61
航空写真と航空レーザを⽤いた ⾵倒被害地抽出⼿法の検討 ⼭本 拓也(信⼤農学部) 加藤正⼈(信⼤⼭岳科学研究所) ⽬次 1 はじめに 2 ⽅法 3 結果 4 考察・おわりに 2 はじめに 3 背景 はじめに ⾃然災害による林況の変化が広域に起こる ⾼解像度データの蓄積 複数時期かつデータを組み合わせた事例が少ない リモートセンシングを⽤いた 広域かつ詳細な森林現況把握の必要性 4 ⽬的 はじめに 航空写真と航空レーザのデータを組み合わせた 詳細な⾵倒被害地抽出⼿法の検討 被害⾯積の把握 被害材積の推定 リモートセンシングによる ⾼精度な被害情報の把握 5 ⽅法 6

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航空写真と航空レーザを⽤いた⾵倒被害地抽出⼿法の検討

⼭本 拓也(信⼤農学部)加藤正⼈(信⼤⼭岳科学研究所)

⽬次

1 はじめに

2 ⽅法

3 結果

4 考察・おわりに

2

はじめに

3

背景 はじめに

⾃然災害による林況の変化が広域に起こる⾼解像度データの蓄積複数時期かつデータを組み合わせた事例が少ない

リモートセンシングを⽤いた広域かつ詳細な森林現況把握の必要性

4

⽬的 はじめに

航空写真と航空レーザのデータを組み合わせた詳細な⾵倒被害地抽出⼿法の検討

被害⾯積の把握被害材積の推定

リモートセンシングによる⾼精度な被害情報の把握

5

⽅法

6

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調査地概要 ⽅法

調査対象地場所 ︓⻑野県岡⾕市横川⾵倒樹種︓ウラジロモミ

傾斜 ︓29°~42°標⾼ ︓約1500m

⾵倒時期︓2012年

7

岡⾕市

被害⾯積抽出フロー ⽅法

8

航空写真(2012,2013)

LiDARデータ(航空レーザ)(2009,2013)

教師付ピクセルベース分類

2012:4バンド2013:3バンド

組み合わせによる抽出

2013DCHM≦3m

DCHMの差(2013-2009)

DCHM(樹⾼)

DEMDSM

現地調査との⽐較・検証

被害材積推定フロー ⽅法

9

各⼿法によって抽出した被害⾯積

現地調査との⽐較

単⽊ごとに算出した被害材積の推定

DCHM2009年

樹⾼DBH

単⽊ごとに抽出・算出

現地調査 ⽅法

計測項⽬胸⾼直径樹⾼⽴⽊位置(XY⽅式)樹冠幅(4⽅向)

10

Plot1

Plot2

Plot3

m

被害⾯積抽出 ⽅法

教師付ピクセルベース分類倒⽊地,草地,モミ,カラマツ,広葉樹,影

11

4バンド画像(RGB・NIR, 2012) 3バンド画像(RGB, 2013)

①航空写真を⽤いた⼿法

被害⾯積抽出 ⽅法

LiDARを⽤いた⼿法

2013年DCHM ≦3m(⽥⼝,2006)

2013年DCHM ー 2009年DCHM < 0m12

③⼆時期のLiDARデータ

②⼀時期のLiDARデータ

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被害⾯積抽出 ⽅法

Ⅰ.13年LiDAR×3バンドⅡ.13年LiDAR×4バンドⅢ.13-09年LiDAR×3バンドⅣ.13-09年LiDAR×4バンド

4通りの組み合わせ

13

13-09年LiDAR 4バンド航空写真

AND

④組み合わせによる抽出

被害材積の推定 ⽅法

Watershed法・梢端位置から⾼さ勾配に沿って領域を拡⼤

・⾼さ勾配が反転した領域を分割する⽅法

14

樹⾼樹頂点︓Tree tops法樹冠⾯積︓Watershed法

DCHM

樹⽊情報の抽出

胸⾼直径算出

被害材積の推定 ⽅法

15

重ね合わせて抽出

被害材積の推定

抽出された被害地 倒⽊前樹⽊情報

・樹⾼・樹頂点・樹冠⾯積・胸⾼直径

⽐較・検証16

現地調査との⽐較被害地を三ヵ所設置

・被害材積・被害⾯積 被害地ごとに抽出

現地調査データ※⻑野県平成27年度

⽔源林対策事業第1号⼯事

⽅法

結果

17

被害地抽出 結果

①航空写真4バンド ①航空写真3バンド

18

③13年DCHM-09年DCHM②13年DCHM

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被害地抽出 結果

ⅱ 13年LiDAR×4バンド航空写真

ⅲ13-09LiDAR×3バンド航空写真 ⅳ 13-09LiDAR×4バンド航空写真

ⅰ 13年LiDAR×3バンド航空写真

19

④組み合わせ

被害⾯積抽出 結果

20

⼿法 被害地2(%) 被害地3(%)

LiDAR⼀時期 62.9 76.3⼆時期 114.5 113.5

航空写真4バンド 105.8 85.53バンド 62.1 15.9

組み合わせ

⼀時期・4バンド 54.9 70.8⼀時期・3バンド 52.8 69.9⼆時期・4バンド 83.4 86.9⼆時期・3バンド 95.4 91.9

精度 = RS/現地×100

被害地ごとの⾯積抽出精度

被害地2︓0.3(ha)被害地3︓2.0(ha)

被害材積の推定 結果

被害地ごとの材積推定精度⼿法 被害地2(%) 被害地3(%)

LiDAR⼀時期 20.7 52.0⼆時期 36.2 64.7

航空写真4バンド 30.4 53.83バンド 14.2 13.9

組み合わせ

⼀時期・4バンド 18.9 46.1⼀時期・3バンド 18.1 44.0⼆時期・4バンド 26.7 54.0⼆時期・3バンド 31.9 57.9

精度 = RS/現地×100

21

被害地2︓0.3(ha)被害地3︓2.0(ha)

考察・おわりに

22

考察

23

被害⾯積推定データの組み合わせによる

誤検出の軽減⾯積推定精度の向上

光学センサとLiDARデータの組合せは有効

被害材積推定推定精度は⾼くなかった

隣接する樹冠同⼠の結合

おわりに

24

樹⽊情報推定精度の向上

アルゴリズムの⾒直し(watershed法,treetops法)

林分パラメータの追加(林分密度,樹冠表⾯積…)

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25

謝辞

謝辞 データを提供してくださった⻑野県諏訪地⽅事務所林務課

ありがとうございました

RSと現地調査の⽐較 結果

各プロットの樹⽊情報

26

y=5.313x+0.376R²=0.743

y=2.205x-12.161R²=0.543

胸⾼直径と樹冠⾯積 胸⾼直径と樹⾼

RSと現地調査の⽐較 結果

単⽊ごとの樹⽊情報胸⾼直径と樹冠⾯積

27

胸⾼直径と樹⾼

y=2.807x+13.395R²=0.436

y=1.2311x+10.242R²=0.330

RSと現地調査の⽐較 結果

RSと現地調査の⽐較推定胸⾼直径と現地調査胸⾼直径

28

推定材積と現地調査材積

AE=2.50(cm)RMSE=4.16(cm)R²=0.698

AE=0.019(m³)RMES=0.023(m³)R²=0.516

スペクトルパターン

29

結果 樹冠抽出 結果

航空写真

LiDAR

30

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単⽊ごとの樹⽊情報 結果

AE=0.818RSME=1.463R²=0.594

AE=2.224RSME=4.378R²=0.573

31

単⽊ごとの被害材積 結果

推定胸⾼直径の⽐較 算出材積の⽐較

AE=0.818RSME=1.463R²=0.594

AE=0.818RSME=1.463R²=0.594

32

DCHM

単⽊ごとの樹⽊情報の⽐較

33

DSM

DEM

DCHM

⼿法LiDARと3バンドの組合せについて

34

⾵倒被害地⽴⽊地

時系列

35

2009LiDAR3バンド

2012年8⽉4⽇4バンド

2013LiDAR3バンド⾵倒被害

2009年 2016年

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SkySat-2衛星と航空レーザデータを⽤いた松本市四賀地区の松枯れ被害の把握

