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4.アンサンブルカルマンフィルタ

4.アンサンブルカルマンフィルタ - GFD-DENNOU拡張カルマンフィルタ(1) 数値モデルと観測演算子の非線形性が弱ければ、線形システム

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4.アンサンブルカルマンフィルタ

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線形最小分散推定(1)

分散を最小にする値は平均値である。実際、  を任意の正定値対称行列として

線形最小分散推定

予測値   の精度が高く、確率密度関数がガウス分布に近ければ、観測データ   による予測値の修正は、          について線形で近似できる。

fkx

)( fkkk H xy −ky

( ))( fkkkk

fk

ak H xyKxx −+=

この仮定の下で、解析誤差分散を最小にする値を解析値とする。

最小分散推定

( ) ( )∫ −−= xxxxWxxx ndpV )(ˆˆ:)ˆ( T

( ) ( ) 0xxxxWxxxxWx

=−=−−=∂

∂∫∫ nn dpdpV )(ˆ2)(ˆ2

ˆ

∫=∴ xxxx ndp )(ˆ

W

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線形最小分散推定(2) 解析誤差

kfk

fkk

ak

ak ΔΔ xxxxxx −=−= :,:

解析誤差共分散行列

( )fkkkf

kak ΔHΔΔΔ −+= yKxx

)()(:),(: kkfkk

fkkkkk HHΔHHΔ xxxyy −=−=

( )( ) Hx

kkkxHkk

HHkkk

xxk

ak

ak

ak ΔΔ

PKKPKPRKP

xxP

−−++=

=

TT

T:

( )T: kkk ΔΔ yyR =

( ) ( )

( ) ( )TT

TT

:

:,:

Hxk

fk

fk

xHk

fk

fk

HHk

fk

fk

xxk

ΔHΔ

ΔHΔHΔΔ

PxP

PxxP

==

==

予測誤差と観測誤差の間には相関がないとしている。

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線形最小分散推定(3) 解析誤差分散を最小にする   を求めるために、  に関する第1変分をとると

これが0になる条件から

( ) ( )

( )[ ] ( )[ ] TT

T

TT

kxHk

HHkkk

Hxkk

HHkkk

Hxkkk

xHk

kHHkkkk

HHkkk

ak

KPPRKPKPRK

PKKP

KPRKKPRKP

δδ

δδ

δδδ

−++−+=

−−

+++=

( ) 1−+= HHkk

xHkk PRPK

kK kK

( ) ( )T1 xHk

HHkk

xHk

xxk

ak PPRPPP

−+−=

このときの解析値と解析誤差共分散行列は

( ) ( ))(1 f

kkkHHkk

xHk

fk

ak H xyPRPxx −++=

第2式の右辺第2項の行列は非負定値行列なので、解析誤差分散は一般に予測誤差分散より小さい。

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(   :モデルの鉛直層の間隔)

問 題 1 (水蒸気の鉛直分布の推定)

• 数値モデルは鉛直1次元で、状態変数は各層の比湿  。 • 鉛直積算水蒸気量の観測データが1個。

• 予測誤差共分散行列は対角行列。

( )

( )( )2

2

2

1

1

1

,0

0

)(,

o

fn

f

xx

n

ii

n

qgΔpH

q

q

σ

σ

σ

=

⎟⎟⎟⎟

⎜⎜⎜⎜

=

=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

= ∑=

RP

xx

問題設定

Δp

{ }iq

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拡張カルマンフィルタ(1)

数値モデルと観測演算子の非線形性が弱ければ、線形システムに対して提案されたカルマンフィルタを、線形最小分散推定に基づいて自然に拡張できる。

)( 1−= kkk M xx離散時間の数値モデル

klklkk δQεε0ε == T,

現実システムの時間発展(  :白色ガウス過程)

kkkk M εxx += − )( 1

状態変数の予測値

)( 1a

kkfk M −= xx

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拡張カルマンフィルタ(2)

数値モデルの非線形性が弱ければ

( )( )

( )( )

( )( ) kkka

kkkka

kk

kkka

kkkkka

kk

kf

kkf

kxxk

MMMM

MMMM

Qxxxx

εxxεxx

xxxxP

+−−=

−−−−=

−−=

−−−−

−−−−

T

1111

T

1111

T

)()()()(

)()()()(

共分散行列の予測値

kka

kkxxk QMPMP +≈ −

T1

( ) ( )a

kj

ikijk x

M1

)(:

−=∂

∂=

xx

xM

同様に、観測演算子の非線形性が弱ければ

TT , kxxkk

HHkk

xxk

xHk HPHPHPP ≈≈

( ) ( )fk

j

ikijk x

Hxx

xH

=∂

∂=

)(:

ただし

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拡張カルマンフィルタ(3)

そこで   を   と表記し、近似記号を等号で置き換えると、次のような拡張カルマンフィルタ(extended Kalman filter)が得られる。  

kka

kkfk QMPMP += −

T1

カルマンゲイン

)( 1a

kkfk M −= xx

( ) ( ))(1TT f

kkkkfkkkk

fk

fk

ak H xyHPHRHPxx −++=

( ) fkkk

fkkkk

fk

fk

ak PHHPHRHPPP

1TT −+−=

xxkP f

kP

( ) 1TT:−

+= kfkkkk

fkk HPHRHPK

を用いて表すと

( ))( fkkkk

fk

ak H xyKxx −+=

( ) fkkk

ak PHKIP −=

一部を除いて線形近似がなされていることに注意。

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遷移確率(1)

Fokker-Planck方程式の随伴(adjoint)演算子

したがって、遅延Green関数は遷移確率密度関数を与える。

遅延確率密度関数は、次のChapman-Kolmogorov方程式を満たす。

[ ] ( )∑∑== ∂∂

∂−

∂−

∂−=

n

ji jiij

n

i ii

ppFppL1,

2T

1

*

21:

ξξξτGQG

Fokker-Planck方程式の遅延Green関数

[ ] )()(),;,(* τδδτ −−−= ttGL ξxξx( )ττ <= ttG 0),;,( ξx

ξξξxx ndptGtp )0,()0,;,(),( ∫=Fokker-Planck方程式の初期値問題の解

),;,()|( 111 −−− = kkkkkk ttGp xxxx

12112 )|()|()|( −−−−− ∫= kn

kkkkkk dppp xxxxxxx

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遷移確率(2)

遷移確率密度関数を用いると、事後確率密度関数を事前確率密度関数で表すことができる(Fokker-Planck方程式の時間積分値)。

1111111 ),,|()|(),,|( −−−−− ∫= kn

kkkkkk dppp xyyxxxyyx

kkkk M εxx += − )( 1

離散時間システム

では、  が共分散行列  の白色ガウス過程であることから

( )( ) ( )⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡ −−−= −−

)()(21exp

2

1)|(

11T

1

1

kkkkkkk

kn

kk

MM

p

xxQxxQ

xx

π

kε kQ

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同時確率

拡張カルマンフィルタの導出における期待値の計算は、状態変数と観測データの両方についてなされていることから、同時確率密度関数                が用いられている。

を代入すると

),,|,( 11 −kkkp yyyx

これにBayesの定理

),,|(),,|(),,|,( 11111 −− = kkkkkkk ppp yyyyyxyyyx

∫ −

−=k

nkkkk

kkkkkk dpp

pppxyyxxy

yyxxyyyx),,|()|(),,|()|(),,|(

11

111

……

),,|()|(),,|,( 1111 −− = kkkkkkk ppp yyxxyyyyx

ただし、以下の等式を用いた。

∫ −− = kn

kkkkkk dppp xyyxxyyyy ),,|()|(),,|( 1111 …

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)( 1a

kkfk M −= xx

∫∫

−−−−

−−−−

=∴

=

11111

11111

),,|()(ˆ

),,|()|(ˆ

kn

kkkkk

kn

kn

kkkkkk

dpM

ddpp

xyyxxx

xxyyxxxxx

確率密度関数による検討(1)

