2
東京 23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -   古谷誠章研究室 1X07A114-1 竹花洋子 研究背景と目的 目次 調査方法 [fig.1:背景から結論までのフロー ] [fig.2:訪日外客数(日本政府観光局資料より)] 消費者のニーズの 二極分化 ・生活必需品:より利便性を追求 → 低価格で何でも揃う量販店へ →   複合商業施設   →      最寄商店街の消滅 ・自我強調品:より良い物を探し求める → 価格や探す労力は惜しまない →     専門店 ○地域全体の知名度が上がり集客につながる ○一店舗だけでは揃えられない商品を補完し合える ○大型複合商業施設との共存 ○日本製品は外国人に人気がある ○店舗を渡り歩きくショッピングの楽しみがある ○ネット検索したときに、より多くの店舗が集積 している場所が選ばれやすい ○趣味の集積 従来の傾向 集積の歴史的背景と現状の調査 → インタビュー 分析 → 3 次元マトリクス/集積の形/街に集積する専門性の相関図 インターネット普及による傾向 ツーリズム化の傾向 ・デパート ・ショッピングセンター ・スーパーマーケット ・ハイパーマーケット ・アウトレットモール etc. 東京の魅力としての新たな可能性 他業種との補完関係/専門店舗の街での位置の調査 → 徒歩圏作図/専門店分布/他業種店舗分布/ビルディングタイプデータ収集 専門店集積地 東京 23 区全域における専門性の分布状況の調査 → 専門商品別店舗分布図作成 駅勢圏ごとの集積状況の調査 → ボロノイ駅圏ごとの集積調査 ネット通販により路面店舗立地・形態に変化 仮説⑵ 仮説⑶ 専門性・趣味は集積する性質がある 仮説⑴ 神田古本屋街 秋葉原電気街 合羽橋道具街 秋葉原電気街 青山表参道商店街 秋葉原電気街 結論 序章 0-1 はじめに 0-2 研究目的 0-3 論文構成 第 1 章 都市における人の移動とモノの集積 1-1 人の移動    1-2 専門店集積地とは  1-3 専門店集積地の現在 1-2-1 複合商業施設と専門小売店鋪 1-2-2 ネットショッピングと専門小売店鋪 1-2-3 都市のツーリズム 1-4 人の集まる場所 第 2 章 専門店集積の背景 2-1 専門店集積地の歴史的背景の調査 2-1-1 インタビュー項目 2-1-2 インタビュー内容 2-1-2-1 東京合羽橋道具街振興組合 2-1-2-2 青山表参道商店会 2-1-2-3 表参道欅会 2-1-2-4 神保町古書店組合 2-1-2-5 秋葉原電気街振興組合 2-1-2-6 東京日暮里繊維卸協同組合 2-2 インタビューのまとめ 2-2-1 各商店街振興組合ごとのまとめ 2-2-2 街に集積する専門性の相関図 第 3 章 人口動態による都市の解析 3-1 ボロノイ駅圏図による都市の解析法 3-1-1 古谷研究室におけるボロノイマップの既往研究 [figure3.1] 3-1-2 ボロノイダイアグラム 3-1-3 ボロノイ駅圏図作図 3-1-4 各人口の定義 3-1-4-1 夜間人口 3-1-4-2 交流人口 3-1-4-3 通勤人口 3-1-5 夜間人口の振り分け  3-1-6 交流人口・通勤人口の算出 3-1-7 昼夜間人口比率 3-1-8 全駅圏の人口リスト 3-2 ボロノイマップの更新 3-2-1 駅圏リスト [figure3.7][figure3.8] 3-2-2 各マップの作成 3-2-2-1 交流人口マップ [figure3.9] 3-2-2-2 夜間人口マップ [figure3.10] 3-2-2-3 夜間人口密度マップ [figure3.11] 3-2-2-4 通勤人口マップ [figure3.12] 第 4 章 駅圏の傾向と分析 4-1 3 次元マトリクスによる都市の解析法  昼夜間交流人口レベル分け駅圏リスト [figure4.2] 通勤人口レベル分け駅圏リスト [figure4.3] 交流 - 夜間人口差駅圏リスト [figure4.4] 4-2 3 次元マトリクスによる分類 [figure4.5],[figure4.6][figure4.7][figure4.8] 4-3 考察 4-3-1 駅圏の分類による考察  4-3-2 駅圏間の位置関係に関する考察 