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ヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化 1.生命の大切さを知るためにⅠ 1-1 プレゼンテーション 1-2 薬学生のための情報科学 1-3 コミュニケーション 1-4 ヒューマニズム 1-4-1 患者の手記 1-4-2 生と死 1-5 ヒューマニズム特別講演 2.生命の大切さを知るためにⅡ-生命倫理 3.生命の大切さを知るためにⅢ-患者から学ぶ

Ⅲ ヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化 · 概説できる。コンピュータウイルスからコン ピュータを守ることができる。ネットワーク

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Page 1: Ⅲ ヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化 · 概説できる。コンピュータウイルスからコン ピュータを守ることができる。ネットワーク

Ⅲ ヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化

1.生命の大切さを知るためにⅠ 1-1 プレゼンテーション 1-2 薬学生のための情報科学 1-3 コミュニケーション 1-4 ヒューマニズム 1-4-1 患者の手記 1-4-2 生と死 1-5 ヒューマニズム特別講演 2.生命の大切さを知るためにⅡ-生命倫理 3.生命の大切さを知るためにⅢ-患者から学ぶ

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Ⅲ ヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化

http://www.pha.keio.ac.jp/gp/iryojin/humanity.html

薬剤師としての倫理観を醸成する段階的かつ効率的な統合型カリキュラムとして、1~3 年におけるヒュ

ーマニティ・コミュニケーション教育カリキュラムを構築しました。この科目は、薬剤師を目指す薬学科の学

生が、段階的に医療人としての倫理観を獲得することを目指して、学習できるように構成されています。

1. 生命の大切さを知るためにⅠ

1) シラバス

生命の大切さを知るためにⅠ プレゼンテーション 薬学生のための情報科学 コミュニケーション/ヒューマニズム

1 年 薬学科必修

通年 4 単位

<授業の一般目標>

・ 生命の尊さを認識し、相手の心理、立場を理解して、信頼関係を確立できる薬剤師となるために、必要

な基本的知識、技能、態度を習得する。

・ 医療の担い手の一員である薬学専門家として、患者、同僚、地域社会との信頼関係を確立できるように

なるために、相手の心理、立場、環境を理解するための基本的知識、技能、態度を習得する。

・ 必要な情報、意思の伝達を行うことができ、集団の意見を整理して発表できるようにするために、プレゼ

ンテーションの基本的知識、技能、態度を習得する。

・ 情報授受に効果的なコンピュータの利用法を理解し、必要なデータや情報を有効活用できるようになる

ために、インターネットを利用した情報収集、開示、データベースの使用法、応用などに関する基本知

識、技能、態度を習得する。

<学生へのメッセージ>

薬剤師を目指す薬学科の皆さんが豊かな人間性、高い倫理観ならびに医療人としての教養を身につ

けるために 1~2 年次に渡って開講される科目です。1年次前期は IT の知識と技能を習得しながら、プレ

ゼンテーションスキルを学びます。少人数(6~8人)グループ学習SGL(small group learning)で、情報

を収集・共有化し、討論し、グループとしての成果をコンピュータを用いて発表します。後期はコミュニケー

ションスキルについて演習し、患者さんの手記を読む、あるいは講演を聴き、「生と死」に関する課題につ

いてグループワークを行い、その結果を発表します。グループ内のディスカッションには積極的に参加し、

患者さんとのコミュニケーションを旨くできるように、患者さんの気持ちに配慮できるようになりましょう。チュ

ーター(教員)は皆さんをサポートしますが、主体は皆さんです。

<教科書>

「ヒューマニズム・薬学入門」日本薬学会編 東京化学同人

<参考書> 「入門・医療倫理」赤林朗編 剄草書房、「医療倫理学の方法」宮坂道夫著 医学書院 「医療倫理」浅井ほか著 剄草書房

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「ファーマシューティカル・コミュニケーション基礎編」南山堂 「コ・メディカルのための情報リテラシー」佐藤憲一・川上準子著 共立出版

<成績評価方法> 出席、グループワークへの参加度、与えられた課題への取り組み、レポート、試験などにより総合的に

評価します。詳細については、第 1 回目の講義(オリエンテーション)で説明します。

春学期授業計画・内容 回 月日 曜日 担当教員 項目 到 達 目 標 1 4/8 火 飯島、

チューター教員 薬学部内ネットワークの利

用、情報倫理とモラル 薬学部内の情報資源の利用方法を理解

する。ネットワーク使用上のマナーを遵守

する。電子メールの送信、受信、転送な

どができる。情報を取り扱う上での倫理と

モラルについて概説できる。 2 4/8 火 小林、江原、後藤 オリエンテーション: 科目の

目的と概要を理解する チームワークの重要性を例示して説明で

きる。 3 4/15 火 飯島、

チューター教員 ソフトウェアの種類と機能 ワープロソフト、表計算ソフト、プレゼンテ

ーションソフト、グラフィックソフトの概要を

理解する。目的に応じて適切なソフトウェ

アを選択できる。 4 4/15 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 グループワークの進め方から

プレゼンまで 問題解決のために役立つ方法の一つと

して、KJ 法等について説明できる。 5 4/22 火 飯島、

チューター教員 報告書の作成ワープロソフト 簡単な報告書が作成できる。図、表、文

字飾り、報告書の体裁が整えられる。 6 4/22 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 グループワーク 1: グループ

分け、テーマ選定 対立意見を尊重し、協力してよりよい解

決法を見出すことができる。 7 5/13 火 飯島、

チューター教員 プレゼンテーションソフト(1) プレゼンテーションソフトの基本を理解す

る。 8 5/13 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 良いプレゼン、悪いプレゼン

とは? 大テーマ「未定」に

ついてブレーンストーミング

グループワークにおけるアイディア発想

法の一つであるブレーンストーミング(ブ

レスト)について説明できる。 9 5/20 火 飯島、

チューター教員 情報入手と信憑性著作権と

肖像権 情報の検索手段としてのインターネットの

活用方法を理解する。調べた情報の信

憑性を判断できる。著作権、肖像権につ

いて概説できる。 10 5/20 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 グループワーク 2: 自分と他

人の行動スタイルを知る 相手の心理状態とその変化に配慮し、適

切に対応する。グループ内コミュニケー

ションを円滑に行う。チームに参加し、協

調的態度で役割を果たす。自己の能力

の限界を認識し、必要に応じて他者に援

助を求める。 11 5/27 火 飯島、

チューター教員 プレゼンテーションソフト(2) 発表で主張したい事柄をまとめて、わか

りやすいスライドを作成することができる。

プレゼンテーションの目的に応じた、効

果的なスライドを作成できる。 12 5/27 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 中間発表(3箇所、3分割) 他グループの発表を聞き、自分たちの論

