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そして運動のエネルギーと … .. 質も形も進度も位置も時間も みな因縁が …. <−これまで波は線形で一般風(平均流)を基本の状態とした。 ー>重力波の作用(働き)の話し。線形の波が、基本の流れを変形する(作用を及ぼす)。それが大気中で興味ある現象を引き起こす。. 第6章 波の平均流への作用. 6−1: Eliassen-Palm の定理(1). *流体は準−ブシネスク流体 *2次元の長波の内部重力波に対する方程式。 - PowerPoint PPT Presentation
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第6章 波の平均流への作用
*流体は準 ブシネスク流体 *2次元の長波の内部重力波に対する方程式。− 上の名前の定理を述べる。それは波に伴うエネルギー・フラックスと運動量フラックスとの関係です。前章で述べたように東西方向の線形の運動方程式は、(1) ∂ u′
∂ t+ u
0∂ u′∂ x
+ w′∂ u
0
∂ z= −
∂φ ′∂ x
ここで φ ′ =p′ρ
0
定常な波(一定の位相速度をもち、波の振幅は変化しない)を考え、以下の波形のような、きれいな波を仮定する < −実際はきれいな波は少ないと思う:
exp(ik(x −ct) )
すると (1) 式は(2)
(u0−c)∂ u′
∂ x+ w′
∂ u0
∂ z+∂φ ′∂ x
=0
鉛直方向の運動方程式は静力学平衡の近似(3) −g
θ ′θ
0
+∂φ ′
∂ z= 0
連続の式として(4)
∂ u′∂ x
+∂ w′∂ z
+1ρ
0
dρ0
dzw′ = 0
熱力学の方程式は (3) を用いて(5)
(u0−c) ∂
∂ x(gθ
′θ 0
) + N2w′ =0
以上が定常な波にたいする線形波動方程式である(散逸などはない)。次に (2) 式を以下のように変形する。(6)
∂∂ x
( (u0
− c) u′ + φ ′ ) +du
0
dzw′ = 0
線形の式を変形して波の2次の量を評価すること。
ここで u0 は高さのみの関数として偏微分を全微分に置き換えた。この式に左辺の第一項の x の偏微分の中の変数を左から掛けると(7) ((u
0−c) u′ + φ ′) ⋅ ∂
∂ x((u0 −c) u′ + φ ′) +
du0
dz ( (u0 −c)u′w′ + φ ′w′) =0
6 1:− Eliassen-Palm の定理(1)
< これまで波は線形で一般風(平均流)を基本の状態とした。−ー>重力波の作用(働き)の話し。線形の波が、基本の流れを変形する(作用を及ぼす)。それが大気中で興味ある現象を引き起こす。
そして運動のエネルギーと … .. 質も形も進度も位置も時間もみな因縁が…
図:重力波に伴う運動量フラックス。 GFDL-GCM の結果で左が平均東西風で右がそのときの運動量フラックス。Miyahara et al. (1986) より。ただし物理量は −u′ω′ ≈
p0
Hu′w′
Lindzen ( 1990 )によると、これが Eliassen-Palm の第一定理と呼ばれる(波に伴うエネルギー・フラックス(左辺、次節参照)と運動量フラックス(右辺の u と w の相関、 u という運動量が鉛直に流れるとして)の関係を示すものを第一定理としている、1章に出ていた項)。ただし、非粘性の線形定常波で位相速度がはっきりした波についての関係式。
図に GFDL の大循環モデルで得られた重力波に伴う運動量フラックスの緯度 高度断面図を示す。成層圏中緯度−の東風のところで運動量フラックスは正、西風のところで負になっている(以下で大事)。赤道の成層圏では正になっている。 ただし、これは全ての擾乱成分であり非定常部分も含む。
なので、 (7) 式に平均操作をすることにより以下の式が導かれる。(8)
波の2次の量のうち、これからは東西に平均した量を議論する。そこで上式に、東西方向に一波長( Lx = 2 π / k )の平均操作を適用してみる。式で書けば
1L x
A dx0
L x
∫ そして一波長の平均操作を over bar で表す。
波の一次の量の1波長の平均はゼロになるが積の1波長の平均は一般的にはゼロにはならない。例えば cos k x の1波長平均はゼロだが、 cos 2 kx の1波長平均はゼロではない。一般に
A′∂ A′∂ x
= ∂∂ x
(A′2) / 2=0
φ ′w′ = − (u0
− c)u′w′
正負西風
東風
€
∂u
∂t+ v
∂u
∂y+ w
∂u
∂z− fv = −
∂
∂yu'v ' −
1
p
∂
∂zpu'w'
6−2:波のエネルギー方程式について
波のエネルギー方程式を導く。前節と同様に定常の波を仮定する。ここでは南北方向も考慮する。普通のエネルギー方程式の導出と同様に東西方向の式に u’ を掛け、南北方向の式に v’をかけて足すと(南北シアーもあり)、
(9)
次に熱力学の方程式から(南北温度差あり)(10)
この式に を掛けて
(11)
(9) と (11) を足して
(12)
(14) が波のエネルギー方程式である。 x の偏微分の中の第1、2項と第3項は波の運動エネルギーと Potential エネルギーに対応している。第2項は圧力と東西方向の速度の積であるが圧力によってなされる仕事を示している(ランダウの流体力学6節参照)。第5、6、7項は基本場から(または基本場へ)のエネルギー変換を表している。第4項は圧力によってなされる鉛直方向の仕事を示している。
€
∂∂x
(u0 − c)u'2
2+
(u0 − c)v'2
2
⎡
⎣ ⎢
⎤
⎦ ⎥+ u'v '
∂u0
∂y+ u'w'
∂u0
∂z+ u'
∂φ'
∂x+ v'
∂φ'
∂y= 0
€
∂∂x
(u0 − c)∂φ'
∂z+ v'
∂
∂y
∂Φ
∂z+ N 2w = 0
€
∂φ'
∂z
€
∂∂x
(u0 − c)
2(∂φ'
∂z)2 ⎡
⎣ ⎢ ⎤ ⎦ ⎥+ v'
∂φ'
∂z
∂
∂y
∂Φ
∂z+
∂φ'
∂zN 2w'= 0
∂
∂x
(u0 − c)
2
1
N 2(∂φ'
∂z)2 ⎡
⎣ ⎢ ⎤ ⎦ ⎥+ v'
∂φ'
∂z
1
N 2
∂
∂y
∂Φ
∂z+ w'
∂φ'
∂z= 0
€
∂∂x
(u0 − c)u'2
2+
(u0 − c)v'2
2+
(u0 − c)
2
1
N 2(∂φ'
∂z)2
⎡
⎣ ⎢
⎤
⎦ ⎥+ u'v '
∂u0
∂y+ u'w'
∂u0
∂z+ u'
∂φ'
