18
5. 歯車の設計と強度 ユピタールは強度、耐久性、耐摩耗性、耐薬品性等にすぐれており、各種の歯車類への利用が可能であ る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か らの強度設計が必要である。 5.1 歯車の設計 5.1.1 歯元強度 歯元にかかる曲げ応力は一般的にルイス式(1)が用いられる。 表5.1.1-1 平歯車の歯形係数 W=S・b・m・(y´)・・・・・・・・・・・・・・・(1) S:歯元にかかる曲げ応力(kg/mm 2 ) m : モジュール(mm)・・・・・・ダイヤメトラルピッチ Pd= b : 歯巾(mm) (y´) : 歯形係数(表5.1.1-1参照) W : ピッチ円周方向の接線荷重(kg) 圧力角20°標準歯車 圧力角14.5°標準歯車 歯数z y(y´) z y(y´) 歯数z y(y´) z y(y´) 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 24 26 28 30 34 38 43 50 0.277 0.292 0.308 0.319 0.325 0.330 0.335 0.340 0.346 0.352 0.354 0.359 0.367 0.372 0.377 0.388 0.400 0.411 0.422 0.415 0.443 0.468 0.490 0.503 0.512 0.522 0.534 0.543 0.553 0.559 0.572 0.587 0.597 0.606 0.628 0.650 0.672 0.694 60 75 100 150 300 ラック 0.433 0.443 0.454 0.464 0.474 0.484 0.713 0.735 0.757 0.779 0.801 0.823 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 24 26 28 30 34 38 43 50 0.237 0.249 0.261 0.270 0.279 0.288 0.293 0.299 0.305 0.311 0.313 0.318 0.327 0.332 0.334 0.342 0.347 0.352 0.357 0.355 0.377 0.399 0.415 0.430 0.446 0.459 0.471 0.481 0.490 0.496 0.509 0.522 0.534 0.540 0.553 0.565 0.575 0.587 60 75 100 150 300 ラック 0.365 0.369 0.374 0.378 0.385 0.390 0.603 0.613 0.622 0.635 0.650 0.660

5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

5. 歯車の設計と強度

ユピタールは強度、耐久性、耐摩耗性、耐薬品性等にすぐれており、各種の歯車類への利用が可能である。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面からの強度設計が必要である。

5.1 歯車の設計

5.1.1 歯元強度

歯元にかかる曲げ応力は一般的にルイス式(1)が用いられる。

表5.1.1-1 平歯車の歯形係数

W=S・b・m・(y´)・・・・・・・・・・・・・・・(1)

S : 歯元にかかる曲げ応力(kg/mm2)

m : モジュール(mm)・・・・・・ダイヤメトラルピッチ Pd=

b : 歯巾(mm)

(y´) : 歯形係数(表5.1.1-1参照)

W : ピッチ円周方向の接線荷重(kg)

圧力角20°標準歯車 圧力角14.5°標準歯車

歯数z y(y´) z y(y´) 歯数z y(y´) z y(y´)

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 24 26 28 30 34 38 43 50

0.277 0.292 0.308 0.319

0.325 0.330 0.335 0.340 0.346

0.352 0.354 0.359 0.367 0.372 0.377

0.388 0.400 0.411 0.422

0.415 0.443 0.468 0.490

0.503 0.512 0.522 0.534 0.543

0.553 0.559 0.572 0.587 0.597 0.606

0.628 0.650 0.672 0.694

60 75

100 150 300

ラック

0.433 0.443 0.454 0.464 0.474 0.484

0.713 0.735 0.757 0.779 0.801 0.823

12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 24 26 28 30 34 38 43 50

0.237 0.249 0.261 0.270

0.279 0.288 0.293 0.299 0.305

0.311 0.313 0.318 0.327 0.332 0.334

0.342 0.347 0.352 0.357

0.355 0.377 0.399 0.415

0.430 0.446 0.459 0.471 0.481

0.490 0.496 0.509 0.522 0.534 0.540

0.553 0.565 0.575 0.587

60 75

100 150 300

ラック

0.365 0.369 0.374 0.378 0.385 0.390

0.603 0.613 0.622 0.635 0.650 0.660

Page 2: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

5.1.2 歯面強度

歯車歯面はピッチングあるいは摩耗などの損傷現象がおこり、一般にヘルツ式(2)が用いられる。

W=σα2-bd1 ・・・・・・・・・・・・・・・(2)

