19
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 財務省は2003年8月、「2002年度における対外 及び対内直接投資状況」を公表した(届出・報告 ベース、全業種) *1 。本稿ではその概要ならびに 2002年度のわが国対外直接投資 *2 の特徴を、各種 報道資料等を踏まえ、業種や国・地域別に紹介す *3 第1章 「2002年度における対外及び対内直接投資状況」 (届出・報告ベース・全業種)によると、わが国 の2002年度の対外直接投資金額は44,175億円 *4 あり、2001年度(39,923億円)から10.7%増加 して、3年ぶりに対前年度比プラスに転じた *5 (図表1・図表2)。2002年度の対外直接投資の 状況は以下の通りである。 ) 業種別にみると、投資金額全体の約4割を占 める製造業は、化学、輸送機が増加したもの の、食糧、木材・パルプが大きく減少したこと から、対前年度比0.2%増の17,757億円と、前 年度と同じ水準に留まった。 一方、投資金額全体の約6割を占める非製造 財務省が2003年8月に公表した「2002年度における対外及び対内直接投資状況」(届出・報告ベー ス、全業種)によると、2002年度のわが国の対外直接投資金額は対前年度比で10.7%増加して44,175 億円となり、3年ぶりに対前年度比プラスに転じた。しかし、製造業の投資金額は対前年度比0.2% 増と本格的回復には至っておらず、金融・保険や不動産をはじめとした非製造業の投資に牽引される 形となっている。 Abstract The Ministry of Finance published the statistics on Japan’ s outward and inward foreign di- rectinvestmentinFY2002inAugust2003 . These statistics show that outward foreign direct in- vestmentfromJapaninFY2002amountedtoYen4,417billionandincreasedby10.7%fromthe previous year, turning to positive growth after an interval of three years. But the investment of the manufacturing industry which increased by only0.2% did not recover to fullscale, and the nonmanufacturing industry such as“Finance and Insurance”and“Real Estate”played a major role in the growth. 2002年度わが国の対外直接投資動向 (届出数字) 開発金融研究所 齊藤 *1 財務省ウェブサイト、http://www.mof.go.jp1c008 .htm *2 「外国為替及び外国貿易法」(外為法)上の対外直接投資とは、居住者が海外における外国法人の事業活動に参加するなど、当 該法人との間に永続的な経済関係を結ぶために外国法人の発行する株式などを取得すること、外国法人に金銭を貸し付けるこ と又は外国に支店や工場等を設置することにより行われるものであり、単なる資産運用を目的として行われるポートフォリ オ・インベストメント等とは区別されている(財務省、2002)。 *3 財務省からは、統計数字は公表されるが、個別企業の情報は公表されない。本稿は、昨年度の対外直接投資の特徴等を理解す るために、各種報道等から該当するであろう案件を類推して解説したものである。 *4 投資を行う際に財務省に提出された届出(原則として1億円相当額以下の取引は計上されない)等を基にグロス・ベースで集 計したもの。1998年4月の改正外為法施行により、従来の事前届出制から、原則事後報告・一部審査付事前届出制に移行さ れた(財務省、2002)。 *5 対内直接投資額については、対前年度比0.4%増の21,863億円とほぼ横ばいだった。うち株式取得額は同9.0%減の17,266億 円と4年ぶりの低水準となった。 4 開発金融研究所報

2002年度わが国の対外直接投資動向 (届出数字) - …...財務省は2003年8月、「2002年度における対外 及び対内直接投資状況」を公表した(届出・報告

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

財務省は2003年8月、「2002年度における対外

及び対内直接投資状況」を公表した(届出・報告

ベース、全業種)*1。本稿ではその概要ならびに

2002年度のわが国対外直接投資*2の特徴を、各種

報道資料等を踏まえ、業種や国・地域別に紹介す

る*3。

第1章 概 要

「2002年度における対外及び対内直接投資状況」

(届出・報告ベース・全業種)によると、わが国

の2002年度の対外直接投資金額は44,175億円*4で

あり、2001年度(39,923億円)から10.7%増加

して、3年ぶりに対前年度比プラスに転じた*5

(図表1・図表2)。2002年度の対外直接投資の

状況は以下の通りである。

� 業種別にみると、投資金額全体の約4割を占

める製造業は、化学、輸送機が増加したもの

の、食糧、木材・パルプが大きく減少したこと

から、対前年度比0.2%増の17,757億円と、前

年度と同じ水準に留まった。

一方、投資金額全体の約6割を占める非製造

要 旨

財務省が2003年8月に公表した「2002年度における対外及び対内直接投資状況」(届出・報告ベー

ス、全業種)によると、2002年度のわが国の対外直接投資金額は対前年度比で10.7%増加して44,175

億円となり、3年ぶりに対前年度比プラスに転じた。しかし、製造業の投資金額は対前年度比0.2%

増と本格的回復には至っておらず、金融・保険や不動産をはじめとした非製造業の投資に牽引される

形となっている。

Abstract

The Ministry of Finance published the statistics on Japan’s outward and inward foreign di-

rect investment in FY2002in August2003. These statistics show that outward foreign direct in-

vestment from Japan in FY2002amounted to Yen4,417billion and increased by10.7% from the

previous year, turning to positive growth after an interval of three years. But the investment of

the manufacturing industry which increased by only0.2% did not recover to full―scale, and the

non―manufacturing industry such as“Finance and Insurance”and“Real Estate”played a major

role in the growth.

2002年度わが国の対外直接投資動向

(届出数字)

開発金融研究所 齊藤 啓

*1 財務省ウェブサイト、http://www.mof.go.jp/1c008.htm*2 「外国為替及び外国貿易法」(外為法)上の対外直接投資とは、居住者が海外における外国法人の事業活動に参加するなど、当

該法人との間に永続的な経済関係を結ぶために外国法人の発行する株式などを取得すること、外国法人に金銭を貸し付けるこ

と又は外国に支店や工場等を設置することにより行われるものであり、単なる資産運用を目的として行われるポートフォリ

オ・インベストメント等とは区別されている(財務省、2002)。

*3 財務省からは、統計数字は公表されるが、個別企業の情報は公表されない。本稿は、昨年度の対外直接投資の特徴等を理解す

るために、各種報道等から該当するであろう案件を類推して解説したものである。

*4 投資を行う際に財務省に提出された届出(原則として1億円相当額以下の取引は計上されない)等を基にグロス・ベースで集

計したもの。1998年4月の改正外為法施行により、従来の事前届出制から、原則事後報告・一部審査付事前届出制に移行さ

れた(財務省、2002)。

*5 対内直接投資額については、対前年度比0.4%増の21,863億円とほぼ横ばいだった。うち株式取得額は同9.0%減の17,266億

円と4年ぶりの低水準となった。

4 開発金融研究所報

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(億円)�100,000

90,000

80,000

70,000

60,000

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

086 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02�(年度)�

(¥/US$)�90

110

130

150

170

190

210�

対外直接投資届出・報告額�うち製造業�為替レート(¥/$)�

業は、不動産業、商業等が大きく増加したこと

から、対前年度比19.2%増の26,041億円と

なった。このように、2002年度の対外直接投

資の増加は、ほぼ非製造業の増加に支えられた

ものであることが分かる。

� 地域別にみると(末尾の付表1、付表3)、

北米向けは、化学、電機、輸送機が軒並み対前

年度比40%以上の増加を示したことから、対

前年度比25.6%増(10,199億円)となった。

欧州向けは、金融・保険で大型案件があったこ

とから、同38.3%増(18,304億円)となった。

国別ではフランスが同1028.5%増(4,356億円)

と著しく増加した。一方で中南米向けは、多く

の業種で前年度を大きく下回り、同27%減

(6,999億円)となっている。

アジア向けは、製造業、非製造業の幅広い業

種で前年度を下回り、対前年度比15.7%減

(6,768億円)となった。国別ではインドが同

108.8%増(378億円)と、ピーク時(97年)

の約7割の水準にまで回復した。

図表2 対外直接投資額の推移(全業種、製造業)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」「財政金融統計月報」より国際協力銀行作成

図表1 対外直接投資額の推移 (単位:億円、件、%)

年 度 1993 1994 1995 1996 1997

対外直接投資額(全業種)

金 額 41,514 42,808 49,568 54,095 66,236対前年度比 △6.3 3.1 15.8 9.1 22.4件 数 3,488 2,478 2,863 2,501 2,495

うち製造業金 額 12,766 14,426 18,236 22,821 23,731対前年度比 △22.9 13.0 26.4 25.1 4.0件 数 1,390 1,233 1,589 1,229 1,079

円の対ドルレート(注) 107.79 99.30 96.30 112.46 122.59

1998 1999 2000 2001 200252,413 74,703 53,854 39,922 44,175

26.37 42.5 △27.9 △25.9 10.71,616 1,729 1,701 1,768 2,144

15,762 47,220 12,934 17,715 17,75750.6 199.6 △72.6 37.0 0.2

594 616 532 531 636128.25 111.56 110.45 121.54 119.85

注)「円の対ドルレート」は、インターバンク米ドル直物中心相場の年度平均出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

