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コマツの環境技術 自然と共存する製品・サービスの提供� お客さまの環境活動にソリューションを提供する「環境保全型建設機械」と、 ライフサイクルを通じて環境に優しい「環境調和型建設機械」を提供しています。 Ecology & Economy 環境と経済性をトータルテクノロジーで両立させる。そ れが、コマツの Ecology & Economy です。たとえ環境に 優しい商品を開発しても、お客さまのコスト負担が大きく ては普及せず、結局は地球環境負荷の低減には貢献できま せん。そこでコマツは、 ①燃料消費量改善による CO2 低減と燃料費削減 ②オイルやフィルタ交換時間延長による消耗品廃棄物低 減と交換費用の削減 ③リマンコンポーネント利用による、部品リサイクル と修理費用の低減 といった Ecology Economy が両立する領域を拡大し、 Ecology & Economy を実現させています。 Ecology & Economy の両立 Economy 環境保全� コスト� Ecology Ecology & Economy の両立 z ガラパゴスシリーズ系列拡大(3機種)� x c v b n m リサイクルプラント開発・納入� 環境に優しい建設機械(PC228US-3など)の開発� LCA環境指標(CO2、リサイクル可能率、環境負荷物質)� 自動計算ソフトウェアの開発� 2001年から始まるオフロード機械に対する� 米国EPA第二次排ガス規制(Tier II)適合エンジンの開発� 排ガスがクリーンな水エマルジョン燃料および対応� エンジンの開発� 環境負荷の少ないサービス機器の開発� (不凍液再生処理装置など)� 2000 年度の主要成果