⽵中 悠輝・Deng Songqiu・加藤 正⼈(信州⼤学農学部)

1

背景・⽬的

2

背景

•松本市北東部で松枯れ被害が拡⼤•技術連携を結んでいる松本市から四賀地区の松枯れ被害状況把握の要請•衛星画像を利⽤したマツクイムシ被害の研究は少ない

•衛星画像の撮影頻度、分解能向上

3

⽬的

•四賀地区の松枯れ被害状況を把握する

•マツクイムシ被害研究に対する衛星画像の有⽤性を明らかにする

4

使⽤データ・ソフト・機器

5

使⽤データ• SkySat-2衛星データ(2015年5⽉30⽇撮影)

6

⽩⿊画像(1バンド分解能0.8m)

マルチスペクトル画像(4バンド分解能2.0m)

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使⽤データ• 航空レーザデータ(2013年撮影(最低4点/㎡))

7

DSM(分解能0.5m) DEM(分解能0.5m) DCHM(分解能0.5m)

使⽤ソフト・使⽤機器

• Arc GIS 10.0(ESRI,USA)• IMAGINE 8.6(ERDAS,USA)•Geomatica 9.1.8(PCI,Canada)• ENVI LiDAR 5.3(Exelis,USA)•携⾏分光放射計 MS-720(英弘精機,⽇本)

8

研究の流れ

9

SkySat-2衛星 航空レーザ

分光反射測定

被害材積区分図

DCHM

被害区分図

現地調査

回帰式作成

アカマツ林抽出

樹頂点抽出

データの統合

精度検証利⽤検証

樹冠抽出

調査地概要

10⻑野県全体 調査地全体

松本市

現地調査• プロット作成(8⽉)• 分光反射測定(8⽉)• 利⽤検証(12⽉)

11

現地調査プロット作成

12

調査地東側道路沿いに30mx38mのプロットを8⽉末に1つ設置

⽴⽊位置・胸⾼直径・被害の進⾏度・伐根の位置を測定

⽴⽊位置図プロット周辺拡⼤図

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松枯れ被害葉の分光反射特性

13

健全葉・枯損葉(茶)・感染葉(⻩)で分光反射特性が異なる

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

対白

色板

比(%

)

平均波⻑の分光反射

健全葉平均

枯損葉平均

感染葉平均

青緑赤近赤外

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

350

400

450

500

550

600

650

700

750

800

850

900

950

100

0

105

0

対白

色板

比(%

)

スペクトルパターン

健全葉

枯損葉

感染葉

(nm)

樹⾼とDBHの回帰式作成調査地内2ヶ所で測定した81本のアカマツの樹⾼とDBHから回帰式を作成

14

0

10

20

30

40

50

60

70

0 5 10 15 20 25 30 35

DBH(cm)

樹高(m)

Y=7.4678e0.0623x

R2=0.5915

画像解析

15

被害区分図作成教師付きピクセルベース分類で健全⽊と被害⽊に分類

16

教師付きピクセルベース分類イメージ図 Valley Following法イメージ図

⽩⿊画像 低い輝度値を結ぶ

樹冠

被害区分図作成

17

調査地全体の被害区分図

樹頂点抽出Tree Tops法を⽤いてDCHMから樹頂点抽出

18

樹頂点画像

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データの統合

19

被害区分図と樹頂点画像の統合 各樹頂点とDCHMの統合

m

m

被害材積区分図作成

20

林⼩班図を統合

DCHMから得られた樹⾼

回帰式から求めたDBH

⽴⽊幹材積表

被害材積区分図被害材積区分図

結果・考察

21

分類精度検証

22

0.1haプロットを利⽤した現地調査結果とリモートセンシング結果の⽐較

現地調査上層⽊結果 RS結果

本数 平均樹⾼ 本数精度

平均樹⾼精度

健全⽊ 45 21.639 19.8

87% 92%

被害⽊ 14 22.58 19.7

57% 88%

合計 59 21.847 19.8

80% 91%

※DBH26cm以上を上層⽊※現地調査の全⽴⽊合計は137本

被害区分図の利⽤検証

23

12⽉14⽇に松本市役所耕地林務課職員と被害区分図を利⽤した⽬視による踏査を実施

利⽤検証対象地域

考察

•被害葉の状態によって異なる分光スペクトルパターンを⽰す• SkySat-2衛星データを使⽤して健全⽊と被害⽊に分類することは可能• SkySat-2衛星データを使⽤して被害⽊を枯損⽊と感染⽊に分類することは困難

24

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今後の展望

•樹冠抽出精度の向上

•⾼分解能な衛星データの利⽤

•幾何補正の改善

•⼤気補正を⾏う

•バンド数が多い衛星データの利⽤

25

謝辞

•松本市役所

•⻑野県林務部

以上の⽅々ありがとうございました

26

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航空機LiDARによる単木レベルでの

樹種分類精度の検討

名古屋大学農学部

森林環境資源学研究分野

中武修一

本研究の目的

航空機LiDARを用いた

単木レベルでの樹種分類を行い、その応用可能性を検討する

1.分類に有効な指標の把握2.分類において適正なデータ量の検討

対象地

対象樹種立木本数

(本)凡例

(プロット座標)

スギ 407

ヒノキ 180

大台サイト(三重県津市多気郡大台町内の民有林)

対象地1

現地調査・・・なし樹種の把握・・・プロットデータ(県提供)

プロット内の立木をGIS上で抽出

対象樹種 立木本数(本) 凡例

スギ 484

ヒノキ 892

他針葉樹 543

広葉樹 839

対象地

白山サイト(三重県津市白山町林業研究所実習林)

対象地2

現地調査・・・なし樹種の把握・・・植生図(県提供)および

航空写真((株)中日本航空提供)

GIS上で樹種を確認・抽出

対象樹種 立木本数(本) 凡例

スギ 216

ヒノキ 209

アカマツ 128

カラマツ 204

広葉樹 179

対象地3

対象地

稲武サイト(豊田市稲武町名古屋大学附属の演習林)

現地調査・・・2015年6~10月分類対象樹種のみで構成された林分をGPSを用いて把握

樹種の把握・・・現地調査をもとに把握

GIS上で対象樹種を抽出

分類指標

分類指標の特徴

[1] 反射強度に関する指標 (2指標)

反射強度

反射強度 → レーザー反射面の特性に影響

e.g. 葉の大きさ・形・樹冠密度

・反射強度の最大値 (Cw_intM)・反射強度の平均値 (Cw_intA)

→ 単木ごとに算出し使用

※ Cw = crown (単木) int = intensity (反射強度)

本研究では7指標を分類に使用した

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最適樹冠傾斜分類指標

分類指標の特徴

[2] 樹冠形状に関する指標 (5指標)

・最適樹冠傾斜 (G_shp)→ 山本ら (2015) の手法をもとに算出

・近似式の係数A (Cw_shpA)・近似式の乗数B (Cw_shpB)

・近似式の係数A (G_shpA)・近似式の乗数B (G_shpB)

樹冠形状を累乗式 ( ) で近似

単木ごとに

10 mグリッドで

※ Cw = crown (単木の値), G = grid (10 mグリッドの値)int = intensity (反射強度に関係), shp = shape (樹冠形状に関係)

