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中学校2年【文字式の利用3/6時間・式の計算12/16時間(東京書籍:新しい数学2 P22) 【思考の開始】 Aさんの メモがき→ ・5の倍数になります。 ・真ん中の数の5倍になります。 ・図のように囲まれた数を全部たすと真ん中の数の5倍になる。 【思考の取り出し】 ☆記述のポイント! 「カレンダーの中の秘密!」 ~数の並びの性質を文字を使って説明する~ ☆本時のねらい:数の並びの性質を,文字式を利用して説明することができる。 ☆本時の工夫点:①Aさんのメモがきから数の並びの性質を見付け,それを自分の言葉 でかく活動を設定する。 ②見付けた性質が成り立つわけを,見通しを持って説明させるために 説明の方針を立てさせる。 右の図のように囲まれた数を見て,Aさんは,ある性質を見付けました。下の メモがきは,性質を見付けた際のものです。Aさんは,どんな性質を見付けた のでしょうか。 右の図のように「囲まれた数の和は,真ん中の数の5倍になる」このこ とが成り立つわけを文字を使って説明しましょう。真ん中の数を x して,説明の方針を立てましょう。 1+7+8+9+15=40 =5×8 12+18+19+20+26=95 =5×19 Aさんが見付けた性質は何でしょうか。次の文の続きをかきましょう。 「図のように囲まれた数を~ になる。」 このことが成り立つわけを説明しましょう。 真ん中の数を x とする x -7 x -7)+(x -1)+ x +(x +1)+(x +7) x -7+ x -1+ x x +1+ x +7 x -1 x x +1 x ←真ん中の数の5倍 x +7 ○真ん中の数を x としたときの他の4つの数を全体で 確認し,表現させましょう。 ○「5の倍数」より「真ん中の数の5倍」の方が,より詳しい性質であることを確認し, 全体で取り上げましょう。 他のところでも同じようになっているか,カレンダーの数を囲んで確かめてみよう。 ☆学習課題 『数の並びの性質が成り立つわけを文字を使って説明しよう』

中学校2年【文字式の利用3/6時間・ (東京書籍:新しい数 …...中学校2年【文字式の利用3/6時間・式の計算12/16時間】(東京書籍:新しい数学2

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  • 中学校2年【文字式の利用3/6時間・式の計算12/16時間】(東京書籍:新しい数学2 P22)

    【思考の開始】

    Aさんのメモがき→

    ・5の倍数になります。・真ん中の数の5倍になります。

    ・図のように囲まれた数を全部たすと真ん中の数の5倍になる。

    【思考の取り出し】

    ☆記述のポイント!

    「カレンダーの中の秘密!」~数の並びの性質を文字を使って説明する~

    ☆本時のねらい:数の並びの性質を,文字式を利用して説明することができる。

    ☆本時の工夫点:①Aさんのメモがきから数の並びの性質を見付け,それを自分の言葉でかく活動を設定する。

    ②見付けた性質が成り立つわけを,見通しを持って説明させるために説明の方針を立てさせる。

    右の図のように囲まれた数を見て,Aさんは,ある性質を見付けました。下の

    メモがきは,性質を見付けた際のものです。Aさんは,どんな性質を見付けた

    のでしょうか。

    右の図のように「囲まれた数の和は,真ん中の数の5倍になる」このこ

    とが成り立つわけを文字を使って説明しましょう。真ん中の数を x として,説明の方針を立てましょう。

    1+7+8+9+15=40=5×8

    12+18+19+20+26=95=5×19

    Aさんが見付けた性質は何でしょうか。次の文の続きをかきましょう。

    「図のように囲まれた数を~ になる。」

    このことが成り立つわけを説明しましょう。

    真ん中の数を xとするx-7 (x-7)+(x-1)+ x+(x+1)+(x+7)

    = x-7+ x-1+ x+ x+1+ x+7x-1 x x+1 =5 x ←真ん中の数の5倍

    x+7 ○真ん中の数を x としたときの他の4つの数を全体で確認し,表現させましょう。

    ○「5の倍数」より「真ん中の数の5倍」の方が,より詳しい性質であることを確認し,全体で取り上げましょう。

    他のところでも同じようになっているか,カレンダーの数を囲んで確かめてみよう。

    ☆学習課題 『数の並びの性質が成り立つわけを文字を使って説明しよう』

  • 【思考の深化】

    ☆記述のポイント!