点を確認できる。 13 6/3 火 飯島、

チューター教員 画像ファイルの取り扱い 化学構造の描画

各種の画像ファイルの特徴を理解し、適

切なデジタルデータが作成できる。簡単

な化学構造式が描ける。 14 6/3 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 フィードバック講義、 終プレ

ゼンに向けたグループ内での

軌道修正

相手の心理状態とその変化に配慮し、適

切に対応する。対立意見を尊重し、協力

してよりよい解決法を見出すことができ

る。 15 6/10 火 飯島、

チューター教員 表計算ソフト(1) 表計算ソフトウェアを使ったデータの取り

扱い方法を理解する。データの並べ替

え、関数を使った計算ができる。

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16 6/10 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 パワーポイントによるプレゼン

テーションの軌道修正、グル

ープワーク

プレゼンテーションにパワーポイントを有

効に使用できる。

17 6/17 火 飯島、 チューター教員

表計算ソフト(2) 目的に応じて適切な関数の使用、グラフ

作成ができる。 18 6/17 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 グループワーク 3: 5W1H でプレゼンテーション内容を

チェックする

相手の心理状態とその変化に配慮し、適

切に対応できる。

19 6/24 火 飯島、 チューター教員

インターネットセキュリティとウ

ィルス対策 インターネット、イントラネットの仕組みを

概説できる。コンピュータウイルスからコン

ピュータを守ることができる。ネットワーク

セキュリティーについて概説できる。 20 6/24 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 グループワーク 4: 発表の準

備 グループディスカッションで得られた意見

をまとめ、正確に他者へ伝えることができ

る。 21 7/1 火 飯島、

チューター教員 ホームページ作成(1) ホームページの特徴と作成法を理解す

る。与えられた課題に関する情報を、コン

ピュータを用いて収集、加工、発表するこ

とができる。 22 7/1 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 グループ別発表 1: 実際の

プレゼンテーションとディスカ

ッション

グループディスカッションで得られた意見

を、統合して発表できる。質問に対して

的確な応答ができる。 23 7/8 火 飯島、

チューター教員 ホームページ作成(2) ホームページの優れた点および改良点

を指摘できる。ネットワークを通して、情

報の受信、発信ができる。 24 7/8 火 小林、江原、後藤、

チューター教員 グループ別発表 2 他者のプレゼンテーションに対して、優

れた点および改良点を指摘できる。

秋学期授業計画・内容 回 月日 曜日 担当教員 項目 到 達 目 標 1 9/30 火 小林、江原

チューター教員 ビデオ: 人生を考える 人の誕生、成長、加齢、死の意味を考察

し、討議する。 2 9/30 火 小林、江原

外来講師 講演: 人の死をめぐる問題 人の誕生、成長、加齢、死の意味を考察

し、討議する。 3 10/7 火 小林、江原

チューター教員 患者の手記について: グル

ープごとに手記を選択する 患者の心理状態を把握し、配慮する。患

者やその家族の持つ価値観が多様であ

ることを認識し、柔軟に対応できるよう努

力する。 4 10/7 火 小林、江原

外来講師 講演: 人の誕生をめぐる問

題 人の誕生、成長、加齢、死の意味を考察

し、討議する。 5 10/14 火 小林、江原

チューター教員 グループワーク 1: グル−プ

ごとに資料のまとめ 患者の心理状態を把握し、配慮する。患

者やその家族の持つ価値観が多様であ

ることを認識し、柔軟に対応できるよう努

力する。 6 10/14 火 小林、江原

チューター教員 グル−プワーク2: 討論、発表

準備

7 10/21 火 小林、江原 チューター教員

グル−プ別発表

8 10/21 火 小林、江原 チューター教員

グル−プ別発表

9 10/28 火 小林、江原 チューター教員

イメージワークと患者心理 対人関係に及ぼす心理的要因を概説で

きる。病気が患者に及ぼす心理的影響

について説明できる。 10 10/28 火 小林、江原

チューター教員 健康行動と影響を与える原因 コミュニケーションの阻害要因、促進要因

を列挙できる。意志、情報の伝達に必要

な要素を列挙できる。

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11 11/4 火 小林、江原、後藤 チューター教員

コミュニケーションにおけるス

トレスマネージメント 円滑なコミュニケーションのための、ストレ

スマネージメントを説明できる。 12 11/4 火 小林、江原、後藤

チューター教員 コミュニケーション概説とイメ

ージワーク 相手の立場、文化、習慣などによって、コ

ミュニケーションの在り方が異なることを

例示できる。コミュニケーションの構造・

要素、言語・非言語のコミュニケーション

について概説できる。 13 11/11 火 小林、江原、後藤

チューター教員 コミュニケーションのモデリン

グ・傾聴 相手の話を聞くことの意味を理解する。

相手の話を聴けるように努力する。 14 11/11 火 小林、江原、後藤

チューター教員 多様性を知る(ワールドワー

ク) 自分を理解し、他者との違いを知ることが

出来る。意見の多様性を理解する。 15 11/18 火 小林、江原

チューター教員 外来講師

フィードバック: 移植コーディ

ネーター講演 死に関わる倫理問題(脳死)の概略と問

題点を説明できる。

16 11/18 火 小林、江原、重野 チューター教員

倫理の基礎 薬剤師として必要な倫理観を持ち、その

内容を説明できる。 17 12/2 火 小林、江原、重野

チューター教員 大テーマ「生と死」の提示 医療に関わる諸問題から、自ら課題を見

出し、それを解決する能力を醸成する。

自らの体験を通して、生命の尊さと医療

の関わりについて討議する。 18 12/2 火 小林、江原、重野

チューター教員 グループワーク 1 春学期と同じ

19 12/9 火 小林、江原、重野 チューター教員

グループワーク 2 春学期と同じ

20 12/9 火 小林、江原、重野 チューター教員

中間発表: 他グループと意

見を交換することで、自分た

ちの論点を確認する

春学期と同じ

21 12/16 火 小林、江原、重野 チューター教員

グループワーク 3 春学期と同じ

22 12/16 火 小林、江原、重野 チューター教員

グループ別発表 春学期と同じ

23 1/6 火 小林、江原、重野 チューター教員

グループ別発表 春学期と同じ

24 1/6 火 小林、江原、重野 チューター教員

まとめ コミュニケーションの重要性を説明出来

る。生と死に関する問題点を通して、医

療における倫理の重要性を概説できる。

2) 評価方法

前期 (1 単位+1 単位) 100 点

プレゼンテーション: 発表を学生 20、教員 30、出席 10、試験 20、

グループワーク時の態度 10

薬学生のための情報科学: HP提出、試験

後期 (2 単位) 100 点

レポート 2 課題各 15×2、出席 24、発表 12×2、試験 22

総合評価: 前期 2 単位、後期 2 単位、計 4 単位のため

(プレゼンテーション+IT+後期×2)/4

算出された点数の 60 点以上を合格とする。

平均評価 0~9 段階 7.85

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1-1 プレゼンテーション

1) 講義概要

グループワークのテーマ: 「健康とは」

グループ編成: (1 グループ 6~7 名 ×15 グループ)×2 クラス

グループ名: A01~A14、B01~B14

チューター担当: 1 名のチューターが原則として 2 グループを担当

2) 講義内容

グループワーク開始前

1. プレゼンテーションに求められる能力

2. プレゼンテーションの要素

3. 発想促進の技法(KJ 法、ブレインストーミング、マインドマップ、ロジックツリー)

4. 良いプレゼンテーション、悪いプレゼンテーションとは?

