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株式会社博報堂
2025年の流通サービス業の姿を考える
~ ‘生活者’と‘買物’の新たなリレーション~
*サマリーレポート*
*本レポートはサマリー版となります。全体レポートに関しては、「[email protected]」までお問い合わせください。
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[レポート構成]
0.流通サービス業の中長期的トレンド
1.市場規模予測:市場成長の停滞傾向2.業態別シェア変化予測:業態間差異の縮小とEC市場の拡大
1.流通サービス業の課題と取り組み
1.顧客の囲い込み2.コストの削減
2.生活者の新たな買物行動の出現
1.買物に行けない2.商品を選べない3.商品を買わない
3.2025年の流通サービス業の姿とは
1.フリクションレス買物の進行:買物障壁の解消によるインフラ化した流通サービス2.フリクション超え買い場の提供:生活者の実感欲を増幅/満たす買物と生活者の新たな関係性を提供
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■本レポートにおける流通サービス業とは
小売業売上ランキング
出典:経済産業省 「平成29年小売業販売を振り返る」*ECは、リアル店舗がある企業では含有、EC単独のものは含まれていない。
本資料で取り上げる流通サービス業は国内における小売業と同義で捉える。平成29年度時点で業界規模は約142.5兆円。
順位 銘柄名売上高(兆円)
1 イオン 8.39
2 セブン&アイ 6.04
3 ファストリ 1.86
4 ヤマダ電 1.57
5 ユニファミマ 1.28
6 三越伊勢丹 1.27
7 高島屋 0.95
8 H2Oリテイ 0.92
9 ドンキHD 0.83
10 ビックカメラ 0.79
平成29年の商業販売額
出典:日経電子版 2018/11/6更新
0.流通サービス業の中長期トレンド
~中長期データから、2025年の市場をマクロで捉える
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141兆円
小売市場規模
2025年
グラフはイメージ
20年17年1985年
東京五輪
改元・消費税10
%に増税予定
19年
増税、東京五輪、大阪万博と2025年までには多くのトピックがあるが、市場は上向くのか、下向くのか?
大阪万博
2025年、流通サービス業の市場規模は、横ばいもしくは縮小。
“外国人”という新たな買い手の存在感が、さらに拡大。
0_1.市場規模予測
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0 _ 1.市場規模予測の要因分析
①人口減少と消費低迷
②給与増加の停滞マイナス要因
プラス要因
一時要因
①新たな買い手の登場~インバウンド消費の存在感増加
②新たな買い手の登場~ インバウンド消費の加速化
改元、消費増税、東京五輪、大阪万博2019年5月1日の改元を皮切りに、2020年の東京五輪、2025年の大阪万博、国家的行事が相次ぐ一方、2019年10月の消費増税が予定されているなか、景気の持ち直しが続くかは不透明な状況。
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リアル流通においては、生活導線上の業態が拡張。
2025年、ECが流通サービス業での市場シェアを拡大。
0_2.業態別シェア変化予測
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0 _ 2.業態別シェア変化予測の要因分析
流通サービス市場における地殻変動要因①
要因②
要因③
リアル店舗を中心とする業態では、百貨店の衰退とコンビニ・ドラックストアの伸長が特徴的。
EC業態の躍進-市場規模の拡大BtoC-ECの流通サービス市場規模は年々拡大、全体のEC化率も6%に。
オムニチャネル化シフトの潮流
あらゆるメディアで顧客との接点を作り、実店舗かECかといったような購入経路を意識させないことで顧客をフォローし、機会損失を防ぐ。
EC業態の躍進-利用分野の拡大