2003年9月 第17号 5

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(%)�60.0%�

50.0%�

40.0%�

30.0%�

20.0%�

10.0%�

0.0%�89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02�(年度)�

北米�

中南米�

アジア�

欧州�

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

� 投資件数*6(末尾の付表1)については対前

年度比21.3%増(2,144件)となった。2002年

度の新規案件は、前年度と比較して、欧州向け

(前年度859件→今年度1,157件)で大きく増

加し、北米向け(同上208件→229件)、アジア

向け(同上504件→534件)及び中南米向け(同

上153件→186件)で微増している。

アジア向けでは輸送機向けが好調なことを背

景に製造業が投資件数全体の約7割を占めるの

に対し、欧州向けでは金融・保険業が牽引する

格好で非製造業が約9割を占めている。

� 形態別では、直接投資の大きな部分を占める

「株式・持分の取得」(対前年度比15.7%増、

35,250億円)が3年ぶりに対前年度比プラス

に転じた(図表3)。また、「貸付」金額は減少

した(同6%減、8,547億円)ものの、件数は

大きく増加し(同26.5%増、1,434億円)、過

去10年間では93年(1,925件)、97年(1,452件)

に次ぐ水準となっている。

*6 財務省統計上の件数については、株式・持分の取得は現地法人の新設または新規資本参加があった場合のみ計上、貸付は新規

案件のみ計上(社債の取得を含む)、支店設置・拡張は新規案件のみ計上される扱いとなっている(梅田・宇都宮、2003)。

図表3 対外直接投資実績の推移 (単位:件、億円)

株式・持分の取得 貸 付 支店設置・拡張 合 計

件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額

1993年度 1,530 27,525 1,925 13,690 33 299 3,488 41,514

1994年度 1,203 29,694 1,236 12,710 39 404 2,478 42,808

1995年度 1,498 33,749 1,332 14,881 33 938 2,863 49,568

1996年度 1,228 40,517 1,254 12,430 19 1,149 2,501 54,095

1997年度 1,032 50,348 1,452 15,183 11 705 2,495 66,236

1998年度 514 32,767 1,096 19,188 6 457 1,616 52,413

1999年度 610 63,124 1,113 11,350 6 229 1,729 74,703

2000年度 642 46,056 1,056 7,521 3 277 1,701 53,854

2001年度 628 30,472 1,134 9,095 6 355 1,768 39,922

2002年度 703 35,250 1,434 8,547 7 377 2,144 44,175

注)1.計数は報告・届出ベース。2.件数は、「株式・持分の取得」は現法の新設又は新規資本参加があった場合のみ計上、「貸付」は新規案件のみ計上(社債の取得を

含む)、「支店設置・拡張」は新設案件のみ計上。3.金額は単位未満四捨五入。

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

図表4 地域別構成比の推移(全業種)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

6 開発金融研究所報

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(%)�70.0%�

60.0%�

50.0%�

40.0%�

30.0%�

20.0%�

10.0%�

0.0%�89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 (年度)�

北米�

アジア�

欧州�中南米�

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

第2章 国・地域別動向

2002年度の対外直接投資金額を地域別(全業

種)に比較すると(図表4・図表5)、北米向け

(対前年度比25.6%増)、欧州向け(同38.3%増)

は前年度から大きく増加した。一方で、アジア向

け(同15.7%減)、中南米向け(同27%減)は、

前年度の規模を下回っている。地域別特徴は次の

通り。

(1)北米向け投資

近年、北米向け投資(全業種)は、米国の同時

テロやIT景気の後退で縮小傾向にあったが、

2002年度は対前年度比25.6%増の10,199億円

と、回復した。

また、従来、総投資額で大きな割合を占めてい

た非製造業が低調な一方で、製造業投資が対前年

度比44.6%増の6,231億円と大きく増加して、総

投資額の約6割を占めた。

業種別内訳を見た場合、製造業向け投資では、

化学向け(対前年度比112.3%増、1,361億円)、

電機向け(同73.7%増、2,999億円)及び輸送機

向け(同40.5%増、808億円)が大きく増加して

いる(図表6)。具体的な投資案件としては、国

内日用品メーカーが、米国のヘアケア用品メー

カーを買収した案件*7(540億円)が発表されて

いる*8。電機向け投資の増加は、国内電機メー

カーによる米国電機メーカーのHDD*9事業の買

収案件*10が寄与したと見られる。輸送機向け投

資は、米国での国内自動車メーカーの既存工場の

生産ライン拡大や新工場設立の投資が相次いで行

われた上、ブレーキ摩擦材や鋳鉄製シリンダーラ

イナ等の自動車部品会社の進出も増加しており、

北米の輸送機向け投資は引続き順調に推移してい

る。

他方、非製造業向け投資では、運輸向け投資が

増加しており(対前年度比58%増、458億円)、

国内通信会社による米国子会社への資金支援案

件*11や、国内海運会社が米港湾ターミナル会社

を買収した案件*12が注目される。

*7 海外で自社ブランドを定着させるために、高級ブランドを扱う米国メーカーを買収した(日本経済新聞、2002年8月2日)。

*8 米国では小売分野でウォルマートなど特定企業の市場支配力が高く、メーカーはブランド力を強化し、一定規模以上の売上を

確保しなければ対等な立場で納品できないという状況にある(日本経済新聞、2002年8月2日)。

*9 HDDはパソコン等に接続し大量の情報を記録することができ、今後デジタル家電分野での利用増が見込まれている。

*10 今後3年間の分割払いとして20億5千万ドルで買収予定(関連会社プレスリリース、http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/2002/0604b/index.html)。

*11 財務体質の改善を目的とし、2003年のEBITDA(税引き前利益)での黒字化を絶対条件に支援を行った(日刊工業新聞、2002

年12月20日)。

*12 国際物流戦略の強化を目指す。買収額は200億円程度とみられる。日本経済新聞(2002年9月13日)を参考にした。

図表5 地域別構成比の推移(製造業)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

2003年9月 第17号 7

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(年度)�

1998

1999

2000

2001

2002

食糧� 繊維� 木材・パルプ� 化学� 鉄・非鉄� 機械� 電機� 輸送機� その他�

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

(2)欧州向け投資

欧州向け投資(全業種)は、対前年度比38.3%

増(18,304億円)と大きく増加し、前年度に引

続き最大の投資先地域となった。増加の主な要因

としては、金融・保険の増加(同49.2%増、

8,264億円)が大きい。これは同時多発テロやイ

ラク関係でリスクの上昇した米国を回避して欧州

に資金が流入したものと推測される*13・14。アイル

ランドでは 対 前 年 度 比702.6%増(1,220億

円)*15・16、英国では同29.1%増(3,615億円)、オ

ランダでも同22.6%増(2,809億円)となってい

る。

欧州向け製造業投資は、対前年度比0.5%増の

6,025億円となった。

業種別内訳を見た場合、電機向けが対前年度比

49.5%減(492億円)と大幅に減少したが、これ

は1999年度(722億円)、2000年度(512億円)と

投資が減少傾向にある中で、2001年度(975億円)

に突出した案件があった影響と見られる。輸送機

向けは、アライアンス強化計画の一環で国内自動

車メーカーが仏自動車メーカーに出資した大型案

件*17が見られたものの、対前年度比11.2%減

(3,576億円)となった。ただ、投資金額が減少

する中で、投資件数は同86.7%増(28件)と大

きく増加した。これは、2001年度に、国内自動

車メーカーが東欧市場の拡大を睨み、チェコや

ポーランドで大型工場建設に着工したことを受け

て、自動車部品メーカーが相次いで欧州での現地

生産強化を目的とした投資を行ったためと考えら

れる。実際に、チェコやハンガリーではディーゼ

*13 日本経済新聞経済教室(2003年3月11日)による。

*14 全世界の金融向け投資は対前年度比16%増(15,604億円)であり、欧州向けの成長率の高さがわかる。また、欧州の占める

割合も対前年度比28.6%増(53.0%)となっている。

*15 首都ダブリンの金融特区では「キャプティブ」と呼ばれる自家再保険(親企業が抱える工場火災などのリスクをまず通常の保

険契約の形で保険会社に移転、キャプティブが再保険として引受け、保険料の外部流出を防ぐ仕組み)会社の設立が認められ

ている上、同特区に進出した金融機関には10%の特別法人税率が適用される。但し特別法人税率は2002年末で廃止(日本経

済新聞、2002年10月12日)。

*16 国内損害保険会社が、国内に集中するリスクを海外に分散させる目的で、海外の再保険会社への投資を加速化している動きが

背景にあると推測される(日本経済新聞、2002年8月27日)。

*17 国内自動車メーカーの金融子会社が、第三者割当増資により仏自動車メーカーの株式を取得した。取得価額は日本円で約

2,175億円(関連会社プレスリリース、http://www.nissan-global.com/JP/ASTORY/0,1301,SI9-CH177-LO4-TI572-CI462-IFY-MC109,00.html)。

