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3.3 佐賀県の将来予測
本項では、平均気温・最高気温(日最高気温の平均)・最低気温(日最低気温の平均)、
気温の階級別日数の変化、降水量、大雨・短時間強雨、無降水日数の変化についての RCP8.5
シナリオによる NHRCM05 を用いた予測の特徴を記す。
3.3.1 平均気温、最高気温、最低気温
図 3.3-1 および付表は、佐賀県における年および季節ごとの現在気候と将来気候の平均
気温、最高気温、最低気温の差を示したものである。将来気候は、年平均は約 4.1℃、最高
気温は約 4.0℃、最低気温は約 4.1℃上昇がみられる。季節で比較すると、平均気温、最高
気温では冬の上昇、最低気温では秋の上昇が最も大きい。
(a)
(b)
(c)
図3.3-1および付表 佐賀県の平均気温、最高気温、最低気温の変化(将来気候と現在気候との差、単位:℃)
棒グラフが将来気候と現在気候との差、縦棒は年々変動の標準偏差(左:現在気候、右:将来気候)
を示す。(a):平均気温、(b):最高気温、(c):最低気温。右上の付表は変化量の増加(減少)および
年々変動の標準偏差の数値を示し、その変化量が信頼度水準 90%以上で有意の場合はオレンジ色(水
色)に塗りつぶしている。
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図 3.3-2 は、平均気温・最高気温・最低気温の、地域気候モデルによる現在気候、将来
気候の半旬平均の季節進行の変化を示したものである。グラフの縦軸は、現在気候の年平
均気温からの偏差を示している。各要素で気温が上昇している。
図 3.3-3 は、現在気候と将来気候の年平均気温の差の分布を示したもので、県内で概ね
4℃以上上昇している。
(a)
(b)
(c)
図3.3-2 佐賀県の平均気温、最高気温、最低気温の季節進行の変化(現在気候の年平均との差、単位:℃)
折線は通年半旬値、陰影は年々変動の標準偏差を示す。黒が現在気候、赤が将来気候である。縦軸は
現在気候の年平均値からの偏差として示している。
(a):平均気温、(b):最高気温、(c):最低気温
図 3.3-3 佐賀県の年平均気温の変化(将来気候の現在気候との差、単位:℃)
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3.3.2 真夏日、猛暑日、熱帯夜、冬日
図 3.3-4 および付表は、佐賀県における現在気候と将来気候の真夏日、猛暑日、熱帯夜、
冬日の日数の差を示したものである。
将来気候の年平均では、真夏日は約 61 日、猛暑日は約 30 日、熱帯夜は約 63 日増加し、
冬日は約 25 日減少がみられる。また、現在気候と将来気候で現象が発生していない場合、
または4メンバーの変化傾向が一致していない場合には、データを表示していない。
(a)
(b)
(c)
(d)
図3.3-4および付表 佐賀県の真夏日、猛暑日、熱帯夜、冬日の日数の変化(将来気候と現在気候との差、単位:日)
棒グラフが将来気候と現在気候との差、縦棒は年々変動の標準偏差(左:現在気候、右:将来気候)
を示す。(a):真夏日、(b):猛暑日、(c):熱帯夜、(d):冬日。上の付表は変化量の増加(減少)お
よび年々変動の標準偏差の数値を示し、その変化量が信頼度水準 90%以上で有意の場合はオレンジ色
(水色)に塗りつぶしている。また、現在気候と将来気候で現象が発生していない場合、または4メ
ンバーの変化傾向が一致していない場合には、データを表示していない。
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図 3.3-5 は、現在気候と将来気候の猛暑日の年間日数の差の分布を示したもので、県内
各地で増加している。
図 3.3-5 佐賀県の猛暑日の年間日数の変化(将来気候と現在気候との差、単位:日)
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3.3.3 降水量、年最大日降水量
図 3.3-6 および付表は、佐賀県における年の現在気候と将来気候の降水量の差を示した
ものである。年間の降水量は約 134mm の増加がみられるが、有意な傾向ではない。
図 3.3-7 は、現在気候、将来気候の半旬降水量の季節進行の変化を示したものである。