第 5 章 東京 23 区全体の中での集積地 5-1 専門商品別店舗の分布 5-1-1 小売店鋪と消費者をつなぐ有効な手段 5-1-2 専門商品別分布図の作成 5-1-2-1 古本 [figure5.1] 5-1-2-2 洋服 [figure5.2]    5-1-2-3 食器 [figure5.3]    5-1-2-4 電気店 [figure5.4] 5-1-2-5 履物 [figure5.5] 5-1-2-6 デパート [figure5.6] 5-2 店舗分布図からの分析と考察 第 6 章 実地調査による店舗集積の現状分析  6-1 調査概要 6-2 専門店分布図作成 6-2-1 神保町駅圏 [figure6.1] 6-2-2 表参道駅圏 [figure6.2] 6-2-3 田原町駅圏 [figure6.3] 6-2-4 秋葉原駅圏 [figure6.4] 6-3 分析 6-3-1 他業種からの専門店集積率 6-3-2 集積のかたち 6-3-2-1 駅圏をまたぐ集積 6-3-2-2 線状の集積 第 7 章 店舗集積駅圏と人口動態の考察 7-1 実地調査結果と人口分布図の分析 7-2 職住近接の場所 7-3 東京全体が百貨店 第 8 章 結論と展望 8-1 各章のまとめ 8-1 結論 8-2 展望 資料 夜間人口算出過程人口分配図 都市交通年報より算出した交流人口と通勤人口 参考文献 謝辞 東京 23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -   2010 年 11 月 11 日 古谷誠章研究室 1X07A114-1 竹花洋子 都市では一日に大量の人やモノが集まりまた出て行き、絶え ず 動 き 変 化 を 続 け る 。し か しそ れ ら が ど こ か に 留 まり 永 い 年 月 を経ならが集積を重ねる場所もある。多種多様に商・住の混 在するコンプレックスシティ東京においては変化や混在性が 魅力であり変わり続けるのだと考えられる。本研究はこうした 都市の構造を、膨大な人口の移動と集積するものとの比較に よって、浮かび上がらせようとするものである。消費者の二極 分 化 により、より 利 便 性 を 追 求 し て 、低 価 格 で 何 で も 揃 う 量 販 店、複合商業施設を利用する。かたや自我協調品を求めるに は 、より良 い 品 を 求 め 、価 格 や 探 す 労 力 は 惜 しまず 、専 門 店 へ と出かける。それらの共存が求められる現在の東京と言える。 東 京 の 専 門 店 集 積 地 に は(1)複 合 商 業 施 設 と 専 門 小 売 店 鋪 、(2)ネットショッピングと専 門 小 売 店 鋪 \ 、(3)都 市 のツ ーリズム化という3つの傾向がある。多くの複合商業施設が 存在するが、一つのハコの中にすべてが詰め込まれた場所で 一日を過ごさなくとも、街を歩いてわたる魅力が東京にはある は ず で あ る 。小 売 り 商 店 は 無 数 に 存 在 す る 東 京 で あ る か らこ そ 、専 門 商 店 集 積 地 と い う 、多 くの 集 客 が あり 活 気 を 持 っ た 街 が 存 在 する 。専 門 集 積 地 を 調 べ ることにより、単 純 な 一 つ の 建築用途だけでは語りきれない東京の価値を見出す。 本 研 究 に お い て は 仮 説( 1)専 門 性 • 趣 味 は 集 積 す る 性 質 が ある 。(2)ネット 通 販 により 路 面 店 舗 立 地 • 形 態 に 変 化 が 起 き て い る 。(3)東 京 の 魅 力とし て の 新 た な 可 能 性 が ある 。以 上を明らかにするために、東京23区における駅圏ボロノイ地 図 も 用 い た 調 査 と 、業 種 ご と の 専 門 店 の 分 布 を 調 べ マ ッピ ン グ す ると い う マ ク ロ 調 査 と 、実 際 に 集 積 の 背 景 を 調 べ る た め に、青 山 表 参 道 商 店 街 、秋 葉 原 電 気 街 、神 田 古 本 屋 街、合 羽 橋道具街の4つの専門店集積地に対してインタビュー調査と ビ ル デ ン グ タ イプ デ ー タ の 収 集 など を 行 い 、比 較 、研 究 し て い る。