5. 話し方(プレゼンテーション)の構成

6. コミュニケーションの 3 つの要素

7. グループワークのテーマ紹介

中間発表後のフィードバック講義

8. プレゼンテーションを上手に行うには?

9. 評価の視点

なぜその調査テーマを選んだのか?

発表内容は理解できたか? (構成力)

グループとして議論を尽くした形跡が見られたか? (内容構築力)

伝えたいという熱意は感じられたか? (伝達力)

新しい情報を得て、得した気がするか?

10. 改善のポイント

テーマに対する自己検証を十分に行う

情報収集は分担しても、発表の際は的を絞る

11. 終プレゼンテーションに向けての発表内容の検証

3) グループワークの流れ

1. グループワーク 2 回

2. 中間発表会(2 日間)

全てのグループが発表(1 グループ 8 分+質疑応答 4 分、3 分割して実施)

司会者は教員

3. フィードバック講義

4. グループワーク 3 回

5. 終発表会(2 日間)

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全てのグループが発表(1 グループ 5 分)

司会者は希望した学生

学生、チューターがそれぞれ決められた項目に従って評価

4) グループ発表スライド抜粋

H18 年度

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H19 年度

笑う門には福来る

フードファディズム ~氾濫する食に関する情報

と弊害

近笑っていますか?

健康であるための睡眠

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あなたは 近いつ泣きましたか?

運動の薦め

めざせ健康体!! QOL の高い老後 ~老化

はもう始まっている サプリメントと健康

眠い? ~よりよい睡眠の為に

スピリチュアル ~WHO の健康の定義

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H20 年度

健康の定義

ファーストフードは危険なのか ~マクドナルドについて~

ダイエットをしよう!~健康になるために~

WE LOVE MUSIC

健康の定義とは

かしこくサプろう!

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集団的な感染症対策 -鳥インフルエンザに向けて-

「健康」は誰が決めるのか?

気軽にできるメタボ対策

WHAT IS たばこ?~健康への架け橋~

5) 担当教員によるコメント

H18 年度

どのグループも中間発表より、プレゼンテーションが上手になっていました。

また、グループで話し合うことで、自分ひとり(「1」)で考えることを超えて、さらには「1」+「1」を超えたも

のが生まれる喜び、達成感を体験した人は、そのことが 3 か月半のなによりの成果であったと思います。

今回のプレゼンテーションでは、内容そのものについて議論する時間より、どう発表するかという伝え方

に時間をかけるグループが多く、そういうグループに対する学生評価が高かったという結果に終わりまし

た。

しかし、本来、伝える工夫が生きるのは、伝えるに足る内容を伝える場合だと考えます。調べたことをた

だ紹介するのであれば、サイトを紹介すれば良いでしょう。そこに自分たちなりの切り方が鮮明に見えてこ

ないと、プレゼンテーションする意味がないと思います。自分たちがそのテーマを選び、こだわる、その問

題意識は何なのか、そこにこそ時間を費やして議論をして欲しかったと思います。時に迷走しても、活発

に議論が行われたグループは、その成果(思考の深化過程)をしっかりと感じ取ることが出来ました。いか

にチームビルディングをしていくかも、この授業で体験的に学んで欲しかったことです。伝える段階でのパ

フォーマンスの高かったグループは、このチームビルディングがうまくいったグループと考えることが出来、

その意味でおおいに評価に値すると考えます。

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今後もスモールグループディスカッションやプレゼンテーションの機会は多くあることでしょう。次の機会

には、自分たちが選んだテーマ自体に「本当にこの仮説は正しいのか?」「このテーマを考えていくことに

意味があるのか?」という根本的な問いかけをしてみて欲しいと思います。

そういう視点を持ち続けることが、日々の業務の忙しさに埋没することなく、業務を改善できたり、新しい

薬剤師の役割を切り開いていける人材に育っていくことにつながっていくのだと私は信じています。そして、

1人でも多くそういう人材が共立薬科大学から巣立つことを期待しています。

H19 年度

「プレゼンテーション」という授業を 1 単位として設けている大学は、全国の薬学部の中でも本当に数が

少ないと思います。授業開始前に皆さんに答えていただいたアンケートからも、これまでの学生生活の中

で「プレゼンテーション」と呼べる体験をした人は少なく、またそのための発想法や議論の方法などを学ん

できた人もほとんどいないことがわかりました。

そのような状況において、1 年生の 初のプレゼンテーションの授業で、私がこだわったのは、「問い」

に「答え」を出すことではなく、自分たちらしい「問い」を探していくことでした。この問いを立てることに見事

に成功しているグループもありました。どのグループも、中間発表より精度があがっていました。自信を持

って下さい。グループで議論を尽くすことで、一人では考えつかないような展開が図れたグループは、誰

の評価がどうであれ、それだけでもおおいに価値があったと言えるでしょう。

いくつかのグループが、あふれる健康情報の中で、薬剤師が正しい情報の提供者として寄与すること

の必要性を挙げていました。その通りだと思います。実はプレゼンテーションをするという行為も同じです。

プレゼンテーションする人は、自分が他の人に伝える情報に責任を持たなければいけません。IT の授業

でも学んだことと思いますが、プレゼンテーションで間違った情報を提供すれば、それは引用した情報源

が悪いのではなく、その情報を選び取り、それを多くの人に流した皆さんの責任でもあるのです。

どうかそのことを忘れないでください。1 年生のうちにそういう意識を醸成し、習慣化していくことは、とて

も大切なことだと考えます。

質疑の仕方は、とても皆さん良かったと思います。発表のよかった点を述べて、一問一答形式でたず

ねていくことが習慣化したクラスもあり、外部から来られた講師の方が、その姿勢に感心していたという話も

聞きました!

