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2017年7月26日 NEDO環境部 主査 武信 弘一 環境部事業報告会

2017年7月26日 NEDO環境部主査 武信弘一CCT技術開発へ展開 4 平成29年7月26日 NEDO環境部事業報告会 ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト

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2017年7月26日

NEDO環境部 主査

武信 弘一

環境部事業報告会

New Energy and Industrial Technology Development Organization

2

NEDOにおけるCCT分野の研究開発

1-1 発電効率の向上

1-2 CO2分離・回収技術

1-3 CO2有効利用技術 平成28年度は調査のみ

2.再生可能エネルギー導入に伴う負荷変動対策 平成29年度事業

3.環境調和型製鉄プロセス技術開発

エネルギー セキュリ

ティー の確保4.低品位炭利用 促進事業

環境対策 5.石炭利用環境対策事業

6-1 石炭高効率利用技術

共同実証事業

6-2 石炭高効率利用システム

案件等形成調査事業

7.国際エネルギー消費効率化等技術・システム実証事業

8.先進的な火力発電技術等の海外展開推進事業 平成29年度事業

CO2排出削減対策

1.次世代火力発電等

技術開発

6.クリーンコール技術

海外普及展開等事業

海外普及

調査事業について

New Energy and Industrial Technology Development Organization

3

目次

1.NEDOにおけるCCT分野の調査事業・ 次世代火力発電等技術開発事業

2.平成28年度における成果、今後の展開・ CCTロードマップの検討・ USC競争力強化の検討・ CO2分離回収技術の調査・ 微粉炭火力発電の低炭素化・ CCU技術の調査

New Energy and Industrial Technology Development Organization

次世代火力発電技術推進事業

期間:平成28~33年度

石炭利用技術分野において、CO2排出量低減、環境負荷低減及び国際競争力の強化を図るために必要となる基礎的情報や、最新情報の収集・解析及び将来における次世代火力の技術開発や導入可能性について、関連技術の適応性、課題等の調査を行う。また、海外との協力を通して、我が国の優れたCCTの導入に向けた取組を行う。

CCT技術開発へ展開

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平成29年7月26日 NEDO環境部事業報告会

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト クリーン・コール・テクノロジー推進事業クリーン・コール・テクノロジーロードマップの検討

New Energy and Industrial Technology Development Organization

【事業概要】本事業では、2050年までの長期的視点に立った火力発電技術開発に係る技術ロードマップを作成した。具体的には、エネルギーミックス(長期エネルギー需給見通し)で示されている2030年までのエネルギー需給構造の見通しを満足する短中期視点と、さらにその先の2050年までの長期視点に分けて検討。専門家や有識者による協議会と委員会を開催し、各課題の技術調査と協議会等での意見の取りまとめを通じ、各技術課題の抽出や将来目標などを具体化した。

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[実施内容]

1.事業期間 ; 平成27年5月~平成28年9月2.実施方法

①協議会(METIと共催)やNEDO有識者委員会の実施②協議会・委員会での意見の集約

③METIと共同で2030年までのロードマップ案の作成④2030~2050年のロードマップ検討

3.ロードマップ作成に係る主なテーマ

①火力発電の高効率化

②CCUS技術の導入③水素発電技術の導入

4.委託先 ; 一般財団法人石炭エネルギーセンター

(共同実施先)一般財団法人エネルギー総合工学研究所

【METI/NEDO共催協議会】

水素発電CCUS

高効率化ロードマップ

平成29年7月26日 NEDO環境部事業報告会

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト クリーン・コール・テクノロジー推進事業クリーン・コール・テクノロジーロードマップの検討

New Energy and Industrial Technology Development Organization

【事業内容と成果①】協議会の開催平成28年5月までにMETI・NEDO共催の「次世代火力発電の早期実現に向けた協議会」を計6回開催。同協議会では、次世代火力発電技術を2030年頃を目途に、早期に技術確立・実用化するための方策について、専門家計20名による意見集約。平成27年度は、火力発電の高効率化や、発電所から排出されるCO2の分離回収およびCO2有効利用技術を議題とし、技術ロードマップの中間取りまとめ案を作成。平成28年度は、COP21におけるパリ協定の採択など国内外の動向を踏まえた中間とりまとめ案の見直しとして、新たに水素発電技術の開発動向を加えて、2030年の中短期を見据えた技術ロードマップを作成。

