19
4 2017年 東京経済の主な動き 第2章 2017 年 東京経済の主な動き 第2章 1 概況 (1) 東京の経済力 国別国内総生産をみると、日本は世界3位となっています。その首都である東京都の都内総生産額は、 他国と比較してみると一国に匹敵する経済規模を有しています。 (図1) また、都内総生産・1人あたり都民所得を他府県と比較してみるとその大きさがわかります。 (図2) (2) プラスで推移した実質GDP成長率 2017年度の実質GDP成長率は、輸出や企業の設備投資の増加などにより3年連続のプラスとなりま した。四半期別にみても、2016年第1四半期から2017年第4四半期まで8四半期連続でプラスとなって おり、 2018年第1四半期にはマイナスとなったものの、景気は全体として改善傾向を続けています。 (図3) (3) プラスに転じた2015年度の都内総生産の対前年度増加率 東京の都内総生産の対前年度増加率の推移をみると、2008、2009年度にリーマン・ショックの影響等に より落ち込んだ後、2010年度にはプラスに転じ、2014年度に落ち込みがあったものの2015年度には回復し、 全体としてプラスで推移しています。 (図4) (4) 非製造業で高水準を維持した経常利益 2017年における製造業、非製造業別の法人企業の経常利益の推移をみると、製造業は全体としては昨 年を上回ったものの2017年第2四半期をピークに第3四半期以降はやや減少しています。非製造業は、 2016年第3四半期に約13兆8千億円と、2008年以降で最高となり、その後、一時減少したものの高水準 を維持しています。 (図5) 図1 国別国内総生産(名目) (世界、2015年) 図3 GDP前年度比、四半期別前期比の推移(全国) 図2 都道府県別県内総生産(名目)、 1人当たり県民所得(全国、2014年度) 県内総生産上位6都府県。 資料 内閣府「県民経済計算」 2018年1~3月期(第Ⅰ四半期)の2次速報値、四半期別は季節 調整系列。2011年基準。実質は2011暦年連鎖価格。 資料 内閣府「国民経済計算」 2015年(暦年)で比較。ただし東京は2015年度(4/1 3/31)、 オーストラリアは2015年度(7/1 6/30)。都内総生産は、東京 外国為替市場におけるインターバンク直物中心相場の月中平 均値の12か月単純平均値(1ドル=120.13円)を用いて換算。 資料 東京都「都民経済計算年報」 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 (%) (%) 1.6 1.7 2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年度 実質 名目 前年度比 -0.2 -0.4 -2 -1 0 1 2 3 ⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠ 2014 15 16 17 18 実質 名目 四半期別前期比 110.6 43.8 33.6 28.6 24.2 21.0 18.2 17.7 15.513.813.312.411.911.5 8.7 8.6 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200 千億ドル) 180.4 94.9 37.9 36.0 30.3 20.9 20.0 4,512 3,013 3,527 2,929 2,903 2,970 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 0 20 40 60 80 100 120 (千円) 兆円) 1人当たり県民所得(目盛右) 県内総生産(名目)

2017年 東京経済の主な動き - 東京都産業労働局 · 2018-09-18 · 6 第2章 2017年 東京経済の主な動き (7) 第3次産業の比率が高い東京の経済

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2017年 東京経済の主な動き

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

第2章

1 概況(1) 東京の経済力 国別国内総生産をみると、日本は世界3位となっています。その首都である東京都の都内総生産額は、他国と比較してみると一国に匹敵する経済規模を有しています。(図1) また、都内総生産・1人あたり都民所得を他府県と比較してみるとその大きさがわかります。(図2)

(2) プラスで推移した実質GDP成長率 2017年度の実質GDP成長率は、輸出や企業の設備投資の増加などにより3年連続のプラスとなりました。四半期別にみても、2016年第1四半期から2017年第4四半期まで8四半期連続でプラスとなっており、2018年第1四半期にはマイナスとなったものの、景気は全体として改善傾向を続けています。(図3)

(3) プラスに転じた2015年度の都内総生産の対前年度増加率 東京の都内総生産の対前年度増加率の推移をみると、2008、2009年度にリーマン・ショックの影響等により落ち込んだ後、2010年度にはプラスに転じ、2014年度に落ち込みがあったものの2015年度には回復し、全体としてプラスで推移しています。(図4)

(4) 非製造業で高水準を維持した経常利益 2017年における製造業、非製造業別の法人企業の経常利益の推移をみると、製造業は全体としては昨年を上回ったものの2017年第2四半期をピークに第3四半期以降はやや減少しています。非製造業は、2016年第3四半期に約13兆8千億円と、2008年以降で最高となり、その後、一時減少したものの高水準を維持しています。(図5)

図1 国別国内総生産(名目)(世界、2015年) 図3 GDP前年度比、四半期別前期比の推移(全国)

図2 都道府県別県内総生産(名目)、   1人当たり県民所得(全国、2014年度)

注  県内総生産上位6都府県。資料 内閣府「県民経済計算」

注  2018年1~3月期(第Ⅰ四半期)の2次速報値、四半期別は季節   調整系列。2011年基準。実質は2011暦年連鎖価格。資料 内閣府「国民経済計算」

注  2015年(暦年)で比較。ただし東京は2015年度(4/1 ~ 3/31)、   オーストラリアは2015年度(7/1 ~ 6/30)。都内総生産は、東京   外国為替市場におけるインターバンク直物中心相場の月中平   均値の12か月単純平均値(1ドル=120.13円)を用いて換算。資料 東京都「都民経済計算年報」

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

4

(%)

(%)

1.6

1.7

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年度

実質名目

前年度比

-0.2

-0.4

-2

-1

0

1

2

3

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ

2014 15 16 17 18年

実質

名目

四半期別前期比

110.6

43.833.628.624.221.018.217.715.513.813.312.411.911.58.7 8.6

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

アメリカ

中国

日本

ドイツ

イギリス

フランス

インド

イタリア

ブラジル

カナダ

韓国

ロシア

オーストラリア

スペイン

メキシコ

東京

トルコ

(千億ドル)

180.4

94.9

37.9 36.030.3

20.9 20.0

4,512

3,0133,527

2,929 2,903 2,970

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

0

20

40

60

80

100

120

(千円)(兆円) 1人当たり県民所得(目盛右)

県内総生産(名目)

東京

大阪

愛知

神奈川

埼玉

千葉

5

第2章

第1節 概況

(5) 2017年の景気動向指数 内閣府は、日本の景気動向について、リーマン・ショック後の2009年3月を景気の谷として設定した後、2012年3月を景気の山、2012年11月を景気の谷として設定しています。2015年から2016年前半にかけて景気動向指数(CI一致指数)は足踏み状態が続きましたが、2016年10月以降はおおむね上昇傾向で推移しています。(図6)

(6) 年末にかけて円高が進み、株価は上昇 2017年の日経平均株価は、前半はトランプ米大統領の保護主義への懸念や北朝鮮情勢の緊迫化をめぐる地政学リスクの高まりなどから慎重な動きでした。秋以降は、上場企業の業績好調に触発された外国人買いが主導した上げ相場となり、11月にはバブル崩壊後の最高値を上回り、1992年以来、25年10か月ぶりの高値を付け、年末にかけて22,000円から23,000円の間で推移しました。(図7) 2017年における外国為替市場の米ドル-円相場の推移をみると、2016年11月に当選したトランプ政権への政策期待などから2016年末に急騰した相場の流れを受け、1月上旬は116円から118円台でスタートしました。3月以降は、おおむね108円~ 114円台と年初よりも円高で推移しました。(図8)

図4 都内総生産の対前年度増加率(名目・   実質:連鎖方式)の推移(東京)

図5 製造業・非製造業別法人企業経常利益の推移   (全国)

図6 景気動向指数の推移(全国)

注  季節調整値。非製造業は金融業、保険業を除く。資料 財務省「法人企業統計調査」

注  CI、一致指数。シャドーは景気後退期。2018年4月分改訂値。   CIとは、構成指標の動きを合成することで、景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定するための指数。一致指数とは、CIのうち、景気の   動きに対してほぼ一致して動く指数。資料 内閣府「景気動向指数」

注  2011年基準。2011暦年連鎖価格。資料 東京都「都民経済計算平成27年度年報」

118.9

116.0

70

80

90

100

110

120

2001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

2018年3月

(2010年=100)

5.5

-2.1

製造業

7.77.0

7.3

5.3

非製造業

13.8 13.3

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

ⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠ

2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

(兆円)

1.3

-2.8

-3.8

1.1

3.0

1.0

2.0

-1.4

1.8

1.1

-3.0

-5.6

0.2

2.2

0.0

1.5

0.6

2.0

-6

-5

-4

-3

-2

-1

0

1

2

3

2007 08 09 10 11 12 13 14 15年度

(%)

名目

実質

6

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

(7) 第3次産業の比率が高い東京の経済 都内総生産額の名目値をみると、2015年度は約104兆3千億円で、3年連続の微増となっています。2015年度と2007年度を経済活動別にみると、「金融・保険業」、「製造業」、「卸売・小売業」 などでは減少している一方、「不動産業」 等では増加しています。なお、総生産額に占める第3次産業1の比率は、9割弱と高い水準で推移しています。(図9)

(8) 上昇傾向で推移した中小企業の業況DI 2017年の東京における中小企業の業況DIは、4月には5か月ぶりにマイナス20台に戻して以降、マイナス20台を保っています。12月の業況DIはマイナス22で、前年同月から8ポイント増加しました。業種別にみると、卸売業は12ポイント、小売業は9ポイント、製造業、サービス業はそれぞれ6ポイント増加しました。(図10) 

図7 日経平均株価の推移(全国) 図9 経済活動別都内総生産(名目)・第3次   産業比率の推移(東京)

図8 外国為替市場の米ドル-円相場の推移   (全国)