各グループへのコメントは、文章量の多少がグループ評価そのものではないので、文章量には気にし

ないでください。ほかのグループの参考になることを考えて書いています。厳しい表現もありますが、明日

の糧となるようにあえて書いています。

今後もスモールグループディスカッションやプレゼンテーションの機会は多くあることでしょう。何度もグ

ループのメンバーが替わり、色々な人と出会い、色々な発表に触れることで、皆さんのプレゼンテーション

能力は確実にあがっていきます。今回はうまくいかなかったと思う人も、めげずに、学んだディスカッション

法などを他の授業やサークル活動などで、どんどん試してみてください!

<プレゼンテーションの講義における到達目標>

1.グループディスカッションを円滑に行うための態度を身につける。

2.グループで発想したり、問題解決する方法を身につける

3.グループディスカッションで得られた意見を、統合して発表できる。

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Page 14: Ⅲ ヒューマニティ・コミュニケーション教育の実質化 · 概説できる。コンピュータウイルスからコン ピュータを守ることができる。ネットワーク

4.対立意見を尊重し、協力してよりよい解決法を見出すことができる。

5.他者のプレゼンテーションに対して、優れた点および改良点を指摘できる。

6.グループ討論に積極的に参加し、協調的態度で役割を果たす。

7.自己の能力の限界を認識し、必要に応じて他者に援助を求める。

H20 年度

例年にない本年度の傾向として感じたのは、手元に資料を持っての発表であっても、聞き取りやすく落

ち着いた声で話している人が多かった点です。発表することに慣れているという印象を受けました。その

一方で、かなり早い段階から、自分たちのゴールを決めてしまって、そこに向かっての作業になってしまっ

ているグループも散見されました。議論して自分にはない考えに触れ、受け入れ、視野が広がるという体

験をどのグループももっと愉しんで欲しかったと感じています。

ともあれ、グループで議論を尽くすことで、一人では考えつかないような展開が図れたグループは、誰

の評価がどうであれ、それだけでもおおいに価値があったと言えるでしょう。

調べたことをただ紹介するのであれば、サイトを紹介すれば良いでしょう。そこに自分たちなりの切り方

が鮮明に見えてこないと、プレゼンテーションする意味がないと思います。自分たちがそのテーマを選び、

こだわる、その問題意識は何なのか、そこにこそ時間を費やして議論をして欲しかったと思います。時に

迷走しても、活発に議論が行われたグループは、その成果(思考の深化過程)をしっかりと感じ取ることが

出来ました。

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6) プレゼンテーション講義風景

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7) アンケートの実施と結果-プレアンケート

Pre 【プレゼンテーション-1】

グループ No. 学籍番号 氏名( )

Ⅰ. これまでプレゼンテーションをした経験は? 該当する番号に○印をつけてください。

1.したことがない

2.したことがある

2-1.数え切れないくらい 2-2.10 回以上 2-3.4〜9 回くらい 2-4.2,3 回 2-5.1 回

3.わからない

3-1.何がプレゼンテーションかわからない 3-2.その他

Ⅱ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。

プレゼンテーションをしたのはいつですか? どんな場で? その内容は?

ひとりでしたか?グループでしたか? 覚えている範囲でお答え下さい。

時期 機会 内容 1 人 or グループ

(例)中 3 の春 保健の授業で 地震対策について グループで

Ⅲ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。(自己評価で結構です)

自分はプレゼンテーションが、

□得意 □比較的得意 □何とも言えない □比較的不得意 □不得意

Ⅳ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。

プレゼンテーションの方法や準備について学んだことが

□ある □少しある □何とも言えない □ない

「ある」「少しある」と答えた方、具体的にはどんなことですか?

( )

Ⅴ. Ⅰの質問で 2 と答えた人にお尋ねします。

プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で、

おおいに役に立つ □役に立つ □少し役に立つ □わからない □役に立たない

□まったく役に立たない

Ⅵ. 全員にお尋ねします。(自己評価で結構です)

自分は人とコミュニケーションを取るのが、

□とても好き □好き □比較的好き □苦にはならない □何とも言えない

□比較的苦手 □苦手

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H19 年度 プレアンケート結果

Ⅰ. これまでプレゼンテーションをした経験は?

プレゼンテーション経験の度合い A 組 B 組 合計(人) % 1 したことがない 42 32 74 40%

2 したことが

ある

2-1: 数え切れないくらい 0 0 0 0% 2-2: 10 回以上 1 1 2 1% 2-3: 4~9 回くらい 4 5 9 5% 2-4: 2,3 回 16 25 41 22% 2-5: 1 回 21 15 36 19%

3 分からな

3-1: 何がプレゼンテーションか分か

らない 7 15 22 12%

3-2: その他 2 0 2 1% 計 93 93 186 100%

Ⅱ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(88 名)にお尋ねします。

いつ?どんな場で?その内容は?1人 or グループ?

時期 機会 内容 1 人 or グループ 高校 2 年生 保健の授業 臓器移植について グループ 高校 3 年生の春 生物の授業 植生調査の発表 1 人 中学生の春 保健の授業 花粉症について 1 人 高校 2 年生 情報の授業 ネット犯罪について グループ 高校 1 年生の春 情報の授業 健康的な食事について 1 人 中学 2 年生の春 社会の授業 郊外について グループ

Ⅲ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(88 名)にお尋ねします。

自分はプレゼンテーションが得意だと思いますか?

自己評価 A 組 B 組 合計(人) %

得意 0 0 0 0% 比較的得意 3 6 9 10% 何ともいえない 11 22 33 38% 比較的不得意 15 13 28 32% 不得意 11 1 12 14% 無回答 2 4 6 7% 計 42 46 88 100%

Ⅳ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人にお尋ねします。

プレゼンテーションの方法や準備について学んだことが、ありますか?

A 組 B 組 合計(人) % ある 2 1 3 3% 少しある 10 12 22 25% 何ともいえない 23 19 42 48% ない 4 11 15 17% 無回答 3 3 6 7%

計 42 46 88 100%

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VI.人とコミュニケーションをとるのが、好きですか? 7 とても好き 10 5.30%

→62.2% 6 好き 54 28.70% 5 比較的好き 53 28.20% 4 苦にはならない 19 10.10% 3 何ともいえない 22 11.70% 2 比較的苦手 19 10.10%

→12.8% 1 苦手 5 2.70% 0 無回答 6 3.20%

計 188

H20 年度 プレアンケート結果

Ⅰ. これまでプレゼンテーションをした経験は?

