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dq/dt : ROHR [J/msec]
dp/dt : Pressure Change per Time[Pa/msec]
p : Pressure[Pa]
V : Cyrinder Volume[m3 ]
k : Rate of Specific Heat (1.33)
10𝑚𝑚3/𝑠𝑡
Fig.4 Injection Pattern
(d) (e)
(a) (b) (c) 20𝑚𝑚3/𝑠𝑡
15𝑚𝑚3/𝑠𝑡 5𝑚𝑚3/𝑠𝑡
10𝑚𝑚3/𝑠𝑡
10𝑚𝑚3/𝑠𝑡 5𝑚𝑚3/𝑠𝑡
300𝜇𝑠 300𝜇𝑠 300𝜇𝑠
350𝜇𝑠
5𝑚𝑚3/𝑠𝑡 5𝑚𝑚3/𝑠𝑡 5𝑚𝑚3/𝑠𝑡 5𝑚𝑚3/𝑠𝑡
650𝜇𝑠 490𝜇𝑠
10𝑚𝑚3/𝑠𝑡
急速圧縮装置を用いた多段噴射の燃焼影響解析
Analysis of Multiple Injection Influence on Combustion with Rapid Compression Machine
○学 二上 泰輔(愛工大院) 正 藤村 俊夫(愛工大)
Taisuke FUTAGAMI, Toshio FUJIMURA, Aichi Institute of Technology, 1247 Yachigusa Yakusa-cho, Toyota 470-0392, Japan
Key Words: Diesel Engine, Spray Combustion, Fuel Injection
1.緒言
地球温暖化や大気汚染が問題視されている中で,自動車に
おいては燃費改善・排気ガスのクリーン化を図ることが急務
である.本研究は,エンジンの圧縮・燃焼行程のみを取り出
し,一回の等容燃焼を行わせることが可能な急速圧縮装置(CI-RCM: Compression Ignition Rapid Compression Machine)(1)
を用いて,低圧縮・低流動燃焼による低燃費化・クリーン化
の実現に向けた燃焼コンセプトの確立を目的とする.昨年度
は低圧縮比・低スワール化することで混合気形成が不十分と
なるため,燃焼は悪化傾向となった(1).プレ噴射,パイロッ
ト噴射によりメイン噴射の着火遅れは改善できたが,単気筒
ディーゼルエンジンで評価すると,拡散燃焼割合が高くなり
PM,Smoke の排出が多いことがわかった(3).そのため,本年
度は低圧縮比・低流動化のもとで,多段噴射化により空気導
入率を向上させ,燃焼への影響を可視化によって解析する.
2. CI-RCMの詳細
2.1作動原理
エアタンクからパルスジェットバルブにかけて圧縮エア
を充填させる.その後,パルスジェットバルブを開放し,ピ
ストンが押し上げられ燃焼室内の空気を圧縮する.燃焼室内
に燃料を噴射し、そのときの圧力を圧力センサ(KISTLER
6125C)で計測し,燃焼の様子を高速度カメラ (Photron
FASTCAM SA-X2)で撮影する.
2.2 燃焼室の概要
Fig.2 に高速度カメラ側から見た燃焼室(φ52)の断面を示す.
CI-RCM での可視化は実エンジンでピストン下面から燃焼室
を可視化したものに相当する.また,オリフィス径を拡大す
ることで低圧縮比,低スワール比化を実現できる.
Fig.3 に N2 ガスを満たした状態での燃焼室内部の噴霧の様
子を示すが,スワールによって噴霧が流される様子がわかる.
3.実験条件
Table.2 に示すように,燃焼室壁面温度,シリンダ壁面温度,
初期の燃焼室内チャージ圧力,コモンレール圧力,噴射量を
設定し,噴射時期は着火時期がTDCになるように決定した.
Fig.4 に今回評価した,多段噴射のパターンを示す.それ
ぞれのインターバルは燃焼室に N2ガスを満たした状態で噴
霧を観察し,噴霧が重ならない最小のインターバルを確認し
て決定した.
