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2011年度後期 立命館大学 理工学部 講義 演算機能回路 13132011/12/12 泉知論 立命館大学 理工学部 電子情報デザイン学科 2011/12/19 演算機能回路(泉)#13 1

2011年度後期立命館大学理工学部講義 ÷11 10001001 ÷1101 11000111 ÷1100100 10101010 ÷1000 • 同様に、商は小数点第2位までもとめ、余りも 求めよ。2011/12/19

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2011年度後期 立命館大学 理工学部 講義

演算機能回路

第13週第13週2011/12/12泉知論

立命館大学 理工学部 電子情報デザイン学科

2011/12/19 演算機能回路(泉)#13 1

除算器、開平器、…

division square-rootdivision, square root, ...

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除算除算

• A ÷ B = Q 余り R• 筆算の手順をそのまま回路化すれば実• 筆算の手順をそのまま回路化すれば実現可能

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除算の筆算算 算• 4bit ÷ 4bit の符号無除算の例 q0q1q2q3

×q3-

a0a1a2a3b0b1b2b3 )b0b1b2b3

a0a1a2a3’×q2- b0b1b2b3

’ ’ ’×q2- b0b1b2b3

a0a1a2a3 ’’×q bbbb

’’ ’’ ’’×q1- b0b1b2b3

’’’ a0a1a2a3 ’’’ ’’’ ’’’×q0- b0b1b2b3

r0r1r2r3 余2011/12/19 演算機能回路(泉)#13 4

0123 余

演習13A演習13A

• 次の符号無し2進数の割り算をせよ。商は整数の範囲で求め、余りも求めよ。数

1111 ÷ 1110001001 ÷ 110110001001 ÷ 110111000111 ÷ 110010010101010 ÷ 1000

• 同様に、商は小数点第2位までもとめ、余りも同様に、商は小数点第2位までもとめ、余りも求めよ。

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除算の筆算算 算• 4bit ÷ 4bit の符号無除算の例 q3 q2 q1 q0

比較 a0a1a2a3b0b1b2b3 )

-減算 q3決定 b0b1b2b3 シフト×

AND

比較 a0a1a2a3’ ’ ’ ’q2

決定

-減算 b0b1b2b3 シフト×AND

比較

q2

q決定

-a0a1a2a3 ’’’’ ’’ ’’

減算

減算

b0b1b2b3 シ

bbbb シフト×AND

×

比較

q1

決定

-’’’ a0a1a2a3 ’’’ ’’’ ’’’

減算 b0b1b2b3 シフト×

ANDq0決定

-r0r1r2r3

減算 b0b1b2b3 シフト×AND

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0123

除算の処理手順と基本的構成法除算の処理手順と基本的構成法

• 以下の繰り返し• 以下の繰り返し

– 除数をシフト

被除数 剰余 除数 較– 被除数(剰余)と除数の比較

– 商の現在の1ビットを決定

– 被除数(剰余)から除数と商1ビットの積を減算

• 組合せ回路 繰り返し演算 パイプライン演• 組合せ回路、繰り返し演算、パイプライン演算、いずれでも実現可能

注:比較と減算の繰り返しの順番を入れ替えることはできないので、回路をツリー状に構成するテクニックは使えない。

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除算器の構成と使用について除算器の構成と使用について

• 具体的な回路構成については省略する• 具体的な回路構成については省略する。

– みなさんは、もう、設計できるはず!

実際の設計現場では ライブラリから選択すること• 実際の設計現場では、ライブラリから選択することが多い。ただし、構成や特徴を理解しておかねば、良い選択はできない良い選択はできない。

• 乗算器と同じく、チューンナップのための高度なテクニックが多数存在する。将来、本当に設計の必要に迫られたときに調査されたし。

• 現場ではむしろ除算を使わないで済む工夫が必要。

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除算器削減の工夫除算器削減の工夫

• 定数除算を逆数の定数乗算に置き換える

– 例c

xcx 1

• 式変形して除算の回数を減らす

c

– 例nx

nx ii

• 除算のない(少ない)近似式を考える

など2011/12/19 演算機能回路(泉)#13 9

など

筆算からの演算器設計の原則筆算からの演算器設計の原則

• みなさんはもう、筆算の手順があれば、どんな演算回路でも作れる!(はず?)

• これまで学んできたこと 加算 減算これまで学んできたこと

– 2進数(2の補数)で数を表現

進数 筆算 従 計算を回路化

加算、減算、乗算、除算、平方根、…

– 2進数の筆算に従って計算を回路化

– 数式上の工夫、回路構造上の工夫

– 組合せ回路、繰り返し演算、パイプライン演算

– 実現のための部品– 実現のための部品

• 基本ゲート、セレクタ、加算器(CPA, CLA, CSA)、シフタ、レジスタ、ステートマシン

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レジスタ、ステ トマシン

三角関数、指数、対数…

sin cos tan exp logsin, cos, tan, exp, log, ...

