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6
第 6 章 計画の推進
67
第6章 計画の推進
第1節 施策実現に向けて
第1 段階的な取組方針
本計画で示す施策は極めて多く広範囲に及ぶことから、ここでは施策分野別に示した施策
体系や施策群等の枠組みで、計画の目標時期である短・中期(概ね 10 年以内)と長期(概ね
10 年以降)における段階的な方向性を示す。
(1) 海上・航空交通関連施策は、可能な限り集中的かつ戦略的に推進する
• 国内外との多様な交流が一段と進む中、交流・物流拠点機能を支える空港、港湾施設
は、本県のみならず我が国の発展を支える上で必須の基盤であり、可能な限り集中的
かつ早期に施策展開を図る。
• これら基盤整備と連携して、国内外を結ぶネットワークの拡充、物流ハブ機能の強
化、公租公課の減免、ポートセールス等の各種ソフト施策を戦略的に展開する。
• 離島ネットワークは、定住条件の整備や観光振興、防災の視点から、利用しやすく、
かつ安定的な交通ネットワークを確保するため、既存空港、港湾等のストックを活用
しながら、各種ソフト施策を早期から継続的に展開する。
(2) 道路関連施策は、着実に推進しつつ、骨格的な施策は特に重点的に推進する
• 道路関連施策は、事業規模、事業期間が比較的長期にわたるものが多いが、全ての施
策分野で要となる施策であることから、着実な展開を図る。
• 中でも道路交通の円滑化や将来の県土構造を支える骨格的な主要な幹線道路網(ハシゴ
道路、2 環状 7 放射道路など)は、重点的に取り組む。
• 地域における道路網は、市街地における安心、安全、快適な交通環境を形成するた
め、ハードとソフト(ITS:高度道路交通システムの推進など)の組合せや、道路機能
の段階構成が図られた道路網形成と局所的な対策(事故危険箇所や交差点の改良)の組
合せで、短期、中期、長期にわたり、着実に取り組む。
(3) 陸上公共交通関連施策は、可能なものから積極的に推進する
• 道路空間や既存バス網等の既存資源を有効活用しながら、陸上公共交通関連の各種ソ
フト施策(バスレーン拡充等、IC 乗車券を活用した施策、乗継・観光情報の提供等)の
展開を積極的に図る。
• 「骨格性」、「速達性」、「定時性」等の機能を備えた鉄軌道を含む新たな公共交通システム
の導入は極めて重要な施策であり、諸情勢を十分踏まえながら、総合的に推進する。
(4) 関連施策は、上記施策との連携を重視しつつ、早期に推進する
• 比較的少ないハード整備で効果出現が期待できる TDM 施策、MM 施策や、結節点の整
備などの関連施策は、道路、陸上公共交通などの状況に併せて早期の展開を図る。
第 6 章 計画の推進
68
第2 施策分野毎の段階的な取組方針
段階的な取組の方針として、これまでの事業の進捗状況、沖縄の課題等を踏まえた緊急性、
早期の効果出現の可能性、既存ストックの有効活用、沖縄の将来像の実現といった基本的な
要件に加え、前述の関連施策毎の取組方針に基づき、5 つの施策分野毎に段階的な取組方針
を示す。
第 6 章 計画の推進
69
(1) 「国内外との交流及び沖縄観光の魅力向上を支える交通体系」の取組方針
短・中期 長期
海
上
・
航
空
交
通
関
連
道
路
網
関
連
陸
上
公
共
交
通
関
連
そ
の
他
関
連
施
策
高規格道路・幹線道路網の早期整備
・那覇空港自動車道
・名護東道路
・沖縄西海岸道路(暫定供用)
・恩納バイパス・恩納南バイパス 等
広域交流拠点と観光拠点とのアクセス性
を向上させる規格の高い道路の整備及び
幹線道路網の完成供用に向けた取組
・沖縄西海岸道路 等
鉄軌道を含む新たな公共交通システ
ムの導入に向けた取組
都市モノレール延長整備事業の推進
及びこれに併せた中南部圏域と北部
圏域とを結ぶ高速バスシステムの拡充
鉄軌道を含む新たな公共交通システム
の導入
那覇空港の機能強化
・那覇空港の沖合への滑走路の増設