プレゼンテーション経験の度合い A 組 B 組 合計(人) % 1 したことがない 33 39 72 39.1%

2 したことが

ある

2-1: 数え切れないくらい 0 1 1 0.5%2-2: 10 回以上 3 6 9 4.9%2-3: 4~9 回くらい 7 5 12 6.5%2-4: 2,3 回 21 12 33 17.9%2-5: 1 回 15 20 35 19.0%

3 分からな

3-1: 何がプレゼンテーションか分か

らない 14 8 22 12.0%

3-2: その他 0 0 0 0% 計 93 91 184 100%

Ⅱ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(90 名)にお尋ねします。

いつ?どんな場で?その内容は?1人 or グループ?

時期 機会 内容 1 人 or グループ

小学 6 年生 総合 環境問題 グループ 中学 3 年生 自由研究 錬金術 1 人 高校 1 年生 情報 修学旅行の行き先 グループ 高校 1 年生 地理 スリランカ民族紛争 グループ 高校 2 年生 情報 地元自慢 1 人 高校 2 年生 英語 Food Culture グループ 高校 2 年生 保健 運動 グループ 高校 3 年生 倫理 自己表現 1 人 高校 3 年生 選択科目・ディベート さまざま グループ 高校 3 年生 パソコンの授業 家 1 人 高校 3 年生 総合学習 三国志研究 1 人

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Ⅲ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(90 名)にお尋ねします。

自分はプレゼンテーションが得意だと思いますか?

自己評価 A 組 B 組 合計(人) %

得意 0 0 0 0% 比較的得意 1 3 4 4.4% 何ともいえない 24 21 45 50.0% 比較的不得意 17 15 32 35.6% 不得意 3 4 7 7.8% 無回答 1 1 2 2.2% 計 46 44 90 100%

Ⅳ. Ⅰの質問で 2(プレゼンテーションをしたことがある)と答えた人(90 人)にお尋ねします。

プレゼンテーションの方法や準備について学んだことが、ありますか?

A 組 B 組 合計(人) % ある 5 1 6 7% 少しある 17 6 23 26% 何ともいえない 17 27 44 49% ない 4 9 13 14% 無回答 3 1 4 4%

計 46 44 90 100%

Ⅴ. プレゼンテーションのスキルは、これからの人生で役に立つと思いますか?

A 組 B 組 合計(人) % 大いに役に立つ 35 19 54 29.3% 役に立つ 36 58 94 51.1% 少し役に立つ 8 0 8 4.3% わからない 12 14 26 14.1% 役に立たない 1 0 1 0.5% まったく役に立たない 1 0 1 0.5% 無回答 0 0 0 0%

計 93 91 184 100%

VI.人とコミュニケーションをとるのが、好きですか?

7 とても好き 19 10.3% →57.1% 6 好き 38 20.65%

5 比較的好き 48 26.09% 4 苦にはならない 34 18.48% 3 何ともいえない 26 14.13% 2 比較的苦手 16 8.70%

→10.3% 1 苦手 3 1.63%

計 184

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8) アンケートの実施と結果-ポストアンケート

平成 19 年度 ポストアンケート結果

A.プレゼンテーションに対する認識の変化をみる

プレアンケート ポストアンケート 認識の変化度 人数 % 人数 %

5 大いに変わった 9 4.9% 46 24.7% 4 変わった 55 29.7% 93 50.0% 3 少し変わった 106 57.3% 44 23.7% 2 変わらない 13 7.0% 3 1.6% 1 まったく変わらない 2 1.1% 1 0.5%

合計 185 186

B.プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で役立つか?

プレアンケート ポストアンケート 人数 % 人数 % 6 大いに役立つ 78 42.2% 108 58.1% 5 役に立つ 96 51.9% 72 38.7% 4 少し役に立つ 9 4.9% 4 2.2% 3 分からない 2 1.1% 0 0.0% 2 役に立たない 0 0.0% 0 0.0% 1 まったく役に立たない 0 0.0% 1 0.5%

合計 185 186

Post 【プレゼンテーション-1】

グループ No. 学籍番号 氏名( )

A. プレゼンテーションに対する認識が、

□おおいに変わった □変わった □少し変わった □変わらない □まったく変わらない

B. プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で、

□おおいに役に立つ □役に立つ □少し役に立つ □わからない □役に立たない

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平成 19 年度 ポストアンケート結果

A.プレゼンテーションに対する認識の変化をみる

プレアンケート ポストアンケート 認識の変化度 人数 % 人数 %

大いに変わった % 11 6.0% 変わった % 48 26.1% 少し変わった % 94 51.1% 変わらない % 27 14.7% まったく変わらない 3 1.6% 無回答 % 1 0.5%

合計 184

B.プレゼンテーションのスキルはこれからの人生で役立つか?

プレアンケート ポストアンケート 人数 % 人数 %

6 大いに役立つ 54 29.3% 69 37.5% 5 役に立つ 94 51.1% 98 53.3% 4 少し役に立つ 8 4.3% 11 6.0% 3 分からない 26 14.1% 5 2.7% 2 役に立たない 1 0.5% 0 0.0% 1 まったく役に立たない 1 0.5% 1 0.5%

