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【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 経営課題1 【住宅火災の発生件数の低減及び被害の軽減】 めざすべき将来像(最終的なめざす状態)<概ね10~20年間を念頭に設定> 市民が毎日の生活を営む「住宅」での火災が建物火災の中でも最も多い現状、その発生件数の低減を図るとともに、早 期発見及び迅速かつ的確な対応により被害を最小限に抑えて「市民が安心して暮らせるまち」をめざす。 現状(課題設定の根拠となる現状・データ) ◆平成26年中の大阪市内における火災の総件数は1,021件で、そのうち建物火災が751件、建物火災のうち住宅火災 は549件となっている。 ◆平成26年中の住宅火災による焼損床面積の合計は5,208㎡、損害額の合計は510,744千円、また、住宅火災による 死者数は29人であった。 ◆火災による死者の約9割が「住宅火災」によるもので、そのうち約6割が65歳以上、更に、その半数以上が75歳以上 である。 ◆住宅火災に対する全国的な対策として、すべての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられている。 ◆図1のとおり、総務省消防庁が実施した平成23年から平成25年までの3年間における失火を原因とした住宅火災の被 害状況の分析により、住宅用火災警報器を設置している場合、火災による死者数、焼損床面積、損害額のすべてにおい て、設置していない場合よりも被害が軽減されていることが分かっており、本市においても同様の傾向である。 ◆平成27年7月末の住宅用火災警報器の設置率は全住戸で88.2% ◆図2のとおり、大阪市における住宅火災と死者の時間帯別発生件数では、0~6時に死者発生率が高くなっている。 (図1) (図2) ◆火災原因の1位は、昭和51年以降39年間連続で「放火(疑い含む)」であり、住宅火災の原因についても「放火(疑 い含む)」が22%で1位、その他の主な原因としては「たばこ」が17%、「天ぷら油」が13%、「ガスこんろ」が 10%となっている。(すべて平成18年から平成26年までの平均値) ◆火災による被害を最小限に抑えるべく、消防局では、密集地や狭隘道路が多いという地域特性への独自の対策とし て、狭隘な道路の走行が可能で、かつ、火災現場にできるだけ近づき積載するタンク水で消火活動が実施できる「小型 タンク車」を導入・配備し、さらに、火災現場への最先着消火隊の放水開始時間の短縮を図るため、出場計画や消防戦 術の運用効果の検証と見直しを進めてきたが、経験豊富な職員の減少に伴う組織的な消防活動能力や危険予知能力等の 低下が懸念されている。 要因分析(現状・データから導かれる分析結果)<めざすべき将来像と現状に差が生じる要因> ◆高齢化の進展や独居高齢者、夫婦高齢者世帯の増加 ◆住宅火災による死者の発生が夜間に多いこと、また、就寝中に発生した火災に気づかず、逃げ遅れてしまったと考え られるケースが多く見受けられることから、火災の早期発見が必要であると考えられる。 ◆密集地や狭隘道路が多い大阪市の地域特性 ◆職員の大量退職・大量採用 課題<上記要因を解消するために必要なこと> ◆住宅用火災警報器の設置に係る課題 ・住宅用火災警報器の未設置住戸に対する働きかけの強化 ・住宅用火災警報器の適切な維持管理の促進 ・住宅用火災警報器の奏功事例等の積極的な周知 ◆高齢者に焦点を絞った火災予防啓発 ◆放火火災の抑止 ◆本市の地域特性に対応した高度な活動能力を備えた消火隊の養成 ◆熟練職員から若手職員への豊富な現場経験に基づく消防活動等の知識・技術の伝承 22% 21% 28% 29% 35% 22% 18% 25% 0% 10% 20% 30% 40% 0時~5時 6時~11時 12時~17時 18時~24時 時間帯別の住宅火災発生率と死者発生率(H22~H26) 火災発生率 死者発生率 設置なし 設置あり 死者数 (人/火災100件) 設置なし 設置あり 焼損床面積 (㎡/火災1件) 設置なし 設置あり 損害額 (千円/火災1件) 3237 1911 53.8 28.8 9.5 6.6 住宅用火災警報器の設置効果 総務省消防庁調べ(平成23年~平成25年:失火を原因とした住宅火災 0.69倍 0.54倍 0.59倍 -1-

【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

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Page 1: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】重点的に取り組む主な経営課題

経営課題1 【住宅火災の発生件数の低減及び被害の軽減】

計 画

めざすべき将来像(最終的なめざす状態)<概ね10~20年間を念頭に設定>

 市民が毎日の生活を営む「住宅」での火災が建物火災の中でも最も多い現状、その発生件数の低減を図るとともに、早期発見及び迅速かつ的確な対応により被害を最小限に抑えて「市民が安心して暮らせるまち」をめざす。

現状(課題設定の根拠となる現状・データ)

◆平成26年中の大阪市内における火災の総件数は1,021件で、そのうち建物火災が751件、建物火災のうち住宅火災は549件となっている。◆平成26年中の住宅火災による焼損床面積の合計は5,208㎡、損害額の合計は510,744千円、また、住宅火災による死者数は29人であった。

◆火災による死者の約9割が「住宅火災」によるもので、そのうち約6割が65歳以上、更に、その半数以上が75歳以上である。

◆住宅火災に対する全国的な対策として、すべての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられている。◆図1のとおり、総務省消防庁が実施した平成23年から平成25年までの3年間における失火を原因とした住宅火災の被害状況の分析により、住宅用火災警報器を設置している場合、火災による死者数、焼損床面積、損害額のすべてにおいて、設置していない場合よりも被害が軽減されていることが分かっており、本市においても同様の傾向である。◆平成27年7月末の住宅用火災警報器の設置率は全住戸で88.2%

◆図2のとおり、大阪市における住宅火災と死者の時間帯別発生件数では、0~6時に死者発生率が高くなっている。

(図1)                         (図2)

◆火災原因の1位は、昭和51年以降39年間連続で「放火(疑い含む)」であり、住宅火災の原因についても「放火(疑い含む)」が22%で1位、その他の主な原因としては「たばこ」が17%、「天ぷら油」が13%、「ガスこんろ」が10%となっている。(すべて平成18年から平成26年までの平均値)

◆火災による被害を最小限に抑えるべく、消防局では、密集地や狭隘道路が多いという地域特性への独自の対策として、狭隘な道路の走行が可能で、かつ、火災現場にできるだけ近づき積載するタンク水で消火活動が実施できる「小型タンク車」を導入・配備し、さらに、火災現場への最先着消火隊の放水開始時間の短縮を図るため、出場計画や消防戦術の運用効果の検証と見直しを進めてきたが、経験豊富な職員の減少に伴う組織的な消防活動能力や危険予知能力等の低下が懸念されている。

要因分析(現状・データから導かれる分析結果)<めざすべき将来像と現状に差が生じる要因>

◆高齢化の進展や独居高齢者、夫婦高齢者世帯の増加◆住宅火災による死者の発生が夜間に多いこと、また、就寝中に発生した火災に気づかず、逃げ遅れてしまったと考えられるケースが多く見受けられることから、火災の早期発見が必要であると考えられる。◆密集地や狭隘道路が多い大阪市の地域特性◆職員の大量退職・大量採用