・国際線ターミナルビルの移設・拡充
・国内線ターミナルビルの増設
・公租公課の減免
・CIQ に関わる体制の強化 等
宮古空港・下地島空港、新石垣空港の
国際拠点機能強化
・国際線受け入れ機能の強化 等
国内外の航空ネットワークの拡充
・アジア諸都市等との新規路線の開設、格安航空会社(LCC)誘致 等
国内外クルーズ・ネットワークの拡充
・国際クルーズ船の誘致活動、国際クルーズ船バース等の整備(那覇港、平良港、石垣港、本部港)
観
光
拠
点
へ
ア
ク
セ
ス
交
通
網
の
強
化
空港、港湾における結節点の整備、拡充
・那覇空港や那覇港ターミナルと公共交通の乗継改善等の推進
・情報通信技術等を活用した総合交通モビリティセンター(総合案内所)の導入
拠点都市における総合交通結節点の整備
・国際交流機能、商業機能等と連携した交通結節機能の整備
情報通信技術等を活用した総合交通モビリティセンター(総合案内所)の導入
総
合
交
通
結
節
機
能
の
強
化
観光周遊、魅力を高める交通システムの整備
・周遊性を高めるリゾート型公共交通システムの導入
・観光拠点間の周遊を支える海上交通の整備
・国内外からの観光客に配慮した案内情報の充実 等
那覇港の機能強化
・大型クルーズ船バース及びターミナルビルの整備
・コースタルリゾート、ウォーターフロントの整備
圏域の拠点港としての機能強化
・平良港、石垣港、本部港の整備
第 6 章 計画の推進
70
(2) 「沖縄の産業振興を支える交通体系」の取組方針
短・中期 長期
海
上
・
航
空
交
通
関
連
道
路
網
関
連
そ
の
他
関
連
施
策
那覇空港の沖合への滑走路の増設
物流ネットワークの展開
・那覇空港及び那覇港周辺のアクセス機能の強化(那覇空港自動車道、沖縄西海岸道路、臨港道路)
・中城湾港と那覇港を結ぶ物流軸の整備(中部横断道路、宜野湾横断道路)
・結節機能の強化(端末物流を含む荷捌き等のための施設整備)
・那覇空港と那覇港が連携する Sea&Air 輸送ルートの開拓 等
那覇港の機能強化
・国際コンテナターミナルの拡充
北部振興を支える交通網の拡充
・中南部圏域からのアクセス性の拡充を図る規格の高い幹線道路網の形成
・北部圏の一体的な地域振興を支える幹線道路網、広域交通拠点の形成
離島振興を支える交通網の拡充
・航空路及び航路の拡充
・航空物流機能の拡充
新
た
な
産
業
を
振
興
す
る
交
通
網
の
拡
充
国際航空物流ハブの機能強化
・那覇空港の物流ハブ機能、航空機による高速輸
送機能及び那覇港との連結性を活かした臨空・臨
港型産業の集積
・ロジスティクスセンター等の整備
那覇港の機能強化
・ガントリークレーンの増設を含む国際コンテナター
ミナルの整備
・ロジスティクスセンターを含む背後地の整備 等
中城湾港の機能強化
・定期船の就航の実現等による物流拠点の強化
・新港地区を産業支援港湾として整備
・港湾機能強化の為の浚渫工事の促進
多様な産業活動を支援・促進する骨格幹線交通網の拡充
・本島のハシゴ道路の整備
第 6 章 計画の推進
71
(3) 「人及び環境に優しい都市構造を支える交通体系」の取組方針
短・中期 長期
道
路
網
関
連
陸
上
公
共
交
通
関
連
そ
の
他
関
連
施
策
拠点間を連絡する鉄軌道を含む新たな
公共交通システムの導入に向けた取組
・持続的な経営を可能にする特例法の制定
・需要規模や特性等を踏まえた導入環境の整備
ハシゴ道路をはじめとする幹線道路ネットワークの整備 ・国道 58 号、国道 329 号等からなる本島南北の柱となる道路網の整備 ・高速自動車道と一般道路の有機的連携を促すスマート IC の拡充 ・南部東道路、那覇インターアクセス道路、浦添西原線、宜野湾横断道路等、南北の柱を支
える東西連絡道路の整備 等
集約型都市構造の誘導及び拠点地域を育成する交通体系の整備
・集約型市街地を形成する骨格的な幹線道路網や地区内の幹線道路の整備
・集約型市街地内の移動を支援するバス交通体系の展開
