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波浪の予知. 風波の発生,うねりの伝搬 酒井哲郎:海岸工学入門,森北出版 第 2 章( pp.19-26 ). 数十秒から 0.1 秒の周期. エネルギー. うねり 風波. 一日周期の潮汐. 半日周期の潮汐. 周波数. さざ波. 波の周波数とその周波数の波が持つエネルギーの分布(スペクトル). 相対的に大きなエネルギーを持つ海の波は風波とうねりである. 風波( wind wave ):風が原因で波が発生する波.復元力は重力 波のエネルギー源は風 うねり( swell ):風域を離れて進行する波. - PowerPoint PPT Presentation
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不規則波の表現:有義波、スペクトル
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社第 4 章( pp.58-68 )
風波は実際には不規則な波浪(波高,周期が一定ではない波;不規則波)であるため,その取り扱いに工夫を要する(統計的な手法を導入する).
有義波( significant wave ):不規則波を代表的な波高,代表的な周期で表現する.規則波(単純な三角関数で表される波)のような取り扱いが可能になる.
スペクトル( wave energy spectrum ):不規則波は様々な波浪成分を有する.各成分波のエネルギーで表現する.
時間 t
波高 h
周期
波高
ゼロアップクロス法( zero-up crossing method )による波高と周期
平均水面( h=0 )
時間 t
波高 h
周期
波高
ゼロダウンクロス法( zero-down crossing method )による波高と周期
平均水面( h=0 )
不規則波(実際に観測された波浪の時系列)の例(例 A )(ゼロアップクロス法で 17 個の波に分解した例)
・有義波高 H1/3
ゼロダウンクロス法またはゼロアップクロス法を用いて波高の時系列データから 100 個以上の波を取り出し,それぞれの波の波高,周期を求める.波高の大きい方から 3 分の 1 の波の波高の平均値を波高の代表値とする.これを有義波高という.
・有義波周期 T1/3
波高の大きい方から 3 分の 1 の波高の波の周期の平均値を周期の代表値とする.これを有義波周期という.
先の波浪の例では波高の大きい順は 7 , 4 , 1 , 17 , 16 , 15 番の波( 17波 /3→6 波)となる.これらの波の波高の平均,周期の平均がそれぞれ有義波高,有義波周期となる.
有義波重要!
最大波高 Hmax :波群の中で最高の波高を示す波.先の例では 7 番の波最大周期 Tmax :波群の中で最高の波高を示す波の周期.先の例では 7番の波
1/10 有義波高 H1/10 :波高の大きい方から 10 分の 1 個の波を取り出し,その波高の平均値を 10 分の 1 有義波高という.先の例では 7 番と 4番の波を用いる.
1/10 有義波周期 T1/10 :波高の大きい方から 10 分の 1 個の波を取り出し,その周期の平均値を 10 分の 1 有義波周期という.先の例では 7番と 4 番の波を用いる.
平均波:すべての波の平均で定義される波高(平均波高)と周期(平均周期)を持つ波.
有義波高や有義波周期を海岸構造物の設計波として用いることが多い.
T
水位(平均水面を 0 とする)
時間T1 T2 T3 T4
0 時刻から T 時間の波浪データがある.水位がある任意の水位と微少な増分 dh 間(~ +d 間)の値をとる確率 p()d は次式で表される.
水位の頻度分布(ある水位 h の出現確率)
ある水位
ある水位 +d
d
p()d =(T1+T2+T3+T4+T5+T6+T7 + T8)/T
非常に長いくまた多くのデータを用いて,あらゆるについてその出現確率を調べると次式のようになる.水位の出現確率は正規分布になる.
21 1
exp22
p
T 5
σ は水位変動の標準偏差
:正規分布
0T 6 T 7 T 8
波高の頻度分布
Longeut-Higgins は波高の頻度分布はレイリー分布( Rayleigh distribution )になることを理論的に示した.( 1952 )
2
2exp
2 4
H Hp H
HH
0
: 0H
: 0H
波高の出現確率に上記のレイリー分布を用いると以下のような関係が誘導される.
1/3 1.60H H
1/10 1/31.27 2.03H H H
最大波高については 10 ~ 20 分データに関して次の関係がある.
max 1/31.6 2.0H H
max 1/10 1/3 1.1T T T T
周期に関しては以下の経験的な式がある.
