22
数学Iadvance 3章「2次関数」 1 (教科書 p.94) 式を整理して(2 次式) 0 の形に変形できる方程式を( 1 2 次方程式 )という。 2 次方 程式は ൌ 0 と表される。ただし 0 とする。 (教科書 p.94) 2 次方程式 3 2 െ 8 ൌ 0 を解いてみよう。 左辺を因数分解すると ሺ 2ሻሺ3 െ 4ሻ ൌ 0 よって 2ൌ0 または 3 െ 4 ൌ 0 ゆえに,この 2 次方程式の解は ൌ െ2次の 2 次方程式を解け。 (1) 13 36 ൌ 0 13 36 ൌ 0 より ሺ 4ሻሺ 9ሻ ൌ 0 よって ൌ െ49 (2) 2 െ 48 ൌ 0 2 െ 48 ൌ 0 より ሺ 6ሻሺ െ 8ሻ ൌ 0 よって ൌ െ68 (3) 2 5 2 ൌ 0 2 5 2 ൌ 0 より ሺ െ 2ሻሺ2 െ 1ሻ ൌ 0 よって ൌ2(4) 6 െ 15 ൌ 0 6 െ 15 ൌ 0 より ሺ2 െ 3ሻሺ3 5ሻ ൌ 0 よって (教科書 p.94) 2 次方程式 ൌ 0 は,次のように変形できる。 ・・・・・・① 4 ≧ 0 のとき,平方根を求めて したがって,次の 2 次方程式の( 2 解の公式 )が成り立つ。 2 次方程式の解の公式 2 次方程式 ൌ 0 の解は 4 ≧ 0 のとき 2 次方程式 5 7 1 ൌ 0 を解いてみよう。 േ√ ସ∙ହ∙ଵ ଶ∙ହ ଶଽ 次の 2 次方程式を解け。 (1) 2 9 5 ൌ 0 ଽേ√ଽ ସ∙ଶ∙ହ ଶ∙ଶ ଽേ ସଵ (2) 3 7 1 ൌ 0 ସ∙ଷ∙ଵ ଶ∙ଷ (3) 6 െ 4 ൌ 0 ସ∙ଵ∙ ଶ∙ଵ േଶ ଵଷ 3േ 13 (4) 4 8 െ 3 ൌ 0 ସ∙ସ∙ ଶ∙ସ േସ ଶേ 2次方程式・2次不等式 1 2次方程式の解法 因数分解による解法 1 問1 解の公式による解法 問2

2次方程式・2次不等式 1 2次方程式の解法...数学Iadvance 3章「2次関数」 1 (教科書p.94) 式を整理して(2 次式) 0 の形に変形できる方程式を(1

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  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    1

    (教科書 p.94)

    式を整理して(2 次式) 0 の形に変形できる方程式を(1 2 次方程式 )という。𝑥 の 2 次方

    程式は

    𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0

    と表される。ただし 𝑎 0 とする。

    (教科書 p.94)

    2 次方程式 3𝑥 2𝑥 8 0 を解いてみよう。

    左辺を因数分解すると 𝑥 2 3𝑥 4 0

    よって 𝑥 2 0 または 3𝑥 4 0

    ゆえに,この 2 次方程式の解は 𝑥 2,

    次の 2 次方程式を解け。

    (1) 𝑥 13𝑥 36 0

    𝑥 13𝑥 36 0 より

    𝑥 4 𝑥 9 0

    よって 𝑥 4, 9

    (2) 𝑥 2𝑥 48 0

    𝑥 2𝑥 48 0 より

    𝑥 6 𝑥 8 0

    よって 𝑥 6,8

    (3) 2𝑥 5𝑥 2 0

    2𝑥 5𝑥 2 0 より

    𝑥 2 2𝑥 1 0

    よって 𝑥 2,

    (4) 6𝑥 𝑥 15 0

    6𝑥 𝑥 15 0 より

    2𝑥 3 3𝑥 5 0

    よって 𝑥 ,

    (教科書 p.94)

    2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 は,次のように変形できる。

    𝑥 ・・・・・・①

    𝑏 4𝑎𝑐 ≧ 0 のとき,平方根を求めて

    𝑥 √

    したがって,次の 2 次方程式の(2 解の公式 )が成り立つ。

    2 次方程式の解の公式

    2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の解は

    𝑏 4𝑎𝑐 ≧ 0 のとき 𝒙 𝒃 𝒃𝟐 𝟒𝒂𝒄

    𝟐𝒂

    2 次方程式 5𝑥 7𝑥 1 0 を解いてみよう。

    𝑥 √ ∙ ∙∙

    次の 2 次方程式を解け。

    (1) 2𝑥 9𝑥 5 0

    𝑥 √ ∙ ∙∙

    (2) 3𝑥 7𝑥 1 0

    𝑥 ∙ ∙∙

    (3) 𝑥 6𝑥 4 0

    𝑥 ∙ ∙∙

    √ 3 √13

    (4) 4𝑥 8𝑥 3 0

    𝑥 ∙ ∙∙

    √ √

    2 節 2次方程式・2次不等式

    1 2次方程式の解法

    因数分解による解法

    例 1

    問1

    解の公式による解法

    例 2

    問2

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    2

    2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 において,𝑏 2𝑏′ のとき,すなわち 𝑎𝑥 2𝑏′𝑥 𝑐 0 に解の公

    式を適用してみよう。

    𝑥 √

    √ √

    よって,2 次方程式 𝑎𝑥 2𝑏′𝑥 𝑐 0 の解は,次のようになる。

    𝑥 √ ・・・・・・②

    2 次方程式 7𝑥 6𝑥 3 0 を解いてみよう。

    𝑥 ∙ √

    解の公式②を利用して,次の 2 次方程式を解け。

    (1) 3𝑥 4𝑥 1 0

    𝑥 ∙ √

    (2) 6𝑥 14𝑥 5 0

    𝑥 ∙ √

    例 3

    問3

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    3

    (教科書 p.96)