・ゆとりある歩行空間の確保
・駐留軍用地返還跡地と周辺市街地の連携を図る交通ネットワークの導入
・都心地域内の周遊型公共交通システムの整備 等
交通乗継利便性の向上
・那覇空港、那覇港における交通結節機能の拡充、整備
・拠点地域(那覇、普天間、沖縄)における総合交通結節点
・郊外部における主要な交通結節点の整備(パークアンドライド、自転車駐輪場等)等
地域における幹線道路網の整備
・市街地内の幹線道路網、ITS 等
都市部の多様な活動を支えるバス
交通の拡充
・乗継運賃制度、IC 乗車券システムの導入
・バスレーンの拡充等、PTPS の拡充
・バス待合空間の拡充、情報提供
・バスロケーションシステムの拡充
・基幹バスシステムの導入 等
都市モノレールの延長
バス交通サービスのさらなる拡充
・鉄軌道を含む新たな公共交通システムと
一体的にサービスするフィーダーバス導入
・バス交通体系の見直し 等
TDM 施策、モビリティ・マネジメントの推進
・住民、転入者を対象とした MM の推進 ・学校 MM の推進 ・大規模事業所や都心部等における事業所 MM の推進 ・都市モノレール沿線居住者に対する MM の推進 等
体
系
的
な
幹
線
道
路
網
の
整
備
既
存
ス
ト
ッ
ク
の
活
用
鉄軌道を含む新たな公共交通システ
ムの導入
交通経路の分散化を図る 2 環状 7 放射道路等の整備 ・那覇を中心とした中央環状道路、外郭環状道路等の整備 ・那覇を中心とした放射道路網(豊見城道路、津嘉山バイパス、南部東道路、与那原バイパ
ス、中部縦貫道路等)の整備 等
利
便
性
の
高
い
公
共
交
通
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
の
構
築
クリーンエネルギー等次世代自動車の普及促進
・EV や PHV 等の普及促進 ・次世代自動車用のインフラ整備(急速充電器等) 等
第 6 章 計画の推進
72
(4) 「離島地域の生活を支えるための交通体系」の取組方針
短・中期 長期
海
上
・
航
空
交
通
関
連
道
路
網
関
連
陸
上
公
共
交
通
関
連
離島港湾の機能強化
・平良港の機能強化
・石垣港の機能強化
・生活航路の安全及び安定的な運航を確保するための
港湾整備
・質の高い海洋レジャー環境の整備
(マリーナ・人工ビーチ等) 等
本島離島間の交通ネットワークの充実
・離島航空路の拡充(伊平屋空港、粟国空港と那覇空港を結ぶ航空路の定期化、需要に応じた適切な機
材の導入 等)
・離島航路の確保、維持、改善
・空港・港湾間アクセス機能の向上 等
離島空港の整備
・広域交通拠点の整備、機能強化
(新石垣空港の整備及び新空港アクセス交通の整
備、伊平屋空港の整備等) 等
離島地域内の交通体系の整備
・竹富南航路の延伸及び拡幅整備
・環境に配慮した交通システムの展開、クリーンエネル
ギー等次世代自動車の普及促進
・離島架橋を含む道路の整備
・高齢者にも配慮した交通システムの展開(情報通信
技術等を活用したデマンド交通システムの 導入に対
する支援 等) 等
交通コストの低減
船舶・航空機の購入支援
第 6 章 計画の推進
73
(5) 「災害に強く安全、安心、快適な暮らしを支える交通体系」の取組方針
短・中期 長期
海
上
・
航
空
交
通
関
連
道
路
網
関
連
陸
上
公
共
交
通
関
連
そ
の
他
関
連
施
策
車に頼らず移動できる交通システムの拡充
・コミュニティバスや高齢者・障害者・要介護者に対応し
た交通サービスの拡充
・移動抵抗の小さい低床バスの導入
・タウンモビリティ等の移動環境の整備 等
バリアフリー化の推進
・歩道等道路空間のバリアフリー化の推進
・各種交通施設におけるバリアフリー化の推進
・移動抵抗の小さい低床バスの導入
・情報通信技術等を活用したバリアフリールート案内の
導入 等
交通基盤の長寿命化
・交通基盤を安全・安心に利用できる適正な維持管理の推進