グラフの縦軸は、現在気候の年平均降水量からの偏差を示している。いずれの季節につい
ても、将来気候の降水量の変化は、現在気候の年々変動の範囲に収まっているものの、8月
の降水量の減少がやや不明瞭になっている。
図 3.3-6 および付表 佐賀県の降水量の変化(将来気候と現在気候との差、単位:mm)
棒グラフが将来気候と現在気候との差、縦棒は年々変動の標準偏差(左:現在気候、右:将来気候)
を示す。右の付表は変化量の増加(減少)および年々変動の標準偏差の数値を示し、その変化量が信
頼度水準 90%以上で有意の場合は水色(オレンジ色)に塗りつぶしている。
図 3.3-7 佐賀県の降水量の季節進行の変化(現在気候の年平均との差、単位:mm)
折線は通年半旬値、陰影は年々変動の標準偏差を示す。黒が現在気候、赤が将来気候である。縦軸は
現在気候の年平均値からの偏差として示している。
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図 3.3-8 および付表は、佐賀県における現在気候と将来気候の年最大日降水量の差を示
したものである。年最大日降水量は約 55mm の有意な増加となっている。
図 3.3-9 は、現在気候と将来気候の年最大日降水量の変化率の分布を示したもので、県
平均で約4割増加している。
図 3.3-8 および付表 佐賀県の年最大日降水量の変化
(将来気候と現在気候との差、単位:mm)
棒グラフが将来気候と現在気候との差、縦棒は年々変動の標準偏差(左:現在気候、右:将来気候)
を示す。右の付表は変化量の増加(減少)および年々変動の標準偏差の数値を示し、その変化量が信
頼度水準 90%以上で有意の場合は水色(オレンジ色)に塗りつぶしている。
図 3.3-9 佐賀県の年最大日降水量の変化(将来気候の現在気候に対する変化率、単位:%)
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3.3.4 大雨・短時間強雨の発生回数
佐賀県における現在気候での大雨(日降水量 100mm 以上、日降水量 200mm 以上)と短時
間強雨(1時間降水量 30mm 以上:激しい雨、1時間降水量 50mm 以上:非常に激しい雨)の
年間発生回数と将来における年間発生回数の変化を地域平均で見たものを図 3.3-10 および
付表に示す。
将来気候の年平均では、日降水量 200mm 以上の大雨および 1時間降水量 30mm 以上、1時
間降水量 50mm 以上の短時間強雨の年間発生回数は有意に増加している。
図 3.3-10 および付表 佐賀県の大雨・短時間強雨の発生頻度の変化(単位:回)
棒グラフが現在気候(灰色)、将来気候(赤色)における1地点あたりの年間発生回数、縦棒は年々
変動の標準偏差を示す。上の付表は、変化量の増加(減少)および年々変動の標準偏差の数値を示し、
その変化量が信頼度水準 90%以上で有意の場合は水色(オレンジ色)に塗りつぶしている。
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図 3.3-11 は、現在気候と将来気候の 1時間降水量 50mm 以上の年間発生回数の差の分布
を示したもので、県内各地で増加している。
図 3.3-11 佐賀県の 1時間降水量 50mm 以上の年間発生回数の変化
(将来気候と現在気候との差、単位:回)
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3.3.5 無降水日数
図 3.3-12 および付表は、佐賀県における年および季節ごとの現在気候と将来気候の無降
水日数の差を示したものである。年間の無降水日数は約 13日増加している。年およびすべ
ての季節の年間日数は有意な増加となっている。
図 3.3-13 は、現在気候と将来気候の無降水日の年間日数の差の分布を示したもので、県
内各地で増加している。
図 3.3-12 および付表 佐賀県の無降水日数の変化(将来気候と現在気候との差、単位:日)
棒グラフが将来気候と現在気候との差、縦棒は年々変動の標準偏差(左:現在気候、右:将来気候)
を示す。右の付表は変化量の増加(減少)および年々変動の標準偏差の数値を示し、その変化量が信
頼度水準 90%以上で有意の場合はオレンジ色(水色)に塗りつぶしている。
図 3.3-13 佐賀県の無降水日の年間日数の変化(将来気候と現在気候との差、単位:日)