19
1 Ⅰ 平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状 1.マンション居住の状況 (1)世帯主の年齢 平成25年度と平成30年度を比較すると、70歳代以上の割合が増加する一方、30歳代以下の割 合が減少している。平成11年度から平成30年度の変化をみると、60歳代、70歳代以上の割合が 増加、50歳代以下の割合が減少しており、居住者の高齢化の進展がうかがわれる。 平成30年度における完成年次別内訳をみると、完成年次が古いマンションほど70歳代以上の割 合が高くなっており、昭和54年以前のマンションにおける70歳代以上の割合は47.2%となってい る。 0.5 0.2 0.9 0.3 0.6 7.3 10.2 13.0 18.9 22.2 18.4 21.5 26.4 31.1 27.0 25.1 28.0 24.1 22.8 24.3 27.9 25.8 22.9 18.9 18.9 19.2 13.2 11.9 7.6 6.6 1.6 1.2 0.8 0.2 0.5 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 平成11年度 N=12,383 平成15年度 N=4,795 平成20年度 N=4,599 平成25年度 N=4.896 平成30年度 N=3,211 世帯主の年齢 30歳未満 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代以上 不明 0.5 0.4 0.2 0.2 0.0 47.2 37.6 21.9 12.4 5.1 30.6 38.7 27.9 23.4 14.3 10.8 15.2 34.4 27.4 21.0 7.0 6.2 12.3 30.6 31.3 3.0 1.9 2.7 6.0 27.0 1.6 0.0 0.5 0.1 1.3 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0% 昭和54年以前 (N=369) 昭和55年~平成元年 (N=468) 平成2年~平成11年 (N=810) 平成12年~平成21年 (N=985) 平成22年以降 (N=371) 世帯主の年齢(完成年次別・平成30年度) 30歳未満 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代以上 不明 (完成年次)

Ⅰ 平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居 …5 (5)永住意識 平成25年度と平成30年度を比較すると、マンション居住者の永住意識は高まっており、平成30

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1

Ⅰ 平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

1.マンション居住の状況

(1)世帯主の年齢

平成25年度と平成30年度を比較すると、70歳代以上の割合が増加する一方、30歳代以下の割合が減少している。平成11年度から平成30年度の変化をみると、60歳代、70歳代以上の割合が増加、50歳代以下の割合が減少しており、居住者の高齢化の進展がうかがわれる。

平成30年度における完成年次別内訳をみると、完成年次が古いマンションほど70歳代以上の割

合が高くなっており、昭和54年以前のマンションにおける70歳代以上の割合は47.2%となっている。

0.5 0.2 0.9 0.3 0.6 7.3 10.2 13.0 18.9 22.2

18.4 21.5

26.4

31.1 27.0 25.1

28.0

24.1

22.8 24.3 27.9

25.8 22.9

18.9 18.9

19.2 13.2 11.9

7.6 6.6

1.6 1.2 0.8 0.2 0.5

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

平成11年度

N=12,383

平成15年度

N=4,795

平成20年度

N=4,599

平成25年度

N=4.896

平成30年度

N=3,211

世帯主の年齢

30歳未満

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代以上

不明

0.5 0.4 0.2 0.2 0.0

47.2

37.6

21.9

12.4 5.1

30.6

38.7

27.9

23.4

14.3

10.8 15.2

34.4

27.4

21.0

7.0 6.2

12.3

30.6

31.3

3.0 1.9 2.7 6.0

27.0

1.6 0.0 0.5 0.1 1.3

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

昭和54年以前

(N=369)

昭和55年~平成元年

(N=468)

平成2年~平成11年

(N=810)

平成12年~平成21年

(N=985)

平成22年以降

(N=371)

世帯主の年齢(完成年次別・平成30年度)

30歳未満

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代以上

不明

(完成年次)

Page 2: Ⅰ 平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居 …5 (5)永住意識 平成25年度と平成30年度を比較すると、マンション居住者の永住意識は高まっており、平成30

2

(2)賃貸戸数割合

平成25年度と平成30年度を比較すると、賃貸住戸のあるマンションの割合は減少しており、74.7%となっている。そのうち、戸数割合が0%超~20%のマンションの割合は57.6%、20%超のマンションの割合は17.1%となっており、いずれも減少している。