・橋梁等の計画的な予防保全措置による長寿命化対策の実施
交通事故を抑止するための基盤整備の強化
及び効果的な交通規制の実施
・街区形成道路、地区内道路網の整備
・通学路の安全性確保(歩道、ガードレール等の整備)
・事故危険箇所の改良
・歩行者や自転車の安全に配慮した交通規制(歩行者
専用道路や一方通行等の進入規制、速度規制)
・道路の線形、ハンプ等の空間の工夫
・交通安全施設や ITS の整備推進 等
景観等アメニティに配慮した交通環境の整備
・ゆとりある道路空間や無電柱化の推進
・亜熱帯性気候を活かした周辺環境に配慮した道路植
栽の推進
・貴重な自然環境に影響がないよう環境収容力に配慮
した流入制約等の検討 等
災害に強い交通体系の整備
・緊急輸送拠点としての空港機能を維持・保全するための空港整備
・既存、新設空港や港湾の防災岸壁整備等を活用した緊急輸送体制の確立
・防災拠点、避難施設、広域交通拠点等と連携した緊急輸送道路ネットワークの整備推進
・災害に強い道路整備(橋梁や法面の耐震化、越波対策など)の推進
・道路ネットワークにおけるリダンダンシー(代替経路)の確保
・台風対策のための無電柱化の推進 等
第 6 章 計画の推進
74
第3 重点的に取り組む施策パッケージの抽出
先に設定した基本計画の目標、5 つの施策分野と施策群、段階的な取組方針等を踏まえ、
以下の考えのもと重点的に取り組む施策パッケージを抽出した。
図 6-1 重点的に取り組む施策パッケージの抽出
• 幅広い関係機関が連携を図りながら、喫緊の課題として総合的に取り組む必要があ
る施策であること。
• 今後の本県の発展に欠かせない(複数の目標、複数の施策分野に関連し、かつ本県
の将来像の実現の要となる)施策であること。
• 関連計画との連携が幅広く、ハード及びソフトの両分野にまたがる施策であり、総
合的な取組が求められる施策であること。
目標 5つの施策分野
強
く
し
な
や
か
な
自
立
型
経
済
の
構
築
を
支
え
る
交
通
体
系
の
確
立
沖
縄
ら
し
い
優
し
い
社
会
の
構
築
を
支
え
る
交
通
体
系
重点的に取り組む施策パッケージ
(4)離島地域の生活を支える交通体系
(5)災害に強く安全、安心、快適な
暮らしを支える交通体系
(2)沖縄の産業振興を支える交通体系
(1)国内外との交流及び沖縄観光の
魅力向上を支える交通体系
(3)人及び環境に優しい都市構造を支
える交通体系
国内外との交流・観光
振興・産業振興を支える
航空・海上ネットワーク
の拡充
移動の円滑化や安全・安心・
快適な暮らしを支える
多様な利用目的に応じた
道路網の整備
県土の均衡ある発展
を支える利便性の高い
陸上公共交通ネットワーク
の構築
第 6 章 計画の推進
75
第2節 重点的に取り組む施策パッケージの具体的進め方
第1 航空・海上ネットワークの拡充
1 施策の取組方針
(1) 国内外との交流を支える空港・港湾機能強化に向けた総合的な取組
短・中期的な交通ネットワークの拡充に向け、那覇空港増設滑走路の早期整備、那覇空港
の機能強化、宮古空港・下地島空港、新石垣空港の国際拠点機能強化、また、那覇港の機能
強化(大型クルーズ船ターミナルの整備、コースタルリゾート、ウォーターフロントの整備)
及び圏域の拠点としての港湾機能の強化(国際クルーズ船バース、耐震バースの整備)等に
取り組む。また、LCC を含む航空路線の誘致・拡大、クルーズ船の誘致、CIQ 体制の強化、
公租公課の減免等の関連ソフト施策をパッケージとして戦略的に展開する。
長期的には、那覇空港の増設滑走路を最大限に活用し、更なる航空ネットワークの拡充、
空港機能強化(ターミナルの拡充等)に向けて取り組むとともに、港湾についても国際拠点
機能強化に向けた国内外クルーズ・ネットワークの拡充に取り組む。
(2) 物流ハブ機能を支える空港・港湾機能強化に向けた総合的な取組
短・中期的な物流ハブ機能の強化に向けて、那覇空港の機能強化(国際物流産業集積地域