∂x+ v '
∂φ'
∂y+ v'
∂φ'
∂z
1
N 2
∂
∂y
∂Φ
∂z+ w'
∂φ'
∂z= 0
€
∂u'
∂x+
∂v'
∂y+
1
ρ
∂
∂zρw'= 0連続の式 (13) を使って
(14)
€
∂∂x
(u0 − c)u'2
2+
(u0 − c)v'2
2+
(u0 − c)
2
1
N 2(∂φ'
∂z)2
⎡
⎣ ⎢
⎤
⎦ ⎥+
∂
∂xu'φ'+
∂
∂yv 'φ'+
1
ρ
∂
∂zρw'φ'+u'v'
∂u0
∂y+ u'w'
∂u0
∂z+ v'
∂φ'
∂z
1
N 2
∂
∂y
∂Φ
∂z= 0
静力学平衡を仮定しているので鉛直方向の運動エネルギーが、また音波を落としているので弾性エネルギーが(14) にはない。
5-8月の OLR図:対流の強さの指標である。大西洋の Potential Energy の大きいところは強い対流とずれている。
GCM を用いた実験での短周期重力波に伴う PE の図:大西洋に重力波にともなう Potential Energyの大きなところがある( 20-30km の高度)。これは6月の結果
例えば、重力波に伴う Potential Energy として、12
1N2 (
∂Φ∂z
)2 =12
1N2 (
RH
)2(T' )2 =12
1N2 (
gT
)2(T' )2
の図( Tsuda et al., 2000, J. G. R. ) 。5月から8月の平均で、高度は 20-30km の領域での全休分布である。赤いところが重力波の Potential Energy の高いところ。 Global Positioning System データから得られたもの。
18-25km での重力波の全エネルギーの時間的変化、 Vincent and Alexander, JGR, 2000, 場所は Coros Islands (12S, 97E) でのラジオゾンデ観測を解析、wet season で大きい
6 3:− Eliassen-Palm の定理( 2 ) 波のエネルギー方程式を導いた。次に Eliassen-Palmの第二定理を述べよう。東西/鉛直2次元のエネルギーの式に東西に1波長平均の操作を施す。すると x の偏微分の項は消える。残りを書き表すと、(15) du0
dz′ u ′ w +
1ρ0
∂∂z
(ρ0 ′ w ′ φ ) =0
前の (8) 式は ′ φ ′ w =−(u0 −c) ′ u ′ w
ρ0 ′ φ ′ w =−ρ0(u0 −c) ′ u ′ w
上式を z 微分すると、∂∂z
ρ0 ′ φ ′ w =−∂u0
∂zρ0 ′ u ′ w −(u0 −c)
∂∂z
ρ0 ′ u ′ w
で、 (15) 式を用いると、(u0 −c)
∂∂z
ρ0 ′ u ′ w =0
なので、下の条件をみたすとき Eliassen-Palm の第二定理が導かれる。(16) ∂
∂ z(ρ
0u′w′ ) = 0
条件としては、 ( i )波が定常であること ( ii ) Forcing (例えば thermal forcing )また は Damping がない ( iii ) critical level ( u0 - c = 0 ) がない
の条件を満たすときである。
一般に線形波動として物理量が
u =Aeiϕ , w=Beiϕ
のように表されているとする。ここで Aと Bは複素数とする。このとき積の量の平均値のみを問題にするときには、
uw=Re(Ar +iAi)(cosϕ +isinϕ)[ ]⋅Re (Br +iBi )(cosϕ +isinϕ)[ ]
=(Ar cosϕ −Ai sinϕ)⋅(Br cosϕ −Bi sinϕ)
=12
(ArBr +AiBi)
=12
Re Aeiϕ ⋅B*e−iϕ[ ]
=12
Reuw*[ ]
こめじるしは complex conjugate を示す。例えばランダウの電磁気学の 45 節参照
u0(z)
z
* critical level ( u0 - c = 0 ) がないWKB近似解の場合 : WKB近似解が (16) 式を満たすことを示しておく。もう一度書き下すと(この波は基本流に対して東に進む波である)、
w′ = Aez2H
m1 / 2 exp( ik(x −ct) −i mdz)∫
密度を掛けて
前章において重力波の critical level の議論をした。その結果を用いて運動量フラックスのとびを計算する(上の条件( iii )の破れの場合である)。下式では密度ファクター(擾乱について exp(z/2H) で大きくなる項)は落としてある。
w =Az1/2 eiμ lnz z>0
iku≈−∂w∂z
=−Aiμz−1/2 eiμ lnz
u=−Aμk
z−1/2eiμ lnz
′ u ′ w =12
Re(Az1/2 eiμlnz ×−A* μk
z−1/2 e−iμ lnz) =−12
A2 μk
w =−Ai z1/2 eπμeiμln z z<0
iku≈−∂w∂z
=Aieπμ z1/2 1
ziμ =Aeπμ z
−1/2μ
′ u ′ w =12
Re(−Ai z1/2eπμeiμ lnz ×A*eπμ z−1/2) =12
A2 μk
e2πμ
となる。 critical level の上下で差があることに注意 ー> 波が吸収された分の差であることになる。
z<0 では(下)、
話しの簡単化のために連続の式として Boussinesq 近似の連続の式を使い、波は鉛直に平面波的とすれば、
iku′ ≈imw′ u′ = Ak m1 / 2 e
z2H exp(ik(x −ct) −i mdz)∫
最終的に(17) ρ
0u′w′ = ρ
00e
−zH e
zH
2kA
2=
ρ00
2kA
2= const
ここで ρ00 は地表面での密度である。 Eliassen-Palm の定理が導かれた。 WKB近似解の w' の中の分母に m1/2 の factor があったが、物理的にはある種の保存則( Eliassen-Palm の定理)を満たすように摂動の変動が基本流の中でおこっているといっていいであろう。
z>0 で(上)、φ ′w′ = − (u
0− c)u′w′
+ + ー
の別の見方:ρ0u′w′
線型近似のとき(プライムはおとして議論する)鉛直変位と鉛直流との関係は(∂∂t
+u0∂∂x
)ς=w
となる.東西に波の形を仮定すれば, ∂ς∂x
=w
(u0−c)
となる.これに圧力の変動をかけて1波長の平均をとると,
p∂ς∂x
=pw
(u0−c)
となる.これを式 を使って変形すると,
−p∂ς∂x
=ρ0u'w'
のように表される.