EC業態の躍進-利用者層の拡大利用者層の拡大EC利用率は30代で最も多いが、スマホの普及とともに、50代以降のシニア層など、利用層の更なる拡大が推測される。
物販分野では、事務用品・生活家電等が利用率が高いが、今後衣類、食品など市場規模の大きな分野への拡大も予想される。
1.流通サービス業の課題と取り組み
~テクノロジー進化で加速化する5つの‘MORE’と‘LESS’
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1_1.テクノロジー進化で加速化する5つの‘MORE’ ~顧客の確実な囲い込み
顧客の
囲い込み
商品カテゴ
リーの拡大
新たな体験
の創出
ポイント経済
圏の形成
個人ニーズ
の精緻化
自社チャネル
の多様化
今まで扱ってきた主力商品にこだわらず、商品のジャンルを拡張して何でも売るお店が増加しており、業態間の垣根が低くなりつつある。
生活者との新しい関係性を構築するためには、 顧客のニーズ・嗜好を捉え、「多様なチャネル」を活用したオムニチャネルによる接点での展開が必須となり、顧客の利便性を最大化する。
パーソナライズ対応をテクノロジーで実現し、見込客の取りこぼしを防ぎ、潜在ニーズの発見につながる。
ポイントサービスは市場規模は増加傾向にあり、様々なサービスにより形成される経済圏において、「共通ポイント」を通じ、顧客のサービス利用や回遊性を促進する一方、企業がマルチポイント方式を採用する事例も増えてきている。
様々な分野での活躍が期待されている「5G」は、買い物にも驚きと感動を与える通信技術。
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1_2.テクノロジー進化で加速化する5つの‘LESS’ ~合理的なコスト削減
コスト
の削減
不採算店舗
の撤退
取扱い商品
の見直し
配送
の合理化
運営コスト
の圧縮
人件費
の削減
首都圏においてはオーバーストア現象、首都圏以外においては店舗閉鎖が進んでおり、首都圏とそれ以外の買物環境の格差が拡大。首都圏への人口集中が進み、地方では過疎化が止まらない。地方では、高齢化が深刻な状況となっているほか、収入格差も顕著であり、商圏として地方を切り離す全国展開も増えている。
人手不足が懸念される。人件費コストを抑えて外国人や高齢者を新たな働き手としての起用を増やすか、テクノロジーの活用で省人化・無人化を推進するかで問題解決を図る。
宅配業界における労働環境の改善や人員不足の課題を解消するために、各社が不在でも荷物を受け取れる仕組みの開発やピックアップ機能の強化を取り組んでいる。
店舗は在庫を極力抱えず面積を小さくして、スタッフも少数で済むように、購入は店頭以外にECでも選べるように、というようなコンパクトショップ型のビジネスモデルが増加。
家電量販店やディスカウントストアなどの小売店も自社で企画・販売するプライベートブランド(PB)商品を増やしている。
2.生活者の新たな買物行動の出現
~高齢化、多役化、情報環境の変化が生み出す意識と行動
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【2】選べない情報量の爆発的増加、多役化の進行により、買物に使える労力がキャパシティオーバーし、選べない生活者が誕生。手間をかけたい買物と効率的に買いたい買物を意図的に分ける「買物労力のメリハリ化」を生みだし、半分以上のカテゴリーは、「面倒・お任せ」な買い物に。
【1】行けない生活者の多役化が進行。共働き層の増加、単身世帯の増加、仕事と家事、そして育児の多重タスク化をもたらし、買物に行く時間がない、労力を費やせない、ス癒したくないという生活者の増加が予測。また、後期高齢者が加速的に増える2025年以降は、“身体的に行けない生活者”が急増。買物難民は地域から都市圏の社会課題として深刻化。
【3】買わない若年層を中心に、‘所有’から‘共有’という「モノとの関わり方」が増加。購入する場合でも、‘転売可能なモノであるか’‘転売可な価格であるか’という新たな「買物基準」が誕生。
2.生活者の新たな買物行動の出現
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3 _ 1.フリクシ ョンレス買物の進行~“移動”フリクシ ョンのレス化
