Upload
others
View
0
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
©SPAC,2020 All rights reserved
2020年3月一般財団法人 衛星測位利用推進センター(SPAC)
海外事業統括部長 桜井 也寸史
2019年度 SPAC海外調査報告
タイにおけるGNSS/QZSS利用推進-第11回MGA(Multi-GNSS Asia)カンファレンスから-
1
タイではThailand4.0のビジョンのもとに電子基準点網整備やデータセンター構築が進められ、農業、建設、自動運転などの利用プロジェクトの検討が始まっています。日本の技術協力への期待も大きいところです。カンファレンスから得られたタイにおけるGNSS/QZSS利用推進の状況を中心に報告します。
SPACセミナーFY2019 Web公開
©SPAC,2020 All rights reserved
目 次
1. MGAカンファレンス◼ MGA (Multi-GNSS Asia)とは◼ 第11回MGAカンファレンス
2. タイにおけるGNSS利用◼ GNSS利用政策
➢ Thailand 4.0、電子基準点網とデータセンター
◼ 日タイG空間協力➢ 日タイパイロットプロジェクト、GNSSイノベーションセンターにおける日
本企業のデモ
3. MGAにおけるトピックス◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク◼ 次世代GNSS
4. まとめ【参考】日タイG空間推進協力-宇宙政策委員会資料から
©SPAC,2020 All rights reserved
1.MGAカンファレンス
◼ MGA (Multi-GNSS Asia)とは
ICG-14プレゼン資料より
国連のもとに開催されているICG(GNSSに係る国際員会)の後押しのもとにアジア太平洋地域でのマルチGNSS利用を推進するための国際的な組織
©SPAC,2020 All rights reserved
1.MGAカンファレンス
◼ MGA (Multi-GNSS Asia)とは
ICG-14プレゼン資料より
カンファレンス開催、ネットワーキングとキャパシティビルディング、インフラの共有が活動の3つの柱
©SPAC,2020 All rights reserved
1.MGAカンファレンス
◼ MGA (Multi-GNSS Asia)とは
ICG-14プレゼン資料より
第一回のタイに始まり、アジア太平洋の国々が毎回ホストを務めている。今回は3度目のタイ開催、政府、アカデミア、産業界から350名の参加。
©SPAC,2020 All rights reserved
タイスペースウィーク(8/27-29)の4つのプログラムの一つとして開催⚫マルチGNSSアジアカンファレンス⚫GEOINFOTEC⚫AEROSPACE INDUSTRY
FORUM⚫SPACE YOUTH FORUM
8/30には日本企業による高精度測位デモ@Space KrenovationPark, シラチャが行われた。
1.MGAカンファレンス
◼ 第11回MGAカンファレンス
©SPAC,2020 All rights reserved 7
DAY 1 (27th August 2019) - Tuesday⚫ Opening Ceremony⚫ GNSS System Provider Update Session⚫ Early Warning Disaster Prevention and Mitigation Using
GNSSDAY 2 (28th August 2019) - Wednesday⚫ Japan - Thai Special Session⚫ Multi GNSS Industrial Development and Application
Session⚫ Latest Trends in Multi GNSS Research and Development
SessionDAY 3 (29th August 2019) - Thursday⚫ Cooperation with United Nations⚫ Special Industry Session⚫ Young Professional Forum Presentations⚫ MGA Closing*GNSS ASEAN Round Table (Closed Group)DAY 4 (30th August 2019) - Friday
タイ・日協力ワーキンググループやJICAチームによるCORSデータセンターの設立やJICA技術協力、日・タイ参加企業によるパイロットプロジェクトなどの紹介
高精度測位デモンストレーション(カンファレンス4日目-8月30日@シラチャ)GNSSイノベーションセンターにおけるスマート農業についてのセミナーや各種のデモ。センターはタイにおけるGNSS利活用情報の集積発信基地を目指したもので日本企業などによる宇宙・測位関連の常設展示・デモが行われている。
内閣府主催 ASEANから参加
Multi-GNSS Asia Conference プログラムMulti-GNSS supportive Infrastructure
in Thailand and contribution to the
society, チュラロンコン大学タイのGNSS利用の取り組みについて
ソフトバンク センチメーター級測位サービス
©SPAC,2020 All rights reserved
カンファレンス会場、Impact Forum, Bangkok
MGAカンファレンス参加者
1.MGAカンファレンス
◼ 第11回MGAカンファレンス
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫Thailand Space Week会場
宇宙関連プログラムとの合同開催により青少年の参加も多く盛況
1.MGAカンファレンス
◼ 第11回MGAカンファレンス
©SPAC,2020 All rights reserved 日タイG空間協力協議会
日本企業ブース
⚫Thailand Space Week会場
1.MGAカンファレンス
◼ 第11回MGAカンファレンス
©SPAC,2020 All rights reserved
✓ “Multi-GNSS supportive Infrastructure in Thailand and future contribution to the society”,
✓ “Future cooperation for GNSS system development and utilization in Thailand”, Prof. Chalermchon Satirapod, Chulalongkorn Univ.
