30
2020 年度日本赤十字社 和歌山医療センター放射線科 専門研修プログラム 研修施設群 基幹施設:日本赤十字社和歌山医療センター放射線科 連携施設1:京都大学医学部附属病院放射線科 連携施設2:大阪赤十字病院放射線科 連携施設3:京都市立病院放射線科 連携施設4:公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 連携施設5:市立岸和田市民病院 連携施設6:地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター 中央市民病院 連携施設7:天理よろづ相談所病院 連携施設8:独立行政法人国立病院機構 京都医療センター 連携施設9:兵庫県立尼崎総合医療センター 連携施設10:大阪市立大学医学部附属病院 連携施設11:地方独立行政法人 市立大津市民病院 連携施設12:大津赤十字病院 連携施設13:関西電力病院 連携施設14:滋賀県立総合病院 連携施設15:社会福祉法人京都社会事業財団 京都桂病院 連携施設16:長浜赤十字病院 連携施設17:洛和会音羽病院 日本専門医機構 2017.05.24 承認 放射線科領域モデル専門研修プログラム(2015.12.14 承認)準拠

2020 年度日本赤十字社 和歌山医療センター放射線 …...2 本プログラムは、日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部を専門研修基幹施設

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Page 1: 2020 年度日本赤十字社 和歌山医療センター放射線 …...2 本プログラムは、日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部を専門研修基幹施設

2020年度日本赤十字社

和歌山医療センター放射線科

専門研修プログラム

研修施設群

基幹施設:日本赤十字社和歌山医療センター放射線科

連携施設1:京都大学医学部附属病院放射線科

連携施設2:大阪赤十字病院放射線科

連携施設3:京都市立病院放射線科

連携施設4:公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

連携施設5:市立岸和田市民病院

連携施設6:地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター

中央市民病院

連携施設7:天理よろづ相談所病院

連携施設8:独立行政法人国立病院機構 京都医療センター

連携施設9:兵庫県立尼崎総合医療センター

連携施設10:大阪市立大学医学部附属病院

連携施設11:地方独立行政法人 市立大津市民病院

連携施設12:大津赤十字病院

連携施設13:関西電力病院

連携施設14:滋賀県立総合病院

連携施設15:社会福祉法人京都社会事業財団 京都桂病院

連携施設16:長浜赤十字病院

連携施設17:洛和会音羽病院

日本専門医機構 2017.05.24承認

放射線科領域モデル専門研修プログラム(2015.12.14承認)準拠

Page 2: 2020 年度日本赤十字社 和歌山医療センター放射線 …...2 本プログラムは、日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部を専門研修基幹施設

目 次

1. 放射線科領域専門研修の教育方針 ................................................................................................... 1

2. 研修体制 ..................................................................................................................................................... 1

3. 専門研修施設群における研修分担 ................................................................................................... 9

4. 募集新規専攻医数 ................................................................................................................................ 12

5. 専門研修応募者の選考方法 ............................................................................................................. 12

6. 研修内容 .................................................................................................................................................. 13

7. 研修方略 .................................................................................................................................................. 18

8. 研修実績の記録 .................................................................................................................................... 23

9. 研修の評価 .............................................................................................................................................. 23

10. 研修の休止・中断、異動 .................................................................................................................. 27

11. 労働環境、労働安全、勤務条件 .................................................................................................... 25

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1

1. 放射線科領域専門研修の教育方針

整備基準 1,2,3

実臨床における放射線科の役割は、X線撮影、超音波検査、CT、磁気共鳴検査

(MRI)および核医学検査などを利用する画像診断、画像診断を応用した低侵襲性治

療(インターベンショナル・ラジオロジー:IVR)、および放射線を使用して種々の疾

患の放射線治療を行うことにあります。

放射線科領域専門制度は、放射線診療・放射線医学の向上発展に資し、医療および

保健衛生を向上させ、かつ放射線を安全に管理し、放射線に関する専門家として社会

に対して適切に対応し、もって国民の福祉に寄与する、優れた放射線科領域の専門医

を育成する制度であることを基本理念としています。そして、放射線診断専門医また

は放射線治療専門医の育成の前段階として、放射線診断専門医および放射線治療専門

医のいずれにも求められる放射線科全般に及ぶ知識と経験を一定レベル以上に有する

「放射線科専門医」を育成することを目的としています。

放射線科専門医の使命は、画像診断(X 線撮影、超音波検査、CT、MRI、核医学検

査等)、IVR、放射性同位元素(RI)内用療法を含む放射線治療の知識と経験を有し、

放射線障害の防止に努めつつ、安全で質の高い放射線診療を提供することにありま

す。

日本医学放射線学会が認定し日本専門医機構が承認した放射線科専門研修プログラ

ム新整備基準では、放射線科専門医制度の理念のもと、放射線科専門医としての使命

を果たす人材育成を目的として専門研修の到達目標および経験目標を定めています。

本研修プログラムでは、研修施設群内における実地診療によって専門研修の到達目標

および経験目標を十分に達成できる研修体制の構築に努めていますが、実地診療のみ

では経験が不足する一部の研修については、日本専門医機構が認める講習会(ハンズ

オン・トレーニング等)及び e-learning の活用等によって、その研修を補完します。

2020年度日本赤十字社和歌山医療センター放射線科専門研修プログラムは上記の新

整備基準に従い、3年以上の専門研修により、放射線科領域における幅広い知識と錬

磨された技能、ならびに医師としての高い倫理性、コミュニケーション能力およびプ

ロフェッショナリズムを備えた放射線科専門医をめざし、放射線科専攻医(以下、専

攻医)を教育します。

2. 研修体制

整備基準 26,27,36

Page 4: 2020 年度日本赤十字社 和歌山医療センター放射線 …...2 本プログラムは、日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部を専門研修基幹施設

2

本プログラムは、日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部を専門研修基幹施設

とします。連携施設として複数の学会認定総合修練機関(10施設)・修練機関(7

施設)(詳細は同ページ1)専門研修施設群の項を参照して下さい)から成る専門研

修施設群を設定し、放射線医学領域の高度に専門的な知識と技能と態度を有する放射

線科専門医育成を基幹施設が統括する専門研修プログラムです。

なお、専門研修基幹施設は日本医学放射線学会認定総合修練機関です。専門研修

連携施設は全て、日本医学放射線学会により、総合修練機関・修練機関としてそれぞ

れ認定されています。

専門研修プログラム統括責任者は、専門研修基幹施設の責任者(部長、科長など)