課題<上記要因を解消するために必要なこと>

◆住宅用火災警報器の設置に係る課題 ・住宅用火災警報器の未設置住戸に対する働きかけの強化 ・住宅用火災警報器の適切な維持管理の促進 ・住宅用火災警報器の奏功事例等の積極的な周知◆高齢者に焦点を絞った火災予防啓発◆放火火災の抑止◆本市の地域特性に対応した高度な活動能力を備えた消火隊の養成◆熟練職員から若手職員への豊富な現場経験に基づく消防活動等の知識・技術の伝承

22% 21%

28% 29%35%

22%18%

25%

0%

10%

20%

30%

40%

0時~5時 6時~11時 12時~17時 18時~24時

時間帯別の住宅火災発生率と死者発生率(H22~H26)

火災発生率

死者発生率

設置なし 設置あり

死者数

(人/火災100件)

設置なし 設置あり

焼損床面積

(㎡/ 火災1件)

設置なし 設置あり

損害額

(千円/ 火災1件)

3237

1911

53.8

28.8

9.5

6.6

住宅用火災警報器の設置効果

総務省消防庁調べ(平成23年~平成25年:失火を原因とした住宅火災

0.69倍 0.54倍 0.59倍

-1-

Page 2: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

a:順調b:順調でない

自己評価

戦略のアウトカムに対する有効性

アア:有効であり、継続して推進イ:有効でないため、戦略を見直す

課題  ※有効性が「イ」の場合は必須

住宅火災の発生件数:426件(平成28年中)

A

A住宅火災による死者数:26人(平成28年中)

【住宅防火の推進】

A今後の対応方向  ※有効性が「イ」の場合は必須

―A:順調 B:順調でない

戦略の進捗状況 a

―アウトカムの達成状況 前年度 個別 全体

456件

24人

計画

めざす状態<概ね3~5年間を念頭に設定> 戦略<中期的な取組の方向性>

◆住宅用火災警報器の設置率を90%以上とし、年間の住宅火災の発生件数及び住宅火災による死者数を低減させる。 ◆市内の全住宅への戸別訪問による防火指導を実施し、住

宅用火災警報器の設置と適切な維持管理の促進を主眼とした火災予防啓発を行うとともに、火災原因に応じた出火防止対策についても丁寧に指導する。特に、高齢者がお住まいの住宅に対する重点的な火災予防啓発により住宅防火を推進する。

◆放火火災対策としては、現に放火火災が発生している地域における市民への迅速な情報提供や消防隊による巡回警戒等を行うとともに、放火監視機器の設置を促進して「放火されない環境づくり」を推進する。

アウトカム<めざす状態を数値化した指標>◆住宅火災の発生件数及び住宅火災による死者数を基準値(新築住宅において住宅用火災警報器の設置が義務付けられた平成18年から前年までの平均値)以下に抑える。

自己評価

戦略の進捗状況を踏まえた経営課題全体としての評価結果の総括

 具体的取組の業績目標及びアウトカムの達成状況からも戦略は順調に進捗したと認識しており、今後も引き続き、住宅火災の発生件数の低減及び被害の軽減に向け、各取組を推進していく。

めざす成果及び戦略 1-1

664 670 692626 589 608

535 523 549

0

200

400

600

800

H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

住宅火災件数

平均値

606

最小値

523

40

27 2734

2128 29

2329

0

10

20

30

40

50

H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26

住宅火災による死者数

平均値

29

最小値

21

-2-

Page 3: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

円 円 円

円 円 円

 

○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

◆戸別訪問等の際に実施するアンケート等により、火災予防に対する理解が深まったと回答した市民(住戸)の割合60%以上

【撤退基準】◆上記割合が50%未満であれば、事業を再構築する。

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡回数185回、隣接消防本部との放火発生情報共有数112件・地域防犯活動連携55回、放火監視機器59基稼働中(平成28年度25基更新)

業績目標の達成状況住宅火災に占める放火火災件数 60件(平成28年)

①(ⅰ)改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆3年間で市内全住戸(約130万戸)への戸別訪問による防火指導を行い、市民に自ら放火火災防止対策を心掛けていただけるよう火災予防に係る意識啓発と理解促進を図る。◆放火火災に関する地域住民等への迅速な情報提供を行うとともに、消防隊による巡回警戒を実施、また、隣接消防本部との放火火災に関する情報の共有を行う。◆地域防犯活動との連携を図るとともに、放火監視機器の設置を促進して「放火されない環境づくり」を推進する。

◆住宅火災に占める放火火災件数を112件(平成22年から平成26年(過去5年間)の平均値)以下に抑える。

【撤退基準】◆上記件数が139件(過去5年間の最大値)以上となれば、事業を再構築する。

前年度までの実績

【平成27年実績】◆住宅への放火火災件数 78件

26決算額 1百万 27予算額 2百万 28予算額 2百万

具体的取組1-1-2 【放火火災の抑止】

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸・介護事業者等を対象とした高齢者防火安全研修の受講者数:4,769名 ―

業績目標の達成状況火災予防に対する理解が深まったと回答した市民の割合:82.8%

①(ⅰ)改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆3年間で市内全住戸(約130万戸)への戸別訪問による防火指導を行い、住宅用火災警報器の設置と適切な維持管理の促進を主眼とした火災予防に係る意識啓発と理解促進を図る。特に、高齢者がお住まいの住宅に対しては、日常的に高齢者と接している介護事業者等と連携を図り、きめ細やかに指導することで一層の火災予防を促していく。*介護事業者等の例 ・ケアマネージャー ・ホームヘルパ― ・民生委員

前年度までの実績

【平成27年度実績】火災予防に対する理解が深まったと回答した市民の割合59.5%

具体的取組1-1-1 【住宅用火災警報器の設置と適切な維持管理の促進】

26決算額 1百万 27予算額 1百万 28予算額 1百万

-3-

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【様式2】

円 円 円

5.9㎡

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

具体的取組1-2-1 【消火活動能力の向上】

26決算額 - 27予算額 - 28予算額 -

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆小型タンク車及び消防情報システム「ANSIN」並びに地域警防計画の効果的な活用*消防情報システム「ANSIN」とは、地図情報機能や消防車両動態管理・情報伝送機能など、様々な支援機能を有機的に結合し構成されたシステム

◆「H28年度 消防職員警防訓練基本計画」に基づく警防訓練の実施◆「Eメール講座」及び「大阪消防誌」を活用した最新の災害情報の共有と、消防戦術等に係る研修の実施(1回/月以上)◆各種本部訓練や災害現場活動の検証結果から得た消火活動能力向上対策について、警防部司令課方面隊が各消防署に対し巡回研修を行う。(4回/年以上)◆消火活動能力向上の中心となる職員を、「消火技術指導者研修」により育成する。(25人/年以上)◆消防戦術や人材育成の手法等について、職員自らが創意工夫したアイディアを幅広く募集する。