    【思考の整理】

    (例)・横に並んだ3つの数の和は,3の倍数になる。・縦に並んだ3つの数で,一番上の数と下の数の平均は,真ん中の数と等しくなる。・正方形で囲まれた4つ数の和は,4の倍数になる。

    中1年7月 中2年5月(前時) (本時) 中3年5月

    ○式だけをかいている生徒には結論までかくように声掛けしましょう。○ xが整数であることは大切なポイントです。全体で確認しましょう。

    教科書22ページの問3に取り組みましょう。

    ○多様な見方にふれるためにも,見付けた性質を発表させ,クラス全体で共有することも大切です。

    ○自分で見付けた性質について,文字を用いて説明させましょう。

    グループでの意見交換を参考にして,説明をかきましょう。はじめは「図のよう

    に囲まれた数の真ん中の数を x とすると~」です。

    図のように囲まれた数の真ん中の数を x とすると,囲まれた数は,x-7, x-1, x, x+1, x+7 と表される。

    したがって,その和は,

    (x-7)+(x-1)+ x +(x+1)+(x+7)= x-7 + x-1 + x + x+1 + x+7 = 5 x

    xは整数だから,囲まれた数の和は,真ん中の数の5倍になる。

    求め方の説明をグループで発表しましょう。

    さらにカレンダーの中からいろいろな性質を探してみましょう。

    [問題]カレンダーで式が(x-8) + x + (x+8)= 3x

    と与えられているところから,数の囲み方を示し,性質をかく問題

    [文字式の利用]整数の性質を文字を用いて表現したり,目的に応じて式を変形したり,その意味を読み取ったりして,命題が成り立つことを説明することができる。

    [文字式の利用]文字を用いて表現したり,目的に応じて式を変形したり,その意味を読み取ったりして,命題が成り立つことを説明することができる。

    本授業アイディア例との関連 小学校:数学的な考え方の評価規準中学校:数学的な見方や考え方の評価規準

    [文字式の利用]数量の関係や法則などを,文字を用いた式でどのように表すのかや,式が何を意味しているのかを考えることができる。

    [式の計算の利用]図形の性質が成り立つことを,数量及び数量の関係を捉え,方針を明らかにして,文字を用いた式で説明することができる。

  • 中学校2年【連立方程式とその解き方6/9時間・連立方程式6/14時間】(東京書籍:新しい数学2P39)

    【思考の開始】

    □●●●●● 500

    □ ●● 10

    【思考の取り出し】

    ☆記述のポイント!

    ・x+5 y=500・・①x=2 y+10・・・②

    「代入法の方法とよさ!」~てんびんの図から代入法の解き方を導き出す~

    ☆本時のねらい:代入法で連立方程式を解く方法を理解することができる。

    ☆本時の工夫点:①てんびんの図や□や●のカードを使って等式の関係を視覚的に確認させた後,これと対比させて代入法の解き方を式で記述させる。

    ②代入法と加減法の共通点や相違点を確認することで,代入法のよさに気付かせる。

    ○全体で確認し,この図を基にして●1個を求めることにつなげましょう。

    ○個人で考えさせた後に求め方をペアで確認させましょう。友達から学ぶ力や友達に伝える力を育てたいのでペア学習で進めましょう。

    2つのてんびんの図から,オレンジ1個の値段を求めましょう。求め方が分か

    るように図や言葉を使ってかきましょう。

    あるくだもの店では,りんご1個とオレンジ5個の代金の合計は500円,りんご1個はオレンジ2個より10円高いそうです。オレンジ1個の値段は何円でしょうか。

    てんびんのつり合いに注意して,りんご1個を□,オレンジ1個を●として,図

    にかき入れましょう。

    2つ目のてんびんから,□1つが●2つと10円とつり合っているので,1つ目のてんびんの□の代わりに●2つと10円をのせる。すると1つ目のてんびんは,●7つと10円が500円がつり合う。次に両方の皿から10円を取ると●7つと490円がつりあう。●1つ分を求めるには490を7で割って70となる。よって●つまりオレンジ1個は70円である。

    りんご1個の値段を x 円,オレンジ1個の値段を y 円として,てんびんの関係を式にしてみましょう。

    ○この式は,連立方程式であることを確認しましょう。○式に番号を付けると,後で説明するのに役立つことを知らせ,番号を付けさせましょう。

    図(省略)

    ☆学習課題『てんびんの図から連立方程式の解き方を考えよう』

  • 【思考の深化】

    ・②の式の左辺に yの項がない。yの項が右辺にある。・①と②の式がそろっていない。

    ☆記述のポイント!