    次の 3 つの 2 次方程式が,実数の解,すなわち(1 実数解 )をそれぞれいくつもつか調べ

    てみよう。

    𝑥 6𝑥 8 0 ・・・・・・①

    𝑥 6𝑥 9 0 ・・・・・・②

    𝑥 6𝑥 10 0 ・・・・・・③

    ①は,左辺を因数分解すると(2 𝑥 2 𝑥 4 0 )となり,(3 𝑥 2,4 )とい

    う異なる 2 つの実数解をもつ。

    ②は,左辺を因数分解すると(4 𝑥 3 0 )となり,(5 𝑥 3 )という 1 つの

    実数解をもつ。この解は,2 次方程式の 2 つの実数解が重なったものと考えることができ,これを

    (6 重解 )という。

    ③は,左辺を変形すると(7 𝑥 3 1 0 )となり,左辺はつねに 1 以上であるから,

    等式は成り立たない。よって,③は実数解をもたない。

    また,①,②,③に解の公式を適用すると,次のようになる。

    ①は(8 𝑥 ∙ ∙∙

    √ 4,2 )

    ②は(9 𝑥 ∙ ∙∙

    √ 3 )

    ③は(10 𝑥 ∙ ∙∙

    √ )

    ②では,根号の中の式 𝑏 4𝑎𝑐 の値が 0 となり,重解が得られる。また,③では 𝑏 4𝑎𝑐 の値は

    負になり,実数解は存在しない。

    一般に,2 次方程式の実数解の個数は,解の公式 𝑥 √ の根号の中の式 𝑏 4𝑎𝑐 の符号

    によって決まる。

    𝑏 4𝑎𝑐 を 2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の(11 判別式 )といい,記号 𝐷 で表す。

    すなわち (12 𝐷 𝑏 4𝑎𝑐 )

    2 次方程式の実数解の個数

    2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判別式を 𝐷 とすると

    1 𝐷 0 異なる 𝟐 つの実数解をもつ

    2 𝐷 0 𝟏 つの実数解(重解)をもつ

    3 𝐷 0 実数解をもたない

    1と2を合わせると,次のことが成り立つ。

    𝑫 ≧ 𝟎 ⇔ 実数解をもつ

    2 次方程式 5𝑥 9𝑥 3 0 の実数解の個数を調べてみよう。

    この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると 𝐷 9 4 ∙ 5 ∙ 3 21 0

    よって,この 2 次方程式の異なる実数解の個数は( 2 個 )である。

    次の 2 次方程式の実数解の個数を求めよ。

    (1) 7𝑥 4𝑥 1 0

    2 次方程式 7𝑥 4𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 4 4 ∙ 7 ∙ 1 44 0

    よって,実数解の個数は 2 個である。

    (2) 4𝑥 12𝑥 9 0

    2 次方程式 4𝑥 12𝑥 9 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 12 4 ∙ 4 ∙ 9 0

    よって,実数解の個数は 1 個である。

    (3) 𝑥 𝑥 1 0

    2 次方程式 𝑥 𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 1 4 ∙ 1 ∙ 1 3 0

    よって,実数解の個数は 0 個である。

    2 次方程式 4𝑥 7𝑥 𝑘 0 が異なる 2 つの実数解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。

    この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 7 4 ∙ 4 ∙ 𝑘 49 16𝑘k

    異なる 2 つの実数解をもつ条件は 𝐷 0 より 49 16𝑘 0

    ゆえに 𝑘

    2 次方程式 3𝑥 8𝑥 𝑘 0 が実数解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。

    3𝑥 8𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 8 4 ∙ 3 ∙ 𝑘 64 12𝑘

    実数解をもつ条件は 𝐷 ≧ 0 より

    64 12𝑘 ≧ 0

    ゆえに 𝑘 ≦

    2 2次方程式の実数解の個数 例 4

    問4

    1例題

    問5

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    4

    (教科書 p.98)

    2 次関数 𝑦 𝑥 4𝑥 3 ・・・・・・①

    のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,①において 𝑦 0 とし

    て得られる

    2 次方程式

    𝑥 4𝑥 3 0

    の解である。

    左辺を因数分解して

    𝑥 1 𝑥 3 0

    よって

    𝑥 1,3

    したがって,①のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は

    1, 3

    である。

    2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点

    2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフと

    𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,

    2 次方程式

    𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0

    の実数解である。

    次の 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標を求めよ。

    (1) 𝑦 𝑥 3𝑥 10

    𝑥 3𝑥 10 0

    𝑥 2 𝑥 5 0

    よって 𝑥 2,5

    (2) 𝑦 2𝑥 3𝑥 2

    2𝑥 3𝑥 2 0

    𝑥 2 2𝑥 1 0

    よって 𝑥 2,

    (3) 𝑦 9𝑥 6𝑥 1

    9𝑥 6𝑥 1 0

    9𝑥 6𝑥 1 0

    3𝑥 1 0

    よって 𝑥

    (4) 𝑦 𝑥 𝑥 1

    𝑥 𝑥 1 0

    𝑥 ∙ ∙

    3 2次関数のグラフと x 軸の共有点 グラフと x 軸の共有点の座標 例 5

    問6

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    5

    (教科書 p.99)

    2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数は,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の異な

    る実数解の個数に等しい。この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると,共有点の個数は 𝐷 の符号によっ

    て,次のように判定できる。

    𝐷 の符号 𝐷 0 𝐷 0 𝐷 0

    グラフと 𝑥 軸の

    共有点の個数 (1 2 個 ) (2 1 個 ) (3 0 個 )

    2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 3 について

    2 次方程式 𝑥 2𝑥 3 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 3

    16 0

    したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は

    ( 2 個ある。 )

    2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 2 について

    2 次方程式 𝑥 2𝑥 2 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 2

    4 0

    したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は

    ( ない。 )