◆最先着消火隊の出場から放水開始までの平均時間を4.5分以内に維持するとともに、2着目の消火隊の出場から放水開始までの平均時間を6.5分以内に維持する。

【撤退基準】◆上記目標が達成できなければ、事業を再構築する。

前年度までの実績【平成27年実績】◆最先着消火隊の出場から放水開始までの平均時間 4.0分◆2着目の消火隊の出場から放水開始までの平均時間 6.2分

 

自己評価

戦略のアウトカムに対する有効性

アア:有効であり、継続して推進イ:有効でないため、戦略を見直す

課題  ※有効性が「イ」の場合は必須

火元建物から周囲の他の建物に延焼させなかった火災の割合:90.0%(平成28年中) A

A火元建物から周囲の他の建物に延焼させなかった火災の焼損床面積5.0㎡(平成28年中)

A今後の対応方向  ※有効性が「イ」の場合は必須

―A:順調 B:順調でない

戦略の進捗状況 a

―アウトカムの達成状況 前年度 個別 全体

a:順調b:順調でない

計画

めざす状態<概ね3~5年間を念頭に設定> 戦略<中期的な取組の方向性>

◆消火隊の消火活動能力の更なる向上を図ることで、住宅火災による被害を軽減する。 ◆限られた人員・機械及び独自の消防戦術を総合的に駆使

して、延焼阻止等の消火活動能力の向上を図る。アウトカム<めざす状態を数値化した指標>

◆住宅火災について、火元建物から周囲の他の建物に延焼させなかった火災の割合を、過去5年間の状況から90%以上に維持する。*住宅火災における火元建物から周囲の他の建物に延焼させなかった火災の割合

◆住宅火災について、火元建物から周囲の他の建物に延焼させなかった火災の焼損床面積を過去5年間の状況から6㎡未満に維持する。*住宅火災における火元建物から周囲の他の建物に延焼させなかった火災の平均焼損床面積

めざす成果及び戦略 1-2 【消火活動能力の向上】

90.9%

平成22 平成23 平成24 平成25 平成26 平均値

90.1% 88.6% 90.6% 91.3% 90.1% 90.1%

平成22 平成23 平成24 平成25 平成26 平均値

7.1㎡ 5.5㎡ 5.8㎡ 5.1㎡ 5.3㎡ 5.8㎡

-4-

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【様式2】

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・小型タンク車及び消防情報システム「ANSIN」並びに地域警防計画の効果的な活用のため「H28年度 消防職員警防訓練基本計画」に基づく警防訓練を実施。 ◇消火訓練ノートに基づき、全消火隊が直近部署・中継相掛操法訓練を実施 ◇警防技術練成会を6月に実施:全25署出場 ◇警防技術総合訓練:全25署が実施 ◇署内警防技術練成会:全25署で実施 ◇署々間連携訓練:全25署で実施(延べ306隊、1,174回) ◇中隊訓練:全25署で実施(50中隊、延べ88回)・Eメール講座及び大阪消防誌を活用した研修を月1回以上配信し、Eメール公開講座を実施(1月)・方面隊巡回研修を全25署に5回ずつ実施・「消火技術指導者研修」を25人に実施(3月)・消防戦術や人材育成の手法等について、職員自らが創意工夫したアイディアを幅広く募集、消火活動関連で5件の提案があり、うち1件が大阪市職員提案制度で優良賞を受賞

業績目標の達成状況・最先着消火隊の出場から放水開始までの平均時間:4.2分・2着目の消火隊の出場から放水開始までの平均時間:6.2分(平成28年中)

①(ⅰ)

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

―①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

-5-

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【様式2】

課題<上記要因を解消するために必要なこと>

◆防火管理者も含めた建物関係者の防火管理意識の向上と消防訓練実施の定着◆年間計画に基づく立入検査の実施と法令違反に対する徹底した是正指導◆保安3法規制の対象となる施設と消防法の規制を受ける対象物の一体的かつ効率的な立入検査の実施

自己評価

戦略の進捗状況を踏まえた経営課題全体としての評価結果の総括

 具体的取組の業績目標及びアウトカムの達成状況からも戦略は順調に進捗したと認識しており、今後も引き続き、事業所の防火・防災管理の徹底に向け、各取組を推進していく。

重点的に取り組む主な経営課題

経営課題2 【事業所の防火・防災管理の徹底】

計 画

めざすべき将来像(最終的なめざす状態)<概ね10~20年間を念頭に設定>

 映画館やスーパーマーケット、ホテル等の不特定多数の市民が利用する施設について、消防法令に適合した安全性の高い建物の割合を高めるとともに、大阪府からの権限移譲を受け平成25年度から事務を開始した保安3法規制の対象となる施設についても、自主保安体制の確立を促進することで「市民が安心して暮らせるまち」をめざす。*保安3法とは、高圧ガス保安法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、火薬類取締法の総称

現状(課題設定の根拠となる現状・データ)

◆大阪市は、集客施設・商業施設が集積する大都市であり、他都市と比較して高層ビルや小規模雑居ビルが突出して多いが、集客施設・商業施設等においては頻繁に用途変更や従業員が入れ替わることから、防火管理者の未選任や必要となる消防設備が未設置となる等の消防法令違反が発生している。

◆防火管理者の選任の有無や自動火災報知設備等の消防用設備の設置の有無は、火災発生率や火災が起こった場合の被害の大きさに、その差が顕著に表れており、火災による被害軽減のためには消防職員が立入検査を実施して法令遵守状況を確認するとともに法令違反に対して徹底した是正指導を行う必要がある。◆立入検査の実施頻度に係る法規定はないが、本市の特性に鑑み消防局では、定期的な立入検査を実施することにより、建物の状況を定期に把握し、消防法令違反等の未然防止と悪質な繰り返し違反の抑制を図るとともに、継続的な助言・指導を行うことで、消防法令上安全性の高い建物の割合を高めている。また、平成20年に浪速区で発生した個室ビデオ店の火災を機に発足させた特別査察隊により違反処理を糾察的に実施する必要があるものに対する立入検査及び違反処理を行うとともに各消防署における立入検査、是正指導等を支援して査察体制の充実強化を図っている。

◆市内の集客施設・商業施設に代表される特定防火対象物の総数は20,456で、防火管理者が未選任の対象物数は165、消防用設備等が未設置の対象物数は431、また、特定防火対象物のうち防火管理者の選任が義務づけられている約12,500対象物における消防訓練実施率は83.0%となっている。*特定防火対象物とは、映画館、スーパーマーケット、ホテルなど不特定多数の市民が利用する施設として消防法令で定められているものをいう。*特定防火対象物総数、法令違反対象物数及び消防訓練実施率は平成26年度末の状況

◆大阪府からの権限移譲を受け、保安3法規制に係る事務を平成25年度から開始した。◆市内の保安3法規制対象施設の総数は5,234で、自主保安体制が確立されていると判断できる保安3法規制対象施設の割合は88.0%となっている。*保安3法規制対象施設総数及び法令適合施設の割合は平成26年度末の状況