図は位相速度 c >0で山を動かしている。斜の矢羽根は風速をしめしており、 >0の状況。
>0 >0のところでは の式から負になっており( u0=0 )、
その shade の領域を山の所までもっていったところが に対応している。 で の形から で
c >0なので、 u>0 のところは p>0 でもあるので、
図のよう に のところは p>0 のようになっている。
そして式のように >0 は
u'w'
u' w'
∂ς∂x
=∂h∂x
∂u∂t
=−∂p∂x
−ikcu=−ikp
∂ς∂x
<0
u'w'
−p∂ς∂x
=ρ0u'w'
のところで山がおしていて圧力>0の状況となっており、 ζを h と見なせば山が流体に加える力(圧力の次元)と見做す事が出来る。その圧力が波動として上に伝わる。
∂ς∂x
<0
∂ς∂x
=w
(u0−c)
>0の状況φ ′w′ = − (u
0− c)u′w′
€
exp(ik(x − ct))
ここでは長波の2次元内部重力波について Eliassen-Palm の定理を導いた。この定理は圧縮性の高周波内部重力波についても同様に成り立つ。詳しくは原論文を参照。また stationary ( c=0 を議論してあるがcがあっても同様)の長い波( f も含む) についても議論されている ( Eliassen and Palm, 1961) 。
論文の孫引きですが( p-座標で書いてある)
基本状態としては、fU(y,p) =−
∂Φ∂y
ρ−1 =−∂Φ∂p
温度風は fUp =(ρ−1)y
stationary な波の式は
Uux +(Uy −f )v+Upω +∂ϕ∂x
=0
fu+Uvx +∂ϕ∂y
=0
Uϕpx− fUpv+σω =0
∂u∂x
+∂v∂y
+∂ω∂p
=0
は安定度をあらわす。σ =−θp
ρθ
このとき、右のような式が成り立つ(エネルギーフラックスと運動量フラックスの関係)ー>
ϕv=U(σ−1Upvϕp −uv)
ϕω =U(σ−1( f −Uy)vϕp −uω)
∂∂y
σ−1Upvϕp −uv[ ]+∂∂p
σ−1( f −Uy)vϕp −uω[ ]=0
これは南北成分も含まれている形になっている。
保存則としては、
がなりたつ。 の中が Eliassen-Palm flux と呼ばれる(南北の成分および熱フラックスを含む形)。[ ]
南北、鉛直 energy flux の例: Kawatani et al., GRL, 2003
6−4:平均東西風(帯状流)の変化について 2次元の回転なしの場合を考える。東西方向の運動方程式は以下のように書かれる。(18) ∂ u
∂ t+ u ∂ u
∂ x+ w ∂ u
∂ z= −
∂φ∂ x
ここで φ =p
ρ0
ρ0 は高さの関数とする。上の方程式は非線形の方程式である。ここで物理量を1章のように東西平均した量とそれからのずれとして以下のように表す。(19) u =u + u′
prime のついた量について、線形方程式を議論したのが線形波動の話しであった。 連続の式として以下を用いる。 (20) ∂
∂ x(ρ
0u) +
∂∂ z
(ρ0w) = 0
ここで u , w は線形、非線形を問わない。この式を使うと (18) は以下のように変形される(非線形項を運動量フラックスの形に書き直す)。(21) ∂ u
∂ t+
∂∂ x
(uu) +1
ρ0
∂∂ z
(ρ0uw) = −
∂φ
∂ x
この式に (19) を代入して、その式に東西平均の操作を施すと1章のような式を得ることが出来る。
(22) ∂ u∂ t
= −1ρ
0
∂∂ z
(ρ0u′w′ )
上に述べた、 Eliassen-Palm の定理は非常に特別な場合(定常な波で散逸などがない)に (22) の右辺がゼロになることを示している
Eliassen-Palm の定理の一般化(破綻したときはどのようになる?)は Andrews and McIntyre (1976, J. Atmos. Sci. ) から:
基本となる擾乱の式として(ブシネスク流体近似、β 平面、静力学平衡)、
Dtu'+Av'+Bw'+p'x =−X'
Dtv'+fu'+p'y =−Y'
−θ'+p'z =0
Dtθ'+θyv'+θzw'=−Q'
u'x +v'y +w'z=0
Dt =∂∂t
+u∂∂x
A=uy −f B=uzここで、
この式により、もし右辺がゼロでなければ東西平均流が変化していくことを示している。はじめ線形の波動方程式を議論していたときは0次の基本場と仮定して線形の波動擾乱を議論していたわけであるが、今や線形の波により基本場が変化していくことがわかる。
東西平均流の式は以下のように書かれる。
z
uBf
y
uA
z
w
y
v
Qwz
vyz
wy
vt
p
Ywvz
vy
pufvwvvt
v
Xwuz
vuy
wBvAt
u
z
yzy
∂∂
=−∂∂
=
=∂∂
+∂∂
−∂∂
−∂∂
−=∂∂
+∂∂
+∂∂
=+−
−∂∂
−∂∂
−=++++∂∂
−∂∂
−∂∂
−=++∂∂
0
''''
0
'''
''''
2
θθθθθθ
−
∂∂y
(u'v'−Bv'θ' /θz) −∂∂z
(u'w' +Av'θ' / θz)
の項( Eliassen-Palm flux divergence )の変形から、平均東西流の加速として近似的に以下の式が導かれている。平均東西流の式の *のついた項が小さい近似である(定常で散逸や critical level がないときはゼロになる)。
∂u(y,z,t)∂t
≈−∂∂y
(η'X' )
+1
(c−u)(u'+η'uy)X' +v'Y' +
θ'Q's(z)
⎧ ⎨ ⎩
⎫ ⎬ ⎭
+12
∂∂t
−∂∂y
(η'u') +1
(c−u)(u'+η'uy)u' +v'2 +
θ'2
s(z)
⎧ ⎨ ⎩
⎫ ⎬ ⎭
⎡
⎣ ⎢ ⎢
⎤
⎦ ⎥ ⎥
波に対しての外力(1項や2項)、 transience の時(3項)、 critical level (2、3項)のところで東西風が変化することを示している。