    次の 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数を求めよ。

    (1) 𝑦 𝑥 4𝑥 3

    𝑥 4𝑥 3 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 3 4 0

    したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は 2 個ある。

    (2) 𝑦 𝑥 4𝑥 4

    𝑥 4𝑥 4 0 の判別式をDとすると

    𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 4 0

    したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は 1 個ある。

    (3) 𝑦 2𝑥 2𝑥 1

    2𝑥 2𝑥 1 0 の判別式をDとすると

    𝐷 2 4 ∙ 2 ∙ 1

    4 0

    したがって,この 2 次関数のグラフとx軸の共有点はない( 0 個)。

    (4) 𝑦 𝑥 𝑥

    𝑥 𝑥 0 の判別式をDとすると

    𝐷 1 4 ∙ 1 ∙

    3 0

    したがって,この 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点は 2 個ある。

    問7グラフと x 軸の共有点の個数

    例 6

    例 7

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    6

    (教科書 p.100)

    2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフと 𝑥 軸の位置関係は,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判別式を

    𝐷 とすると,次の表のようになる。

    2 次関数のグラフが 𝑥 軸とただ 1 点を共有するとき,そのグラフは 𝑥 軸に(7 接する )と

    いい,その共有点を(8 接点 )という。

    2 次関数 𝑦 𝑥 4𝑥 𝑘 のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数は,定数 𝑘 の値によってどのように

    変わるか。

    2 次方程式 𝑥 4𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 4 4 𝑘

    𝐷 0 となるのは 𝑘 4 のとき

    𝐷 0 となるのは 𝑘 4 のとき

    𝐷 0 となるのは 𝑘 4 のとき

    である。ゆえに,共有点の個数は

    𝑘 4 のとき 2 個

    𝑘 4 のとき 1 個

    𝑘 4 のとき 0 個

    2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 𝑘 のグラフと 𝑥 軸の共有点の個数は,定数 𝑘 の値によってどのように

    変わるか。

    𝑥 6𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 6 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 36 4𝑘 4 𝑘 9

    𝐷 0 となるのは 𝑘 9 のとき

    𝐷 0 となるのは 𝑘 9 のとき

    𝐷 0 となるのは 𝑘 9 のとき

    である。

    ゆえに,共有点の個数は

    𝑘 9 のとき 2 個

    𝑘 9 のとき 1 個

    𝑘 9 のとき 0 個

    グラフと x 軸の位置関係

    2 例題 応 用

    問8

    (4 2 個 )(5 1 個 )(6 0 個 )

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    7

    (教科書 p.101)

    放物線と直線の共有点の座標は,放物線と直線の方程式を連立させて解くことにより求めること

    ができる。

    放物線 𝑦 2𝑥 ・・・・・・①

    直線 𝑦 𝑥 6 ・・・・・・②

    について,これらの共有点の座標を求めてみよう。

    ①,②より,𝑦 を消去して

    2𝑥 𝑥 6

    すなわち

    2𝑥 𝑥 6 0

    左辺を因数分解して

    𝑥 2 2𝑥 3 0

    これを解くと

    𝑥 2,

    ②に代入して

    𝑥 2 のとき 𝑦 8

    𝑥 のとき 𝑦

    ゆえに,共有点の座標は

    2, 8 , ,

    放物線 𝑦 3𝑥 4 と直線 𝑦 12𝑥 16 の共有点の座標を求めよ。 𝑦 3𝑥 4 と 𝑦 12𝑥 16 より,𝑦 を消去して

    3𝑥 4 12𝑥 16

    すなわち 3𝑥 12𝑥 12 0

    𝑥 4𝑥 4 0

    𝑥 2 0

    よって 𝑥 2

    𝑦 12𝑥 16 に代入して 𝑦 8

    ゆえに,共有点の座標は 2, 8

    放物線 𝑦 𝑥 3 と直線 𝑦 2𝑥 𝑘 が共有点をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。 𝑦 𝑥 3 と 𝑦 2𝑥 𝑘 より,𝑦 を消去して

    𝑥 3 2𝑥 𝑘

    すなわち 𝑥 2𝑥 3 𝑘 0

    共有点をもつのは,この 2 次方程式の判別式 𝐷 の値が正または 0 のときである。

    𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 3 𝑘 4𝑘 8 4 𝑘 2

    よって 𝑘 2 ≧ 0

    ゆえに 𝑘 ≧ 2

    発 展 放物線と直線の共有点

    例 5

    問1

    問2

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    8

    (教科書 p.102)

    不等式

    𝑥 6𝑥 5 0,𝑥 2𝑥 3 ≦ 0

    などのように,左辺が 𝑥 の 2 次式,右辺が 0 となるように整理できる不等式を 𝑥 の

    (1 2 次不等式 )という。

    (教科書 p.102)

    1 次不等式 2𝑥 4 0

    を 1 次関数 𝑦 2𝑥 4 のグラフを利用して解いてみよう。

    この関数のグラフは右の図のような直線である。

    𝑦 0 となる 𝑥 の値は( 2 である。 )

    このグラフにおいて 𝑦 0 となる 𝑥 の値の範囲は x>2である。

    ( 𝑥 2 である。 )

    したがって,1 次不等式 2𝑥 4 0 の解は( 𝑥 2 )

    次に,1 次不等式 2𝑥 4 0 の解を求めてみよう。

    このグラフにおいて,𝑦 0 となる 𝑥 の値の範囲は

    ( 𝑥 2 である。 )

    したがって,1 次不等式 2𝑥 4 0 の解は( 𝑥 2 )

    グラフを利用して,次の不等式を解け。

    (1) 3𝑥 6 0

    グラフより,1 次不等式 3𝑥 6 0 の解は 𝑥 2

    (2) 𝑥 4 ≦ 0

    グラフより,1 次不等式 𝑥 4 ≦ 0 の解は 𝑥 ≧ 4

    (教科書 p.103)