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コマツの環境技術自然と共存する製品・サービスの提供�

お客さまの環境活動にソリューションを提供する「環境保全型建設機械」と、ライフサイクルを通じて環境に優しい「環境調和型建設機械」を提供しています。

Ecology & Economy

環境と経済性をトータルテクノロジーで両立させる。そ

れが、コマツのEcology & Economyです。たとえ環境に

優しい商品を開発しても、お客さまのコスト負担が大きく

ては普及せず、結局は地球環境負荷の低減には貢献できま

せん。そこでコマツは、

①燃料消費量改善によるCO2低減と燃料費削減

②オイルやフィルタ交換時間延長による消耗品廃棄物低

減と交換費用の削減

③リマンコンポーネント利用による、部品リサイクル

と修理費用の低減

といったEcology とEconomyが両立する領域を拡大し、

Ecology & Economyを実現させています。

Ecology & Economyの両立

Economy

環境保全�

コスト�

Ecology

Ecology & Economyの両立

z ガラパゴスシリーズ系列拡大(3機種)�

x

c

v

b

n

m

リサイクルプラント開発・納入�

環境に優しい建設機械(PC228US-3など)の開発�

LCA環境指標(CO2、リサイクル可能率、環境負荷物質)�自動計算ソフトウェアの開発�

2001年から始まるオフロード機械に対する�米国EPA第二次排ガス規制(Tier II)適合エンジンの開発�

排ガスがクリーンな水エマルジョン燃料および対応�エンジンの開発�

 環境負荷の少ないサービス機器の開発� (不凍液再生処理装置など)�

2000年度の主要成果

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自然と共存する製品・サービスの提供�

コマツの環境技術

伐採�再資源化�

伐採材�

不良土�

法面緑化�

転石�

マルチング材�

路盤材�

路床材�

舗装�

盛土�

建設廃棄物は、産業廃棄物の中でも大きな比重を占め、

また最終処分場不足という要因もあり、その削減が重要な

課題となっています。

こうした現状を解決する一つの手法として、コマツは自

走式リサイクル機械ガラパゴスシリーズによる、現場循環

型工法の導入を提唱しています。伐根・伐採材はチップ化

しマルチング材や吹き付け材に、転石は路盤材に、不良土

は改良し路床材に再利用します。その結果、廃棄物発生量

を削減するとともに、新材(資源)や運搬用物流エネルギー

の節約により環境保全に寄与することができます。また、工

事のトータルコスト低減も可能となります。

2000年度には、ガラパゴスシリーズに新たに 3機種を

追加しました。

ガラパゴスシリーズによる現場循環型工法

ガラパゴスシリーズによる現場循環型工法

廃棄�

現場外で採取し搬入�

運搬�

運搬�

新材採取�

転石�

掘削�

伐採�不良土� 舗装�

盛土�

法面緑化�

従来型の工法

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自然と共存する製品・サービスの提供�

環境改善技術

コマツの環境技術

建設廃棄物の発生量と最終処分場不足という課題に対す

るもう一つの解決策が、建設副産物リサイクルプラントの

構築です。これは、建設混合廃棄物の選別・再利用化、汚

泥の改質化、木くずのチップ化などを一括処理するもので、

2000年 9月には神戸市でコマツの納入物件が稼働を開始

しています。今後は、このような工場型プラントの利用に

よって、建設系廃棄物のより一層のリサイクル化が推進さ

れると考えています。

増大する一方のプラスチック製の容器包装に対し、これ

を分別回収し、資源として再利用を促進する容器包装リサ

イクル法が2000年4月から本格施行されました。コマツ

では、この法律の趣旨に基づき、容器包装プラスチックを、

プラスチックペレットにリサイクルし、さらにペレットか

ら土木・景観資材を成型するプラントを開発・納入しまし

た。このリサイクルプラントは、各家庭が分別排出し、各

市町村が収集、圧縮、梱包した容器包装プラスチックをリ

サイクルするものです。

建設副産物リサイクルプラント

廃プラスチックリサイクルプラント

2軸せん断機�

①建設混合廃棄物選別処理プラント 風力を併用した振動選別機3基を効果的に活用して、再利用可能な有価物を選別します。�

②汚泥固化処理プラント 生石灰と汚泥水分の水和反応によって汚泥を改質固化し、再利用を可能にします。�

③木くず破砕選別プラント 廃木材をチップ化します。木材チップは、サイズや木質により、製紙用、ボード用、燃料用などに分類され、�             再利用されます。�

手選別�

手選別�

粗選別�

紙、布等可燃物、木材、ダンボール�鉄(大)、アルミ(大)、石ほか(大)� 廃プラスチック、グラスウール�

良質木くず、石膏ボード�

建設混合廃棄物�手選別�

磁力選別機�

ドラム式磁力選別機�

磁力選別機�

減容固化機�

磁力選別機�

振動ふるい�

振動ふるい�

風力併用振動選別機� 鉄くず�

ダスト�

アルミ、銅、塩ビ�

アルミ、銅、木くず、塩ビ�

タイル、軽量ボード�不燃物�

軽量系�

ガラ・石系�

土砂系�

破砕機�

破砕機�ハンマークラッシャー�

破砕機�ガラパゴス・リフォレ�

不燃物精選機�

可燃物精選機�

RDF

コンクリート�ガラ・砕石�

可燃物�

不燃物�

砂�

ダスト� 木くずチップ�

固化処理装置�

木くずチップ�

改質汚泥�

敷きわら用チップ�

ピット�

汚泥ポッパー�

汚泥�

固化材サイロ�

固化材�

大気�

アルカリ洗浄塔�酸洗浄塔�ダストキャッチャー�

送風機�

建設廃棄物リサイクルプラントのシステム例 (株)環境保全センターさま(兵庫県神戸市)の建設廃棄物総合リサイクルプラント

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製品とサービスの環境負荷の低減自然と共存する製品・サービスの提供�

商品における環境負荷の低減

LCAに基づく中期環境技術開発目標コマツは、建設機械の総合的な環境負荷低減のための指

針として、1999年度に4項目のLCAに基づく中期環境技

術開発目標を設定しました。

① LC-CO2の排出量を、1998年度比で2005年度に

△5%、 2010年度に△10%

②リサイクル可能率を、2005年度に97%以上、2010年

度に99.5%以上(1998年度実績、最多販売機種の油圧

ショベルPC200-6:81%)