図表6 北米向け製造業投資(業種別) (単位:億円)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

8 開発金融研究所報

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

ル用燃料噴射装置生産、車体部品生産、燃料ポン

プなど自動車部品メーカーの投資が盛んだっ

た*18。欧 州 で は2005年、2008年 と 段 階 的 に

ディーゼル車の環境規制が強化される*19ことか

ら需要も旺盛*20であり、東欧の市場拡大も期待

される*21ことから、欧州の輸送機向け投資は今

後とも堅調に推移すると推測される。

欧州向け投資を国別に見ると、2002年度にお

ける最大の投資先としては英国(5,314億円)が、

オランダ(3,640億円)を抜き首位に返り咲いた。

また、2001年度に5位だったフランス(4,356億

円)が、前述の輸送機向け大型出資案件が大きく

寄与し2位に躍進し、英国、フランス、オランダ

の3カ国で13,310億円と欧州向け投資全体の

73%を占めた。

(3)アジア向け投資

アジア向け投資(全業種)は、対前年度比

15.7%減の6,768億円と4年ぶりに対前年度比マ

イナスに転じると共に、2年続けて主要4地域

(北米、欧州、中南米、アジア)の中で総投資額

が最も少なかった(図表4)。同地域向けの製造

業の投資額は、輸送機向けが対前年度比86%増

(1,204億円)と大きく増加する一方で、他の業

種が軒並み前年度の規模を下回ったことから同

12.3%減(4,651億円)となり、主要4地域の中

で中南米と共に対前年度伸び率がマイナスとなっ

た(図表5)。但し、製造業の新規投資件数(385

件)は他の3地域向けを上回っている。

2002年度のアジア向け投資を地域毎に見てい

く(図表7)と、中国向けが対前年度比19%増

(2,152億円)と3年連続で対前年度比プラス成

長を続ける一方で、NIES向け*22が3年連続対前

年度比マイナス成長の18.2%減(2,383億円)、

ASEAN4向け*23も対前年度比42.6%減(1,721億

円)となった。アジア向け投資に占める中国向け

投資のシェアは2000年度(16.8%)、2001年度

(22.5%)、2002年度(31.8%)と次第に高まっ

てきている。

中国向け投資は1999年以降増加を続けており、

2002年度は対前年度比19%増(2,152億円)と堅

調に推移している。但し、製造業は、同7.3%

(1,712億円)の微増に留まった(図表8)。実

際、製造業を業種別に金額ベースで見ると、機械

向け投資が同17.2%増(191億円)、その他投資

が同283%増(383億円)となったのを除き、化

学、電機、輸送機等は軒並み前年度の規模を下回

り、特に電機向けは同40.4%減(381億円)と大

きく落込んだ。但し、投資件数ベースでは、繊

維、電機を除く全ての製造業種が前年度の規模を

上回っている。

具体的な投資案件としては、化学向けでは、ア

クリル樹脂やフッ素樹脂などの樹脂生産工場設

立、電機向けでは液晶パネルや液晶表示装置など

液晶関連製品生産工場設立のために多額の投資が

行われた*24。輸送機向けは現地生産強化の動き

を強めており、国内自動車メーカー3社が現地合

弁会社に追加出資すると同時に、生産能力強化の

ための投資を行った。また、完成車メーカーの動

*18 欧州に進出する自動車部品メーカーは、系列の国内自動車メーカーへの販売のみならず、欧州自動車メーカーの需要拡大を進

めている(日本経済新聞、2003年7月19日)。

*19 大気中へのNOx(チッソ酸化物)やPM(粒子状物質)の排出を規制。現行のEuro3から、2005年にはEuro4規制、2008年に

はEuro5規制への移行が予定されている上、より厳しい欧州EEV(欧州議会が、大気汚染が特に深刻な都市等の地域問題解決

のために、加盟国が政策的に使用するための規制値として提案したもの。)も設定されている(中小企業金融公庫、2002)。

*20 欧州では年間数百万台レベルまでディーゼル乗用車市場が拡大している。乗用車新車登録台数に占めるディーゼル比率は、

1998年以降毎年4%ずつ増加し、2002年には40%(約560万台)に達している(経済産業省、2003)。また、欧州でのディー

ゼル車の比率は稼動車ベースで40%を遥かに超えており、「2005年にも普及率で50%を超えるだろう」(大手自動車メーカー)

との見方がある(毎日新聞社「週刊エコノミスト」、2002年12月24日、p84―85)。

*21 日経BP「日経メカニカル」、2003年4月、583号、p22―23。

*22 韓国、香港、台湾、シンガポール向け投資の合計値。

*23 タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン向け投資の合計値。

*24 国内家電各社は、2003年中の薄型大画面のPDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)テレビの中国生産を予定している。2001

年から国内生産を開始したばかりで、日本企業が8―9割の世界シェアを握る最先端製品では異例のスピード移管となる(日

本経済新聞、2002年6月11日)。

2003年9月 第17号 9

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1999

2000

2001

2002

食糧� 繊維� 木材・パルプ� 化学� 鉄・非鉄� 機械� 電機� 輸送機� その他�

0 500 1,000 1,500 2,000

…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

きと同時に、車載用アンテナ、タイヤや鋼板を始

めとした自動車部品関連企業の進出も活発化して

いる*25。

NIES向け投資は、対前年度比18.2%減(2,383

億円)と大きく減少し、中国向け投資額とほぼ差

が無い水準になった。また、製造業投資も同

7.5%減(1,158億円)となった(図表9)。低迷

するNIES諸国の中で、液晶ディスプレイの集積

が進む台湾と韓国では、LCD(Liquid Crystal

Display:液晶ディスプレイ)需要の高まりを背

景に、液晶カラーフィルターライン増設、LCD

用偏光フィルム増産などの投資が行われた。ま

*25 国内鉄鋼メーカーと中国の最大手鉄鋼メーカーが自動車用鋼板の合弁工場建設で合意。対中進出する日系メーカーに対して供

給を行う。投資額は約1,200億円に上り、中国の鉄鋼業界で最大の合弁事業となる(日本経済新聞、2002年11月13日)。

図表8 中国向け製造業投資(業種別) (単位:億円)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

図表7 アジア向け直接投資額(件数、金額)の推移 (単位:件、億円)

年度

地域・国

1998 1999 2000 2001 2002

件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額 件数 金額

ア ジ ア 545 8,449 534 8,053 459 6,626 504 8,029 534 6,768

ASEAN4 216 4,314 205 3,225 155 2,264 150 2,998 124 1,721

インドネシア 64 1,398 57 1,024 26 464 56 622 41 509タ イ 72 1,760 72 924 62 1,030 51 1,105 52 614マレーシア 34 668 44 588 23 256 18 320 11 98フィリピン 46 488 32 689 44 514 25 951 20 500

NIEs 184 2,297 215 3,602 180 3,007 146 2,913 133 2,383

韓 国 48 389 62 1,094 52 899 47 704 44 763台 湾 27 287 26 318 51 564 31 402 24 457香 港 51 789 76 1,088 52 1,039 37 374 31 248シンガポール 58 832 51 1,102 25 505 31 1,433 34 915

中 国 114 1,377 78 849 105 1,112 189 1,808 263 2,152

イ ン ド 17 332 12 232 10 185 6 181 7 378

ベ ト ナ ム 12 65 17 110 5 24 9 97 6 73

全 地 域 計 1,616 52,413 1,729 74,703 1,701 53,854 1,768 39,923 2,144 44,175

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

10 開発金融研究所報

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1998

500

1999

2000

2001

2002

0 1,000 1,500 2,000

食糧� 繊維� 木材・パルプ� 化学� 鉄・非鉄� 機械� 電機� 輸送機� その他�

1998

500

1999

2000

2001

2002

0 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

食糧� 繊維� 木材・パルプ� 化学� 鉄・非鉄� 機械� 電機� 輸送機� その他�

(年度)�02

5,000

4,000

3,000

2,000

1,000

089 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01

ASEAN4

中国�

図表9 NIES向け製造業投資(全業種) (単位:億円)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

図表10 ASEAN4向け製造業投資(業種別) (単位:億円)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

図表11 中国とASEAN4の直接投資実績の推移(製造業) (単位:億円)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

2003年9月 第17号 11

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

た、韓国では経営破綻した財閥系企業に対して国

内自動車メーカーが多額の出資を行った*26。

ASEAN4向け投資は、対前年度比42.6%減

(1,721億円)とほぼ半減し、初めて中国向け投

資額(2,152億円)を下回った(図表7)。製造

業投資(図表10)も、2001年度には食糧のフィ

リピン向け大型案件があったことなどから、同

39.6%減(1,343億円)と過去14年間で最低額を

記録し、95年以来7年ぶりに中国向け投資額

(1,712億円)を下回った(図表11)。国別に見

ると、ASEAN4カ国全てで前年度の規模を下

回ったが、特にタイ、マレーシア及びフィリピン

向け投資の落ち込みが激しく、金額ベースでは、

タイは対前年度比44.4%減(614億円)、マレー

シアは同67.7%減(98億円)、フィリピンは同

47.4%減(500億円)となっている。投資件数ベー

スでもマレーシア11件、フィリピン20件と過去14

年間で最低水準となっている。

ASEAN4向け投資を製造業に限って見ると、

インドネシア向けを除き、3カ国共に大きく前年

度の水準を下回った。低迷する製造業投資の中

で、輸送機向けは対前年度比88.4%増(456億円)