    2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 3

    のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,2 次方程式

    𝑥 2𝑥 3 0

    の解

    ( 𝑥 1,3 )

    である。

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は,

    グラフで 𝑦 0 となる 𝑥 の値の範囲を求めて

    𝑥 1,3 𝑥

    同様に,2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は

    1 𝑥 3

    2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフは,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0

    の判別式を 𝐷 とすると,𝑫 𝟎 のとき,𝑥 軸と異なる 2 点で交わる。2

    つの交点の 𝑥 座標 𝛼,𝛽 は 2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の実数解である。

    2 次不等式の解(𝐷 0 のとき)

    2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 が 2 つの解 𝛼,𝛽 をもつとき,

    𝑎 0,𝛼 𝛽 ならば

    𝒂𝒙𝟐 𝒃𝒙 𝒄 𝟎 の解は 𝒙 𝜶,𝜷 𝒙

    𝒂𝒙𝟐 𝒃𝒙 𝒄 𝟎 の解は 𝜶 𝒙 𝜷

    4 2次不等式

    グラフと不等式

    例 8

    問9

    グラフが x 軸と異なる2点で交わる場合例 9

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    9

    次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 9𝑥 20 0 (2) 2𝑥 7𝑥 6 ≦ 0

    (1) 2 次方程式

    𝑥 9𝑥 20 0

    を解くと

    𝑥 4 𝑥 5 0

    より

    𝑥 4,5

    したがって,求める解は

    𝑥 4,5 𝑥

    (2) 2 次方程式

    2𝑥 7𝑥 6 0

    を解くと

    2𝑥 3 𝑥 2 0

    より

    𝑥 ,2

    したがって,求める解は ≦ 𝑥 ≦ 2

    次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 4𝑥 12 0

    2 次方程式 𝑥 4𝑥 12 0 を解くと

    𝑥 6 𝑥 2 0 より

    𝑥 2,6

    したがって,求める解は

    2 𝑥 6

    (2) 2𝑥 6𝑥 0

    2 次方程式 2𝑥 6𝑥 0 を解くと

    2𝑥 𝑥 3 0 より

    𝑥 0,3

    したがって,求める解は

    𝑥 0, 3 𝑥

    (3) 𝑥 4𝑥 21 ≦ 0

    2 次方程式 𝑥 4𝑥 21 0 を解くと

    𝑥 3 𝑥 7 0 より

    𝑥 3, 7

    したがって,求める解は

    7 ≦ 𝑥 ≦ 3

    (4) 3𝑥 𝑥 4 ≧ 0

    2 次方程式 3𝑥 𝑥 4 0 を解くと

    𝑥 1 3𝑥 4 0 より

    𝑥 1,

    したがって,求める解は

    𝑥 ≦ ,1 ≦ 𝑥

    3 例題

    問 10

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    10

    𝛼 𝛽 ならば 𝒙 𝜶 𝒙 𝜷 𝟎 の解は 𝒙 𝜶,𝜷 𝒙

    𝒙 𝜶 𝒙 𝜷 𝟎 の解は 𝜶 𝒙 𝜷

    次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 1 𝑥 2 0

    𝑥 1 𝑥 2 0 の解が 𝑥 1,2

    より, 𝑥 1 𝑥 2 0 の解は

    1 𝑥 2

    (2) 2𝑥 1 𝑥 3 0

    2𝑥 1 𝑥 3 0 の解が 𝑥 3,

    より, 2𝑥 1 𝑥 3 0 の解は

    𝑥 3, 𝑥

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 を解け。

    2 次方程式

    𝑥 2𝑥 1 0

    を解くと

    𝑥 1 √2

    したがって,求める解は

    1 √2 𝑥 1 √2

    次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 2𝑥 4 0

    2 次方程式 𝑥 2𝑥 4 0 を解くと

    𝑥 1 √5

    したがって,求める解は

    𝑥 1 √5, 1 √5 𝑥

    (2) 𝑥 4𝑥 1 ≦ 0

    2 次方程式 𝑥 4𝑥 1 0 を解くと

    𝑥 2 √3

    したがって,求める解は

    2 √3 ≦ 𝑥 ≦ 2 √3

    (3) 𝑥 4𝑥 6 0

    2 次方程式 𝑥 4𝑥 6 0 を解くと

    𝑥 2 √10

    したがって,求める解は

    2 √10 𝑥 2 √10

    (4) 2𝑥 7𝑥 4 ≧ 0

    2 次方程式 2𝑥 7𝑥 4 0 を解くと

    𝑥 √

    したがって,求める解は

    𝑥 ≦ √ , √ ≦ 𝑥

    問 11

    4 例題

    問 12

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    11

    𝒙𝟐 の係数が負の 2 次不等式は両辺に 𝟏 を掛けて 𝑥 の係数が正となるように変形して考えれば

    よい。

    2 次不等式 𝑥 4𝑥 2 0 を解け。

    𝑥 4𝑥 2 0 の両辺に 1 を掛けると

    𝑥 4𝑥 2 0

    2 次方程式

    𝑥 4𝑥 2 0

    を解くと

    𝑥 2 √2

    したがって,求める解は

    2 √2 𝑥 2 √2

    次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 2𝑥 2 0

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 2 0 の両辺に 1 を掛けると

    𝑥 2𝑥 2 0

    2 次方程式 𝑥 2𝑥 2 0 を解くと

    𝑥 1 √3

    したがって,求める解は

    𝑥 1 √3,1 √3 𝑥

    (2) 𝑥 𝑥 6 ≧ 0

    2 次不等式 𝑥 𝑥 6 ≧ 0 の両辺に 1 を掛けると

    𝑥 𝑥 6 ≦ 0

    2 次方程式 𝑥 𝑥 6 0 を解くと

    𝑥 2 𝑥 3 0 より

    𝑥 2,3

    したがって,求める解は

    2 ≦ 𝑥 ≦ 3

    5 例題

    問 13

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    12

    (教科書 p.106)