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年月 実施内容

平成27年6月~7月 「次世代火力発電の早期実現に向けた協議会」の開催第1回(6月16日),第2回(6月22日),第3回(7月6日),第4回(7月17日)

平成27年6月 現地視察会実施/大崎クールジェン(6月26日)

平成27年7月 次世代火力発電に係る技術ロードマップ中間とりまとめ

平成28年5月 「次世代火力発電の早期実現に向けた協議会」の開催第5回(5月11日),第6回(5月30日)

平成28年6月 次世代火力発電に係る技術ロードマップ見直し

【主な実施履歴】

平成29年7月26日 NEDO環境部事業報告会

New Energy and Industrial Technology Development Organization

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ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト クリーン・コール・テクノロジー推進事業クリーン・コール・テクノロジーロードマップの検討

【事業内容と成果②】ロードマップ最終案~技術取組み方針~

短中期(~2020年)と長期(2030年~)の技術開発を同時並行に実施

技術間の連携で開発推進加速

LNG火力の成果を石炭火力へ展開設備の更新による高効率化の推進

トリプルコンバインドサイクルを第3世代と位置付けCCUS技術及び水素発電技術を長期的視点で戦略的に推進

【ロードマップ最終案 次世代火力発電技術の実用化に向けた工程表】

【ロードマップ最終案 高効率化・低炭素化の見通し】

ロードマップ最終案

~技術確立・実用化への取組み~

NEDOへの事業集約と進捗管理の強化リソースの選択と集中、および開発プロセス

の最適化

ユーザによる積極的な次世代技術導入

早期海外展開の推進とそのための官民連携の

強化

平成29年7月26日 NEDO環境部事業報告会

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト クリーン・コール・テクノロジー推進事業クリーン・コール・テクノロジーロードマップの検討

New Energy and Industrial Technology Development Organization【事業内容と成果③】有識者委員会の開催~長期視点に立った技術ロードマップ~次世代火力発電協議会では、2030 年を目途とした次世代技術の早期実現に関して議論されたが、COP21など中長期な視点からエネルギーや温暖化対策に関連する戦略も策定されており、NEDOでも2030 年以降を見据えた長期視点の革新的技術の開発に取り組んでいる。同協議会とは別に、有識者委員会を開き、2050 年の長期視点に立った石炭火力を含む次世代火力発電技術に関する方向性を明らかにするため、技術開発ロードマップを検討。

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2050年に向けたロードマップ案検討2030年以降に、技術確立と市場導入を目指しているケミカルルーピング燃焼技術を追加。2030年以降に、地球温暖化対策に不可欠なCCSの開発スケジュールを追加。

今後に向けた展開2050年や2100年のCO2削減目標を考慮しつつ、水素発電技術やCO2回収技術を軸に、ロードマップでの石炭エネルギーの位置づけについて、今後もフォローアップが必要。

【長期視点を見据えたロードマップ案】

New Energy and Industrial Technology Development Organization

ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト/クリーン・コール・テクノロジー推進事業

石炭火力の競争力強化方針の検討:事業概要

我が国の石炭火力発電技術の国際競争力強化に向けて、日本の高品質O&M サービスを提供するビジネスモデルを構築すべく検討を行った。(調査対象国:インドネシア、マレーシア、ポーランド)

具体的には、調査対象国の課題・ニーズを踏まえたビジネスモデルの構築・ユーザーメリットの定量化を試みた。

Working Group (WG)ではビジネスモデル・定量評価結果を踏まえて研究開発計画を検討した。

またO&M実態調査として、各国の法制度や履行状況、他業種O&Mサービスの事例を調査した。

アプ

ロー

チ調

査の

ポイ

ント

将来の研究開発・実証試験を見据え、サイト候補を検討

0サイト選定 ビッグデータ解析の動向

研究開発計画概略

法制度履行状況検証

他業種O&Mサービス

ベストプラクティス

他業種事例

直近のビッグデータ解析の動向を調査・整理

実事例をもとに現状と課題を分析

定量分析結果を踏まえて、WGで研究開発計画を議論

必要な技術開発を特定し、技術開発プログラムの方向性を検討

定期検査に係る法制度、実施状況の調査

鉄道、及び航空機エンジンを例に取り、他業種におけるO&Mサービス

のベストプラクティスを分析

OM実態

1:ビジネスモデル構築とメリット定量化 3:O&M実態調査

定量分析

2:WGでの具体化

研究開発計画概略チーム

フォーメーションビジネスモデル構築

ビジネスモデルの構築

付加価値定量化

収益性分析

各国ニーズを踏まえたO&Mサービスのビジネスモデルを構築

各サービスメニューに対し、付加価値を定量化

収益性の高いビジネスモデルを特定

課題・ニーズの分析

海外現地調査を実施

各国の課題・ニーズの抽出

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New Energy and Industrial Technology Development Organization