と大きく増加しており、自動車産業の集積が進ん

でいるタイでは、同49.1%増(170億円)と、同

国投資の中で食糧・繊維と共にプラス成長を遂げ

た。具体的には、国内自動車メーカー2社が輸出

用1トンピックアップトラックの生産を同国に集

約すると発表し*27・28、同時に国内タイヤメーカー

や自動車部品メーカーが相次いで現地工場の生産

能力拡大のための投資を行った。インドネシアで

も輸送機で大型案件*29があり、対前年度比

29.1%増(417億円)となっている。このことか

ら、自動車メーカーが自動車産業の成熟したタイ

を拠点に、ASEAN域内生産拠点の集約、既存生

産拠点を利用した完成車の域内相互補完、部品生

産の域内分業・相互補完の動きを強化しつつある

ことが推測される*30。

(4)その他アジア・大洋州向け投資

その他アジア・大洋州向け投資では、インド向

け投資が過去14年間で2番目の高水準にまで成長

し378億円(対前年度比108.8%増)となった他、

オーストラリア向けが同145.5%増の1,552億円

となった。

特に、インド向け製造業投資は過去14年間で最

高額(372億円)を記録した。インド向け投資の

増加には、輸送機の成長が大きく寄与しており、

2002年度に輸送機向けは総投資額において

63.2%(239億円)のシェアを占め*31、国内自動

車メーカーがインド政府との合弁自動車メーカー

を子会社化する動き*32などがあった。また、国

内自動車メーカーもアジア向けに輸出する目的で

変速機などの生産のための投資を行った。

オーストラリア向け投資は大幅に増加(対前年

度比145.6%増、1,552億円)したが、総投資額

の80.7%(1,253億円)を占める不動産業向け投

資が、同国向け投資を牽引する格好となった。

*26 経営破綻した財閥系自動車会社の受け皿会社に対して出資。他の出資社である米国自動車メーカーと自動車部品の共通化、小

型車の共同開発で協力体制を構築し、アジアでのシェア拡大を目指す(各種報道資料より)。

*27 例えば、トヨタ自動車は、タイをピックアップトラック/多目的車及びディーゼルエンジンのグローバル供給拠点と位置付け、生産台数を年間20万台まで拡大。うち10万台を域内外80以上の国・地域に輸出する(トヨタ自動車、2002年9月19日付プレ

スリリース、http://www.toyota.co.jp/News/2002/Sep/nt02_101.html)。*28 ASEAN自由貿易協定(AFTA)による関税引下げで、輸出基地としてのタイの重要度が上昇している上、国内経済の安定と

共に市場が回復傾向にある。

*29 国内自動車メーカーが現地合弁会社を子会社化することで、経営体質を強化し、東南アジア地域の主要輸出拠点化を志向した

案件(日刊工業新聞、2002年11月18日)。

*30 木村・鈴木(2003)を参考にした。

*31 インドの自動車需要は年間90万台程度と、アジアの新興市場では中国の230万台に次ぐ規模となっている。また、95年の

WTO加盟以来、インドでは国有企業の民営化が推進されている。

*32 投資額は約105億円と推測される。インドの合弁自動車メーカーは、インドで約6割のシェアを持つ同国最大の自動車メー

カー。子会社化することで、インド合弁会社の売上高が国内自動車メーカーの連結売上高に計上されることになる(毎日新聞、

2002年5月16日、日刊工業新聞、2002年5月16日)。

12 開発金融研究所報

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(5)中南米向け投資

中南米向け投資(全業種)は、対前年度比27%

減の6,999億円となった。中南米向け投資は国別

に見ると、各国で軒並み前年度の規模を大きく下

回っており、前年度好調だったブラジルが同

71.1%減(495億円)、ケイマン諸島も同21.3%

減(4,919億円)となっている。

製造業向け投資も著しく減少し、全体で対前年

度比65.9%減(621億円)となったものの、繊維、

鉄・非鉄、輸送機で前年度の水準を上回った。特

に輸送機向け投資264億円(対前年度比161.6%

増)のうち189億円(同166.2%増)がブラジル

向けであった。国内自動車メーカーはブラジル工

場の生産能力を増強するための投資を行い、中南

米における輸出拠点化を進めている*33。

非製造業では、依然として中南米地域がタック

ス・ヘイブン*34として保険・銀行・金融子会社

の人気が高い*35ことから、金融・保険業は対前

年度比18.8%減(5,146億円)となりつつも、総

投資額に占める割合は2001年度の66%から

73.5%にまで大幅に増加した。

(6)主要投資先10カ国

2002年度の主要投資先10カ国(全業種、金額

ベース)を見ると、前年度に引続き米国向けが首

位となっているが、好調な製造業に牽引され構成

比は22.4%に増加している(図表12)。金融・保

険で大きなシェアを誇る英国、ケイマン諸島がそ

れぞれ投資先2位、3位となった。4位には前述

の輸送機向大型案件及びサービス業向け大型案件

に牽引されてフランスが躍進した。10位以内に

入ったアジアの国は中国のみであり、ASEAN諸

国、NIES諸国のプレゼンスが大きく低下してい

る。

これを製造業のみで見ると、米国向けが依然首

*33 毎日新聞(2002年6月17日)を参考にした。

*34 OECDは、下記(イ)に当てはまり、かつ下記(ロ)の(a)~(c)のいずれか一つでも該当する非加盟国・地域を「タッ

クス・ヘイブン」と認定している。(イ)金融・サービス等の活動から生じる所得に対して無税としている又は名目的にしか

課税していないこと。(ロ)(a)他国と実効的な情報交換を行っていないこと。(b)税制や税務執行につき透明性が欠如し

ていること。(c)誘致される金融・サービス等の活動について、自国・地域において実質的な活動がなされることを要求し

ていないこと(外務省ウェブサイト、http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oecd/th_list.html)。*35 OECDの「タックス・ヘイブン・リスト」(2000年6月時点)によれば、カリブ(17カ国・地域)、大洋州(7)、欧州(7)、

その他(4)となっている(外務省ウェブサイト、http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oecd/th_list.html#2)。

図表12 主要投資先上位10ヶ国(全業種) (単位:億円、%)

年度 2000 2001 2002

国 名 金額 構成比 国 名 金額 構成比 国 名 金額 構成比

1 英 国 21,155 39.4 米 国 7,970 20.2 米 国 9,913 22.4

2 米 国 13,413 25.0 ケ イ マ ン 諸 島 6,252 15.8 英 国 5,314 12.0

3 オ ラ ン ダ 3,047 5.7 オ ラ ン ダ 5,639 14.3 ケ イ マ ン 諸 島 4,919 11.1

4 ケ イ マ ン 諸 島 3,024 5.6 英 国 4,955 12.5 フ ラ ン ス 4,356 9.9

5 パ ナ マ 1,437 2.7 中 国 1,802 4.6 オ ラ ン ダ 3,640 8.2

6 中 国 1,099 2.0 ブ ラ ジ ル 1,714 4.3 中 国 2,152 4.9

7 香 港 1,034 1.9 シ ン ガ ポ ー ル 1,223 3.1 ベ ル ギ ー 1,888 4.3

8 タ イ 1,029 1.9 パ ナ マ 1,215 3.1 オ ー ス ト ラ リ ア 1,552 3.5

9 ス ウ ェ ー デ ン 923 1.7 タ イ 1,102 2.8 ア イ ル ラ ン ド 1,366 3.1

10 大 韓 民 国 899 1.7 フ ィ リ ピ ン 946 2.4 パ ナ マ 1,069 2.4

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

2003年9月 第17号 13

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その他�1%�アフリカ�

2%� 中南米�4%�

アジア�20%�欧州�

61%�

(金額ベース構成比)�

北米�13%�

その他�1%�

中南米�4%�

アジア�23%�

欧州�10%�

(金額ベース構成比)�

北米�63%�

位であり、フランス、中国、ベルギーと続く(図

表13)。上位10カ国の構成比が年毎に大きく変わ

る中で中国向け投資は依然堅調に成長を続けてい

る。ASEAN4向けは対前年度比39.6%減(1,343

億円)となり構成比も大きく減少した(昨年度

12.6%→今年度7.6%)。また、インドが10位に

入り、今後の動向が注目される。

第3章 業種別動向

2002年度の製造業投資は対前年度比0.2%増の

17,757億円となった一方、非製造業投資は同

19.2%増の26,041億円となった。この結果、全

体に占める製造業投資の割合は前年度の44.4%

から40.3%へ微減した。

製造業向け投資では、全体の60.6%を占める

電機・輸送機の投資金額が対前年度比4.7%増と

微増したことに加え、化学向け投資が同25.1%

増となったことにより、前年度に突出した大型案

件があった食糧、木材・パルプ向け投資の一巡に

よる急激な落込みを支え、2002年度の製造業投

資は全体としてほぼ横ばいで推移した。

輸送機向けの投資金額の推移を見ると、対前年

度比10.3%増(5,992億円)となった。地域別シェ

アは、仏自動車メーカー向けに大型出資案件の

あった欧州(61%)が前年度に続いて突出し、

アジア(20%)、北米(13%)と続いている(図

表14)。欧州では、東欧市場の需要拡大を見据え、

国内自動車メーカーが進出を強め、現地調達率を

引上げる傾向にあることから、生産面での自動車

図表13 主要投資先上位10ヶ国(製造業) (単位:億円、%)