    2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフは,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判

    別式を 𝐷 とすると,𝑫 𝟎 のとき,𝑥 軸に接する。

    この接点の 𝑥 座標 𝛼 は,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の重解である。

    グラフを利用して,2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 を解いてみよう。

    2 次方程式 𝑥 2𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 1 0

    よって,2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物

    線で,𝑥 軸に接する。

    接点の 𝑥 座標は,2 次方程式

    𝑥 2𝑥 1 0

    の重解( 𝑥 1 )である。右の図から

    𝑥 1 のとき 𝑦 0

    𝑥 1 のとき 𝑦 0

    したがって

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 の解は

    1 以外のすべての実数

    同様に考えると

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 0 の解は( なし )

    また

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 ≧ 0 の解は( すべての実数 )

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 1 ≦ 0 の解は( 𝑥 1 )

    次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 4𝑥 4 0

    𝑥 4𝑥 4 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 4 4 ∙ 1 ∙ 4 0

    であるから,2 次関数 𝑦 𝑥 4𝑥 4 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。

    接点の 𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 4𝑥 4 0 の重解

    𝑥 2 である。

    したがって,求める解は

    2 以外のすべての実数

    (2) 4𝑥 4𝑥 1 0

    4𝑥 4𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 4 4 ∙ 4 ∙ 1 0

    よって,2 次関数 𝑦 4𝑥 4𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。した

    がって,求める解は

    なし

    (3) 𝑥 10𝑥 25 ≧ 0

    2 次不等式 𝑥 10𝑥 25 ≧ 0 の両辺に 1 を掛けると

    𝑥 10𝑥 25 ≦ 0

    𝑥 10𝑥 25 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 10 4 ∙ 1 ∙ 25 0

    よって,2 次関数 𝑦 𝑥 10𝑥 25 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。接

    点の 𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 10𝑥 25 0 の重解

    𝑥 5 である。

    したがって,求める解は

    𝑥 5

    (4) 9𝑥 6𝑥 1 ≧ 0

    9𝑥 6𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 6 4 ∙ 9 ∙ 1 0

    よって,2 次関数 𝑦 9𝑥 6𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。

    したがって,求める解は

    すべての実数

    グラフが x 軸に接する場合

    例 10

    問 14

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    13

    (教科書 p.107)

    2 次関数 𝑦 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 のグラフは,2 次方程式 𝑎𝑥 𝑏𝑥 𝑐 0 の判別式を 𝐷 とすると,𝑫 𝟎

    のとき,𝑥 軸と共有点をもたない。

    2 次方程式 𝑥 2𝑥 3 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 2 4 ∙ 1 ∙ 3 8 0

    よって,2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 3 のグラフは,下に凸の

    放物線で,𝑥 軸と共有点をもたない。

    ゆえに,右の図からつねに 𝑦 0 が成り立つ。

    したがって

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は

    ( すべての実数 )

    また,2 次不等式 𝑥 2𝑥 3 0 の解は( なし )

    次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 3𝑥 5 0

    𝑥 3𝑥 5 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 3 4 ∙ 1 ∙ 5 11 0

    よって,2 次関数 𝑦 𝑥 3𝑥 5 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた

    ない。

    したがって,求める解は

    すべての実数

    (2) 2𝑥 𝑥 1 0

    2𝑥 𝑥 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 1 4 ∙ 2 ∙ 1 7 0

    よって,2 次関数 𝑦 2𝑥 𝑥 1 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた

    ない。

    したがって,求める解は

    なし

    (3) 2𝑥 3𝑥 4 ≧ 0

    2𝑥 3𝑥 4 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 3 4 ∙ 2 ∙ 4 23 0

    よって,2 次関数 𝑦 2𝑥 3𝑥 4 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた

    ない。

    したがって,求める解は

    すべての実数

    (4) 5𝑥 6𝑥 2 ≦ 0

    5𝑥 6𝑥 2 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 6 4 ∙ 5 ∙ 2 4 0

    よって,2 次関数 𝑦 5𝑥 6𝑥 2 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもた

    ない。

    したがって,求める解は

    なし

    グラフが x 軸と共有点をもたない場合

    例 11

    問 15

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    14

    2 次不等式 𝑥 2𝑥 𝑘 0 の解がすべての実数であるような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。

    2 次方程式 𝑥 2𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 4 4𝑘

    2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑥 𝑘 の 𝑥 の係数が正であるから,求める条件は

    𝐷 0 である。

    よって

    4 4𝑘 0

    ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は

    𝑘 1

    2 次不等式 𝑥 3𝑥 𝑘 0 の解がすべての実数であるような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。

    2 次方程式 𝑥 3𝑥 𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 3 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 9 4𝑘

    2 次関数 𝑦 𝑥 3𝑥 𝑘 の 𝑥 の係数が正であるから,求める条件は 𝐷 0 である。

    よって 9 4𝑘 0

    ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は

    𝑘

    (教科書 p.108)

    これまでに学んだことを整理すると,𝑥 の係数が正のときの 2 次不等式の解は次のようにまとめ

    られる。

    𝟐 次不等式の解( 𝒂 𝟎 のとき)

    6 例題

    問 16

    2次不等式のまとめ

    異なる 2 つの

    実数解 𝛼,𝛽

    𝛼 𝛽

    1 つの実数解

    𝛼

    (重解)

    実数解なし

    𝑥 𝛼,𝛽 𝑥 𝛼 以外のすべ

    ての実数 すべての実数

    𝛼 𝑥 𝛽

    𝑥 ≦ 𝛼,𝛽 ≦ 𝑥 すべての実数 すべての実数

    なし なし

    なし 𝛼 ≦ 𝑥 ≦ 𝛽 𝑥 𝛼

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    15

    (教科書 p.109)