平成30年度における完成年次別内訳をみると、完成年次が古いマンションほど賃貸戸数割合が2

0%超のマンションの割合が高くなる傾向がある。

13.0 8.7

12.5

15.2

13.2 10.5

11.6

62.0 62.8 65.4

53.1

55.7 59.6 57.6

22.4 21.1 14.9

26.3

18.6 18.2 17.1

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

昭和62年度

N=1,036

平成5年度

N=980

平成11年度

N=907

平成15年度

N=1,058

平成20年度

N=2,167

平成25年度

N=2,324

平成30年度

N=1,688

% 賃貸戸数割合

0%の管理組合 0%超~20%の管理組合 20%超の管理組合

74.7%

31.6

30.3

16.4

8.3

10.4

55.6

53.0

62.6

61.5

54.7

5.3

4.7

9.6

14.7

22.4

7.6

12.0

11.4

15.5

12.4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

昭和54年以前(N=225)

昭和55年~平成元年(N=234)

平成2年~平成11年(N=438)

平成12年~平成21年(N=517)

平成22年以降(N=201)

賃貸戸数割合(完成年次別・平成30年度)

20%超の管理組合 0%超~20%の管理組合 0%の管理組合 不明

(完成年次)

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3

(3)空室戸数割合

平成25年度と平成30年度を比較すると、空室があるマンションの割合は減少しており、37.3%となっている。そのうち、空室戸数割合0%超~20%のマンションの割合は36.1%に減少した一方、空室戸数割合が20%超のマンションは1.2%へ増加している。

平成30年度における完成年次別内訳をみると、完成年次が古いマンションほど空室があるマンションの割合が高くなる傾向がある。

39.6 43.9

52.9

43.8

45.7 47.9

52.3

47.0

40.5 40.7 40.1

36.1

0.6 0.7 0.7 1.0 0.8 1.2

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

平成5年度

N=980

平成11年度

N=907

平成15年度

N=1,058

平成20年度

N=2,167

平成25年度

N=2,324

平成30年度

N=1,688

% 空室戸数割合

0%の管理組合 0%超~20%の管理組合 20%超の管理組合

37.3%

4.4

2.1

0.2

0.2

1.5

64.4

54.3

38.6

20.7

21.9

24.0

30.3

48.6

63.2

60.7

7.1

13.2

12.6

15.9

15.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

昭和54年以前(N=225)

昭和55年~平成元年(N=234)

平成2年~平成11年(N=438)

平成12年~平成21年(N=517)

平成22年以降(N=201)

空室戸数割合(完成年次別・平成30年度)

20%超の管理組合 0%超~20%の管理組合 0%の管理組合 不明

(完成年次)

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4

(4)所在不明・連絡先不通の戸数割合(新規調査項目)

※所在不明・連絡先不通とは、組合員(区分所有者)名簿により所有者が直ちに判明しておらず、又は判明していても所有者に連絡がつかないもの

所在不明・連絡先不通の空室があるマンションの割合は3.9%となっており、そのうち当該マンションの総戸数に対する所在不明・連絡先不通の住戸の割合が20%超のマンションは2.2%、0%超~20%のマンションは1.7%となっている。

平成30年度における完成年次別内訳をみると、完成年次が古いマンションほど所在不明・連絡先

不通の住戸があるマンションの割合が高くなる傾向がある。

マンションの総戸数に対する

所在不明・連絡先不通の

住戸が20%超のマンション

2.2%

マンションの総戸数に対する

所在不明・連絡先不通の

住戸が0%超~20%のマンション

1.7%空室があるが

所在不明・連絡先不通の

住戸が無いマンション

31.4%

空室なし

47.9%

回答なし

16.8%

所在不明・連絡先不通の戸数割合 N=1,688

3.9%

5.3

3.0

2.7

0.8

8.4

1.7

0.9

0.2

51.1

47.0

33.6

19.1

22.4

24.0

30.3

48.6

63.2

60.7

11.1

17.9

14.2

16.6

16.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

昭和54年以前(N=225)

昭和55年~平成元年(N=234)

平成2年~平成11年(N=438)

平成12年~平成21年(N=517)

平成22年以降(N=517)

所在不明・連絡先不通の戸数割合(完成年次別・平成30年度)