事業成果 :ユーザーニーズの把握およびメリットの定量化

対象国では、計画外停止の回避や稼働率確保のニーズが大きく、ボイラー故障や石炭品質管理等の課題を抱えている。

また、定量化困難な社会的信頼の確保、事業リスク低下も国によってはニーズが大きい。

ユーザーメリットは、主に稼働率向上、メンテ補修費削減によるものが大きい。

現状でも、低品質製品を日本製品に入れ替えると稼働率向上メリットを得られるケースがあるが、技術開発による更なる稼働率向上も必要。

*CBM: Condition Based Maintenance(状態基準保全)

課題(ニーズ) O&Mサービス

ユーザーメリット[Million USD / year]

効率向上 稼働率向上メンテ・補修費

削減

計画外停止の回避

予備機起動停止 社会的信頼 事業リスク低下

マレーシア

石炭品質の低下

(亜瀝青炭へのシフト)

チューブリークによる計画

外停止

ボイラー出口温度上昇に

よる効率低下

燃焼シミュレーションDB構

築による燃焼状態管理

新規センサー開発等によ

る故障予知・余寿命診断

インドネシア

FTP-1設備への対応

製品トラブル頻発

(ボイラ・タービンを中心に

多数の問題有り)

稼働率の確保

日本製設備の導入

日本製メリットの可視化

更なる稼働率向上

石炭品質の低下

(亜瀝青炭へのシフト)

ボイラートラブルに起因す

る計画外停止

パーツストック合理化

燃焼シミュレーションDB構

築による燃焼状態管理

新規センサー開発等によ

る故障予知・余寿命診断

ポーランド

再エネ対応

環境負荷の低減

計画外停止の根絶

石炭品質管理

部分負荷効率向上サービ

新規センサー開発等によ

る故障予知・余寿命診断

6.2 -39 0.3 -

--

--

--

1216.4

1.1

0.3

0.317.6

20

15

3.5

・部分負荷効率向上 ・新設リプレースUSCの稼働率80%を想定

・パーツ交換費用の削減

・社会的信頼保持のニーズが高い

・計画外停止の回避ニーズが高い

・現在の日本製品水準に向上と想定

・メンテ費が計画外停止回数に比例と想定

・CBM*実現時(稼働率95%)

・約2%改善時

・約2%改善時

16

・ CBM*実現時(稼働率95%)

20

・メンテ費が半減した場合(パーツ費用含)

1.6

・メンテ費が半減した場合(パーツ費用含む)

技術開発後

現時点の技術

技術開発後

技術開発後

10

New Energy and Industrial Technology Development Organization

事業成果 :ビジネスモデルの構築

現時点のO&Mサービスとしてはマニュアルの提供、研修指導の実施、石炭ブレンディングアドバイスが挙げられる。

一方、WGではこうした現状のO&Mサービスは日本のノウハウ流出に繋がる可能性があり、状態監視などのオンラインサービスとパッケージにすることが望ましい、責任範囲の明確化が必要、と指摘があった。

石炭版LTSAに向けた技術開発要素としては、まずは既存データから故障予知に必要なセンシング要素を特定することが第一段階である。次にセンシング技術開発を通じた稼働率改善の実証を行い、サービスインに繋ぐ流れとなる。