があたり、プログラム全体について責任を持ちます。専門研修連携施設の指導管理責

任者は、各施設の責任者(部長、科長など)があたり、専攻医の研修ならびに労働環

境・条件など全般にわたる責任を負います。専門研修プログラム連携施設担当者は、

専門研修プログラム管理委員会における各施設の代表者です。指導にあたる専門研修

指導医は、放射線科領域における十分な診療経験と教育および指導能力を有する医師

であり、日本医学放射線学会認定の研修指導者資格を取得しています。1名の指導医

が指導可能な専攻医数は、総計 3名以内です。

1) 専門研修施設群

整備基準 23,24,31,35

専門研修基幹施設は、専門研修プログラムを管理し、本プログラムに参加する専攻

医ならびに専門研修連携施設および専門研修関連施設を統括します。専門研修連携施

設は、専門研修基幹施設が定めた本プログラムに基づいて専攻医に専門研修を提供し

ます。専門研修関連施設は、専門研修基幹施設と専門研修連携施設では経験しきれな

い研修項目を補完します。

なお、専門研修基幹施設は日本医学放射線学会認定総合修練機関、専門研修連携施

設は日本医学放射線学会認定総合修練機関、修練機関または特殊修練機関として認定

されており、それぞれ放射線科専門研修プログラム新整備基準の専門研修基幹施設、

専門研修連携施設の認定基準を満たしています。専門研修関連施設は非認定施設です

が、専門研修基幹施設である日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部の責任のも

とで専門研修を委嘱した施設で、研修内容は超音波検査、消化管造影、IVR 等に限ら

れます。

(1) 専門研修基幹施設:日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部

日本医学放射線学会認定総合修練機関

専門研修プログラム統括責任者:梅岡 成章(部長)

専門研修指導責任者(指導医):梅岡 成章(部長)[兼任]

専門研修指導医:根来 慶春

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3

専門研修指導医:井口 治男

専門研修指導医:河村 晃

専門研修指導医:樋本 祐樹

専門研修指導医:坂田 昭彦

専門研修指導医:前田 力

(2) 専門研修連携施設:京都大学医学部附属病院放射線科

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):富樫かおり(放射線診断科教授)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):山本 憲(総合臨床教育研修セ

ンター・放射線診断科助教)

専門研修指導医:佐賀 恒夫

専門研修指導医:磯田 裕義

専門研修指導医:岡田 知久

専門研修指導医:中本 裕士

専門研修指導医:石守 崇好

専門研修指導医:久保 武

専門研修指導医:片岡 正子

専門研修指導医:古田 昭寛

専門研修指導医:木戸 晶

専門研修指導医:伏見 育崇

専門研修指導医:有薗 茂樹

専門研修指導医:藤本 晃司

専門研修指導医:柿木 崇秀

専門研修指導医:清水 大功

専門研修指導医:三宅 可奈江

専門研修指導医:中島 諭

専門研修指導医:大野 豪

専門研修指導医:子安 翔

専門研修指導医:田川 弘

専門研修指導医:八上 全弘

専門研修指導医:西尾 瑞穂

専門研修指導医:坂本 亮

専門研修指導医:森畠 裕策

専門研修指導医:飯間 麻美

専門研修指導医:溝脇 尚志

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4

専門研修指導医:松尾 幸憲

専門研修指導医:吉村 通央

専門研修指導医:坂中 克行

専門研修指導医:井上 実

専門研修指導医:中嶋 綾

専門研修指導医:飯塚 裕介

専門研修指導医:宇藤 恵

専門研修指導医:中村 清直

(3) 専門研修連携施設:大阪赤十字病院放射線科

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):伊藤 亨(第一診断科部部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):伊藤 亨(第一診断科部部長)

[兼任]

専門研修指導医:石垣 孝

専門研修指導医:塩崎 俊哉

専門研修指導医:森 暢幸

専門研修指導医:前倉 拓也

専門研修指導医:山内 盛敬

専門研修指導医:赤坂 太

専門研修指導医:岸 高宏

専門研修指導医:大西 満理

専門研修指導医:舌野 富貴

(4) 専門研修連携施設:京都市立病院放射線科

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):藤本 良太(放射線診断科部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):藤本 良太(放射線診断科部

長)[兼任]

専門研修指導医:大津 修二

専門研修指導医:谷掛 雅人

専門研修指導医:森澤(小山)信子

専門研修指導医:里上 直衛

専門研修指導医:早川 延幸

専門研修指導医:楢林 正流

専門研修指導医:平田 季美子

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5

(5) 専門研修連携施設:公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):奥村 亮介(主任部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):奥村 亮介(主任部長)[兼

任]

専門研修指導医:高木 雄久

専門研修指導医:久保 滋人

専門研修指導医:上野 誠

専門研修指導医:芝田 豊通

専門研修指導医:熱田 智子

専門研修指導医:澤田 健

専門研修指導医:岡田 務

(6) 専門研修関連施設:市立岸和田市民病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):藤澤 一朗(放射線科部長、副院長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):藤澤 一朗(放射線科部長、副

院長)[兼任]

専門研修指導医:魚川 亨資

専門研修指導医:小倉 昌和

専門研修指導医:大西 佑典

(7) 専門研修関連施設:地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター

中央市民病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):小久保 雅樹(放射線治療科部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):小久保 雅樹(放射線治療科部

長)[兼任]

専門研修指導医:上田 浩之

専門研修指導医:今葷倍 敏行

専門研修指導医:金尾 昌太郎

専門研修指導医:菅 剛

専門研修指導医:小倉 健吾

専門研修指導医:光吉 隆真

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(8) 専門研修関連施設:天理よろづ相談所病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):野間 惠之(部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):野間 惠之(部長)[兼任]

専門研修指導医:御前 隆

専門研修指導医:高山 賢二

専門研修指導医:谷口 尚範

専門研修指導医:西本 優子

専門研修指導医:山本 貴之

専門研修指導医:大久保 豪祐

専門研修指導医:野橋 智美

専門研修指導医:福富 光

専門研修指導医:石田 祐一

(9) 独立行政法人国立病院機構 京都医療センター

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):伊藤 剛(医療技術部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):伊藤 剛(医療技術部長)[兼

任]

専門研修指導医:荒木 則雄

専門研修指導医:広川 侑奬

専門研修指導医:黒田 昌志

専門研修指導医:大堂 さやか

専門研修指導医:西松 佳代

専門研修指導医:河村 光栄

(10) 専門研修関連施設:兵庫県立尼崎総合医療センター

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):木村 弘之(放射線センター長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):金柿 光憲(放射線診断科科

長)

専門研修指導医:奥村 節子

専門研修指導医:川端 和奈

専門研修指導医:田邊(植木)奈美

専門研修指導医:松原 菜穂子

専門研修指導医:田中 宏明

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(11) 専門研修関連施設:大阪市立大学医学部附属病院

日本医学放射線学会認定総合修練機関

指導管理責任者(指導医):三木 幸雄(放射線科教授)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):三木 幸雄(放射線科教授)[兼

任]