W : ピッチ円周方向の接線荷重(kg)

b : 歯巾(mm)

d1 : ギヤーのピッチ円直径(mm)

α : かみあい圧力角

Z1 : ギヤーの歯数

Z2 : ピニオンの歯数

E1 : ギヤーの縦弾性係数(kg/mm2)

E2 : ピニオンの縦弾性係数(kg/mm2)

σα : 許容圧縮応力

5.2 歯の疲労強さ、面圧強さ

歯車の疲労破壊、摩耗損傷にいたる曲げ応力、面圧力は歯の大きさ、運転状況のちがいによって変化する。 歯の寿命に及ぼす要因としては、

等があるため、総合的な判断が必要である。 歯車の耐疲労性、面圧強さを図5.2-1,5.2-2に示す。

歯車強度S-N曲線

1) 実使用温度の高低

2) 潤滑性付与の有無

3) 動力伝達のための歯車の使用材質

4) 運転状態(連続運転、間歇運転)

5) 動力伝達速度

6) 接触面の摩耗性

7) かみ合率

ユピタール同志の組み合せ(無潤滑)

図5.2-1 歯車強度とサイクルの関係

鋼歯車との組合せ

図5.2-2 歯車強度とサイクルの関係

Page 3: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

6. 接合

6.1 金属インサート

インサートの方法としては、成形時にインサートする方法と、成形後にインサートする方法があるが、ここでは前者の成形インサート法について述べる。 真鍮製インサート金具(7mmφ×13mmL)を用い、インサートしたときの結果を図6.1-2~6.1-4に示す。これらの結果から次のことがわかる。

ユピタールの成形インサートで特に注意すべきことは、金具周囲に発生するクラックの問題である。クラックの要因としては、

などの影響があるので注意しなければならない。例えば図6.1-2に示した実験で(金具にローレットあり)、75℃で3,000~4,000hrの熱処理を行ったところ、ローレットのシャープエッジウェルド部からクラックが発生するものがあった。

1) インサート金具周囲の肉厚比と引抜力、回転トルク共上に凸の曲線となり、肉厚比2.0前後でピーク を示す。これは肉厚比の小さい側では材料力学的な保持力低下により、逆に大きい側では、厚み方向のヒケ効果により低下するものと考えられる。

2) 熱処理によって引抜力や回転トルクの値は全体的に上昇する。これは加熱収縮効果と考えられる。

3) ローレット溝を設けることによって、保持力は大きく向上する。

4) 引抜力の値から、インサート金具周囲に発生する応力を計算してみると、図6.1-5の如くである。これは次式によって計算した。

σmax=FW/πDsLµ

σmax : 引張最大応力(kg/cm2)、 W : k2+1/k2-1

F : 引抜力(kg)、 µ : 摩擦係数(0.15)

k=Dh/Ds(ボス外径/インサート金具径)

L : インサート金具長(cm)

1) 金具のシャープエッジによる応力集中

2) ウェルドライン

3) 使用環境での熱エージングによる応力の増大

Page 4: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

図6.1-1 インサート成形品の形状とインサート保持力測定方法

(1) 試験片の形状

(2) 測定方法

i) 引抜力(軸方向保持力)

ii) 回転トルク(円周方向保持力)

Page 5: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

インサート成形における金具保持状況(インサート金具:7mmφ×13mmL 真鍮製)

図6.1-2 ローレットのない場合の

インサート金具引抜力

図6.1-3 ローレットのある場合の

インサート金具引抜力

図6.1-4 ローレットのない場合の

インサート金具回転トルク

図6.1-5 各肉厚比における応力

(ローレットなしの場合の金具引抜力より算出)

Page 6: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

6.2 セルフタップねじによる締結

図6.2-1に示すようなユピタール試験片を用い、呼径3mmφのセルフタップねじについて、下穴径(ひっかかり率)、ボス外径、ねじ込み深さ等を変えて、ユピタールのセルフタップねじ特性を調べた。ここで、ひっかかり率とは、セルフタップねじの場合、正確な定義はないが、次の如く計算した。