石炭版LTSA条件付き稼働率保証型O&Mサービス

既存データ分析

R&D

サー

ビス

メニ

ュー

サー

ビス

プラ

イシ

ング

既存データから

①故障予知・診断、②稼働率の課題・改善余

地把握

遠隔モニタリング&故障検出・診断システム

故障予知に必要なセンシン

グ要素特定

稼働率保証レベル検討

センシング技術開発・

解析技術実証

稼働率改善実証

故障予知・余寿命診断

LTSA提供体制の

構築

LTSAアセットマネジメント・パーツ最適化

LTSAのサービス・イン

開発機能からサービス・イン

まず既存機能でサービス・イン

既存技術に基づき、プラント状態、発生事象を監視。早期復旧等対応を支援

故障予知、余寿命診断により保守計画、パーツ在庫最適化

メンテナンスをサービスとして提供

R&D・実証面、O&Mサービスシェ

ア獲得面でのメリットを踏まえ、サービス自体は安価に提供。

サービス自体に価格を付けて提供。パーツ売上等、関連事業収益を踏まえた価格設定。

LTSAとパッケージ化し、メンテナンスをサービス化することで高収益化。LTSAをPQに入れ込み、入札時の差別化要素に。

まず既存データ・技術を活用したサービス サービス自体に価格付け LTSAによる差別化・高収益化

条件付き稼働率保証型サービス

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New Energy and Industrial Technology Development Organization

事業成果 :今後に向けた提言

日本の国際競争力を維持、強化していくためには、他国の追随を許さない、高水準の稼働率実現やメンテナンス費低減に向けた高度なO&M技術開発が必要であり、高稼働率/高信頼性を保証することを可能とする様な計測、解析技術(シミュレーション含む)が有効と考えられる。

こうした技術の開発を進めつつ、国内関係主体の連携強化方策(例:次世代火力発電技術の輸出に係る国内事業者のコンソーシアム組成)、相手国との関係強化(入札要件への打ち込み、O&M項目やサービスに関する法令化・国際標準化等)が必要な施策と考えられる。

技術開発 国内関係主体の連携強化 相手国との関係

現状

稼働率保証に踏み込むほどデータ解析や計測技術が確立していない

稼働率を保証するための条件が不明確

その結果、メリットを訴求し辛い

O&M高度化はユーザーの取

組が先行、新たな高効率技術を担うメーカーとは連携不足O&M高度化が新技術の信頼

性向上に繋がらず、結果して国際競争力が強化されない

高度なO&Mの価値が新規案件落札時に評価されない

国によっては保守点検に関して法令が定められておらず、現地事業者側に保守管理の価値が伝わらない

あるべき姿

圧倒的な高稼働・高信頼性を実現する技術の実装

そのための要素技術開発およびインテグレーション

メーカーの技術優位性とユーザーのO&Mノウハウが一体と

なり、日本の新たな高効率技術が信頼性を有して次々と海外展開し、永続的に日本の競争力を強化

相手国のエネルギー需給の安定化、社会経済の発展に資する技術や制度を導入し、相応の報酬を得る

これらを通じた2国間関係の深化

今後のToDo

高稼働率/高信頼性を保証することを可能とする革新的な計測、解析技術(シミュレーション含む)に関する研究開発計画

次世代火力技術の輸出に係る国内コンソーシアムの組成

国内電力会社の成長戦略の一つとして位置づけ

稼働率保証や保守点検内容についてPQへ打ち込み

保守点検内容、常時監視項目の現地法令化、国際標準化

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ゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト クリーン・コール・テクノロジー推進事業

革新的CO2分離回収技術に関する調査

<期間>平成28年3月8日~平成28年7月31日<委託先>一般財団法人石炭エネルギーセンター、 一般財団法人エネルギー総合工学研究所

<概 要>

CO2分離回収技術」については、「次世代火力発電の早期実現に向けた協議会」の中間報告にお

いて、2030年代には、エネルギー消費1.0GJ/t-CO2、処理コスト1,000円台/t-CO2の開発目標が示さ

れた。本事業では、その目標達成の可能性のある革新的CO2分離回収技術について国内外の開発

状況を調査し、実用性について評価検討を行い、今後のCCS技術開発に資する。

革新的CO2分離回収技術の開発状況調査

特許調査 システム構築と評価検討

■文献調査 (国内外)■ヒアリング (国内)

■開発主体の出願特許調査

■日本での研究開発上の課題整理と特許化可能分野検討

評価できる技術に限定して整理、評価

対象技術

検討の方式・方法

■開発状況・特許調査から、将来有望技術の絞込み

■実用化システムの想定エネルギ消費・建設費推定

■経済性検討、各技術の特性

調査報告書

■目的・概要

■開発状況調査

■特許調査

■経済性検討

1-3 (1) 1-3 (2) 1-3 (3) 1-3 (4)

検討項目

調査番号

同左

①非水溶液利用②温度応答性固体吸収フィルム③機能性CO2分離膜④MCFCによるCO2濃縮と発電出力増強⑤深冷利用(CCC法)