合計 184 184

●5 段階評価によるアンケート

グループワークについて

①グループディスカッションに参加しましたか? 4.31

②自分の考えを言えましたか。 4.05

③自分の意見をグループのメンバーに旨く伝えることが出来ましたか。 3.49

④メンバーの意見を受け容れることができましたか。 4.45

⑤グループをまとめることができましたか。 3.34

この授業の総合評価 4.00

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9) 学生による感想

平成 18 年度

グループワークの難しさと楽しさを学んだ。

グループで作業する際に、自分の役回りについて、よくかんがえるようになった。

状況に応じたひとり一人の役回りをきちんとこなすことが大切。相手の役回りを理解し、受け入れるこ

とが大切。

人前で発表することの難しさより、自分の意見をまとめることの方が難しかった。

意見を述べることは苦手であったが、率先して述べるようになった。

きっかけさえつかめれば、話しやすくなるのだということを学ぶことができたので、「きっかけ」を作るこ

とが重要なのだと感じた。

グループをまとめることができるようになり、人間的に成長したように感じた。

こんなに真剣に議論したことは、今まで無かった。議論したことが印象に残っている。

「何なんだこいつは?」と思うとき、この人は自分とは正反対のタイプなのかもしれない、と思うようにな

った。つまり、人には色々なタイプがあって当然であるのだと言うことを学んだ。

人の意見がまったっくちがっていても、否定するのではなく、そういう意見もあるのだということを理解

することが大切。

他者を受け入れることを大切にしたいと思った。その難しさを知り、自分にはまだまだ不足していると

思った。

他者の意見を聞くことによって、自分自身も新しい視点から物事をみることができる

人の話を聞くことも重要だが、自分の意見を主張しなくては、グループワークに参加していないのと

同じ。

自分の意見が正しいと思っても、あくまでも一つの意見、考え方である。

いろいろな意見、いろいろなタイプの人がいて当然だということを学んだ。

日頃何気なく自己主張をしすぎてはいないか、他者に不快感を与えてはいないかを見つめ直す、い

い機会になった

他者のことをしろうとする姿勢自体が、その人と仲良くなることに必要であると知った

人の気持ちになって考えてみることは、とても大切なこと。今、相手がどんな風に思っているのか、よ

く見て察すれば、きっと人間関係も円滑に行くと思う。

相手を思いやる気持ちを持つとともに、自分の意見、考えに誠実になれていったら、とても良いと思う。

これは薬剤師という仕事にも通じるものがあると思う。

自分を知ることによって、他人にも心地よく接することができる、とういことを学んだ。

自分が主張したいことがあっても、表情や言い方、また仕草などで、相手が受ける印象がこんなにも

変わるものかと驚いた。

人にわかりやすく伝える難しさを学んだ

コミュニケーションなんて一見簡単そうなものに見えるけれど、意外と奥が深いと思った。

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自分たちが調べたことを、みんなに伝えることの難しさ、どのように発表したら理解してくれるのかを学

ぶことができた。

自分たちの意見が、全く知識のない人には、とても伝わりにくいものである

将来、薬剤師になったときに、薬の説明をするのにも、相手は薬に関する知識が少ない人もいるかも

しれないので、自分の持っている知識を、うまく伝えることのできる能力が必要だと感じた。

人と接していくときに、どうすればいいか、どう工夫すれば伝わるか、ということを考えることを学べた

適切な量の情報を見極めるのがとても難しかった

大量の情報から信頼性の高いものを抜き出す難しさを学べた

予想以上に情報量が多く、何をどのようにまとめたらいいのか、わからなくなったりもした。そうしたとき

にグループ内のメンバーの意見、アイディアは大きな助けとなった

収集した情報を発表のため削ることが難しかった。

中間発表で他の発表を見ると自分たちの発表内容の欠点が分かり、参考になり、なぜ中間発表をす

るのかが分かった。

終発表での各班の工夫が面白く、アピールの仕方が重要であることが分かった。

インターネットの情報をそのままコピー&ペーストしているグループがあり、発表の仕方が旨く、その

方が評価が高かった。

先生が発表の構成まで決めてしまい、自分たちにやらせて欲しかった。

前期の授業の中で、一番先生との距離が近くに感じた。

チーム医療が叫ばれている今、この授業は大事ではないかと思った。

授業以外でもグループの仲間とは気軽に挨拶できるようになった。

平成 19 年度

プレゼンテーションに対する意識が変わった。2

初は無理矢理意見を言っていたが、授業を受けていくうちにリラックスし、自分の意見も言いやす

くなった。

楽しい授業だった。8

協力して 終発表を行ったのはよかった。

親しくないメンバーにも意見が言えるようになった。2

自分の意見を相手に伝えることの大切さを学んだ。

授業内での作業時間を与えて欲しい。3

チューターのアドバイスが役に立った。

プレゼンテーションは嫌いではない。

発表内容が各班ごとに異なり楽しかった。

KJ法の説明が、もっと分かりやすいと良かった。

今まで、グループワークは得意ではなかったが、この授業を通して得意になった気がした。

企業などでどのように使われているのか知りたい。

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チューターが大勢いたのにあまり活用されていなかったように思えた。

7人グループの席がきちんとしていなかった。

テストがプレッシャーだったので、試験の形式を教えて欲しかった。

調べる時間がもっと欲しかった。グループで話し合う時間が足りなかった。

授業外の時間を拘束されるのが嫌だった。授業時間内で完結してもらいたい。

メンバー交換して欲しかった。

何を始めたらいいのか分からなかった。説明を十分にして貰いたい。

質疑応答の時間が足りない。質疑応答時のマナーが感情的になり悪かったグループがあったので、

マナーについて講義して欲しい。

同じスライドが何枚もあって、煩わしかった。指示をもう少し、はっきりして貰いたかった。

話し方、説明の仕方は分かりやすくて良かった。2

プレゼンテーションスキルは将来役に立ちそうで、学んでよかった。12

達成感のある授業だった。2

アサーションのロールプレイはイマイチだった

平成 20 年度

●グループワークやプレゼンテーションの授業からあなたは何を学びましたか?

1) グループワークについて

グループワークの難しさ、楽しさ、グループで一つのものをつくる難しさとそれが出来たときの達成感。

49 名(以後、数字は人数)

グループワークやプレゼンテーションは楽しい。

他人の意見を取りいれ、共感的態度やどうしたら自分の意見を入れて貰えるかという構成の力を身

につけた。

協調性の大切さ。15

グループの誰かがやってくれると考えるのではなく、自分から積極的に議論に加わらないとグループ

が纏まらないことが分かった。2

積極的参加が大事。12

自分の意見をしっかり持って、それを相手に伝えることができないとテーマに対する考えが甘くなっ

てしまう。

人それぞれであること、この人も多分そうだろうと言う考え方は全く通用しない(多様性)。21

相手を受け入れることの重要性。23

多様性が新鮮だった。物事を多面的に見ることが出来るようになり、自分を見つめ直すことができ

た。

他人に自分の意見を伝えることの難しさ。36

コミュニケーションの大切さ。11

メンバーの絆が深まり、人を思いやる気持ちを大切に出来た。5

複数の人と議論することによって、自分では見えなかったことが見えてくる。4

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真剣に議論することの大切さを学んだ。

グループワークの楽しさ、発表してからフィードバックを貰える充実感。2

2)プレゼンテーションについて

KJ法やブレスト、マインドマップなどが有効であること。3

プレゼンテーションの大切さ、自分たちの発表をどのように伝えたらいいのかを学んだ。22

以前はプレゼンやグループワークの能力は先天的なものと思っていたが、学習により向上させること

ができることが分かった。

アサーションが印象的だった。8

アサーションに留意した発言をしたのに、相手がキレたときの悲しみ。

人前で話すことに抵抗感が無くなった。

人前で意見をいうことが苦手であったが、今回で人は自分の意見を受け容れてくれるんだなと感じ

た。

自分の意見を言うタイミングが旨くなった。

誰かに何かを伝えるときにひとつのメッセージを確定し、提示することが重要であることを学んだ。メッ

セージがないと単に調べたことを発表するだけになってしまう。

●この授業をもっとあなたにとって有益なものにするための改善点は何ですか?