注  輸入品に課される税・関税、総資本形成に係る消費税の控除を除く。資料 東京都「都民経済計算」

注  業況DI=業況が「良い」とした企業割合-「悪い」企業割合。シャドーは、内閣府が公表した景気後退期。資料 東京都「東京都中小企業の景況」

注  月次データは日次終値ベースで集計。       2007年1月から2018年3月まで掲載。資料 Ⓒ日本経済新聞社

図10 中小企業の業種別業況DIの推移(東京)

注  日本銀行発表による中心スポットの月中平均。   2007年1月から2018年3月まで掲載。資料 日本銀行「各種マーケット関連統計」

-29

-16

-27

-36

-24-31

-46

-37

-48

-21

-15

-16

-80

-70

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

全体 製造業卸売業小売業サービス業

76.77

101.27106.00

70

80

90

100

110

120

1302007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

(円)

22.76

21.45

6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

(千円)

終値

18.26

7.05

20.87

第3次産業

10.5 製造業 8.9 9.0

建設業

24.0卸売・小売業 20.4 21.1

11.5金融・保険業 8.9 9.0

10.4不動産業 11.5 11.7

運輸・郵便業

11.1

情報通信業 10.9 11.2

2.52.5 2.5

11.1

専門・科学技術、業務支援サービス業 12.0 12.3

106.9102.1 104.3

85.9第3次産業比率(目盛右) 86.3 86.2

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

120

2007 08 09 10 11 12 13 14 15年度

(%)(兆円)

農林水産業 鉱業製造業 建設業電気・ガス・水道・廃棄物処理業 卸売・小売業金融・保険業 不動産業運輸・郵便業 情報通信業宿泊・飲食サービス業 専門・科学技術、業務支援サービス業公務 教育保健衛生・社会事業 その他のサービス

-30

-22

-22

注1 経済活動別分類における第3次産業とは、電気・ガス・水道業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、運輸・郵便業、情報通信業、宿泊・飲食サービス業、専門・科学技術、業務支援サービス業、公務、教育、保健衛生・社会事業、その他のサービスを指す。

7

2 2017年の東京の産業活動(1) 生産指数は回復傾向で推移 生産指数は工業製品を生産する事業所の生産活動の状況を表す指数であり、指数が上昇すれば、生産活動が活発化していることを示します。2017年における東京の生産指数は、生産用機械工業や輸送機械工業が上昇に寄与したことで、全体を通してみれば回復傾向で推移しており、3年ぶりに前年を上回る水準となりました。(図1)

(2) 建設業活動指数は上昇傾向で推移 建設業活動指数は、建設業の活動状況を示す指数です。東京における建設業活動指数は、民間の建築活動などが押し上げ要因となり、2015年以降上昇が続いています。(図2)

(3) 第3次産業活動指数は上昇傾向で推移 第3次産業活動指数は、都内総生産の約9割を占める第3次産業の活動を総合的に捉えることを目的とした指数であり、第3次産業に分類される各業種の活動指数を総合して算出されています。東京における第3次産業活動指数は、消費税引上げ時の駆け込みとその後の反動がみられて以降上昇に転じており、2017年は3年連続の上昇となりました。(図3)

図1 生産指数の推移(東京・全国) 図2 建設業活動指数の推移(東京・全国)

図3 第3次産業活動指数の推移(東京・全国) 図3-1 卸売業、小売業の活動指数の推移(東京・全国)

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。2018年6月時点公   表値。資料 東京都、経済産業省「全産業活動指数」

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。2018年6月時点公   表値。資料 東京都、経済産業省「第3次産業活動指数」

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。2018年6月時点公   表値。資料 東京都、経済産業省「第3次産業活動指数」

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。2018年6月時点公   表値。資料 東京都「工業指数」、経済産業省「鉱工業指数」

114.8

115.2

80

90

100

110

120

130(2010年=100)

116.9

109.9

115.5112.9全国

東京

97.3

105.4

85

90

95

100

105

110(2010年=100)

94.4 91.8

東京

102.0

99.5

全国

90.992.2

卸売(東京)93.5

100.199.3

小売(東京)

97.4

94.2 92.8

卸売(全国)96.4

100.799.8

小売(全国) 101.2

86

88

90

92

94

96

98

100

102

104

106

201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11→2017年

201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

12月

12月→2017年

(2010年=100)

96

98

100

102

104

106

108

→2017年

(2010年=100)

201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

→2017年201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12月

12月

105.7105.1

東京105.9

104.7 104.1全国

105.6

第2章

第1節 概況/第2節 2017 年の東京の産業活動

【参考】 第3次産業活動指数の対象範囲(平成22年基準)「日本標準産業分類」(平成25年10月改定)の以下の13大分類に属する業種としている。

1) 「F 電気・ガス・熱供給・水道業」 、2) 「G 情報通信業」、3) 「H 運輸業,郵便業」、4) 「I 卸売業,小売業」 5) 「J 金融業,保険業」 、6) 「K 不動産業,物品賃貸業」、7) 「L 学術研究,専門・技術サービス業」8) 「M 宿泊業,飲食サービス業」 、9) 「N 生活関連サービス業,娯楽業」、10) 「O 教育,学習支援業」(ただし、教育は対象業種から除外)

11) 「P 医療,福祉」 、12) 「Q 複合サービス事業」、13) 「R サービス業(他に分類されないもの)」

8

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

 東京における第3次産業の各業種の活動指数の推移をみると、近年、卸売業の活動指数は低下傾向で推移していましたが、直近は一進一退の動き、小売業の活動指数も一進一退で推移しています。2017年の指数は、卸売業は3年ぶりの低下、小売業は2年ぶりの上昇となりました。(図3-1) 東京における情報通信業の活動指数は、好調な通信業等の影響で、近年上昇傾向が続き、2017年は6年連続の上昇となりました。(図3-2) 東京における金融業,保険業の活動指数は、近年は上昇傾向で推移しています。2017年もおおむね上昇傾向で推移し、2年ぶりの上昇となりました。(図3-3) 東京における不動産業の活動指数は、消費税引上げ時の駆け込みとその後の反動が見られましたが、堅調なオフィス需要等を背景に、近年は堅調に上昇を続けています。2017年は、3年連続の上昇となりました。(図3-4) 「観光関連産業」の活動指数とは、第3次産業に含まれる業種のうち、「鉄道旅客運送業、バス業、タクシー業、水運旅客運送業、航空旅客運送業、道路施設提供業、自動車レンタル業、宿泊業、旅行業、遊園地・テーマパーク」を「観光関連産業」として総合化した再編集系列です。東京の観光関連産業の活動指数は、2011年に東日本大震災による落ち込みが見られて以降は堅調な伸びとなっており、2017年は6年連続の上昇となりました。(図3-5)

図3-2 情報通信業の活動指数の推移(東京・全国)図3-3 金融業,保険業の活動指数の推移(東京・全国)

図3-4 不動産業の活動指数の推移(東京・全国) 図3-5 観光関連産業の活動指数の推移(東京・全国)

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。2018年6月時点公   表値。資料 東京都、経済産業省「第3次産業活動指数」

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。2018年6月時点公   表値。資料 東京都、経済産業省「第3次産業活動指数」

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。観光関連産業は宿泊業、   旅行業と運輸業、自動車賃貸業、娯楽業の一部。2018年6月時点公表値。資料 東京都、経済産業省「第3次産業活動指数」

注  年は原指数、月々の数値は季節調整済指数。2018年6月時点公   表値。資料 東京都、経済産業省「第3次産業活動指数」

(2010年=100)(2010年=100)

201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11→2017年

201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12月

12月

→2017年

(2010年=100)

98

100

102

104

106

108

→2017年

(2010年=100)

201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

→2017年201011 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12月

12月

105.7106.3

東京

103.8

104.4 104.4

全国

104.4

96

98

100

102

104

106

108

110

112

114

109.2109.3

東京

108.5

109.6 109.4

全国

109.7121.6

118.7

東京122.5

113.5112.2

全国

114.9

96

100

104

108

112

116

120

124

128

111.8

109.7

東京113.0

107.5

106.5全国

108.4

96

98

100

102

104

106

108

110

112

114

9

図1 消費者態度指数の推移(関東・全国) 図2 家計消費支出の推移(東京都区部・全国)

図4 消費支出の費目別構成比(東京、2017年)

注  名目値。二人以上世帯のうち勤労者世帯。資料 総務省「家計調査」

注  自動車販売台数は東京、その他は全国の数値。資料 経済産業省「生産動態統計」、(一社)日本自動車販売協会連合会

注  百貨店、スーパーは既存店。コンビニエンスストアは全店。   広域関東圏は、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、   山梨、長野、静岡の1都10県。資料 経済産業省「商業動態統計」

図3 消費支出における10大費目別支出金額の   対全国倍率(東京/全国、2017年)

注  二人以上の世帯、原数値(今後半年間の見通しの5段階評価での   回答を点数化。)。資料 内閣府「消費動向調査」

図6 百貨店・スーパー・コンビニエンスストア   販売額の前年比・前年同月比の推移      (東京都区部・広域関東圏)

注  1世帯1か月あたりの平均値。勤労者世帯。資料 東京都「都民のくらしむき」

図5 家電製品出荷台数・新車販売台数    前年比・前年同月比の推移(東京・全国)

注  1世帯1か月あたりの支出額(住宅の返済等は含まない)。勤労   者世帯。費目別支出金額の対全国倍率=東京都の勤労者世帯の   費目別支出金額/全国の勤労者世帯の費目別支出金額。資料 東京都「都民のくらしむき」

42.3

関東 44.9

40.4全国

44.4

35

40

45

50

2014 15 16 17 18年

0.0

1.0

2.0

食料 1.18

住居 1.50

光熱・水道 0.97

家具・家事用品1.12

被服及び履物 1.32

保険医療1.21

交通・通信0.95

教育1.72

教養娯楽1.38

その他の消費支出 0.98 東京

全国

(全国=1.0)

201314 15 16 17年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3月

(%)

2.1

-5.1

-15.7 冷蔵庫(全国)

-0.6

-19.3

-10.0-15.3

薄型テレビ(全国)