年度 2000 2001 2002

国 名 金額 構成比 国 名 金額 構成比 国 名 金額 構成比

1 米 国 4,382 33.9 米 国 4,293 24.6 米 国 5,991 33.7

2 英 国 1,103 8.5 オ ラ ン ダ 2,736 15.7 フ ラ ン ス 2,719 15.3

3 ス ウ ェ ー デ ン 920 7.1 英 国 1,687 9.7 中 国 1,712 9.6

4 中 国 840 6.5 中 国 1,590 9.1 ベ ル ギ ー 1,201 6.8

5 タ イ 656 5.1 ブ ラ ジ ル 1,555 8.9 英 国 830 4.7

6 韓 国 527 4.1 フ ィ リ ピ ン 884 5.1 タ イ 535 3.0

7 台 湾 437 3.4 タ イ 800 4.6 イ ン ド ネ シ ア 417 2.3

8 イ ン ド ネ シ ア 429 3.3 シ ン ガ ポ ー ル 482 2.8 ブ ラ ジ ル 378 2.1

9 フ ィ リ ピ ン 416 3.2 ベ ル ギ ー 418 2.4 台 湾 373 2.1

10 バ ミ ュ ー ダ 324 2.5 イ ン ド ネ シ ア 322 1.8 イ ン ド 372 2.1

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

図表14 2002年度 地域別投資(輸送機)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

図表15 2002年度 地域別投資(電機)

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

14 開発金融研究所報

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部品メーカーの進出が増加していることが背景に

ある。特に、欧州向けは投資金額が減少(対前年

度比11.2%減)する中で、新規投資件数は対前

年度比86.7%増(28件)と伸長していることか

ら、自動車部品関連の小規模投資が活発に行われ

ていると推測できる。

電機向けの投資金額の推移を見ると、対前年度

比1.0%減(4,773億円)となった。地域別シェ

アも、北米向けが63%(前年度は38%)と突出

し、アジア・欧州向けがそれぞれシェアを減らし

た(図表15)。しかし、米国向けに突出した大型

案件(米国企業のHDD事業買収案件)があった

以外は、電機向け投資は全体としては低調だった

と推測される。金額ベースで見ても、北米向けが

対前年度比73.7%増(2,999億円)となった一方

で、アジア向けは同31.4%減(1,093億円)、欧

州向けも同49.5%減(492億円)とそれぞれ大き

く減少している。また、投資件数も世界全体で同

19.9%減(117件)となっていることからも、電

機向け投資が低迷していることが分かる。

非製造業向け投資は、多くの業種で前年度を上

回る規模となった。中でも金融・保険向け投資は

対前年度比16%増(15,604億円)となり、非製

造業向け投資全体の59.9%を占めている。

【補論】

本稿で紹介した「対外及び対内直接投資状況」

は、�投資を行う際に提出された届出を基にグロ

ス・ベースで集計した統計であり、かつ、�届出

後の投資の取消しや投資金額の変更等をカバーし

ていない事から、実際に行われた投資額との間に

乖離が生じる。加えて、�原則として1億円以上

の新規案件を計上し、現地法人への親会社の増資

や現地法人の再投資等をカバーしていない。従っ

て、わが国の対外直接投資の実態を把握するため

に「対外及び対内直接投資状況」を用いる際は、

計上時点やカバレッジ等の面で、データの取り扱

い方に注意する必要があると思われる。

この補論では、2002年度の「対外及び対内直

接投資状況」に計上されているか不明な新規案件

や、大型増資案件等について、プレスリリースや

各種報道を基に各国毎に補足していく。

○中国(「対外及び対内直接投資状況」における

総対外直接投資額は2,152億円)

中国での事業強化を目指し、日産自動車が中国

大手自動車メーカー、東風汽車との間で乗用車、

トラック、バスを生産する合弁会社「東風汽車有

限公司」を設立する。日産自動車は同会社の50%

株式取得のために約1,204億円*36の直接投資を行

う*37。

○韓国(同763億円)

コンピュータ端末や携帯電話の画面等で需要が

急速に伸びているLCDの主要部材「偏向フィル

ム」について、生産・販売体制の大幅な拡充・強

化を目的に、住友化学工業が総額約150億円に上

る投資を行った*38・39。

○シンガポール(同915億円)

世界的に需要が伸びている大型ディスプレイを

主力用途とするLTPS*40系TFT液晶*41工場建設の

ため、東芝松下ディスプレーテクノロジーが

1,230億円を投資した*42。尚、本投資額を「対外

及び対内直接投資状況」計上した場合のシンガ

ポールの電機向け投資額は1,314億円(対前年度

比321.2%増)となる上、同国向け総投資額も

*36 85.5億元。2002年9月13日時点の為替レートに基づき計算。

*37 日産自動車、2002年9月19日付プレスリリース、http://www.nissan-global.com/JP/STORY/0,1299,SI9-CH177-LO4-TI662-CI520-IFY-MC109,00.html

*38 住友化学工業、2002年6月13日付プレスリリース、http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/1newsrelease/pdf/20020613_2.pdf

*39 韓国・台湾・中国3拠点での総投資額。拠点毎の投資額は公表されていない。

*40 低温ポリシリコン。TFT液晶パネルの一種で、従来のTFTが使用していたアモルファス(非結晶)状態のシリコンの代わり

に多結晶シリコン(ポリシリコン)を塗布したもののこと。

*41 液晶の方式の1つで、薄膜状のトランジスタを使用したもの。液晶パネルなどに使用される。

*42 化学工業日報(2002年11月11日)。

2003年9月 第17号 15

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…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

2,145億円(同49.7%)と大幅に増加する。

○ベトナム(同73億円)

ベトナムなどで開発原油の権益を持つ日石三菱

が油田開発を強化し、同国南東沖のランドン油田

の原油生産量を引上げるべく、既存の生産設備を

増強するための投資(約300億円)を行った*43。

○米国(同9,913億円)

日本の自動車市場が人口減少から頭打ちとな

り、将来有望な中国市場も未だ米国の5分の1以

下に過ぎない現状から、高成長が続く北米での自

動車メーカーの生産強化の動きが加速してい

る*44。トヨタ自動車が北米6番目の車両生産拠

点となるテキサス工場の建設(約8億ドル:約960

億円)を発表した*45のを始め、日産自動車は米

国ミシシッピ州のキャントン工場を拡張すべく追

加投資(5億ドル:約600億円)を行い*46、ホン

ダも米国アラバマ州の新工場の生産能力を拡大す

るための投資(4億2,500万ドル:約515億円)

を行うことを発表した*47。

○ブラジル(同495億円)

ブラジルは電力の92%を水力発電に依存して

おり、渇水時には電力不足が深刻化し、工場の操

業に影響が出るなど電力の安定供給が急務となっ

ている。三井物産と三菱商事、伊藤忠商事の3社

は、ブラジルで発電用ガスの輸送事業に参入し、

現地に共同出資会社を設立、約1,300億円を投じ

てパイプライン施設に乗り出した*48。

また、シティバンク東京はブラジル最大の石油

会社ペトロブラス社*49に約200億円を融資した。

融資資金は、ブラジル南東部でのガス採掘に充

て、新設する火力発電設備に供給する*50。

○チェコ(同166億円)

欧州市場向け販売を強化するため、トヨタ自動

車とPSAプジョー・シトロエンが現地に合弁で

生産会社を新設した。投資額は合計で約1,700億

円。部品メーカーも含め、本案件により12,000

人の新規雇用が創出される見通しである*51。「対

外及び対内直接投資状況」におけるチェコの輸送

機向け投資額は129億円(対前年度比84.3%増)

であり、本案件の額の大きさ、国内自動車メー

カーの欧州・東欧市場への期待の高さが覗える。

以上見てきたとおり、本稿届出数字とは別に日

系企業による各種の大型投資案件が伝えられてい

る。化学や輸送機に代表される1,000億円単位の

大型投資は、当該国への投資トレンドを変化させ

る影響力も大きい。企業の行う投資活動は年々そ

の複雑さを増しており、日本企業のグローバルな

経済活動における直接投資の動向を知るために

は、�投資先国における自己資金等による既設拠

点の再投資、�地域統括拠点や金融子会社等によ

る、日本からの資金移転を伴わない第3国投資な

どの情報を収集する必要がある。日本企業の対外

直接投資の実態把握に正確を期すためには、本稿

届出数字や日本銀行の公表する国際収支統計*52

等のデータの特性や制約を理解し、前述の諸要因

に留意することが重要であると思われる。

*43 日本経済新聞(2002年4月11日)。

*44 日本経済新聞(2003年7月11日)。

*45 トヨタ自動車、2003年2月5日付プレスリリース、http://www.toyota.co.jp/News/2003/Feb/nt03_0107.html*46 日産自動車、2002年6月25日付プレスリリース、http://www.nissan-global.com/JP/STORY/0,1299,SI9-CH177-LO4-TI614-CI