✓ “Introduction of establishment of National CORS Data Center and JICA technical cooperation”, Col. Attawoot Kiatiwat Royal Thai Survey Dept.
2. タイにおけるGNSS利用
◼ GNSS利用政策利用政策について以下3つの講演
チュラコン大学のProf. Chalermchon Satirapod ⇒
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫“Thailand 4.0”スマートタイランド(創造+イノベーション)を支えるGNSS、と位置づけ
✓スマートインダストリィ+✓スマートシティ+✓スマートピープル
農業・航空・測量と地図・自動運転
2. タイにおけるGNSS利用
◼ GNSS利用政策
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫NCDC(National CORS Data Center)設立を決定✓ 複数の政府機関が所有するCORSを調整・データ統合するNCDCの設
立を決定@National Geo-Informatics Board✓ RTSD(Royal Thai Survey Department)を担当機関に
⚫NCDCを国家の社会基盤インフラに✓ 国際競争力✓ 安全保障✓ 社会経済開発
2. タイにおけるGNSS利用
◼ GNSS利用政策
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫ 基線長30-80km⚫ 2020年にはDOLが45点追加
⚫CORSの現状、2019年のうちに249点
運用機関がばらばらで統合が課題となっていた
2. タイにおけるGNSS利用◼ GNSS利用政策
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫データセンター管理体制:マネージメントWGが中核日タイジョイントワーキンググループ(添付資料参照)が支援
National Geo-Informatics Boardが統括
日タイジョイントワーキンググループが支援
データセンターバックアップあり
2. タイにおけるGNSS利用
◼ GNSS利用政策
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫第一回データセンターワーキンググループ“CORS データ配信方針”18th July 2019“初期段階ではCORSデータ利用を促進するためにデータは無償で提供、課金方針については6か月に見直し”
2. タイにおけるGNSS利用
◼ GNSS利用政策
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫ドローン、モバイルマッピングシステム、農機、建機、自動運転、測量・地図、地滑り検知 →シラチャにてデモ(次ページで紹介)
2. タイにおけるGNSS利用
⚫ 日タイによる10のパイロットプロジェクト
◼ 日タイG空間協力
©SPAC,2020 All rights reserved
(8/30@Space Krenovation Park, シラチャ*)*バンコクより2時間程度
2. タイにおけるGNSS利用
⚫ イノベーションセンターにおける高精度測位デモ
◼ 日タイG空間協力
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫広大なスペースならでは、のデモンストレーション*Facebookの”Space Krenovation Park”のページに、DEMO DAY当日の動画・写真が掲載されましたhttps://www.facebook.com/109141292809477/posts/1151107371946192?sfns=mo
https://www.facebook.com/109141292809477/posts/1127526404304289?sfns=mohttps://www.facebook.com/skp.gistda/videos/2354535068195331/?v=2354535068195331
2. タイにおけるGNSS利用
◼ 日タイG空間協力
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫GNSSイノベーションセンター✓GNSS JAPAN PAVILION:参加企業による常設展示✓デモルーム:建機、農機などの野外デモの遠隔モニター
GNSS JAPAN PAVILIONGNSS イノベーションセンター入口
青少年向け展示も充実
2. タイにおけるGNSS利用
◼ 日タイG空間協力
©SPAC,2020 All rights reserved