Eliassen-Palm の定理がなりたたない状況で東西風が変化していく。
Richardson数が大きく、赤道 β平面のとき、平均東西流の式の右辺:
)''
()''
(
0
)''''(
0
)(''
'''
)''
''()''
''(
**
**
**
42
2*
**
zz
z
yzy
zy
zz
v
yww
v
zvv
z
w
y
v
Qvwz
wvt
z
p
aOYv
ztwv
zv
ypuf
t
v
Xv
Awuz
vBvu
ywBvA
t
u
θθ
θθ
θθ
θθθθθ
θ
θθ
θθ
θθ
∂∂
−=∂∂
+=
=∂∂
+∂∂
−+∂∂
−=++∂∂
=∂∂
+−
+−∂∂∂
−∂∂
−∂∂
−=++∂∂
−+∂∂
−−∂∂
−=++∂∂
前に述べた Eliassen-Palm flux を見てわかるように、南北熱フラックスが運動量フラックスとからむので、その項を東西風の変化の式にくりこむと、以下の式になる。 Eliassen-Palm flux を pseudo- 運動量フラックスと呼ぶこともある。ー>それの収束が東西風の変化に対応。
ここで、 は擾乱に伴う南北変位をあらわし、 で定義される。
η'
Dtη'=v'
∂∂y
σ−1Upvϕp −uv[ ]+∂∂p
σ−1( f −Uy)vϕp −uω[ ]=0
中層大気における平均東西風の変動について
赤道域下部成層圏準2年振動
赤道域半年振動
突然昇温、惑星波動による
中間圏弱風層
赤道
重力波も関係
東風
西風
熱圏下部の平均東西風に大気潮汐波(全球的な重力波)が寄与をしている話がある
平均東西風の緯度ー高度断面図において、下部熱圏に注意してほしい。赤道域で東風が吹いている。
Miyahara, 1978, J. M. S. J.
大気中の1日潮汐波(お日さまの加熱と一緒に西に伝播)の非線形効果を計算した結果。赤道域が東風になっている。観測の東風と対応?
金星大気の成層圏における高速の平均東西流に波動による運動量輸送が重要な役割を果たしている。
GCM で得られた高速風の実験結果である( Yamamoto and Takahashi, 2002) 。赤道域と中緯度域の風がそれほど変わらない。
この赤道域東西風に edyy による水平運動量輸送が大事であると言われている。
''vu
温度観測から推測による平均東西風
図は計算で求めた水平 edy 運動量 flux の緯度—高度断面図
補足:南北流と鉛直流を表す。
赤道域で上昇流であり、極域で下降流となっている。それに対応して極域にむく南北風が吹いている。
edyy による水平運動量輸送のスペクトル分布:このモデルではいろいろな波動が関わっている。
ρacosφu'w' u’w’のスペクトル分布補足2:金星大気での
6—5: Eliassen-Palm の定理の破れの簡単例
ここでは、 Eliassen-Palm の定理の破れの簡単例として波は定常ではあるが、散逸されつつある場合について述べる。定常で散逸されつつあるのだから、常になにかで強制されている。散逸として同じ係数の Rayleigh friction と Newtonian cooling を考えると話しは簡単。またこの散逸は小さいとする。きちんと計算した例は赤道波動について Takahashi and Uryu ( 1981) 参照。 そのときたびたびおこなってきたブシネスク近似及びWKB近似を用いれば、鉛直波数m について(23)
m ≈ Ncr −u0 + i a
k
≈ Ncr −u0
−i Nak(cr −u0)
2 =mr −imi
となる。ここでの表式において、重力波は基本流に対して東に(またははやく)動いているとしている。ここで k は波の波数であり、 a は Dampingの係数。また mi は正である。このとき上方に伝播する鉛直流及び東西流の解は近似的に以下のように表される。
′ w =e
z2H
mr1/2 Re Aexp(ik(x−ct)−i mrdz∫[ ]⋅exp(− midz)∫
′ u =mr
1/2
ke
z2H Re Aexp(ik(x−ct) −i mrdz∫[ ]⋅exp(− midz)∫
運動量フラックスは(24)
ρ0u′w′ =
ρ00
2kA
2exp( − 2m
idz)∫ = (ρ
0u′w′)
z = 0exp( − 2m
idz)∫
となり高さの関数。だからこの場合 (22) は以下のようにゼロではなくて(25)
∂ u∂ t
=2m
i
ρ0
(ρ0u′w′ )
z = 0exp( − 2m
idz)∫
のようになり基本流が時間とともに変化していく。ここで mi (基本風に依存)は波に Damping が働いた為に出てきた事に注意。またこのとき西風を生成可能。
)''(1
2
2
wuzz
u
t
u ρρ
ν∂∂
−∂∂
=∂∂
鉛直座標や時間は無次元化されている。基本流に対して西向きの波は運動量フラックスは負である。
このとき ∂ u∂ t
< 0
東向きの波と西向きの波を両方合わせるとどうなる? -> 西風と東風で振動しそう
ρ0u′w′ = −
ρ00
2kA
2exp( − 2m
idz)∫ = (ρ
0u′w′)
z = 0exp( − 2m
idz)∫
を解いた例:ただし成層のある非圧縮性流体である。1つの東に伝わる波のみを考慮してあり、平均東西風の時間発展の様子をみたものである。 Plumb, 1977, J. Atmos. Sci. 図の左は運動量フラックスの時間変化。
時間
6—6:例としての準2年振動 前節において波が散逸によって潰れつつあるとき東西平均流が変化することを述べた。その典型的な例が赤道域の下部成層圏に存在する準2年振動と考えられている。 ここで幾分詳しく観測結果を述べてみよう( cf.Andrews et al. ,1987)。
1:西風と東風の繰り返し、上から伝播してくる(どのくらい上からか、40 kmくらいか?)。
中間圏 QBOが見つかっている。 Burrage et al. (1996, J. G. R.)