⑥メンブレンと触媒のハイブリッドプロセス⑦メンブレンプロセス⑧金属有機構造体(MOF)⑨酵素膜⑩シリコンカプセル吸収法 ⑪その他

13

革新的CO2分離回収技術に関する調査

調査対象システム

14

技術 技術の概要 開発機関 性能諸言 主な特許

非水溶液利用 アミンベースの固体ソルベント 川崎重工、RITE 1.5~1.8 GT/ t-CO2 特願2014-57506特願2014-110030

温度応答性吸収フィルム アミン含有の温度応答性ゲル粒子塗布フィルム 九州大学 1.0~1.5 GJ/ t-CO2 WO2016/024633

機能性CO2分離膜アミノ酸イオン液体を付与したCO2選択透過促進輸

送神戸大学

2000 円/ t-CO2(2030年 目標)

特願2012-166335特願2012-279552特願2013-16032

溶融炭酸塩燃料電池によるCO2濃縮

カソード側からCO2を含む排ガスを導入し、CO2だけ

が燃料電池に影響なくアノード側から取り出せることを利用(発電出力増強)

IHI電中研中国電力

CO2回収率67%程度で

発熱効率43%→37%特願2009-78143特願2008-88978

深冷利用CO2を含む排ガスを乾燥、圧縮、冷却し、CO2固体

Sustainable Energy Solution社 他

$30/ t-CO20.7 GJ/ t-CO2

IN371CHN2014A

アミン吸収法にメンブレンや触媒を組み合わせたハイブリットプロセス

アミン吸収液の再生前にメンブレンにより水分を除去し、再生エネルギーを削減する技術や吸収液に触媒を付加することで吸収効率を向上させる技術

ケンタッキー大学 US2016008238A1

メンブレンを用いたプロセスメンブレンを用いたポストコンバッションCO2分離技

Membrane Technology &Reserch. Inc.National Carbon CaptureCenter

$32/ t-CO2EP2916933A1US20140366724A1

金属有機構造体活性炭やゼオライトをはるかに超える高表面積を有する金属有機構造体(KOM)

テキサスA&M大学 US20150251139A1

酸素膜

酸素を膜状の単体に固定化し、酸素の作用を利用してCO2を吸収、固定化する技術。例えば、CaCO3を

主成分とする貝殻の形成にCa2+結合型炭酸脱水酵

素が関与することに着目し、貝殻形成の仕組みを模倣した固体炭酸

Sandia National Laboratories北陸先端科学技術大学院大学

3.2~3.6 GJ/ t-CO2(再生エネルギー)

0.35 GJ/ t-CO2(使用電力)

$39.3/ t-CO2

AU2011272825A1AU2011272878B2

シリコンカプセル吸収法マイクロサイズのシリコンカプセル中に化学吸収液を封入し、CO2を吸収分離する技術

Lawrence Livermore NationalLaboratory US8394351B2

革新的CO2分離回収技術に関する調査

CO2分離回収技術の性能諸元

CO2分離回収技術性能値出展、算出条件

CO2回収率90%以上、CO2純度99%以上を想定。アミン法(RITE-6)、MEDA、SelexolはNEDO既報告書*がベース。

*H26NEDO委託事業「CO2分離回収技術の検討」(H27.3).

回収エネルギーは技術調査から引用。

膜分離法はNEDOゼロエミ報告書**をベース(次項参照)。**NEDO委託事業「革新的ゼロエミッション石炭ガス化発電オプロジェクト/発電からCO2貯留までのトータルシステムのフィージビリティー・スタディー/全体システム評価」(H27.3).

CO2回収設備単価(万円/kW)はIAEが設定。回収エネルギーの電力換算は既報告書*の係数を採用→ 発電効率の低下ポイントを試算。

15

革新的CO2分離回収技術に関する調査

CO2分離回収技術の導入による発電コストの違い

発電コストCO2分離回収をしない場合

SCPC 7.5円/kWh ⇔ 発電コスト検証WG 12.9円/kWh(うち4.0円/kWhはCO2対策費)