東京23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究-

Embed Size (px)

DESCRIPTION

東京の専門店集積地には(1)複合商業施設と専門小売店鋪、(2)ネットショッピングと専門小売店鋪\ 、(3)都市のツーリズム化という3つの傾向がある。多くの複合商業施設が存在するが、一つのハコの中にすべてが詰め込まれた場所で一日を過ごさなくとも、街を歩いてわたる魅力が東京にはあるはずである。小売り商店は無数に存在する東京であるからこそ、専門商店集積地という、多くの集客があり活気を持った街が存在する。専門集積地を調べることにより、単純な一つの建築用途だけでは語りきれない東京の価値を見出す。

Citation preview

Page 1: 東京23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究-

東京 23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -   古谷誠章研究室 1X07A114 - 1 竹花洋子

研究背景と目的

目次

調査方法

[fig.1:背景から結論までのフロー ]

[fig.2:訪日外客数(日本政府観光局資料より)]

消費者のニーズの二極分化

・生活必需品:より利便性を追求 → 低価格で何でも揃う量販店へ →  複合商業施設                →      最寄商店街の消滅

・自我強調品:より良い物を探し求める → 価格や探す労力は惜しまない →    専門店

○地域全体の知名度が上がり集客につながる

○一店舗だけでは揃えられない商品を補完し合える

○大型複合商業施設との共存 ○日本製品は外国人に人気がある

○店舗を渡り歩きくショッピングの楽しみがある○ネット検索したときに、より多くの店舗が集積 している場所が選ばれやすい○趣味の集積

従来の傾向

集積の歴史的背景と現状の調査 → インタビュー

分析 → 3 次元マトリクス/集積の形/街に集積する専門性の相関図

インターネット普及による傾向 ツーリズム化の傾向

・デパート・ショッピングセンター・スーパーマーケット・ハイパーマーケット・アウトレットモール etc.

東京の魅力としての新たな可能性

他業種との補完関係/専門店舗の街での位置の調査 → 徒歩圏作図/専門店分布/他業種店舗分布/ビルディングタイプデータ収集

専門店集積地

 東京 23 区全域における専門性の分布状況の調査 → 専門商品別店舗分布図作成

駅勢圏ごとの集積状況の調査 → ボロノイ駅圏ごとの集積調査

ネット通販により路面店舗立地・形態に変化仮説⑵ 仮説⑶

専門性・趣味は集積する性質がある仮説⑴

神田古本屋街 秋葉原電気街 合羽橋道具街 秋葉原電気街青山表参道商店街 秋葉原電気街

結論

序章 0-1 はじめに

 0-2 研究目的

 0-3 論文構成

第 1 章 都市における人の移動とモノの集積 1-1 人の移動    1-2 専門店集積地とは  1-3 専門店集積地の現在  1-2-1 複合商業施設と専門小売店鋪  1-2-2 ネットショッピングと専門小売店鋪  1-2-3 都市のツーリズム  1-4 人の集まる場所

第 2 章 専門店集積の背景 2-1 専門店集積地の歴史的背景の調査  2-1-1 インタビュー項目  2-1-2 インタビュー内容   2-1-2-1 東京合羽橋道具街振興組合   2-1-2-2 青山表参道商店会   2-1-2-3 表参道欅会   2-1-2-4 神保町古書店組合   2-1-2-5 秋葉原電気街振興組合   2-1-2-6 東京日暮里繊維卸協同組合

 2-2 インタビューのまとめ   2-2-1 各商店街振興組合ごとのまとめ   2-2-2 街に集積する専門性の相関図

第 3 章 人口動態による都市の解析 3-1 ボロノイ駅圏図による都市の解析法  3-1-1 古谷研究室におけるボロノイマップの既往研究 [figure3.1]  3-1-2 ボロノイダイアグラム  3-1-3 ボロノイ駅圏図作図  3-1-4 各人口の定義   3-1-4-1 夜間人口   3-1-4-2 交流人口   3-1-4-3 通勤人口  3-1-5 夜間人口の振り分け   3-1-6 交流人口・通勤人口の算出  3-1-7 昼夜間人口比率   3-1-8 全駅圏の人口リスト  3-2 ボロノイマップの更新  3-2-1 駅圏リスト [figure3.7][figure3.8]  3-2-2 各マップの作成   3-2-2-1 交流人口マップ [figure3.9]   3-2-2-2 夜間人口マップ [figure3.10]   3-2-2-3 夜間人口密度マップ [figure3.11]   3-2-2-4 通勤人口マップ [figure3.12]