10 mグリッドで

解析の流れ

① 指標の特徴選択

② 使用する指標数を変化させての分類

③ データ取得量を変化させての分類

分類に不要な指標の排除

指標の分類への影響

適切なデータ取得量の検討

解析の流れ

① 指標の特徴選択

② 使用する指標数を変化させての分類

③ データ取得量を変化させての分類

分類に不要な指標の排除

指標の分類への影響

適切なデータ取得量の検討

方法

特徴選択 分類に有効な指標の選抜

・各サイト内の分類対象木について、抽出した分類指標を対象に指標の特徴選択と重要度の算出を実施

・同時に指標間の相関係数を算出→|R| > 0.7 を記録した指標間について、2指標のうち重要度の低かった指標を取り除いた

A

C

B

DE 相関係数・指標重要度

分類に有効

分類に不要

DA C

B E

特徴量

結果・考察

分類指標として、各サイト5指標が選択された

・ Cw_intM (反射強度の最大値) → 対象地や樹種数の影響を受けにくい、有効な指標

選択された指標と重要度

・スギ、ヒノキ間はG_shpB (樹冠形状パラメータ) の使用が有効

・単木単位で形状パラメータを算出しても効果は小さい

重要度

重要度順位 1 2 3 4 5

白山 (スギ・ヒノキ) G_shpB Cw_intM G_shpA Cw_shpB Cw_shpA

稲武 (スギ・ヒノキ) G_shpB Cw_intM G_shpA Cw_shpB Cw_shpA

大台 (2樹種) Cw_intM G_shpB G_shpA Cw_shpB Cw_shpA

白山 (4樹種) Cw_intM G_shp G_shpA Cw_shpB Cw_shpA

稲武 (5樹種) Cw_intM G_shpB G_shpA Cw_shpB Cw_shpA

解析の流れ

① 指標の特徴選択

② 使用する指標数を変化させての分類

③ データ取得量を変化させての分類

分類に不要な指標の排除

指標の分類への影響

適切なデータ取得量の検討

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方法

100 %分類対象木

40 %

学習データ

40 %

参照データ

分類モデル作成ランダムフォレストによる樹種分類

80 %

抽出木

各樹種を無作為に抽出

分類の流れ

上記の流れを1サイクルとし、100サイクル実行

→100サイクルの平均分類精度を算出

使用指標指標数

白山(2) 稲武(2) 大台(2) 白山(4) 稲武(5)

G_shpB G_shpB Cw_intM Cw_intM Cw_intM 1

+ Cw_intM + Cw_intM + G_shpB + G_shp + G_shpB 2

+ G_shpA + G_shpA + G_shpA + G_shpA + G_shpA 3

+ Cw_shpB + Cw_shpB + Cw_shpB + Cw_shpB + Cw_shpB 4

+ Cw_shpA + Cw_shpA + Cw_shpA + Cw_shpA + Cw_shpA 5

方法

分類条件

分類条件は算出した重要度をもとに決定

各指標数での分類精度をサイトごとに算出

※ () 内は分類対象樹種数, (2) の場合はスギ・ヒノキ間の分類

40

50

60

70

80

90

100

1 2 3 4 5

平均

分類

精度

(%)

使用した指標数

結果・考察

分類指標の増加に伴う平均分類精度の変化

分類対象樹種が増えることで誤分類も増加?

(2樹種)(4樹種)(5樹種)

白山サイト (スギ・ヒノキ)稲武サイト (スギ・ヒノキ)

→樹冠形状に関する指標の使用が有効

・スギ、ヒノキのみだと90~100 %近い精度で分類が可能

・稲武、白山では樹種の増加で分類精度が低下

解析の流れ

① 指標の特徴選択

② 使用する指標数を変化させての分類

③ データ取得量を変化させての分類

分類に不要な指標の排除

指標の分類への影響

適切なデータ取得量の検討

分類モデル作成

80 %

100 %

分類対象木

40 %

学習データ

40 %

参照データ

抽出木

分類

使用するデータの割合を変化(4 %, 8 %, ・・・, 40 %)

使用する指標数大台・白山・稲武 → 3指標

(白山・稲武のスギ・ヒノキ → 1指標)

方法

分類の流れ

70

75

80

85

90

95

100

4% 8% 12% 16% 20% 24% 28% 32% 36% 40%

平均

分類

精度

(%)

全体に占める学習データの割合

結果・考察学習データ増加に伴う平均分類精度の変化

(2樹種)(4樹種)(5樹種)

白山サイト (スギ・ヒノキ)

稲武サイト (スギ・ヒノキ)

少数の学習データ + 1指標で高精度の分類が可能?

・使用データの増加に伴い分類精度も向上

・スギ、ヒノキ間→サイトによっては学習データが4 %でも 90 % 近い分類精度

スギ・ヒノキ間

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総合考察

< 誤分類の例 (稲武サイトの一部) >

ヒノキ・カラマツ間、スギ・アカマツ間で誤分類の傾向

分類結果

アカマツ

ヒノキ

カラマツ

スギ

広葉樹

植生図

総合考察

他の指標 (e.g. レーザー透過率, LiDAR点群の垂直分布)で分類精度が向上するか検討が必要

スギ・ヒノキ以外の樹種が加わることで誤分類が増加する可能性

<誤分類の傾向>

稲武 ヒノキ・カラマツ間, スギ・アカマツ間

白山 広葉樹・ヒノキ間, スギ・他針葉樹間

スギ・ヒノキ間に限定すれば90 %を超える分類精度

分類対象地を増やし、結果の一般性を検証

結論

航空機LiDARを用いた単木レベルでの樹種分類において

●最適な学習データ量の検討

・スギ、ヒノキ間の分類

少量の学習データで90 %近い分類精度

●分類に有効な指標

樹冠形状に関する指標が有効

・スギ、ヒノキ間に限定すれば1指標で高精度の分類が可能

・分類対象樹種の増加はサイト内の分類精度低下につながる→異なる特徴量を併用して分類することで精度が向上

総合考察<誤分類の傾向> 白山

ヒノキ・カラマツ間の誤分類が多い傾向

植生図 分類結果

葉の大きさや展開の傾向が影響?

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地上型レーザースキャナを用いた森林計測の精度検証

森林計画学研究室 川北憲利

研究背景

点群データを取得

地上型LSとは

レーザー光線を利用した測距器

:地上型LS

:立木

点群データから樹幹の形状、単木の直径・樹高、立木位置を推定

京都府立大学大野演習林26林班

研究対象地

京都府

美山町

大野演習林

樹種:スギ林齢:100年生傾斜:30~50°

26林班

使用データ

①地上型LSデータ

京都府南丹広域振興局より提供

②現地データ

毎木調査により取得

研究方法

大野

立木密度 392本/ha

平均直径 47.0cm

平均樹高 31.5m

解析方法①位置合わせ解析方法①位置合わせ

ArcGISを用いて、地上型LS版樹木位置図を作成

地上型LS版樹木位置図を用いて、毎木調査の結果と目視によりLSから推定した立木位置と現地の立木を照合

研究方法

解析方法②精度検証解析方法②精度検証

①本数抽出率の算出

②計測誤差の検証

本数抽出率=(抽出本数/全立木本数)×100

RMSEの算出および誤差の検証

枯死木は除外

地上型LSの計測値と実測値の相関の有無

研究方法

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RMSE(平均二乗誤差平方根)とは…?

精度評価指標の1つ計測値が実測値からどの程度乖離しているかを示す

N:全対象数:計測値

ӯ :実測値

大きいほど精度が悪い

研究方法

本数抽出率

大野

全立木 451

抽出本数 448

未抽出本数 3

本数抽出率 99.3%

誤抽出 1

結果

誤抽出

抽出立木

未抽出凡例

結果~胸高直径

r=0.9454P<0.001

y = 0.8625x + 2.896R² = 0.8939

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

地上

型LS(cm)

実測値(cm)

胸高直径胸高直径

解析から除外

結果~樹高

y = 0.2764x + 23.59R² = 0.149

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

地上

型LS(m

)

実測値(m)

r=0.3854p<0.001

実測値>35m地上型LSでは35m以下の

値で計測

y = 0.2944x + 23.13R² = 0.306

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

地上

型LS(m

)

実測値(m)

樹高樹高

結果

胸高直径(cm)

樹高(m)

誤差の中央値

-2.9 1.8

RMSE ±5.3 ±4.3

樹高樹高胸高直径胸高直径

LS-

実測

値(cm)

LS-実測値(m)

本数抽出率は99.3%と高かったが、胸高直径・樹高の

計測誤差は大きく、胸高直径・樹高の計測誤差に関しては、立地条件の違いが影響していると考えられる。

要因別に検証

立木の大きさ?

傾斜?LSからの距離?