③環境負荷物質を、1998年度比で2005年度に△50%、

2010年度に△75%

④O&Oコストを、1998年度比で2005年度に△20%

2000年度は、上記目標を開発部門に徹底するため、開

発中の建設機械の環境対応レベルを、容易に算定できるソ

フトウェアを開発しました。

環境経営の一環として中期環境技術開発目標を制定し、ライフサイクルアセスメント(LCA)に基づいた開発を行っています。

Recycle

Reduce

Recycle

使  用�

解 体

販売・レンタル・サービス�

製 �品�

Reuse

Reuse

生 産�

建設機械のライフサイクルアセスメント

素材準備・製造・稼動廃却という建設機械の全ライフサイクルにおいて、稼働ステージのCO2排出量は、建設機械の全CO2排出量の8~9割を占めています。

開発・製造の各ステップで、今年開発されたソフトウェア使用して開発建設機械の環境指標の価を算定・評価しています。

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自然と共存する製品・サービスの提供�

燃費の向上

製品とサービスの環境負荷の低減

NOX

NOX

2dB以上低減�

35%低減�

CO2

CO2

5%以上低減�

インジェクター�

インジェクター�

コントローラ�

ハイプレッシャーポンプ�

列系噴射ポンプ�

最適化した制御�

コモンレール�

118MPaの高圧を、1000rpm�程度までの低速回転まで維持�

振動�

エンジンの燃料消費量を低減させることは、以下の3つ

の効果をもたらします。

①資源(化石燃料)を守る

②お客さまに対しても、大きな経済的な効果をもたらす

③CO2の発生量が燃料消費量にほぼ比例することから、

地球温暖化の原因となるCO2削減に寄与する

コマツが建設機械などに使用しているディーゼルエンジ

ンは、ガソリンエンジンに比べて熱効率が高く、もともと

CO2の発生を抑制するうえでは有利な内燃機関です。その

一方で、排気ガス中の規制物質の一つである窒素酸化物

(NOx)を削減する方策は、一般的には燃料消費率の悪化

を招くため、排気ガス対策と燃料消費率低減を両立させる

ことが、今日のエンジン製造者にとっての最大の課題にな

っています。

こうした課題に対応するため、コマツは世界最大のエン

ジン専門メーカーであるCummins社と共同で開発会社ア

イ・ピー・エー(IPA)を設立し、常に燃料消費率がクラス

で世界最小となるエンジンを目標に開発を進めています。

燃料消費率低減の有効な手段の一つとして、燃料を高圧

噴射し、燃料と空気の混合を促進する方法があります。コ

マツはこの方法に着目し、1999年度には、クラス世界最

大の噴射圧 196MPaを可能とした独自の噴射システム、

HPI(High Pressure Injection System)を搭載した

6D170系エンジンの生産を開始しました。そして2000年

度には、6D125系および6D140系エンジン用に、電子制

御高圧コモンレール式燃料噴射システムを開発しました。

この高圧コモンレール式燃料噴射システムは、118MPa

の高圧を、1000rpm程度までの低速回転まで維持できる

ため、低速での性能が重要となる建設機械で大きな威力を

発揮します。また、当社製のコントローラを搭載し、建設

機械、発電機に最適化した制御が可能になっています。

電子制御高圧コモンレール式燃料噴射システム

電子制御高圧コモンレール式燃料噴射システムの開発

●従来の燃料噴射システム ●電子制御高圧コモンレール式燃料噴射システム

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自然と共存する製品・サービスの提供�

排気ガスの低減

製品とサービスの環境負荷の低減

燃焼時�沸騰状態�

蒸発熱�

無公害の水�

添加剤�

化石燃料�

燃料粒子�

乳化�

NOxの低減�パティキュレートの低減�

エンジンの中の燃焼 �

高圧燃料噴射ポンプ�

鋳鉄ピストン�

空冷アフタクーラ�

燃費改善に有効なシス�テムで、パティキュレー�ト増加防止にも効果�

エンジンの冷却水より�も低温な外気を利用し�て給気を冷やします。�NOx低減、パティ�キュレート低減、�燃費低減に効果�

燃焼室形状の最適化と、�進入経路形状の工夫に�よる空気量流動促進の�組み合わせにより、パ�ティキュレートを低減�

エンジンからの排出物で規制の対象となるのは、窒素酸

化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、パテ