第 4 章 駅圏の傾向と分析 4-1 3 次元マトリクスによる都市の解析法   昼夜間交流人口レベル分け駅圏リスト [figure4.2]  通勤人口レベル分け駅圏リスト [figure4.3]  交流 - 夜間人口差駅圏リスト [figure4.4]

 4-2 3 次元マトリクスによる分類  [figure4.5],[figure4.6][figure4.7][figure4.8]

 4-3 考察  4-3-1 駅圏の分類による考察   4-3-2 駅圏間の位置関係に関する考察

第 5 章 東京 23 区全体の中での集積地 5-1 専門商品別店舗の分布  5-1-1 小売店鋪と消費者をつなぐ有効な手段  5-1-2 専門商品別分布図の作成   5-1-2-1 古本 [figure5.1]   5-1-2-2 洋服 [figure5.2]      5-1-2-3 食器 [figure5.3]      5-1-2-4 電気店 [figure5.4]   5-1-2-5 履物 [figure5.5]   5-1-2-6 デパート [figure5.6]

 5-2 店舗分布図からの分析と考察

第 6 章 実地調査による店舗集積の現状分析  6-1 調査概要

 6-2 専門店分布図作成  6-2-1 神保町駅圏 [figure6.1]  6-2-2 表参道駅圏 [figure6.2]  6-2-3 田原町駅圏 [figure6.3]  6-2-4 秋葉原駅圏 [figure6.4]

 6-3 分析  6-3-1 他業種からの専門店集積率  6-3-2 集積のかたち   6-3-2-1 駅圏をまたぐ集積   6-3-2-2 線状の集積   

第 7 章 店舗集積駅圏と人口動態の考察 7-1 実地調査結果と人口分布図の分析 7-2 職住近接の場所 7-3 東京全体が百貨店

第 8 章 結論と展望 8-1 各章のまとめ 8-1 結論 8-2 展望

資料 夜間人口算出過程人口分配図 都市交通年報より算出した交流人口と通勤人口

参考文献謝辞

東京 23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -  2010 年 11 月 11 日古谷誠章研究室

1X07A114-1 竹花洋子 都市では一日に大量の人やモノが集まりまた出て行き、絶えず動き変化を続ける。しかしそれらがどこかに留まり永い年月を経ならが集積を重ねる場所もある。多種多様に商・住の混在するコンプレックスシティ東京においては変化や混在性が魅力であり変わり続けるのだと考えられる。本研究はこうした都市の構造を、膨大な人口の移動と集積するものとの比較によって、浮かび上がらせようとするものである。消費者の二極分化により、より利便性を追求して、低価格で何でも揃う量販店、複合商業施設を利用する。かたや自我協調品を求めるには、より良い品を求め、価格や探す労力は惜しまず、専門店へと出かける。それらの共存が求められる現在の東京と言える。東京の専門店集積地には(1)複合商業施設と専門小売店鋪、(2)ネットショッピングと専門小売店鋪\、(3)都市のツーリズム化という3つの傾向がある。多くの複合商業施設が存在するが、一つのハコの中にすべてが詰め込まれた場所で一日を過ごさなくとも、街を歩いてわたる魅力が東京にはあるはずである。小売り商店は無数に存在する東京であるからこそ、専門商店集積地という、多くの集客があり活気を持った街が存在する。専門集積地を調べることにより、単純な一つの建築用途だけでは語りきれない東京の価値を見出す。

本研究においては仮説(1)専門性•趣味は集積する性質がある。(2)ネット通販により路面店舗立地•形態に変化が起きている。(3)東京の魅力としての新たな可能性がある。以上を明らかにするために、東京23区における駅圏ボロノイ地図も用いた調査と、業種ごとの専門店の分布を調べマッピングするというマクロ調査と、実際に集積の背景を調べるために、青山表参道商店街、秋葉原電気街、神田古本屋街、合羽橋道具街の4つの専門店集積地に対してインタビュー調査とビルデングタイプデータの収集などを行い、比較、研究している。

Page 2: 東京23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究-

東京 23 区の人口動態からみる専門店集積地 - 高密度都市居住研究 -   古谷誠章研究室 1X07A114 - 1 竹花洋子

ボロノイ駅圏より得られたこと

専門商品別店舗分布図より得られたこと

インタビューより得られたこと

考察

結論

[fig.3:3次元マトリクスによる駅圏の分析 ][fig.5:街に集積する専門性の相関図 (青山表参道ファッション集積地 )]