    ・y=70を②に代入してx=2 ×70+10x=150 りんご1個150円である。

    【思考の整理】

    ・加減法も代入法もどちらか一方の文字を消去して解くことが共通点であり,相違点としては,一方の式が x =のような形の場合にはもう一方の式に代入することによって解くことができる。代入法のよさは,1つの文字をすぐに消去できること,一方の解を求めた後にすぐもう一方の解も求められることである。

    中1年9月 中2年5月 中2年5月(本時) 中3年9月

    ○①の式,②の式,左辺,右辺などの用語を使わせましょう。

    前時まで学習した連立方程式との違いは何でしょうか。

    今日は,代入法を使って連立方程式を解きました。加減法と代入法の共

    通点や相違点にふれながら,代入法のよさについてまとめましょう。

    x+5y=500・・①x=2y+10・・② を加減法を使わずに計算する方法を考えましょう。

    ②を①に代入するすると(2 y+10)+5 y=500

    7 y+10=5007 y=490

    y=70オレンジ1個70円である。

    ○ x も求めさせることで,代入法を使うともう一方の解が簡単に求められることを実感させましょう。

    ○この問題を加減法を使って解を求めさせることで,加減法と代入法の違いを確認することもできます。

    教科書40ページの問題を代入法で解きましょう。代入するところに丸を付けると分かりやすいです。(代入法で解く問題)

    りんご1個の値段は,いくらしょうか。

    [連立方程式とその解き方]

    代入法を使って連立方程式を解く方法を考えることができる。加減法との共通点や相違点について考えることができる。

    本授業アイディア例との関連 小学校:数学的な考え方の評価規準中学校:数学的な見方や考え方の評価規準

    [二次方程式の利用]具体的な事象の中の数量の関係を捉え,二次方程式をつくることができる。求めた解や解決の方法が適切であるかどうかを振り返って考えることができる。

    [方程式とその解き方]

    等式の性質を基にして,一元一次方程式の解き方を考えることができる。

    ○この求め方を「代入法」ということもかき加えましょう。

    ○代入するときはかっこをかかせましょう。

    [連立方程式とその解き方]

    加減法を使って連立方程式を解く方法を考えることができる。

  • 中学校2年【1次関数と方程式6/6時間・1次関数18/19時間】(東京書籍:新しい数学2 P78)

    【思考の開始】

    【思考の取り出し】

    ・ともなって変わる量は,点Pが動いた距離と△APDの面積です。

    ・3つの場面に分けられます。点PがAB上にあるとき,点PがBC上にあるとき,点PがCD上にあるとき

    ☆記述のポイント!

    「三角形の面積はどのように変化する?」~事象を3つの場面に分けて変化の様子を調べる~

    ☆本時のねらい:具体的な事象の中にある2つの数量の関係を,変化や対応の様子に着目して調べ,まとめることができる。

    ☆本時の工夫点:①導入段階で,グラフの概形を提示し,3つの場面に分けられることを把握させる。

    ②面積の変化の様子を振り返って,自分の言葉でまとめる活動を設定する。

    ○はじめにグラフのおおまかな形を提示することで生徒に3つの場面を意識させましょう。グラフから気付いたことを発表させるとよいでしょう。

    ○教科書の左上のパラパラまんがで点Pの動きをつかませることも有効です。

    ○3つの場面を図にかいて状況を整理し,式,表,グラフなどを使って分かることをかかせましょう。すべてかけなくても分かるところだけてもかかせましょう。

    ○点Pが辺CD上を動くときの△APDのPDを10- x と表すことに困難が伴う生徒が多いことが予想されるので,10- x を全体で確認することが必要です。

    右の図の長方形ABCDで,点PはAを出発して,辺上をB,Cを通ってDまで動きます。点PがAからx㎝動いたときの△APDの面積をy㎠とすると,おおまかなグラフは次のようになりました。△APDの面積の変化のようすを調べましょう。