周期は22ヶ月から34ヶ月と一定ではない。平均の周期は28ヶ月くらい。 Plumb(1984) より。
ただし、深い対流( OLRを見る)とは関係ないという論文もある? (Collimore et al., 1998, G. R. L. )
中間圏QBO
これは対流圏の状態とも関係しているであろう。但しそれほど明確ではない。 Maruyama and Tsuneoka ( 1988 ) は ENSO と QBO の関係を調べている。 ENSO のときケルビン波の活動度が強まり西風の下降が早まっているようだと述べている。(1987のENSOの時,東風の持続が短かったこと)。
3:下方伝播の速さは約1km/月で西風の伝播の方が幾分速い。これは今の所、子午面循環の違いで説明される。
地衡風近似と静力学平衡からくる温度風の関係と熱力学の式における Newton 冷却と断熱鉛直運動のバランスの式:
fu =−∂∂y
Φ∂Φ∂z
=RTH
からf
∂u∂z
=−∂∂y
∂Φ∂z
=−RH
∂T∂y
∂u∂z
=−R
Hβy∂T∂y
赤道からすこしはずれると、 が正のとき(西風が高さとともに大きい時)、北半球で が負だから赤道の方が温度が高い。このとき、熱力学の式から( T’>0 として)
∂u∂z
∂T∂y
N2w=−αT
のようであろうから は下降流となり、西風 shear のとき移流により、はやくQBOは下降する。下図は Plumb and Bell の 2D モデルより。
w
図:準2年振動の振幅(実線)と位相(破線)の緯度−高度断面図、 Wallace(1973) より
2: QBOの南北のスケールは1500km程度である。赤道域のみあとで説明あり。
4:振幅は40mbから10mbくらいまで20msー1くらいで、その下では急激に小さくなる。100mbでは 2msー1 になってしまう。赤道対流圏にも QBOがある(図参照)。お互いにどのくらい関係しているのかはよくわからない。例えば Yasunari (1986 ) 参照。他の論文によると統計的には関係がないらしい? (Xu, 1992, J. Atmos. Sci. )
赤道対流圏の準2年振動。但し振幅は非常に小さい(1msー1もない)、 Yasunari(1986, JMSJ) より。
6: QBOは中緯度成層圏に影響を及ぼしている( Holton and Tan, 1980 )。図は QBOが東風のとき、冬の極夜 Jet の西風が統計的に弱くなっている GCM数値実験の例。 Niwano and Takahashi, 1998, J. M. S. Japan.
5:準2年振動は年振動と関係があるらしいがまだ明確ではない。 QBOの西風が下降するとき、季節的振動である半年周期振動の西風( equinox のとき)と同期しているようでもある(図参照)。
半年振動(約48kmの高さ)と準2年振動。Wallace(1973) より。半年振動の西風( shade )と準2年振動の西風がつながっている。
7:南半球の対流圏に少なくとも2とおりの QBOがある( Trenberth, 1980, J. Atmos. Sci.) 、その内の1つは図参照:赤道域から極域の方に位相は伝わっている 。この QBO(500mbの東西平均した東西風)は赤道下部成層圏の QBOと関係はありそう。しかしもう1つの波数3の構造の QBOは赤道下部成層圏の QBOとは関係はないといっている。
QBOは物質変動にも存在する(下の例はオゾンQBOの例をしめす)。 Hasebe, 1994, J. Atmos. Sci.
中緯度のオゾン QBO (赤道 QBO と逆位相)
赤道 QBOと中緯度との関係性はすっきりしない。
QBOの review-paper, Baldwin et al., 2001, Rev. Geophys.
QBOはオゾン・ホールとも関係しているらしい?(図参照、 Lait et al. (1989) より)
風
Heavy solid: 10月の30 S以南の全オゾン、細い実線は 50mbの東西風、点線は thickness :西風でオゾンが少ないよう。
これらが観測された準2年振動のありよう
ここでは赤道下部成層圏の準2年振動を波と平均流の相互作用の考え方でモデル化してみる。今赤道上のみを取り扱う。東西方向に一様な風(平均流)を支配する運動方程式は (22) を変形した以下の式により表される。(27)
下端(z=17kmの赤道成層圏の下端におく)、上端(z=45kmとする)の境界条件は(28)
とする。下端では、そのままでは風がどんどん変形して困るので最下層のみ2日の Damping time のレーリー摩擦を入れておく。下端は風速ゼロに固定してもいいのですが。
次に波による運動量フラックスについては東および西に伝播する2つの波動について (24) , (26) 式を用いる。但しここで mi の評価についてはこれまでのモデル計算(例えば、 Holton and Lindzen, 1972 : Plumb, 1977 ) に従いニュートン冷却のみ( Rayleigh friction は入っていない)で波動は減衰すると仮定。このとき mi は以下のように表される。(29)
mi= 1
2N a
k(cr −u0)2
ここで a はニュートン冷却の係数である。ニュートン冷却のみなので、 mi の値としてはここで半分になっている。
問題は QBOを生成しているといわれる波動である。赤道下部成層圏 Kelvin 波の図を思い出して欲しい。準2年振動の西風(上層)が下りてくるときで、周期15日程度の擾乱がある。これは東向きの波で西風運動量をもっており、散逸するとき西風を生成する。Wallace-Kousky wave ( 1968, J. Atmos. Sci. )と呼ばれ、対流圏で生成された強制赤道ケルビン波といわれる。
∂ u∂ z
= 0
∂ u∂ t
= −1ρ
0
∂∂ z
(ρ0u′w′ ) +
1ρ
0
∂∂ z
(ρ0ν
∂ u∂ z
)
赤道下部成層圏のケルビン波の時間 高度断面図−(上が東西風で下が温度)。1963年の夏、場所はカントン島(南緯3度)。時間軸がずれていることに注意。
次は西向きの波である。図は Yanai and Maruyama(1966, J. M. S. J.) により発見された Rossby-garvity waveの伝播の様子を示したもの。東西波数4くらいで、位相速度は25msー1程度、振幅は2ないし3msー1の振幅をもっている。ここで観測されている Rossby-gravity wave の振幅はそれほど大きくないことに注意。この波は散逸するとき東風を生成する。 Holton and Lindzen(1972) はこの2つの波を使って準2年振動をモデルで再現したが RG 波の振幅を大きく与えている。
