37
2回:海洋数値モデルの概要 海洋大循環モデル 海洋プリミティブ方程式 圧力項、粘性・拡散項の取り扱い 境界条件 初期値・境界値問題 海洋モデルの種類 地球流体力学的現象 地衡流平衡と温度風平衡 海洋アイソスタシーとリモートセンシング どこまでダウンスケールできるか

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第2回:海洋数値モデルの概要

海洋大循環モデル海洋プリミティブ方程式圧力項、粘性・拡散項の取り扱い境界条件初期値・境界値問題海洋モデルの種類地球流体力学的現象地衡流平衡と温度風平衡海洋アイソスタシーとリモートセンシングどこまでダウンスケールできるか

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海洋大循環モデル地球流体力学的な現象を数値的に表現する数値モデル地球流体力学的現象:地球回転と成層の効果が支配的な現象

気象研究所技術報告47

(2005)

海洋大循環モデルの適用範囲

本講義

1時間

1km

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支配方程式系非圧縮性流体のプリミティブ方程式、ブシネスク近似

)(

)(

),(

0

)(1

)()(1

)()(1

00

0

0

拡散項

拡散項

粘性項

外力項粘性項

外力項粘性項

dt

dS

dt

dT

ST

z

w

y

v

x

u

gz

p

dt

dw

y

pfu

dt

dv

x

pfv

dt

du

回転項(コリオリ項)

zw

yv

xu

tdt

d

hz

0zx

y

座標系

z

時間変化項移流項(慣性項)

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密度は基本場からの変化を考慮

)(

)(

))(,,(

0

)(1

)()(1

)()(1

0

00

0

0

拡散項

拡散項

粘性項

外力項粘性項

外力項粘性項

dt

dS

dt

dT

zpST

z

w

y

v

x

u

gz

p

dt

dw

y

pfu

dt

dv

x

pfv

dt

du

o

0

zw

yv

xu

tdt

d

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静水圧近似

)(1

00

粘性項

g

z

p

dt

dw

LsmL

sm

UL

W

dt

dw 1

/1/

/1

/~~~

11010 1

0

~~ g

急峻な斜面に伴って1m/sオーダーの鉛直流が生じるような極端な条件を考えても、解像する現象が1mオーダー程度でなければ(格子間隔が1m程度でなければ)

0)()(

dt

dwgO

dt

dwO

o

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標準的な海洋数値モデルの方程式系

)(

)(

))(,,(

0

10

)()(1

)()(1

0

00

0

0

拡散項

拡散項

外力項粘性項

外力項粘性項

dt

dS

dt

dT

zpST

z

w

y

v

x

u

gz

p

y

pfu

dt

dv

x

pfv

dt

du

o

非圧縮粘性流体、ブシネスク近似、静水圧近似 プリミティブ方程式系本講義で取り扱うsbPOM

zw

yv

xu

tdt

d

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圧力項の表現と海面水位変化g

z

p

00

10

gzgdp

zpzgdp

z

zz

z

zz

0

0

0

)0(

は海面の水位(海面高度)

0

z

w

y

v

x

u

鉛直積分

鉛直積分

dzy

v

x

u

tw

z

hzz

0

0

水位の時間発展方程式

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乱流の取り扱い:「粘性・拡散」項

分子粘性、分子拡散は、無視できる

海洋現象は基本的に乱流であり、用いている時空間解像度では必ず表現できない流れが存在する

x

uu

x

uu

x

uu

0 uuuu

x

uK

xx

uu M~

渦粘性係数による粘性・拡散表現乱流モデル(第5回)

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境界条件

海表面: 風応力海底面: 摩擦応力

運動量

yxM

z

v

z

uK

,

1,

0

陸岸境界: 垂直方向は陸岸で0、並行方向は陸岸で値が半分(ハーフスリップ)