数値モデルの非線形性が弱ければ

∫ −= kn

kkkk dp xyyxxx ),,|(:ˆ 11…

ただし、   は   における事後確率密度関数の平均値である。

時刻  における事前確率密度関数の平均値

を、遷移確率を用いて時刻   における事後確率密度関数で表すと

kt

1−kt

)(ˆ1−≈ kkk M xx

∫ −−−−− = 111111 ),,|(: kn

kkkk dp xyyxxx …

上の2式は、拡張カルマンフィルタにおける次の式と対応している。

1−kx 1−kt

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( )( )( )( ) kk

nkkkkkkkkk

kn

kn

kkkkkkkkk

dpMM

ddpp

QxyyxxxxxP

xxyyxxxxxxxP

+−−=∴

−−=

∫−−−−−

−−−−

1111T

11

11111T

),,|(ˆ)(ˆ)(ˆ

),,|()|(ˆˆˆ

確率密度関数による検討(2)

( )( )∫ −−−= kn

kkkkkkk dp xyyxxxxxP ),,|(ˆˆ:ˆ 11T

時刻  における事前確率密度関数の共分散行列

を、遷移確率を用いて時刻   における事後確率密度関数で表すと

kt

1−kt

この式は、線形最小分散推定や拡張カルマンフィルタにおける次の式と対応している。

( )( )kk

akk

kkka

kkkka

kkf

k MMMM

QMPM

QxxxxP

+≈

+−−=

−−−−

T1

T

1111 )()()()(

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確率密度関数による検討(3)

( )( ) km

kn

kkkkf

kkf

kf

k ddp yxyyyxxxxxP ∫ −−−= ),,|,( 11

T…

拡張カルマンフィルタの予測誤差共分散行列

仮に、予測値   が事前確率密度関数の平均値  に等しいとすると

( )( )( )( ) kk

nkkkkkk

km

kn

kkkkkkkkf

k

dp

ddpp

Pxyyxxxxx

yxyyxxyxxxxP

ˆ),,|(ˆˆ

),,|()|(ˆˆ

11T

11T

=−−=

−−=

∫−

fkx kx̂

( )( ) km

kn

kkkkakk

ak

ak ddp yxyyyxxxxxP ∫ −−−= ),,|,( 11

T…

拡張カルマンフィルタの解析誤差共分散行列

仮に、予測値   が事後確率密度関数の平均値  に等しいとすると

( )( )

∫∫

=

−−=

km

kkk

km

kn

kkkkkkkkak

dp

ddpp

yyyyP

yxyyyyyxxxxxP

),,|(

),,|(),,|(

11

111T

……

akx kx

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確率密度関数による検討(4)

∫ −⇔

km

kkkak

kf

k

kak

kf

k

dp yyyyPP

PP

xx

xx

),,|(

ˆ

ˆ

11…

以上のことから、拡張カルマンフィルタの解析値などについて、次の対応関係が成り立つ。

線形性とガウス分布を仮定すれば、この対応関係は等式関係になる。その場合には、  は観測データ  に依存しないので kP ky

kak PP =

が成り立つ。

同じ条件のもとでは、上で求めた拡張カルマンフィルタは離散時間の線形システムに対するカルマンフィルタになり、最適性が保証される。

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( )( )[ ]

( )( )

( )nkk

nk

nkkk

nkk

akkkk

akk

pMpMppM

pMpMM

ppMM

PMMMPM

ʹ′ʹ′=

ʹ′ʹ′=

=

=

= −−

,,,,,

,,

1

1

T1

T1

T

1T

1

大規模モデルに対する問題点

数値モデルの自由度を  とすると

•  予測・解析共分散行列の成分数:

•  予測誤差共分散行列の計算

n

)1(21

+nn

n2kk

akk

fk QMPMP += −

T1

n(  回)

n(  回)

に必要な時間積分の回数: 

    は、  を初期値にして、線形モデルを時刻   から時刻  まで時間積分することを表す。 

pMkp

1−kt kt

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カルマンフィルタの縮減近似

拡張カルマンフィルタ(一部以外は線形計算)の縮減近似 •  Reduced order Kalman filter (Fukumori, 1995)    計算格子をモデル格子より粗くする。

•  Reduced rank square root filter (Verlaan and Heemink, 1995)    固有ベクトルの上位モードのみを計算する。

•  Singular evolutive extended Kalman filter (Pham et al, 1998)    特異値の上位モードのみを計算する。

•  Partitioned Kalman filter (Fukumori, 2001)    計算領域を分割する。

アンサンブルカルマンフィルタ(非線形計算) •  Perturbed observation method

•  Transform method (EAKF, EnSRF, LETKF)

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観測データ 解析値(平均値)