専門研修指導医:下野 太郎

専門研修指導医:小山 孝一

専門研修指導医:山本 晃

専門研修指導医:大隈 智尚

専門研修指導医:濱本 晋一

専門研修指導医:城後 篤史

専門研修指導医:寒川 悦次

専門研修指導医:影山 健

専門研修指導医:植木 愛

専門研修指導医:竹内 真規子

専門研修指導医:井上 恵太

専門研修指導医:中野 真理子

専門研修指導医:小川 聡幸

専門研修指導医:澁谷 景子

専門研修指導医:細野 雅子

専門研修指導医:堤 真一

専門研修指導医:造酒 慶喬

専門研修指導医:天野 公輔

専門研修指導医:森本 英之

専門研修指導医:東山 滋明

専門研修指導医:吉田 敦史

(12) 専門研修関連施設:地方独立行政法人 市立大津市民病院

日本医学放射線学会認定修練機関

指導管理責任者(指導医):市場 文功(診療部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(非指導医):山本 まどか(主査)

専門研修指導医:有本 麻耶

専門研修指導医:奥知 左智

(13) 専門研修関連施設:大津赤十字病院

日本医学放射線学会認定修練機関

指導管理責任者(指導医):芥田 敬三(副院長、第一放射線科部長)

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専門研修プログラム連携施設担当者(非指導医):阪田 智広(給与係長)

専門研修指導医:川原 清哉

専門研修指導医:堀井 直敏

専門研修指導医:笠原 誓子

専門研修指導医:百々 俊樹

(14) 専門研修関連施設:関西電力病院

日本医学放射線学会認定修練機関

指導管理責任者(指導医):久保田 晋(放射線診断科部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):久保田 晋(放射線診断科部

長)[兼任]

専門研修指導医:板垣 康

専門研修指導医:沖野 巌

専門研修指導医:松下 晴彦

専門研修指導医:中島 宏徳

(15) 専門研修関連施設:滋賀県立総合病院

日本医学放射線学会認定修練機関

指導管理責任者(指導医):山内 智香子(放射線治療科長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):山内 智香子(放射線治療科

長)[兼任]

専門研修指導医:津田 圭紹

専門研修指導医:池田 格

専門研修指導医:奥山 智緒

(16) 専門研修関連施設:社会福祉法人京都社会事業財団 京都桂病院

日本医学放射線学会認定修練機関

指導管理責任者(指導医):山岡 利成(部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):山岡 利成(部長)[兼任]

専門研修指導医:坂本 隆吏

専門研修指導医:栗原 研輔

専門研修指導医:伊藤 仁

(17) 専門研修関連施設:長浜赤十字病院

日本医学放射線学会認定修練機関

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9

指導管理責任者(指導医):楠井 隆(院長、放射線科部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):楠井 隆(院長、放射線科部

長)[兼任]

専門研修指導医:北川 あかね

専門研修指導医:嶋田 功太郎

(18) 専門研修関連施設:洛和会音羽病院

日本医学放射線学会認定修練機関

指導管理責任者(指導医):久保 聡一(部長)

専門研修プログラム連携施設担当者(指導医):久保 聡一(部長)[兼任]

専門研修指導医:友井 正弘

専門研修指導医:藤村 幹彦

専門研修指導医:吉原 桂一

2) 専門研修プログラム管理委員会および専門研修プログラム連携施設研

修管理委員会

整備基準 34,37,38,39

(1) 放射線科領域専門研修プログラム管理委員会

専門研修基幹施設である日本赤十字社和歌山医療センターには、放射線科領域専門

研修プログラム管理委員会(以下、専門研修プログラム管理委員会)を設置していま

す。専門研修プログラム管理委員会は、専門研修プログラム統括責任者、専門研修プ

ログラム連携施設担当者、専門研修指導責任者等で構成され、必要に応じて専門研修

指導医やメディカルスタッフ(診療放射線技師や看護師等)等に意見を求めます。

専門研修プログラム管理委員会では、専攻医と専門研修プログラム全般を統括的に

管理し、専門研修プログラムの継続的改良を行います。専攻医および専門研修指導医

から提出される評価報告書にもとづき、専攻医および専門研修指導医に対して必要な

助言を行います。また、専門研修プログラム管理委員会における評価に基づいて、専

門研修プログラム統括責任者が研修修了の判定を行います。

(2) 放射線科領域専門研修プログラム連携施設研修管理委員会

各専門研修連携施設には、専門研修プログラム管理委員会と連携する放射線科領域

専門研修プログラム連携施設研修管理委員会(以下、連携施設研修管理委員会)を設

置しています。連携施設研修管理委員会は、指導管理責任者、専門研修指導医等で構

成され、必要に応じてメディカルスタッフ(診療放射線技師や看護師等)等に意見を

求めます。ただし、専門研修指導医が一人の専門研修連携施設では連携施設研修管理

委員会の設置が不要のため、当該指導医が専門研修プログラム連携施設担当者も併任

しています。

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連携施設研修管理委員会では、専門研修連携施設における専攻医の研修を管理しま

す。連携施設研修管理委員会における評価に基づいて、指導管理責任者は専攻医の研

修評価を専門研修プログラム管理委員会に報告します。また、専門研修プログラム管

理委員会で改良された専門研修プログラムや専門研修体制は、連携施設研修管理委員

会を通じて専門研修連携施設に伝達されます。

3) 前年度(2018年度)診療実績

整備基準 31

施設名

日本赤十字社

和歌山医療セ

ンター

京都大学

医学部附

属病院放

射線科

大阪赤十

字病院

放射線科

京都市立

病院

放射線科

公益財団法人

田附興風会

医学研究所

北野病院

市立岸和

田市民病

地方独立行政法

人神戸市民病院

機構 神戸市立

医療センター中

央市民病院

役 割 基幹 連携 連携 連携 連携 連携 連携

日本医学放射線

学会認定機関 総合修練 総合修練 総合修練 総合修練 総合修練 総合修練 総合修練

指導医数 * 1.75 8.75 2 2 2 1 1.75

CT検査件数 ** 11,719.29 14,688.96 9,857.25 7,190.7 12,980.22 7,390.02 15,249.96

IVR 施行件数 ** 45.21 132.66 56.25 296.34 25.41 36.3 112.53

放射線治療

患者数 *** 193.71 509.52 179 167.97 100.98 129.36 285.12

施設名 天理よろづ

相談所病院

独立行政法人

国立病院機構

京都医療セン

ター

兵庫県立尼

崎総合医療

センター

大阪市立大

学医学部附

属病院

大津市民

病院

大津赤十

字病院

関西電力

病院

役 割 連携 連携 連携 連携 連携 連携 連携

日本医学放射線

学会認定機関 総合修練 総合修練 総合修練 総合修練 修練 修練 修練

指導医数 * 1.8 1.75 1.75 10 0.6 1 5

CT検査件数 ** 11,310 9,013.95 7,695 63,176 6,823.2 5,848.25 17,349

IVR 施行件数

** 280.5 41.58 92.6 107.7 3.6 107.25 109

放射線治療

患者数 *** 129.3 111.54 100.6 78 0 97.5 20.5

施設名 滋賀県立総

合病院

社会福祉法人京

都社会事業財団

京都桂病院

長浜赤十

字病院

洛和会音

羽病院 (合計)