ィキュレート(すすを核とした浮遊微粒子)の4成分です。

コマツが使用しているディーゼルエンジンは、その燃焼

特性から、HCとCOについては、もともと規制値を十分

クリアできるレベルになっています。一方、NOxとパテ

ィキュレートについては、一般に、どちらか一方をよくす

ると、他方が悪化してしまうという背反関係にあるために、

これらの低減を両立させることが、技術的な課題となって

います。

これに対しコマツでは、高圧燃料噴射システム、空冷ア

フタクーラ、鋳鉄ピストンなど、NOxとパティキュレー

トの両方の低減を可能とする新技術あるいは独自技術を織

り込むことによって、第二次規制に対応したエンジン4系

列を、規制開始年度に先行して量産開始しました。

① 6D102系エンジン…直6、5.9Rエンジン

② 6D125系エンジン…直6、11.0Rエンジン

③ 6D140系エンジン…直6、15.2Rエンジン

④ 6D170系エンジン…直6、23.2Rエンジン

新世代水エマルジョン燃料および対応エンジンの開発

従来の化石燃料に無公害の水を混ぜて乳化させた水エマ

ルジョン燃料には、次の2つの効果があります。

①燃焼時に蒸発熱が発生し、燃焼温度を下げるため

NOxが低減できる

②水粒子が沸騰状態ではじけて燃料粒子を拡散させるこ

とにより、燃焼用空気とよく混ざり燃焼が促進される

ため、パティキュレートが低減できる

しかし、エンジンに水の含まれた燃料を使うことは燃え

にくいことに加え、エンジン部品に腐食や摩擦・焼きつき

をもたらすため、信頼性、耐久性を確保することが困難で

した。

コマツでは、この水エマルジョン燃料に工夫をこらし、

さらにディーゼルエンジンに改良を加えることにより、水エ

マルジョン燃料に関する問題点を克服し、きわめて低公害

のディーゼルエンジン発電システムの提供を開始しました。

これにより、従来はディーゼルエンジンでは対応できなかっ

た都市部の分散型発電設備へも供給が可能となりました。

第二次排ガス規制対応エンジンの早期導入

第二次排ガス規制対応エンジン 水エマルジョン燃料

燃費効率のよさを維持しながら、NOxを従来に比べほぼ85%低減しました。

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自然と共存する製品・サービスの提供�

騒音の低減

プレハブハウスの再利用

製品とサービスの環境負荷の低減

建設機械から発生する騒音には、以下のものがあります。

①定常的に発生するエンジン騒音、排気系騒音、吸気系

騒音、駆動系騒音、冷却系騒音

②衝撃的に発生する作業機系騒音とクローラの走行騒音

中でも、建設機械特有の作業機系の騒音とクローラの走行

騒音は、対策が困難とされてきました。

コマツは、クローラの走行騒音への対策として、積層板

ダンパによる対策を実施し、履板(シュー)打撃時の騒音を

低減しました。今後は、これらの改良技術を商品化するこ

とにより、建設機械特有の騒音をさらに低減していきます。

建設会社にとって、建設廃棄物の削減は急務となってい

ます。こうした現状に対応するため、コマツハウスでは、

主に建設現場などで事務所・宿舎・詰所・倉庫として利用

されるプレハブハウス(組み立てハウスおよびユニットハウ

ス)を循環型商品と位置づけ、再利用に取り組んでいます。

このうち組み立てハウスに関しては、電気設備をパネル

に組み込み、内壁・天井・間仕切りをプレハブ化した商品

「PRIES」(プリエス)を他社に先駆け開発しました。これ

をリース・レンタルすることにより、解体廃棄物の90%

を削減しました。また、電気設備を組み込み内装も施した

「FLEX」(フレックス)などのユニットハウスは、リース・

レンタルで再利用することで解体廃棄物が発生しません。

さらに、従来廃棄していた部屋の間仕切りを再利用する新

システム「KOPS」(コプス)を開発し、それと併用するこ

とで再利用効率を向上させています。

騒音の低減

履板(シュー)打撃時の音圧波形の比較

クローラでの走行中、履板(シュー)による騒音が最も外部に影響を与えます。その具体的な対策の一つとして、シューの裏側に薄い鉄板を数枚つけるだけの簡単な構造の、積層板ダンパを新しく発案しました。これにより、シュー打撃時の騒音低減量は10分1以下になり、ブルドーザが実際に走ったときの走行騒音も半減することが確認されました。

解体廃棄物の90%を削減した内装プレハブリサイクルシステム「PRIES」(プリエス)

ユニットハウス「FLEX」(フレックス)

クローラ�

積層板ダンパ�

シュー�

●積層板ダンパなし

●積層板ダンパあり

(音圧)

(音圧)

(時間)

(時間)

