14
大規模システムリプレースと 持続的な図書館システムの 運用及び機能の継承 農林水産研究情報総合センター 林賢紀 [email protected] Code4Lib JAPAN Conference 2013

大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

大規模システムリプレースと 持続的な図書館システムの 運用及び機能の継承

農林水産研究情報総合センター

林賢紀

[email protected]

Code4Lib JAPAN Conference 2013

Page 2: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

構築当初に掲げた目標

1. 品質の高い書誌所在情報データベースの構築

2. 所在情報の共有による所蔵図書資料等の全機関での相互利用拡大

3. 所在調査から各種依頼までをオンライン化することによる情報収集の迅速化、効率化

4. 高機能な図書資料管理システムの全機関統一整備による業務の機械化、効率化の推進

5. 情報資料課等における図書資料サービス機能の拡大 6. 書誌所在情報データベース等の24時間利用及び外部への公開

7. 大学及び他省庁等、外部機関との情報交流拡大

2

「図書資料管理システムを中心とするネットワーク化について」 (平成7年1月13日平成6年度第2回研究技術情報運営委員会)

Page 3: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

段階的な機能向上

1996年

•構築開始

2000年

• OPACの公開

2004年

• 52拠点で利用

• RSS提供開始

2008年

•業務機械化完了

•検索用API提供

2012年

•大規模更新

Code4Lib JAPAN Conference 2013

Page 4: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

攻性の情報提供サービスへ

OPACなしでも所在を伝える

どこでも調べられる

OAI-PMHでメタデータを提供

OpenSearch,

SRU/SRW対応

情報を 届ける

RSSで新着 情報配信

4

Page 5: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

これまでの反省

メリット デメリット

Code4Lib JAPAN Conference 2013

16年間、同一ベンダのオリジナルシステムで運用

属人的な 開発・運用

いつも開発、 いつもデバッグ

機能開発への 投資効果が 得られない

いつも最先端

業務、利用の要望に即した機能提供

Page 6: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

情勢の変化

•派遣職員、契約職員等で司書有資格者を雇用

• 「NACSIS-CAT/ILL経験者」がすぐに対応できるシステムが必要

非正規雇用 スタッフの増加

• 3係4名から2係2名に定員減

•システム運用、教育研修のコストを下げる必要 要員の減少

•リンクリゾルバ、ディスカバリサービスへの対応などで変化が生じた

•各種Web技術の導入事例増加

パッケージシステムの機能向上

Code4Lib JAPAN Conference 2013

Page 7: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

2012年リプレースでの設計ポリシー

•できるだけ、そのまま使う

パッケージシステムを中心に構成

•個別機能の必要性を整理、「できるか」「できないか」を各社と議論、検討

•ローカルでしか使わない機能は最小限に

•他館でも利用できる機能は仕様に加える

カスタマイズは厳選して行う

• 「52拠点図書室の個別要望」より「一般的な業務機械化」を優先

さらなる業務の標準化

Code4Lib JAPAN Conference 2013

Page 8: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

結果

入札

• 前システムのSIerが 他社パッケージシステムを提案、落札

構築

• 既存APIのほとんどはパッケージ標準提供を前提にカスタマイズで提供

運用

• 業務システム自体は安定稼働

• 旧システムからのデータ移行の漏れや不備

Code4Lib JAPAN Conference 2013

Page 9: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

現状

データ移行の不備修正

• 旧システムのマッピングが不完全

業務システムの細部の設定調整

• 担当SEが導入館毎に設定をチューニング

コミュケーションの改善

• システム間の用語の差違、SIer、担当SE、当方担当との認識の違い、など

• API実装は「互いに汗をかく」。「おまかせ」にはしないし、できない

Code4Lib JAPAN Conference 2013

Page 10: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

まとめ

• ユーザが言い続けないと何も変わらない

• あきらめない!

Code4Lib JAPAN Conference 2013

「それでも」と言い続けろ Marida Cruz, 機動戦士ガンダムUC episode 6 「宇宙と地球と」

Page 11: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

現システムの設計思想

11

業務システムとOPACを分離

目録管理、受入業務、ILL受付などはパッケージシステムを導入

利用者インターフェースはディスカバリサービスでもAPIでも提供

「特定の資料の有無」を確実に調査する従来型OPACも必要

Page 12: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

新たな取り組み

「OPACにこだわらない」検索サービスへ向けて

• 国立国会図書館サーチへの書誌データ提供 (調整中)

災害時でもサービスを継続

• バックアップ用のデータセンター(沖縄)で目録検索の提供

• eXtensible Catalogを採用、日々書誌データと所蔵データを同期

ディスカバリサービスの導入

• データやサービスの垣根を越えた一元的な検索サービスの提供

• Primoを採用

12

Page 13: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

システム構成イメージ

13

利用環境 検索・データ提供機能

管理機能

図書資料管理システム

OPAC WebOPAC

API

ディスカバリ サービス

バックアップ検索サーバ

国立国会図書館サーチ

Page 14: 大規模システムリプレースと持続的な図書館システムの運用及び機能の継承

今後の計画

書誌データの質的向上

• 重複書誌の除去

• 件名等の付与

引き継げなかった機能の再検討

• Googleからの書誌データ収集への対応

• 文献管理ツールとの連携 (ファイル一括アップロードによる複写依頼など)

OPAC不具合の修正対応

• トップページのHTMLソースコード3万行→1.9万行

14