時刻 t0 時刻 t1 時刻 t2

解析値のアンサンブル 予測値のアンサンブル

R

fP

aP

予測値(平均値)

(三好建正氏作成の図を一部改変)

アンサンブルカルマンフィルタ(1)

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(Hamill,2003)

EnKFによる予報誤差共分散行列の計算例。100個のメンバー数で計算した共分散行列のうち、900hPa気温について4つの地点(黒丸)の近傍の形状を示す。波線は900hPa気温の第一推定値(予測値)を表し、等値線の間隔は5K。

アンサンブルカルマンフィルタ(2)

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アンサンブルカルマンフィルタ(3)

時刻   における予測値のアンサンブルを           とし、予測値の平均値と予測誤差共分散行列をアンサンブルで近似計算する。

∑=

=≈N

i

ifk

fk

fk N 1

)(1: xxx

これらはそれぞれ次の式に対応している。

{ })()1( ,, Nfk

fk xx

kt

( )( )∑=

−−−

=≈N

i

fk

ifk

fk

ifk

fk

fk N 1

T)()(

11: xxxxPP

∫ −= kn

kkkk dp xyyxxx ),,|(ˆ11 …

( )( )∫ −−−= kn

kkkkkkk dp xyyxxxxxP ),,|(ˆˆˆ11

T…

          は、時刻   における解析値のアンサンブル           から次のように計算される。 { })()1( ,, Nf

kfk xx 1−kt

{ })(1

)1(1 ,, Na

kak −− xx

( ) ),,1()()(1

)( NiM ik

iakk

ifk =+= − εxx

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アンサンブルカルマンフィルタ(4)

時刻   における解析値

( ))( fkkkk

fk

ak

ak H xyKxxx −+=≈

kt

カルマンゲイン

( ) 1TT−

+= kfkkkk

fkk HPHRHPK

( )( )T)(

1

)(T )()(1

1: fkk

ifkk

N

i

fk

ifkk

fk HH

NxxxxHP −−

−= ∑

=

∑=

=N

i

ifkk

fkk H

NH

1

)( )(1:)( xx,1:1

)(∑=

=N

i

iak

ak N

xx

( )( )T)(

1

)(T )()()()(1

1: fkk

ifkk

N

i

fkk

ifkkk

fkk HHHH

NxxxxHPH −−

−= ∑

=

( ) 1−+= HHkk

xHkk PRPK

これは線形最小分散推定における次式を近似計算したもの。

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摂動観測法(1)

観測値に摂動を加えることによって  個の標本からなる観測値のアンサンブルをつくる。

),,1()()( Niikkk

ik =+= ξLyy

これを平均すると、  の平均値が  と等しければ次式を得る。

Tkkk LLR =

  :平均0、共分散  の正規乱数。   :観測誤差共分散行列   のCholesky分解行列(下三角行列) kL kR

I)(ikξ

( ) ),,1()( )()()()( NiH ifkk

ikk

ifk

iak =−+= xyKxx

N

解析値のアンサンブル

( ))( fkkkk

fk

ak H xyKxx −+=

)(iky ky

(Cholesky分解)

Evensen (1994), Burgers et al (1998)

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摂動観測法(2) 解析誤差共分散行列

( )( )T)(

1

)(

11: a

kia

k

N

i

ak

iak

ak

ak N

xxxxPP −−−

=≈ ∑=

( )( )( ) TTT

TTTTT

TTTT

TTT

)()(

)()()(

kfkkk

fkk

fkkkkk

fkkkkkk

kkkkkfkkkk

fkkkk

fk

fk

ΔHΔΔΔH

ΔΔΔΔΔΔ

KyyK

xyKKyxKRyyK

KRKKHPHKHPKKHPP

+−

++−+

++−−=

標本数が十分大きければ、下線部の項は無視できるので、その場合に  を最小にするカルマンゲインを求めると次式を得る。

( ) 1TT−

+= kfkkkk

fkk HPHRHPK

そのときの解析誤差共分散行列は

( )( )TTTTk

fkk

fkkkk

fk

fk

ak HPHPHRHPPP +−=

これは線形最小分散推定における次式を近似計算したもの。

( ) ( )T1 xHk

HHkk

xHk

xxk

ak PPRPPP

−+−=

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モデル誤差1

モデル誤差n

モデル誤差2

観測誤差n

観測誤差2

モデル誤差1

モデル誤差n

観測誤差1

モデル誤差2 解析値1 予測値1 解析値1

解析値2 予測値2 解析値2

解析値n 予測値n 解析値n

カルマンゲイン

予測値1

予測値2

予測値n

観測値

時間

摂動観測法(3)