3. MGAにおけるトピックス
“Positioning Service with Centimeter-levelAccuracy”, ALES Inc. Makoto Noda
◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク
ALES野田社長によるプレゼン
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫ソフトバンクLTEエリアに独自のコントロールポイント3300点を設置-どの観測点でも周辺10km以内に2~5箇所の基準点が存在
3. MGAにおけるトピックス
◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫ユーザーに合わせ2つのサービスを用意✓ エッジRTKとクラウドRTK-時間遅れ許容性を考慮して選択
3. MGAにおけるトピックス
◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫廉価な受信機の提供
3. MGAにおけるトピックス
◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫プロフェショナルからマスマーケットまで
3. MGAにおけるトピックス
◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫基地局位置管理に独立基準点とQZSS/MADOCA利用
MADOCA利用
3. MGAにおけるトピックス
◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫ 海外ビジネス展開⚫ QZSS(MADOCA)カバ
レージエリア⚫ 現地パートナーと組んでイ
ンフラ構築
3. MGAにおけるトピックス
◼ 地上ネットワークを利用したRTKサービス/ソフトバンク
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫GNSS-UPDATE✓QZSS、2023年からの海外サービスアナウンス
ーMADOCA(TBD)、EWS(TBD)✓GLONAS、High Orbit GLONASS計画を発表✓GALILEO、EWSをサービスメニューに追加✓BeiDou、5G、LEOを含む将来構想提示
3.MGAにおけるトピックス◼ 次世代GNSS
©SPAC,2020 All rights reserved
[GLONASS] High OrbitGLONASS
⚫ 2つの傾斜静止軌道面に衛星各々3機、計6機配置
⚫ 東半球の精度向上⚫ 2023年打ち上げ
3.MGAにおけるトピックス◼ 次世代GNSS
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫タイにおけるGNSS利用✓“Thailand 4.0”の国家ビジョンのもとに推進✓ナショナルCORSデータセンター(NCDC)を国家インフラと位
置づけRTKサービスをスタート。当面は無償✓日タイ共同プロジェクトで利用サイドの推進- -JICAの協力✓GNSSイノベーションセンターの活用-アジア太平洋地域の
GNSS利用ショーケース-電子基準点網整備・データセンタなどインフラ側よりも利用側での技術協力を我が国は期待されている。補強情報の利用についてはQZSSのみならず地上配信な含め、より広い選択肢のなかで利用ごとに最適なソリューションを求めていくものと考えられる。
まとめ
©SPAC,2020 All rights reserved
⚫ソフトバンクによるセンチメータ級測位サービス✓キャリアなどの既存インフラ活用により各国の電子基準点網を
補完し、RTKレベルのサービスを迅速に展開可能。- QZSSサービスとは相互補完的に高精度サービス利用マーケットのすそ野を拡大(廉価な端末、新サービス創出)していくものと期待される。各国の電子基準点網整備を待つことなく、日本国内でソフトバンク/ドコモが取り組んでいる建機、農機などへの海外利用が迅速に展開される可能性が見えてきた。
⚫次世代GNSS情報✓GNSS2.0に向けたプロバイダーの動きあり。- 特に、欧州、中国の動きはQZSSロードマップ議論のレファランスになり、ウオッチ要
まとめ
©SPAC,2020 All rights reserved
【参考】日タイG空間推進協力-宇宙政策委員会資料から
宇宙政策委員会 宇宙産業・科学技術基盤部会 第41回会合
©SPAC,2020 All rights reserved
【参考】日タイG空間推進協力-宇宙政策委員会資料から
宇宙政策委員会 宇宙産業・科学技術基盤部会 第41回会合
参考“タイ国における測位インフラを活用した社会実証実験およびGNSSイノベーションセンター開設にあたって”(内閣府資料)より抜粋