◆保安3法規制対象施設だけではなく、町工場、飲食店、学校、貸倉庫等で放置された高圧ガスボンベ(容器)を多数発見しており、すべて撤去又は管理状況を是正させている。*平成26年度中に市内で発見した放置ボンベ(容器)は119本

◆平成27年度から重大な消防法令違反に係る情報を利用者等に公表する「違反対象物公表制度」を導入した。◆消防法の改正により、平成27年度からスプリンクラー設備、自動火災報知設備等の設置を必要とする対象物の範囲が拡大された(既存施設の設置期限は平成29年度末)。

要因分析(現状・データから導かれる分析結果)<めざすべき将来像と現状に差が生じる要因>

◆集客施設・商業施設では頻繁に用途変更や従業員が入れ替わることに加え、防火管理者及び消防用設備の必要性、有事に備えて事前に消防訓練を実施しておくことの重要性に対する理解が希薄な建物関係者もおり、毎年、新たな法令違反が発生している。◆大阪府では、行政職による書類審査が中心で、担当者自らが保安3法規制の対象となる施設の把握や立入検査に出向くことが少ない状況であり、また、当該施設のほか、流通する高圧ガスボンベ(容器)の貯蔵や取扱い等に関しても、指導が行き届いていなかった。

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【様式2】

円 円 円

◆年間計画に基づく立入検査を実施するとともに重大な法令違反に対して徹底した是正指導を行う。◆小規模雑居ビルの集中する繁華街での夜間一斉立入検査等、効果的な立入検査を実施する。

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・特定防火対象物に対する立入検査等延べ回数16,185回(うち夜間156回)・特定防火対象物に対する違反是正件数 防火管理者未選任:330件 消防用設備等未設置:248件

業績目標の達成状況・特定防火対象物のうち防火管理者未選任対象物数:23・特定防火対象物のうち消防用設備等未設置対象物数:339

①(ⅰ)改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆特定防火対象物のうち防火管理者未選任対象物数を年度末において150以下にする。

◆特定防火対象物のうち消防用設備等未設置対象物数を年度末において400以下にする。

【撤退基準】◆防火管理者未選任対象物数が244(過去3年の最大値)以上又は消防用設備等未設置対象物数が640(過去3年の最大値)以上となれば、事業を再構築する。

前年度までの実績【平成27年度の実績】(※左図参照)

◆防火管理者未選任対象物数43(=年度当初165+新規369-年度内是正数491)◆消防用設備等未設置対象物337(=年度当初431+新規244-年度内是正数338)

a:順調b:順調でない

具体的取組2-1-1 【査察体制の充実】

26決算額 3百万 27予算額 2百万 28予算額 2百万

自己評価

戦略のアウトカムに対する有効性

アア:有効であり、継続して推進イ:有効でないため、戦略を見直す

課題  ※有効性が「イ」の場合は必須

消防法令上安全性の高い特定防火対象物の割合:88.7%(18,953/21,362)

A立入検査を実施した保安3法規制対象施設における法令適合施設の割合:91.3%(3,210/3,517)

A今後の対応方向  ※有効性が「イ」の場合は必須

―A:順調 B:順調でない

戦略の進捗状況 a

―アウトカムの達成状況 前年度 個別 全体

88.6%

89.2%

計画

めざす状態<概ね3~5年間を念頭に設定> 戦略<中期的な取組の方向性>

◆特定防火対象物において消防法令上安全性の高い対象物の割合を高める。*消防法令上安全性の高い特定防火対象物とは、次の条件を満たす対象物をいう。 ・防火管理者が選任されていること ・消防用設備等が設置されていること

 ・消防訓練が実施されていること

◆保安3法規制対象施設における自主保安体制の確立を促進する。

◆防火管理者の未選任や消防用設備等の未設置等、重大な消防法令違反がある特定防火対象物に対しては、消防法上の権限を適切に行使し、徹底した違反是正に取り組む。

◆特定防火対象物のうち防火管理者の選任が義務づけられている対象物においては、火災や地震等の災害発生時に的確な初動措置が確実になされるよう消防訓練の定期的な実施の定着を図るとともに、消防訓練が実施できていない対象物に対する指導を徹底し、自主防火・防災管理体制の構築を推進する。

◆保安3法規制対象施設への立入検査を計画的に実施し、事業所の実態を詳細に把握して自主保安活動を支援する。

アウトカム<めざす状態を数値化した指標>

◆消防法令上安全性の高い特定防火対象物の割合(平成28年度末) 85%以上◆法令違反がなく自主保安体制が確立されていると判断できる保安3法規制対象施設の割合 平成28年度末までに85%以上

めざす成果及び戦略 2-1 【事業所の防火・防災管理の徹底】

《平成27年度の実績》

◎ 防火管理者未選任対象物数(28年3月末:43件)

違反件数

是正件数

年度末件数(計43件)

◎ 消防用設備等未設置対象物数(28年3月末:337件)

違反件数

是正件数

年度末件数(計337件)

27年度当初

165件

27年度新規発生

369件

165件(100%)

←0件 43件

326件(88%)

27年度当初

431件

219件

27年度新規発生

244件

212件(49%)

118件

126件(52%)

-2-

Page 8: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

円 円 円

円 円 円

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

立入検査を実施した施設数:1,500(うち251施設に法令違反があり、101施設を是正済み)

業績目標の達成状況立入検査を実施した施設で法令適合施設の割合:90.0%(1,350/1,500)

①(ⅰ)改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆年間計画に基づく立入検査を実施し、施設における自主保安体制の確立を徹底する。

◆保安3法規制対象施設に対する是正指導に取り組み、立入検査を実施した施設で法令適合施設 85%以上

【撤退基準】◆上記割合が75%未満であれば、事業を再構築する。

前年度までの実績

【平成27年度実績】◆立入検査を実施した施設での法令適合施設 89.0%

26決算額 1百万 27予算額 1百万 28予算額 1百万

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

具体的取組2-1-3 【保安3法規制対象施設に対する指導の徹底】

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

消防訓練実施対象物数:11,125

業績目標の達成状況特定防火対象物のうち防火管理者の選任が義務づけられている対象物における消防訓練実施率: 84.1%(11,125/13,226)

①(ⅰ)

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆特定防火対象物のうち防火管理者の選任が義務づけられている対象物に対して、消防訓練の定期的な実施を定着させるとともに地震対策の啓発を行う。

◆特定防火対象物のうち防火管理者の選任が義務づけられている対象物における消防訓練実施率 80%以上

【撤退基準】◆上記割合が70%未満であれば、事業を再構築する。

前年度までの実績

【平成27年度実績】◆消防訓練実施率84.0%

【平成28年度9月末実績】◆消防訓練実施率49.9%

26決算額 143百万 27予算額 144百万 28予算額 143百万

具体的取組2-1-2 【消防訓練指導の強化】

-3-

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【様式2】重点的に取り組む主な経営課題

経営課題3 【救命の連鎖の強化による救命率の向上】

計 画

めざすべき将来像(最終的なめざす状態)<概ね10~20年間を念頭に設定>

高齢化の進展等により全国的にも救急件数が増加傾向にある中、救命の連鎖の強化に市民や関係機関と共に取り組むことで心肺停止傷病者に対する救命率を向上させることにより、「市民が安心して暮らせるまち」をめざす。