486-IFY-MC109,00.html

*47 日本経済新聞(2002年7月10日)。

*48 日本経済新聞(2002年4月25日)。

*49 ブラジル政府が56%を出資する準国営企業。

*50 日本経済新聞(2002年8月30日)。

*51 日本経済新聞(2002年4月11日)。

*52 日本の対外直接投資に関する統計に、「国際収支統計」がある。一国のすべての対外経済取引をIMFの定めた国際作成基準(マ

ニュアル)に従って体系的に記録した統計である。同統計は、実際に行われた直接投資に係る居住者・非居住者間の受払等を

ネット・ベースで集計しており、原則として1件あたり5百万円相当額以上の取引を計上している。上記理由から、対外直接

投資実績とは計数が一致しない(財務省、2002)。

16 開発金融研究所報

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[参考文献]

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資届出数字の解説(速報)」、『開発金融研

究所報』第3号、国際協力銀行

梅田雅信・宇都宮浄人(2003)『経済統計の活用

と論点』、東洋経済新報社

春日剛(2002)「〈解説〉2001年度わが国の対外

直接投資動向(届出数字)」、『開発金融研

究所報』第12号、国際協力銀行

木村福成・鈴木厚(2003)『加速する東アジア

FTA』、日本貿易振興会

経済産業省(2003)「次世代低公害車の燃料及び

技術の方向性に関する検討会報告書」

財務省(2002)『財政金融統計月報』第608号、

財務省印刷局

中小企業金融公庫(2002)「ディーゼル排出ガス

規制がトラック関連業界に与える影響につ

いて」、『調査レポート』№42

豊田健(2001)「2000年度わが国の対外直接投資

動向(速報)」、『開発金融研究所報』第7

号、国際協力銀行

日本銀行国際収支統計研究会(2000)『入門国際

収支』、東洋経済新報社

2003年9月 第17号 17

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付表1業種別・地域別対外直接投資実績(2001~2002年度)

(単位:上段;件、%下段;億円、%)

地域

業種

北米

中南

米ア

ジア

中近

東欧

州アフリ

カ大

洋州

合計

2001年度2002年度増減率

2001年度2002年度増減率

2001年度2002年度増減率

2001年度2002年度増減率

2001年度2002年度増減率

2001年度2002年度増減率

2001年度2002年度増減率

2001年度2002年度増減率

製 造 業

食糧

129108.6

―1

皆増

1423

64.3

――

―1

2100

――

―2

1-50

2936

24.1

216

109-49.8

36

96.7

773

144-81.4

――

―7

2-63.5

――

―33

10-69.2

1,032

271-73.7

繊維

46

502

1108.6

1423

64.3

――

―3

2-33.3

――

――

――

2332

39.1

377-79.7

475

1,604.80

119

129

8.8

――

―94

21-77.5

――

――

――

254

233

-8.4

木材・パルプ

21

-50

―1

皆増

77

0―

――

15

400

――

――

――

1014

4019

15-20.9

838

14-98.3

50117

133

――

―7

15114.9

――

―2

―皆減

916

161-82.5

化学

1416

14.3

11

033

4639.4

――

―10

1110

11

――

――

5975

27.1

6411,361

112.3

272

4-98.7

741

528-28.7

――

―212

442108.5

11

――

――

1,867

2,336

25.1

鉄・非鉄

88

01

2100

4034

-15

――

―8

3-62.5

―1

――

1皆増

5749

-14

195

391100.6

533

511.2

524

243-53.7

――

―43

35-18.7

―3

―34

6795.7

801

771

-3.8

機械

1016

60―

4皆増

3438

11.8

――

―15

13-13.3

―2

―1

―皆減

6073

21.7

714

456-36.2

2519

-22.3

366

291-20.5

――

―418

799

91―

5―

2―

皆減

1,525

1,570

2.9

電機

2418

-25

13

200

100

74-26

1―

皆減

1722

29.4

――

―3

―皆減

146

117-19.9

1,726

2,999

73.7

427

187-56.2

1,593

1,093

-31.4

8―

皆減

975

492-49.5

――

―94

2-97.9

4,823

4,773

-1

輸送

機18

3383.3

―11

皆増

5170

37.3

――

―15

2886.7

13

200

―2

皆増

85147

72.9

575

808

40.5

101

264161.6

6471,204

86―

――

4,029

3,576

-11.2

80125

56.5

―14

皆増

5,432

5,992

10.3

その

他8

7-12.5

―1

皆増

4270

66.7

――

―11

1427.3

1―

皆減

―1

皆増

6293

50188

86-54.1

144

20-86.4

490

902

83.9

――

―211

642204.5

4―

皆減

261-94.5

1,064

1,651

55.2

小計

100

114

145

25400

335

385

14.9

1―

皆減

81100

23.5

37133.3

65-16.7

531

636

19.8

4,311

6,231

44.6

1,820

621-65.9

5,304

4,651

-12.3

8―

皆減

5,997

6,025

0.5

85134

56.9

191

94-50.617,71517,757

0.2

非 製 造 業

農・林業

1―

皆減

――

―2

1-50

――

――

――

――

―4

2-50

73-57.1

21―

皆減

――

―8

3-59.5

――

―9

―皆減

――

―8

5-31.3

469-81.1

漁・水産業

1―

皆減

11

02

350

――

――

――

――

――

1皆増

45

256

22243.7

1739

133.9

115-59.1

――

――

――

――

――

3皆増

3468

98.4

鉱業

11

02

1-50

11

0―

――

33

0―

――

2―

皆減

96-33.3

128

171

34.3

114

13-88.9

68

34.3

――

―70

167136.4

――

―282

61-78.5

600

419-30.2

建設

業―

2皆増

――

―6

1183.3

――

―1

―皆減

――

――

――

713

85.7

―4

皆増

――

―74

131

77.8

――

―7

1264.6

――

――

――

81147

81.3

商業

3845

18.4

27

250

5747

-17.5

11

031

24-22.6

1―

皆減

81-87.5

138

125

-9.4

1,502

1,174

-21.8

112

208

86452

465

2.9

1035

241.8

1,114

2,086

87.2

5―

皆減

8834

-62

3,284

4,001

21.9

金融・保険

1117

54.5

3947

20.5

3227

-15.6

――

―7071,005

42.1

――

―2

1-50

7911,097

38.7

5671,455

156.5

6,335

5,146

-18.8

987

709-28.2

――

―5,540

8,264

49.2

――

―26

3017.813,45515,604

16

サービス業

4635

-23.9

1314

7.7

4329

-32.6

12

100

2722

-18.5

――

―4

775

134

109-18.7

979

412-57.9

150

114-24.1

604

313-48.2

710

49.4

1841,201

551.3

――

―16

125700.4

1,940

2,175

12.1

運輸

業5

3-40

9090

06

17183.3

――

―5

2-60

86

-25

―2

皆増

114

120

5.3

300

458

531,042

852-18.2

41255521.4

――

―171

140-18.3

115

103-11.1

818

1191,677

1,826

8.9

不動産業

511

120

1―

皆減

146-57.1

――

―4

1-75

――

―2

350

2621

-19.2

307

236-23.1

25100.8

235

55-76.5

――

―103

209

102

――

―55

1,253

2,190.60

7031,758

150

その

他―

――

―1

皆増

―1

皆増

――

――

――

1―

皆減

――

―1

2100

―31

皆増

―1

皆増

―1

皆増

――

――

――

33―

皆減

――

―33

331.1

小計

108

114

5.6

148

161

8.8

163

143-12.3

23

507781,057

35.9

106

-40

2217

-22.7

1,231

1,501

21.9

3,810

3,964

47,772

6,378

-17.9

2,418

1,945

-19.5

1745

169.2

7,20012,077

67.8

154

103-33.2

4831,529

216.821,85326,041

19.2

支店

―1

皆増

――

―6

60

――

――

――

――

――

――

67

16.7

―4

皆増

1―

皆減

308

172-44.3

――

―43

202369.1

2―

皆減

――

―355

377

6.3

合計

208

229

10.1

153

186

21.6

504

534

63

30

8591,157

34.7

1313

028

22-21.4

1,768

2,144

21.3

8,12010,199

25.6

9,593

6,999

-27

8,029

6,768

-15.7

2545

80.313,23918,304

38.3

241

237

-1.9

6741,623

140.939,92244,175

10.7

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」

18 開発金融研究所報

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付表2 業種別対外直接投資実績(2000~2002年度) (単位:件、億円、%)