結果

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研究方法

斜面上部・下部

立木を見通せた地上型LSの数

要因要因

地上型LSからの距離

立木の大きさ

傾斜角

要因解析

5mごとに誤差を区分

胸高直径は10cmごと、樹高は5mごとに誤差を区分

5°ごとに誤差を区分

地上型LSから見て、

斜面上部・下部に位置する誤差に区分

立木を見通すことができた地上型LSの数ごとに誤差を区分

2つ

1つ

:地上型LS

:立木

各要因と誤差に関係があるか把握

クラスカル・ウォリス検定マン・ホイットニーのU検定

斜面上部・下部立木を見通せた地上型LSの数

地上型LSからの距離

立木の大きさ

傾斜角

誤差誤差 誤差誤差

誤差誤差

誤差誤差

誤差誤差

誤差に最も影響している要因を把握

重回帰分析

研究方法 要因解析

胸高直径胸高直径

地上型LSからの距離

LS-

実測

値(cm)

0~5m ~10m ~15m ~20m 20m~

樹高樹高

地上型LSからの距離

0~5m ~10m ~15m ~20m 20m~

結果・考察

地上型LSからの距離

要因解析

LS-

実測

値(m)

有意差あり

有意差なし

15m以内であれば精度を保てる

a a ab bc c

~ ~ ~ ~ ~ ~

LS-実

測値

(cm)

樹高(m)

~ ~ ~ ~

LS-実測値(m)

結果・考察

立木の大きさ

要因解析

70~~7010~20 ~60~50~40~30 ~35~30~2515~20

胸高直径(cm)

有意差あり

有意差あり 樹高樹高胸高直径胸高直径

a a b bc cd d a b c d

(°)~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

胸高直径胸高直径

LS-

実測

値(cm)

結果・考察

傾斜角

要因解析

50~~45 ~50~35 ~40~30~25~2010~15

傾斜(°) (°)傾斜(°)~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

LS-実測値(m

50~~45 ~50~35 ~40~30~2515~20

有意差

あるが、傾向は見られず

有意差

あるが、傾向は見られず

樹高樹高胸高直径胸高直径

LS-実測値(m)

a b ab ab abab a a a ab bab

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下部上部

LS-実測値(cm)

下部上部

LS-実測値(m)

結果・考察

斜面上部・下部

要因解析

有意差なし

有意差なし

樹高樹高胸高直径胸高直径

結果・考察

LS-

実測

値(cm)

立木を見通すことができた地上型LSの数

18161514131211109872 3 4 5 610

立木を見通せた地上型LSの数

25

20

15

10

5

‐5

‐10

‐15

0

‐20

‐25

要因解析

胸高直径胸高直径

少ないと誤差大

1本当たりの胸高断面積が大きく、レーザーが遮られやすい

結果・考察

樹高

誤差(m)

191817161514131211105 6 7 8 943

20

15

10

5

0

‐5

‐10

‐15

立木を見通せた地上型LSの数

要因解析

LS-実測値(m)

樹高樹高

少ないと誤差大

立木を見通すことができた地上型LSの数

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

上下

傾斜

可視

大きさ

標準偏回帰係数

結果・考察 要因解析

重回帰分析胸高直径胸高直径

大野のような1本当たりの胸高断面積が大きい立木が多く存在する森林で、地上型LSによる計測を行うと、

レーザーが立木に遮られやすく、計測誤差が顕著に現れる可能性。

直径の大きさ

地上型LSの数

斜面上部・下部 ※R 0.2029

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8

可視

上下

距離

大きさ

標準偏回帰係数

結果・考察

重回帰分析

要因解析

樹高樹高

大野のような樹高の高い立木が多く存在する森林では、樹高が高い場合や、地上型LSから遠い立木

はレーザーが梢端部に届かず、誤差が大きくなる可能性。

樹高の大きさ

斜面上部・下部

地上型LSの数 ※R 0.5252

まとめ

・大野のような1本当たりの胸高断面積が大きく、樹高が高い立木が多く存在する森林で、地上型LSによる計測を行うと、胸高直径・樹高の計測誤差が顕著に現れる可能性。

・今回の結果だけでは、誤差との関係性を把握することができなかった要因も存在

様々な林分条件の場所で計測し、更に要因を加えて、誤差との傾向を把握することで、効果的な地上型LSの利用法について吟味する必要

様々な林分条件の場所で計測し、更に要因を加えて、誤差との傾向を把握することで、効果的な地上型LSの利用法について吟味する必要

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ご清聴ありがとうございました

研究背景

Digital ForestとはDigital Forestとは

Woodinfo社が提供する、膨大な点群データか

ら、立木位置、直径、樹高、材積の情報を作成するソフトウェアツール

本研究では、Digital Forestで解析されたデータの提供を受け、このデータを基に地上型LSの精度検証を行った

日吉

立木を見通すことができた地上型LSの数

LS-

実測

値(cm

大野 日吉立木密度(本/ha) 392 736

胸高断面積(cm2/本) 1851 494

日吉

樹高(m)~ ~ ~ ~ ~

見通し線 障害物

ArcToolBoxの「見通し」

見通し線を可視領域と不可視領域に区別

ArcToolBoxの「見通し線の構築」

ArcToolBoxの「3Dレイヤ→マルチパッチフィーチャ」

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ステレオ撮影した超高解像度パノラマ画像による森林計測システムの開発

名古屋大学農学部

森林環境資源学研究分野

三谷綾香

3Dカメラによる森林計測システム

【同機種を用いた先行事例】

両レンズの歪み補正テンプレートマッチング の利用

特徴点の座標抽出の自動化10m以内で高精度な推定

(2013,渡邊)

10m

背景

ズーム無し【先行事例】

高精度な推定10m以内に制限

推定可能距離の拡張が必要 ズーム有り

(広角)

(望遠)

【実測距離と推定距離の関係】

実測距離(m)

推定

距離

(m)

民生用デジタル3Dカメラ

『FinePix REAL 3D W3』富士フィルム

①望遠画像を用いた推定距離の拡張

②実用に向けたパノラマ撮影への応用

目的

3Dカメラを用いた簡易的な森林計測システムの開発

目的

目的 ①望遠画像を用いた距離推定の拡張 ②実用に向けたパノラマ撮影への応用

名称名大附属フィールド科学教育センター

稲武フィールド<稲武演習林>

三重県林業研究所試験林<三重研究林>

所在地 愛知県豊田市稲武町 三重県津市白山町

主な樹種 スギ ヒノキ

調査時期 2015年7月 2015年11月

平均DBH(cm) 30.9 16.0

立木密度(本/ha) 1300 1400

既存立木位置図 無 有(0.23ha)

様子

調査地

材料と方法①

作業の流れ

樹木画像の取得

同一の樹木に対して広角・望遠 双方の取得を行った

目的①

テンプレートマッチングを用いた画像解析 樹木検出 距離推定

検出成功率

推定精度

目的②

自動化したパノラマ撮影による立木位置図の作成

広角・望遠の比較

推定可能距離拡張の検証

フローチャート

作業の流れ

樹木画像の取得

同一の樹木に対して広角・望遠 双方の取得を行った

目的①

テンプレートマッチングを用いた画像解析 樹木検出 距離推定

検出成功率

推定精度

目的②

自動化したパノラマ撮影による立木位置図の作成

広角・望遠の比較

推定可能距離拡張の検証

フローチャート

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画像の取得

対象樹木

対象樹木の選定及び水平距離の実測[Leica DISTOTMD810 touch]実測距離 7.2 mから40.4 mの立木〔全25本〕を対象

対象樹木を水平に撮影 [FinePix REAL 3D W3]

解析対象となる画像の選別①センターライン上に樹幹が存在②他の樹木・下層植生等の影響がない

測距・撮影

右画像左画像

材料と方法②

センタ-ライン

作業の流れ

樹木画像の取得

同一の樹木に対して広角・望遠 双方の取得を行った

目的①

テンプレートマッチングを用いた画像解析 樹木検出 距離推定

検出成功率

推定精度

目的②

自動化したパノラマ撮影による立木位置図の作成

広角・望遠の比較

推定可能距離拡張の検証

フローチャート

テンプレートマッチング

参照画像 対象画像

左画像 右画像

材料と方法③

テンプレートマッチング

画像の画素値から特徴点を探査する解析手法 〔OpenCV ver.2.31〕

作業の効率化・測定者による精度への影響の軽減

テンプレートマッチング

テンプレート画像

• 30×30 pixel

対象画像中から画素の類似した部分画像を探査

参照画像 対象画像

センターライン上でテンプレート画像をずらし、同様に探査を繰り返す 100pixel

材料と方法④

検出方法

参照画像 対象画像

同じ対象樹木上で一箇所以上テンプレートマッチング

検出成功

材料と方法⑤

検出方法

参照画像 対象画像

樹木上から外れた場合

検出失敗

材料と方法⑥

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検出成功率

検出成功率=全画像の ×100(%)解析対象本数

検出成功本数 合計

合計

材料と方法⑦

距離推定

・樹木上とされるマッチング箇所を目視で抽出・同じ樹木内の座標値から求められた推定距離の平均値をその樹木の推定距離として利用

・カメラと樹木間の推定距離と実測距離の線形回帰から推定精度の検証

距離推定精度

材料と方法⑧

回帰分析の決定係数 =

参照画像 対象画像

検出成功率の比較

<検出可能距離>(90%以上の検出成功率)