1.0

4.3

-4.8

10.3

電気洗濯機(全国)

3.7

-0.6

3.3 6.8

新車(東京)

-2.9

-30

-20

-10

0

10

20

30

→2017年 →2018年

3.3

0.6

-1.2百貨店(東京都区部)

-0.7-1.1

2.0

-0.8

スーパー(東京都区部)

2.9

3.8

2.3 2.6

コンビニエンスストア(広域関東圏)

3.2

-5

0

5

10

2013 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3月→2017年 →2018年

(%)

食料 24.2住居

7.65.6

3.44.8

3.8

交通・通信

12.9

教育

9.0

教養娯楽 その他の消費支出

17.111.6

0 20 40 60 80 100

消費支出364,470円

光熱・水道 家具・家事用品 被服及び履物 保健医療

(%)

32.3全国 31.0 31.3

34.7

東京都区部

36.2

37.6

303132333435363738

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(万円)

3 回復の動きがみられる東京の消費、原油価格上昇などの影響を受けた物価(1) 増加傾向で推移している東京の家計消費 消費者態度指数とは、今後の暮らし向きの見通しなどについて消費者の意識を点数化したものであり、一般的に50が見通しの善し悪しの判断目安となっています。2017年における全国、関東の消費者態度指数は、おおむね上昇傾向で推移しました。(図1) 東京都区部と全国における家計消費支出の推移をみると、東京都区部では、2015年以降、3年連続して上昇しています。全国では、2014年以降、3年連続で減少しましたが、2017年は上昇しています。また、東京都区部はいずれの年も、全国の水準を上回って推移しています(図2) 消費支出の費目別の対全国倍率をみると、「教育」、「住居」で1.5倍以上となっており、「交通・通信」や

「光熱・水道」は1倍を下回っています。(図3) 2017年における東京都の消費支出の費目別構成比をみると、「食料」の割合が24.2%と最も高く、次いでこづかいや交際費を含む「その他の消費支出」、「交通・通信」と続きます。(図4) (2) 持ち直しの動きがみられる消費動向 2017年における家電製品出荷台数、新車販売台数など耐久消費財の消費動向について前年同月比の推移をみると、薄型テレビ、冷蔵庫、電気洗濯機は大きく一進一退を繰り返し、前年比でみるとマイナスとなっています。新車販売台数の前年同月比をみると、前半はおおむねプラスで推移しましたが、秋以降おおむねマイナスで推移し、前年比では3.3ポイントプラスとなりました。(図5) 2017年の百貨店及びスーパー(東京都区部)、コンビニエンスストア(広域関東圏)における販売額の前年同月比の推移をみると、前年が閏年だったことによる営業日数減等の影響で2017年2月に落ち込みましたが、その後はスーパー(東京都区部)、コンビニエンスストア(広域関東圏)ではプラスで推移しています。百貨店(東京都区部)は、年間を通じて一進一退で推移しました。それぞれの2017年における販売額の前年比をみると、百貨店はインバウンド(訪日外国人)向けの販売が好調だったことなどから、2年ぶりにプラスとなりました。スーパーは2.0%増と4年連続のプラス、コンビニエンスストアは2.3%増と8年連続でプラスとなりました。(図6)

第2節 2017 年の東京の産業活動/第3節 回復の動きがみられる東京の消費、原油価格上昇などの影響を受けた物価

第2章

10

第2章  2017 年 東京経済の主な動き

図7 消費者物価指数の推移(東京都区部・全国) 図8 消費者物価指数(総合)前年比・10大費目別   寄与度の推移(東京都区部)

図10 企業物価指数(需要段階別)の推移(全国)資料 総務省「消費者物価指数」

注  消費税を含むベースで作成。 資料 日本銀行「国内企業物価指数」、「企業向けサービス価格指数」

注  国内企業物価指数と輸入物価指数の品目が対象。消費税を含   まないベースで作成。資料 日本銀行「企業物価指数」

図9 国内企業物価指数・企業向けサービス価格指数   の推移(全国)

資料 総務省「消費者物価指数」

0.1

2.3

0.7

-0.2

0.1

-1

0

1

2

3

2013 14 15 16 17年

食料 住居光熱・水道 家具・家事用品被服及び履物 保健医療交通・通信 教育教養娯楽 諸雑費

(%)

消費者物価指数前年比

2015年基準2010年基準

114.7

素原材料

102.4

101.5

中間財

99.5

99.5最終財 97.1

70

75

80

85

90

95

100

105

110

115

1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3月→2017年 →2018年

(2015年平均=100)

→2016年→2015年

96.0

97.0

98.0

99.0

100.0

101.0

全国(生鮮食品を除く総合)

全国(食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合)

東京都区部(生鮮食品を除く総合)

東京都区部(食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合)

-1

0

1

2

3(%)

前年比、前年同月比

96.9

100.6100.2100.2

97.8

100.2

99.6

97.2

100.3

99.9

97.3

99.8

99.1

100.1

99.6 100.2

201314 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3月

2015年=100

→2018年→2017年

0.40.9

-0.2

0.30.1 0.4

0.8

-0.4

2010年基準 2015年基準

0.5 0.1

-0.1

0.1

0.2

-0.3-0.1

0.0

102.2

104.5

101

102

103

104

105

106

1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9101112 1 2 3月

企業向けサービス価格指数(2010年平均=100)

→2016年 →2017年 →2018年

100.6 100.3

95

96

97

98

99

100

101国内企業物価指数(2015年平均=100)

→2015年

(3) 原油価格などの影響を受けた消費者物価 消費者物価指数とは、消費者が購入する財やサービスの価格の平均的な動きを表す指数です。2017年の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は、原油価格の上昇によるガソリン、電気代などの上昇、法改正による酒類の上昇、制度改正による診療代の上昇などにより、全国、東京ともに2年ぶりの上昇となりました。2017年の東京都区部における消費者物価指数の前年同月比の推移をみると、「生鮮食品を除く総合」、「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」ともに、おおむね上昇傾向で推移しました。

(図7) 消費者物価指数の10大費目指数の寄与度の推移をみると、消費支出全体のうち1割強を占める「交通・通信」の寄与度は、2014年まではプラスで推移していましたが、2015年以降は携帯電話通信機や携帯電話通信料等が下落していることなどからマイナスで推移しています。(図8)

(4) 人手不足による価格上昇などの影響を受けた企業向けサービス価格指数 国内企業物価指数とは、企業間で取引される財に関する物価の動きを表す指数です。国内企業物価指数の推移をみると、2015年6月に下落に転じて以降、低水準が続きましたが、2017年は米国・中国を中心とする世界景気の拡大に伴う需要増が国際商品価格の上昇を通じて国内の企業物価を押し上げ、上昇傾向で推移しました。 企業向けサービス価格指数とは、企業間で取引されるサービスの価格変動を表す指数です。2017年の企業向けサービス価格指数は、人件費の上昇で「土木建築サービス」や「労働者派遣サービス」が上昇した影響を受け、おおむね上昇傾向で推移しました。 企業物価の動きは、需要段階によって「素原材料」、「中間財」、「最終財」に分類してみることができます。生産活動のために使用・消費されるもののうち、「素原材料」は、第1次産業で生産された未加工のもの、「中間財」は、加工過程を経たもの、「最終財」は、最終需要に充てられるものです。企業物価指数(需要段階別)の推移をみると、2017年に入り「素原材料」は原油や鉄鉱石などの鉱物資源がけん引して大きく上昇したのに対し、「最終財」の上昇率は、原油高などのコスト増を企業が吸収しているため微増にとどまりました。(図9、10)

11

第3節 回復の動きがみられる東京の消費、原油価格上昇などの影響を受けた物価/第4節 輸入・輸出とも拡大した貿易動向

4 輸入・輸出とも拡大した貿易動向(1) 日本の貿易収支は2年連続の黒字、旅行収支の黒字幅は拡大 2017年の日本の経常収支は22.0兆円の黒字となりました。経常収支のうち、企業が海外投資から得る利子や配当金などの収支状況を示す「第一次所得収支」の黒字額は、2016年から増加し19.8兆円となりました。日本の経常収支は、以前は「第一次所得収支」と「貿易収支」が主に黒字に寄与していましたが、2011年以降は、「第一次所得収支」が経常黒字の大部分を占めており、「貿易」から「海外への投資」で稼ぐ構造へと変化しています。(図1) 2017年の日本の輸出額は、世界的な景気回復を背景に、中国・アジア向けの輸出が牽引して、前年比11.8%増の78.3兆円となり、2年ぶりに増加に転じました。商品別にみると、自動車などの「輸送用機器」、原動機などの「一般機械」、半導体等電子部品などの「電気機器」で大きくなっています。輸入額をみると、原油価格上昇の影響等を受けて「鉱物性燃料」が大きく伸び、前年比14.1%増の75.4兆円となりました。輸出から輸入を差し引いた貿易収支(通関ベース)は、2年連続の黒字となったものの、黒字額は2016年と比較して、27.2%減少しました。(図2、3) 経常収支のうち、旅行や金融等のサービス取引の収支を示すサービス収支の推移をみると、2013年以降5年連続で赤字幅が縮小しています。サービス別にみると、訪日外国人旅行者の消費から、日本人海外旅行者の消費を差し引いた「旅行」の収支は、2017年は訪日外国人旅行者の増加を受け、3年連続の黒字となり、黒字額は前年比34.2%増の1.8兆円となりました。また、最も黒字額の大きい「知的財産権等使用料」も、2017年は前年より増加しました。(図4)

第2章

図1 経常収支の推移(全国) 図2 国・地域別輸出入額の推移(全国)

図4 サービス収支の推移(全国)

注  香港は中国に含まない。資料 財務省「貿易統計」

資料 財務省「貿易統計」 資料 財務省「国際収支状況」

図3 商品別輸出入額の推移(全国)