水温

p

S

z

HC

Q

z

TK

00

海表面:大気との淡水フラックス海底面:ゼロ

陸岸境界: フラックスはゼロ

塩分

0

0

z

z

H SWz

SK

海表面:大気との熱交換フラックス海底面:ゼロ

陸岸境界:河口以外はゼロ

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側面境界条件

,,,, STVU

計算領域

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偏微分方程式の初期値・境界値問題

時間初期値

予報変数

初期値

予報変数

初期値

予報変数

初期値

予報変数

境界値 境界値 境界値 境界値

予報変数 予報変数 予報変数 予報変数外力 外力 外力 外力

河口流量

海上風

熱フラックス淡水フラックス

側面境界条件

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海洋大循環モデルの種類鉛直座標系のとり方によって、主に三種類のモデルがある

z座標系モデル (MOM, MITgcm, MRI.COM … )

重力に垂直な面を鉛直座標とする海洋大循環モデル計算変数の保存性に優れ、長期間の計算に適する気候モデル

σ座標系モデル (POM, ROMS,…)

海底面に沿った面を鉛直座標とする海洋大循環モデル浅海部と深海部で計算する鉛直層数が変わらないので水深が場所によって大きく変化する沿岸海洋の計算に適する沿岸モデル

密度座標系モデル (HYCOM, NLOM, …)

等密度面に沿った面を鉛直座標とする海洋大循環モデル等密度面に沿った運動が卓越する外洋の計算に適する外洋モデル

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z座標とσ座標

(Mellor et al. 2002)

z座標

σ座標

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海洋大循環モデルの計算対象

m2104

m5104

m7103

地球流体力学的な海洋現象地球自転と成層の効果がともに重要な時空間スケール

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地球自転の効果

現象が生じている時間

自転に要する時間

UL /

/2

現象の時間スケール

現象の空間スケール

自転の角速度

U

L

回転の効果

εが1のオーダー以下になると,回転の効果が効く

風呂桶の渦 三陸沖の渦 大赤班

3

1

2

4

1016.2

101

104

1064.8

1

5

4

1016.2

1

104

1064.8

1

2

7

4

102.1

101

103

106.3

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成層の効果

成層の効果

位置エネルギー運動エネルギー

gH

U

2

02

1

ρ0

U

ρ0+Δρ

H

σが1のオーダー以下になると,成層の効果が効く

回転も成層も同時に効くような時空間スケールとは?