年度

業種

2000 年 度 2001 年 度 2002 年 度

件 数 金 額 構成比 件 数 金 額 構成比 件 数 金 額 構成比 増減率

食 糧 35 286 0.5 29 1,032 2.6 36 271 0.6 -73.7

繊 維 11 246 0.5 23 254 0.6 32 233 0.5 -8.4

木材・パルプ 7 163 0.3 10 916 2.3 14 161 0.4 -82.5

化 学 70 2,124 3.9 59 1,867 4.7 75 2,336 5.3 25.1

鉄 ・ 非 鉄 49 784 1.5 57 801 2 49 771 1.7 -3.8

機 械 52 1,559 2.9 60 1,525 3.8 73 1,570 3.6 2.9

電 機 167 3,378 6.3 146 4,823 12.1 117 4,773 10.8 -1

輸 送 機 79 3,469 6.4 85 5,432 13.6 147 5,992 13.6 10.3

そ の 他 62 925 1.7 62 1,064 2.7 93 1,651 3.7 55.2

小 計 532 12,934 24 531 17,715 44.4 636 17,757 40.3 0.2

農 ・ 林 業 7 30 0.1 7 46 0.1 3 9 0 -81.1

漁 ・ 水 産 業 5 146 0.3 4 34 0.1 5 68 0.2 98.4

鉱 業 9 708 1.3 9 600 1.5 6 419 0.9 -30.2

建 設 業 7 100 0.2 7 81 0.2 13 147 0.3 81.3

商 業 151 3,770 7 138 3,284 8.2 125 4,001 9.1 21.9

金 融 ・ 保 険 679 9,341 17.3 791 13,455 33.7 1,097 15,604 35.3 16

サ ー ビ ス 業 157 1,945 3.6 134 1,940 4.9 109 2,175 4.9 12.1

運 輸 業 128 24,182 44.9 114 1,677 4.2 120 1,826 4.1 8.9

不 動 産 業 22 418 0.8 26 703 1.8 21 1,758 4 150

そ の 他 1 2 0 1 33 0.1 2 33 0.1 1.1

小 計 1,166 40,644 75.5 1,231 21,853 54.7 1,501 26,041 58.9 19.2

支 店 3 277 0.5 6 355 0.9 7 377 0.9 6.3

合 計 1,701 53,854 100 1,768 39,922 100 2,144 44,175 100 10.7

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」

2003年9月 第17号 19

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付表3地域別・国別対外直接投資額(2000~2002年度)

(単位:件、億円、%)

年度

地域・国

2000年度

2001年度

2002年度

うち製造業

うち製造業

うち製造業

件数

金額

構成比

前年度比

件数

金額

構成比

前年度比

件数

金額

構成比

前年度比

件数

金額

構成比

前年度比

件数

金額

構成比

前年度比

件数

金額

構成比

前年度比

北米

28213,597

25.2

△50.8

1344,406

34.1

△79.8

2088,120

20.3

△40.3

1004,311

24.3

△2.2

22910,199

23.1

25.6

1146,231

35.1

44.5

米国

27413,448

25.0

△46.0

1294,382

33.9

△77.1

2068,010

20.1

△40.4

984,293

24.2

△2.0

2209,913

22.4

23.8

1115,991

33.7

39.6

中南米

2035,824

10.8

△30.2

19671

5.2

△74.3

1539,593

24.0

64.7

51,819

10.3

171.1

1866,999

15.8

△27.0

25621

3.5

△65.9

アルゼンチン

445

0.1

400.0

228

0.2

―1

210.1

△53.3

02

0.0

△92.9

144

0.1

109.5

00

0.0△100.0

ブラジル

9249

0.5

△65.9

678

0.6

△84.6

61,714

4.3

588.4

31,555

8.8

1893.6

11495

1.1

△71.1

10378

2.1

△75.7

メキシコ

5230

0.4

△86.1

5230

1.8

△85.9

458

0.1

△74.8

128

0.2

△87.8

8103

0.2

77.6

773

0.4

160.7

パナマ

1081,463

2.7

△9.2

00

0.0△100.0

1031,215

3.0

△17.0

00

0.0

―1061,069

2.4

△12.0

235

0.2

―ケイマン諸島

543,024

5.6

20.9

13

0.0

△98.6

336,252

15.7

106.7

00

0.0△100.0

484,919

11.1

△21.3

221

0.1

―アジア

4596,626

12.3

△17.7

308

407

3.1

△91.7

5048,029

20.1

21.2

3355,304

29.9

1203.2

5346,768

15.3

△15.7

3854,651

26.2

△12.3

NIES

1803,007

5.6

△16.5

921,309

10.1

△29.4

1462,913

7.3

△3.1

501,252

7.1

△4.4

1332,383

5.4

△18.2

561,158

6.5

△7.5

韓国

52899

1.7

△17.8

33527

4.1

△39.3

47704

1.8

△21.7

11249

1.4

△52.8

44763

1.7

8.4

25364

2.0

46.2

台湾

51564

1.0

77.4

33438

3.4

64.0

31402

1.0

△28.7

13233

1.3

△46.8

24457

1.0

13.7

14373

2.1

60.1

香港

521,039

1.9

△4.5

16109

0.8

△27.8

37374

0.9

△64.0

1380

0.5

△26.6

31248

0.6

△33.7

952

0.3

△35.0

シンガポール

25505

0.9

△54.2

10236

1.8

△58.4

311,433

3.6

183.8

13690

3.9

192.4

34915

2.1

△36.1

8367

2.1

△46.8

ASEAN

1552,264

4.2

△29.8

1171,727

13.4

△19.4

1502,998

7.5

32.4

1052,225

12.6

28.8

1241,721

3.9

△42.6

901,343

7.6

△39.6

インドネシア

26464

0.9

△54.7

21429

3.3

△23.3

56622

1.6

34.1

32323

1.8

△24.7

41509

1.2

△18.2

26417

2.3

29.1

タイ

621,030

1.9

11.5

51656

5.1

△4.4

511,105

2.8

7.3

41802

4.5

22.3

52614

1.4

△44.4

43535

3.0

△33.3

マレーシア

23256

0.5

△56.5

18225

1.7

△56.2

18320

0.8

25.0

13215

1.2

△4.4

1198

0.2

△69.4

670

0.4

△67.4

フィリピン

44514

1.0

△25.4

27416

3.2

8.6

25951

2.4

85.0

19884

5.0

112.5

20500

1.1

△47.4

15321

1.8

△63.7

中国

1051,112

2.1

31.0

89853

6.6

38.9

1891,808

4.5

62.6

1671,595

9.0

87.0

2632,152

4.9

19.0

2271,712

9.6

7.3

インド

10185

0.3

△20.3

4143

1.1

△31.9

6181

0.5

△2.2

4136

0.8

△4.9

7378

0.9

108.8

6372

2.1

173.5

ベトナム

524

0.0

△78.2

423

0.2

△68.1

997

0.2

304.2

669

0.4

200.0

673

0.2

△24.7

544

0.2

△36.2

中近東

621

0.0

△83.3

26

0.0

△75.0

325

0.1

19.0

18

0.0

33.3

345

0.1

80.0

00

0.0△100.0

欧州

71726,989

50.1

△6.7

613,580

27.7

△79.5

85913,239

33.2

△50.9

815,997

33.9

67.5

1,15718,304

41.4

38.3

1006,025

33.9

0.5

フランス

13366

0.7

△71.0

7248

1.9

△67.9

12386

1.0

5.5

10270

1.5

8.9

174,356

9.9

1028.5

132,719

15.3

907.0

ドイツ

29353

0.7

△51.4

8226

1.7

12.4

33528

1.3

49.6

8320

1.8

41.6

30465

1.1

△11.9

10281

1.6

△12.2

イタリー

464

0.1

18.5

357

0.4

46.2

628

0.1

△56.3

418

0.1

△68.4

7249

0.6

789.3

7249

1.4

1283.3

オランダ

3063,052

5.7

△73.6

5290

2.2

△96.2

6295,639

14.1

84.8

72,736

15.4

843.4

8863,640

8.2

△35.4

3292

1.6

△89.3

スペイン

636

0.1

△93.8

433

0.3

△81.5

953

0.1

47.2

334

0.2

3.0

1141

0.3

166.0

137

0.2

8.8

英国

28121,155

39.3

61.9

191,103

8.5

△86.3

484,962

12.4

△76.5

181,692

9.6

53.4

305,314

12.0

7.1

14830

4.7

△50.9

チェッコ

357

0.1

850.0

357

0.4

―10

105

0.3

84.2

10105

0.6

84.2

14166

0.4

58.1

13160

0.9

52.4

アフリカ

760

0.1

△89.6

114

0.1

△95.3

13241

0.6

301.7

385

0.5

507.1

13237

0.5

△1.7

7134

0.8

57.6

大洋州

27737

1.4

△28.4

7186

1.4

287.5

28674

1.7

△8.5

6191

1.1

2.7

221,623

3.7

140.8

594

0.5

△50.8

計1,70153,854

100.0

△27.9

53212,934

100.0

△72.6

1,76839,922

100.0

△25.9

53117,715

100.0

37.0

2,14444,175

100.0

10.7

63617,757

100.0

0.2

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

20 開発金融研究所報

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付表4 主要国別・地域別対外直接投資実績(2000~2002年度) (単位:件、億円、%)