16.9

14.1

15.1

12.4

8.0

8.7

12.8

12.4

14.9

27.6

24.7

28.0

11.2

8.2

9.2

83.9

81.0

54.2

67.4

65.5

63.7

69.8

73.1

75.6

70.0

78.3

020406080100

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

(兆円) 輸出 輸入

アメリカ EU 中国 アジア(中国以外) 中東 その他

8.3

7.3

8.1

7.7

8.2

8.8

15.0

17.0

18.5

16.5

16.2

18.6

13.4

6.5

8.2

12.2

10.9

13.3

73.1

79.0

51.5

60.8

68.1

70.7

81.2

85.9

78.4

66.0

75.4

0 20 40 60 80 100(兆円)

-0.8 -0.7 -0.7

-2.0 旅行

1.3 1.80.8

知的財産権等使用料 2.12.3

-1.1

その他業務サービス

-2.5 -2.6

サービス収支

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

輸送 旅行委託加工サービス 維持修理サービス建設 保険・年金サービス金融サービス 知的財産権等使用料通信・コンピュータ・情報サービス その他業務サービス個人・文化・娯楽サービス 公的サービス等

(兆円)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

7.7 化学製品 7.1 8.29.9 原料別製品 7.8 8.7

16.6一般機械 13.6 15.7

16.9

電気機器 12.313.7

20.8

輸送用機器輸送用機器 17.318.2

9.4

その他9.3

10.9

83.9

70.078.3

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

6.0 食料品食料品 6.4 7.05.7 原料品 4.0 4.7

20.2 鉱物性燃料12.1 15.8

5.57.1

7.6

7.46.1

6.8

6.5

6.47.2

9.310.8

12.02.5

3.13.2

10.010.2

10.973.1

66.0

75.4

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(兆円)

(兆円)輸入

輸出

資料 財務省「国際収支状況」

14.2

貿易収支

5.5 5.0

サービス収支

16.5

18.8 19.8

24.921.1 22.0

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(兆円)

第一次所得収支

第二次所得収支

経常収支

輸送

12

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

(2) 東京港の輸出額は2年ぶりに増加 大消費地である首都圏を支える東京港の貿易は、輸出額と比較して輸入額が大きくなる傾向があります。東京港における2017年の輸出額は、中国向けの半導体製造装置や工作機械等が好調だった一方、香港や韓国向けの輸出が前年と比べて減少しており、全体では微増となりました。輸入額は、主にアジアからの電算機類が増加しており、全体では10.5%の増加で、2年ぶりに前年比プラスとなりました。(図5) 東京港における商品別の輸出入額構成比をみると、輸出額ではノートパソコン等の電算機類が含まれる「一般機械」が3割強を占めており、全国と比べて構成比が高くなっている一方、全国では最も高い割合を占めている「輸送用機器」は、東京港では1割弱となっています。輸入額では、「電気機器」、「食料品」、「一般機械」の構成比が全国よりも高くなっているのに対して、全国で最も高い割合を占める「鉱物性燃料」は、東京港ではごくわずかな割合となっており、東京港では比較的消費者に近い製品の輸入が多くなっています。(図6) 貿易相手国・地域別に、主要な輸出品をみると、アメリカ向けでは「自動車の部分品」や「原動機」、中国・アジア向けでは「プラスチック」や「電気回路等の機器」等の輸出額が大きくなっています。輸入品をみると、中国からは「事務用機器」や「衣類・同付属品」、アメリカからは「肉類・同調整品」等の食料品、ASEANからは「衣類・同付属品」等の衣料品が主な輸入品となっています。(図7) 港別に輸出入額をみると、東京港は輸出額で4位、輸入額で2位、輸出入額の合計で2位となっています。(図8)

図5 輸出入額、前年同月比の推移(東京港) 図6 商品別輸出入額構成比   (東京港・全国、2017年)

図8 港別輸出入額(全国、2017年)

資料 財務省「貿易統計」

資料 東京税関「貿易統計」注  輸出入総額上位10位の港。資料 財務省「貿易統計」

図7 相手国・地域別主要輸出品・輸入品(東京港、2017年)

資料 東京税関「貿易統計」

10.6

10.5

8.1

11.1

32.6

20.0

19.8

17.5

8.9

23.3

16.1

13.9

0 20 40 60 80 100

東京港5.9兆円

全国78.3兆円

輸出 (%)

0 20 40 60 80 100(%)

17.2

9.3 6.3 21.0

9.8

10.0

9.3

9.1

14.2

9.6

19.1

16.0 4.2

26.1

14.5

東京港11.7兆円

全国75.4兆円

輸入

食料品 原料品 鉱物性燃料

化学製品 原料別製品 一般機械

電気機器 輸送用機器 その他

11.2

5.9

11.7

7.2

5.6 5.6

3.7

0.8 1.1

2.6

12.211.7

4.94.1 3.9

3.2

4.8

3.3

2.2

0.7

0

2

4

6

8

10

12

14(兆円)

輸出 輸入

成田空港

東京港

名古屋港

横浜港

関西空港

神戸港

大阪港

千葉港

川崎港

三河港

世界 アメリカ EU 中国 韓国 台湾 ASEAN

5.9兆円 1.6兆円 0.8兆円 1.5兆円 0.3兆円 0.3兆円 1.0兆円事務用機器 自動車の部分品 事務用機器 プラスチック 電気回路等の機器電気回路等の機器事務用機器

7.7% 14.2% 13.1% 6.8% 11.0% 8.1% 9.2%自動車の部分品 原動機 原動機 半導体等製造装置プラスチック 自動車 自動車の部分品

6.9% 9.9% 5.6% 6.2% 6.4% 5.9% 8.9%原動機 事務用機器 科学光学機器 電気回路等の機器事務用機器 プラスチック プラスチック

5.4% 8.4% 4.5% 6.2% 3.3% 5.6% 4.8%プラスチック 半導体等製造装置ポンプ・遠心分離機 事務用機器 半導体等電子部品食料品 半導体等電子部品

4.7% 3.4% 4.4% 5.6% 3.3% 5.6% 4.3%電気回路等の機器農業用機械 半導体等電子部品金属加工機械 化粧品類 非鉄金属 原動機

4.3% 3.2% 3.8% 5.3% 2.8% 5.2% 4.0%

世界 アメリカ EU 中国 韓国 台湾 ASEAN11.7兆円 1.3兆円 1.4兆円 4.5兆円 0.5兆円 0.5兆円 2.2兆円

衣類・同付属品 肉類・同調製品 たばこ 事務用機器 たばこ 半導体等電子部品衣類・同付属品8.0% 10.6% 10.0% 15.3% 13.6% 31.9% 12.7%

事務用機器 原動機 医薬品 衣類・同付属品 非鉄金属 プラスチック はき物7.4% 8.4% 7.7% 12.8% 12.4% 7.2% 6.3%

魚介類・同調製品 科学光学機器 アルコール飲料 音響・映像機器(含部品)半導体等電子部品事務用機器 魚介類・同調製品4.7% 7.6% 6.2% 5.0% 8.0% 4.3% 5.7%

肉類・同調製品 果実 肉類・同調製品 がん具類 通信機 記録媒体(含記録済) 事務用機器4.1% 3.7% 6.1% 4.3% 5.2% 3.9% 5.1%

半導体等電子部品魚介類・同調製品 化粧品類 通信機 プラスチック 金属製品 半導体等電子部品

3.8% 3.4% 4.5% 3.3% 5.0% 3.8% 4.1%

輸出品(構成比)

輸入品(構成比)

5.5 5.9

10.0

11.7

3.8

5.5

10.3

8.9

0

3

6

9

12

15

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18(千億円)(兆円)

輸出 輸入

→2017年 →2018年

3.016.8

0.7

-14.6輸出

18.7

10.5 8.5

輸入

-12.1-20

0

20

(%) (前年比・前年同月比)

201314 15 16 17年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3

13

図1 用途別対前年平均変動率、基準地平均価格   の推移(東京)

図3 用途別着工建築物床面積の推移(東京) 図4 大規模オフィスビルの供給量の推移(都区部)

図2 区市町村別用途別基準地価格対前年上昇率   (東京、2016年・2017年)

注  区市町村別の2017年の対前年上昇率の上位8区市、区部全域、   多摩全域を掲載。資料 東京都「東京都基準値価格」

図5 オフィス空室率、平均募集賃料(都心5区)

注  事務所延床面積1万㎡以上のオフィスビル。都心3区は千代田、   中央、港。資料 森ビル(株)「東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査」

注  都心5区は千代田、中央、港、新宿、渋谷。基準階面積100坪以上   のオフィスビル。年データは各年12月の値。資料 三鬼商事(株)「最新オフィスビル市況」資料 国土交通省「建築着工統計」

資料 東京都「東京都基準地価格」

3.2 3.0

10.0

6.1 5.53.0 3.3 3.1 2.7

0.6

5.3 5.1 5.0 5.0 4.8 4.2 4.0 4.0 3.30.7

02468

10(%)

2016年 2017年

2016年 2017年

住宅地

商業地

6.6

10.4

4.7 4.16.4

4.9 5.17.3

4.9

1.7

8.6 8.0 8.0 7.4 7.0 7.0 6.4 6.2 5.9

1.8

02468

1012(%)

荒川

文京

千代田

目黒

北品川

豊島

区部

多摩

中央

渋谷

中央

杉並

台東

文京

新宿

千代田

区部

多摩

44 都心3区 52109

57115

41 3121

その他20区

供給予定

17

37

43

54

11 1165

175

69

146

99

168

5242

0

50

100

150

200

2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22年

(万㎡)

2468

10(%)

2.65 3.12

3.74 2.80空室率

22.0

19.2 18.619.7

1517192123

200708091011121314151617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1011 12 1 2 3月

(千円/坪)

→2018年→2017年

平均募集賃料

年別 月別

1.3事務所

1.6 1.90.8 0.7 0.5

0.50.50.5

1.1 その他1.4 1.9

1.4居住産業併用

建築物1.3 1.5

8.9

住宅

8.6 8.9

14.815.2

15.6

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(k㎡)