・“一度に様々な商品が買えない、選択肢が少ない”ことがGMS等の誕生で解決。・「行けない生活者」は、“移動”が最大のフリクションへ。・テクノロジーの進化は、“移動障壁”を解消、生活導線の中で移動フリクションレスの買物を実現。
リアル流通
フリクション大:移動
商店街
大型スーパーCVS
パソコンEC
(生活導線上)
DGS
(家中完結)
音声ECIT家電
スマホEC
(移動不要)
EC
1970年代~1980年 ダイエー売上高1兆円
~1970年代
1993年 7-11売上高1兆円
1997年 楽天創業2000年 amazonJpanストアオープン
フリクション小:移動
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3 _1.フリクシ ョン ・レス買物の進行~様々なフリクシ ョンのレス化
・テクノロジーの進化は、移動フリクションを解消するだけにとどまらず、時間、運搬、人との関わり、思考などもレス化を推し進めている。
フリクションレス
移動
レス時間
レス
運搬
レス
キャッシュレ
ス会話
レス
人
レス
思考
レス
判断
レス
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3 _2.フリクシ ョン超えの兆し
・一方でEC専業事業者が、事業拡大のステップで【リアル店舗】を開業。空間(場所)と人(接客員)、テクノロジーを活用し、ECとの相乗効果をもたらしている。・ 生活者自身も、移動、時間、人等のフリクションをあえて超えるリアル店舗に新たな魅力を見出している。
EC
リアル流通
フリクション大
EC
フリクション小
EC専業
フリクション超え
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3 _3. 2 0 2 5年流通サービス業の姿とは
お金でモノを得る買物
フリクションレス買物の進行=障壁をなるべく解消して買物エネルギーを省力化
フリクション・超え買物の場の提供=「身を置く」「話す」「動く」等行動を伴うことで、生活者の“実感”(手触り感/ざらつき感)を増幅
お金で実感欲を満たす買物
・ 買物における時間や労力を最小化するフリクションレス化と生活者と買物の新たな関係を生み出すフリクション超えの両方向で進化。・フリクション超えの買物は、生活者の“実感欲”を増幅、刺激。
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実感欲を増幅させる体験
実感欲
所属する
成長する
選び取る作る
交流する
○買い物客が店舗の運営に携わる仕組みを持つ○運営に携わることにより、商品やサービスへの納得感を高める○顧客コミュニティの活性化により商品開発や新事業展開も推進●シニア世代が増加する日本においては、注目業態●地域コミュニティを中心に都市型住民との交流の場としても機能
○自らの成長を実現する‘学び’コンテンツを中心に○学びに必要なツール、プロ製作品(商品)の提供○学びを目的とした定期的、継続的な来店施策が重視●シニア世代が増加する日本においては、注目業態
○徹底的にパーソナライズした商品、サービスを提供○データ等に基づき的確な提案を行いつつも最終決定権は顧客が掌握。決定の瞬間を最大限価値化○顧客のライフスタイルへの造詣が深く、周辺商品も含めた提案型の人材がキー●買物時間/意識が限定される有職女性等へのライフスタイル全般に有効
3 _3. 2 0 2 5年流通サービス業の姿とは
・フリクション超え買物の場は、「身を置く」「話す」「動く」等体験行動を伴うことで、生活者の“実感欲”(手触り感/ざらつき感)の増幅を買物体験として提供。
○顧客間、販売員と顧客が時間や場を共有○価格やテイストが異なる多様な店舗が緩やかにつながることにより好きな空間を選択○顧客コミュニティの活性化により商品開発や新事業展開も推進●単身世帯の増加に伴い、食を共にする場に注目。ヘルスケア、ビジネス等多様なテーマで注目
○生産者や生産工程と直接触れ合うことで、作り手への共感を醸成○作る工程を疑似体験することで、モノへの安心感、価格への納得感を付与○こだわりやバックストーリーを分かりやすく伝える仕組みづくりが重要●生産現場とかい離した都市型住民へのアプローチとして注目。
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