現状(課題設定の根拠となる現状・データ)

◆平成26年中の大阪市内における「事故種別救急出場件数」及び「傷病程度別搬送人員」については、図1及び図2のとおりである。

   図1                         図2

◆図3及び図4のとおり、救急搬送者のうちほぼ半数は高齢者の方で、その割合は年々増加しており、家庭内での転倒・転落や浴槽での溺水等の事故についても高齢者の方が特に多い。

   図3                        図4

◆日常生活における救急事故を防ぐために、救急活動記録等のデータを分析、ケガや病気の発生原因や傾向、予防策などを市民の方に情報提供し、「少しの注意と心がけ」で事故や病気を未然に防ぐことを目的として「予防救急」の普及啓発に取り組んでいる。◆市民に対するアンケートでは、予防救急を知っていると答えた方のうち約7割は、その情報を知ることにより予防救急に注意して生活するようになったという結果が出ている。

◆平成21年10月に「救急安心センター」を開設し、医師の支援体制のもと、相談員及び看護師が24時間・365日、市民等からの病院問い合わせや救急医療相談に対応して、緊急に必要がある場合には速やかに救急車を出場させる体制を整備している。◆平成26年中の「救急安心センター」の着信件数は252,530件で、そのうち救急出場が必要と判断されたものが3,798件(うち大阪市1,518件)、さらに、大阪市で救急搬送の結果、緊急入院となった傷病者は421人であった。◆小児科領域の病気やケガについて、市民がより簡便に緊急度を判断できるよう、平成27年9月9日からスマートフォン専用の「小児救急支援アプリ」の運用を開始した。

◆市民等の自主救護能力の向上を図り救命効果を高めるため、市民や事業所の従業員等を対象として「救命入門コース・普通救命講習・上級救命講習」を消防署などで定期的に開催するほか、事業所等に出向いて開催するなど、より受講しやすいよう取り組んでいる。◆平成24年10月にパソコンやスマートフォンで「応急手当」を繰り返し学べるWEBサイトを開設し、平成26年度からは英語版と聴覚障がい者向けのサイトを加えるなど、あらゆる方々が応急手当を学べる環境づくりに努めている。

◆「心肺機能停止傷病者」に対して、一般市民による応急手当が行われた場合の1ヵ月後生存率は、行われなかった場合と比べて高く、一般市民による迅速な応急手当は、救命や社会復帰のために非常に重要である。(応急手当が行われた場合の1ヵ月生存率は14.8%、行われなかった場合の1ヵ月生存率は8.9%(平成25年中全国統計結果、総務省消防庁))◆本市では、平成26年中に救急搬送した「心肺機能停止傷病者」に対して、一般市民による応急手当が行われた割合は44.1%であった。(平成25年中))

◆本市では、平成26年中に救急搬送した「一般市民により目撃のあった心原性心肺機能停止傷病者」の1ヵ月後生存率は15.2%であった。(全国平均11.9%(平成25年中))

◆平成27年10月1日現在、25消防署と25出張所に60救急隊を分散配置し、救急隊員600人のうち救急救命士を394人(気管挿管救命士:207人、薬剤投与救命士:321人、ビデオ挿管救命士:54人、拡大処置が行える救命士:144人)を配置し、常時救急救命士が60隊の救急車に乗車する体制を確立している。*拡大処置とは、平成26年4月の「救急救命士法施行規則の一部を改正する省令」の施行により、新たに救急救命士が行えることとなった血糖値測定及びブドウ糖溶液の投与、ショック状態の傷病者に対する輸液処置をいう。

年齢層別家庭内での事故による搬送者等※

の割合(平成26年中)

65歳未満

36.5%

65歳以上

63.5%

※搬送者等:搬送人員に現場処置を実施した人員を加えたもの

平成26年中

救急出場件数

218,281件

急 病

145,691件

(66.7%)

一般負傷

34,545件

(15.8%)

交通事故

16,762件

(7.7%)

加 害

3,140件

転院搬送

11,043件

自損行為

2,545件

火 災

1,054件労働災害

1,384件

その他

2,117件

事故種別救急出場件数

平成26年中

搬送人員

176,408人

軽 症

105,394人

(59.7%)

中等症

67,989人

(38.5%)

重症1,367人

(0.8%)

死亡1,765人

(1.0%) 不詳3人

傷病程度別搬送人員

-1-

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【様式2】

◆予防救急を普及させるために、さらなる情報発信に努める必要がある。◆実は重症であるにも関わらず、自分自身ではそれほど重篤な症状ではないと判断しているケースがある。◆心肺機能停止傷病者に対するバイスタンダー(救急現場に居合わせた人)の応急手当実施率を向上させる必要がある。◆全60隊の救急車に救急救命士が常時乗車する体制は確立しているものの、全救急救命士がすべての救急救命処置を行える体制にする必要がある。

課題<上記要因を解消するために必要なこと>

◆救命の連鎖の強化による救命率の向上 ・予防救急の推進 ・救急安心センター事業の推進 ・応急手当の普及啓発 ・高度な処置が行える救急救命士の養成

 

自己評価

戦略の進捗状況を踏まえた経営課題全体としての評価結果の総括

 具体的取組のうち、業績目標を達成できなかったものが一部あり、また、救命率は前年度より2.1%減少したものの、全国の平均救命率13.0%(平成27年)を上回っており、各具体的取組が効果を発揮しているものと認識している。次年度以降も継続して各具体的取組を推進していく。

計 画

◆平成26年中の大阪市内における「事故種別救急出場件数」及び「傷病程度別搬送人員」については、図1及び図2のとおりである。

   図1                         図2

◆図3及び図4のとおり、救急搬送者のうちほぼ半数は高齢者の方で、その割合は年々増加しており、家庭内での転倒・転落や浴槽での溺水等の事故についても高齢者の方が特に多い。

   図3                        図4

◆日常生活における救急事故を防ぐために、救急活動記録等のデータを分析、ケガや病気の発生原因や傾向、予防策などを市民の方に情報提供し、「少しの注意と心がけ」で事故や病気を未然に防ぐことを目的として「予防救急」の普及啓発に取り組んでいる。◆市民に対するアンケートでは、予防救急を知っていると答えた方のうち約7割は、その情報を知ることにより予防救急に注意して生活するようになったという結果が出ている。

◆平成21年10月に「救急安心センター」を開設し、医師の支援体制のもと、相談員及び看護師が24時間・365日、市民等からの病院問い合わせや救急医療相談に対応して、緊急に必要がある場合には速やかに救急車を出場させる体制を整備している。◆平成26年中の「救急安心センター」の着信件数は252,530件で、そのうち救急出場が必要と判断されたものが3,798件(うち大阪市1,518件)、さらに、大阪市で救急搬送の結果、緊急入院となった傷病者は421人であった。◆小児科領域の病気やケガについて、市民がより簡便に緊急度を判断できるよう、平成27年9月9日からスマートフォン専用の「小児救急支援アプリ」の運用を開始した。