熱発生率(ROHR)は計測した燃焼圧力より,下式で算出した.
𝑑𝑞
𝑑𝑡=
1
𝑘 − 1𝑉
𝑑𝑝
𝑑𝑡
Bore×Stroke[mm] 115×105
Displacement[cc] 1091
Piston Speed[m/s] 4.94
Equivalent Engine Speed[rpm] 1411
Injection System Piezo Common Rail System
Specifications of Injector Piezo Drive Type(φ0.09×9)
Orifice Diameter[mm] φ14
Compression Ratio[-] 14.5
Swirl Ratio 7.85(TDC)
Combustion Chamber
Temperature[℃] 120
Cylinder Body
Temperature[℃] 120
Charge Pressure[MPa]
0.135 Common Rail Pressure[MPa]
40
Total Fuel
Injection[mm3/st] 20 Injection Timing
BTDC
1.1msec
Table.1 Specifications of CI-RCM
Fig.3 Injection Spray
Fig.2 Combustion Chamber (⑤in Fig.1)
Exhaust
Piston
O-ring
Orifice
Combustion Chamber(120℃)
Intake Air or N2
(0.135MPa)
Pressure Sensor
Air
Thermocouple
Cylinder Body(120℃)
Table.2 Experimental Conditions
①
Fig.1 CI-RCM
②
③
④
⑤
① Air Tank (0.4MPa)
② Pulse Jet Valve
③ Cam
④ Piston
⑤ Combustion Chamber ⑥ High Speed Digital Video Camera (13500 frame per sec)
a) View from Upper
Side
b) View from Left Side
⑥
日本機械学会東海支部第 65期総会・講演会講演論文集(’16. 3. 17-18) No.163-1
528
-1000
100200300400500600
RO
HR
[J/m
s]
-1 0 1 2 3
(a) (b) (c) (d) (e)
ⅰ) ROHR, Injection Timing and Ignition Timing
(a) (b) (c) (d) (e) In
ject
ion
Pat
tern
4.実験結果および考察
4.1噴射パターン変更による熱発生率への影響
Fig.5 のⅰ)にそれぞれの噴射パターンごとの熱発生率,燃
焼重心,噴射パターン内に丸印で着火時期を示す.Fig.5 の
ⅱ)に予混合燃焼割合を示し,図中の数値は着火遅れ期間中
の燃料噴射量を示す.噴射パターンの 1 段目の噴射量を減ら
し,多段化すると着火遅れ期間中の燃料噴射量が減ることで
予混合燃焼割合が低下するため,熱発生率のピーク値が減少
し,拡散燃焼中の熱発生率が増加することが確認できる.ま
た,噴射の多段化により単発噴射と比較して燃焼期間が長く
なるが,多段噴射のパターン変化に対して燃機期間の差が小
さいのは,本装置が等容燃焼させていることによると考える.
4.2噴射パターン変更による燃焼火炎への影響
それぞれの噴射パターンで,燃焼火炎が広がる様子を示し
た画像と着火から火炎が広まるまでの様子を,同一画面上に
スケッチした図を Fig.6 に示す.スケッチは時間経過ごとに
暗色から明色に変化させ火炎の広がる様子を示し、着火箇所
を黒塗りで,一段目以降の噴霧が火炎に突入する場所を白枠
で示した.図中の時間は着火からの時間としている.単発噴
射の(a)は噴射量が 20mm3/st と貫徹力が強いため,壁面付近
で着火し,予混合火炎は壁面から中央に向かって伝播する.