産業用建築物計

店舗

工場及び作業場

倉庫

学校の校舎

病院・診療所

-15-10-505

101520

-5.6

-8.7

1.8

-7.2

-10.8

4.9

住宅地 商業地

対前年平均変動率(%)

32.9 34.3

125.8

182.5

0

50

100

150

200

2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

住宅地 商業地

基準値平均価格(万円/㎡)

5 上昇する東京の地価(1) 5年連続で上昇した東京の地価 東京の地価は、商業地、住宅地ともに2013年から5年連続で上昇しました。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を控えた再開発や、外国人観光客向けの店舗需要などの影響も要因と考えられます。(図1) 基準値価格の上昇率を地域別にみると、住宅地で2017年の上昇率が最も高かったのは荒川区の5.3%でした。2016年に上昇率が最も高かった千代田区など都心区の上昇率は鈍化しており、都心区で価格が上昇しきっている中、交通利便性が高く、相対的に価格水準が低い地域を中心に、変動率の高い地点が現れています。商業地では、渋谷区の上昇率が8.6%で最も高くなっています。(図2)

(2) 着工建築物床面積は2年連続で増加 東京における着工建築物床面積の推移をみると、2017年は2年連続で増加しました。用途別にみると住宅が過半数を占めています。産業用建築物の中では、事務所が2016年から約2割増加しました。(図3)

(3) 活発化するオフィスビル市場  2017年の都区部における大規模オフィスビル供給量は、69万平方メートルとなり、2年連続で減少しましたが、2018年と2020年は、直近で高水準であった2012年に近い供給が予定されています。地域別にみると、2017年の供給量全体の約8割が都心3区に集中しており、2018年以降の新規供給も都心3区を中心に予定されています。(図4)

第4節 輸入・輸出とも拡大した貿易動向/第5節 上昇する東京の地価

第2章

14

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

図6 利用関係別新設住宅着工戸数の推移(東京) 図7 新築マンション供給戸数・在庫数・   初月契約率の推移(都区部)

図8 新築分譲マンション75㎡当たり平均価格と   年収倍率の推移(東京)

図9 中古マンション・中古戸建住宅・新築戸建   住宅流通状況の推移(首都圏)

注  在庫数は各年年末時点。資料 国土交通省「不動産市場動向マンスリーレポート」

注  マンション価格は(株)「不動産経済研究所資料」から作成。平均   年収は東京都総務局「東京都生計分析調査報告」(勤労者世帯)か   ら作成。資料 東京都「東京の土地」 資料 (公財)東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」

注  給与住宅は会社等が社員等を居住させる目的で建築するもの。   前年比については、「分譲(うちマンション)」、「分譲(うち一戸建   て)」、「貸家」を掲載。資料 国土交通省「住宅着工統計」

72.4初月契約率

69.0

71.0

60

70

80

90(%)

16.614.8

16.0

2.2 2.9 2.6

0

10

20

30

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(千戸)供給戸数 在庫数

15.3

中古マンション新規登録件数

19.7

6.1

中古戸建住宅新規登録件数

6.3

6.4

新築戸建住宅新規登録件数

8.1

2.9 3.7

1.0 1.3

0.40.4 0.50

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年度

(万件)

中古戸建住宅成約件数

中古マンション成約件数

新築戸建住宅成約件数

4.2

7.5

3.25.2

6.7

15.8

10.4

5.1

10.6

7.2

0

2

4

6

8

10

12

14

16

0

5

10

15

20

25

1986 87 88899091 9293949596979899 01020304050607080910111213141516年2000

マンション平均価格(区部)

マンション平均価格(多摩)

年収倍率(区部)(目盛右)

年収倍率(多摩)(目盛右)

(倍)(千万)

1.7 持家 1.6 1.5

6.9 貸家 7.2 7.4

給与

5.1分譲(うちマンション)

4.0 4.2

1.7分譲(うち一戸建) 1.9 1.9

分譲(その他)15.7 14.8 15.0

0

5

10

15

20

2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(万戸)

-60-40-20

0204060

(%) 前年比

18.5

貸家

1.912.017.2

分譲(うちマンション)

-3.2

4.8

-1.8

分譲(うち一戸建)

2.0 -0.6

 都心5区のオフィス空室率は2012年から6年連続で低下し、2017年には3.12%となりました。平均募集賃料は、4年連続で上昇し、2018年3月には19万7千円となりました。(図5)

(4) 新設住宅着工戸数は2年連続で増加 2017年の東京の新設住宅着工戸数は、2年連続で増加して、約15万戸となりました。利用関係別に推移をみると、「分譲(うちマンション)」は2年ぶりに増加し、「貸家」は6年連続で増加しています。(図6)

(5) 都区部の新築マンション供給戸数は4年ぶりに増加 2017年の都区部の新築マンション供給戸数は、都心の高額物件の好調を反映し、2016年から8%以上増加し、約1万6千戸となり、4年ぶりに増加しました。2017年の初月契約率(販売開始月の販売戸数に対する契約戸数の割合)も、市場における好不調の目安とされる70%を2年ぶりに上回る71.0%となりました。(図7) マンションの販売価格と年収倍率は近年増加傾向で推移しています。2016年の新築分譲マンション75㎡当たりの平均価格は、区部で約7,500万円、多摩で約5,200万円でした。年収倍率は区部では10.4倍、多摩では7.2倍でした。区部では23年ぶりに10倍を超える水準となった2015年に引き続き10倍台となりました。(図8)

(6) 増加する中古マンションの新規登録件数 マンション価格の高騰を背景に、中古物件の人気が高まっています。首都圏におけるマンションと戸建住宅の流通状況の推移をみると、「中古マンション新規登録件数」は2009年に減少したものの、その後はおおむね増加傾向で推移し、2017年度には約19万7千件と、ここ10年で約3割増加しています。(図9)

15

図1 企業規模別資金繰り判断DIの推移(全国) 図2 中小企業資金繰りDIの推移(東京)

図3 企業規模別資金調達方法(東京、2017年度) 図4 中小企業の主な取引金融機関(東京、2018年)

注  DI=「楽」とする企業の割合-「苦しい」とする企業の割合。   「全体」は4業種全体。中小企業の定義は中小企業基本法による。資料 東京都「都内中小企業の設備投資・資金繰り等の状況」

注  5月調査。資本金、出資金又は基金1千万円以上の法人   (「電気・ガス・水道業」及び「金融業、保険業」は1億円以上)。   大企業:資本金、出資金又は基金10億円以上。   中小企業:資本金、出資金又は基金1千万円以上1億円未満。   金融業・保険業は調査対象外。   1社3項目以内回答。資料 財務省関東財務局「法人企業景気予測調査」

注  5月調査。無回答、規模不明を除く。製造業、卸売業、小売業、   サービス業が調査対象。   小規模:1~9人(製造業、卸売業、サービス業)、1~2人(小売業)。   中小規模:10~19人(製造業、卸売業、サービス業)、3~4人(小売業)。   中規模:20~49人(製造業、卸売業、サービス業)、5~19人(小売業)。   大規模:50人以上(製造業、卸売業、サービス業)、20人以上(小売業)。資料 東京都「都内中小企業の事業資金に関する調査」

注  DI=「楽である」とする企業の割合-「苦しい」とする企業の割合。   大企業:資本金10億円以上。中堅企業:資本金1億円以上   10億円未満。中小企業:資本金2千万円以上1億円未満。資料 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」

46.9

57.3

60.9

都市銀行

76.0

4.8

5.4

6.2

地方銀行

6.9

信用金庫

40.7

34.0

26.6

10.3

信用組合

4.2

その他

0 20 40 60 80 100

小規模

中小規模

中規模

大規模

(%)68.8

6.113.7

17.4

63.557.8

26.3

1.7

58.2

0

10

20

30

40

50

60

70

大企業

民間金融機関

公的機関

株式の発行

社債の発行

リース

企業間信用

資産の売却

資産の流動化・

証券化

内部資金

その他

中小企業

(%)

大企業

23

中堅企業

23

中小企業

12

-30

-20

-10

0

10

20

30

ⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠ

2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

楽である←

→苦しい

ⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠ

楽←

→苦しい

製造業

-11.2

卸売業

-7.3

小売業

-36.8

サービス業 -9.8

全体

-14.6

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

6 改善基調が続く都内企業の資金調達(1) 都内中小企業の資金繰りDIは過去10年で最も高い水準 全国における資金繰り判断DIの推移を企業規模別にみると、いずれの規模でも、2008年から2009年にかけて大きく落ち込んだものの、その後は改善傾向にあり、「中小企業」では2013年12月調査以降、プラスが続いています。(図1) 都内中小企業の資金繰りDIの推移をみると、2009年を底に改善基調が続いています。2017年をみると、

「卸売業」や「サービス業」を中心に改善している一方で、「小売業」は全体の水準を下回って推移しています。(図2)

(2) 企業の主な資金調達先は民間金融機関 東京における企業の資金調達方法をみると、「民間金融機関」や「内部資金」による調達の割合が高くなっています。また、中小企業では「公的機関」からの調達の割合も高く、大企業では「資産の流動化・証券化」、「社債の発行」による調達の割合も高くなっています。(図3) 都内中小企業の主な取引金融機関をみると、企業の規模にかかわらず「都市銀行」の割合が最も高くなっています。また、規模が小さくなるほど「信用金庫」の割合が高くなっており、「小規模」では「信用組合」の割合も比較的高くなっています。(図4)

(3) 借入金利は低下が続く 都内中小企業の主な取引金融機関からの借入金利水準は低下傾向で推移しています。とりわけ「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が導入された2016年には2%未満の割合が大幅に上昇しました。2018年は2%未満は前年と同程度の6割強を占め、うち「1%未満」の割合が24.9%、「1%台」の割合が39.6%となっています。(図5)

第5節 上昇する東京の地価/第6節 改善基調が続く都内企業の資金調達

第2章

16

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

図5 中小企業の主な取引金融機関からの   借入金利水準の推移(東京)

図6 中小企業向け資金需要判断DI、   貸出運営スタンスDIの推移(全国)