役 割 連携 連携 連携 連携 18

日本医学放射線

学会認定機関 修練 修練 修練 修練

指導医数 * 1 1 0.6 1 44.75

CT検査件数 ** 6,827.4 8,051.67 2,745.48 8,590.56 169,648.51

IVR 施行件数

** 6 10.23 11.022 71.28 1,545.462

放射線治療

患者数 *** 153.9 160.71 0 0 2,602.21

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11

(指導医数 * = 各施設の指導医数 ÷ その施設で参加するプログラム数)

(CT検査件数,IVR施行件数 ** = 複数プログラムに参加する施設では本プログラムに割り当てることができる数)

(放射線治療患者数 *** = 新規治療患者数と再治療患者数との合計で、複数プログラムに参加する施設では本プログラ

ムに割り当てることができる数)

3. 専門研修施設群における研修分担

整備基準 4,5,6,7

専門研修施設群では、研修施設それぞれの特徴を生かし、専門研修カリキュラムに

掲げられた目標に則って放射線科領域専門研修を行います。

日本赤十字社和歌山医療センターでは、医学一般の基本的知識技術を習得した

後、画像診断法(X線、超音波、CT、MRI、核医学)、IVR、放射線治療並びに放

射線の安全管理の知識を習得します。さらに医師としての知識・技能・態度によ

る診療能力に加え、教育・研究などの総合力を培います。

京都大学医学部附属病院、大阪赤十字病院、京都市立病院、公益財団法人 田附

興風会 医学研究所 北野病院、市立岸和田市民病院、地方独立行政法人神戸市

民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院、天理よろづ相談所病院、独立

行政法人国立病院機構 京都医療センター、大阪市立大学医学部附属病院では、

日本医学放射線学会認定総合修練機関である点を活かし、急性期疾患、頻繁に関

わる疾病の画像診断、IVR 及び放射線治療に適切に対応できる総合的な診療能力

を培い、日本赤十字社和歌山医療センターの研修を補完します。これらの連携施

設のうち、京都大学医学部附属病院、地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸

市立医療センター中央市民病院では独自放射線科専門研修プログラムも実施され

ます。

兵庫県立尼崎総合医療センター、地方独立行政法人 市立大津市民病院、大津赤

十字病院、関西電力病院、滋賀県立総合病院、社会福祉法人京都社会事業財団

京都桂病院、長浜赤十字病院、洛和会音羽病院では日本医学放射線学会認定総合

修練機関(兵庫県立尼崎総合医療センター)及び修練機関(それ以外)である点

を活かし、それぞれの施設で放射線治療・画像診断検査の適応と読影の実際を研

修し、それぞれ、日本赤十字社和歌山医療センターの研修を補完します。これら

の連携施設(関西電力病院以外)では他の基幹施設による放射線科専門研修プロ

グラムも実施されます。

Page 14: 2020 年度日本赤十字社 和歌山医療センター放射線 …...2 本プログラムは、日本赤十字社和歌山医療センター放射線科部を専門研修基幹施設

12

4. 募集新規専攻医数

整備基準 27,28

2020年度放射線科専攻医募集定員:10名

直近 5年間(2015~2019年度)の放射線科専攻医採用数:30名

<付記事項>

放射線科専攻医募集定員は、専門研修施設群の診療実績および専門研修指導医数等

の教育資源の規模ならびに地域の診療体制への配慮により、日本医学放射線学会およ

び日本専門医機構が以下のごとく数値上限を設定しています。本プログラムでは、こ

の基準に基づいて募集定員を決定しています。

【専攻医受入数の上限】

専門研修施設群全体としての単年度当たりの放射線科専攻医受け入れ総数は、専

門研修施設群全体の ①専門研修指導医数、②年間 CT検査件数 / 3000、③年間血管

造影・IVR 件数 / 60、および④年間放射線治療件数 / 60のうち、最も少ない数を上

限とします。なお、都市部(東京、神奈川、愛知、大阪、福岡)の都府県に基幹施

設がある研修プログラムの場合、原則として、過去の採用実績を基にした専攻医受

入数の上限も加わります(過去 5年の専攻医採用実績の平均値を超えない)。この

上限を超えた場合は、年次で調整します。また、都市部の選択に関しては、地域へ

の派遣実績等も考慮して決定されます。

5. 専門研修応募者の選考方法

整備基準 52

日本赤十字社和歌山医療センター放射線科専門研修プログラム管理委員会は、放射

線科専門研修プログラムを日本赤十字社和歌山医療センター放射線治療科又は放射線

診断科のホームページ等に掲載し、放射線科専攻医を募集します。日本赤十字社和歌

山医療センター放射線科専門研修プログラムへの応募希望者は、プログラム統括責任

者宛に所定の「応募申請書」および履歴書等定められた書類を提出してください。専

門研修プログラム管理委員会は、書類審査および基幹施設指導医との面接試験により

本プログラムの専攻医の採否を決定します。

1) 応募資格 整備基準 1,3

初期臨床研修を修了した者、もしくは 2020年 3月までに修了見込みの者

なお、2020年 4月以降に修了見込みの者については、専門研修プログラム統括責任

者までお問い合わせください。また、研修開始の要件として、日本医学放射線学会へ

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13

の入会が求められることを申し添えます。

2) 応募期間

2019年 9月 1日(土)~12月 31日(月)予定

ただし、定員に達しない場合は追加募集を行うことがあります。その場合には、日

本赤十字社和歌山医療センター放射線治療科又は放射線診断科ホームページにてお知

らせします。

3) 提出書類

日本赤十字社和歌山医療センター放射線科専門研修プログラム応募申請書

※申請書は現在準備中のため e-mail([email protected])にてお問い合わ

せください

履歴書

4) 選考方法

書類審査および面接により選考します。

5) 書類提出先・問い合わせ先

日本赤十字社和歌山医療センター 放射線科 宛

〒640-8558

和歌山市小松原通四丁目 20番地

日本赤十字社 和歌山医療センター

電話:073-422-4171

E-mail:[email protected]

6) その他

事情により募集期間、試験日時等に変更が生じることがあります。

6. 研修内容

「放射線科専門研修カリキュラム」は、放射線科専門医の使命を果たすことができ

る、放射線科全般に及ぶ知識と経験を一定レベル以上に有する専門医を育成するため

に策定されており、「到達目標」および「経験目標」から構成されます。

到達目標 A には修得すべき専門知識の範囲とレベル、到達目標 B には画像診断、

IVR、放射線治療などの技能に関して求められる範囲とレベルが示されています。放射

線科領域では知識と技能は重複するところが多く明確な区別ができない項目もありま

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すが、カリキュラムでは認識、理解、知見に関わることは便宜上到達目標 A「専門知

