ○ ○ ○ ○ ○・カフェ等の休憩施設の整備・植栽配置を見直し園内の木陰を増やす

③ ○ ○ ○ ○ ○ ・拡張等

④ ○ ○ ○ ○・快適に観覧するためや、獣舎改修に合せた園路整備

⑤ ○ ○ ○ ○ ・園内を円滑に移動できる乗り物等の整備

⑥ ○ ○ ○ ○ ・老朽化した園内街灯、放送施設の改修

⑦ ○ ○ ○・正面ゲート横にトイレを整備する等、全園的なトイレ配置等の見直し

⑧ ○ ○ ○ ○ ・園内のWifi環境を整備

⑨ ○ ○ ○ ○ ・駐車場の拡幅及び区画割の見直し

⑩ ○ ○ ○ ○ ○・両施設間を接続する円滑な移動手段を確保する。

施設名

広場

整備内容

駐車場

施設種類

評価項目 実施時期

観覧環境

休憩施設

売店

園路

園内移動手段

園内街灯、放送施設

トイレ

Wifi環境

こどもの城との円滑な移動手段

3.施設等の整備計画(観覧環境)

4.整備スケジュール方針

前述の整備計画を短・中長期に分けて整備を進める。各施設の種類毎の方針

は以下のとおりである。

※5年を基本に、状況変化に応じて事業計画を見直す

◎獣舎

◎教育施設

◎観覧環境

【短期】 【中・長期】

・繁殖のための獣舎整備

・動物の生息環境に合わせた獣舎整備

・老朽施設の更新

・学習的・体験的な機能の追加

・ふれあい機能の充実

・老朽施設の更新

・新たな学習機能の充実

・老朽施設の更新

・休憩施設の整備

・売店の拡張

・こどもの城との円滑な移動手段の整備

施設種類

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5.とべ動物園魅力向上戦略

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5-4 魅力向上の推進体制

魅力向上を計画的に進めるために、以下の6点に留意する。

○県と指定管理者が密に連携して取り組む。

○地域の実情やニーズを的確に把握し、関連市町や関係団体等の多様な主

体と連携・協働して取り組む。

○経営的な側面も考慮し、動物園の存続に対する危機意識を持って、「ど

うすればできるか」という視点を常にもち積極的に取り組む。

○実行にあたっては、来園者ニーズや社会情勢など動物園を取り巻く状況

を見極めながら、PDCAサイクルを徹底し、柔軟かつ臨機に取り組む。

○とべ動物園魅力向上戦略検討委員会は継続して存続させ、チェック体制

を構築する。

○指定管理者の組織の充実を図る。