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人中心のアジャイル開発だからこそできる 自律改善アプローチ
7-Nov-13
前川 直也
ご自身のプロジェクトや組織に置き換えて!
ちょっと抽象的ですがポイントを見つけて!
来週からできることを探してみてください!
人間だもの。。。
現場の課題と、その背景にあるもの
現場に笑顔は
ありますか?
楽しんでますか?
集中できてますか?
成長してますか?
6 プロジェクトの医学
病名: 『過計画症』
計画は一度決めたら変更しては
いけないものだという誤解
計画を変更するとコミットメントが面倒だという本末転倒な思い
原因
計画通りに進めると必ず成功すると信じすぎ、とにかく計画変更せず
プロジェクトを「管理」する
症状
「予実管理」しているから大丈夫という安心感から、計画とのギャップを埋めることばかりに注力し続けるが、そもそも計画変更したほうが効果的であることを忘却の彼方に置いてきてしまう → この背景に気付いたメンバは、計画に沿っているようにでっち上げるようになり、現場の状況がより分かりにくくなっていく
放置した場合
計画を変更することは悪いことではないことを理解する
計画立案時に考えた、どう進めたい、どのようにしたい
計画を推進していくのは何の為なのかを、再度認識してみる
治療方法
プロジェクトの医学
病名: 『ひとまずやっとけ症候群』
各メンバのタスク粒度がまちまち(2日タスク~2週間タスク)などで、 プロジェクト全体がどこに向かって
いるのか、見えなくなっている
原因
計画を変更する重要性は理解したものの、目の前に納期が迫る、
課題が山積するなどに巻き込まれ
「ひとまずやっといて!」と
顔を見ずに指示することが増える
症状
初期状態では、PMがさくさく割り振りしてくれる!と好印象を持っているが、 「どうもPMは目先のことしか気にしてないじゃない?」などの疑問点を
感じてしまうと、メンバには上からタスクが落ちてくる恐怖心に駆られ始める もちろん納期は気になっているが、モチベーション低下のほうが勝つ
放置した場合
プロジェクト全体のリズムを意識し、 最終的なゴールを一定間隔のリズムに落とし込んでいく
そのリズムをPM、メンバ全員で共有し、自律的な場を形成する
治療方法
7
プロジェクトの医学
病名: 『ついつい怒る病』
これまで様々な工夫をしながら、きっちりこなしていた経験を持つ
知識レベルの高いPMに多い
本当はじっくり教えたいのだか、 つい感情的な口調になってしまう
原因
プロジェクト進捗は遅れることもあり、設計不足が露呈する場合もある
そんなときに、叱るのではなく、
ついつい感情的に怒ってしまう
症状
プロジェクトのモチベーションが大幅に低下するのはこの原因が多い よかれと思って言っているつもりが、「ほめる」ことを忘れてしまっている
メンバは信頼されていないのでは?という不安にさいなまれ始め、 いくらがんばっても報われないと思いだす、同時にPMは孤独感が増す
放置した場合
PMの振舞いがプロジェクトに大きな影響を 持っていることを再度認識する必要がある
メンバに任せ、よいところをほめ、次につなげてあげることが重要
治療方法
8
プロジェクトの医学
病名: 『思考停止症候群』
一見時間がなくあたふたとタスクをこなしているように見えるが
考える機会が少ないことと、
考える習慣ができていない
原因
忙しいという理由を使い始め
具体的なアクションプランを作らず淡々とタスクをこなすようになる
「考える」→「動く」が停止
症状
変化が発生する、変わっていくというシーンを感じることが少ない場合、
現状に満足し、工夫をしないという人間心理が働いてしまう
リズムを設定したことが逆の作用を引き起こしてしまい、
淡々とこなして、リズムを無難に過ごしてしまうことになり、成長が止まる
放置した場合
プロジェクトが終了したあとにふりかえり、課題を探し、
次のプロジェクトへの改善アクションを考えるのではなく、
短いサイクルでふりかえりを実施し、常に考え、成長する仕組みを導入
治療方法
9
どうやってカイゼンしてるの?
そもそもなんでカイゼンしてるの?
育成するのではなく一緒に成長しませんか?
誰かをカイゼンしてるの?
私たちは何に向かって働いてますか?
マズローによる欲求階層
14
自己 実現
尊敬 (承認)
所属と愛情
安全
生理的欲求
【X理論】 人間は生来怠け者で、 できれば働きたくない 強制されたり命令されなければ 仕事をしない
【Y理論】 生まれながらに嫌いということはなく、働くことは人間の本性 条件次第で責任を受け入れ、 自ら進んで責任を取ろうとする 問題解決のための創意工夫をこらす能力は誰でも持っている
ダグラス・マクレガーのX理論Y理論
人間観・動機づけにかかわる2つの対立的な理論
or
15
報酬性
強制性
正当性 専門性
準拠性
ジョン・フレンチ バートラム・ラーベン
リーダーシップを 発揮するための 対人影響力
物的・心理的な
罰を課す
認められた 地位や権限
優れた 知識や技能
尊敬できる 魅力
チーム形成の5段階モデル
B.W.タックマン
2005年PM学会誌 松尾谷、榎田
©PS研究会
ばらばら
の個人
Ⅰ形成期
Ⅱ騒乱期
Ⅳ実行期 Ⅴ散会期
チームの形成段階
パフォーマンス
Ⅲ規範期
大
小 (0 ばらばら期)
プロジェクトは何のためにあるの?