マンションの総戸数に対する

所在不明・連絡先不通の

住戸が20%超のマンション

マンションの総戸数に対する

所在不明・連絡先不通の

住戸が0%超~20%のマンション

空室があるが

所在不明・連絡先不通の

住戸が無いマンション

空室なし 回答なし

(完成年次)

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5

(5)永住意識

平成25年度と平成30年度を比較すると、マンション居住者の永住意識は高まっており、平成30年度は62.8%の区分所有者が「永住するつもりである」としている。

21.7

31.1 31.0

39.0 43.7

49.9 52.4

62.8

57.0

41.4 41.1

31.5

24.2 19.4

17.6 17.1

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

昭和55年度

N=7,431

昭和62年度

N=13,498

平成5年度

N=15,693

平成11年度

N=12,383

平成15年度

N=4,795

平成20年度

N=4,599

平成25年度

N=4.896

平成30年度

N=3,211

永住意識

永住するつもりである いずれは住み替えるつもりである

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6

(6)マンション購入の際に考慮した項目(新規調査項目)

マンション購入の際に考慮した項目は、駅からの距離など交通利便性が72.6%と最も多く、次いで、間取りが63.7%、日常の買い物環境が52.8%など、生活環境に関する項目で半数を超えていた。一方、管理運営に関する、共用部分の維持管理状況は11.5%だった。

72.6%

63.7%

52.8%

39.4%

32.1%28.5%

23.6% 23.2%20.6%

11.5%

6.8% 4.0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

駅からの距離など交通利便性

間取り

日常の買い物環境

周辺の医療・

福祉・

教育等の

公共公益施設の立地状況

周辺の自然環境

建物の防犯性能

建物の耐震性能

専有部分内の設備

共用部分の維持管理状況

共用施設・

サービスの充実度

地域やマンション内の

コミュニティ活動

マンション購入の際に考慮した項目

(重複回答)

N=1,688

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7

2.マンション管理の状況

(1)長期修繕計画の作成

平成25年度と平成30年度を比較すると、長期修繕計画を作成している管理組合の割合は増加し、平成30年度は90.9%となっている。

(2)計画期間25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金の額を設定している割合

平成25年度と平成30年度を比較すると、計画期間25年以上の長期修繕計画に基づいて修繕積立金の額を設定しているマンションの割合は増加し、平成30年度は53.6%となっている。

65.5

72.8

80.5 78.1

89.0 89.0 90.9

28.6 22.4

14.0 16.0

8.6 8.0 7.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

昭和62年度

N=1,036

平成5年度

N=980

平成11年度

N=907

平成15年度

N=1,058

平成20年度

N=2,167

平成25年度

N=2,324

平成30年度

N=1,688

長期修繕計画の作成

作成している 作成していない

19.7

36.6

46.0

53.6

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

平成15年度

N=1,058

平成20年度

N=2,167

平成25年度

N=2,324

平成30年度

N=1,688

計画期間25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金の額を設定している割合

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8

(3)月/戸当たり修繕積立金の額

平成25年度と平成30年度を比較すると、月/戸当たりの修繕積立金の額、駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金の総額ともに増加しており、平成30年度の月/戸当たりの修繕積立金の額の平均は11,243円、駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金の総額の平均は12,268円となっている。

平成30年度における完成年次別内訳をみると、平成22年以降のマンションの月/戸当たり修繕

積立金の額の平均は全体の平均を大きく下回っている。

7,378

9,066

10,89810,783

11,2439,184

10,967

11,877 11,800

12,268

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

平成11年度N=873

平成15年度N=767

平成20年度N=2,021

平成25年度N=2,167

平成30年度N=1,663

円月/戸当たり修繕積立金の額

修繕積立金 駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金

12,184

11,254

11,730 11,538

8,351

13,476

11,929

13,11212,520

8,820

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

昭和54年以前

(N=225)

昭和55年~平成元年

(N=234)

平成2年~平成11年

(N=438)

平成12年~平成21年

(N=517)

平成22年以降

(N=201)

円月/戸当たり修繕積立金の額(完成年次別・平成30年度)

修繕積立金 駐車場使用料等からの充当額を含む修繕積立金

(完成年次)

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9

(4)現在の修繕積立金の積立方式(新規調査項目)