の活用、新規航空路線の開設、ロジスティクスセンター等の整備)、那覇港の機能強化(ガ
ントリークレーンの増設を含む国際コンテナターミナルの整備、ロジスティクスセンターを
含む背後地の整備、臨港道路の整備)、新たな航路の開設、Sea&Air ルートの開拓、臨空・
臨港型産業の集積、中城湾港の機能強化等関連ソフト施策も含めパッケージとして戦略的に
展開する。
長期的には、那覇港国際コンテナターミナルを拡充し、更なる海上ネットワークの拡充、
物流ハブ機能の強化に向けて取り組む。
(3) 本島離島間の交通ネットワークの確保に向けた取組
離島ネットワークは、定住条件の整備(運賃低減)、観光振興、防災の観点から、利用し
やすく、かつ安定的な利便性の高い交通ネットワークを確保するため、離島空港の整備、さ
らには既存空港、港湾等のストックを活用しながら、各種ソフト施策を早期から継続的に展
開する。
第 6 章 計画の推進
76
2 段階的な計画
(1) 国内外との交流を支える空港・港湾機能強化に向けた総合的な取組
短・中期 長期
計
画
目
標
• 那覇空港の機能強化、関連ソフト施策、既存ス
トックの活用による航空・海上ネットワークの拡
充、機能強化を促進
• 交流拠点機能の更なる強化
と国内外のネットワークの拡充
段
階
的
な
計
画
・
取
組
方
針
等
関連ソフト施策
那覇空港の増設滑走路の早期整備
那覇空港の機能強化
・国際線ターミナルビルの移設・拡充
・国内線ターミナルビルの増設 等
宮古空港・下地島空港、新石垣空港の国際拠点機能
強化
・国際線受け入れ機能の強化 等
・国内外の航空ネットワークの拡充(LCC 誘致等)
・CIQ 体制の強化
・公租公課の減免
国内外クルーズ・ネットワークの拡充(クルーズ船の誘致)
踏まえる 踏まえる
那覇港の機能強化
・大型クルーズ船バース及びターミナルビルの整備
・コースタルリゾート、ウォーターフロントの整備
アクセス交通整備計画(西海岸道路、那覇空港自動車道等)、
交通結節点整備計画(シームレスな交通結節システム)など
圏域の拠点港の機能強化
・平良港、石垣港、本部港の整備
第 6 章 計画の推進
77
図 6-2 国内外との交流を支える空港・港湾機能強化に向けた総合的な取組
第 6 章 計画の推進
78
(2) 物流ハブ機能を支える空港・港湾機能強化に向けた総合的な取組
短・中期 長期
計
画
目
標
• 関連ソフト施策、既存ストックの活用による物流
ハブ機能の強化を促進
• 那覇港の整備拡充による物流ハ
ブ機能の更なる強化を展開
段
階
的
な
計
画
・
取
組
方
針
等
関連ソフト施策
踏まえる 踏まえる
アクセス交通整備計画(西海岸道路、那覇空港自動車道等)、
交通結節点整備計画(シームレスな交通結節システム)など
那覇空港の機能強化
・那覇空港の増設滑走路の早期整備
・ロジスティクスセンター等の整備
那覇港の機能強化
・ガントリークレーンの増設を含む国際コンテナターミナ
ルの整備
・ロジスティクスセンターを含む背後地の整備
・臨港道路の整備 等
中城湾港の機能強化
・定期船の就航の実現等による物流拠点の強化
・新港地区における産業支援港湾としての整備
・港湾機能強化の為の浚渫工事の促進
物流ネットワークの展開
・国際物流拠点産業集積地域の活用
・航空物流ネットワークの拡充
・新たな航路の開設
・臨空・臨港型産業の集積
・那覇空港と那覇港が連携する Sea&Air 輸送ルートの開拓 等
那覇港の機能強化
・国際コンテナターミナルの拡充
第 6 章 計画の推進
79
図 6-3 物流ハブ機能を支える空港・港湾機能強化に向けた総合的な取組
第 6 章 計画の推進
80
(3) 本島離島間の交通ネットワークの確保に向けた取組
短・中期 長期
計
画
目
標
• 利用しやすく、かつ安定的な交通ネットワークを確
保するため、交通条件の不利な離島空港の整備、
既存ストックの活用、関連ソフト施策を早期から継
続的に展開し、離島の観光魅力の向上、離島にお
ける観光振興にもつながるという観点から、利用し