What 何を作りたいのか?
Who 誰が作るのか?誰と作るのか?
When いつまでに作るのか?
Where どのような環境で?
How どうやって? どんな技術?どんなプロセス?
Why
なぜ作らなければ
ならないのか?
プロジェクトは何のために存在し、 なぜ自分たちがそこにいるのか
ここがぶれると、 プロジェクトの土台がぶれ始める
18
ほんとうの「Why」!?
やりたい!につながる「Why」になってますか?
Why
なぜ作らなければ
ならないのか?
企業・組織としての Why
個人としての Why
–利益をあげねば –競合他社に勝つ –生産性をあげる –高品質な商品
– リーダとしての成功 –新しい技術を得る –自分の時間を作る –残業しても高収入
いやなことはしたくない・・・
パワーを引き出す「素」は 結局のところ「欲求」につながる
スポーツ
ゲーム 趣味
家族 勉強
仕事
19
なぜアジャイルなのか?
ソフトウェアを取り巻く環境とアジャイルとは?
ソフト業界の変化
21
以前は、狙っていけば的中する確率が高かった
今の組込み業界では、
環境の変化
ユーザニーズの多様化
競合他社との競争激化
などで、先の読めない状況・・・
環境変化
競合
組込み?
ものづくり日本
価値駆動
組込みを取り巻く現状
商品仕様の複雑化/多様化
ソフトウェアの規模の増大 ⇒ 開発体制の巨大化/複雑化
激しい価格競争 ⇒ 「トガリ」がなければ即座に奈落の底に・・・
ビジネスモデルの変化 ⇒ 単品商品からコラボ商品へ
『要求される価値』から
『創り出す価値』の時代に突入!
エコ クラウド
多機能 低価格
グローバル
メーカーの苦悩
ソフト開発に変化はつきもの
26
日程前倒し
課題/バグ
仕様変更
仕様追加
混沌としたソフト業界において、 変化が発生しないというのはありえない
変化を前向きに受け入れていく必要がある
ソフト業界 約60年の歴史
27
ソフトウェアが商業ベースになり それにつれて、工学的にアプローチ 『誰でも同じように作れるソフトウェア』
2000年頃から、もう一度初心に戻り 新たなアプローチが始まる
『ソフトウェアは人が作るものである』
どちらがエンジニアを活かせるか?
28
これまでの開発
29
設 計 テスト 実 装
チェック チェック
要求
価値
インプット アウトプット
チェックポイントが、各フェーズでしかなく少ない 最初に求められた要求から価値が上がることは少ない 結果的に変化を受け入れにくい開発
今求められている開発
30
短い『タイムボックス』で回しながら、 細かくフィードバックし、価値を膨らませていく開発スタイル
組込みには見えない価値が多いですが・・・
31
企画部門
ニーズ
エンドユーザ
開発部門
製品仕様
技術
販売
世界のTV市場
ソフトウェア価値の最大化を考える
32
34
アジャイルとは、 お客様のビジネス価値を最大化するための
「考え方」や「姿勢」のこと
アジャイルでの自律改善
メンバのパワーを引き出す自律的な改善とは?
スクラムの理論
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スクラムは、経験的プロセス制御の理論(経験主義)を基本にしている。経験主義とは、実際の経験や既知に基づく判断によって知識が獲得できるというものである。スクラムでは、反復的で漸進的な手法を用いて、予測可能性の最適化とリスクの管理を行う。
「スクラムガイド」より © 1991-2013 Ken Schwaber and Jeff Sutherland, All Rights Reserved https://www.scrum.org/Portals/0/Documents/Scrum%20Guides/2013/Scrum-Guide-JA.pdf
37
ジャンプして届くゴールの繰り返し
38
タイムボックスというリズムの効果
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「変わらない時間の測定基準」を使って プロジェクトのパワーを測り、引き出していく
見える化による透明性のある共有
40
プロジェクトの価値も自ら描き続ける
41
Keepで、チームとしての共感を得る
よかったことを褒めあうと、チームを信頼できる
Problemを共有する
問題を誰かのせいにするのではなく、チームの問題であると認識する
そして、みんなでTry!
誰かがやってくれる、のではなく、自分が、そして誰もがやる!