広角画像: ~30 m望遠画像: ~45 m

望遠画像による

推定距離拡張の可能性

結果①

実測距離(m)

98%以上

検出

成功

率(%

) 広角 望遠

(推定距離) = 0.450×(実測距離)+6.213 (推定距離) = 0.920×(実測距離)

R2 = 0.568 (p < 0.01) R2 = 0.993 (p < 0.01)

0

10

20

30

40

50

0 10 20 30 40 50

推定

距離

(m)

実測距離 (m)

0

10

20

30

40

50

0 10 20 30 40 50

推定

距離

(m)

実測距離(m)

距離推定精度の比較

<線形回帰>

高精度

結果②

誤差の増大

作業の流れ

樹木画像の取得

同一の樹木に対して広角・望遠 双方の取得を行った

目的①

テンプレートマッチングを用いた画像解析 樹木検出 距離推定

検出成功率

推定精度

目的②

自動化したパノラマ撮影による立木位置図の作成

広角・望遠の比較

推定可能距離拡張の検証

フローチャート

高検出成功率・高精度であった望遠を利用

<自動回転雲台> 回転・シャッターの自動化

労力の削減・時間短縮 低解像度画像を組み合わせ、

高解像度画像を合成 市場に安価に流通

簡易的測量への応用

<本研究>民生用自動回転雲台

『GigaPan EPIC100』 GigaPan Systems

自動回転雲台

プッシャー

材料と方法⑨

360°

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立木位置図作成手法

撮影

推定距離(m)

回転角度(°)

画像からの推定距離 ・ 既知点を基点とした回転角度 を元に立木の位置を推定

パノラマ撮影で取得された全画像で同様の位置推定を行った 平面直角座標系に推定位置をプロットし、立木位置図とした

材料と方法⑩

既知点

360°

立木位置図結果④

撮影点

[撮影点一箇所から撮影]

最大38 mの検出

未検出・誤検出の

立木が多数確認された

【凡例】

実測立木位置

推定立木位置

広角と望遠の比較

広角 望遠

検出可能距離(90%以上の検出成功率)

短~30m

長~45m

45m以上の可能性?

距離推定精度(決定係数)

低(0.57)

高(0.99)

画像1枚あたりの推定可能本数

多 少

考察①

10m以内において0.99(渡邊, 2013)

目的に応じた広角・望遠の使い分けが必要

• 望遠を用いた高解像度な画像 高い検出成功率・推定精度

• 画角が異なり、画像1枚あたりの推定可能樹木本数は広角>望遠

テンプレートマッチングにおける特徴点抽出の精度向上

距離推定の面的な拡張及び撮影の自動化が可能であることを示唆

未検出・誤検出が発生

自動化パノラマ撮影への応用考察②

撮影点の追加・配置方法の検討

画像解析過程でのノイズ処理方法の検討

鉛直方向を参照したノイズ処理etc.

撮影点数や間隔etc.

誤検出

林分内の立木によって不可視

視認されない下層植生・枝葉等のノイズの影響から、樹木上でのマッチングが失敗

未検出

3Dカメラで望遠(ズーム有)画像を取得することで、45mまで

・98%以上での対象木検出・高精度(R2=0.99)な距離推定 が可能

パノラマ撮影による立木位置図作成の可能性を示唆⇔ ノイズ処理等の課題検討が必要

結論

3Dカメラと自動回転雲台を併用したシステムの簡易的な森林計測における活用可能性を示唆

結論

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結果③ テンプレートのサイズによる影響

y = 1.0651x

0

5

10

15

0 5 10 15

推測

値(m

)

実測値(m)

y = 1.0473x

0

5

10

15

0 5 10 15

推測

値(m

)

実測値(m)

0

5

10

15

0 5 10 15

推測

値(m

)

実測値(m)

20pixel×20pixel 30pixel×30pixel 40pixel×40pixel

20pixel×20pixel 30pixel×30pixel 40pixel×40pixel

決定係数 0.990 0.993 0.989

平均絶対誤差率(%) 9.78 8.41 10.23

検出率(%) 60.71 83.33 101.72

30pixel×30pixelが最も高い精度で測定可能

対象地:名大人工林、テンプレートサイズ:30pixel×30pixel

< <

機材の仕様

〈FinePix REAL 3D W3 使用説明書より〉

カメラの仕様 〈解析時〉

画像サイズ L 4:3有効画素数 約1000万画素(3648×2736px)CCDサイズ 1/2.3型

カメラの仕様 〈撮影時〉

撮影モード A絞り優先モード画質モード NORMALISO感度 200

露出モード AUTO(F3.7~4.2)ホワイトバランス AUTO

FinePixカラー スタンダードオート視差調整 OFFデジタルズーム OFF

焦点距離 ・ レンズの歪み・輻輳角に関する情報は非公開

キャリブレーションによる算出

材料と方法(15‐3)

キャリブレーション ③

材料と方法( – 5)

倍率1

k1 k2 k1 k2 ω1 ψ1 κ1 ω2 ψ2 κ2

-0.28415 0.721996 -0.34364 0.830246 0 0.019024 -0.03526 0.003586 0.056261 -0.04215

放射方向歪補正係数 輻輳角左レンズ 右レンズ

倍率3

k1 k2 k1 k2 ω1 ψ1 κ1 ω2 ψ2 κ2

0.079921 -0.95217 -0.055 0.410186 0 0.006285 0.209041 -0.00329 0.018668 0.200522

放射方向歪補正係数 輻輳角左レンズ 右レンズ

広角

望遠

キャリブレーション

材料と方法( – 5)

キャリブレーション

: 輻輳角と歪補正係数の算出 焦点距離 f の算出

L

<キャリブレーションボード> 1.2cm 四方 15×22 マス

先行研究実験値との誤差が最小となる距離L

望遠・・・130cm

広角・・・60cm

キャリブレーション ②

材料と方法( – 5)

キャリブレーション

: 放射方向歪補正係数と輻輳角の算出

L

<キャリブレーションボード> 1.2cm 四方 15×22 マス

→ L は下限を利用

→ 最適化は輻輳角、

焦点距離の順に行う

機材の仕様

〈FinePix REAL 3D W3 使用説明書より〉

カメラの仕様 〈解析時〉

画像サイズ L 4:3有効画素数 約1000万画素(3648×2736px)CCDサイズ 1/2.3型

カメラの仕様 〈撮影時〉

撮影モード A絞り優先モード画質モード NORMALISO感度 200

露出モード AUTO(F3.7~4.2)ホワイトバランス AUTO

FinePixカラー スタンダードオート視差調整 OFFデジタルズーム OFF

焦点距離 ・ レンズの歪み・輻輳角に関する情報は非公開

キャリブレーションによる算出

材料と方法(15‐3)

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キャリブレーション ②

材料と方法( – 5)

キャリブレーション

: 放射方向歪補正係数と輻輳角の算出

L

<キャリブレーションボード> 1.2cm 四方 15×22 マス

→ L は下限を利用

→ 最適化は輻輳角、

焦点距離の順に行う

S1

写真測量の原理 (中村ら,1968), ,

′ , ′ , ′

′ cos sin′′ sin ′ cos

, ,

, 0,00,0,0

考察①

ズーム機能

材料と方法①

望遠広角

内部構造の変化

・像が小さい・広い範囲の撮影

・像が大きい・狭い範囲の撮影

内部構造の変化

焦点距離別のパラメーターの取得

c広角 60 cm望遠 130 cm

焦点距離標準値[mm]