大循環モデルに表れている Rossby- 重力波。 Hayashi and Golder, 1994, J. Met. Soc. Japan. 波の振幅はv= 0.5m/s 程度である。
生成メカニズムは対流と大規模波動が couple して出来たものらしいが万人が納得する理論はない。わかり易い理論として波動と第2種不安定(台風のメカニズムといわれている)を結びつけたWave-CISKを使った Hayashi(1970) がある。但しこの理論は潜熱放出のパラメーターでどんな周期の波でも出すことができ( cf. Takahashi, 1987)、また短波長の波が成長率が大きいのでどうであろう? とにかく赤道下部成層圏にケルビン波はあって、波数1で振幅が最大10msー1くらいはあるらしい。
2/14/12/14/1)( −− ==== ββ clcmNghghl ee
波の波長は40000kmと仮定する(波数1の赤道ケルビン波に対応)。位相速度は30msー1(東向き、及び西向き)を仮定する。問題はたびたび言及している波の振幅であるが、ここでは約6msー1の東西風の振幅を仮定する。この程度の振幅がないと1次元モデルで準2年振動はできない。それに対応して下部境界での運動量フラックスは
(30) u′w′=4 x10−3
m2 s−2
という値を選ぼう。
初期条件として年平均の風を用い(下層で弱い東風、じょじょに東風が強くなり30kmくらいでー10msー1となり、また東風が弱まりモデル上端近傍で弱い西風)、また安定度は高さの関数であり(これは年平均温度場から見積もった)、ニュートン冷却の大きさは下層で20日程度の Damping time 、上端で大きい1日くらいの Damping time を使った。平均流にたいする粘性係数の大きさは0.3m2sー1。 このようにして求めた結果が図に示してある。周期約1000日程度の準2年振動的な構造になっている。観測された図と比較して、定性的な構造は似ている。
Holton and Lindzen(1972) において、位相速度30msー
1のケルビン波及びRossby-gravity 波を使ったいい点は QBOの南北スケールと波の南北スケールが1500km程度と同じくらいということである。Kelvin 波として、
図:簡単な1次元モデルで得られた平均東西風の時間—高度断面図。
今日的には上の波では十分でないので(特に Rossby-gravity 波)、ここでは赤道ということを忘れて2つの東西に伝播する内部重力波と思って議論する。
から c=30m/s として le は 1000km程度になる。
Plumb(1984) による
€
1
m0
≈ damping scale ≈(c − u0)2 k
Na= cgz /a
位相の下降伝播
補足: Lindzen and Holton(1968) の critical level での波の吸収による QBO
前の議論から critial level の上で(東西風に対してはやい波) kAwu
μρ 2
21
'' −=
Critical level の下で ここで、 である。この時、平均流の式は、
πμμρ 22
2
1'' e
kAwu = 4/1−= Riμ
dzRiB
dzek
Awuzt
u
/)4/12exp(1(
/))(2
1'' 22
−−+=
+=∂∂
−=∂∂
π
μρρ πμ
この式は以下のようになるであろう。z
uf
t
u
∂∂
=∂∂ρ
f は – Cr<u<Cr の範囲で一定の値におかれている。-> いろいろの位相速度の波があり、波数や運動量フラックスは同じということ?
Holton-Lindzen(1972) モデル:基礎方程式はこれまでと同様に ∂u
∂t=−
1ρ
∂∂z
FMW+K∂2u∂z2 +G
となる.ここで は上層の半年振動を示し,28km以上で,G
G=ω×2(z−28km)sin(ωt) ,ω=2π /180day計算結果(上の方に半年振動を入れている)
である. は Kelvin 波と Rossby-gravity 波の運動量フラックスで はKelvin 波:
FMW= Aii∑ exp(−2 mi∫ dz) mi
m0=12
N(c−u0)
2ak
Rossby-gravity 波について分散式から m1=12
N(c−u0)
3βk2
ak(1−
k2
β(u0−c))
Rossby-gravity 波の場合,鉛直運動量フラックスは簡単に ではなくて の南北平均ρu'w' ρ(u'w'− fN2
v'θ')
問題点: 運動量フラックスの値をもつためには赤道上の Rossby-gravity wave の南北風振幅は下部境界で6msー1 程度必要。また2次元モデル( cf. Takahashi, 1987)によると、より大きな振幅(10msー1、この値は観測されている値に比べすごく大きい)が必要。 HL の 1 次元モデルで再現されないものとして西風の下方伝播が東風より速いことがある。前に述べたように鉛直と南北の2次元子午面循環を考慮すれは説明可能であろう( cf. Plumb and Bell, 1982 )。
3次元の mechanistic model で始めて再現した例:但し、大振幅の Kelvin 波と Rossby- 重力波を下部境界で与えないと QBOは再現されない。
T=1800 days でのKelvin 波の東西風。振幅が観測に比べて大きいこと( 15m/s くらい)。
T=1500 days での Rossby-重力波の南北風。振幅が観測に比べて非常に大きいこと。
QBO-likeな流れの交代する実験例: Plumb and McEwan (1978) 、流体力学的に興味深い。
実験装置:下で Standing 波を作る。
)))(exp())(Re(exp(2
coscos
0
0
tkxitkxih
kxthh
σσ
σ
++−=
=
t=150 で左の方への流れ、 t=170 で右の方の流れが見える。
左が実験で得られた振動、右が理論の結果
n=1 西向き重力波の構造:
対流が2日程度で振動しているよう。
GCM の中の QBO: Takahashi(1999) 現実的な QBOが再現されている。いろいろの重力波で QBO が生成されているよう。
重力波の1例として:以下のような波が観測で見られる Takayabu et al. (1996, M. W. R.)