現在の修繕積立金の積立方式は、均等積立方式が41.4%、段階増額積立方式が43.4%となっている。完成年次別内訳をみると、完成年次の新しいマンションほど段階増額積立方式となっている割合が多い。

(5)修繕積立金の積立状況(新規調査項目)

計画上の修繕積立金の積立額と現在の修繕積立金の積立額の差は、現在の積立額が計画に比べて不足しているマンションが34.8%となっている。そのうち、不足の割合が20%超のマンションが15.5%になっている。

41.4

63.8

53.2

43.1

31.5

23.6

43.4

15.6

29.6

39.6

56.6

67.8

7.1

11.9

11.6

9.7

3.7

0.5

8.2

8.7

5.6

7.6

8.2

8.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体(N=1,663)

昭和54年以前(N=218)

昭和55年~平成元年(N=233)

平成2年~平成11年(N=434)

平成12年~平成21年(N=514)

平成22年以降(N=199)

現在の修繕積立金の積立方式

均等積立方式 段階増額積立方式 その他 不 明(完成年次)

現在の修繕積立金

残高が計画に比べて余剰がある

33.8%

不明

31.4%

現在の修繕積立金の状況 N=1,529

34.8%

計画に対して

20%超の不足

15.5%

計画に対して

10%超~20%の不足

2.5%

計画に対して

5%超~10%の不足

2.1%

計画に対して

5%以下の不足14.7%

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10

(6)長期修繕計画の見直し時期(新規調査項目)

長期修繕計画の見直し時期は、「5年ごとを目安に定期的に見直している」が56.3%、「修繕工事実施直前に見直しを行っている」が12.5%、「修繕工事実施直後に見直しを行っている」が10.1%となっている。一方、見直しを行っていないマンションの割合は5.7%となっている。

5年ごとを目安に

定期的に見直している

56.3%

修繕工事実施直前に

見直しを行っている

12.5%

修繕工事実施直後に

見直しを行っている

10.1%

その他の時期に見直し

9.4%

見直しを行っていない

5.7%

不 明

6.1%

長期修繕計画の見直し時期 N=1,534

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11

(7)耐震診断・耐震改修の実施状況

旧耐震基準に基づき建設されたマンションのうち耐震診断を行ったマンションは34.0%となっており、そのうち「耐震性があると判断された」割合は40.8%であった。また、「耐震性がないと判断された」マンションのうち、「耐震改修を実施する予定はない」割合は38.1%であった。

耐震診断を実施した

34.0%

耐震診断を実施して

いない63.7%

不明

2.3%

旧耐震マンションの耐震診断実施状況 N=303

耐震性があると

判断された

40.8%

さらに詳細な耐震診断を

実施する必要があると

判定された

18.4%

耐震性がないと

判断された40.8%

旧耐震マンションの診断結果 N=103

実施した

38.1%

まだ実施していないが

今後実施する予定

21.4%

実施する

予定はない38.1%

不明2.4%

耐震性がないと判定されたマンションの耐震改修の実施の有無 N=42

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12

(8)マンションの老朽化問題についての対策

マンションの老朽化問題についての対策の議論を行い、建替え等又は修繕・改修の方向性が出た管理組合は21.9%となっている。一方、議論は行ったが方向性が出ていない管理組合は16.6%、議論を行っていない管理組合の割合は56.3%であった。

議論を行っていない

56.3%

不明

5.2%

マンションの老朽化問題についての対策の議論の有無、及び議論の方向性 N=1,688

建替え等の方向で

具体的な検討をした

0.5% 建替え等の方向、修繕・改修の方向の

両方で議論し、建替え等の方向で

具体的な検討をした

0.5%

修繕・改修の方向で

具体的な検討をした

19.3%

建替え等の方向、修繕・改修の方向の

両方で議論し、修繕・改修の方向で

具体的な検討をした

1.7%

議論はしたが、

具体的な検討を

するに至っていない

15.0%

方向性は不明

1.6%

21.9%

16.6%16.6%

Page 13: Ⅰ 平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居 …5 (5)永住意識 平成25年度と平成30年度を比較すると、マンション居住者の永住意識は高まっており、平成30

