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-1- 第4世代移動通信でのリレー伝送の役割

第4世代移動通信でのリレー伝送の役割sndst.snd.elec.keio.ac.jp/sndgw/RESEARCH/research.files/...PCI(Physical Cell ID) システム 物理層が基地局のものかリレー局のものかを識別し,PCI

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第4世代移動通信でのリレー伝送の役割

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背景

移動通信技術の進歩&携帯電話などの移動通信機の普及

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今までより高い周波数が必要!

高速,大容量通信

が求められる!

しかし,高周波数の信号は減衰が激しい

リレー伝送方式を用いる

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今までの移動通信システム

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伝送方式 主な用途 伝送速度

1G(第1世代システム)

FDMA(Frequency Division Multiple Access)

電話 ―

2G(第2世代システム)

TDMA(Time Division Multiple Access)

電話 数十kbps

3G(第3世代システム)

IMT-2000(International Mobile Telecomunications-2000)

電話/マルチメディア/パケット交換サービス

2Mbps

表1 今までの通信移動システムのまとめ

4Gでは1Gbpsを目標としている

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リレー伝送とは

伝搬損失が大きい

高い送信電力が必要

従来方式基地局を増やし伝送距離を短くする

リレー伝送基地局から送信された信号に対しリレー局を経由させ

信号処理を行うことで,信号の劣化を抑える

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高周波数を伝送する場合…

従来方式より基地局の数が少なくてすむ!

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リレー伝送方式

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伝送方式 メリット,デメリット リレー局での情報処理

備考

AF(Amplifier and Forward)

メリット・シンプルかつ安価・遅延が少ない ・信号増幅

現在2G,3Gで使われている

デメリット ・ノイズも増幅

DF(Decode and Forward)

メリット ・ノイズを除去可能

・復調,復号・符号化,変調・信号増幅デメリット

・信号処理の過程で遅延が発生・無線制御機能が必ず必要

New RelayTechnology

メリット ・ノイズを除去可能 ・復調,復号・user-data再生・user-data伝送・符号化,変調・信号増幅

DFよりも遅延時間がさらに大きいが,より精密にノイズ除去ができる

デメリット・信号処理の過程で遅延が発生

表2 リレー伝送方式のまとめ

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New Relay Technology

PCI(Physical Cell ID)システム

物理層が基地局のものかリレー局のものかを識別し,PCIの値を変える

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PCI = X

PCI = Y

基地局

リレー局

PCIの値が変化

図1 PCIシステムのイメージ図

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第4世代におけるリレーの規格

IEEE.802.16m

LTE(Long Term Evolution)-Advanced

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Non-transparent(NT)

STR(Simultaneous Transmit and Receive)

TTR(Time-division Transmit and Receive)

FDD TTRTDD TTRFDD STR(Frequency Division Duplex)

TDD STR(Time Division Duplex)

:16m,LTE-Aで使用

:LTE-Aで使用

TTR:インバンドSTR:アウトバンド

図2 リレーのカテゴリ分類

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インバンド通信とアウトバンド通信

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同じ周波数で通信

違う周波数で通信

図3 インバンド通信のイメージ図

図4 アウトバンド通信のイメージ図

基地局

リレー局

基地局

リレー局

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IEEE802.16m

WiMAXで使われている

伝送方式:DF伝送

リレー技術において,IEEE802.16jと一部互換性がある(16m⊂16j)

16j … プロトコルの設計が複雑

16m … 設計しやすい

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素早い標準化が目標だったため,16mの方が好まれた

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LTE-Advanced

3GPP(3rd Generation Partnership Project)で提案されている

伝送方式:New Relay Technology

→・SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)を改善できる

・技術の実装が楽

PCIシステムを使用

→・移動通信機が基地局からの信号とリレー局からの信号を判別で

きる

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結論

二種類のリレー伝送技術はかなり似ている

技術の本質はOFDMAからなる

基本的なリレー技術しか用いられていない

これからの課題

消費電力/マルチホップ構造/トランスペアレントリレー/協調送信

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次世代の無線通信やリレー技術の確立のために技術者や研究者の努力がまだまだ必要!

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参考文献

[1]K. Loa, C. Wu, S. Sheu, Y. Yuan, M. Chion, D. huo and L. Xu, ”IMT-Advanced Relay Standards,” IEEE Communications Magazine, pp. 40-48, Aug. 2010.

[2]M. Iwamura, H. Takahashi and S. Nagata, ”Special Articles on LTE-Advanced Technology–Ongoing Evolution of LTE toward IMT-Advanced-,” NTT DOCOMO Technical Journal, Vol. 12, No. 2, pp. 29-36, Sep. 2010.

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