回収エネルギーの高さ → 発電効率の低下 → 燃料費の増加 → 発電コストの上昇

システムの複雑さ → CO2回収設備費の増加 → 減価償却費の増加 → 発電コストの上昇

IGCCは設備費が高いが、発電効率が高く、回収エネルギーも小さいため、発電コストは抑えられる。

経済性の定量分析には設備費の精緻化が必要。

16

New Energy and Industrial Technology Development Organization

平成27~28年度NEDOゼロエミッション石炭火力技術開発プロジェクト クリーン・コール・テクノロジー推進事業

微粉炭火力発電の速やかな低炭素化実現に向けた調査

委託先:一般財団法人石炭エネルギーセンター調査期間:平成28年2月~7月

我が国における高効率微粉炭火力発電において、CO2削減に最も即効性があるとされる木質バイオマスの利用について調査を行う。

国内外の木質バイオマス活用、微粉炭火力への混焼によるCO2削減効果に関して、技術、制度、経済性等の検討によりその有効性を評価するとともに、取り組む課題を抽出する。

調査概要

① バイオマス利用による波及効果に関する調査

間伐による森林再生、地域振興、国土保全効果

② 微粉炭火力発電における低炭素燃料利用によるCO2削減効果の検討

バイオマス混焼する際のCO2削減効果をLCAを踏まえて評価

③ 微粉炭火力発電における低炭素燃料利用拡大のための技術調査

石炭・バイオマス粉砕ミル等の最新技術動向、課題抽出

④ 微粉炭火力発電への低炭素燃料調達拡大可能性調査

米国・カナダの木質ペレット動向、インドネシアのEFB(パームヤシ空果房)等未利用木質バイオマス動向

高成長バイオマス(早生樹)栽培の動向

⑤ 調査結果の総括と今後の取り組み検討

調査項目

17

New Energy and Industrial Technology Development Organization

① バイオマス利用による波及効果に関する調査

間伐の促進による森林再生効果 未利用木質バイオマス利用促進による地域振興効果

間伐の促進による国土保全/防災/鉄循環効果

間伐率と出材する丸太の径級の割合

出典:北海道立総合研究機構

間伐により残した樹木の生長が促進される→ 木材価値・材質の向上

北海道下川町、岡山県真庭市等、間伐材等利用促進によ

り効果を挙げている例が全国各地にある

2030年度未利用間伐材等利用木質バイオマス発電見込

み(240MW)が達成された場合、約1,100億円/年の経済

効果、約29,000人の雇用創出効果があると推測される

間伐により土壌露出防止、樹木生長促進、根の発達によ

る土砂災害抵抗力上昇等が確認されている

間伐にはコストがかかるが、土砂災害が発生したときの被

害額と比較すれば効果は高い

間伐により腐植土層が形成されると、溶存鉄形成が促進

され、雨水で移動することにより下流沿岸域の水産資源

増加効果がある

地籍調査率、森林経営計画策定率向上

による木材生産・森林間伐促進

国内木材需要・林業従事者の確保

木材生産効率化(機械化・路網整備・

生産集約等)

課題

微粉炭火力発電の速やかな低炭素化実現に向けた調査

18

New Energy and Industrial Technology Development Organization

② 微粉炭火力発電における低炭素燃料利用によるCO2削減効果の検討

前提条件

国内のFIT対象微粉炭火力(計画含む):USC 17基、SC 9基、Sub-C 40基の計66基

最大混焼率:USC 3%、SC 10%、Sub-C 30%国内木質バイオマスは各微粉炭火力の半径50km圏内の推定林地残材賦存量(推定結果:318万t/年)を活用

しペレット化して利用、不足分は海外(カナダ)からの木質ペレット輸入とする

CO2削減コストは混焼率にかかわらず概ね¥5,000/tCO2程度であり、比較的低コストでのCO2削減

が可能と推測

前提条件を満たす混焼が実施できた場合、国内材活用で約405万tCO2/年、カナダ輸入材で約

2,082万tCO2/年のCO2削減効果(2014年電力起源CO2排出量4.57億tを基準とすると、国内材で

0.9%、合計値で5.4%の削減効果)