13

3.管理組合の運営等

(1)管理者の選任

管理者の選任状況をみると、87.6%が区分所有者の管理組合の代表者(理事長)であり、区分所有者以外の第三者が管理者となっているマンションは6.4%となっている。

(2)専門家の活用状況

専門家を活用しているマンションは41.8%であり、活用した専門家は、建築士が15.6%と最も多く、次いで弁護士が15.2%、マンション管理士が13.0%となっている。

管理組合の代表者

87.6%

管理組合の

代表者(理事長)

以外の区分所有者0.3%

管理者を

選任していない

1.2%

不明

4.6%

管理者の選任 N=1,406 (管理組合法人を除く)

6.4%その他 0.4%

マンション管理業者 6.0%

15.6 15.2 13.0

4.0 2.7 1.3

13.9

3.1

55.0

3.2

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

建築士

弁護士

マンション管理士

税理士

司法書士

公認会計士

管理業務主任者

その他

活用したことがない

不明

専門家の活用状況

(重複回答)

N=1,688

(256件)

(219件)

(68件)(45件)

(22件)

(263件)

(234件)

(53件)

(928件)

(54件)

※活用したことがある(41.8%)次ページへ

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(3)専門家の選任理由・選任形式(新規調査項目)

専門家を選任している理由としては、大規模修繕等の実施が43.3%と最も多く、次いで知識・ノウハウの不足が33.9%、管理費の滞納等への法的措置が32.0%となっている。また、選任形式は単発のコンサルティング業務が61.2%と最も多く、外部役員の就任(理事長等への就任)は4.1%であった。

61.2

20.4

4.1

20.4

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

単発の

コンサルティング業務

顧問契約

外部役員として

理事長等に就任

無回答

% 専門家の選任形式

(重複回答)

N=706

(432件)

(144件)

(144件)

(29件)

33.9

43.3

3.0 4.8 4.7 3.7

1.4

32.0

3.4

8.4

16.9

5.2

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

知識・ノウハウの不足

大規模修繕等の実施

建替え等の検討

役員のなり手不足

区分所有者の高齢化

区分所有者の無関心

賃貸化の進行

管理費の滞納等への法的措置

区分所有者間での紛争の多発

購入時から

管理者が選任されていた

その他

不明

% 専門家の選任理由 N=706

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(4)外部役員を選任する意向・理由(新規調査項目)

外部役員の選任意向は、検討している又は将来必要となれば検討したい意向をもつマンションが28.3%となった。検討理由は、区分所有者の高齢化が37.6%と最も多く、次いで役員のなり手不足が36.5%となった。

将来的に

必要となれば

検討したい, 27.5%

必要がないので

検討しない, 44.2%

分からない, 24.8%

無回答, 2.7%

外部役員の選任意向N=928

検討している, 0.9%

28.3%

28.9

23.2

10.3

36.5 37.6

15.2

8.412.5

4.2

0.8

4.9

12.5

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

知識・ノウハウの不足

大規模修繕等の実施

建替え等の検討

役員のなり手不足

区分所有者の高齢化

区分所有者の無関心

賃貸化の進行

管理費の滞納等への法的措置

区分所有者間での紛争の多発

購入時から管理者が選任されていた

その他

無回答

%外部役員の選任を検討する理由 N=263

(重複回答)

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(5)大規模災害への対応状況

平成25年度と平成30年度を比較すると、平成30年度で「定期的に防災訓練を実施している」、および「災害時の避難場所を周知している」と回答した管理組合は、平成25年度よりも5%以上増加している。また、平成30年度で「特に何もしていない」と回答した管理組合は23.4%であり、平成25年度よりも6%近く減少している。

11.8

33.3

17.2

5.0

22.9

7.8

5.4 5.5

38.9

3.1

18.6

37.7

26.9

8.8

25.1

19.0

13.7

8.3

3.9

29.2

4.0

19.2

44.1

20.3

7.1

13.4

30.3

16.4 16.9

8.8

3.1

23.4

4.4

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

災害時の対応マニュアルを

作成している

定期的に防災訓練を

実施している

防災用品を

準備している

生活用水の供給体制を

確保している

非常食や飲料水を備蓄している

災害時の避難場所を

周知している

自主防災組織を

組織している

防災・災害対応策に関する情報を

収集・周知している

防災用名簿を作成している

その他

特に何もしていない

不明

%大規模災害への対応状況

平成20年度 平成25年度 平成30年度 (重複回答)