左右レンズ焦点距離平均値[mm]

6.3 7.356218.9 27.1269

キャリブレーション

キャリブレーションボードの撮影

格子サイズ実測値-推定値間の誤差総和Excel の ソルバー機能を用いて最適化

輻輳角

FinePix REAL 3D W1 実験値 [Fabio Menna ら, 2013]

歪み補正係数

L 1.2cm 四方 15×22 マス

初期値広角

望遠

焦点距離

材料と方法③

立木位置図

広角 望遠

角度計算手法考察②

固定された測点の画像上での水平方向の軌跡

(河合ら, 2007)

<計算手法>

tancos

tantan 1

tan tan 1

tantan 1

tan tan 1

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スライド 31

S1 誤差⼆乗和の検討Student, 2015/09/23

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角度計算手法考察②

固定された測点の画像上での水平方向の軌跡

(河合ら, 2007)

<計算手法>

tancos

tantan 1

tan tan 1

tantan 1

tan tan 1

画像の回転前後の被写体の位置から角度情報を算出

推定可能範囲

広角 望遠

考察②

撮影の自動化により、望遠画像活用の可能性

発表の流れ

樹木画像の取得

広角・望遠 双方の取得

テンプレートマッチングでの検出

距離推定検出率

推定精度

自動化したパノラマ測距による立木位置図の作成

広 角 望 遠

の比較広角

望遠

フローチャート

発表の流れ

樹木画像の取得

広角・望遠 双方の取得

テンプレートマッチングでの検出

距離推定検出率

推定精度

自動化したパノラマ測距による立木位置図の作成

望 遠

の比較広角

望遠

高検出率・高精度である

を利用望遠

フローチャート

発表の流れ

樹木画像の取得

広角・望遠 双方の取得

テンプレートマッチングでの検出

距離推定検出率

推定精度

自動化したパノラマ測距による立木位置図の作成

の比較広角

望遠

自動化したパノラマ測距による立木位置図の作成

自動回転雲台を用いた雲台回転 ・ シャッター の自動化

フローチャート

<3Dカメラによるステレオ写真測量> レンズの高さが揃う 同時にシャッターを切る

解析が容易

<本研究>民生用デジタル3Dカメラ

『FinePix REAL 3D W3』 富士フィルム

レンズ 光学式3倍ズームレンズ ×2撮影ズーム倍率 光学ズーム3倍焦点距離[mm] f = 6.3~18.9

3Dカメラの利用

2枚のレンズを内蔵

背景③

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森林路網整備による到達可能性向上効果の⽐較

信州⼤学農学部森林施業・経営学研究室

福島⼤樹

背景

森林路網では⽬的地へ到達不能になりやすい

森林施業において到達を可能にする路網が必要

・崩壊が⽣じやすい・ネットワークの発達度合いが低く

代替路が少ない

どのような⽅法が到達可能性の向上に効果的かは不明

既存の研究

信頼度を⽤いて到達可能性が評価可能(鈴⽊ら2010)

到達可能性の向上に効果的な計画か判断可能

⽬的と⽅法

シミュレーションを⾏い信頼度と費⽤により⽐較・評価

森林路網における到達可能性の向上に効果的な⽅法を検討

⽬的

⽅法

研究対象地

信州⼤学 ⼿良沢⼭演習林4~8林班

⾯積 161ha

路線延⻑ 21km

路網密度 130m/ha

信頼度とは

出発点から⽬的地への到達が可能である確率

参考:小林正美(1980)「道路網・ネットワークシステムの信頼度解析法に関する研究」

必要な情報

それぞれの道がどのようにつながっているか

分岐点から分岐点や端点までの通行できる確率

路線の通行確率

R:信頼度 n:2点間が連結しているネットワークの状態数

Pk:ネットワークの状態の生起確率

*Σは和事象

∏ ∏

l:接続している路線数 m:切断している路線数

x:路線の通行確率 y:路線の切断確率

*∏は積事象

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信頼度とは

出発点から⽬的地への到達が可能である確率

参考︓⼩林正美(1980)「道路網・ネットワークシステムの信頼度解析法に関する研究」

必要な情報それぞれの道がどのように接続しているか

分岐点から分岐点や端点までの通⾏可能な確率路線の通⾏確率

路線の通⾏確率

崩壊発⽣確率 P (10mごと)P=(崩壊発⽣回数×10)/(路網総延⻑×巡視回数)

路線が⻑くなる 路線が切断しやすくなる

通⾏確率(1-P)分割点数

通⾏確率の計算

巡視回数2011~2015年の17回⼤⾬(10mm/時or40mm/⽇)や台⾵通過後に実施

崩壊発⽣回数巡視記録より18回の崩壊を確認

信頼度による評価

出発点 ︓ 演習林事務所⽬的地 ︓ 各⼩班

⽬的地全てに⾏ける確率

信頼度の積

シミュレーション

現状での各⽬的地の信頼度

新規路線の異なる接続位置による違い

路線開設と擁壁施⼯の費⽤対効果⽐較

現状での信頼度

1 02 2

0 1 2 1 2

8

16

0

5

10

15

20

⽬的

地数

信頼度

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現状での信頼度

路線の通⾏確率に関わりなく枝線上の⽬的地は到達可能性が低い

シミュレーション

現状で到達可能性の低い場所はどこか

新規路線の異なる接続位置による違い

路線開設と擁壁施⼯の費⽤対効果⽐較

路線開設箇所の決定

縦断勾配を30%以下に抑える

10.00

m

14.14

m

10.00

m

14.14

m

30%

4.24

m3.00

m

標高差が一定以下の

グリッドに道を通せる

⼟⼯量計算

地⼭傾斜︓横断⽅向の標⾼差

⽔平距離

⼟⼯量:平均断⾯積×⽔平距離

10.0m

20.0m

進行方向

横断方向

作設単価

通過箇所の平均地⼭傾斜で単価を決定

参考:信州の森林づくり事業標準単価表

傾斜区分 開設単価

15度未満 1,010/m

15度以上25度未満

2,080/m

25度以上 2,683/m

路線通過箇所の決定

傾斜区分 15度未満

15度以上25度未満

25度以上

開設単価(円/m) 1,010 2,080 2,683

参考︓「研修教材2010 森林作業道づくり」 ⼀般社団法⼈ フォレストサーベイ「平成27年度信州の森林づくり事業標準単価表」伊藤要ら(2011)「栃⽊県⿅沼市私有林における地形を考慮した循環路網配置⼿法の検討」

・縦断勾配 30%以下・⼟⼯量が最⼩

選択基準

1.5m

地⼭路⾯および法⾯

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接続パターン

No 枝線上の⽬的地数 接続部分

① 多い 枝線の先端付近

③ 少ない 循環路

② 多い 枝線の根元付近

枝線の端から路線を開設循環路に

接続位置による違い

No. 枝線上の⽬的地数 接続部分 開設費⽤

(円) 信頼度の積

① 多い 枝線の先端付近 611,267 0.7568

② 多い 枝線の根本付近 449,035 0.5692

③ 少ない 循環路 1,316,336 0.4225現状 0.3970

⽬的地が多い枝線の先端付近への接続が効果的

シミュレーション

現状で到達可能性の低い場所はどこか

新規路線の異なる接続位置による違い

路線開設と擁壁施⼯の費⽤対効果⽐較

擁壁の施⼯

1.5m

参考︓「中部森林管理局森林整備課 2014 林道標準図集」Ichihara et al. (1996) ʻThe Method for Designing the Profile of Forest Roads Supported by Genetic Algorithmʼ