2段噴射の(b)では 1段目の噴射量が 15mm3/stと少なく貫徹力
が若干弱まるため,(a)と比較すると 1 段目の噴射中に壁面の
内側から壁面に向かって着火し,その後中央に向かって火炎
は伝播する.続く 2 段目の噴射量は 5mm3/st と貫徹力が弱い
ため噴霧はあまり広がらず,燃焼室中央の空気を使って燃焼
する.2 段噴射の(c)では 1 段目の噴射量は 10mm3/st と更に少
なく貫徹力も弱まるため,2 段目の噴射開始と同時に壁面の
内側で着火する割合が増える.2 段目の噴霧は壁面と壁面の
内側の火炎に突入するため,酸素不足での燃焼が進む.2 段
噴射の (d)のパターンでは 1 段目の噴射量が 5mm3/st と噴霧
の貫徹力が非常に小さくなるため,2 段目の噴霧によって外
に押しやられる混合気もあるが,壁面よりむしろ中央付近で
着火する割合が大幅に増える.一方 2 段目の噴射量は
15mm3/st と貫徹力が高いため,噴霧は中央付近と壁面近くの
火炎に突入し,Fig.7 の①と②に示すよう非常にリッチな状
態での燃焼となることがわかる.4 段噴射の(e)は噴霧の空気
導入率の向上を期待したものである.1 段目の噴射量が
5mm3/st と貫徹力は非常に弱いが,2 段目の噴霧によって壁
面に押しやられるため,比較的壁面近くで着火していること
がわかる.また,3 段目の噴射量も 5mm3/st と貫徹力が弱い
ため,(d)と比較すると火炎に突入する噴霧の量は少なく,(b)
と同じように燃焼室内の空気をうまく利用し局所リッチの
少ない燃焼が行われていることがわかる.
5.結言
1) 2 段噴射において 1 段目の噴射量に比べ 2 段目の噴射量が
増加する(c)10mm3/st-10mm3/st,(c)5mm3/st-15mm3/st では,
火炎中に噴霧が突入する割合が増え,リッチな環境下での
燃焼となり黒煙は発生し易くなる.
2) 4 段噴射では,単段噴射(a)20mm3/st,2 段噴射
(b)15mm3/st-5mm3/st に比べ拡散燃焼割合は増加するが,燃
焼室内の空気をうまく利用した局所リッチの少ない燃焼
により,PM,黒煙を同等にできる可能性がある.
3)また,単発噴射(a)20mm3/st,2 段噴射(b)15mm3/st-5mm3/st
に比べ 4 段噴射の貫徹力は弱いため,壁面クエンチ減少に
よる HC,CO 低減の可能性がある.
謝辞
研究推進にご支援をいただいた,トヨタ自動車株式会社エ
ンジン先行制御システム開発部 伊藤寿記殿,高速度カメラ
を供試いただいた,株式会社フォトロン 名古屋営業所 相澤
啓助殿に御礼申し上げます.
参考文献
(1) 山田,二上:自動車技術会中部支部 学術講演会 講演
予稿集(2013)
(2) 深津,二上:自動車技術会中部支部 学術講演会 講演
予稿集(2014)
(3) 代田,中村,國井:自動車技術会中部支部 学術講演会
講演予稿集(2014)
ⅱ) Premixed Combustion Ratio and Injection Quantity
0
50
100
(a) (b) (c) (d) (e)
Pre
mix
es
Co
mb
ust
ion
Rat
io[%
]
Injection Pattern
14.1mm3
11.0 10.0 9.9 9.2
Fig.5 Influence of Injection Pattern
Fig.6 Combustion Picture
Fig.7 Flame Development 0.04ms 0.11ms 0.11ms 0.04ms
① ②
0.04ms 0.11ms 0.26ms 0.18ms
(e)
(a)
(b)
(c)
(d)
0.33ms 0.18ms 0.26ms 0.41ms
0.11ms 0.18ms 0.33ms 0.26ms
0.11ms 0.18ms 0.33ms 0.26ms
0.04ms 0.11ms 0.26ms 0.18ms
①
②
0.04~0.41ms
0.04~0.33ms
0.18~0.70ms
0.11~0.33ms
0.11~0.48ms
TDC Time[ms]