    ともなって変わる量は何でしょうか。

    △APDの面積について,点PがAB上にあるとき,BC上にあるとき,

    CD上にあるときの3つの場面で分かることをそれぞれかき出そう。

    y おおまかなグラフ

    x

    点PがAからDまで動くとき,いくつの場面に分けられますか。

    ☆学習課題『三角形の面積の変化の様子を,表,式,グラフを用いて調べよう』

    ・点PがAB上にあるとき表をかくと x(cm) 0 1 2 3

    y(cm 2) 0 2 4 6

    式は y =2 x グラフは *点PがBC上にあるとき点PがCD上にあるときも同様にかく

  • 【思考の深化】

    (意見の交流後)

    ・点PがAB上にあるとき,0≦ x≦3点PがBC上にあるとき,3≦ x≦7点PがCD上にあるとき,7≦ x≦13

    ・面積が変化していない。 ・面積が一定。

    【思考の整理】

    ☆記述のポイント!

    ・式;点Pの動きを表すことができる。 表;動いた距離の面積がすぐに分かる。グラフ;変化の様子がわかる。

    中1年11月 中2年9月 中2年10月(本時) 中3年10月

    △APDの面積の変化の様子を自分の言葉で説明しましょう。

    ○意図的指名により生徒に発表させて,記述内容のよさを全体で取り上げましょう。

    かいたことを基にグループで考えを発表しましょう。

    x の変域を考えた人はいますか。3つの場面の変域をグループで考えましょう。

    ここまで調べたことを基にして,△APDの面積

    の変化のようすを表すグラフをかきましょう。

    ㎠点PがAB上のときは1㎝進むごとに2 ずつ増えていき,点PがBC上のと㎠ ㎠きは6 で一定で,点PがCD上のときは1㎝進むごとに2 ずつ減っていく。

    最後は0になる。

    y=6(x軸に平行)のグラフはどういう状況を表しているのでしょうか。

    ○方眼紙に,x軸や y軸を取らせ,グラフをかかせましょう。

    ○点Pがどこにあるときに,面積が増えるのか,減るのか,一定なのかを問い,それを自分の言葉でかくように促しましょう。

    今日は,面積の変化の様子を,式,表,グラフを用いて調べました。

    式,表,グラフで表すことのよさはそれぞれ何でしょうか。

    ○式,表,グラフのよさを全体で確認しましょう。

    [一次関数]一次関数の特徴を,表,式,グラフを相互に関連付けるなどして見いだすことができる。

    本授業アイディア例との関連 小学校:数学的な考え方の評価規準中学校:数学的な見方や考え方の評価規準

    [比例と反比例の利用]

    具体的な事象から取り出した2つの数量の関係を,その変化や対応の特徴を捉え,自分なりに説明することができる。

    [一次関数と方程式]

    具体的な事象から取り出した2つの数量の関係をその変化や対応の特徴を捉え,説明することができる。

    [関数 y = ax 2]関数 y = ax 2の変域を,表,式,グラフを相互に関連付けるなどして見いだすことができる。

  • 中学校2年【平行線と角5/7時間・平行と合同5/14時間】(東京書籍:新しい数学2 P98)

    【思考の開始】

    ・180° ・角度を全部測ってみた ・角を並べてみた

    【思考の取り出し】

    ☆記述のポイント!

    「三角形の内角の和が180°って本当?」~平行線の性質を用いて,三角形の内角の和が180°を証明する~

    ☆本時のねらい:平行線の性質を基にして,三角形の内角の和が180°であることが成り立つわけを説明することができる。

    ☆本時の工夫点:①見通しをもって証明させるために,角に「○,△,□」などの印を付けて考えさせる。

    ②適用問題で「三角形の内角の和と外角の性質」を証明させることで,図を使った証明の定着を図る。

    三角形の内角の和は何度ですか。

    これを小学校ではどうやって確かめましたか。

    どんな三角形でも内角の和が180°になるわけを説明しましょう。

    ○「わけの説明」をこれからは「証明」ということをここで確認しましょう。○証明するとすべての三角形について成り立つことが分かることを確認し,証明することに目的意識をもたせましょう。