自分の意見をもっと言った方が良かった。意見が言えるようになりたい。17

グループワークの時間が短すぎる。22

もっと真剣に取り組む。2

意見をまとめるスキルが必要である。

全員でまとめ・スライドを作成する時間が必要である。

もっと他人の意見に耳を傾けるようにしたい。

自分の意見をもっと柔らかく人に伝えられるようになれば良いと思う。議論すると熱くなり、攻撃的に

なってしまう。

1人1人が自分の考えを持って、参加すべきだ。4

授業時間外の情報伝達方法。2

グループワークに参加できない人がいたのが残念だった。

発言しやすい環境を作る。10

司会・進行係は難しい。ファシリテータースキルを学びたい。6

どんなに薄い壁もない方が良い。

グループの人数が多すぎる。3

少数意見じっくり聞ける機会があっても良いのではないか。

5分の発表は短すぎる。5

発表の時間配分に気を付ける。2

1人1人の発表の機会があった方が良い。2

プレゼンを全学年でやって欲しい。他のグループの意見も聞きたかった。

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1-2 薬学生のための情報科学

1) 講義概要

この科目では、将来医療人として活動する際、医師、その他医療従事者、患者のために、常に 新の

情報を入手し、整理検討し、自身の意見として公開するために必要な IT スキルを身につけることを目標と

している。また、プレゼンテーションの講義と平行して行い、発表資料のブラッシュアップを行い、この講義

の効率化を図っている。

新の情報を入手する手法として、インターネットを介し、そこに存在するデータベースの解説、得られ

たデータの信憑性を判断する他に、提示されているデータの解釈法などを講義している。また、情報を利

用する際の情報倫理、モラル、著作権、肖像権についても併せて解説している。

情報を整理検討するための手法として、表計算ソフトの基本的な利用、関数の使用、グラフ作成や、簡

単な化学構造式が描けるよう構造式描画ソフトの利用法を解説している。

2) 講義内容

・ オリエンテーション

マルチメディアパソコン室の利用、電子メールの利用

コミュニケーション促進・学習支援システム(.Campus)の使い方

・ 薬学部の情報資源と問い合わせ

・ ソフトウェアの種類と機能

・ 情報倫理と情報セキュリティ

・ 報告書の作成 (ワープロソフト)

・ 実験データの分析 (表計算ソフト)

・ 化学構造式の描画

・ 画像データの取り扱い

デジタル化された画像データの種類、解像度、画像データの圧縮

・ 実験結果の発表(プレゼンテーションソフト)

わかりやすいプレゼンテーションの作成

項目の整理、他のファイルからのスライドの挿入、アニメーションの設定

スライドショー、ノートの利用

・ 情報の発信(ホームページの作成)

・ 情報検索

有用な情報を適切に見つけるために(文献検索)

インターネットにおける情報源と情報検索

学術情報を検索するための代表的なサイトとデータベース

検索エンジンを利用した一般情報の検索

・ Web サイトの信憑性

・ 著作権

・ 調べて、(実験して)、まとめて、発表する (情報のまとめ方と扱い方)

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3) 効果と問題点

コンピュータおよびソフトウェアの利用に関しては、多くの学生が、大学生として必要な知識や技術を身

につけ、一定の効果があがったが、ごく一部、高校で全くコンピュータに関する知識を身につけていない

学生の理解が進まない問題があった。一方、コンピュータースキルを持った学生には、多少時間をもてあ

ます等の問題もあった。

プレゼンテーションソフトの解説では、多くの機能を説明したため、学生はその機能(アニメーションスラ

イド)を多用してしまい、実際のプレゼンテーションの場面では強調点がぼけてしまう場面もあった。

情報検索の指導に関して、どの情報が適切なのか検討する方法を指導したが、なかなか実施されず、

自分たちに都合のよい情報を選択している学生がいたことを大きな問題としてとらえている。

4) 次年度の改善点

高校で全くコンピュータに関する知識を身につけていない学生のために、補講を 3 回程度用意し、コン

ピュータースキルを、他の学生と同レベルまで引き上げる。また、十分なコンピュータースキルを持った学

生には、アドバンス用の演習課題を用意し学生の学習意欲を満たすとともに、他の学生の支援者となって

もらい自身のスキルを向上させる。

プレゼンテーションソフトの解説では、実際のプレゼンテーションの場面で重要な事項はどのように強

調すべきか、効果的なもの、散漫となってしまうのもそれぞれを提示し、よりよいプレゼンテーション資料の

作成を支援する。

情報検索の指導では、学生に身近な話題を提示し、実際に検索を行い、情報を吟味することの重要性

を体験する講義としたい。

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5) 学生が作成したホームページ

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(中略)

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(中略)

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6) 学生による感想(作成したホームページより抜粋)

どこか欠けていても、word のように指摘されないので、コマンドを入力してもうまく表示されない、とい

うことが多数あった。普段、何気なく見て回っているホームページは、ソースから作るとこんなに大変

なのかと思い、形にすることの大変さを知ったが、振り返るとなんだか出来ているようなので、うれしく

感じる。発表の時は、口頭で説明するだけだったことも、実際に文字で説明を載せることで、調べた

ことを自分の頭で整理することが出来たように思う。

今回 HP を作ったのもはじめてで、タグがたくさんあって使いこなすのが大変だったけれど、実際に

HP の画面ができあがってくると打ち込むのが大変な分達成感があり、今度自分でも HP 作りにチャ

レンジしてみたいと思いました。

情報収集の難しさもこのプレゼンを通して感じた事の一つである。今主流となっているインターネット

サイトによる情報収集であるが、その不明確さと信用性の不足はこれまでの経験からも"なんとなく"感

じてきた事であり、気をつけなくてはいけないなと思ってはいた。しかしながら今回のプレゼンに関す

る情報収集も、結局はネットによるものが主となってしまい、また、それを裏付ける情報も今回の時間

内には、一部を除き得ることが出来なかったのは、非常に残念だった。この経験を今後生かしていき

たいと思う。

ホームページの作成を経験してみて、ホームページを自ら作成している人たちの気持ちが少しわか

った気がした。今回の課題ではテーマが指定されていたが、自分の興味・関心あるテーマでホーム

ページを作成したら非常におもしろいのではないかと感じた。しかしその一方で、自分が知らないう

ちに著作権や肖像権を侵害する可能性があるということを知った。もし自分がそのような他人の権利

を侵していても、また自分の権利を侵されていても、誰かが指摘しない限りその権利は世界中の

人々が見れるネットの上で侵害され続けたままであると想像すると不安も感じた。そこはやはりホーム

ページ作成者のモラルに委ねるしかないのだろう。

自分たちがやったプレゼンを、あらためてHPとしてまとめることになるとは、思っていもいませんでし

た。HP作成の操作はわかっていても、見やすく、わかりやすくまとめるというのはとても大変なことで

すね。かなり時間がかかってしまいましたが、これから、自分で調べたことなどをまとめてHPで発表

するようなことがあるかもしれないので、今回がとても良い経験になりました。

班員で作ったプレゼンテーションを基に自分でこうしてホームページを作ってみると、また以前の知

識を含め自分の考えを整理することが出来て良かったです。これから来る夏休み、ぜひ自分も実践

したいしみんなにもやってほしいなと思いました☆

今回初めてホームページを作ってみて、専用のツールなどを使わなくても HP は作れるということに

驚きました。多少入力は面倒ではありましたが、正しくコードを入力すれば思った通りに HP が作れる

ことがわかって、もっと色々なことを知って実際に公開している HP ぐらいのものが作れるようになって

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みたいと思いました。さらに今回のプレゼンを通して、情報の収集法やまとめる方法が身につきまし