やすく、かつ安定的な交通ネットワークを確保
• 交通条件の不利な離島にお
ける定期航空路を確保し、交
通ネットワークの安定化を促
進
段
階
的
な
計
画
・
取
組
方
針
等
図 6-4 本島-離島間交通ネットワークの確保
踏まえる
交通結節点整備計画(シームレスな交通結節システム)等
離島港湾の機能強化
・平良港の機能強化
・石垣港の機能強化
・生活航路の安全及び安定的な運航を確保するための港湾整備
・質の高い海洋レジャー環境の整備(マリーナ・人工ビーチ等) 等
離島空港の整備
・広域交通拠点の整備、機能強化
(新石垣空港の整備及び新空港へのアクセス交通の整備、
伊平屋空港の整備等) 等
関連ソフト施策
本島離島間交通ネットワークの充実
・離島航空路の拡充(伊平屋空港、粟国空港と那覇空港を結ぶ航空路の定期化、
航路需要に応じた適切な機材の導入 等)
・離島航路の確保、維持、改善 等
交通コストの低減
船舶、航空機の購入支援
第 6 章 計画の推進
81
第2 多様な利用目的に応じた道路網の整備
1 施策の取組方針
(1) 那覇空港や那覇港と規格の高い道路との連結
現在進められている那覇空港自動車道の完成供用、及び沖縄西海岸道路の暫定供用に向け
た整備に重点的に取り組む。
(2) ハシゴ道路ネットワーク、2 環状 7 放射道路等の構築
本島南北軸・東西軸を有機的に結ぶ道路や、スマート IC 等による高規格道路との連結、
放射環状道路の整備に取り組む。
(3) 安全で快適な生活を支える歩行者空間の整備
都心地域における歩行者・自転車のための空間整備に取り組むとともに、全ての人が安心
して暮らせる街づくりを支えるバリアフリー化の推進に取り組む。
(4) 交通基盤の長寿命化と災害に強い交通ネットワークの構築
交通基盤の長寿命化、災害に強い交通基盤整備、緊急輸送道路などの整備に取り組む。特
に北部地域の生活道路となっている国道などは短期的、重点的に取り組む。
(5) 駐留軍用地返還跡地等の街づくり計画と連携した幹線道路網の構築
普天間などの駐留軍用地返還跡地利用計画等の動向を踏まえ、街づくり計画と連携した本
島を縦貫する道路や横断道路などの幹線道路の整備に取り組む。
第 6 章 計画の推進
82
2 段階的な計画
短・中期 長期
計
画
目
標
• 那覇空港や那覇港と規格の高い道路との
連結
• ハシゴ道路、2 環状 7 放射道路の整備推進
• 都心地域における歩行者・自転車のための
空間整備とバリアフリー化の推進
• ハシゴ道路、2環状7放射道路の構
築
• 駐留軍用地返還跡地等の街づくり
と連携した幹線道路網の構築
段
階
的
な
計
画
・
取
組
方
針
等
踏まえる 踏まえる
駐留軍用地返還跡地利用計画(普天間、牧港、瑞慶覧他)、沿線街づくり計画(沿線
市街地整備、都心交通体系)、観光需要動向など
規格の高い幹線道路の早期供用
・那覇空港自動車道完成供用
・沖縄西海岸道路暫定供用
・南部東道路の暫定供用
交通経路の分散を図る幹線道路網
(ハシゴ道路、2 環状 7 放射道路等)
・国道 329 号与那原 BP、南風原 BP の供用
・浦添西原線部分供用 ・スマート IC(幸地(仮称)、喜舎場)供用 等
規格の高い道路の完成供用
・沖縄西海岸道路等の完成供用
・南部東道路の完成共用 等
ハシゴ道路、2 環状 7 放射道路の完成
駐留軍用地返還跡地等の街づくりと連携した幹線道路網の構築
鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入、地域公共交通網計画(フィーダーバ
ス等)、交通結節点整備計画、TDM・MM 等ソフト関連施策、沖縄らしさを形づく
る交通環境の整備など
空港・港湾機能強化への支援
安全で快適な生活を支える歩行者空間の整備
・歩道等道路空間のバリアフリー化の推進
・歩行者、自転車ネットワークの整備促進 等
災害に強い交通体系の整備
・緊急輸送拠点としての空港機能を維持・保全するための空港整備