図7 国内銀行貸出残高前年同期比の推移(全国) 図8 業種別中小企業設備資金   貸出残高前年同期比の推移(全国)

注  2018年第Ⅰ四半期まで掲載。日本銀行と取引のある国内銀行及   び信用金庫のうち、貸出残高の上位50先へのアンケート調査。   資金需要判断DI=(「増加」とした回答金融機関構成比+0.5×   「やや増加」とした回答金融機関構成比)-(「減少」とした回答   金融機関構成比+0.5×「やや減少」とした回答金融機関構成比)。   貸出運営スタンスDI=(「積極化」とした回答金融機関構成比+   0.5×「やや積極化」とした回答金融機関構成比)-(「慎重化」と   した回答金融機関構成比+0.5×「やや慎重化」とした回答金融   機関構成比)。中小企業の定義は中小企業基本法による。資料 日本銀行「主要銀行貸出動向アンケート調査」

注  四半期末残高(銀行勘定)の前年同期比。2018年第Ⅰ四半期まで   掲載。中小企業の定義は中小企業基本法による。「地方公共団体」、   「個人」、「海外円借款等」向けを除いた計数(個人企業は含む。)。資料 日本銀行「貸出先別貸出金」

注  四半期末残高(銀行勘定)の前年同期比。2018年第Ⅰ四半期まで   掲載。中小企業の定義は中小企業基本法による。「地方公共団体」、   「個人」、「海外円借款等」向けを除いた計数(個人企業は含む。)。資料 日本銀行「貸出先別貸出金」

注  各年5月調査。無回答、規模・取引金融機関不明を除く。   3年超5年以内、保証協会の保証付き以外。2016年から選択肢   区分を変更。製造業、卸売業、小売業、サービス業が調査対象。   中小企業の定義は中小企業基本法による。資料 東京都「都内中小企業の事業資金に関する調査」

69

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

貸出運営スタンスDI

資金需要判断DI

増加、積極化←

→減少、慎重化18.1

1%未満22.0

24.9

44.0

1%台 42.7

39.6

2%未満23.0

33.8

36.0

43.0

43.2

48.1

2%台 49.2

44.9

40.8

40.5

39.5

35.6

30.5

26.4

26.6

3%台 21.1

16.5

18.2

13.4

13.7

13.5

6.8

7.2

7.9

0 20 40 60 80 100

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

2016年

2017年

2018年

4%台 5%以上 4%以上

(%)

製造業製造業

不動産業3.7

3.5

その他

全業種計

6.86.4

-4

-2

0

2

4

6

8

2011 12 13 14 15 16 17 18年

建設業

電気・ガス・熱供給・水道業

運輸業、郵便業

卸売業、小売業

医療・福祉

(%)

中小企業

3.8

中小企業(うち設備資金)

6.4

大企業

-1.4

-10

-5

0

5

10

15

20

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18年

(%)

(4) 中小企業の資金需要は増加傾向 全国における金融機関の貸出運営スタンスDIをみると、中小企業への貸出を積極化する割合が、慎重化する割合を上回る状況が続いており、銀行の貸出意欲は積極姿勢を保っています。資金需要判断DIをみると、2013年第3四半期から、中小企業の資金需要が増加しているとする割合が、減少しているとする割合を上回って推移しています。(図6) 企業規模別に国内銀行の貸出残高の推移をみると、中小企業向けの貸出残高は2013年の第3四半期から前年同期と比較して増加に転じており、その後の伸び率も拡大傾向にあります。また中小企業への貸出残高のうち、建物や機械の購入等に要する「設備資金」の前年同期からの伸び率は、近年は貸出全体の伸び率を上回る水準で推移しています。(図7) 中小企業向け設備資金貸出残高の、前年同期からの伸び率の内訳を業種別にみると、「不動産業」向けの貸出が、設備資金貸出残高の増加に大きく寄与しています。(図8) リーマン・ショックの影響による資金繰り悪化への対応として、金融機関に対して貸付条件の変更に努めることを求めた「中小企業金融円滑化法(2009年12月施行)」は2013年3月末に期限を迎えました。これ以降も金融機関における貸付条件変更等の実行率は9割を超える水準で推移しており、資金繰りが苦しい中小企業からの借入条件変更の申込みに、金融機関が柔軟に応じていることがうかがえます。また、申込件数は2010年をピークに減少傾向で推移しています。(図9)

17

(5) 多様な資金調達手法 中小企業が現在利用している融資手法と今後希望する融資手法を比較すると、現在は「代表者等の保証による融資」や「信用保証協会の保証付き融資」などを利用している企業の割合が高くなっています。一方、今後は「事業性を評価した担保・保証によらない融資」などを希望する企業の割合も高くなっています。(図10) 金融機関が現在重視している融資手法と今後重点を置きたい融資手法を比較すると、現在は「信用保証協会の保証付き融資」や「事業性を評価した担保・保証によらない融資」等を重視しており、今後は「事業性を評価した担保・保証によらない融資」、「売掛債権の流動化による融資」や「動産担保による融資」などに重点を置きたいとの回答の割合が高くなっています。(図11) 動産・債権担保融資(Asset-based Lending:以下ABL)とは企業が保有する機械・設備や売掛債権、在庫など様々な資産を担保として有効活用し、不動産担保に頼らず事業資金を借り入れる方法です。全国におけるABLの融資件数と融資金額は2012年度以降、増加傾向で推移しており、2015年度の融資件数は約1万2千件、融資金額は9,960億円となっています。また、融資先の企業規模別の構成比をみると、「中小企業」が最も大きい割合を占めており、96.7%となっています。(図12) 信用保証協会は、中小企業等が金融機関から事業に必要な資金を調達する際に、保証人となって融資が受けやすくなるようサポートする公的機関です。東京信用保証協会の保証承諾件数及び金額の推移をみると、2008年度に大きく増加した後、減少に転じ、近年は横ばいで推移しています。2017年度の保証承諾件数は8万4千件、保証承諾金額は1兆1千億円で、前年度と同水準となっています。(図13)

第2章

第6節 改善基調が続く都内企業の資金調達

図9 金融機関における中小企業者向け   貸付条件変更等の申込件数等の推移(全国)

図10 中小企業が現在利用している融資手法、   今後借り入れを希望する融資手法        (全国、2016年)

図12 動産・債権担保融資(ABL)件数、   融資金額の推移(全国)

図11 金融機関が現在重視している融資手法、   今後重点を置きたい融資手法(全国、2016年)

注  複数回答。資料 中小企業庁「中小企業白書」

図13 東京信用保証協会保証承諾件数・   金額の推移(東京)

注  複数回答。資料 中小企業庁「中小企業白書」

注  ABLの貸し手として期待される金融機関及びリース会社、商社等   を対象としたアンケート調査。大企業は資本金10億円以上の企業。   中堅企業とは、大企業と中小企業基本法上の中小企業以外の企業。資料 経済産業省「ABLの課題に関する実態調査」 資料 東京信用保証協会資料

注  2009年度下期は2009年12月~ 2010年3月の値。実行率は各期間   における実行件数と申込件数から算出したもの。件数は貸付債   権ベース。資料 金融庁資料

16.1

保証承諾件数 8.4 8.4

2.0保証承諾金額(目盛右)

1.1 1.1

0

0.511.522.533.5

05

101520253035

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年度

(兆円)(万件)

76.3

69.1

62.2

25.9

10.1

9.9

8.3

0.5

43.9

47.5

40.2

47.2

16.7

15.6

7.7

3.6

0 20 40 60 80 100

現在利用している融資手法

今後希望する融資手法

39.4

86.1

51.0

60.5

18.4

11.8

13.0

2.1

8.1

25.0

10.3

61.4

35.5

49.6

49.2

41.4

0 20 40 60 80 100

代表者等の保証による融資

信用保証協会の保証付き融資

不動産を担保とする融資

事業性を評価した担保・保証によらない融資

他行との協調融資

売掛債権の流動化による融資

動産担保による融資

知的財産担保による融資

代表者等の保証による融資

信用保証協会の保証付き融資

不動産を担保とする融資

事業性を評価した担保・保証によらない融資

他行との協調融資

売掛債権の流動化による融資

動産担保による融資

知的財産担保による融資

重点を置いて取り組んでいる融資手法

今後重点を置きたい融資手法

(%)

(%)

49 4643

38

4542

76.7

実行率(目盛右)

97.497.3

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

10

20

30

40

50

60

70

80

2009 10 11 12 13 14 15 16年度

申込み件数

実行件数

(万件) (%)

下期

上期

下期

上期

下期

上期

下期

上期

下期

上期

下期

上期

下期

下期

上期

213

9965.8

融資件数(目盛右)

12.3

0

2

4

6

8

10

12

14

0

200

400

600

800

1,000

1,200

2008 09 10 11 12 13 14 15年度

(10億円) (千件)

中小企業96.7

中堅企業2.8

大企業0.5 融資先規模別

構成比(2015年度)(%)

18

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

図1 倒産件数の推移(東京・全国) 図2 負債総額の推移(東京・全国)

図3 倒産企業総従業員数の推移(東京)

図5 地域別倒産件数、負債総額(東京、2017年)

注  負債総額1,000万円以上。資料 東京都「東京の企業倒産状況」(㈱東京商工リサーチ調べ)

注  負債額1,000万円以上。資料 東京都「東京の企業倒産状況」(㈱東京商工リサーチ調べ)   ㈱東京商工リサーチ「全国企業倒産白書」

注  負債額1,000万円以上。件数が年間30件以上の区市を掲載。資料 東京都「東京の企業倒産状況」(㈱東京商工リサーチ調べ)

注  負債額1,000万円以上。資料 東京都「東京の企業倒産状況」(㈱東京商工リサーチ調べ)

図4 産業別倒産件数構成比(東京・全国、2017年)

注  負債額1,000万円以上。資料 東京都「東京の企業倒産状況」(㈱東京商工リサーチ調べ)   ㈱東京商工リサーチ「全国企業倒産白書」

7.2

3.2

4.6

2.1

1.3 1.30.2 0.3

012345678910111213141516

0

1

2

3

4

5

6

7

8

201011121314151617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3月

(千億円)(兆円)