識」に分類し、技術的な能力に深く関わるもののみ到達目標 B「専門技能」に分類さ

れています。到達目標 C には医療倫理、医療安全、コミュニケーション能力など、到

達目標 Dには生涯学習や研究活動などについて修得すべき事項が示されています。知

識や技能の要求度はそれぞれの項目において、「知る、説明できる、実践できる」な

どの述語により示されています。

経験目標 A には画像診断に関して経験することが要求される疾患・病態等、経験目

標 B には知識・技能を修得するために必要とされる検査モダリティ、手技ごとの実施

数あるいは読影数、経験目標 C には治療等(IVR および放射線治療)に関して経験す

ることが要求される手技・治療法と経験数が示されています。

到達目標および経験目標の概略は以下の通りですが、詳細については「放射線科専

門研修カリキュラム」を参照してください。

1) 到達目標

(1) 専門知識

整備基準 4

専攻医は、医療の質と安全管理ならびに画像診断法(X線撮影、超音波検査、CT、

MRI、核医学検査)、IVRおよび放射線治療の知識を修得する必要があります。

A. 医療の質と安全管理

・ 放射線診療に必要な放射線の物理作用ならびに生物作用を説明できる。

・ 放射線防護の理念と目標について正しく説明できる。

・ 放射線診療において医療の質と安全を確保する対応方法を説明できる。

B. 画像診断

・ 画像診断の各モダリティ(X 線撮影、超音波検査、CT、MRI、核医学検査)

の基本的な原理・特徴を説明できる。

・ 画像診断と関連する基本的な解剖、発生、生理を説明できる。

・ 代表的疾患について画像所見を説明できる。

C. IVR

・ 代表的な血管系・非血管系 IVR について、その意義と適応、手技の概要、治

療成績、合併症を説明できる。

D. 放射線治療

・ 放射線治療(外照射、密封小線源治療、RI内用療法)などの特徴と実際を

説明できる。

・ がん集学的治療に占める放射線治療の役割を理解し、手術ならびに化学療法

との併用療法について理論的根拠を説明できる。

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(2) 専門技能

整備基準 5

専攻医は放射線障害の防止に努めつつ、画像診断の各検査法と診断ならびに IVR お

よび放射線治療に携わり、安全で質の高い医療を提供する専門技能を修得する必要が

あります。

A. 画像診断

・ 各種画像診断法のなかから、個々の患者に最適な検査法を自分自身で指示で

きる。

・ 撮像された画像について客観的に適切な用語で所見を記載し、検査目的に即

した内容でレポートを指導医の下で作成できる。

B. IVR

・ 血管系 IVR について基本的な手技(穿刺、基本的カテーテル操作、圧迫止血

等)を指導医の下で実践できる。

・ 非血管系 IVRについて適切なガイド(誘導画像検査法)を自分自身で選択で

きる。

C. 放射線治療

・ 各疾患に対する適切な放射線治療法について理解し、標準的な治療計画を指

導医の下で立案できる。

D. 医療の質と安全管理

・ 放射線診療において医療の質と安全を確保する対応策を指導医の下で立案で

きる。

・ 放射線診療の質の向上のために必要な方策を指導医の下で実行できる。

(3) 医師としての倫理性、社会性など

整備基準 7

放射線科領域専門医としての臨床能力には、医師としての基本的診療能力と放射線

科医としての専門的知識・技術が含まれ、これらを身につける必要があります。

・ 患者への接し方に配慮し、患者や医療関係者とのコミュニケーション能力を磨

くこと

・ 誠実に、自律的に医師としての責務を果たし、プロフェッショナリストとして

周囲から信頼されること

・ 診療記録の的確な記載ができること

・ 患者情報の適切な管理ができること

・ 医の倫理、医療安全等に配慮し、患者中心の医療を実践できること

・ 臨床から学ぶことを通して基礎医学・臨床医学の知識と技術を修得すること

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・ 診療放射線技師、看護師、医学物理士、事務職員と協働しチーム医療を実践で

きること

・ 後進を的確に指導するための能力を修得すること

(4) 学問的姿勢

整備基準 6,30

科学的思考、課題解決型学習、生涯学習、研究などの技能と態度の修得に努め、自

己学習の習慣を身につける必要があります。

・ 科学的思考、課題解決型学習、生涯学習、研究などの技能と態度の修得に努め

る。

・ 医学、医療の進歩に追随すべく常に自己学習し、新しい知識の修得に努める。

・ 将来の医療の発展のために基礎研究・臨床研究にも積極的に関わり、リサーチ

マインドを滋養する。

・ 常に自分自身の診療内容をチェックし、関連する基礎医学・臨床医学情報を探

索し、EBM の実践に努める。

・ 学術集会に積極的に参加して自己学習に努め、自らの研究成果を発表し論文を

執筆する。

2) 経験目標

(1) 経験すべき疾患・病態

整備基準 8

専攻医は「専門研修カリキュラム」に沿って該当する疾患・病態を経験・学習する

必要がありますが、研修内容に偏りがないようにするために幅広い領域の疾患・病態

を経験することが求められます。経験とは、「第一読影者として読影レポートを作成

し、その後専門研修指導医の確認を経てレポートが発行された読影」、「専門研修指

導医とともに実施し、術者もしくは第一助手を務めた検査・手技・IVR」、および「第

一立案者として治療計画を立案し、その後指導医の確認を受けた放射線治療」のこと

です。一人の患者において複数の疾患を対象に画像診断や治療を行った場合には、そ

れぞれの経験症例として申請することができます。専門研修カリキュラムに定める 11

領域 80 疾患群 100症例のうち、専門研修が満了するまでに 90%以上の症例を経験す

ることを目標とします。

(2) 経験すべき検査・読影

整備基準 9,15

専攻医は放射線科専門医としての知識・技能を習得するために、一定数以上の読影

レポート作成および検査の実施経験を積む必要があります。経験とは、「第一読影者

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17

として読影レポートを作成し、その後専門研修指導医の確認を経てレポートが発行さ

れた読影」ならびに「専門研修指導医とともに実施し、術者もしくは第一助手を務め

た検査・手技」のことです。一人の患者において複数の疾患を対象に読影・検査・手

技を行った場合には、それぞれの経験症例として申請することができます。モダリテ

ィ・手技ごとに下記の件数の読影もしくは手技を経験することが求められます。

モダリティ・手技 目標症例数

X 線単純撮影 400例

消化管 X線検査 60例

超音波検査 120例

CT 600例

MRI 300例

核医学検査 50例

<補足>

・ 研修が不足する可能性のある超音波検査や消化管造影は、専門研修基幹施設の責

任の下に専門研修関連施設での研修で補完します。また、実地診療によって経験

目標を達成できない場合は、日本専門医機構が認める講習会(ハンズオン・トレ

ーニング等)及び e-learning の活用等によって、不足する研修を補完します。

(3) 経験すべき治療法

整備基準 10,15

専攻医は下記の件数の IVR ならびに放射線治療を経験することが求められます。IVR

における経験とは、「専門研修指導医とともに実施し、術者もしくは第一助手を務め

た IVR」のことです。また、放射線治療における経験とは、「第一立案者として治療

計画を立案し、その後指導医の確認を受けた治療」のことです。一人の患者において

複数の疾患を対象に治療を行った場合には、それぞれの経験症例として申請すること

ができます。手技・治療内容によりそれぞれ目標の症例数が設定されているので留意

してください。

治療法 経験症例数 内訳

IVR 30例 血管系 10例以上

非血管系 5例以上

放射線治療 30例

脳・頭頸部 4例以上

胸部・乳腺 4例以上

腹部・骨盤 4例以上

骨軟部 4例以上

<補足>

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・ 実地診療によって経験目標を達成できない場合は、日本専門医機構が認める講習