平成20年度:N=2,167 平成25年度:N=2,324 平成30年度:N=1,688

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(6)トラブルの発生状況

平成25年度と平成30年度を比較すると、特にトラブルがないマンションは23.2%に減少しており何らかのトラブルを抱えているマンションが増えている。発生したトラブルについては、居住者間のマナーをめぐるトラブルが55.9%と最も多く、次いで建物の不具合に係るトラブルが31.1%、費用負担に係るトラブルが25.5%となっている。

(7)居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容

平成30年度は、生活音が38.0%と最も多く、次いで違法駐車・違法駐輪が28.1%、ペット飼育が18.1%となっている。

79.4

52.2

9.7

28.4

14.7

39.4

13.7

31.9

7.1

63.4

36.8

3.8

18.4

12.2

32.0

9.6 12.9

22.3

55.9

31.0

1.9

12.8 13.1

28.0

8.0 9.7

26.9

55.9

31.1

2.0

8.812.6

25.5

5.0

14.5

23.2

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0%

トラブルの発生状況

平成15年度 平成20年度 平成25年度 平成30年度

平成15年度:N=1,058 平成20年度:N=2,167 平成25年度:N=2,324 平成30年度:N=1,688

(重複回答)

52.8

46.6 49.6

20.5

10.9

26.8

52.7

34.8

37.1

15.2

5.4

18.7

40.1

22.7

34.3

13.1

5.9

18.4

28.1

18.1

38.0

12.9

4.3

15.1

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0% 居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容

平成15年度 平成20年度 平成25年度 平成30年度(重複回答)

平成15年度:N=1,058 平成20年度:N=2,167 平成25年度:N=2,324 平成30年度:N=1,688

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(8)管理費等の滞納戸数割合

平成25年度と平成30年度を比較すると、管理費等の滞納が発生しているマンションの割合は減少しており、滞納が発生していないマンションは62.7%となっている。

平成30年度における完成年次別内訳をみると、完成年次が古いマンションほど管理費等の滞納

があるマンションの割合が高くなる傾向がある。

53.1 48.4

56.4

51.9 56.1

62.7

40.8

47.6

25.7 31.7

36.1

24.4

0.6 0.7 0.9 0.8 0.7 0.20.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

平成5年度

N=980

平成11年度

N=907

平成15年度

N=1,058

平成20年度

N=2,167

平成25年度

N=2,324

平成30年度

N=1,688

% 管理費等の滞納戸数割合

滞納がない管理組合 0%超~10%以下の管理組合 10%超の管理組合

0.9

0.0

0.2

0.0

0.0

36.0

31.2

22.8

23.4

12.9

55.1

53.4

64.8

65.0

78.1

8.0

15.4

12.1

11.6

9.0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

昭和54年以前(N=225)

昭和55年~平成元年(N=234)

平成2年~平成11年(N=438)

平成12年~平成21年(N=517)

平成22年以降(N=201)

管理費等の滞納戸数割合(完成年次別・平成30年度)

10%超の管理組合 0%超~10%以下の管理組合 滞納がない管理組合 不明

(完成年次)

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(9)トラブルの処理方法

平成30年度は、管理組合内で話し合ったが58.9%と最も多く、次いでマンション管理業者に相談したが46.5%、当時者間で話し合ったが19.4%となっている。

8.3

3.20.3 1.4

3.4

0.3

50.0

11.5

1.0

80.7

36.7

8.67.6

1.1 0.4 2.1 2.1 0.7

50.9

10.8

3.4

75.7

28.8

9.0 6.8

1.00.1

1.6 1.61.6

48.0

9.83.9

69.2

25.4

7.64.9

0.8 0.1 1.0 0.81.0

46.5

10.2

2.9

58.9

19.4

8.0

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

訴訟によった

民事調停によった

国に相談した

地方公共団体に相談した

(公財)

マンション管理センターに相談した

(

一社)

マンション管理業協会に相談した

マンション管理業者に相談した

弁護士に相談した

マンション管理士に相談した

管理組合内で話し合った

当事者間で話し合った

その他

% トラブルの処理方法

平成15年度 平成20年度 平成25年度 平成30年度 (重複回答)

平成15年度:N=870 平成20年度:N=1,494 平成25年度:N=1,439 平成30年度:N=1,191( N:不明を除く)