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自然と共存する製品・サービスの提供�

環境負荷物質の低減

製品とサービスの環境負荷の低減

コマツは、1992年の「コマツ地球環境憲章」制定以降、

環境保全に関する意識の高まりとともに、1998年度には

アスベスト製品の廃止、MSDS*1整備など、OSHA*2勧告

に基づき、いち早くこれらに対応してきました。さらに

1999年度には、建設機械の環境負荷を全体的にとらえて

評価しこれを低減していく活動を開始しました。

2000年度は、環境負荷物質量算定ソフトが実用化され

たのにともない、従来機種に比較して開発機種の環境負荷

物質量の低減割合を容易に把握できるようになりました。

また、環境負荷物質を低減するための耐久性テストや、消

耗廃棄部品の環境負荷を低減するための活動も実施してい

ます。

使用を制限する物質

現在代替材料、技術がない用途に限って禁止の対象外と

しています。ただしこれらの材料に関しても代替のための調

査、検討を進め、2005年に半減、2010年には75%の削

減を実現できるよう各部門と連携をとって進めています。

コマツでは、関連法規*3で禁止された物質や先進各国で

規制・禁止されている物質等をベースに、建設機械に使用

されている物質、過去に使用された物質を調査し、環境負

荷物質の選定を行いました。

選定の結果は、以下の2つに分類しています。

全面的に使用を禁止する有害物質

すでに過去に禁止措置をしたものが主ですが、今回の通

達で再確認と徹底を図りました。

環境負荷物質(化学物質)の選定と対応

●不凍液に使用するエチレングリコール� 溶液をリユースする装置を導入し、お� 客さまのエチレングリコールの使用量� を減少�

●建設機械のワイヤーハーネスには、� 材料の熱安定性のために微量の鉛� が加えられていましたが、鉛代替� 料により鉛フリー化を達成�

●ウィンドウォッシャ液にはメチル� アルコールが使用されていました� が、エチルアルコールに切り替え� を開始�

●FRP複合材料など、リサイクルし� がたい物質の使用を制限�

2000年度の主な対策

ランク 物質群 主要な物質 製品� (数)�

9 1 PCB 含有禁止��

5 アスベスト�� 1 特定フロン�� 2 有機溶媒 トリクロロエチレン�� 87 1 重金属および化合物 水銀 含有削減�� 30 鉛�� 1 カドミウム�� 1 ヒ素�� 1 セレン�� 3 六価クロム�� 1 代替フロン�� 17 塩化ビニル�� 27 塩素系ゴム�� 2 ハロゲン系難燃処理剤�� 1 トリエタノールアミン�� 1 エチレングリコール�� 1 メチルアルコール��

禁止�

削減�(限定使用)�

製品への環境負荷物質の使用禁止・削減状況

*1:Material Safety Data Sheet 化学物質の安全性に関するデータシート。*2:Occupational Safety & Healthy Administration 米国職業安全衛生局。*3:「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」など。

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自然と共存する製品・サービスの提供�

リサイクル可能率の向上

製品とサービスの環境負荷の低減

販売・レンタル・サービス�

使  用�

製 品�

Reuse

使用済み車両�

Recycle

Reduce

Recycle

①Reduce:捨てるものを減らす�  ・消耗品:使用量を減らす�  ・耐久財:長寿命化を図る

③Recycle:形態を変化させて再資源化する�  ・マテリアルリサイクル:材料、原料としての再利用�  ・サーマルリサイクル:熱エネルギー源としての再利用�

②Reuse:そのまま製品、部品として再利用する�  ・中古市場での商品価値向上�  ・コンポーネント、部品のリビルト拡大�

生 産�

解 体�R

euse

リサイクル可能�81%

油圧ショベルの例�(PC200-6)�

リサイクル可能�92%

ホイールローダの例�(WA100-3)�

リサイクル可能率の向上をめざして

開発部門の取り組み

コマツは、リサイクルを容易にするために、プラスチッ

ク部品に材質識別記号をつけることを1992年、業界に先

駆けて開始しました。また、1993年からは、地球環境保

全、資源保護の観点から、コマツのリサイクル活動の基本

的な考え方を「3つのR」という表現でまとめました。

さらに、1998年には、リサイクル可能率のさらなる向

上をめざして、以下の「リサイクル可能の定義基準」を設

け、社内での認識の共通化を図っています。

①リサイクルしやすい材料を使用する

②リサイクルしやすい構造を採用する

③リサイクルされた材料の活用を心がける

④環境負荷物質の使用を削減する

2000年にはリサイクル可能率の指標算定ソフトウェア

を開発し、部品表を有する開発機種の指標の算定が容易に

なりました。

建設機械は構成材料のほとんどが鉄鋼材料であるため、

一般に高いリサイクル可能率を持っています。しかし、油

圧ショベルのコンクリートカウンターウェイトが最大の課

題となっています。そこでコマツは、カウンターウェイト

メーカーのリサイクル活動を支援する活動を実施している

ほか、メーカーと共同でリサイクル可能率の中長期環境目

標の達成に向けた取り組みを行っています。

また、従来はリサイクルの困難とされていたホースに関

しても、塩素フリー材料への代替をめざした取り組みを開

始しました。

建設機械のライフサイクルと3つのR

主な製品のリサイクル可能率

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自然と共存する製品・サービスの提供�

コマツのリマン事業

製品とサービスの環境負荷の低減

地域 組織名�

米国/レキシントン コマツリマンノースアメリカ

英国/ニューカッスル KEISA リマンセンタ

日本 コマツリマン� �インドネシア/バリクパパン P.T. コマツリマニファクチャリングアジア� �豪州/パース コマツオーストラリア ウエストコースト� リマンセンタ   ブリスベン コマツオーストラリア イーストコースト� リマンセンタ�南アフリカ/ヨハネスブルグ KSA リマンセンタ