・既存、新設空港や港湾の防災岸壁整備等を活用した緊急輸送体制の確立
・防災拠点、避難施設、広域交通拠点等と連携した緊急輸送道路ネットワークの整備推進
・災害に強い道路整備(橋梁や法面の耐震化、越波対策など)の推進
・道路ネットワークにおけるリダンダンシー(代替経路)の確保
・台風対策のための無電柱化の推進 等
交通基盤の長寿命化
・交通基盤を安全・安心に利用できる適正な維持管理の推進
・橋梁等の計画的な予防保全措置による長寿命化対策の実施
第 6 章 計画の推進
83
図 6-5 幹線道路網に関する段階的な整備
第 6 章 計画の推進
84
第3 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い陸上公共交通ネットワークの構築
1 施策の取組方針
(1) 先ずは既存ストックを有効活用することから取り組む
当面は、既存道路空間やバス機能を活用し、都市モノレールとの連携強化、バスレーンや
バス停の拡充、低床バス等乗りやすい車両の導入、IC 乗車券システムの導入、系統別カラー
リングの導入等でバスの利便性を高める。また、バスレーンの拡充等や結節点の整備等に併
せた基幹バスシステムの導入に取り組む。
さらに、自動車の効率的な利用や公共交通機関の利用を促進する TDM(交通需要マネジ
メント)を推進するとともに、モビリティ・マネジメント(MM)を実施していく。
(2) 地域での持続可能性を前提に取り組む
地域で持続可能なシステムとするため、沖縄の地域特性、需要規模等に適した新たな公共
交通システムや必要となる新たな制度等の検討に取り組む。
(3) 街づくり等様々な関連する動向を踏まえて取り組む
普天間などの駐留軍用地返還跡地利用計画や都心部を始めとする沿線街づくり計画、さら
には陸上公共交通に関する新たな技術開発などの動向を十分に踏まえた取組を図る。
(4) 鉄軌道を含む新たな公共交通システムと連携した地域交通計画への取組
沿線地域ごとの土地利用、交通結節点、フィーダーバス、地域道路網などの各種計画検討
について、地域の特性にあった検討、取組を促進する。
第 6 章 計画の推進
85
2 段階的な計画
短・中期 長期
計
画
目
標
• 中南部圏域の南北軸を中心に展開
• 既存ストックの活用による陸上公共交通シ
ステムの高度化を展開
• フィーダーバスや MM 等と連携して総合的
な公共交通サービスの構築による陸上公
共交通の利用促進
• 中南部都市圏を中心にしつつ北部圏
も視野に展開
• 既存ストックの活用に加え、鉄軌道を
含む新たな公共交通システムへ発展
段
階
的
な
計
画
・
取
組
方
針
等
既存ストックの活用
踏まえる 踏まえる
駐留軍用地返還跡地利用計画(普天間、牧港、瑞慶覧他)、沿線街づくり計画(沿線
市街地整備、都心交通体系)、観光需要動向など
道路整備計画(骨格幹線道路、沿線地区道路網、バスレーン)、地域公共交通網計画・
バス網再編(フィーダーバス等)、交通結節点整備計画の動向など
鉄軌道を含む新たな公共交通システム
の導入に向けた取組
交通結節点の整備
・拠点地域(那覇、普天間、沖縄)における総合交通結節点の整備
・郊外部における主要交通結節点の整備(パーク&ライド、自転車駐輪場等)等
バス交通サービスの拡充
・モノレールとの連携強化
・乗継運賃制度、IC 乗車券システム
・バスレーンの拡充等
・バス待合空間の拡充、情報提供 等
都市モノレールの延長
バス交通サービスのさらなる拡充
・鉄軌道を含む新たな公共交通システムと
一体的にサービスするフィーダーバス導入
・バス交通体系の見直し検討 等
鉄軌道を含む新たな公共交通システム
の導入
基幹バスシステムの導入
都市モノレール延長に併せた高速バスシ
ステムの拡充
TDM 施策、MM の推進
第 6 章 計画の推進
86
図 6-6 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い陸上公共交通ネットワークの段階的な整備