摂動観測(perturbed observation)法によるアンサンブルカルマンフィルタの模式図

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摂動観測法(4)

Houtekamer and Mitchell (2001)

( ) 1TT−

+= kfkkkk

fkk HPHRHPK

カルマンゲイン

における逆行列計算の負荷を減らすために、右図のように観測データを小さなグループに分割し、グループごとに逐次処理する。互いに十分離れたグループの同化は、並列的に計算できる。

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変換法(1)

解析値のアンサンブルを予測値のアンサンブルから構成する。

( ) ,Tfkfk

fk XXP =

このとき次式がなりたつ。

  :変換行列   

( )fkNfk

fk

fk

fk N

xxxxX −−−

= )()1( ,,1

1:

( )akNak

ak

ak

ak N

xxxxX −−−

= )()1( ,,1

1:

( )Takak

ak XXP =

kT

kfk

ak TXX =

解析値の偏差のアンサンブルを、予測値の偏差のアンサンブルの線形結合で表している。

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変換法(2)

01X01X == ak

fk ,

② すべての成分が1であるベクトルを  とすると、定義より

11T ∝k

( )( ) ( )( ) ( )T1TT

TT

fk

fkk

fkk

fkkk

fkk

fk

fkkk

fk

XXHXHXHRXHIX

XTTX

⎥⎦⎤

⎢⎣⎡ +−=

∴−

( ) ( )( ) fkk

fkk

fkkk

fkkkk XHXHXHRXHITT

1TTT −

+−=

次の式が満たされればよい。

1

したがって、変換行列は  を固有ベクトルに持たなければならない。

③ 観測データがなければ、  が  のままになることを要請する。

① 変換行列  を、解析誤差共分散行列の式を満たすように決める。

( ) fkkk

fkkkk

fk

fk

ak PHHPHRHPPP T1TT −

+−=

akX

fkX

kT

1

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逐次アンサンブル平方根フィルタ

     の計算には次の近似式を用いる。

( ) ( )( )⎥⎦⎤

⎢⎣⎡ +++=

TT: fkk

fkkkk

fkk

fkkkk XHXHRRXHXHRβ

観測データが互いに独立として、1個ずつ同化する。その場合には  などはスカラーになるので

Ensemble square root filter (EnSRF): Whitaker and Hamill (2002)

( ) fkk

fkkkk XHXHIT T

β−=

kR

カルマンゲイン

( ) ( )( ) 1TT −

+= fkk

fkkk

fkk

fkk XHXHRXHXK

( ) ( ) ( ) ( )( )fkkNf

kkfkk

fkk

fkk HHHH

NxxxxXH −−

−≈ )()1( ,,

11

fkkXH

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局所アンサンブル変換カルマンフィルタ

カルマンゲインは

各格子点ごとの解析値の計算を独立に実行できるので、並列計算に向く。Sherman-Morrison-Woodburyの公式から得られる次式を利用する。

Local ensemble transform Kalman filter (LETKF): Hunt et al (2007)

kkakk RHPK =

変換行列

( ) ( )( ) ( )[ ] 11T1TT −−−

+=+− fkkk

fkk

fkk

fkk

fkkk

fkk XHRXHIXHXHXHRXHI

T2/1kkkk UDUT −=

( ) T1Tkkk

fkkk

fkk UDUXHRXHI =+ −

  :固有値を対角要素とする対角行列。   :正規化された固有ベクトルを列要素とする直交行列。 kUkD

を利用して、次のように計算する。

( ) 1TT1 −−= kfkkkkk

fkk RXHUDUXK

(固有値分解)

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摂動観測法と変換法の比較(1)

摂動観測法:観測データに摂動を加えるので、それによるサンプリングエラーによって精度が低下する。

変換法   :解析値のアンサンブルを予測値のアンサンブルから構成するので、非線形性や非ガウス分布に対して安定性に欠ける傾向がある。

比較計算例(状態変数:1個、アンサンブルメンバー:5,000個)