→2017年 →2018年

全国 東京

年計

(%) (%)前年比・前年同月比

73.5

569.7

3.3

57.8

-7.7

東京

-57.4

1.2全国

-20.4

-1,000

1,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,0009,000

-100

0

100

200

300

400

500

600

月別負債総額(目盛右)

117138

178

129 123

2,593716

15,081

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,00016,000

0

50

100

150

200(億円)

件数

負債総額(目盛右)

(件)

千代田

中央

港新宿

文京

台東

墨田

江東

品川

大田

世田谷

渋谷

中野

杉並

豊島

板橋

練馬

足立

葛飾

江戸川

八王子

(%)

全国

年計 月別倒産件数(目盛右)

11.1

建設業

18.8

製造業

7.9

12.4

情報通信業11.5

4.0

卸売業

20.7

15.1

9.3

小売業

13.3

4.0

3.6

10.7

4.9

8.6

10.0

4.8

4.3

6.1

5.6

5.1

その他

8.0

0 20 40 60 80 100

東京1,712件

全国8,405件

学術研究,専門・技術サービス業

生活関連サービス業,娯楽業

(%)

13.3

8.4

2.71.7

6.1

7.9

1.2 1.10

2

4

6

8

10

02468

101214

201011121314151617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3月

東京

-10.6

3.5

-14.0

東京

-29.1-13.9

-0.4-10.3

全国

0.3

-30-35

-20-10

010203035

(千件) (百件)

前年比・前年同月比

(%)

→2017年 →2018年

2.42

総従業員数 0.84 0.8319.8

18.9 18.7

0

1

2

3

4

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(万人)

全国比(目盛右)

不動産業,物品賃貸業宿泊業,飲食サービス業

サービス業

0

10

20

30

40

50

8,278.5

0

7 8年ぶりに前年を上回った東京の倒産件数(1) 8年ぶりに前年を上回った倒産件数、2010年以来の2兆円超えとなった負債総額 東京における倒産件数の推移をみると、2017年は8年ぶりに前年を上回り、1,712件となりました。前年より増加したものの、2013年3月末にリーマン・ショックへの対応として講じられてきた中小企業金融円滑化法が終了後も、金融機関は中小企業のリスケ要請に柔軟に対応したことなどから、倒産件数はバブル期並みの低水準で推移しています。(図1) 東京の負債総額の推移をみると、2017年には2兆1,000億円と、2010年以来の2兆円超えとなりました。6月に負債額約1兆5,000万円で製造業では戦後最大となった倒産が影響しましたが、全体では負債総額1億円未満の構成比が約75%と、小規模倒産を中心とした推移となりました。(図2) 東京における倒産企業の総従業員数の推移をみると、2017年には約8,000人であり、2年連続で前年を下回りました。全国比をみると、上場企業の倒産が相次いだ2010年を除き、おおむね2割前後で推移しています。(図3) 東京と全国における産業別の倒産件数の構成比をみると、東京では「卸売業」の割合が最も高く、「情報通信業」、「建設業」が続いています。一方、全国では「建設業」の割合が最も高く、「卸売業」、「小売業」、

「製造業」が続いています。全産業に占める「情報通信業」、「学術研究,専門・技術サービス業」の割合をみると、東京は全国に比べて高くなっていますが、これは、それらの業種が東京に多く集積しているためと考えられます。(図4) 東京における倒産件数及び負債総額を地域別にみると、2017年で倒産件数が最も多いのは港区で178件、次いで中央区、新宿区となっています。また、負債総額が最も多いのは品川区で1兆5,081億円、次いで千代田区、墨田区となっています。(図5)

19

(2)  倒産の8割以上を占める破産 東京における形態別の倒産件数の推移をみると、手形・小切手が6か月以内に2回不渡りとなった場合に受ける「銀行取引停止処分」は、1990年代には全体の8割以上を占めていましたが、手形取引件数の減少に伴い2000年以降は減少しました。一方、「破産」については、少額の予納金で迅速に処理できる「少額管財手続」が開始されたことなどにより大幅に増加し、2011年以降、全体の8割以上を占めるまでになっています。(図6)

(3) 8割を超える不況型倒産 倒産の原因は様々ですが、販売不振や赤字累積、売掛金等回収難などによる倒産は、放漫経営や設備投資過大などによる倒産とは区別され、まとめて「不況型倒産」と分類されます。東京では全倒産件数に占める「不況型倒産」件数の占める割合が高く、2000年代以降は85%前後で推移していましたが、2014年以降やや低下し、2017年には83.0%となりました。内訳では、「販売不振」が大部分を占めています。

(図7)(4) 後継者不足型が7割を超える人手不足倒産 全国における人手不足型倒産をみると、2017年の倒産件数は317件、負債総額は約481億円となっています。人手不足型倒産で最も多いのが、社長や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる後継者人材難による「後継者難型」で、2017年の「後継者難型」の倒産件数は249件となっています。(図8)

(5) 高水準で推移する休廃業・解散件数 近年、企業倒産件数は低水準で推移していますが、休廃業・解散件数は、企業倒産件数を上回る水準で推移しています。休廃業は、資産が負債を上回る資産超過状態での事業停止を、解散は、企業の法人格を消滅させる手続きに移行するための手続きのことをいいます。解散は、資産に余力を残す状態で清算手続きをとるケースもあるため、解散を決議した段階では倒産に集計されません。2017年の東京の休廃業・解散件数の合計は、3,054件で、同年の倒産件数1,712件の約1.8倍となりました。経営者の高齢化と事業承継の難しさが背景にあるとみられています。(図9)

第2章

第7節 8年ぶりに前年を上回った東京の倒産件数

図6 形態別倒産件数の推移(東京) 図7 不況型倒産件数・全体に占める割合の推移   (東京・全国)

図8 人手不足型倒産件数・負債額の推移(全国)

図9 休廃業・解散、倒産件数の推移(東京)

注  負債額1,000万円以上。不況型倒産は、販売不振、既往のしわ寄せ   (赤字累積)、売掛金等回収難の合計。資料 東京都「東京の企業倒産状況」(㈱東京商工リサーチ調べ)

注  「後継者難型」:社長や幹部役員の死亡、病気入院、引退などによる   後継人材難による倒産。「求人難型」:人手確保が困難で事業継続   に支障が出たことによる倒産。「従業員退職型」:中核社員の独立、   転職などの退職から事業継続に支障が出たことによる倒産。   「人件費高騰型」:賃金等の人件費のコストアップから収益が悪化   したことによる倒産。2018年3月末日現在の値。資料 (株)東京商工リサーチ資料

注  解散は、商業登記などで解散が確認された場合及びヒアリング   に基づき確認できた場合に件数にカウントしている。資料 (株)東京商工リサーチ資料

注  負債額1,000万円以上。民事再生法は2000年4月から施行。   その他には「会社更生法」「商法上の整理」「和議」「その他(内   整理)」を含む。資料 東京都「東京の企業倒産状況」(㈱東京商工リサーチ調べ)

その他

特別清算

民事再生法

28.7

-0.7

0.614.9

-8.0

3.5

-20-10

010203040

(%)

4.3

3.0 3.12.9

1.7 1.7

0

1

2

3

4

5

2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(千件)

52.2

全国 81.381.9

79.1 東京82.0

83.0

5060708090

100全体に占める割合(%)

2.6

1.21.3

その他

2.8

1.41.4

0

1

2

3

4

199293 94 95 96 97 98 99200001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(千件)件数(東京)

販売不振

234 249

35181515

271

317

後継者難型 1621

求人難型3

従業員退職型

4

人件費高騰型33

18

30

051015202530354045

050

100150200250300350400

2013 1514 1617年 1 2 4 6 8 10 12 23 5 7 9 11 1 3月

541.2 480.8

51.781.1

27.9020406080100

0

200

400

600(億円)

破産 1.41.5

3.3

銀行取引停止処分0.10.1

3.5

1.71.7

0

1

2

3

4

199293 94 95 96 97 9899200001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 1415 16 17年

(千件)

(件) (件)

年計 月別負債額(目盛右)

年計 月別件数(目盛右)

(億円)

2

前年比

件数休廃業・解散 倒産

20

第2章 2017 年 東京経済の主な動き

図1 男女別完全失業者数(東京)・完全   失業率(東京・全国)の推移

図2 就職者数(東京)・就職率(東京・全国)の推移

図3 有効求人数(東京)・有効求職者数(東京)・   有効求人倍率(東京・全国)の推移

図4 雇用形態別有効求人倍率・新規求人倍率・   求職者数・求人数の推移(東京)

注  就職率=就職者数/新規求職者数×100。資料 東京労働局、厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」

注  月の値は季節調整値。資料 東京労働局、厚生労働省「職業安定業務統計」

資料 東京労働局「一般職業紹介取扱状況」、「パートタイム職業紹介   取扱状況」

注  全国の2011年の値は、補完推計値。資料 総務省、東京都「労働力調査」

15.9 男性 21.414.2 13.4 13.3 14.2

11.4女性 14.4

11.0 9.2 10.1 8.8

3.9

5.1

5.1

全国

3.12.8 2.9

2.6

3.8

東京5.5

3.22.9 3.0 2.9

0

1

2

3

4

5

6

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

200708 09 10 11 12 13 14 15 1617年 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ2017年

(万人) (%)完全失業率(目盛右)

完全失業者数

1.38

2.08 2.04 東京 2.15

1.04

1.50 1.43 全国 1.59

0

0.5

1

1.5

2

2.5(倍) 有効求人倍率

27.1

37.2 37.1 37.8

19.6 17.9 18.2 17.6

05

10152025303540

200708 09 10 11 12 13 14 15 1617年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1112月

(万人)

有効求人数(東京)

有効求職者数(東京)