会(ハンズオン・トレーニング等)の活用等によって、不足する研修を補完しま

す。

7. 研修方略

整備基準 44,45

放射線科専門医の臨床能力として、専門的知識・技能に加え、医師としての基本的

診療能力も習得できるよう指導します。専攻医は、「専攻医研修マニュアル」に基づ

き、「放射線科領域専攻医研修手帳」を携帯し研修を実践することになります。専門

研修指導医は、「指導医マニュアル」をもとに指導します。

1) 専門研修プログラム制による研修

整備基準 16,25,30

研修はプログラム制で実施し、研修期間は 3年間以上です。専門研修プログラムに

より研修を開始した日をもって研修開始日とします。

専門研修の質を保障し均一化をはかるため、必ず専門研修施設群の複数の施設をロ

ーテート研修します。専門研修期間のうち少なくとも 1年間以上は日本医学放射線学

会認定の総合修練機関で専門研修を行うことを必須とします。また、放射線科専門研

修プログラム新整備基準では、基幹施設での研修は 6カ月以上とし、連携施設での研

修は 3ヵ月未満とならないようにすることが定められていますが、本プログラムでは

各施設 1年単位でのローテートを基本としています。専門研修関連施設での研修は、

非常勤医師として専門研修基幹施設の管理・責任の下に行われ、常勤医師としてのロ

ーテート研修は行いません。

(1) 専門研修 1 年目

・ 知識:放射線科診療に必要な基礎的知識・病態を習得する。

・ 技能:研修指導医の管理のもと、診断や治療に必要な画像検査が実施可能な技能

を習得する。

・ 態度:医師として、医の倫理や医療安全に基づいた適切な態度と習慣(基本的診

療能力)を身につける。

(2) 専門研修 2 年目・3 年目

・ 知識:放射線科専門医レベルの放射線診断、IVR、放射線治療の知識を 2年間で

習得する。

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19

・ 技能:放射線科専門医レベルの疾患に対し、専門研修指導医の管理のもと、放射

線診断、IVR、放射線治療が実施可能な技能を身につけ、必要に応じ専門研修指導

医の援助を求める判断力を 2年間で身につける。

知識、技能は研修コースの相違で段階的に習得できない場合があり、3年間で確実

に習得することを目指します。また、年次ごとの目標は一つの目安であり、研修環境

や進捗状況により柔軟に対応します。

専門性を持ちつつ臨床研究活動に携わり、その成果を国内外の学会で発表し、論文

を作成します。さらに後輩の指導にもあたり、研究・教育が可能な総合力を培いま

す。また、日本医学放射線学会認定教育講習会を、必要回数、受講します。

3年目までに習得した知識、技術をさらに深化・確実なものとし、放射線科専門医

として診療できるよう専門医試験に臨むとともに、サブスペシャリティ領域専門医

(放射線診断専門医または放射線治療専門医)の方向性を決定します。

2) 研修コース

整備基準 30

研修期間は3年間です。研修には大学病院重点コース、市中病院/地域病院重点コー

ス、大学院進学コースの3コースが設定されています。どのコースに進むかは専攻医

の希望を聞いた上、研修担当責任者と相談で決定します。

専門研修プログラムにより研修を開始した日をもって研修開始日とします。

いずれのコースにおいても、サブスペシャリティ領域である、放射線治療専門医・

放射線診断専門医資格取得を念頭に置いた研修が実施可能です。

また、研修コースは研修期間中に研修担当責任者と相談の上で、専門研修プログラ

ム整備基準の範囲内で変更することが可能です。

3年間での研修施設は、2箇所以上での研修を必須として、施設移動は1年単位が

基本ですが、専攻医と研修担当責任者が相談の上で、同一施設での研修を2年間とす

ること及び、6か月単位、3ヶ月単位での施設変更も選択することが可能です。

研修コース<例>

コース 専攻医 1年目 専攻医 2年目 専攻医 3年目

大学病院 京大病院 専門研修連携施設 A 専門研修連携施設 B

市中/地域 専門研修連携施設

(総合修練機関)

専門研修連携施設 C 専門研修連携施設 D

大学院 連携施設と京大病院

(大学院・臨床)

京大病院

(大学院・臨床)

京大病院

(大学院・臨床)

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20

大学病院重点コース:専門研修基幹施設(京大病院)を中心に研修するコース

です。主に放射線治療専門医資格を念頭に置いている専攻医にお勧めします。

市中病院/地域病院重点コース:京大病院以外の総合修練機関である専門研修連

携施設を中心に研修するコースです。京大病院以外の専門研修連携施設である

総合修練機関で臨床医としての研修に重点をおきます。専門研修連携施設は原

則として 1年ごとに移動しますが、専攻医と研修担当責任者が相談の上で、同

一施設研修を2年間とすることや6ヶ月単位や3ヶ月単位での施設移動も選択

可能とします。主に放射線診断専門医資格を念頭に置いている専攻医にお勧め

します。

大学院コース:専門医取得と博士号取得を同時に目指すコースです。専門研修

基幹施設の日本赤十字社和歌山医療センターならびに専門研修連携施設では平

日には研修を行い、診療以外の時間に大学院で研究を実施して博士号取得を目

指します。専門研修プログラムにおける、アカデミック活動に興味がある専攻

医にお勧めします。放射線治療及び放射線診断のサブスペシャリティ領域の研

修も大学病院で同様の状況が2年間持続します。

3) 研修方法

整備基準 13

専攻医は、専門研修施設群内の施設で専門研修指導医のもとで研修を行います。専

門研修指導医は、専攻医が偏りなく到達(経験)目標を達成できるように、放射線科

領域専門研修カリキュラムに基づいたレベルと内容で学習指導をします。

(1) 専門研修基幹施設:日本赤十字社和歌山医療センター放射線治療科・診断科及

び、専門研修連携施設のうち、日本医学放射線学会認定総合修練機関

A. 放射線診断

X 線単純撮影、X 線造影検査、超音波検査、CT、MRI、RIなどの撮像法の原

理、意義、適応と限界について十分理解した上で、臨床情報に基づいた適切な

撮像法の指示を経験することができます。

研修施設ごとに特色のある疾患および臨床状況に応じて必要とされる読影情報

の提供過程を自主的な画像診断報告書作成と指導医による添削を通して学習す

ることができます。

hands-on-training として積極的に頸部・腹部・乳腺・下肢静脈超音波検査実

技を経験したり、血管造影検査の助手や IVR 手技の助手を経験したりすること

ができます。検査前には検査計画及び治療計画の立案にも寄与します。

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21

検査や治療手技の事前計画及び準備や施行後の詳細な経過観察記録を実践す

ることができます。

放射線科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレン

ス、あるいはキャンサーボード等で、疾患の病態発現から画像を含めた確定診

断方法ならびに治療方針策定と実施までの過程を通して学習することができま

<IVR 患者の担当>(ベッドサイドでの患者からの学び)