予測値の確率密度関数(実線:理論値、ヒストグラム:計算値)

Lawson and Hansen (2004)

ガウス分布 バイモーダル分布

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摂動観測法と変換法の比較(2) ガウス分布 バイモーダル分布

観測値

摂動観測法による解析値

変換法による解析値(EnSRF)

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変換法(EAKF) 摂動観測法

Anderson (2010)

(20 ensemble members)

摂動観測法と変換法の比較(3)

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4次元アンサンブルカルマンフィルタ(1)

カルマンゲイン

時刻  における解析値と解析誤差共分散行列が得られているとして、時刻  から時刻  までの同化ウィンドウ内の観測データを一括処理して、その期間内の状態変数を推定する。

( ) 1TT ~~~~~~~ −+= HPHRHPK ff

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

+⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

)(

)(~ 11111

fKKK

f

fK

f

aK

a

H

H

xy

xyK

x

x

x

x

0t1t Kt

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

=

KKfKK

fK

fK

f

f

R0

0RR

H0

0HH

PP

PPP

11

1

111

:~,:~,:~

異なる時刻の予測値の間の誤差共分散行列   は、予測値のアンサンブルから近似計算できる(サンプリングエラーへの対策が必要)。

fklP

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4次元アンサンブルカルマンフィルタ(2)

特に、局所アンサンブル変換カルマンフィルタでは

変換法では、同化ウィンドウ内の予測値の偏差の時間発展が線形的とみなせるならば、共通の変換行列  を使える。

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

=⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

=aK

a

a

fK

f

f

X

XX

X

XX

11

:~,:~

T

T2/1 UDUT −=

( ) T1T ~~~~~ UDUXHRXHI =+ − ff(固有値分解)

{ } { } { } { } { }( ) ),,1(,,1

1: ,)(,,)1(,, KkN

afk

Nafk

afk

afk

afk =−−

−= xxxxX

TXX fa ~~=

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35

予測誤差相関係数のメンバー数による違い

N=32

N=128

(Houtekamer and Mitchell,1998)

予測誤差共分散のサンプリングエラー

サンプル1 サンプル2

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共分散局所化(1)

共分散行列のサンプリングエラーと共分散局所化の効果。左:共分散行列を2点間の距離(横軸)のみの関数として、その理論値を実線で、100メンバーのアンサンブルによる計算値を黒い点で示す。右:共分散局所化に用いる相関行列を灰色の破線、共分散局所化前後の理論値を黒と灰色の実線、局所化後のアンサンブルによる計算値を灰色の点で示す。

誤差共分散行列のサンプリングエラー を抑えるために、有限の距離の範囲内で0の値を持つ適当な相関行列と誤差共分散行列のSchur 積をとる。

Lorenc (2003)

( ) ijijij BABA =: (Schur 積)

Covariance localization

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共分散局所化(2)

したがって、共分散局所化のための相関行列を  とすると、    も共分散行列であることが保証される。実際には、相関行列     によって、カルマンゲインを次のように修正する。

( ) 1TT−

ʹ′ʹ′+ʹ′→ kfkkkk

fk HPHCRHPC

( ) 1TT−

+= kfkkkk

fkk HPHRHPK

CC ʹ′ʹ′ʹ′,

Schur 積定理    非負定値対称行列    のSchur 積    は非負定値である。

証明 BA, BA

)rank(

)rank(TT

11

TT11

BvvvvB

AuuuuA

=++=

=++=

n

m

nn

mm

( )( )T1 11

T

1

Tlk

m

k

n

llk

n

lll

m

kkk vuvuvvuuBA ∑∑∑∑

= ===

==∴

最右辺は非負定値行列の和だから、    は非負定値行列である。 BA

C fkPC

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共分散局所化(3) ・ 局所アンサンブル変換カルマンフィルタでは、各格子点ごとの解析値の計算において、ある有限の範囲にある観測データだけを同化することによって、共分散局所化を取り入れている。 ・ さらに、格子点ごとに計算された解析値が空間的に滑らかになるように、解析する格子点から離れるにつれて、観測データの誤差標準偏差を大きく設定する方法と併用する。