た。中間発表で指摘された"スライドが少ない"という問題もメンバー皆でスライドを工夫して解決でき

たので、 終発表はなかなかいい出来になったと思います。

プレゼンテーションについて…発表しようと思うことがあまりにも多すぎたため、重要な情報を選択す

ることが大変であった。しかし、そのおかげで、情報の選択能力が多少はついたと思う。プレゼンテ

ーションは今後社会に出たとき大切なものとなると思うので、非常にいい経験になった。

これからもしっかりと取り組んでいきたい。

今回のプレゼンテーションを通してダイエットについて調査、発表しましたが、ダイエットとは単に体

重を減らすために食事制限したり、運動したりすることではないということが改めて分かったような気

がします。睡眠・運動・食事のバランス、よく考えてみればこれは生活において基本的かつ重要な役

割をしています。そのバランスが崩れれば、当然生活に支障をきたし、現代においていえば、それは

不規則な睡眠や食生活であったり、運動不足であったりします。そして、それは様々な症状で現れま

す。その一つが余分な脂肪であり、多すぎると肥満となり、さらにはそれが原因で病気を発症したりも

します。ダイエットはこれらを予防あるいは改善するのによい方法だと思います。今日、ダイエット法と

いうのはたくさんあり、誰でも気軽に行うことができると思います。しかし、その反面、多様にあることで

どれをやっていいか迷ってしまったり、実は何の効果もないことをしていたりと問題もまだあると思いま

す。ダイエットするのは個人の自由ですが、そのダイエット法が本当に効果があるか見極めることも必

要だと思います。そしてダイエットをする以前に、睡眠・運動・食事のバランスをとることが大切だと思

います。

今回「健康」というテーマでグループワークして初めて同年代の人と本気で医療のことを話して、いい

体験でした。今までは年上の人としかこのような話をした事が無く同世代がどのような風に考えている

か知らずとても興味があり積極的に参加できました。

自分は「健康=元気」というように考えていることがあり、今回のプレゼンテーションでもう少し視野を

広げることの大切を実感しました。見た目が普通の人でも内面には病気を抱えていて精神的に不安

定の人もいれば、見た目が病気の影響で変形している人でも内面は充実している人もいて、自分た

ちは人をしっかり理解して受け入れていかなければ自身の健康も作っていけないのだなと思いまし

た。お互いの健康に関する考えが理解できたとき、また自分もまた健康に一歩近づくと思います。

薬学部と言うことで、私の班では「薬」に重点を置いたプレゼンテーションを行いました。これは私にと

ってかなりプラスなことでした。というのも、こうして HP を作成したりする以前、自分はここまで薬につ

いて考えたことがあるだろうか?と思い返してみると、そんな生活は送ってきてない現状が浮き彫りに

なります。添付文書、副作用、それを網羅するほどの利点、メリットとデメリットを天秤にかけ、薬に関

する多くの情報を持ちながらその都度自分に も適している行動が取れてはいなかったでしょう。今

思うと、副作用も知らずに平気で服用していたことがかなりショックです。。。

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しかし、今回こういったことを自分でしっかりとしらべることができたので、今後の人生において薬につ

いて悩む時間を意識的に増やしていけたらいいなと思います。

今回の授業での学習で終わらず、自分のこれからをより見つめられる課題ができてよかったです。

プレゼンテーションについては、今回のように本格的にやるのは初めてで、特にディスカッションは苦

労しました。相手に対して自分の意見を伝えることがこんなにも難しいとは思わなかったし、相手の意

見を尊重しながら議論し、進めていくのも難しかったです。実際にやってみて自分には、伝達力や司

会進行力などが乏しいと感じました。プレゼンテーション能力は薬剤師とって重要なものといえるの

で、今後、こういった点を改善していきたいと思います。また、情報科学の授業については、ほとんど

が知らない知識ばかりだったのでとても有益であったといえます。特に Word・Excel・Power point

や検索の仕方などのパソコンにおける基本的な操作は、今後、レポートなどの課題で頻繁に使用す

るので、役に立つと思います。それから、ホームページの作り方も興味深かったので、今度時間があ

ったら自分のホームページを作ってみたいです。

全体を通して思うのは発表をする際にテーマとなる言葉の定義をはっきりさせておくことが必要不可

欠ということである。今回は「健康」という言葉が自分たちのグループの中でどういう定義なのかを決

めるのが難しかった。というのは、この定義の決定を誤るとこれ以降のつじつまが合わなくなるのであ

る。そしてこの経験は間違いなく今後の糧になると実感している。

今回プレゼンテーションの授業を通して「健康」について考えましたが、はじめはテーマが広すぎて

どうしたら良いのかわからないというのが正直な感想でした。しかし、グループでそれぞれが持ち寄っ

たテーマについて真剣に考え、自分たちなりに「病気の人の健康とは」という疑問について考えること

で本当の健康とは何なのだろうかということを改めて考えさせられました。実際に病気にかかってみ

ないとわからないこともあるだろうし、今回出した結論が正しいのかはわかりません。そのため、これか

ら医療者として歩んでいく中で「健康とは何か」という探求を続けていきたいと思います。

はじめは不安だらけだったプレゼンテーションでしたが、思った以上に議論は白熱し、みんなで協力

して 終プレゼンに臨むことができて非常に良かったと思います。高校の時のグループワークに比

べて質も非常に高くなったように感じましたし、どのようにしたらみんなが議論に参加できるか、どのよ

うに進めると計画通りに終わるのかということを考えながら毎週過ごしていたような気がします。またデ

ィスカッションをしているときの自分を客観的に見て、自分はどういうタイプの人間なのかということも

知ることができました。

3ヶ月という短い間でしたが、たくさんのことを得られた授業でした。

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