不規則波は例えば上図のように様々な規則波の合成(重ね合わせ)として考えられる.不規則波の例(例 B )
合成波(不規則波)を逆に様々規則波に分解し,それぞれの成分波の周波数(周期の逆数)を横軸に,波高の自乗を縦軸にとる.例 B では下図のようになる.
T=8.69secf=0.12Hz
17.5m2
不規則波(不規則変動)を周波数分解し,各成分の波の振幅(波高)の自乗の分布をエネルギースペクトルという.この分布形が不規則波の性質を表す.
例 B は 5 個の規則波から成り立っていたが,例 A のような波は無限個の規則波から成立する.
1
cos 2n n nn
t a f t
このような場合振幅 an は非常に小さい値をとる.そこである周波数帯( f ~ f+df )に存在する成分波の群を考える.
2
2
f dfn
f
aS f df
S(f) が波のエネルギーの周波数ごとの分布を表す関数で周波数スペクトル密度関数あるいは略して周波数スペクトルと呼ばれる.
f
f f+df
この帯の中にあるエネルギーを考える.
S(f)
dfS(f) は df という幅を掛けるとエネルギーになる
例 A の周波数スペクトル
f 0.1Hz≒T 10sec≒
3 2
4 519.5
8.10 10( ) exp 0.74
22
g gS f
U ff
ピアソン・モスコビッツ( Pierson ・ Moskowitz )のスペクトル
2 4 451/3 1/3 1/3( ) 0.257 exp 1.03S f H T f T f
ブレッドシュナイダー・光易型スペクトル
実際の海の波は場所と時間の関数である.
1
, , cos cos sin 2n n n n n n nn
x y t a k x k y f t
1
, cos 2n n n nn
x t a k x f t
1 次元の場合
例 A ,例 B は場所を固定し時間変化(時系列)を見たものである.
上式の場合,スペクトル密度関数は周波数 f と波の方向の関数になる.
2
,2
f df dn
f
aE f dfd
,E f は方向スペクトルと呼ぶこともある.
波エネルギーの方向に関する分布を与える.(どの方向から来る波が大きなエネルギーを持っているのかが分かる)
,S f E f d
方向に関して積分すると周波数スペクトル密度関数が得られる.
2
2 20
00 0
1, lim
2
tn
tf
am E f dfd dt
t
周波数スペクトルと有義波高の関係
208rmsH m
1/ 2 1/ 2
1/3 01.6 1.60 / 4 1.60 / 4 8rmsH H H m
04.01 m
1/3 0.95pT f 有義波周期とピーク周波数の関係
22
8rmsH
, ,E f S f h f
周波数スペクトル 方向分布関数方向スペクトル
2
0, cos / 2S
h f h
5
max / pS S f f
2.5
max / pS S f f
: pf f
: pf f
2
0 cos / 2S
h d
波の連海の波は不規則であるが,大きい波が引き続いて数波づつ群になって来襲することがあり,これが原因で防波堤などに大きな被害が出ることが報告されている.
波高の連の長さ j1 :ある設定した波高(例えば有義波高)よりも大きい波が続いて現れる波の数
波高の繰り返しの連の長さ j2 :波高が設定値を越えてから次の波群の波高が設定値を超えるまでの波の数
2
2exp
2 4
H Hp H
HH
1/ 3 1/ 3
2
2exp
2 4H H
H HP p H dH dH
HH
有義波高よりも大きい波高が出現する確率を P とすると
1/ 3
2
/
exp2 4
H H
P X X dX
HX
H置換積分(変数変換) dH HdX 1/3:
HX
H
積分公式から
1/ 3
22
21/3
/
exp4
0 exp exp 1.6 0.142 4 42
4H H
XH
PH
有義波高を越える波が j-1回現れ,その次は有義波高を越えない波が現れる確率 P1(j) を考える.仮定:ある波とその前後の波の発生確率は同じレイリー分布に従う.
11 (1 )jP j P P
有義波高を越える波が j-1回現れる確率 j回目に有義波高を越え
ない波が現れる確率
1 11 1 0.14 (1 0.14) 0.86P
3 11 3 0.14 (1 0.14) 0.016P 実際よりも小さい
現実には隣り合う波の相関が無視できない(出現確率分布が変わる).
短期統計:例えば 10 ~ 20 分など比較的短い観測時間で得られた波浪データを用いて得た統計的諸量
長期統計:数十年にわたる長い観測時間で得られた波浪データを用いて得た統計的諸量
波浪追算:過去に生じた波浪を再現すること.
波浪推算:将来の波浪を予測すること.