結果は、図6.2-2~6.2-5に示す如くである。これらの結果から次のことがわかる。

ユピタール成形品をセルフタップねじによって締結する場合、ひっかかり率の大きい方が破壊トルクや引抜力は向上するが、ねじ込みトルクは大きくなり、作業性は悪くなる。作業性を大きく低下させずに破壊トルクや引抜力を増すにはねじ込み深さを深くする方が良い。ボス部の肉厚はねじ呼径の1/2以上にするのが良いが厚くしすぎるとヒケが発生して、ひっかかり率を低下させるので注意が必要である。

図6.2-1 セルフタップねじ締付

ひっかかり率(%)=

1) ひっかかり率やねじ込み深さが大きい方が、ねじの引抜力破壊トルク、ねじ込みトルク等は大きくなる。

2) ボス肉厚については、ひっかかり率の大きい場合、肉厚が厚くなると、引抜力、破壊トルク等は大きくなる。

3) 熱処理やヒートサイクル処理によって破壊トルクは向上し、戻しトルクは低下する傾向がある。

(1) 試験片の形状

d1 : 下穴径

d2 : ボス外径

l : ねじ込み深さ

(2) 測定方法

引抜力の測定 (オートグラフによる)

トルクの測定 (トルクドライバーによる)

Page 7: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

(1) ねじ込みトルクと破壊トルク

(2) ねじの引抜力

図6.2-2 セルフタップねじによる締結ねじ込み深さ

Page 8: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

(1) ねじ込みトルクと破壊トルク

(2) ねじの引抜力

図6.2-3 セルフタップねじによる締結下穴径(ひっかかり率)の影響

Page 9: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

(1) ねじ込みトルクと破壊トルク

(2) ねじの引抜力

図6.2-4 セルフタップねじによる締結ボス肉厚の影響

Page 10: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

図6.2-5 セルフタップねじの長期締結試験

Page 11: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

6.3 金属小ねじによる締結

ユピタール成形品を、図6.3-1のように金属小ねじで締付けた後の戻しトルクや締付力の変化を調べた。 ねじに発生した締付力Qは、トルクTから次式によって計算した。

ここに、符号+の場合は、締付トルクTfと締付力Qfの、符号-の場合は、戻しトルクTrと締付力Qrとの関係を示す。

図6.3-3~6.3-6に結果を示す。これらの結果からわかるように長時間放置後には、応力緩和によって戻しトルクや締付力の低下が認められる。特に高温下においてこの傾向は顕著である。従って、緩みが問題になる用途ではスプリングワッシャーその他の方法で緩み防止策をこうじる必要があろう。一方、ユピタールの被締付部については、これらの熱処理やヒートサイクル処理によって、クラックの発生は認められなかった。

Q=2T/{d2 tan(ρ±β)+µn dn}

d2 : ねじの有効径

µ : かみ合ったねじ山の摩擦係数(0.20として計算)

θ : ねじ山の角度

tan ρ=µ/cos

P : ピッチ

β : ねじのリード角(tan β=P/πd2)

µn : 座面における摩擦係数(0.15として計算)

dn : 座面における平均直径

図6.3-1 金属小ねじによる締結試験方法

図6.3-2 締付部形状

Page 12: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

締付トルクが高すぎると、ユピタールの被締付部に変形が起り、低すぎると締付力の不足が起る。締付トルクとしては下表の値を基準に±20%以内で、緩みの恐れのあるときは強く、作業性をよくしたいときは、弱く締付ければ安全である。

表6.3-1 小ねじの基準締付トルク

図6.3-3 M3小ねじ長期締結後の戻しトルク保持率 及び 締付力

ねじの呼び M3 M4 M5 M6

基準締付トルク kgf・cm

7.5 20 35 50

Page 13: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

図6.3-4 M4小ねじ長期締結後の戻しトルク保持率 及び 締付力

図6.3-5 M5小ねじ長期締結後の戻しトルク保持率 及び 締付力

Page 14: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

図6.3-6 M6小ねじ長期締結後の戻しトルク保持率 及び 締付力

Page 15: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

6.4 超音波接合

ポリアセタールの超音波接合は、表6.4-1に示す如く、溶着機のパワーや接合部のデザインに注意すれば、比較的容易な部類に属するとされている。その応用範囲は、伝達溶着以外に直接溶着、リベット、インサートなどにも応用可能である。 ユピタールの超音波接合(伝達溶着)として、図6.4-1に示すような試験片を用い、試験を行った。結果は図6.4-2,6.4-3に示す如くである。この結果からわかるように、出力や加圧時間を充分とれば高い強度が得られることがわかる。また、強度の低い側では、溶着面の剥離を示すが、強度の高い側では、母体自体の破壊を示し、充分強度が得られていることが理解される。