年平均 月別

79.3

45.5 一般

94.1

34.5

95.7

33.4

37.4

12.5

パート

59.5

13.4

60.1

13.5

020406080

100120140160180

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(万人)

153.6

116.6

左棒:新規求人数

右棒:新規求職者数

(倍)

1.742.73

2.863.00

4.45 4.45

1.18

2.81

1.70 1.81

2.14 2.78

0

1

2

3

4

5

新規求人倍率(一般)新規求人倍率(パート)有効求人倍率(一般)有効求人倍率(パート)

155.8

就職者数

7.9 正社員 6.0 5.5

6.0 非正社員7.3 7.1

13.9 13.3 12.6

24.0東京

27.9 26.9

32.2 全国33.7 33.9

0

5

10

15

20

25

30

35

0

5

10

15

20

25

30

35

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(万人) (%)就職率(目盛右)

→2017年

8 改善が進む雇用情勢 (1) 改善する完全失業率 雇用関係の代表的な指標である完全失業率は、「労働力人口」に占める「完全失業者」の割合を表します。完全失業者とは、15歳以上人口のうち、「仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない。)」、「仕事があればすぐ就くことができる」、「調査週間中に、仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む。)」の3つの条件を満たす者をいいます。 リーマン・ショック後に悪化していた雇用情勢は、近年では改善傾向にあり、2017年における東京の完全失業率は2.9%で、7年連続で改善しています。男女別にみると、完全失業者数では、男性の方が女性より多くなっています。(図1)

(2) 上昇傾向の就職率 東京の就職率をみると、2010年以降おおむね上昇傾向にあります。2017年は2016年より1.0%減少し、26.9%となりました。都内ハローワークを通じた就職者数は、近年ほぼ横ばいで推移しており、2017年は2016年より7千人以上減少し、12.6万人となりました。内訳をみると、2009年以降は、非正社員の割合が全体の5割を超えており、2017年には約56%を占めています。(図2)

(3) 上昇傾向の求人倍率 東京の有効求人、求職者数の推移をみると、2011年以降、有効求職者数が年々減少している一方、有効求人数は年々増加しています。それに伴い、有効求人倍率は上昇が続いており、2017年の有効求人倍率は2.08倍となっています。(図3) 雇用形態別の新規求人、求職者数の推移をみても、2011年以降、新規求職者数が年々減少している一方で、新規求人数は一般、パートともに増加傾向となっています。2017年の新規求人倍率は、一般で2.86倍、パートで4.45倍となっています。(図4)

21

(4) 職業、産業により大きく異なる求人状況 東京における有効求人倍率を職業別にみると、「保安の職業」は一般常用で15.21倍、「サービスの職業」は一般常用で5.23倍となっているのに対し、「事務的職業」、「運搬・清掃等の職業」は1倍を下回る水準となっており、職業によって大きく求人状況が異なっていることがわかります。また、一般常用とパート常用別にみると、「管理的職業」と「建設等の職業」を除く職業ではパート常用の有効求人倍率の方が高くなっています。(図5) 産業別の新規求人数の推移をみると、「宿泊業,飲食サービス業」の求人数の伸びが最も大きく、2011年と比較して約3倍となっています。(図6)

(5) 高まる企業の人手不足感 都内中小企業における雇用人員DIの推移をみると、年々「不足」感が高まっており、2013年第4四半期以降、4業種すべてにおいて「不足」となっています。特に、サービス業の「不足」感は大きく、2017年第4四半期のDI値は32.9となっています。(図7) 産業別の未充足求人数をみると、「卸売業,小売業」が約20万人と最も高く、「宿泊業,飲食サービス業」、

「医療,福祉」が続いています。欠員率をみると、「宿泊業,飲食サービス業」が3.8%、次いで「運輸業,郵便業」が3.4%となっています。(図8)

第2章

第8節 改善が進む雇用情勢

図5 職業別・雇用形態別有効求人倍率   (東京、2017年)

図6 産業別新規求人数の推移(東京)

図7 中小企業の雇用人員DIの推移(東京) 図8 産業別未充足求人数、欠員率(全国、2016年)

注  新規学卒者を除きパートタイムを含む。資料 東京労働局「産業別新規求人の推移」

注  DI=「不足」とする企業の割合-「過剰」とする企業の割合。   「全体」は4業種全体。資料 東京都「東京都中小企業の景況」

注  未充足求人とは、事業所における欠員であり、仕事があるにも   かかわらず、その仕事に従事する者がいない状態を補充するた   めに行っている求人をいう(6月末日現在)。欠員率とは、常用   労働者数に対する未充足求人数の割合をいう。欠員率=未充   足求人数/6月末日現在の常用労働者数×100(%)資料 厚生労働省「雇用動向調査」

資料 東京労働局「一般職業紹介状況」

-4.2

4.1

0.7

6.6

1.6

-4.2

18.2

4.1

23.7

0.7

13.46.6

32.9

1.6

22.5

-15

-10

-5

0

5

10

15

20

25

30

35

ⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣⅠⅡⅢⅣ

2012 13 14 15 16 17年

製造業卸売業小売業サービス業全体

1.45 2.52 0.532.95

5.23

15.21

0.771.58

3.075.69

0.680.20

2.59 0.723.36

6.52

19.99

1.012.11

4.11

1.901.85

0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

22

管理的職業

専門的・技術的職業

「不足」

「過剰」

事務的職業

販売の職業

サービスの職業

保安の職業

農林漁業の職業

生産工程の職業

輸送・機械運転の職業

建設等の職業

運搬・清掃等の職業

一般常用

パート常用

5.0

建設業6.3

4.2

製造業

5.0

8.1

情報通信業 9.6

4.7

運輸業,郵便業

5.5

12.1卸売業,小売業

17.5

7.2

宿泊業,飲食サービス業

20.1

2.9 生活関連サービス業,娯楽業4.8

13.7

医療,福祉 23.6

13.1

サービス業(他に分類されないもの)

21.5

0

5

10

15

20

25

2011 12 13 14 15 16 17年

(千人)(倍)

2.4

1.3

1.9

3.4

2.3

0.1

1.31.5

3.8

2.9

1.2

2.0 2.4

012345

(%)欠員率

68.5

102.4

29.2

114.0

204.1

0.9 9.921.1

173.5

52.037.2

136.6

93.0

0

50

100

150

200(千人) 未充足求人数

建設業

製造業

情報通信業

運輸業,郵便業

卸売業,小売業

金融業,保険業

不動産業,物品賃貸業

学術研究,

専門・技術サービス業

宿泊業,飲食サービス業

生活関連サービス業,

娯楽業

教育,学習支援業

医療,福祉

サービス業

(他に分類されないもの)

22

図9 月間現金給与総額の推移(東京・全国) 図10 賞与支給額の推移(東京)

図12 産業別月間総実労働時間の推移(東京)

注  事業所規模30人以上。資料 東京都「毎月勤労統計調査」

注  事業所規模5人以上。資料 厚生労働省、東京都「毎月勤労統計調査」

注  事業所規模5人以上。資料 東京都「毎月勤労統計調査」

図11 月間所定外労働時間の推移(東京・全国)

注  事業所規模5人以上。資料 東京都、厚生労働省「毎月勤労統計調査」

69.6

夏季

63.3 61.0

70.3

冬季

59.7

61.5

0

20

40

60

80

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(万円)

5.4

冬季1.2

3.2

3.2

夏季1.2

-3.7

-20-15-10-505

1015

(%)前年比

賞与支給額

150.4 全産業計143.0

171.9建設業 177.4

159.9 製造業

157.6

165.3

情報通信業 160.9

171.9

運輸業,郵便業 165.6

146.5卸売業,小売業

141.2

153.9金融業,保険業 153.7

126.1

医療,福祉125.7

130.0

教育,学習支援業

109.1

120

140

160

180

2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17年

(時間)

0

41.0 41.234.2

東京

33.837.9

31.4 31.727.0

全国

26.528.4

0

20

40

60

80

201314 15 16 17年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3月

(万円)

→2017年 →2018年

201314 15 16 17年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3月→2017年 →2018年

月別年平均

0.5 0.8

-0.5

東京

-0.40.4

0.3

全国

2.0

-2-101234

(%)前年比・前年同月比

月別年平均

前年比・前年同月比

12.1

11.311.1

東京11.5

10.6

10.910.6

全国11.3

9.5

10

10.5

11

11.5

12

12.5(時間)

-0.9

2.7 1.0 0.7 全国

-0.1-0.4 -1.0 東京 -4.2

-12-9-6-3036

(%)

0

2.1

(6) 上昇傾向の現金給与総額 東京における月間現金給与総額の推移をみると、2017年には41万2千円で、前年比では0.8%の増加となっています。月別の動きをみると、前年同月比はプラス4%からマイナス1%程度の間で推移しています。(図9) 東京における賞与支給額の推移をみると、2009年に大きく落ち込み、その後はおおむね横ばいとなっています。2017年には、東京の夏季は約61万円、冬季は約62万円で、前年と比較すると、夏季は減少したものの、冬季は増加しています。(図10)

(7) 減少が続く東京の所定外労働時間 所定外労働時間とは残業や休日出勤等の実労働時間であり、景気の動きに左右されやすいことで知られています。東京における所定外労働時間の推移をみると、2017年には11.3時間となっています。前年対比で推移をみると、2年連続でマイナスとなっています。月別の動きをみると、2017年前半は前年同月比で減少傾向であったものの、それ以降は横ばいが続いていましたが、2018年1月以降はマイナスとなっています。(図11) 東京における産業別の月間総実労働時間の推移をみると、「建設業」、「運輸業,郵便業」、「情報通信業」の順で長くなっており、160時間を超えています。また、2007年と2017年を比較すると、「建設業」では約6時間長くなっている一方、「教育,学習支援業」では約21時間短くなっており、業種により差異がみられます。(図12)

注 「毎月勤労統計調査」は2009年、2012年、2015年に調査対象事業所の抽出替えを行っており、その年とそれ以前の比較には注意を要する。

第2章 2017 年 東京経済の主な動き