ブラジル/サンパウロ KBI リマンセンタ�

リマンとは「再製造」を意味する「Remanufacturing」

の略語です。コンポーネントを、上図に示す工程を経て新

品同等の品質によみがえらせ、不具合や定期オーバーホー

ルなどの際に載せ替えます。また、この載せ替えた古いコ

ンポーネントは各リマンセンタで再製造し、リマン商品と

して再び市場へ供給します。

コマツでは、現在世界7地域にリマンセンタを設置して、

事業の拡大を図っています。

日本では、コマツリマン(株)がエンジン、トランスミ

ッション、トルクコンバータ、油圧シリンダー等、建設機

械の主要コンポーネントを対象として「CRユニット」と

いう名称で取り扱い、リマン事業を推進しています。

リマン事業は、次のような点で、お客さまにとってメリ

ットがあるばかりでなく、環境保全にも寄与しています。

①新品同等の品質・性能を保有・保証しているので安心

して使用できる(Quality)

②新品コンポーネントに比べて割安で、機械のランニン

グコストを低減できる(Cost)

③適正に在庫されたリマン品をすぐ載せ替えることに  

より、機械の休車時間を短縮できる(Delivery)

④コンポーネント・部品のリユース・リサイクルによる

資源の節約と廃棄物の削減ができる(Ecology)