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地球規模流体の時空間スケール

UL

2~ε~σ~1の場合,

0

2

gHU

0

22

gHL

から,

大気

25 /81.9)/1(1029.7 smgs 地球

回転も成層も同時に効くような時空間スケールは,

5000/03.0/2.1 32

0 Hmkgmkg

海洋1000/2/1028 32

0 Hmkgmkg

smUkmL /303000 ~~

smUkmL /6500 ~~

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地衡流平衡と温度風平衡地衡流平衡

水平圧力勾配コリオリ力

y

pfu

x

pfv

00

11

静水圧平衡

gz

p

0

温度風平衡

yfz

u

xf

g

z

v

00

1

高度が高いほど,風速(流速)が大きい

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大気の大規模なジェットの構造偏西風の鉛直構造

http://mausam.hyarc.nagoya-u.ac.jp/~koba/meteor/meteor-dic/tempwind.html

16,000m

0m

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海洋の大規模なジェットの構造黒潮の鉛直構造

http://www.esst.kyushu-u.ac.jp/~dmp/study/gaiyo.html

-1000m

-6000m

0m

偏西風に比べて空間スケールが1/10以下

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地衡流平衡にある渦地衡流平衡

水平圧力勾配コリオリ力

y

pfu

x

pfv

00

11

高気圧性の渦 低気圧性の渦

圧力分布

コリオリ力コリオリ力

圧力勾配圧力勾配

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海洋の大規模なジェットの構造

interface

y

z

ρ+Δρ

ρ

surface

温度風平衡しているジェットでは,ほぼアイソスタシーが成立している

y

pfu

0

1

海面高度

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リモートセンシングによる海洋内部構造推定の原理

第1層

第2層

interface

y

z

ρ+Δρ

ρ

surface

Ih

海面高度

h: 層厚

H: 水深

第一層の圧力勾配 gzg 00

z

z

第二層の圧力勾配 )(000 hggzhggh

アイソスタシーが成立第二層の圧力勾配がゼロ,すなわち

)()(0 hhhghgg II

静水圧平衡を仮定すると

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地球規模流体の力学的特徴

回転流体であること成層流体であること球面上の現象であること

さらに海洋では

陸地(境界)があること

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回転する球面であることの意味

回転の速度はゼロ

回転の速度は地球自転の速度 Ω

回転の速度はΩsinφ

に比例する

緯度φ

φ

緯度により,地面に垂直な軸での回転速度が違うすなわち,コリオリ力の働き方が緯度によって異なる

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地球規模流体では渦で考える地衡流平衡

高気圧性の渦 低気圧性の渦

圧力分布

コリオリ力コリオリ力 圧力勾配

圧力勾配

コリオリ力 = 水平圧力勾配

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海上風の分布

人工衛星観測から算出した年平均風応力

(QuickSCAT)

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エクマン螺旋とエクマン輸送

風が地球自転を感じるほど長く吹き続けると,コリオリ力により海水は北半球では風の方向直角右側に運ばれる。

風向き

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北太平洋の南半分では

エクマン輸送により中央部に暖水がたまる 時計回りの循環(亜熱帯循環)

圧力大

西岸境界

東岸境界

圧力勾配

コリオリ力

南下流

北上流

偏西風

貿易風

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亜熱帯循環の真ん中には暖水がたまっている

海洋大循環モデルで表現された太平洋の200m深水温

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回転する球面であることの意味、再び

回転の速度はゼロ

回転の速度は地球自転の速度 Ω

北極側から赤道に南下する水は、反時計回りの回転

を伴い。赤道から北極側に北上する水は時計回りの回転を伴う、と考えてよい

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緯度によってコリオリ力の大きさが異なる(緯度によって流体のもつ回転が異なる)

東岸付近では

南下流のもつ反時計回りの回転(渦度) と風系による時計回りの回転(渦度)がつりあう スベルドラップ平衡

西岸付近では

北上流のもつ時計回りの回転(渦度)と風系による時計回りの回転(渦度)が強めあう 西岸強化黒潮!

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黒潮とは

太平洋全体の風系によって駆動される時計回りの循環の一部であり,かつ地球が球面であるために西岸で強くなっている流れ西岸境界流スベルドラップ(1947),ストンメル(1948),ムンク(1950)らによる理論

(三重県科学技術振興センター水産研究部ウェブサイトの画像より)

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海洋大循環モデルシミュレーション例

海面高度(水位)の変動アニメーション(Miyazawa et al., 2004)

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地球規模流体:どこまでダウンスケール?

UL

2~ε~σ~1の場合,

0

2

gHU

0

22

gHL

から,

25 /81.9)/1(1029.7 smgs 地球

回転も成層も同時に効くような時空間スケールは,

海洋 1000/2/1028 32

0 Hmkgmkg

smUkmL /6500 ~~薄い層厚なら。。。

1/2/1028 32

0 Hmkgmkg

smUkmL /2.010 ~~

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層厚が薄い地球流体的海洋現象

大規模排出温排水 大規模出水河川水

松野・永田 (1986) 中辻ら(1991)

12km

4km

福島第一 淀川

層厚5m

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海洋大循環モデル地球流体力学的な現象を数値的に表現する数値モデル地球流体力学的現象:地球回転と成層の効果が支配的な現象

気象研究所技術報告47

(2005)

海洋大循環モデルの適用範囲

本講義

1時間

1km

10000km

10年