    連立不等式 𝑥 2𝑥 8 0 ⋯ ⋯ ①5𝑥 5 0 ⋯ ⋯ ②

    を解いてみよう。

    不等式①を解くと, 𝑥 2 𝑥 4 0 より

    2 𝑥 4 ・・・・・・③

    不等式②を解くと

    𝑥 1 ・・・・・・④

    求める解は③,④の共通の範囲であるから

    1 𝑥 4

    連立不等式 𝑥 𝑥 2 ≧ 0 ⋯ ⋯ ①𝑥 3𝑥 10 0 ⋯ ⋯ ②

    を解いてみよう。

    不等式①を解くと, 𝑥 1 𝑥 2 ≧ 0 より

    𝑥 ≦ 1,2 ≦ 𝑥 ・・・・・・③

    不等式②を解くと, 𝑥 2 𝑥 5 0 より

    2 𝑥 5 ・・・・・・④

    求める解は③,④の共通の範囲であるから

    2 𝑥 ≦ 1,2 ≦ 𝑥 5

    次の連立不等式を解け。

    (1) 𝑥 𝑥 12 ≧ 0 𝑥 7𝑥 10 ≦ 0

    𝑥 𝑥 12 ≧ 0 ⋯ ⋯①𝑥 7𝑥 10 ≦ 0 ⋯ ⋯②

    不等式①を解くと, 𝑥 3 𝑥 4 ≧ 0 より

    𝑥 ≦ 4,3 ≦ 𝑥 ……③

    不等式②を解くと, 𝑥 2 𝑥 5 ≦ 0 より

    2 ≦ 𝑥 ≦ 5 ……④

    求める解は③,④の共通の範囲であるから

    3 ≦ 𝑥 ≦ 5

    (2) 𝑥 5𝑥 0 𝑥 4𝑥 12 0

    𝑥 5𝑥 0 ⋯ ⋯①𝑥 4𝑥 12 0 ⋯ ⋯②

    不等式①を解くと,𝑥 𝑥 5 0 より

    5 𝑥 0 ……③

    不等式②を解くと, 𝑥 2 𝑥 6 0 より

    6 𝑥 2 ……④

    求める解は③,④の共通の範囲であるから

    5 𝑥 0

    5 2次不等式の応用 連立不等式

    例 12

    例 13

    問 17

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    16

    周の長さが 50cm,面積が 100cm 以上 150cm 以下である長方形

    において,縦の長さはどのような範囲にあるか。

    縦の長さを 𝑥cm とすると,横の長さは 25 𝑥 cm であり,

    𝑥 0,25 𝑥 0 であるから

    0 𝑥 25 ・・・・・・①

    また,長方形の面積は 𝑥 25 𝑥 cm と表され,この値が 100cm 以上 150cm 以下であるか

    100 ≦ 𝑥 25 𝑥 ≦ 150 ・・・・・・②

    ②の 100 ≦ 𝑥 25 𝑥 より

    𝑥 25𝑥 100 ≦ 0

    これを解くと 5 ≦ 𝑥 ≦ 20 ・・・・・・③

    ②の 𝑥 25 𝑥 ≦ 150 より

    𝑥 25𝑥 150 ≧ 0

    これを解くと 𝑥 ≦ 10,15 ≦ 𝑥 ・・・・・・④

    ①,③,④を同時に満たす 𝑥 の値の範囲を求めると

    5 ≦ 𝑥 ≦ 10,15 ≦ 𝑥 ≦ 20

    したがって,縦の長さは

    5cm 以上 10cm 以下 または 15cm 以上 20cm 以下

    長さ 34cm の針金を折り曲げて長方形の枠をつくり,その対角線の長さを 13cm 以下にしたい。

    長方形の横の長さを縦の長さ以上とするとき,縦の長さをどのような範囲にすればよいか。

    長方形の縦の長さを 𝑥cm とすると,横の長さは 17 𝑥 cm である。

    また,辺の長さは正であり,横の長さは縦の長さ以上であるから

    0 𝑥 ≦ 17 𝑥 より

    0 𝑥 ≦ …… ①

    一方,対角線の長さの条件より

    𝑥 17 𝑥 ≦ 13

    𝑥 17 𝑥 ≦ 13

    𝑥 17𝑥 60 ≦ 0

    𝑥 5 𝑥 12 ≦ 0

    これを解くと

    5 ≦ 𝑥 ≦ 12…… ②

    ①,②より

    5 ≦ 𝑥 ≦

    7 例題

    問 18

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    17

    (教科書 p.111)

    2 次方程式 𝑥 2𝑘𝑥 𝑘 6 0 が異なる 2 つの正の解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求

    めよ。

    この方程式が異なる 2 つの正の解をもつための条件は,

    2 次関数 𝑦 𝑥 2𝑘𝑥 𝑘 6 のグラフが 𝑥 軸の正の部分と異

    なる 2 点で交わることである。このグラフは下に凸の放物線で

    あるから,これは次の 3 つの条件が成り立つことと同値である。

    [1] 𝑥 軸と異なる 2 点で交わる

    [2] 軸が 𝑥 0 の部分にある

    [3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標が正

    すなわち

    [1] 2 次方程式 𝑥 2𝑘𝑥 𝑘 6 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 0 となるから( 4𝑘 4 𝑘 6 0 )

    よって

    ( 𝑘 2,3 𝑘 )・・・・・・①

    [2] 軸は直線 𝑥 𝑘 で,正となるから( 𝑘 0 )

    よって

    ( 𝑘 0 ) ・・・・・・②

    [3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標 𝑘 6 が正であるから( 𝑘 6 0 )