QBO の南北スケールについて: Haynes(1998, Q. J. R. M. S.)3章を思い出そう。
∂∂t
∂2u ∂y2 +
f2
p∂∂z
pN2
∂u ∂z
⎡
⎣ ⎢ ⎤
⎦ ⎥ =−f 2
p∂∂z
(p
N2 α∂u ∂z
)−fp
∂∂z
∂∂y
(p
N2 Q)+∂2
∂y2 Fx +∂2
∂y21p
∂∂z
pν∂u ∂z
のような式であった。この式の一部を使う。圧力やNewton冷却の高さ依存を落とすと、
(∂∂t
+α)f2
N2
∂2u ∂z2 +
∂∂t
∂2u ∂y2 =G
のようになる。ここで、準2年の変動に比べて、 Newtonian damping の項は大きいのでおもな応答は
αf2
N2
∂2u ∂z2 +
∂∂t
∂2u ∂y2 =G
応答の南北スケールを L とし、時間変動を振動数として = 1/T、 forcingの鉛直スケールを D としてそれが左辺1項の z微分項に反映するとする。1項と2項が同じように応答するとすれば、スケール的に
σ
αf2
N2
1D2 ≈
1T
1L2
のようになるであろう。 f=βL とすれば、上式はL4 ≈
σα
N2D2
β2
L ≈σα
⎛ ⎝ ⎜ ⎞
⎠ ⎟
1/4 NDβ
⎛
⎝ ⎜
⎞
⎠ ⎟
1/2
のように南北スケールが決まる。 =2x3.14/2/3x107=10-7 =10-6 =0.1 、 D を10kmとすると
2x10-2x104/2x10-11=1013 3000km
--> L=1500km 程度で観測の値に近い値となる。
σ
α σα
σα
⎛ ⎝ ⎜ ⎞
⎠ ⎟
1/4
≈0.56 NDβ
=NDβ
⎛
⎝ ⎜
⎞
⎠ ⎟
1/2
≈
数値実験の例:南北に幅広い forcing(上図)にも関わらず、生成される東西風は赤道域のみとなっている(下図)。
6 7:赤道域成層圏の半年振動−
Dunkerton,1978 :基礎方程式はこれまでと同様に ∂u
∂t=−
1ρ
∂∂z
FMW+K∂2u∂z2 +G
とする.ここで は,半年振動の東風成分のみ生成するように細工してある.G
G=f(t)r(z)(ue−u(z))
f(t)=1,everyother90days
0,otherwise
⎧ ⎨ ⎩
r(z)=r02
(1+tanhz−407.5
⎛ ⎝ ⎜
⎞ ⎠ ⎟ )
r0 =1/ 20day
西風を加速する Kelvin 波について、観測でみつかっているような位相速度c=50m/s,東西波数は1を選ぶ,また Rossby-gravity 波は入っていない(下部成層圏でつぶれてしまうであろう)
東風加速について:非線型の子午面移流 ,中緯度からの惑星波動の効果,重力波が考えられている.どの程度の割合かはまだ決着がついていない。
西風加速についても,最近重力波が大事であるといわれている.
−v ∂u ∂y
NCAR GCM の半年振動:西風はおもに Kelvin 波と書いてある,西風が弱い,>たぶん重力波が足りない − <- 対流のパラメータのせいであろうSassi, F., R. R. Garcia and B. A. Boville, 1993: The stratopause semiannual oscillation in the NCAR community climate model. J. Atmos. Sci., 50, 3608-3624.
中間圏界面の半年振動:成層圏界面の半年振動とは位相が逆転している。成層圏の半年振動の風をかんじて、逆方向の重力波が80kmまで伝わっていきそこで、波が壊れて逆位相に半年振動が生成されていると考えられている。
GFDL- GCM の中に作られた半年振動。この場合は西風が強い風の振幅を持って再現されている。<ー対流のパラメータが違う、この場合は対流調節が用いられており、調節が瞬間的におこり、そのため多くの重力波が生成されているようである。
Hamilton and Mahlman, 1988, J. Atmos. Sci.
CCSR/NIES/FRCGC GCMでの半年振動
様々な GCM の半年振動。上:観測、2:ベルリンモデル、3:フランスモデル、4: UGAMP モデル、5: Unified モデルそれぞれ、ことなる結果になっている。西風が出ないモデルもある。
6—8:中間圏大循環への内部重力波の役割
zwN
zt ∂∂
−=+∂∂
∂∂ φαφ 2
3章では太陽放射、および赤外放射によって作られる中層大気の風について考察し、その結果が中間圏において観測されている平均東西風と非常に異なることを示した。その矛盾を解く考えが Lindzen(1981) と Holton(1982) 、または Matsuno(1982) によって提案され、現在、その基本的考え方が容認されている。前者は重力波の breaking によるもの、後者は波の散逸によるものと幾分の違いはあるが本質的なところは同じである( breakingの方が基本的か)。以下簡単な Matsuno の考えに従って述べることにする。
6 5で述べたように散逸がある場合の重力波の作用を考える。大気中に渦粘−性と Newton冷却がある場合の、重力波の東西方向の運動方程式は近似的に(但し東西平均流の項は落としてある。)
∂ u∂ t
= − ∂Φ∂ x
− ν m2u
とかかれるであろう。ここで m は鉛直波数である。上式は鉛直拡散を考え、 z の2階微分を取ればまあ近似としてはいいであろう。さらに波についての熱力学の方程式に Newton 冷却を導入し
となる(1項はこれまでたびたび出てきた)。ここで m の imaginary part は小さいと仮定してある。
そのとき重力波の運動量フラックスは以下のように表される。
pu′w′=A⋅exp( − dz0
z
∫ ( α N(c−u)
2k+ ν N
3
(c−u)4k))
非圧縮の連続の式を用いれば分散式の近似として
m ≈ kNω (1 + iα
2ω + ν m2 i2ω )
この様な重力波の運動量フラックスを入れたときに中層大気の大循環がどのように変化するかをみてみよう。今非常に簡単化してみる。前と同じく東西に伝わる2つの波のみを考察する。重力波の水平波長は300kmと仮定する。(重力波の実体はまだ完全には把握されていない。もっと観測が必要であるが、スケールが細かい(および周期が短い)ことのために非常に難しい。) また波の位相速度を各々 +30msー1、ー30msー1とする。ここで一番重要な量は下部境界での運動量フラックスである。z=0で以下の値を選んだ。
u′w′=1. 6x10−4
m2 s−2
この数値は波の東西風の振幅として7.2cms 1− の値に対応している。この値は非常に小さい値である。
f = 一定の時の式は以下のようであった:
(∂2
∂z2 −1H
∂∂z
−l 2 N2
f2 )∂U∂t
+ez/H ∂∂z
e−z/H(α +l2 N2
f 2 ν)∂U∂z
⎡
⎣ ⎢
⎤
⎦ ⎥
=lf
1p
∂∂z
(pQ)−l2 N2
f 2 Fx
F x =− 1p∂∂ z
pu′w′
注意:3章での Fx=0 の場合は右のようであった。
この式に Fx を入れて具体的に解いてみるとどうなるか?が今の問題である。
∂u
∂t− fv = −
1
p
∂
∂zp ′ u ′ w +
1
p
∂
∂z( pν
∂u
∂z)<-- 等から
結果が図にのっている。中間圏の風速が非常に減速されている。そして約80km近くで風速がゼロになっている。この結果は平均東西風の分布とかなりよく似ている(60km近傍の風はまだかなり大きいが)。
図:内部重力波を加えた場合の中層大気大循環の時間的振舞い。計算結果
解析による40Nにおける東西風の時間 高度の−断面図.100kmくらいのところに逆向きの風が吹いている.100kmくらいの西風は結構大きいが東風は弱い.