(現況→短・中期)
現況 短・中期
第 6 章 計画の推進
87
図 6-7 県土の均衡ある発展を支える利便性の高い陸上公共交通ネットワークの段階的な整備
(長期)
長 期
イメージ
第 6 章 計画の推進
88
第3節 計画推進のための組織づくり
本計画で掲げた施策を着実に実施し計画の目標を実現するため、次の基本的考え方に基づ
き、本計画を推進するための組織体制を構築する。
1 組織体制の構築にあたっての基本的考え方
(1) 計画を推進するための組織は、庁内の関係機関で構成する組織と庁外の関係機関及び有
識者等で構成する組織の二元体制とし、計画の推進に関する情報が県民全体に広く共有
できるような仕組を構築する。
(2) 今後の交通施策の展開にあたっては、社会経済情勢等の諸要因による不確実性や、施策
の実施から効果の発現に至るまでの期間等を踏まえ、柔軟に計画を推進していくことが
重要であることから、計画を推進するための組織は、計画の進捗状況を定期的に確認、
点検し、マネジメントが可能となるような仕組を構築する。
(3) 計画に示した施策の実施にあたっては、これまでの各関係主体が個別に取り組む形から、
先に抽出した重点的に取り組む施策パッケージを中心に実施していく必要があることか
ら、計画を推進するための組織は、関係機関を横断的に組み入れる形で構築する。
2 組織体制
(1) 沖縄県総合交通体系基本計画推進委員会(仮称)
ア 構成
沖縄県総合交通体系基本計画推進委員会(以下「委員会」という。)は、庁内関係部の部
長及びこれに相当する職にある者を委員として構成し、委員長には沖縄県副知事の職にあ
る者をもって充てる。
イ 役割
委員会は、沖縄県総合交通体系基本計画の策定に関し、これまで庁内の意思決定機関(沖
縄県総合交通体系基本計画策定委員会)としての役割を発展させ、計画の実現に向けた計
画全体のマネジメント機能を担うものとし、具体的には次に掲げた役割を担うものとする。
(ア) 計画で示した施策の進捗状況の確認
(イ) 計画全体の点検及び評価の実施
(ウ) 計画の変更
(エ) 施策の推進にあたっての重要事項の検討
(オ) 計画の広報並びに計画に掲げた目標の実現及び施策を展開していく上で必要な事項
ウ 開催時期
委員会は常設の組織とし、毎年度、開催するものとする。
第 6 章 計画の推進
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エ 下部組織
(ア) 幹事会
委員会に上程する議題及び報告する内容等を整理するための組織として、委員会の下
に関係課長を構成員とする幹事会(幹事長:企画部企画振興統括監)を設置するものと
する。
(イ) 作業部会
専門的な事項について整理するため、必要に応じて幹事会の下に班長級の職員で構成
する作業部会を設置するものとする。
(2) 沖縄県総合交通体系基本計画推進協議会(仮称)
ア 構成
沖縄県総合交通体系基本計画推進協議会(以下「協議会」という。)は、国、県、市町村
の関係機関、有識者、交通関連事業者、交通施設管理者及び県民を代表する者で構成し、
会長は委員の互選をもって定めるものとする。
イ 役割
協議会は、沖縄県総合交通体系基本計画の策定に関し、指導、助言する機関であった沖
縄県総合交通体系基本計画調査検討委員会としての役割を発展させ、具体的には、次に掲
げた役割を担うものとする。
(ア) 計画の総点検
(イ) 施策の実施に関する指導及び助言
(ウ) 計画の変更に関する助言
ウ 開催時期
3 年ないし 5 年周期で集中的に開催するものとする。
エ 下部組織
協議会に上程する議題及び報告する内容等を整理するための組織として、協議会の下に
委員を補佐する職にある者を構成員とする幹事会(幹事長;企画部企画振興統括監)を設
置するものとする。
第 6 章 計画の推進
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図 6-8 総合交通体系整備に向けた組織体制