⾕側法⾯への施⼯施⼯単価︓16,000円/m2

崩壊が発⽣した箇所に擁壁を施⼯

地⼭擁壁

擁壁施⼯箇所

頻繁に通⾏する路線を優先

施⼯後の路線は常に通⾏可能

擁壁施⼯時との⽐較

現状 路線開設後 擁壁施⼯後

信頼度の積 0.3970 0.7568 0.4178

施⼯費⽤(円) 611,267 480,880

擁壁の施⼯による効果は⼩さく,路線開設が有効

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まとめ

⽬的地へより確実に到達可能な状態にするには頻繁に利⽤する枝線を循環路にすることが有効

道の中でも崩壊に強い箇所,弱い箇所があることを考慮することが望まれる

課題

結論

謝辞

本研究を進めるにあたり信州⼤学農学部付属AFCのデータを使わせていただきました。演習林職員の⽅々に厚く御礼申し上げます。

通⾏確率計算結果

総路線数:37 平均

値:0.9731

最大値:0.9994 最小

値:0.8837

0123456789

路線数

通行確率

枝線 循環路

現状 路線開設後 擁壁施工後

信頼度の積 0.3970 0.7568 0.4178

施工費用(円) 611,267 480,880

差/施工費用 5.88613e-7 4.32540e-8

開設結果

信頼度の積 0.7591

開設コスト 1,106,654

信頼度の積/円 0.0033

開設結果

信頼度の積 0.6952

開設コスト 860,409円

信頼度の積/円 0.0035

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開設結果

信頼度の積 0.4019

開設コスト 268,226円

信頼度の積/円 0.0002

開設結果

信頼度の積 0.6020

開設コスト 489,593円

信頼度の積/円 0.0042

開設結果

信頼度の積 0.4009

開設コスト 76,636円

信頼度の積/円 0.0005

開設結果

信頼度の積 0.4075

開設コスト 610,834円

信頼度の積/円 0.0002

信頼度の計算

・路網の連結状態 (どの路線がつながっているか)

・路線の通⾏確率 (路線内で崩壊が起きない確率)

地形や道の幾何構造が影響するのではないか

崩壊発⽣要因に関する研究

集⽔⾯積,地⼭傾斜法⾯⾼,法⾯⻑,道路幅員など地形や道の構造が崩壊発⽣に影響

(近藤・神⾕1995,吉村ら1995,進藤ら2013)

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崩壊発⽣要因

集水面積 地山傾斜

山側法面高 谷側法面高

各要因の値を数値地形モデル(DTM)から計測

DTMによる要因の計測

集水面積・地山傾斜

10mメッシュのDTMを使用

各要因の値は

10mごとに計測

法⾯⾼

曲率が最⼤の点を法⾯と地⼭の境界

法面高=境界と路面の標高差

境界判定

山側曲率 谷側曲率

各要因の影響

P=0.879

P=0.730 P=0.193

P=0.699

今回の方法で

崩壊発生確率の予測は困難

信頼度計算結果

総目的地数:35 平均

値:0.9745

最大値:0.9995 最小

値:0 8947

1 2 2 1 2 1 24

1

4

15

02468

10121416

0.89~0.90~0.91~0.92~0.93~0.94~0.95~0.96~0.97~0.98~0.99~

目的地数

信頼度

枝線 循環路

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信頼度算出⽅法(⼩林正美_1980)

l本の枝が取り得る接続状態を全て列挙

各状態における2点間の連結性判定

Ⅰ1

3

2

5 4

1 2 3 4 5

① 1 1 1 1 1

② 1 1 1 1 0

③ 1 1 1 0 0

④ 1 1 1 0 1

信頼度算出⽅法(⼩林正美_1980)

⽣起確率Pは接続枝には通導確率x切断枝には1-xを与えて作るl個の確率の積

各接続状態の⽣起確率の総和が信頼度

ⅢⅠ

1

3

2

5 4

1 2 3 4 5

x 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9

P=0.5*(1-0.6)*(1-0.7)*(1-

0.8)*0.9

信頼度算出⽅法(⼩林正美_1980)

<連結状態の判定>隣接⾏列+単位⾏列を(点数-1)乗する

要素ijが0の時,到達できないと判定Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

Ⅰ 1 0 0

Ⅱ 1 0 1

Ⅲ 0 0 0

Ⅳ 0 1 0

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ

Ⅰ 4 5 0 3

Ⅱ 4 6 0 4

Ⅲ 0 0 1 0

Ⅳ 3 5 0 4

ⅢⅠ

1

3

2

5 4

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吉永 生(京都府立大学),田中和博・長島啓子(京都府立大学院)

四万十式高密度路網地において実際の施業の採算性把握と共に、

GISのNetwork Analystを用いたシミュレーションによって作業の生産性と施業コストを把握すること

目的本研究では

路網

林野庁,2014HPより

売上 間伐

路網

研究対象地

京都府綾部市志賀郷町有林

町有林全体スギ・ヒノキ人工林面積

約160ha人工林率:72.5%林分構成:壮齢林43%

施業者:協栄建設株式会社路網作設:四万十式路網

(路網密度230m/ha)

人工林搬出間伐作業撮影

作業日報

作業時間 材積

路網 森林簿間伐範囲

②集材・輸送シミュレーション

③人工林搬出間伐作業コスト

固定費・変動費・人件費

①各作業の生産性

実際の作業売上

売上集材量

④路網開設費

⑤森林施業全体の採算性

路網作設の撮影作業の生産性

作業記録

固定費・変動費・人件費

人工林搬出間伐作業の生産性 Network Analystを用いたシミュレーション

集材ライン・集材ポイント搬出間伐可能な人工林

方法~研究の流れ~

作業時間

実際の採算性比較

路網開設費の算出 比較

方法

②造材と集材(チェーンソー・グラップル)

※ハーベスター等の高性能林業機械は用いていない(幅員2.5~3.0mのため)

①伐採(チェーンソー)

人工林搬出間伐作業の生産性

③土場への輸送(フォワーダ)

3人1班体制

2015年6月志賀郷町有林の作業現場で各作業工程をビデオカメラで撮影 2015年6月志賀郷町有林の作業現場で各作業工程をビデオカメラで撮影

方法

④土場での荷おろし(フォワーダ) ⑤材の仕分け

(グラップル)

⑦市場への搬出(4tトラック)

⑥トラックへの積み込み(グラップル)

3人1班体制 1人で作業

人工林搬出間伐作業の生産性

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• 各作業工程の撮影記録から作業時間を計測

• 作業日報から各作業工程の材積算出

各作業の作業時間と材積から

生産性(m3/時)=材積/作業時間

全7作業工程

方法 人工林搬出間伐作業の生産性 結果

作業工程 生産性

伐採 20.59

集材・造材 5.79

土場への往復輸送 12.47

土場での荷下ろし 63.53

仕分け 27.71

トラックへの積み込み 35.15

市場への搬出 6.7

• 伐採の生産性は一般的な値より高い

※ 3 m3/時 機械化のマネジメント9.6 m3 /時 梅澤(2013)

• 集材・造材の生産性は最も低い

人工林搬出間伐作業の生産性

~研究の流れ~ Network Analystを用いたシミュレーション

人工林搬出間伐作業撮影

作業日報

作業時間 材積

路網 森林簿間伐範囲

②集材・輸送シミュレーション

固定費・変動費・人件費

①各作業の生産性

実際の作業売上

売上集材量

④路網開設費

⑤森林施業全体の採算性

路網作設の撮影作業の生産性

作業記録

固定費・変動費・人件費

人工林搬出間伐作業の生産性 Network Analystを用いたシミュレーション

集材ライン・集材ポイント搬出間伐可能な人工林

作業時間

実際の採算性比較

路網開設費の算出 比較③人工林搬出間伐

作業コスト

方法 Network Analystを用いたシミュレーション

Network Analystとは・・・

最短経路検索や到達圏解析が可能なGISのツール

質の高い交通ネットワーク解析→多種多様な条件を抱える森林施業のシミュレーション

に用いることで実情にあった解析を行うことが出来る

例)救急車が事故現場から最短で到着出来る最寄の病院やルートを検出する

データ)道路網現場・病院の位置車両情報etc

方法 Network Analystを用いたシミュレーション

・H26間伐範囲・森林簿・路網図組み合わせ

搬出間伐可能な人工林データ算出

1)ネットワークデータの構築

方法 Network Analystを用いたシミュレーション

(配車ルート解析 効率的な材の集め方)

(最寄施設の検出解析 最短経路を検索)

集材ポイント 中間土場 本土場

集材ライン輸送ライン

集材ライン

①中間土場から本土場への輸送が必要な場合

②直接本土場へ向かう場合

仕分け可能な場所材を一時的に置く場所集材を行う場所

集材シミュレーション

輸送シミュレーション

2)シミュレーション

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方法 Network Analystを用いたシミュレーション