中間圏に Drag がかかった時の子午面循環と温度の関係図:
大気 topはイオン抵抗が入っていて東西風はすこし弱くなっている(上)。中図は重力波のかわりに平均東西風をゼロにする Rayleigh 摩擦が入っている。下段が重力波が入った例
Matsuno(1982) では南北方向も含めてもうすこし、多くの重力波(異なる位相速度)が入っている。
Holton (1982, J. Atmos. Sci.) では重力波が壊れること、breakingによる Dragをみつもり(さらに breakingに伴う拡散係数も決まる)、それを用いて東西風の変化を求めている。
そのようにして求めた東西風の時間変化の図:ただしこのモデルでは下部熱圏での逆向きの風ははっきりしない?
Holton では、 c = 0. +20m/s, -20m/s の波を考慮している。
Nakamura et al., G. R. L., 1998
波の水平波長依存の問題: Matusnoは 200km、 Holton は 800km(これは大きすぎか?):実際は100kmより短い?(右は OHのairglow観測から)
補足:重力波による Dragパラーメータの例 エネルギースペクトルの仮定 : Warner and McIntyre, 1996, JAS
€
ˆ E (m, ˆ ω ,φ) = E0A(m)B( ˆ ω )Φ(φ)
A(m) = A0(s, t)m s /m*
s+1
1+ (m /m*)s+t= (s + t) /π[ ]sin π (s +1) /(s + t)[ ]
m s /m*s+1
1+ (m /m*)s+t
B( ˆ ω ) = B0(p) ˆ ω − p B0( p) = {(p −1) ˆ ω minp−1 1− ( ˆ ω min /N)p−1
[ ]−1
, for p ≠1
1/ln(N / ˆ ω min ), for p =1ˆ ω min = max( f , ˆ ω eq )
Φ(φ) = Φ0 =1
2πE0 =
βN 2
m*2
s =1 t = 3
€
ˆ E (m, ˆ ω ,φ) = βA0(s, t)B0(p)Φ0
m
m*4 + m4
N 2 ˆ ω − p
where A0(1,3)B0(5
3)Φ0 =1.351×10−1 × ˆ ω min
2 / 3 1− ( ˆ ω min /N)2 / 3[ ]
−1
整理すると、
Pseudo-momentum flux は以下の形になる
€
ρ0ˆ F p (m, ˆ ω ,φ) = ρ 0cgz
ˆ E (m, ˆ ω ,φ)k0 / ˆ ω
= ρ 0
ˆ ω
Nˆ E (m, ˆ ω ,φ) ×
(1− ˆ ω 2 /N 2)1/ 2(1− f 2 / ˆ ω 2)3 / 2
(1− f 2 /N 2)(k0
k0
)sgn(m)
ρ 0ˆ F p (m, ˆ ω ,φ)
=1.351×10−1ρ 0βˆ ω min
2 / 3
1− ( ˆ ω min /N)2 / 3×
(1− ˆ ω 2 /N 2)1/ 2(1− f 2 / ˆ ω 2)3 / 2
(1− f 2 /N 2)
×m
m*4 + m4
ˆ ω −2 / 3(icosφ + jsinφ)
€
ρ0Fptot = ρ 0 0
2π
∫ˆ ω min
N
∫ ˆ F p−∞
∞
∫ (m, ˆ ω ,φ)dmd ˆ ω dφ
= ρ 0 0
2π
∫ˆ ω min
N
∫ | ˆ F p−∞
∞
∫ (m, ˆ ω ,φ) | ×(icosφ + jsinφ)sgn(m)dmd ˆ ω dφ
全ての運動量フラックスは積分して、
波による力は、これまでのように運動量フラックスの鉛直微分として
€
G(z) = −1
ρ 0
∂
∂zρ 0Fptot
€
ρ0ˆ F p (m, ˆ ω ,φ)dmd ˆ ω dφ = ρ 0
ˆ F p (k0,ω0,φ)dk0dω0dφ
= ρ 0ˆ F p (m, ˆ ω ,φ)Jdk0dω0dφ
where J =∂(m, ˆ ω ,φ)
∂(k0,ω0,φ)=
∂(m, ˆ ω )
∂(k0,ω0)
= (∂m
∂k0
)ω0(
∂ ˆ ω
∂ω0
)k0− (
∂m
∂ω0
)k0(∂ ˆ ω
∂k0
)ω0
J =∂(m, ˆ ω )
∂(k0,ω0)=
∂(m, ˆ ω )
∂(k0,ω0 − k0U)=
∂(m, ˆ ω )
∂(k0, ˆ ω )=
m
k0
m2
k02
=N 2 − ˆ ω 2
ˆ ω 2 − f 2ˆ ω = ω0 − k0U k0 = (k 2 + l2)1/ 2
m は鉛直波数、 φは動径方向、 ωは doppler-shift した振動数、エネルギー密度が関数形で与えてある。
大気大循環モデルなどに導入して使われる