年度国又は地域

2000年度 2001年度 2002年度件数 金額 構成比 件数 金額 構成比 件数 金額 構成比 増減率

アメリカ合衆国 274 13,448 25 206 8,010 20.1 220 9,913 22.4 23.8カ ナ ダ 8 149 0.3 2 111 0.3 9 285 0.6 157.9

北米計 282 13,597 25.2 208 8,120 20.3 229 10,199 23.1 25.6ケ イ マ ン 諸 島 54 3,024 5.6 33 6,252 15.7 48 4,919 11.1 -21.3パ ナ マ 108 1,463 2.7 103 1,215 3 106 1,069 2.4 -12ブ ラ ジ ル 9 249 0.5 6 1,714 4.3 11 495 1.1 -71.1英領バージン諸島 7 27 0.1 ― ― ― 7 128 0.3 皆増バ ハ マ 3 125 0.2 1 5 0 2 107 0.2 2,003.30メ キ シ コ 5 230 0.4 4 58 0.1 8 103 0.2 78.3バ ー ミ ュ ー ダ 9 603 1.1 4 281 0.7 1 87 0.2 -69.1ア ル ゼ ン チ ン 4 45 0.1 1 21 0.1 1 44 0.1 107.6パ ラ グ ア イ ― 5 0 ― ― ― ― 25 0.1 皆増コ ロ ン ビ ア ― ― ― ― ― ― ― 11 0 皆増チ リ ー 2 31 0.1 1 38 0.1 2 7 0 -82.4ペ ル ー 1 19 0 ― 2 0 ― 4 0 147.8そ の 他 1 4 0 ― 8 ― ― ― ― ―

中南米計 203 5,824 10.8 153 9,593 24 186 6,999 15.8 -27中華人民共和国 105 1,112 2.1 189 1,808 4.5 263 2,152 4.9 19.1シ ン ガ ポ ー ル 25 505 0.9 31 1,433 3.6 34 915 2.1 -36.2大 韓 民 国 52 899 1.7 47 704 1.8 44 763 1.7 8.4タ イ 62 1,030 1.9 51 1,105 2.8 52 614 1.4 -44.4フ ィ リ ピ ン 44 515 1 25 951 2.4 20 500 1.1 -47.4イ ン ド ネ シ ア 26 464 0.9 56 622 1.6 41 509 1.2 -18.1台 湾 51 564 1 31 402 1 24 457 1 13.8イ ン ド 10 185 0.3 6 181 0.5 7 378 0.9 108.5香 港 52 1,039 1.9 37 374 0.9 31 248 0.6 -33.6マ レ ー シ ア 23 256 0.5 18 320 0.8 11 98 0.2 -69.5ベ ト ナ ム 5 24 0 9 97 0.2 6 73 0.2 -24.8ス リ ラ ン カ 2 12 0 1 16 0 ― 29 0.1 81.1マ カ オ ― 1 0 2 11 0 1 22 0.1 106.5パ キ ス タ ン ― ― ― ― ― ― ― 9 0 皆増そ の 他 2 20 0 1 6 0 ― ― ― 皆減

アジア計 459 6,626 12.3 504 8,029 20.1 534 6,768 15.3 -15.7アラブ首長国連邦 ― ― ― 1 10 0 2 37 0.1 260.2バ ー レ ー ン ― ― ― ― ― ― ― 7 0 皆増イ ス ラ エ ル 3 9 0 2 15 0 1 2 0 -88.2そ の 他 3 12 0 ― ― ― ― ― ― ―

中近東計 6 21 0 3 25 0.1 3 45 0.1 80.3英 国 281 21,155 39.3 48 4,962 12.4 30 5,314 12 7.1フ ラ ン ス 13 366 0.7 12 386 1 17 4,356 9.9 1,027.30オ ラ ン ダ 306 3,052 5.7 629 5,639 14.1 886 3,640 8.2 -35.4ベ ル ギ ー 7 275 0.5 10 645 1.6 8 1,888 4.3 193ア イ ル ラ ン ド 6 54 0.1 1 154 0.4 7 1,366 3.1 784.5ド イ ツ 29 353 0.7 33 528 1.3 30 465 1.1 -11.9ルクセンブルグ 43 157 0.3 81 200 0.5 118 330 0.7 65.3イ タ リ ア 4 64 0.1 6 28 0.1 7 249 0.6 779.1チェッコ共和国 3 57 0.1 10 105 0.3 14 166 0.4 58.4ス ペ イ ン 6 36 0.1 9 53 0.1 1 141 0.3 167.5ス イ ス 3 41 0.1 3 83 0.2 8 136 0.3 63.7ハ ン ガ リ ー 1 259 0.5 4 47 0.1 7 58 0.1 23フ ィ ン ラ ン ド ― ― ― 4 175 0.4 7 49 0.1 -72.3ト ル コ 2 147 0.3 ― 143 0.4 2 29 0.1 -79.4ロ シ ア 連 邦 1 2 0 2 4 0 2 27 0.1 516.4デ ン マ ー ク ― ― ― ― ― ― 1 27 0.1 皆増ポ ル ト ガ ル ― ― ― ― ― ― 2 20 0 皆増ポ ー ラ ン ド 2 29 0.1 2 17 0 4 20 0 15.9ス ウ ェ ー デ ン 6 923 1.7 1 2 0 5 18 0 634.7オ ー ス ト リ ア ― ― ― ― 35 0.1 ― 1 0 -96そ の 他 4 19 0 4 32 0.1 1 2 0 -93.7

欧州計 717 26,989 50.1 859 13,239 33.2 1,157 18,304 41.4 38.3南アフリカ共和国 1 14 0 2 83 0.2 5 129 0.3 55.1リ ベ リ ア 6 46 0.1 9 148 0.4 6 103 0.2 -30.9モ ー リ シ ャ ス ― ― ― ― ― ― 2 5 0 皆増そ の 他 ― 1 0 2 9 0 ― ― ― 皆減

アフリカ計 7 60 0.1 13 241 0.6 13 237 0.5 -1.9オーストラリア 19 568 1.1 24 632 1.6 19 1,552 3.5 145.6北 マ リ ア ナ ― 7 0 ― ― ― 1 66 0.1 皆増ニュージーランド 4 145 0.3 4 37 0.1 2 5 0 -87.7西カロリン諸島 1 2 0 ― 2 0 ― 1 0 -49.2そ の 他 3 15 0 ― 2 0 ― ― ― 皆減

大洋州計 27 737 1.4 28 674 1.7 22 1,623 3.7 140.9合 計 1,701 53,854 100 1,768 39,922 100 2,144 44,175 100 10.7

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」

2003年9月 第17号 21

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付表5 主要投資先上位10カ国(金額ベース、2002年度) (単位:億円)

順 位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位

国 米 国 英 国 ケイマン諸島 フランス オランダ 中 国 ベルギー オーストラリア アイルランド パ ナ マ

食 糧 109 ― ― 2 ― 91 ― 10 ― ―

繊 維 7 19 ― ― ― 90 ― ― ― ―

木材・パルプ 14 ― ― ― ― 26 ― ― ― ―

化 学 1,361 207 ― 44 ― 175 ― ― 43 ―

鉄 ・ 非 鉄 163 10 ― ― ― 138 ― 67 ― ―

機 械 456 469 ― 13 20 191 205 ― 4 ―

電 機 2,999 6 3 50 247 381 ― 2 22 ―

輸 送 機 798 85 ― 2,594 14 236 463 14 ― 35

そ の 他 85 35 18 15 11 383 533 1 ― ―

小 計 5,991 830 21 2,719 292 1,712 1,201 94 70 35

農 ・ 林 業 ― ― ― ― ― ― ― 5 ― ―

漁 ・ 水 業 22 ― ― ― ― ― ― ― ― ―

鉱 業 149 69 13 ― 96 6 ― 61 ― ―

建 設 業 4 ― ― ― ― 10 ― ― ― ―

商 業 1,167 320 4 747 209 83 545 34 ― 172

金融・保険 1,455 3,615 4,873 14 2,809 146 138 30 1,220 2

サービス業 396 18 ― 876 151 39 5 58 76 58

運 輸 業 458 53 4 ― 83 5 ― 16 ― 801

不 動 産 業 236 207 5 ― ― 5 ― 1,253 ― ―

そ の 他 31 ― ― ― ― ― ― ― ― 1

小 計 3,918 4,282 4,899 1,637 3,349 295 688 1,457 1,297 1,034

支 店 4 202 ― ― ― 146 ― ― ― ―

合 計 9,913 5,314 4,919 4,356 3,640 2,152 1,888 1,552 1,366 1,069

出所)財務省「対外及び対内直接投資状況」より国際協力銀行作成

22 開発金融研究所報