表6.4-1 プラスチックの超音波接合性能

図6.4-1 超音波溶着試験方法

プラスチックス 伝達 直接 リベット インサート 溶着状況

ポリスチレンGP ポリスチレンHI AS ABS ポリカーボネート ナイロン ポリスルフォン ポリアセタール アクリル ポリフェニレン オキサイド ポリプロピレン ポリエチレン 塩化ビニール(硬) アセテート

優 優→良 優→良 優→良

優→良

良 良

優→良 良 可 可 可 可

優 優 優 優

良 良 優 良

優→良 優→良

優 良

優 優 優 優

優 優 優 良 優 優 良 良

優 優 優 優

優 優 優 優 優 優 良 良

音響特性良,減衰少,溶着優,固化時間少 ゴム含量30%迄(伝達)GPに準ず 減衰、ポリスチレン(GP)より30%大 ガラス入(15%)改質される。 AS,ポリスチレン,アクリルと溶着 軟化温度高く、高エネルギー要、乾燥、インジェクション直後のもの溶着良 ガラス入は溶着性が改善される 乾燥により溶着性改良される 高エネルギーを要す AS,ABSと溶着 高エネルギーを要す 減衰大、比較的ウス物(伝達) 熱伝導大なるため振動時間長くする 場合により分解する。 アセチル基の多いものは応力分布を均一にする

Page 16: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

図6.4-2 出力の影響

図6.4-3 加圧時間の影響

Page 17: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

6.5 接着剤による接着

ユピタール成形品の接着剤接着を次の方法で実施した。

結果を表6.5-1に示す。この表からわかるように、ユピタールに適する接着剤としては、ユピタール同志の場合、シアノアクリレート系、エポキシ系などの接着剤が比較的高い値を示している。一方、ユピタール成形品の表面は親和性に乏しいため、化学的または物理的に粗化することによって、接着強度は大巾に向上する傾向がある。

テストピース

大きさ 厚さ

(巾)20mm×(長さ)70mm 1.0,2.0,3.0,5.0,8.0mm

接着面の前処理

脱脂のみ(アセトン使用) 粗面化(#120のエンドレス研摩ベルトによる粗化)

接合方法

重ね合わせ

突き合せ

表6.5-1 ユピタールの接着剤による接合 (単位 kg/cm2)

接着剤 接着面の処理

接合方法

重ね合わせ* 突き合わせ**

テストピース厚み tmm

1.0 2.0 3.0 5.0 8.0

シアノアクリレート系未処理 9 15 8 5 52

粗面化 #120 23 27 36 44 53

エポキシ系未処理 9 15 20 18 36

粗面化 #120 19 25 28 28 57

変性アクリル系未処理 7 14 12 20 23

粗面化 #120 21 23 27 27 25

ゴム系 (クロロプレンゴム)

未処理 12 11 8 8 10

粗面化 #120 20 22 22 19 10

* 引張せん断強さ

** 引張強さ

Page 18: 5. 歯車の設計と強度 - m-ep.co.jp · る。歯車類の破損は歯の疲労性にもとずく破損と歯面の摩耗にもとずく破損が共存して起るため、両面か

7. ウェルド強度

機能部品、構造部品として使用される成形品には多かれ少なかれ開孔部分、ネジ締めする穴、ボス、補強のためのリブ等が存在する。さらに、多点ゲート、肉厚分布等により樹脂の流動は複雑となり、ウェルドが発生する。ウェルド部は外力が負荷される個所においては応力集中を起し、衝撃、荷重に対し脆弱化したり、強度低下の原因ともなるので注意を要する。 ウェルド部の引張強さ、伸び、曲げ強さの保持率を図7-1に示す。

図7-1 ウエルド強さ

テストピース及びウエルド位置