微粉炭火力発電の速やかな低炭素化実現に向けた調査

結果

1919

New Energy and Industrial Technology Development Organization

③ 微粉炭火力発電における低炭素燃料利用拡大のための技術調査

縮流リング

④ 微粉炭火力発電への低炭素燃料調達拡大可能性調査

混焼における最大の問題は石炭・木質バイオマスの混合粉砕時

のミル動力増

より細かく破砕したチップあるいはペレットを用いると混焼率

は上がるがそれでも石炭・バイオマスを混合粉砕では混焼率

数%程度

石炭ミルの改造(縮流リングによるミル内空気速度増など)、

バーナの改造等により混焼率改善。石炭と木質バイオマスの

ミルを分けることで30%程度の混焼率達成の見込み

米国、カナダは両国で600万t/年以上の木質ペレットを輸出、今後500~1,000万t/年規模で輸出拡大

インドネシアのパームは800万t/年程度の利用ポテンシャルがあると推測される。ただしカリウム分が高いた

め混焼率には限界がある。また水分が高いため、輸入にはペレット化、半炭化などの加工が必要。

バイオマス混焼専用の早生樹を育成すれば、他業種と競合しない原料を安定確保しつつ、地方創生にもつな

がる可能性がある。日本ではヤナギ、ポプラが有力、ユーカリ、アカシアも可能性あり。

国内材だけでは今後混焼用バイオマスが不足する恐れがあり、

海外の状況と早生樹について調査 パーム果房 パームEFB油分回収

微粉炭火力発電の速やかな低炭素化実現に向けた調査

石炭粉砕ミルの改良(出典:IHI資料)

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21

CO2有効利用可能性調査(概要)

<委託先> 一般財団法人エネルギー総合工学研究所、国際石油開発帝石株式会社

<調査期間> 平成28年12月~平成29年6月

• 火力発電の高効率化に併せて、CO2有効利用(CCU)技術を普及し、経済性と環境負荷低減を確保することが重要である。

• 石炭火力発電所から排出されるCO2と再生可能エネルギー(再エネ)由来の水素を利用してメタンを生産し、天然ガスパイプラインへ注入することで電力系統安定化に貢献できると考えられる。

• 本調査では、主に再エネによって発電された電力を用いて生産される化石燃料に依存しない水素と石炭火力発電所等から分離・回収される高濃度CO2を利用し、メタンガスを生産する技術(メタネーション技術)の事業性評価・検討を行う。

New Energy and Industrial Technology Development Organization

図1 CO2有効の流れ 図2 事業イメージ

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CO2有効利用可能性調査(CO2メタネーション技術課題)New Energy and Industrial Technology Development Organization

図3 CO2メタネーションのエネルギー効率

• CO2メタネーション技術はCO2の不純物に応じた前処理によって、石炭火力発電所排ガスやIGCC等への適用が可能なポテンシャルを有する。

• 高濃度CO2メタネーション設備では、メタネーション触媒とメタネーション反応器が最も重要な要素となる。

• スールアップされたメタネーションプラントでは、メタネーション反応によって得られる排熱の有効(エネルギー)利用が必須となる。

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CO2有効利用可能性調査(再エネ電力吸収ポテンシャル)

• 国内高圧天然ガスパイプラインによる再エネ由来電力の吸収ポテンシャルは、約6,000万kWと試算。

• CO2メタネーションの石炭火力発電所に対するCO2削減ポテンシャルは、立地に応じて、約2.8~4.5%と試算。

• 再エネの余剰電力を吸収することは出力抑制による火力発電所の部分不可運転を回避することができ、火力発電所の発電効率向上、CO2排出量削減に資する技術であると考えられる。

注: 上記値は、当該調査事業で設定した試算前提条件に基づく。

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図4 日本の2大巨大エネルギーインフラによる再エネ吸収の概念

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CO2有効利用可能性調査(余剰電力のメタネーションによる吸収ビジネスモデル)

• 諸条件(事業期間20年、IRR=9.5%、メタン販売単価53円/Nm3)を前提におくと、「電力料金単価0 円/kWh・CAPEX-240 千円/kW 以下」または「電力料金単価2 円/kWh・CAPEX-100 千円/kW 以下」とする必要がある。

• 水電界装置へ供給する再エネ電力の電力料金が3.4円/kWhを超えるとIRRは0%以下になるが、本事業における事業採算性評価の時期は2030年以降としているため、将来的には現実になる可能性があると考えられる。

• CO2メタネーション技術は、段階的な技術開発等によって、100万t‐CO2/y規模までのスケールアップや、事業性が得られるコストダウンが可能なポテンシャルを有する。

注: 上記値は、当該調査事業で設定した試算前提条件に基づく。

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図5 事業期間20年IRR=9.5%の諸条件 図6 CCU コスト及びCCU プロセスの技術開発ロードマップ