◆市民等の自主救護能力の向上を図り救命効果を高めるため、市民や事業所の従業員等を対象として「救命入門コース・普通救命講習・上級救命講習」を消防署などで定期的に開催するほか、事業所等に出向いて開催するなど、より受講しやすいよう取り組んでいる。◆平成24年10月にパソコンやスマートフォンで「応急手当」を繰り返し学べるWEBサイトを開設し、平成26年度からは英語版と聴覚障がい者向けのサイトを加えるなど、あらゆる方々が応急手当を学べる環境づくりに努めている。

◆「心肺機能停止傷病者」に対して、一般市民による応急手当が行われた場合の1ヵ月後生存率は、行われなかった場合と比べて高く、一般市民による迅速な応急手当は、救命や社会復帰のために非常に重要である。(応急手当が行われた場合の1ヵ月生存率は14.8%、行われなかった場合の1ヵ月生存率は8.9%(平成25年中全国統計結果、総務省消防庁))◆本市では、平成26年中に救急搬送した「心肺機能停止傷病者」に対して、一般市民による応急手当が行われた割合は44.1%であった。(平成25年中))

◆本市では、平成26年中に救急搬送した「一般市民により目撃のあった心原性心肺機能停止傷病者」の1ヵ月後生存率は15.2%であった。(全国平均11.9%(平成25年中))

◆平成27年10月1日現在、25消防署と25出張所に60救急隊を分散配置し、救急隊員600人のうち救急救命士を394人(気管挿管救命士:207人、薬剤投与救命士:321人、ビデオ挿管救命士:54人、拡大処置が行える救命士:144人)を配置し、常時救急救命士が60隊の救急車に乗車する体制を確立している。*拡大処置とは、平成26年4月の「救急救命士法施行規則の一部を改正する省令」の施行により、新たに救急救命士が行えることとなった血糖値測定及びブドウ糖溶液の投与、ショック状態の傷病者に対する輸液処置をいう。

要因分析(現状・データから導かれる分析結果)<めざすべき将来像と現状に差が生じる要因>

応急手当の普及啓発高度な処置が行える

救急救命士の養成予防救急の推進 救急安心センター事業の推進

けがや病気の予防けがや病気の

発生時の判断と対応

市民による

適切な応急手当高度な救命処置

少しの注意と心がけで防ぐこ

とのできるけがや病気は、心

停止を招く深刻なものから打

撲などの緊急度の低いものま

で多岐にわたる。

これらについて、未然防止や

悪化防止の意識を啓発すると

ともに具体的な予防策等の情

報発信に取り組む。

突然の病気やケガの際に、緊

急性がある場合には、迷わず

119番通報し救急車を要請

する必要があるが、病院に

行った方がいいのか?救急車

を呼んだ方がいいのか?判断

に困った場合には、救急安心

センターで緊急性を判断し、

緊急性がある場合は救急車を

出場させ、「潜在する重症

者」を救護する。

心停止の可能性を認識したら、

適切な119番通報を行い、

心肺蘇生法を行うことが傷病

者の社会復帰において重要な

役割を果たす。

そのために、市民の自主救護

能力の向上を図り、救命効果

を高めるため、応急手当の普

及啓発を推進する。

救急活動の質のさらなる向上

を図り、傷病者の救命や予後

の改善を目指し、高度な処置

を傷病者の症状に応じて迅速

かつ適切に実施できる救急救

命士を養成する。

-2-

Page 11: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

円 円 円

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・大阪市防火管理協会機関紙への掲載(10回・各7,500部)・予防救急に関する講習会・イベント等の開催(23回・11,216人)・ラジオでの広報活動(62回)・リーフレット・冊子等を配布(約12万部)・予防救急に関する情報をホームページにより発信

業績目標の達成状況市民に対するアンケートにおいて、ケガや病気を未然に防ぐ心がけや行動を取る予防方法を知っていると回答した市民の割合:68.2%

①(ⅰ)

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

―①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ)課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

具体的取組3-1-1 【予防救急の推進】

26決算額 1百万 27予算額 1百万 28予算額 1百万

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆ケガや病気の未然防止や悪化防止の意識を啓発するため、具体的な予防策等をホームページや普通救命講習等を通じて情報発信する。

◆市民に対するアンケートにおいて、ケガや病気を未然に防ぐ具体的な予防策を知っていると回答した市民の割合50%以上

【撤退基準】◆上記割合が40%未満であれば、事業を再構築する。

前年度までの実績

【平成27年度実績】市民に対するアンケートにおいて、ケガや病気を未然に防ぐ予防策を知っていると回答した市民の割合 60.6%

自己評価

戦略のアウトカムに対する有効性

アア:有効であり、継続して推進イ:有効でないため、戦略を見直す

課題  ※有効性が「イ」の場合は必須

アウトカムの達成状況 前年度 個別

今後の対応方向  ※有効性が「イ」の場合は必須

◆市民等に目撃された心原性心肺停止傷病者の救命率を平成30年までに18%以上をめざす。(平成26年中実績15.2%)

16.4%

めざす成果及び戦略 3-1 【救命の連鎖の強化】

計画

めざす状態<概ね3~5年間を念頭に設定> 戦略<中期的な取組の方向性>

◆心肺停止傷病者に対する救命率の維持、向上◆市民に対する予防救急の推進と救急安心センター事業の推進を図り、応急手当の普及啓発、高度な処置が行える救急救命士の養成と救急隊員の能力向上により救命の連鎖を強化することで、心肺停止傷病者に対する救命率を向上し、「市民が安心して暮らせるまち」をめざす。アウトカム<めざす状態を数値化した指標>

A:順調 B:順調でない

戦略の進捗状況 ba:順調b:順調でない

全体市民等に目撃された心原性心肺停止傷病者の救命率14.3%

-3-

Page 12: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

円 円 円

円 円 円

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆市民や事業者が受講しやすいよう様々なニーズに応じた救命入門コース、普通救命講習、上級救命講習等の救命講習(約3000回/年)を開催する。

◆市民や事業者自らが指導者となって応急手当の普及啓発に取り組んでいただけるよう応急手当普及員の育成を推進する。

◆心肺機能停止傷病者に対するバイスタンダーの応急手当実施率41.2%(過去3年間の平均値)以上

【撤退基準】◆上記割合が39.3%(過去3年間の最低値)未満であれば、事業を再構築する。

前年度までの実績

【過去3年間の平均】◆心肺機能停止傷病者に対するバイスタンダーの応急手当実施率41.2%

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ)課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

具体的取組3-1-3 【応急手当の普及啓発】

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・後期高齢者医療制度のしおりへの掲載(府内各市町村の窓口に約8万部、後期高齢者個人への郵送約124万部)・母子健康手帳(約3万部)及び副読本の育児書(約10万部)への掲載・子育ていろいろ便利帳への掲載(約4万2千部)・ひとり親家庭等サポートブックへの掲載(4万部)・救命講習や消防訓練指導、防火訪問等の実施時にリーフレット等を配布