リマン(Reman)とは

リマン事業の展開

リマン事業の特徴

リマンの工程

リマン事業の世界展開

受入れ検査

最終検査 部品洗浄 

高圧洗浄 分解 部品検査

塗装 性能試験 組み立て 部品再生

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自然と共存する製品・サービスの提供�

製品とサービスの環境負荷の低減

シリンダーブロック�シリンダーヘッド�クランクシャフト、スターター�オルタネータ、コンプレッサなど�

シリンダーライナー�ピストンなど�

パイプ�アフタクーラコアなど�

アルミピストンなど�

鋳鉄�

鉄�

合金�

アルミニウム�

ベアリング、ブッシングなど�

ホース類など� ゴム�

コマツキャステックスで素材に戻し、再製造�

非鉄精錬会社で素材に戻し、再製造�

非鉄精錬会社で素材に戻し、再製造�

産業廃棄物業者で廃棄�

洗浄後、部品単位に分解・選別�回収�可修し、リユース可修し、リユース�

コマツキャステックスで素材に戻し、再製造�

コマツ各社が共同で、コンポーネントの耐久性を高める

ための取り組みと同時に、リマン性の高い製品開発に努め

ています。その主な活動内容は以下のとおりです。

①コンポーネントのオーバーホール時期の設定、オーバー

ホール回数の限度設定、最終耐久時間の設定を協議

②世界7地域のリマンセンタと共同で、建設機械稼働デー

タと各部品の摩耗、損傷データを収集し、各部品ごと

に具体的な耐久性目標を設定のうえ、耐久時間の長い

コンポーネントを開発する活動を継続

③部品を廃棄せずに再使用するために、摩耗、損傷のあ

る部品を加修する方法を開発

④コンポーネントの開発段階より、部品ごとに加修しや

すい構造にするための検討を開始

リマン事業では、お客さまから返却されたコンポーネン

トを分解し、部品の一点一点について再使用可否基準と照

らし合わせ、部品の再使用可能率向上に向けた活動を行っ

ています。再使用可能部品の増加は、資源の節約と同時に

コストの低減に結びつきます。リマンへの取り組み-1 Reduse:部品の長寿命化、加修技術の確立

リマンへの取り組み-2 Reuse:再使用基準を設定し再使用率向上

これまで、使用できなくなったコンポーネントは、お客

さまや販売代理店などで廃棄してきました。しかし、現在

は再使用のためにリマンセンタに返却されています。エン

ジンでの返却率は、現在98%を超えています。

コマツリマンでは、これらコンポーネントを加修し、再

組立しています。加修・再使用ができない鋳造部品はコマ

ツキャステックス小山製造部へ返却され、溶解後、再び新品

の部品に生まれ変わります。その他の部品はアルミニウム、

合金、ゴム類などの素材ごとに分別後、精錬会社などに返却

され、原料として生まれ変わります。

リマンへの取り組み-3 Recycle:素材に戻して再利用

エンジン部品のリサイクルフロー

例えば、30Rエンジン(SA12V140系)では、事業開始当初は57%の部品を再使用していましたが、現在では検査、選別、オーバーサイズ・アンダーサイズ部品*1

の開発、加修技術向上により、2000年度では部品再使用率を 75%に向上させています。

*1:エンジンのシリンダーブロックの表面を研磨加工して再使用する場合、削った量をオーバーサイズのガスケットで埋め合わせ、新品エンジンと同じ仕様に戻します。

各リマンセンタでの部品の再使用率の向上を図るため

に、部品の再使用可否基準の設定、部品の加修要領などに

ついて、開発部門、製造工場、各リマンセンタが共同でリ

マンマニュアルを作成しています。このマニュアルにより、

各センタで共通した基準で環境対応が可能となります。

リマンマニュアルの作成

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自然と共存する製品・サービスの提供�

製品とサービスの環境負荷の低減

アフターサービスにおける環境負荷低減活動

建設機械のアフターサービスでの環境負荷物質として

は、定期整備や修理で発生する、使用済みの交換部品、廃

クーラント(不凍液)・オイルなどの副資材があります。

これら廃棄物の削減・リサイクルの実施にあたっては、設

計・開発部門と密接に連携して進めていくとともに、サー

ビス部門独自の機器開発も行っています。

建設機械のディーゼルエンジンには、吸気中のダストを

除去するため、吸気口にプリクリーナが設けられています。

従来のプリクリーナは透明なプラスチックの容器製で、ダ

ストは遠心力で外へ流されこの容器に溜まる構造でした。

新しいタイプは、自動的にダストが排出され、完全なメン

テナンスフリーを実現しています。お客さまの手間が省け

ると同時にエアエレメントの目詰まりが軽減され、エレメ

ントの長寿命化を実現しています。新タイプのクリーナは

従来のものより廉価で、しかもお客さまの整備費用の低減

にも貢献します。

ダスト自動排出式プリクリーナ(オプション)

建設機械のアフターサービスにおける主な環境負荷低減活動

ダスト自動排出式プリクリーナ

活動 実施内容 目的・効果�

大型ブルドーザトラニオン部へのブッシュ採用 摩耗廃棄部品の小型化��作動油フィルタにエコホワイトエレメント採用 エレメントの小型化(約1/2)�� 交換インターバルの延長(500→1000H)��ドイツコネクタへの変更 耐水性、耐久性向上��ハーネス被覆の強化(ウーブンブレードの採用) ��エンジン吸気部へのプリクリーナの採用(ダスト自動排出式) ダスト吸入量低減によるエアエレメントの寿命延長��多段式目詰まりインジケーターの採用(エアフィルタ) 適正な交換時期での清掃・交換��サービスメーターの単品交換可能化 モニターパネル本体部の再利用��ライトのバルブ単品交換可能化 ライト本体部の再利用��ゴムシューの再生 (事業活動として実施中)��エンジン・トランスミッション等のコンポーネントの再生 (事業活動として実施中)��クーラント(不凍液)の再生 廃クーラントの再生利用��ゴムシュー、油圧ホースの電炉への投入 鉄のリサイクル�

Reduce(削減)�������

Reuse(再使用)����

Recycle(リサイクル)�

使用量削減���長寿命化�����������再利用����再生利用������原料化�

エコドレンバルブと全自動オイル交換機 エンジンオイル交換時の油ダレ防止��フェースシールホースの採用 ホース継手部からの油漏れ防止��トランスミッションフィルタ部にドレンバルブ採用 フィルタ交換時の油ダレ防止�

環境負荷低減活動� 油漏れ防止�

その他の取り組み

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自然と共存する製品・サービスの提供�

製品とサービスの環境負荷の低減

今までリユースができず廃棄していた廃クーラントの再

生を、2000年度から試験的に開始しています。廃クーラ

ント内の金属イオンや劣化物を、逆浸透膜*1とイオン交換

樹脂*2で除去して、清浄なエチレングリコール水溶液に再

生します。再生可能量は廃クーラントの90%です。この

再生された液に添加剤を追加し、エチレングリコールの濃

度調整をすることにより、再生クーラントとして再利用で

きるようになりました。

また、逆浸透膜は200R処理ごとに再生洗浄するため、

目詰まりせずに繰り返し長期間利用できます。イオン交換

樹脂は100R処理ごとに交換しますが、再生業者に依頼し

て再生使用しています。

エコドレンバルブの採用と全自動オイル交換機定期整備や修理の際に、地面を油で汚さないことをめざ

して全自動オイル交換機を開発するとともに、エコドレン

バルブを採用しました。エコドレンバルブと全自動オイル

交換機はホースジョイントを使って簡単に接続でき、建機

にセット完了後、排油・給油を全自動で行うことができます。

コマツは、エコドレンバルブと全自動オイル交換機によ

り、環境負荷の低減と作業の効率を同時に追求しています。

また、エコドレンバルブはホースで接続するだけでペー

ル缶にも排油でき、風が吹いてもこぼれません。

エコドレンバルブと全自動オイル交換機によるオイル交

換作業

廃クーラント再生処理システム

*1:逆浸透膜は、海水から真水をつくるときなどに使用されます。*2:イオン交換樹脂は、金属イオンなどを化学的に捕捉する化学的なフィルタ

です。

エコドレンバルブ

オイル交換作業

ホースの接続

廃クーラント(不凍液)の再生

再生液�

廃クーラント�

リサイクル装置�

プレフィルタ�

逆浸透膜�洗浄液�

添加剤�新クーラント�

イオン変換�樹脂タンク�

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自然と共存する製品・サービスの提供�

製品とサービスの環境負荷の低減

エコホワイトエレメントの開発

油圧装置が主体の建設機械である油圧ショベルは、大型

のエレメントを装備しています。しかも、油圧装置保護の

ためにペーパー濾材で250時間、ハイブリッドエレメント

で500時間ごとに交換棄却が必要でした。また、交換の際

に油漏れも発生するため、より耐久性のあるエレメントが

求められていました。

エコホワイトエレメントは、こうした課題を解決するも

ので、

①交換間隔を1000時間に倍増

②エレメントサイズを半分以下に小型化

することにより、実質的な廃棄物発生量を4分の1に減ら

すことが可能になりました。

4

3

2

1

交換回数(回)�

250 500 750 1000稼働時間(時間)�

交換時期�

濾紙エレメント�

ハイブリッドエレメント�

エコホワイトエレメント�

交換時間の比較

エコホワイトエレメント

エコホワイト�エレメント�

油面�

従来品�

エレメント交換時�

高精度ガラス繊維濾材�

従来品� エコホワイトエレメント�

高精度ガラス繊維濾材100%を採用し、濾材の表面だけでなく繊維の内部でも微細なダストを捕獲。作動油の汚れを防ぎ、ロングライフとコンパクト化を実現しました。

濾過精度とゴミ捕捉容量をアップしながらエレメントサイズを半分以下に小型化

エレメントがタンク内に浸かっているため、エレメント交換時に油漏れが発生

タンクの油面上に配置可能となり、エレメント交換時の油漏れを抑制

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自然と共存する製品・サービスの提供�

USシリーズの代表的な機種PC228US-3は、高出力・低

燃料消費率・低公害の新エンジンSAA6D102Eエンジンを

搭載しています。このクラスで最大のエンジン出力を誇り

ながら、空冷アフタクーラを装着しているため、2型に比

べ燃焼効率が3%向上しました。NOxの排出量も32%低

減することに成功し、日・米・欧の第二次排ガス規制*1を

クリアしています。また、お客さまのニーズに合わせて、

①作業量優先のアクティブモード

②燃料消費率優先のエコモード

③ブレーカー作業時のブレーカーモード

という3つのモードを選択できます。2型に比べ、アク

ティブモード使用時は、燃料消費率あたり作業量が10%

アップし、エコモード使用時は2型と同等の作業量で燃料

消費率を15%低減しました。

*1:2001~2006年にかけて開始。

後方超小旋回機であるPC228US-3は、上部旋回体の後

端だけでなくキャビン前部も履帯からのはみ出し量がきわ

めて少ないラウンドフォルムタイプのため、狭所や障害物

のある現場で活躍します。たとえば道路工事現場において、

当機は片側一車線の中で、作業を容易に行うことができま

す。

コマツUSシリーズPC228US-3

環境負荷低減をめざすと同時に、お客さまの生産性を飛躍的に向上させ、さらに作業の安全性を徹底的に追求した油圧ショベルが、コマツUSシリーズです。

USシリーズにみる環境負荷設計

ラウンドフォルムタイプ設計により、狭所や障害物のある現場で、優れた作業性能を発揮します。

改善ポイント 生産性向上と作業安全性を両立

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