    三角形を1つかき,3つの角に○,△,□のマーク

    を付けましょう。

    図に線を1本加えると平行線の性質が使えます。

    どこに引けばよいのか考えましょう。

    ○右図のように図に直線を引かせ,角に「○,△,□」のマークを付けさせましょう。

    ○前時までに,対頂角や平行線の同位角,錯角が等しいときにも「○,△,□」のマークを使っておきましょう。

    l

    m

    △ □

    △ □

    図を基にして,「三角形の内角の和が180°」になる理由を考えましょう。

    l

    平行線の 平行線の錯角 錯角

    m △

    △ □

    ○等しい角とその理由を全体で確認しましょう。○上記以外の直線の引き方も取り上げましょう。

    ○+△+□=180

    ☆学習課題『三角形の内角の和が180°を平行線の性質を使って証明しよう』

    ○図の中の等しい角に印を付けさせましょう。その理由も側にかかせましょう。

    ○「三角形の内角の和が180°」を印を使って表すと「○+△+□=180」になることを確認しましょう。

  • 【思考の深化】

    ☆記述のポイント!

    【思考の整理】

    ・どんな場合でも成り立つかを確かめるため ・他の人に分かりやすく説明するため

    小5年11月 中2年11月(本時) 中2年1月 中3年12月

    ○,△,□で確認したことを基にして,三角形の内角の和が180°になることの証明をかきましょう。

    図のように,△ABCをつくり,点D,Eとする。平行線の錯角は等しいから∠ABC=∠BAD

    平行線の錯角は等しいから∠ACB=∠CAE

    また,∠BAD+∠BAC+∠CAE=180したがって∠ABC+∠BAC+∠ACB=180よって,三角形の内角の和は180°である。

    l D A E

    mB C

    □△ ○

    △ □

    ○個人でかかせた証明を基に全体でかき方を確認しましょう。

    次に適用問題に取り組みましょう。これもどこかに線を引くと証明できます。

    (問題)右の図で∠ACD=∠a+∠b

    が成り立つことを証明しなさい。

    ○全体で線の引き方と証明の方針を確認しましょう。証明をかくことは個で取り組ませましょう。

    ○三角形の内角の和と外角の性質をまとめましょう。『三角形の外角は,それととなり合わない2つの内角の和に等しい。』

    何のために証明をするのでしょうか。隣の友達と話し合ってみましょう。

    ○証明することで,どんな形や大きさの三角形についても成り立つことを明らかにできることを確認しましょう。

    ・図を利用してかかせましょう。・平行線の錯角,同位角という根拠を記述させましょう。

    ・結論を最後に記述させましょう。

    線の引き方について隣の友達と意見交換しましょう。

    [図形の角を調べよう]

    三角形の3つの角の大きさの和が180°であることを帰納的に見いだしている。

    [平行線と角]「三角形の内角の和は180°である」ことなどを,平行線の性質を用いて説明することができる。

    [平行四辺形]図形の性質などを証明するために,構想や方針を立てることができる。構想や方針を基にして筋道立てて結論を導くにはどうすればよいか考えることができる。

    本授業アイディア例との関連 小学校:数学的な考え方の評価規準中学校:数学的な見方や考え方の評価規準

    [円周角の定理]円周角と中心角の関係の証明を読み,どのような図形の性質が用いられているのかを考えることができる。

  • 中学校2年【平行四辺形9/10時間・三角形と四角形17/19時間】(東京書籍::新しい数学2 P141)

    【思考の開始】

    ・三角形の面積は,(底辺)×(高さ)÷2で求められ,どの三角形も底辺BCが等しく高さも等しいから。

    ・底辺と高さが等しいから。

    【思考の取り出し】

    ・△ABC=△DBC ・△ABD=△ACD・△AOB=△DOC

    ・△ABC=△DBC→底辺が共通で,平行線では高さが等しいから。・△ABD=△ACD→底辺が共通で,平行線では高さが等しいから。・△AOB=△DOC→?

    ☆記述のポイント!