※以上の普及啓発活動の結果、対応着信件数(平成28年中)は256,527件となり、そのうち救急車の必要ありと判断し、潜在する重症者を救護した事案は、5,016件(前年比487件増)となった。

26決算額 69百万 27予算額 68百万 28予算額 68百万

・救急安心センター事業を知っていると回答した人の割合は、おおむね業績目標に近い数値となっているが、今後はより効果的な広報をしていく必要がある。・救急安心センターを利用して役に立ったと回答した人の割合は、目標の90%に達していないものの80%を超えており、市民の事業に対する期待値は引き続き高いことから、今後より一層、事業の質を高めていく必要がある。

業績目標の達成状況・市民に対するアンケートにおいて、救急安心センター事業を知っていると回答した人の割合:46.8%・市民に対するアンケートにおいて、救急安心センターを利用して役に立ったと回答した人の割合:82.1%

②(ⅰ)

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・認知度については、府内消防本部と検討会議を開催し、より効果的な広報を検討し、実行していく。・有用度については、多くの着信に対応するため、システム機器を更新し、平成28年度当初から新しい執務室で運用したところであり、今後は、救急安心センタースタッフの教育・研修をより一層充実させて、対応能力の向上を図る。

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆救急医療相談や救急病院の案内により、心停止等につながる潜在する重症者を救護するとともに、ホームページ等を通じて、救急安心センター事業に対する市民の理解を深め、突然の病気やケガで困った時に役立つツールとしての利用促進を図る。

◆市民に対するアンケートにおいて、救急安心センター事業を知っていると回答した人の割合(認知度) 50%以上◆市民に対するアンケートにおいて、救急安心センターを利用して役に立ったと回答した人の割合(有用度) 90%以上

【撤退基準】◆上記割合が、認知度40%未満又は有用度80%未満であれば事業を再構築する。

前年度までの実績

【平成27年度実績】◆認知度41.5%(市政モニターアンケート実施結果)◆有用度87.8%(民間ネット調査を活用したアンケート実施結果)

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ)課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

具体的取組3-1-2 【救急安心センター事業の推進】

26決算額 191百 27予算額 226百 28予算額 194百

-4-

Page 13: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

円 円 円

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

 年間計画に基づき、病院及び高度専門教育訓練センターにおいて、ビデオ挿管、薬剤投与及び処置拡大(血糖値測定、ブドウ糖溶液の投与、ショック状態の傷病者に対する輸液処置)が行える救急救命士を養成。

 気管挿管救命士の養成は17人で、目標の20人に達することができなかった。養成には気管挿管の実習を病院内で30症例実施する必要があるが、実習対象となる症例の絶対数が少なく30症例の確保が困難な病院がある。

業績目標の達成状況・ビデオ挿管:20人・気管挿管:17人・薬剤投与:20人・処置拡大:50人

②(ⅰ)

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

 今年度、気管挿管実習の受入れ病院を3箇所追加したが目標に達しなかったことから、今後更に新たな受入れ病院を確保するとともに、複数病院の連携により養成していくなどの対策をとる。

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆高度な処置が行える救急救命士の養成*高度な処置 ・ビデオ挿管 ・気管挿管 ・薬剤投与 ・血糖値測定及びブドウ糖溶液の投与 ・ショック状態の傷病者に対する輸液処置

◆高度な処置が行える救急救命士の養成 ・ビデオ挿管救命士の養成目標数 20人 ・気管挿管救命士の養成目標数 20人 ・薬剤投与救命士の養成目標数 20人 ・血糖値測定及びブドウ糖溶液の投与並びにショック  状態の傷病者に対する輸液処置が行える救命士の  養成目標数 50人

【撤退基準】◆実績が目標値の80%未満であれば、事業を再構築する。

前年度までの実績

【平成27年度実績】◆養成済人数 ・ビデオ挿管救命士 20人 ・気管挿管救命士  17人 ・薬剤投与救命士  20人 ・血糖値測定及びブドウ糖溶液の投与並びにショック状  態の傷病者に対する輸液処置が行える救命士  50人

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ)課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

具体的取組3-1-4 【高度な処置が行える救急救命士の養成】

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

・市民や事業者が受講しやすいよう様々なニーズに応じた救命入門コース、普通救命講習、上級救命講習等の救命講習を開催:2,916回/年・市民や事業者自らが指導者となって応急手当の普及啓発に取り組んでいただけるよう応急手当普及員の講習を開催:27回/年

26決算額 44百万 27予算額 48百万 28予算額 46百万

業績目標の達成状況心肺機能停止傷病者に対するバイスタンダーの応急手当実施率43.2% ①(ⅰ)

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

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Page 14: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

課題<上記要因を解消するために必要なこと>

◆次世代の防火・防災の担い手の育成◆地域防災力向上の要となる指導者の育成◆各地域の特性、防災上の課題等に応じた地域主体の防火・防災訓練の推進◆地域全体に広がりが期待される防火・防災訓練の推進

自己評価

戦略の進捗状況を踏まえた経営課題全体としての評価結果の総括

 具体的取組の業績目標はすべて達成したことから、戦略は順調に進捗したと認識している。市民の防火防災意識についても各種、各年代に応じた防災研修を実施することにより更なる向上が図られ、災害発生時には的確に対応できる市民を育成する取組は順調である。

重点的に取り組む主な経営課題

経営課題4 【防火・防災に関する知識・技術の普及】

計 画

めざすべき将来像(最終的なめざす状態)<概ね10~20年間を念頭に設定>

 日常生活を脅かす火災や事故等の災害、また、発生が危惧される南海トラフ巨大地震等の大規模災害に対し、市民一人ひとりが災害発生時に的確に対応できる「災害に強いまち」をめざす。

現状(課題設定の根拠となる現状・データ)

◆阪神・淡路大震災においては、地域住民が協力し合って、初期消火を行い延焼を防止した事例や、救助作業を行い人命を救助した事例等が数多くみられた。*生き埋めや閉じ込めに対する救助作業:自助・共助(家族・隣人等)による作業 約98% / 公助(救助隊等)による作業 約2%(出典)社団法人日本火災学会「兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書」(標本調査・神戸市内)

◆東日本大震災以後、地域における自主的な防災活動の重要性が改めて認識され、自主防災組織の結成促進や活動活性化の取組みが全国各地で行われている。

◆本市では、南海トラフ巨大地震等の大規模災害が発生した場合に、その人的被害及び経済的被害を最小限にするため、「大阪市地域防災計画(平成26年10月)」、「大阪市防災・減災条例(平成27年2月)」及び「大阪市地域防災アクションプラン(平成27年9月)」を策定等している。◆消防局では、「市民防災研修アクションプラン」を作成し、阿倍野防災センター、高度専門教育訓練センター及び各消防署において、それぞれの施設の特徴を活かして、市民の様々な層に応じた防火・防災研修を推進しており、特に青少年層に対する研修に重点的に取り組んでいる。◆市内全区で組織化されている「地域防災リーダー」に対し、消火、救出、救護などの実践的な技術指導を行っており、また、各消防署単位で設置する「女性防火クラブ」と協働して住宅防火等に取り組んでいる。