    よって

    ( 𝑘 6 ) ・・・・・・③

    ①,②,③を同時に満たす 𝑘 の値の範囲を求めると

    6 𝑘 2

    2 次方程式 𝑥 𝑘𝑥 𝑘 3 0 が異なる 2 つの負の解をもつような定数 𝑘 の値の範囲を求め

    よ。

    この方程式が異なる 2 つの負の解をもつための条件は,2 次関数 𝑦 𝑥 𝑘𝑥 𝑘 3 のグラ

    フが 𝑥 軸の負の部分と異なる 2 点で交わることである。

    このグラフは下に凸の放物線であるから,これは次の 3 つの条件が成り立つことと同値であ

    る。

    [1] 𝑥 軸と異なる 2 点で交わる

    [2] 軸が 𝑥 0 の部分にある

    [3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標が正

    すなわち

    [1] 2 次方程式 𝑥 𝑘𝑥 𝑘 3 0 の判別式を 𝐷 とすると,𝐷 0 となるから

    𝑘 4 𝑘 3 0

    よって 𝑘 2,6 𝑘 ……①

    [2] 軸は直線 𝑥 で,負となるから

    0

    よって 𝑘 0 ……②

    [3] 𝑦 軸との交点の 𝑦 座標 𝑘 3 が正であるから

    𝑘 3 0

    よって 𝑘 3 …… ③

    ①,②,③を同時に満たす 𝑘 の値の範囲を求めると

    3 𝑘 2

    2次方程式の解の符号

    8 例題 応 用

    問 19

    ①①②

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    18

    (教科書 p.112)

    8 次の2 次方程式を解け。

    (1) 𝑥 9𝑥 6 0 𝑥 9𝑥 6 0

    𝑥 12𝑥 8 0

    よって

    𝑥 6 √28 6 2√7

    (2) 3𝑥 7√2𝑥 4 0 3𝑥 7√2𝑥 4 0

    よって

    𝑥 √ √ √ √

    すなわち

    𝑥 2√2,√

    9 2 次方程式 𝑥 8𝑥 𝑘 0 の 1 つの解が 4 √3 であるとき,定数 𝑘 の値を求めよ。また,他

    の解を求めよ。

    𝑥 4 √3 を与えられた方程式に代入して

    ` 4 √3 8 4 √3 𝑘 0

    よって,𝑘 13 0 より 𝑘 13

    このとき,与えられた方程式は

    𝑥 8𝑥 13 0

    よって 𝑥 4 √3

    ゆえに 𝑘 13

    他の解は 𝑥 4 √3

    10 2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 4 のグラフが 𝑥 軸から切り取る線分の長さを求めよ。

    与えられた 2 次関数のグラフと 𝑥 軸の共有点の 𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 6𝑥 4 0 を解いて

    𝑥 3 √5

    したがって,求める長さは

    3 √5 3 √5 2√5

    11 2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 2𝑘 1 のグラフと 𝑥 軸が異なる 2 点で交わるような定数 𝑘 の値の範囲

    を求めよ。

    𝑥 6𝑥 2𝑘 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 6 4 ∙ 1 ∙ 2𝑘 1

    32 8𝑘

    8 4 𝑘

    異なる 2 点で交わる条件は 𝐷 0 より

    4 𝑘 0

    ゆえに 𝑘 4

    問 題

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    19

    12 次の 2 次不等式を解け。

    (1) 𝑥 4𝑥 7 ≧ 0 2 次方程式 𝑥 4𝑥 7 0 を解くと

    𝑥 2 √11

    したがって,求める解は

    𝑥 ≦ 2 √11, 2 √11 ≦ 𝑥

    (2) 3𝑥 2𝑥 6 3𝑥 2𝑥 6 より

    2𝑥 3𝑥 6 0

    2𝑥 3𝑥 6 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 3 4 ∙ 2 ∙ 6 39 0

    よって,2 次関数 𝑦 2𝑥 3𝑥 6 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもたな

    い。

    したがって,求める解はすべての実数

    (3) 𝑥 12𝑥 36 ≦ 0 𝑥 12𝑥 36 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 12 4 ∙ 1 ∙ 36 0

    よって,2 次関数 𝑦 𝑥 12𝑥 36 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸に接する。接点の

    𝑥 座標は,2 次方程式 𝑥 12𝑥 36 0 の重解 𝑥 6 である。

    したがって,求める解は 𝑥 6 (4) 3𝑥 6𝑥 1 2𝑥 17

    3𝑥 6𝑥 1 2𝑥 17 より

    𝑥 6𝑥 18 0

    𝑥 6𝑥 18 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 6 4 ∙ 1 ∙ 18 36 0

    よって,2 次関数 𝑦 𝑥 6𝑥 18 のグラフは,下に凸の放物線で 𝑥 軸と共有点をもたな

    い。

    したがって,求める解はなし

    13 2 次方程式 𝑥 𝑘 1 𝑥 𝑘 2 0 について,次の問に答えよ。

    (1) 重解をもつような定数 𝑘 の値を求めよ。 (2) 実数解をもたないような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。 この 2 次方程式の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 𝑘 1 4 ∙ 1 ∙ 𝑘 2 𝑘 2𝑘 7

    (1) 重解をもつ条件は 𝐷 0 より 𝑘 2𝑘 7 0

    よって 𝑘 1 2√2

    (2) 実数解をもたない条件は 𝐷 0 より 𝑘 2𝑘 7 0

    よって 1 2√2 𝑘 1 2√2

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    20

    14 次の 2 次不等式の解がすべての実数であるような定数 𝑘 の値の範囲を求めよ。

    (1) 2𝑥 𝑘𝑥 𝑘 1 0 2 次方程式 2𝑥 𝑘𝑥 𝑘 1 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 𝑘 4 ∙ 2 ∙ 𝑘 1

    𝑘 8𝑘 8

    2 次関数 𝑦 2𝑥 𝑘𝑥 𝑘 1 の 𝑥 の係数が正であるから,求める条件は 𝐷 0 である。

    よって 𝑘 8𝑘 8 0

    2 次方程式 𝑘 8𝑘 8 0 を解くと

    𝑘 4 2√6

    ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は

    4 2√6 𝑘 4 2√6

    (2) 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 ≧ 0

    2 次関数 𝑦 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 のグラフが 𝑥 軸と共有点をもたないか,または接するよう