    「三角形の面積が等しい?」~平行線を利用して面積が等しい三角形を探し,等しい理由を説明する~

    ☆本時のねらい:平行線の性質を利用して,面積の等しい図形を見いだすことができる。

    ☆本時の工夫点:①見通しを持って証明するために,証明の構想や方針を立てる場面を設定する。

    ②証明の多様な考え方を学ぶために,グループでノートを交換して,友達の証明との共通点や相違点に気付かせる。

    右の図のように,底辺BCを共有し,BCに平行な直線l上に頂点があるとき,△ABC=△A′BC=△A″BCと

    なります。なぜ,面積が等しいのでしょうか。面積が等し

    い理由をノートにかきましょう。

    ○△ABC=△A′BCと「=」を使ってかくときは,面積が等しいことを表していることを確認しましょう。「≡」との違いを確認することも大切です。

    ○「底辺と高さが等しいから」とかいた生徒には,底辺と高さが等しいとなぜ面積が等しくなるのかを問い,面積の公式を確認しましょう。

    どのような台形でも△AOB=△DOCは成り立つのでしょうか。

    図をかいて,証明の構想や方針を立てましょう。

    ・△ABC=△DBC 底辺がBCで等しく高さも等しいから。その両方の三角形から△OBCを引いたら同じになる。

    ・面積が等しい三角形から同じ三角形を引けば,残りの三角形の面積が等しくなる。・(面積が等しい三角形を線で囲んでいる。)

    ☆学習課題『三角形の面積が等しい理由を説明しよう』

    ○OA=ODやOB=OCをかくことが予想できるが,どんな場合でも成り立つかを問い,必ずしも等しくならないことに気付かせましょう。

    AD∥BCである台形ABCDの対角線の交点をOとすると,この中に等しい三角形があります。等しい三角形を見付け

    ましょう。

    等しい理由を考えましょう。

  • 【思考の深化】

    ☆記述のポイント!

    【思考の整理】

    中2年11月 中2年11月 中2年1月(本時) 中3年10月

    ○底辺をADとしても同様の証明ができることを確認しましょう。

    ○式に番号を付けると証明するときに簡単になることも取り上げましょう。

    今日は,三角形の面積が等しい理由を説明しました。今日の学習で,

    分かったことや疑問に思うこと,更に知りたいことなどを自分の言葉

    でまとめましょう。

    ○わかったことをまとめる活動を設定し,一人一人に学びを振り返らせましょう。

    グループでノートを交換して,友達との共通点や相違点を確認しま

    しょう。そして,自分の証明に付け加えたり直したりしましょう。

    自分でかき出したことを基にして,あなたの考え方が相手に伝

    わるように証明しましょう。

    △ABCと△DBCは,底辺BCが共通で,AD∥BCで高さが等しいので△ABC=△DBC・・・①一方△AOB=△ABC-△OBC・・・②△DOC=△DBC-△OBC・・・③①,②,③より

    △AOB=△DOC

    ○友達のノートをそのまま写させないようにしましょう。友達のかき方を参考にして,自分の言葉でかかせることが大切です。

    ○意図的指名により,証明のかき方を複数提示し,それぞれのよさや足りないところを全体で確認しましょう。

    ○生徒の証明を基に,面積が等しい証明のかき方を全体で確認しましょう。

    ○面積が等しいことを根拠に使う証明はここがはじめてなので,丁寧に指導しましょう。

    [相似な図形]三角形の相似条件を用いて,2つの三角形が相似であるかどうかを考えることができる。

    [合同な図形]三角形の合同条件を用いて,2つの三角形が合同であるかどうかを考えることができる。

    [平行線と角]「三角形の内角の和は180°である」ことなどを,平行線の性質を用いて説明することができる。

    [平行四辺形]図形の性質を証明するために,構想や方針を立てることができる。構想や方針を基にして筋道立てて結論を導くにはどうすればよいか考えることができる。

    本授業アイディア例との関連 小学校:数学的な考え方の評価規準中学校:数学的な見方や考え方の評価規準

  • 中学校2年【確率7/9時間・確率7/10時間】(東京書籍:新しい数学2 P157)

    【思考の開始】

    ・同じ ・先にひく方が有利 ・あとからひく方が有利

    【思考の取り出し】

    ・先にひく方が有利 ・あとからひく方が有利 ・どちらも変わりはない

    ☆記述のポイント!