◆津波による浸水被害や水害発生の危険性等、防災上の課題は各区で異なっている。

要因分析(現状・データから導かれる分析結果)<めざすべき将来像と現状に差が生じる要因>

◆被害想定の公表等による市民の危機意識の高まり

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【様式2】

円 円 円

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

平成28年度中の中学校実績:141校/155校

業績目標の達成状況防火・防災研修を実施した中学校において、防火・防災に関する理解が深まったと回答 96% ①(ⅰ)

【平成25年度からの実績:H25年度~H27年7月】◆中学校の防火・防災研修実績 148校/155校で実施

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆市内の中学校との連携を図り、3年ですべての中学校において防火・防災研修を実施する。 (平成28年~平成30年度)

◆課外授業等における阿倍野防災センターの活用促進について、教育委員会事務局及び各中学校への働きかけを行う。

◆段階的な育成に向け、幼稚園、小学校にあっては、従前どおり、各消防署が作成する防災研修推進計画に基づき、引き続き、防火防災啓発を進める。

◆平成28年度中に防火・防災研修を実施した中学校において、研修により防火・防災に関する理解が深まったと回答した中学生の割合 80%以上

【撤退基準】◆上記割合が70%未満であれば、事業を再構築する。

前年度までの実績

具体的取組4-1-1 【青少年層に対する防火・防災研修の充実強化】

26決算額 4百万 27予算額 4百万 28予算額 4百万

自己評価

戦略のアウトカムに対する有効性

アア:有効であり、継続して推進イ:有効でないため、戦略を見直す

課題  ※有効性が「イ」の場合は必須

各地域で実施した防火・防災研修受講者、訓練参加者が必要な知識・技術が高まったと回答 98%

今後の対応方向  ※有効性が「イ」の場合は必須

―A:順調 B:順調でない

戦略の進捗状況 a

アウトカムの達成状況 前年度 個別 全体

96.5%

a:順調b:順調でない

計画

めざす状態<概ね3~5年間を念頭に設定> 戦略<中期的な取組の方向性>◆地域の防火・防災の担い手となる人材を育成して市民の災害対応力を強化する。 ◆将来の地域防災の担い手の防火・防災意識の向上と技術

の習得を図るため、戦力として期待される中学生を対象とした防火・防災研修を重点的に実施するとともに、阿倍野防災センターへの市内中学生の利用を促進する。

◆地域防災リーダーが指導者として防火・防災訓練に取り組んでいただけるよう、高度で専門的な技術を取得する「地域防災リーダーアドバンストコース」を実施する。

◆地域における様々な層の防災の担い手が連携して取り組む地域の防火・防災訓練を技術面で支援し、市民の災害対応力の強化を図る。

アウトカム<めざす状態を数値化した指標>◆防火・防災研修を受講したことで、災害発生時に必要な初期消火や早期の通報、避難等に関する知識・技術が高まったと回答した市民を平成28年度に70%以上にする。

めざす成果及び戦略 4-1 【市民の災害対応力の強化】

平成28年度 平成29年度 平成30年度

中学生 52校 52校 51校

※市内中学校数155校/生徒数約68,000人

平成28年度 平成29年度 平成30年度

中学生 52校 52校 51校

※市内中学校数155校/生徒数約68,000人

平成28年度 平成29年度 平成30年度

中学生 52校 52校 51校

※市内中学校数155校/生徒数約68,000人

平成28年度 平成29年度 平成30年度

中学生 52校 52校 51校

※市内中学校数155校/生徒数約68,000人

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Page 16: 【様式2】 重点的に取り組む主な経営課題 · ・戸別訪問による防火指導実施件数:574,995戸 ・放火火災に関する地域住民等への情報提供件数130件、消防隊巡

【様式2】

円 円 円

円 円 円

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

(平成28年度)各地域において、様々な層の防災の担い手が連携して取り組んだ防火・防災訓練 337回 ―

業績目標の達成状況防火・防災訓練において、消防署による技術指導などの支援が役に立ったと回答した割合 95%

①(ⅰ)改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆各区役所や地域団体等との連携を図り、地域における防火・防災訓練が地域特性に応じたものとなるよう、また、様々な層の防災の担い手(地域防災リーダー、女性防火クラブ、小中学生、事業所等)が可搬式ポンプ等の防災資器材の操作等に連携して取り組めるよう、きめ細やかな技術指導を行うなど、地域の防火・防災訓練を支援する。

◆各地域の防火・防災訓練において、消防署による技術指導などの支援が役に立ったと回答した割合 70%以上

【撤退基準】◆上記割合が60%未満であれば事業を再構築する。

前年度までの実績

26決算額 - 27予算額 - 28予算額 -

①:目標達成  (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった②:目標未達成 (ⅰ)取組は予定どおり実施 (ⅱ)取組を予定どおり実施しなかった③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

具体的取組4-1-3 【防火・防災訓練の充実強化】

自己評価

取組実績 課題  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

【平成28年度実績】受講者数 1,258人 ※198人が両コースを受講消火コース48回 694人 救助コース41回 762人 ―

業績目標の達成状況アドバンストコースを受講したことで、他の市民等に対する技術指導力が高まったと回答 74.5% ①(ⅰ)

改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

中間振り返り

業績目標の達成状況 ①(ⅰ) 課題と改善策  ※左記に「②、③」、「×」がある場合は必須

①:目標達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない②:目標未達成(見込) (ⅰ)取組は予定どおり進捗 (ⅱ)取組は予定どおり進捗していない③:撤退基準未達成

戦略に対する取組の有効性 ○○:有効×:有効でないため取組を見直す―:中間アウトカム未設定(未測定)

計画

取組内容 業績目標(中間アウトカム)

◆各区役所や地域団体との連携を図り、地域防災リーダーの中でも特に防火・防災に必要な初期消火班員、救出救護班員(約3,200人)を対象に、高度で専門的な技術を取得する「地域防災リーダーアドバンストコース」を平成28年度までの4年間、各年度800人に実施する。*地域防災リーダー数8,631人(平成27年4月1日現在:危機管理室)(各年度受講者数)

◆各年度の受講者のうち、アドバンストコースを受講したことで、他の市民等に対する技術指導力が高まったと回答した割合 70%以上

【撤退基準】◆上記割合が60%未満であれば事業を再構築する。

前年度までの実績【平成27年度実績】受講者数 1137人 ※188人が両コースを受講消火コース50回 688人 救助コース38回 637人

具体的取組4-1-2 【地域防災リーダーに対する実技研修の充実強化】

26決算額 - 27予算額 - 28予算額 -

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度

800人 800人 800人 800人

*養成数

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度

800人 800人 800人 800人

*養成数

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度

800人 800人 800人 800人

*養成数

平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度

800人 800人 800人 800人

*養成数

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