    にすればよい。

    2 次方程式 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 0 の判別式を 𝐷 とすると

    𝐷 𝑘 3 4 ∙ 1 ∙ 4𝑘

    𝑘 10𝑘 9

    2 次関数 𝑦 𝑥 𝑘 3 𝑥 4𝑘 の 𝑥 の係数が正であるから,グラフが 𝑥 軸と共有点をも

    たないか,または接する条件は 𝐷 ≦ 0 である。

    よって 𝑘 10𝑘 9 ≦ 0

    2 次方程式 𝑘 10𝑘 9 0 を解くと

    𝑘 1,9

    ゆえに,求める 𝑘 の値の範囲は

    1 ≦ 𝑘 ≦ 9

    15 次の不等式を解け。

    (1) 𝑥 9𝑥 18 0 𝑥 8𝑥 7 0

    𝑥 9𝑥 18 0 ⋯ ⋯①𝑥 8𝑥 7 0 ⋯ ⋯②

    不等式①を解くと, 𝑥 3 𝑥 6 0 より

    𝑥 3,6 𝑥 ……③

    不等式②を解くと, 𝑥 1 𝑥 7 0 より

    1 𝑥 7 ……④

    求める解は③,④の共通の範囲であるから

    1 𝑥 3,6 𝑥 7

    (2) 𝑥 𝑥 2 0 3𝑥 10𝑥 3 ≦ 0

    𝑥 𝑥 2 0 ⋯ ⋯①3𝑥 10𝑥 3 ≦ 0 ⋯ ⋯②

    不等式①を解くと, 𝑥 2 𝑥 1 0 より

    2 𝑥 1 ……③

    不等式②を解くと, 3𝑥 1 𝑥 3 ≦ 0 より

    ≦ 𝑥 ≦ 3 ……④

    求める解は③,④の共通の範囲であるから

    ≦ 𝑥 1

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    21

    (3) 20 ≦ 2𝑥 13𝑥 15 20 ≦ 2𝑥 13𝑥 15 より

    20 ≦ 2𝑥 13𝑥 ⋯ ⋯①2𝑥 13𝑥 15 ⋯ ⋯②

    ①より 2𝑥 13𝑥 20 ≧ 0

    これを解くと, 𝑥 4 2𝑥 5 ≧ 0 より

    𝑥 ≦ ,4 ≦ 𝑥 ……③

    ②より 2𝑥 13𝑥 15 0

    これを解くと, 𝑥 1 2𝑥 15 0 より

    1 𝑥 …… ④

    求める解は③,④の共通の範囲であるから

    1 𝑥 ≦ ,4 ≦ 𝑥

    16 2 次方程式 3𝑥 12𝑥 12 𝑘 0 が正の解と負の解を 1 つずつもつような定数 𝑘 の値の範

    囲を求めよ。

    この方程式が正の解と負の解を 1 つずつもつための条件は,2 次関数 𝑦 3𝑥 12𝑥 12 𝑘

    のグラフが 𝑥 軸の正の部分および負の部分とそれぞれ交わることである。

    このグラフは下に凸の放物線であるから,これは次の条件が成り立つことと同値である。

    𝑦 軸との交点の 𝑦 座標 12 𝑘 が負となる。

    よって 12 𝑘 0

    すなわち 𝑘 12 0

    2 次方程式 𝑘 12 0 を解くと

    𝑘 2√3

    ゆえに

    𝑘 2√3,2√3 𝑘

  • 数学Iadvance 3章「2次関数」

    22

    (教科書 p.113)

    関数 𝑦 |𝑥| のグラフについて考えてみよう。

    𝑥 ≧ 0 のとき 𝑦 𝑥

    𝑥 0 のとき 𝑦 𝑥

    よって,関数 𝑦 |𝑥| のグラフは右の図のようになる。

    さらに,絶対値を含むいろいろな関数のグラフをかいてみよう。

    関数 𝑦 |𝑥 1| について考えてみよう。

    𝑥 1 ≧ 0 すなわち 𝑥 ≦ 1,1 ≦ 𝑥 のとき

    y=x2-1𝑦 𝑥 1

    𝑥 1 0 すなわち 1 𝑥 1 のとき

    y=-x2+1 𝑦 𝑥 1

    したがって,𝑦 |𝑥 1| のグラフは

    右の図の実線部分のようになる。

    このグラフは,放物線

    𝑦 𝑥 1

    の 𝑥 軸より下側の部分を 𝑥 軸に関して対称に折り返した曲線である。

    次の関数のグラフをかけ。

    𝑦 |𝑥 𝑥 2|

    𝑥 𝑥 2 𝑥 1 𝑥 2

    𝑥 1 𝑥 2 ≧ 0 すなわち 𝑥 ≦ 2,1 ≦ 𝑥 のとき

    𝑦 𝑥 𝑥 2

    𝑥 1 𝑥 2 0 すなわち 2 𝑥 1 のとき

    𝑦 𝑥 𝑥 2

    したがって,𝑦 |𝑥 𝑥 2| のグラフは,図の実線のようになる。

    関数 𝑦 |𝑥 1| |𝑥 2| のグラフを

    (i) 𝑥 1 (ii) 1 ≦ 𝑥 2 (iii) 2 ≦ 𝑥 の 3 つの場合に分けて考えることによってかけ。

    (ⅰ) 𝑥 1 のとき

    𝑦 𝑥 1 𝑥 2 2𝑥 3

    (ⅱ) 1 ≦ 𝑥 2 のとき

    𝑦 𝑥 1 𝑥 2 1

    (ⅲ) 2 ≦ 𝑥 のとき

    𝑦 𝑥 1 𝑥 2 2𝑥 3

    したがって,𝑦 |𝑥 1| |𝑥 2| のグラフは,図の実線のようになる。

    参 考 絶対値を含む関数のグラフ

    例 1

    問1

    問2