    「くじびきは,どっちが有利?」~くじびきが公平であるかどうか説明する~

    ☆本時のねらい:問題を解決するために,確率を用いて不確定な事象の起こりやすさの傾向をとらえ説明することができる。

    ☆本時の工夫点:①くじの本数やあたりの本数(問題の条件)を変えて発展的に考える活動を取り入れる。

    ②樹形図をかいて確率を求め,それを根拠として自分の考えを記述させる活動を設定する。

    ○くじの本数やあたりの本数が変わったらどうなるかを問い,次の課題につなげます。

    ○生徒に予想を立てさせて,理由も聞きましょう。予想させることで確率を求めることに目的意識をもたせることにつながります。

    ○樹形図をかけない生徒が多い場合には,くじに番号を付けることを全体で確認しましょう。あたり,はずれが分かるようにくじに番号を付けることで樹形図がかけるようになることは大切なポイントです。

    ○樹形図をかくと全ての場合の数が分かることを取り上げ,樹形図のよさを全体で確認しましょう。

    2本のくじに1本だけあたりくじが入っています。先にひくのと

    あとにひくのでは,どちらが有利でしょうか。

    くじの本数やあたりの本数が増えたらどうなるでしょうか。

    5本のくじに3本だけあたりくじが入っています。先にひくのと後にひく

    のでは,どちらが有利でしょうか。予想してみましょう。

    最初にひく人は,3本もあたりが入っています。でも「残りものには

    福がある」ということわざもあります,

    どちらが有利なのかを理由を挙げて説明しましょう。

    最初にひく人のあたる確率は,5本のうち3本あたりなので,3/5である。一方,あとにひく人のあたる確率は樹形図をかいて考える。あたりくじを①,②,③ はずれを4,5とすると

    (樹形図をかく) よって,確率は,3/5となる。したがって,確率が同じなので,どちらも変わりはない。

    ☆学習課題『くじびきは先が有利かあとが有利かを調べよう』

    ○先にひく場合とあとにひく場合の確率を求めていること,樹形図をかいて求め方をかいていること,結論をかいていることの3つをポイントにしましょう。

  • 【思考の深化】

    ☆記述のポイント!

    【思考の整理】

    ・何番目にひいても確率は等しいので,くじをひく順番によってあたりやすさに違いはない。

    中1年2月 中2年2月(本時) (次時) 中3年1月

    ○「何番目にひいても違いはない」のように結論だけかいている生徒には,「確率が等しいので」という理由をかかせましょう。

    ○複数の生徒に発表させ,自分のまとめとの共通点や相違点を押さえさせましょう。

    [問題]3本のうち1本があたりくじの場合,先にひくのとあとにひくのとでは,どちらがあたりやすいですか。

    今日は,くじをひく順番とあたりやすさについて考えました。何人

    かでくじびきをするとき,くじをひく順番によってあたりやすさに

    違いがあるでしょうか。あなたの考えをノートにまとめなさい。

    次に,先生が準備した適用問題に取り組みましょう。樹形図を

    かいて,それぞれの確率を求めましょう。

    説明の仕方には,いろいろな方法があるので,友達のかき方を参考にして,

    自分の説明を分かりやすくかき直しましょう。

    [母集団と標本]問題を解決するために,標本調査を行い,母集団の傾向を捉え説明することができる。標本調査のより良い方法を考察することができる。

    [確率]問題を解決するために,確率を用いて,不確定な事象の起こりやすさの傾向を捉え説明することができる。

    [資料の散らばりと代表値]

    問題を解決するために,ヒストグラムや代表値などを用いて,資料の傾向を捉え説明することができる。

    [確率]くじびきが公平であるかどうかを解決するために,確率を用いて,不確定な事象の起こりやすさを捉え説明することができる。

    本授業アイディア例との関連 小学校:数学的な考え方の評価規準中学校:数学的な見方や考え方の評価規準

    最初にひく人のあたる確率は,3本のうち1本あたりなので,1/3である。一方,あとにひく人のあたる確率は樹形図をかいて考える。あたりくじを① はずれを2,3とすると

    全部で6通りのひき方があ2 ① ① り,あとにひいた人があたっ

    ① 2 3 ているのは,2通りなので。3 3 2 求める確率は,

    先 あと 先 あと 先 あと 2/6=1/3したがって,確率が同じなので, どちらも変わりはない。

    ○樹形図のよさに気付かせたいので,かき方を全体で確認しましょう。

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