外 来

・ 診察医に陪席し、外来診察、診断確定に必要な検査、IVRの適応の判断とインフ

ォームド・コンセント取得に至る過程を経験することができます。

病 棟

・ 病棟医長のもと指導医との診療チームを構成します。

・ 放射線科専攻医は指導医のもと担当患者の診察、IVR手技、IVR後の患者管理を習

得することができます。

・ 病棟回診で受け持ち患者のプレゼンテーションを行い、評価を受けることができ

ます。

B. 放射線治療

・ 指導医の下で、診察、診断、治療方針の決定、治療計画の作成、実際の治療、効

果判定、有害事象の検討、治療後の経過観察などを経験します。

・ 症例について、放射線科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カン

ファレンス、あるいはキャンサーボード等で、疾患の病態から治療までの過程を

学習します。

<放射線治療患者の担当>(ベッドサイドでの患者からの学び)

外 来

・ 診察医に陪席し、外来診察、診断確定に必要な検査、放射線治療の適応とインフ

ォームド・コンセント取得に至る過程を経験することができます。

病 棟

・ 病棟医長のもと指導医との診療チームが構成されています。

・ 放射線科専攻医は指導医のもと担当患者の診察、放射線治療計画、有害事象への

対処を習得することができます。

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22

・ 毎週の病棟回診で受け持ち患者のプレゼンテーションを行い、評価を受けること

ができます。

C. 臨床現場以外での研修

整備基準 12,14

・ 基幹施設及び連携施設で開催される抄読会や勉強会に参加し、インターネットに

よる情報検索及び e-learningの方法を学習することができます。

・ 種々の画像診断、IVR、放射線治療計画をトレーニングするシミュレーション設備

や教育ビデオ受講などを活用し自己主導型研修の充実を図ることができます。

・ 日本医学放射線学会認定の学術集会で専門医資格の更新単位を取得可能な講習会

等を聴講するとともに、標準的ならびに先進的な画像診断、IVR、放射線治療およ

び最新の医学的知見について積極的に学習することができます。

・ 放射線科関連の学会、学術講演会、セミナーに積極的に参加することができま

す。

・ 病院が実施する医療安全講習会に定期的に参加することができます。

・ いずれの施設での研修期間においても、放射線科専門医資格取得の為に必須の講

習会を受講し、年に 2回以上筆頭演者として地方会や総会での学会口演・ポスタ

ー示説発表を行うことができます。

・ 指導医による研究指導のもとで、年に1編以上筆頭著者で論文を作成することを

目標とすることができます。

総合修練機関における放射線科研修週間予定表(ある施設でのある月の予定表の一例)

月 火 水 木 金

第 1週

診断

IVR

午前 CT 核医学 MRI CT 外来

午後

超音波検査

IVR 術前カンファ

レンス

MRI

IVR

肝胆膵カンファレ

ンス

MRI

呼吸器疾患カンファレ

ンス

CT

第 2週

診断

IVR

午前 CT 外来 MRI 消化管造影 CT

午後

超音波検査

IVR 術前カンファ

レンス

核医学

婦人科/脳神経疾患

カンファレンス

IVR

超音波検査 MRI

第 3週

治療

午前 病棟診察,外来 病棟診察,外来 病棟診察,外来 病棟診察,外来 病棟診察,外来

午後 密封小線源治療 放射線治療計画

放射線治療計画

放射線治療計画

放射線内用療法

第 4週 午前 CT 核医学 MRI CT MRI

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23

診断

IVR

午後

超音波検査

IVR 術前カンファ

レンス

核医学 IVR CT

省察とフィードバ

ック(指導医)

上記は日本医学放射線学会認定総合修練機関(基幹・連携)での放射線科研修の一例であり、

基幹施設・連携施設により、研修スケジュールは異なります。また、専攻医と各施設の研修

担当責任者が協議の上で放射線科専門研修プログラムの範囲内で重点的学習目標を設定す

る研修計画作成も可能としています。研修スケジュールは専攻医のサブスペシャリティ領

域での志望も考慮し、専攻医の意向も調査を行った上で各施設研修担当責任者が計画しま

す。

(2) 専門研修連携施設

整備基準 11,28,29

A. 専門研修連携施設のうち、日本医学放射線学会認定修練機関・特殊修練機関

・ 専門研修指導医の下、市中病院/地域医療中核病院の勤務医として、第一線の外

傷・急性疾患・頻度の高い悪性腫瘍などの画像診断、IVR、ならびに放射線治療を

習得することができます。

・ 放射線科関連の学会、学術講演会、セミナー及び研究会に積極的に参加すること

ができます。

・ 病院が実施する医療安全講習会に定期的に参加することができます。

・ 地域の 1次・2次・3次医療を担い、地域と連携して地域医療を支えることがで

きます。また、連携施設で研修を積む他領域の専攻医や指導医と密に連携し、

後方支援として貢献できる放射線診療を修得することもできます。

8. 研修実績の記録

整備基準 41, 44, 46

専門研修では専攻医の研修実績および評価を以下のように記録します。

1) 専攻医は、専門研修開始時に専攻医登録を基本領域学会である日本医学放射線学

会に届け出、日本専門医機構から承認を受けます。

2) 専攻医は、「研修手帳」に以下を記録します。

達成度評価:到達目標の自己評価を記録します。

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24

A. 専門知識

B. 専門技能

C. 医師としての倫理性・社会性などの事項

D. 学問的姿勢

研修実績[経験症例記録](画像診断、IVR、放射線治療)

A. 画像診断として経験すべき疾患・病態等

B. 経験すべき検査・読影等

C. 経験すべき治療等

年次別総合評価(中間・年次末):研修に対する自己評価、専門研修指導医

に対する評価、専門研修施設に対する評価、専門研修プログラムに対する評

価を記録します。

講習会受講記録(医療安全、感染対策、医療倫理、専門医共通講習、日本医

学放射線学会主催放射線科領域講習等)

学術業績記録(学会発表記録、論文発表記録)

カンファレンスや抄読会等の出席記録

その他の記録

・ 研修目標を補完するために受講した講習会や e-learning の受講証明書などの

コピーを添付します。

3) 専攻医は、研修実績データを Excelベース(専攻医研修実績記録フォーマット)