[fig.4:秋葉原駅圏 隣接する駅圏をまたぐ専門商店の分布 ]

[fig.6:交流人口マップ] [fig.8:通勤人口マップ][fig.7:夜間人口密度マップ][fig.9:夜間人口マップ]

商店街型下町型

商業地型

特別用途地型

オフィス街型

官庁街型

職住型 住宅地型

[fig.10:三要素からの駅圏の分類マップ]

各駅圏の人口データをもとに、三次元マトリクスに全ての駅圏をプロットしたものを、f i g3に示す。x軸は昼夜間人口比率、y軸は交流人口、z軸は夜間人口を表し、それぞれの駅圏を10段階に振り分けた。一般に夜間人口のレベルが高いと住宅地的な傾向が強く、低いと商業地の傾向が強い。例えば、原点上部では、要町、祐天寺、幡ヶ谷、中野新橋などの住宅街がみられ、逆にその対角線上には、渋谷新宿などの商業地がみられる。こうしてグループ化したエリアを、もう一度つなげることによって、三次元上で緩やかに繋がる分類が出来る。少しずつ住居の多い駅圏と、商業地の多い駅圏とが繋がりながらそれぞれの駅圏は構成されている。z1から z9にかけて商 業地から住宅地へのグラデ ーションがみられるが 、その中にも商業と住居の関係に色々なタイプがみられ、大きく分けると、住 宅 地 型 / 商 店 街型 / 職 住 型 / 下 町型/官庁型/オフィス街型/繁華街型の7 つ に 分 類 出 来 る(f i g . 1 0)。

秋葉原駅周辺での電気店・インターネット系趣味の店舗は秋葉原駅圏と末広町駅圏にまたがって広い範囲で集積している。秋葉原駅圏の面積は0 . 3 9㎢、末広町駅圏は0 . 4 1㎢であるから徒歩圏内と言え、色々と探して歩き回るにはちょうど良い範囲内に集積している( f i g . 4 )。田原町の調理道具関連の商店が集積する場所では、通りに沿って線状にびっしりと集積がみられ、この商店街のほとんどが調理関係の商品を扱う店舗である。商店街はすべてアーケードがかかり、買い物客や、仕入れの人が雨の日でも買い物がしやすく配慮されている。これらのような工夫がなされていた。

インタビューによって分かったことのまとめとして、ある専門性が集積することによって、新たに別の専門性が連なり集積することがわかった。秋葉原と神保町においては、場所が近いのと、同じく学生街ということから、集積する専門性に重なりが見られる。学生生活に需要があるモノとして大きいくくりとして「勉強と遊び」を挙げると、書籍は勉強に必要なものとして学生街に集積を始めたそれに連なって学生の遊びとしてスポーツ用品店、楽器店が集積を始めた。神保町に対し、電機大学の学生からの需要もあって秋葉原に集積を始めた電器部品販売店は、日本の高度成長にのり街全体が大きく発展をし、現在ではまた学生生活の必需品と言えるパソコン本体や周辺機器を求める若年層の集まる場所となり、それは学生、または一般人の趣味の延長上でもある。神保町においては本とカレーの組合わせ。秋葉原においてもインターネット文化とカレーの組み合わせが街にあふれている。

東京における専門店集積地の特性は次のように明らかになった。専門性、趣味にはネットワークがありその情報により、場所に累積する。ネットショッピングの普及により、古書店街では古書という特性上ネットでの販売が増加し、ネット販売の上では競争原理が働き売り上げは落ちたという面もあるが、他の集積地において全体的には小売商店の売り上げが落ちることは無い。逆にネットによる情報のおかげでさらなる集客を増している。集積地は東京の観光名所として多いに認められている。今後の発展も予想される。 

東京が高密度、高複合都市であるからこそ、多様な専門店集積地が存在する。歴史的な基盤の上に成り立っているうえで、時代の変化にさられながらも、それにもうまく対応し、複合商業施設とは異なる価値を持っている。更に発達した交通網を持つが故、点在する売り場を結び、全体として大きな百貨店といえるような独自性のある都市である。集積地は東京の観光名所として多いに認められている。今後の発展も予想される。 

骨董街街

米軍ハイツ

カジュアルファッション

カジュアルブランド

スポーツブランド

ラグジュアリーブランド

アルァッシシ

日本のお土産

日本の骨董

オリエンタルバザール

キディランド 西洋モノモ

ジーパン

アド

西

ファッションシ

パスタ洋食

カフェ