○    ○     ○     ○    ○    ○ ×       ×観測データ   × ○    ○     ○     ○    ○    ○       ×       ×                       × ○    ○     ●     ●    ○    ○格子点        解析格子点             × ○    ○     ○     ○    ○    ○                     ×        ×                   × ○    ○     ○     ○    ○    ○

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Nff

N EPP +=

解析誤差のサンプリングエラー(1)

何らかの原因で解析誤差分散が過小評価されると、次の解析時刻における予測誤差分散が過小評価され、その結果、その時刻の解析値に占める予測値の重みが大きくなる。データ同化サイクルにおいてこの過程が繰り返されると、観測データの持つ情報が次第に解析値に反映されなくなる。

フィルタの発散(filter divergence)

観測演算子を線形として、解析誤差共分散行列のサンプリングエラーの期待値を見積もる。 ・ 正確な値: ・  メンバーのアンサンブルから見積もった値: ・    のサンプリングエラー:

Naf PKP ,,

aNN

fN PKP ,,

fNP NE

0EPE =<< Nf

N ,

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解析誤差のサンプリングエラー(2)

カルマンゲイン

( ) 1TT −+= HHPRHPK ff

( )( ) ( )( ) ( ) ( )( )

( )[ ]( ) ( )( )

( ) ( ) ( )[ ]( )3

1TT1TT

21TT1TT

1TT

11TT1TT

1TTT

1TT

N

fN

fN

fN

fN

fN

fN

fN

f

Nf

Nf

fN

fNN

O E

HHPRHHEIHHPRHEKHIK

HHPRHHEHHPRHHEI

HHPRHEK

HHPRHHEIHHPRHEP

HHEHHPRHEP

HHPRHPK

+

+−+−+=

⎥⎦⎤

⎢⎣⎡ −+++−×

++=

++++=

+++=

+=

−−

−−

−−−

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解析誤差のサンプリングエラー(3) 解析誤差共分散行列

( ) fa PKHIP −=

( )( ) ( ) ( )( )[ ]( ) ( )( ) ( ) ( )( )( ) ( )[ ] ( )31TT

21TT1TT

3

1TT1TT

NNf

N

ffN

fN

NNf

fN

fN

fNN

aN

O

O

EEHHHPRHEIKHI

PHHHPRHEHHHPRHEIKHI

EEP

HHHPRHHEIHHPRHEIKHI

PHKIP

++−−+

⎥⎦⎤

⎢⎣⎡ +++−−=

++×

+−+−−=

−=

−−

−−

サンプリングエラーについて期待値をとると

( ) ( )( )( ) ( ) ( )31TT

21TT

NNf

N

ffN

aN

O EHEHHPRHEKHI

PHHHPRHEIKHIP

++−−

⎥⎦

⎤⎢⎣

⎡ ++−=

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解析誤差のサンプリングエラー(4) 結局

( ) ( ) ( ) ( )3T1TTNN

fN

aaN O EKHIHEHHPRHEKHIPP +−+−−=

右辺第2項の行列は非負定値行列なので、予測誤差共分散行列のサンプリングエラーによって、解析誤差分散が一般に過小評価される。

数値モデルが2格子点からなり、初めの格子点の状態変数が観測される場合を考える。

( ) ( ) ( )( ) ⎟⎟

⎞⎜⎜⎝

⎛=⎟

⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛===

1

12

2

212

1 00

,0

0,,01e

eNf

ffo EPRH

σ

σσ

このとき ( )

( ) ( )[ ] ( )3321

21

21

41

00

0Nof

o

aaN O

eEPP +

⎟⎟⎟

⎜⎜⎜

+−= σσ

σ

解析誤差分散の過小評価は観測データのある格子点で生じる。

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共分散膨張

解析誤差分散の過小評価を防ぐために、予測誤差分散を人工的に大きくする。

( ) )0(1 >+→ ΔΔ fk

fk XX

Covariance Inflation

- Multipricative inflation

- Additive inflation

( ))(1

)1(111 ,, N

kkak

ak −−−− +→ ηηXX

( ))(1

)1(11 ,, N

kkkkakk

fk −−− +=∴ ηMηMXMX

   をランダムな摂動として )(1ik −η

力学的バランスを保つために、予測値に摂動を直接的には加えない。