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より複雑な演算(関数)の実現より複雑な演算(関数)の実現

• 筆算が与えられた演算⇒できる!筆算 与 演算 る

• 単純な筆算では計算できない演算(関数)

– sin cos tan exp log– sin, cos, tan, exp, log, ...• 級数展開による多項式近似

i 関数の例 12

)1(in

n x

級数展開を適当な次数で打ち切って近似計算

– sin 関数の例

• CORDIC アルゴリズム

1 )!12(

)1(sinn

nn

xx

– 複素ベクトル操作の繰り返しで三角関数や乗除算を計算する洗練された古典的アルゴリズム

• 表を作っておいてそれを見る

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級数展開による実現級数展開による実現

• 数学的に直接的な実現方法

• 乗算器、定数乗算器、加算器を駆使すれば実現可能実現可能

• 通常、組合せ回路としての実現は×。マルチサイクル、あるいは、パイプラインで実現。

• 必要精度に応じて展開の次数 ビット幅を調• 必要精度に応じて展開の次数、ビット幅を調整可能

が増• しかし、そのぶん、レイテンシが増大。

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表参照型演算器(単純構成)表参照型演算器(単純構成)

• 複雑な関数を実現する「コロンブスの卵」的な単純な方法

• 入力値に対する出力値を、表として持っておく

与えられた に対応する を表から引いて出• 与えられた x に対応する y を表から引いて出力する

表 → メモリで実現

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参照表 例: y = 512 sin (2πx / 128)参照表x y

例: y 512 sin (2πx / 128)

x ... 8bit, y ... 10bit

• 入力値 x (n bit) → メモリのアドレス

127 6: :

2 12→ メモリのアドレス

• 出力値 y (m bit) 2 121 60 0

メモリ10bit×256word

アドレス

x8

→ メモリのデータ -1 -6-2 -12

10bit×256word

データ

y10

: :-127 6

y の値は別途計算して

• m×2n bit のメモリy の値は別途計算して事前に書き込んでおく

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表参照型演算器の構成表参照型演算器の構成

保• 表を保持するメモリ(ROM)

• メモリを読み出すための制御回路メモリを読み出すための制御回路

• 通常、メモリの読み書きに数サイクル必要

– 組合せ回路による実現は不可

– マルチサイクル演算算

– パイプライン演算(メモリがパイプライン的な読出可能であれば)

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表参照型演算器の単純構成例表参照型演算器の単純構成例

x開始

読出要求

x開始

読出要求

アドレスセット

メモリアドレスレジスタ

データ

ステートマシン

アドレス

データ

セット

デ タレジスタセット

y完了 ※単純なマルチサイクル演算の例

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表参照型演算器の状態遷移例表参照型演算器の状態遷移例

注意入力待

開始

注意レジスタの値が変わるのは次のサイクル

をアドレスレジスタにセット

開始

x をアドレスレジスタにセットメモリに読出要求を出す

出力(完了=1)

メモリの出力をメモリの出力をデータレジスタにセット

※単純なマルチサイクル演算の例

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表参照型演算器の改良表参照型演算器の改良• 入力 n bit 、出力 m bit ⇒ m×2n bit のメモリ

• 範囲&精度を上げるには膨大なメモリが必要

表に保存するデータを削減

• 周期性、対称性を利用 (例:sin, cos は 0~π/2 で十分)

間引きと補完(線形補完)

表に保存するデ タを削減

• 間引きと補完(線形補完)

• 可変区間

– 関数のグラフが直線的な部分⇒区間を広く

– 関数のグラフが曲線的な部分⇒区間を狭く

• 補正回路、補完回路、区間表、区間判定回路が必要

⇒精度、回路規模、速度性能のバランスの考慮が必要

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補完と可変区間補完と可変区間

y f ( )y y = f (x) … 保持

… 間引き

… 補完

xxi xj xk

xx))()(()()( ik

ik

ijij xfxf

xxxx

xfxf

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演習13B演習13B

被• 被除数 4bit ÷ 除数 4bit = 商4bit 余4bit のマルチサイクル除算器のブロック図を描いてチサイク 除算器 ック図を描みよう。

• 五次(x5 まで)の級数展開で sin 関数を計算• 五次(x5 まで)の級数展開で sin 関数を計算

するパイプライン乗算器のブロック図を描いみようてみよう。

• 表参照型演算器における線形補完回路のブ表参照型演算器における線形補完回路のブロック図を描いてみよう。

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