で蓄積し、提出を求められた際に患者 ID が連結可能なファイルとして随時対応で

きるように管理します。

・ 研修実績データ等の管理・蓄積では、個人情報保護に必要な配慮(例えば、

連結可能匿名化、パスワード設定、オフラインコンピュータでの管理等)を

行います。

4) 専門研修施設の専門研修指導医は、専攻医の研修手帳にて、達成度評価および年

次別総合評価の指導者評価、研修実績等の確認・評価を記録します。

5) 3年間の専攻医の研修実績と評価を記録した研修手帳のコピーおよび講習会・e-

learningの受講証明書などのコピーを、専門研修基幹施設に設置した専門研修プ

ログラム管理委員会が最低 5年間これを管理・蓄積します。

6) 専門研修施設には、日本医学放射線学会が研修記録などの内容について、無作為

抽出による実地調査などに対応するために、随時監査できるシステムを構築する

ことが求められます(例:レポーティングシステムによる読影症例の管理、治療

RIS による放射線治療症例の管理など)。

7) 日本医学放射線学会は、専攻医の専門研修に関わる情報を、求めに応じて日本専

門医機構に提供します。

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25

9. 研修の評価

整備基準 17~22, 41

専門研修指導医が達成度評価を適宜行い、専門研修プログラム管理委員会が総括的

評価を行い、専門研修プログラム統括責任者が修了評価を行います。

1) 達成度評価

(1) フィードバックの方法とシステム

整備基準 17,49,50

A. 専攻医は、到達目標の達成度について、「研修手帳」を用いて最初に自己評価し

ます。

B. 専門研修施設の専門研修指導医は、専攻医の研修内容の改善を目的として、研修

中の不足部分を口頭あるいは実技で明らかにし、「研修手帳」を用いて達成度評

価を適宜行います。

・ 専攻医は、研修実績を 1回/月程度の回数で、専門研修指導医の評価とその確

認の署名をもらうことになります。

C. 専攻医は、年度の中間と年度修了直後に年次別総合評価を専門研修プログラム管

理委員会に報告します。

・ 専門研修指導医および指導管理責任者は、専攻医の評価を年次別総合評価票

に記載して、専攻医にフィードバックします。また、看護師などに多職種評

価を依頼します。

・ 専攻医は、研修に対する自己評価、専門研修指導医に対する評価、専門研修

施設に対する評価、専門研修プログラムに対する評価を記録して、年次別報

告票と研修記録簿を専門研修プログラム管理委員会に提出します。

D. 専門研修プログラム統括責任者は、専門研修プログラム管理委員会を開催し、提

出された専攻医からの報告票を検討し、次年度の研修内容、研修指導、研修環

境、ならびに専門研修プログラムの改善に反映させます。

・ 専門研修プログラム統括責任者は、専攻医の報告内容を匿名化して研修プロ

グラム管理委員会に提出します。

・ 適切な改善が得られないときは、専攻医は放射線科領域研修委員会に評価内

容を直接提示することも可能です。

(2) 指導医層のフィードバック法の学習(Faculty Development; FD)

整備基準 18,36

専門研修指導医は、日本医学放射線学会が認定する「専門研修指導者講習会」、FD

などの機会にフィードバック法を学び、よりよい専門研修プログラムの作成を目指し

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ます。なお、専門研修指導医は、資格継続のため、日本専門医機構または日本医学放

射線学会が主催する指導者講習会の参加が義務づけられています。

2) 総括的評価

(1) 評価項目・基準と時期

整備基準 19

専門研修プログラム管理委員会は、専攻医の専門研修が満了する第 3年度の 3月

に、到達目標達成度評価、経験症例記録ならびにその他の研修記録・業績目録から専

門的知識・技能・態度について総合評価します。

(2) 評価の責任者

整備基準 20

年度毎の年次別総合評価は、専門研修施設の専門研修指導責任者が行い、専門研修

プログラム統括責任者が確認します。

3年間の専門研修修了時の総括的総合評価は、専門研修プログラム統括責任者が行

います。

(3) 修了判定のプロセス

整備基準 21,53

専門研修修了の最終判定は、専門研修プログラム統括責任者および専門研修プログ

ラム連携施設担当者等で構成される専門研修プログラム管理委員会にて、3年間の専

門研修が満了する 3月に、研修出席日数・プログラムの達成状況などから行われま

す。

専門研修プログラム統括責任者は、専門研修修了時に研修到達目標のすべてが達成

されていることを確認し、総括的総合評価を記載した専門研修修了証明書を専攻医に

発行し、その写しを日本専門医機構放射線科領域専門医委員会に提出します。

修了判定に至らなかった専攻医に対しては、年限を延長して研修を行います。

<修了要件>

・ 放射線科領域専門研修カリキュラムの一般目標、到達(経験)目標を修得または

経験した者

・ 必要な研修期間をみたすこと

・ 認定された研修プログラム(研修施設、研修指導医)のもとで定められた目標を

達成すること

・ 必要な学術業績・講習会受講記録を提出すること

・ 専門研修プログラム管理委員会での最終審査に合格すること

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(4) 多職種評価

整備基準 22

医師としての倫理性、社会性の評価判定には、他職種(診療放射線技師、医学物理

士、看護師、事務職員など)の医療スタッフなど第三者の意見も達成度評価に取り入

れ、専門研修プログラム統括責任者が修了判定にフィードバックします。

10. 研修の休止・中断、異動

整備基準 33

放射線科専門研修中に特別な事情が生じた場合には、原則として以下に示す対応を

取ります。

(1) 出産に伴う 6ヶ月以内の休暇は、1回までは研修期間にカウントできます。ただ

し、出産を証明する書類の添付が必要です。

(2) 疾病での休暇は、6ヶ月まで研修期間にカウントできます。ただし、診断書の添

付が必要です。

(3) 基幹施設、連携施設および指導医が常勤する関連施設における短時間雇用形態

(非常勤)での研修は、6ヶ月まで研修期間にカウントできます。8時間×100日

=800時間をもって 6ヶ月間として按分計算を行うことにより、研修実績に加算

されます。ただし、週 30時間以上の短時間雇用形態(非常勤)での研修は、上

記の按分計算をする必要はなく、その期間を研修期間にカウントできますが上限

は 6ヶ月です。

(4) 社会人大学院のように、放射線関連の臨床研修が可能な大学院の場合は、研修期

間としてカウントできます。

(5) 留学期間、並びに診療業務のない大学院の期間は、研修期間にカウントできませ

ん。

(6) 専門研修プログラムを移動することは、移動前・後専門研修プログラム統括責任

者の承認および放射線科領域研修委員会の承認および機構の承認を必要としま

す。

11. 労働環境、労働安全、勤務条件

整備基準 40

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専門研修プログラム統括責任者および指導管理責任者は、専攻医の適切な労働環

境、労働安全、勤務条件の整備と管理を担い、専攻医のメンタルヘルスに配慮しま

す。

勤務時間、当直、給与、休日は労働基準法に準じて、専門研修基幹施設および各専

門研修連携施設の施設規定に従います。

2019年 4月 1日

日本赤十字社和歌山医療センター

放射線科領域専門研修プログラム統括責任者

梅岡 成章