KPT
プロジェクトもリズムで成長を続ける
42
☞ 定期的に実施する – 続けるためには、習慣にしてしまう – 一定期間の短いリズムでふりかえる
☞ 「歩み」を実感しつづける – 成長していることは、自信につながる
現場での実践ポイント
メンバと一緒に成長していくためのノウハウ
TS-1
価値を紙に書いて伝言ゲームするのではなく
価値をストーリーとして一緒に描く
コマンドコントロールからコラボレーションへ
44
45
部門の壁を越えて、製品の価値を共有するために、 一緒に描き、一緒に作り、一緒に確認していく
「Why」の影響
Why? 企業・組織としての Why
個人としての Why
ビジネスで成功 自己成長 チーム成長
業績アップ 自分の時間
あせり・指示 やらされ感
Command Control 思考停止 成長停止
47
プランニングポーカー
48
49
50
コミュニケーション
行動
気づき
信頼関係
笑顔
価値
見える化
リズム
名前付け
問題vs.私たちの構図
カイゼン
原則
朝会
かんばん
KPT
ペアボード
ニコカレ
アイスブレイク
偏愛マップ
MindMap
etc.
プラクティス
プロジェクトファシリテーション
ファシリテーション
トヨタ生産方式
アジャイル開発
プロジェクト ファシリテーション
【プロジェクトファシリテーション】とは? プロジェクトマネジメント(PM)が重要であることは昨今強く言われています。 PMが「計画達成のマネジメント」に重点を置くのに対してPFは「参加者の協調の場作り」に重点を置いています。PMは、計画の立案と実行、差異に注目し た管理が中心で、どちらかと言うと「コマンド・コントロール型」のマネジメントスタイルが背後にあります。これに対してPFは、その場その場の変化に対応 し、チームが協力し合って創発的に成果を出していく、「リーダーシップ・コラボレーション型」の新しいチーム作りの形です。 (オブラブ公式Webサイトより http://www.objectclub.jp/community/pf/)
―プロジェクト・ファシリテーター協会(PFI) -
プロジェクト・ファシリテーター協会とは
プロジェクト・ファシリテーター協会 (Project Facilitation Institute = PFI) は、プロジェクト・ファシリテーターの育成、
支援を目的に2010年9月7日に設立されたNPO団体です。 プロジェクト・ファシリテーション とは、平鍋健児氏が提唱し、体系化したプロジェクト現場を活性化する手法です。プロジェクト・ファシリテーターは、それを実践する人です。ソフトウェア開発の現場改善から始まったプロジェクト・ファシリテーションですが、ソフトウェア開発に限らず、多くのプロジェクトで有効な手法なのです。
今まで多くの人たちがプロジェクト・ファシリテーションを導入、実践し、プロジェクト・ファシリテーターとして現場の活性化とプロジェクトの成功に寄与してきました。私たちプロジェクト・ファシリテーター協会では、このように研鑽してきた人たちを支援し、後に続く人材を育成するために活動しています。
プロジェクト・ファシリテーター協会のミッション
– プロジェクト・ファシリテーター資格試験・認定等を行い、質の高いプロジェクト・ファシリテーターの育成を行う
– プロジェクト・ファシリテーテーション、および、プロジェクト・ファシリテーターの普及・啓蒙活動に努める
– 国内外のプロジェクト・ファシリテーションに関連・寄与する団体との相互交流・相互事業を実践する
– 上記、プロジェクト・ファシリテーターの育成、普及を通じて、社会に貢献する
プロジェクト・ファシリテーター認定制度もあります
http://www.pf-i.org/ https://www.facebook.com/ProjectFacilitator
【X理論】 人間は生来怠け者で、 できれば働きたくない 強制されたり命令されなければ 仕事をしない
【Y理論】 生まれながらに嫌いということはなく、働くことは人間の本性 条件次第で責任を受け入れ、 自ら進んで責任を取ろうとする 問題解決のための創意工夫をこらす能力は誰でも持っている
ダグラス・マクレガーのX理論Y理論
人間観・動機づけにかかわる2つの対立的な理論
or
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どちらが多いほうがいいですか?
一人ひとりが、 いろいろな「文化」を背負っています
金子みすず 「わたしと小鳥と鈴と」より
組織の文化 地域の文化
個人の文化
メンバを 信頼できていますか?
「みんな違ってみんないい」
自分を開いて伝えよう! 相手を知りながら 自分自身を知ってみよう!
Agileは 現場駆動
人駆動 です
しかも、
価値駆動です
みんなの価値を みんなで成長させましょう!
成長を続けること=プロジェクトの自律
道を楽しむと書いて『道楽』!
自分たちを成長させていく
成長を感じることでより活発化していく
プロジェクト自体が「自律」しはじめるはず!
自律しながらも「自分たちの道」を探す
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Social Change starts with YOU!!
「未来」は自分たちで描き、自分たちの手で変化を生み出そう!
ご清聴ありがとうございました