50m

シミュレーションデータの作成

① 50m間隔に発生させた各ポイント周囲25mの伐採木→収穫を想定(平均樹高は約22mでウインチ付グラップルによる木寄せ考慮)

② 集材量をポイントの属性に加える(スギ・ヒノキ別集材量=蓄積量×間伐率30%×歩留まり60%)

集材量

2 m34 m3

4 m3

2 m3

4 m3

6 m3

6 m3

2 m3

4 m3

③フォワーダ走行速度、積載量の設定

土場

集材ライン(路網)集材ポイント

結果 Network Analystを用いたシミュレーション

集材シミュレーション

・総ポイント数 約350個・総集材量 約745 m3

・中間土場に集められた集材量 約420 m3

輸送シミュレーション

~研究の流れ~

路網 森林簿間伐範囲

②集材・輸送シミュレーション

固定費・変動費・人件費

売上集材量

④路網開設費

⑤森林施業全体の採算性

路網作設の撮影作業の生産性

作業記録

固定費・変動費・人件費

Network Analystを用いたシミュレーション

集材ライン・集材ポイント搬出間伐可能な人工林

作業時間

実際の採算性比較

路網開設費の算出

人工林搬出間伐作業撮影

作業日報

作業時間 材積

①各作業の生産性

人工林搬出間伐作業の生産性

実際の作業売上

比較③人工林搬出間伐

作業コスト

方法

集材・輸送シミュレーションによる移動時間と集材量(m3 ) ÷各作業の生産性(m3 /時)

各作業時間と固定費・変動費・人件費

人工林搬出間伐作業にかかる総コスト

③人工林搬出間伐作業コスト

3)人工林搬出間伐作業コスト算出

各作業時間

各作業にかかるコスト

結果

m3当たりのコスト4,913円/m3

実際のm3当たりのコスト9,202円/m3

③人工林搬出間伐作業コスト

人工林搬出間伐作業コスト算出の結果

~研究の流れ~

固定費・変動費・人件費

実際の作業売上

④路網開設費

⑤森林施業全体の採算性

路網作設の撮影作業の生産性

作業記録

固定費・変動費・人件費

作業時間

実際の採算性比較

比較

路網 森林簿間伐範囲

②集材・輸送シミュレーション

売上集材量

Network Analystを用いたシミュレーション

集材ライン・集材ポイント搬出間伐可能な人工林

人工林搬出間伐作業撮影

作業日報

作業時間 材積

①各作業の生産性

人工林搬出間伐作業の生産性

路網開設費の算出 ③人工林搬出間伐作業コスト

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方法

生産性(作業記録)

路網開設費の算出

各作業の生産性と路網作設総距離、作設日数

路網開設総コスト

人工林搬出間伐作業の生産性算出と同様の方法

四万十式路網作設地において

撮影・計測

各作業時間と固定費・変動費・人件費

各作業時間

各作業にかかるコスト

結果

路網開設費の算出の結果

路網開設費429円/m

路網開設費の算出

生産性 距離(m)・個数 日数(日 ) コスト(円)

前伐り・粗道 40.5m/h 7438m 30.61 1,588,610仕上げ 61.37m/h 7438m 20.20 684,776

スイッチカーブ 3.33h/個 16個 8.88 460,872洗い越し 5箇所 2.00 67,800路盤補強 540m 7.00 391,665

総コスト計 3,193,722

実際の路網開設費1,182円/m

5m/h~34m/h平林ら(2009)

路網距離(m) 7438 7245総コスト(円) 3,193,722 8,562,150

路網開設単価(円/m) 429 1,182

路網開設

実際の施業シミュレーション

集材量(㎥) 745.34 850.291売上(円) 6,606,949 7,338,672

総コスト(円) 3,661,552 7,824,650㎥当たりのコスト(円/㎥) 4,913 9,202

実際の施業シミュレーション

人工林搬出間伐

作業

考察~シミュレーション~

人工林搬出間伐作業

路網開設

約2分の1

約3分の1

シミュレーションの精度はどちらも悪かったといえる→生産性の値が影響した

異なる林分での人工林搬出間伐作業の生産性調査土質や傾斜等の地形要因が異なる場所での路網開設の調査

路網距離(m) 7438 7245総コスト(円) 3,193,722 8,562,150

路網開設単価(円/m) 429 1,182

路網開設

実際の施業シミュレーション

集材量(㎥) 745.34 850.291売上(円) 6,606,949 7,338,672

総コスト(円) 3,661,552 7,824,650㎥当たりのコスト(円/㎥) 4,913 9,202

実際の施業シミュレーション

人工林搬出間伐

作業

考察~高密度路網地における施業~

林野庁(2009)

平均9,333円/m3

路網開設

一般的

約1,000円/m

・高密度路網地→木寄せ作業の短縮からコスト安価になるとされていた・高性能林業機械を使用せず作業→集材・造材の時間・人件費増加が作業コストに影響

・耐久性が高いとされている四万十式は今後の維持費を含めると低コストとなると考えられるが、長期的なモニタリングが必要

人工林搬出間伐作業

売上(円) 6,606,949 7,338,672総コスト(円) 6,855,274 16,386,800

路網開設費込みの㎥当たりのコスト(円/㎥)

9,198 19,272

採算性(路網開設費込)(円) -248,325 -9,048,128

実際の施業シミュレーション

施業全体

選木作業(円) 420,000線形調査(円) 164,000災害復旧(円) 85,500

補助金(伐採)(円) 6,538,000 6,538,000補助金(森林作業道)(円) 16,553,000 16,553,000

結果(純収益)(円) 22,825,805 13,373,372

その他コスト

考察

施業全体

赤字

黒字

施業全体の採算性がマイナスとなる事態を回避するためには路網開設に対する補助事業(森林環境保全整備事業による補助金)が行われている間に路網を開設する必要性がある

ご清聴ありがとうございました

資料を提供して下さった、協栄建設株式会社の皆様に厚く御礼申し上げます。

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人工林における下層植生の侵入に関与する要因の解明

ー綾ユネスコエコパークにおける事例ー

岡本南・平井幹人・光田靖

(宮崎大学農学部)

目的

空間情報の活用が有効であることを示す

“綾の照葉樹林プロジェクト”では人工林を照葉樹林に復元する計画

どのような条件の人工林に常緑広葉樹が侵入しているかを明らかにする

復元の適地を選定するために

人工林の広葉樹林化には前生稚樹の侵入が必要

その手段として

■若齢林(~30年)■壮齢林(~80年)■老齢林(80年~)

対象地 宮崎県東諸県郡綾町国有林

広葉樹林

対象地

●●●●

●●●

●●●

●●

●●

●●

●人工林20林分

宮崎県東諸県郡綾町国有林

空間情報

現地調査

の関係を解析する

立地条件

土地利用履歴

林齢密度樹冠投影面積列状間伐の残存列上層木樹高

標高傾斜角広葉樹との距離川との距離林縁との距離

林分条件

説明変数

常緑広葉樹の個体数

目的変数

方法

常緑広葉樹の個体数

幅4mのベルトトランセクトで出現個体の出現位置と種名を記録

10mごとに分割し、解析単位に合計126セクション

イヌガシ、カゴノキ、クスノキ、サカキ、シロダモ、タブノキ、ナナミノキ、バリバリノキ、ヒメユズリハ、ホソバタブ、ミミズバイ、ヤブニッケイ、ヤマモガシ、ユズリハ、カンザブロウノキ、クロキ、シイモチ、シロバイ、トキワガキ、ハイノキ、ヒサカキ、モチノキ、ヤマビワ、アオキ、イズセンリョウ、ネズミモチ、マンリョウ、ミヤマトベラ、ルリミノキ

今回は動物によって種子が散布される被食型の種を解析の対象とした

目的変数

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立地条件

密度樹冠投影面積列状間伐の残存列

宮崎県撮影平成25年航空写真のオルソ画像

解析単位10m×10m林分条件

説明変数

上層木樹高

米軍撮影昭和22年航空写真のオルソ画像

国土地理院10mDEM

森林計画図

土地利用履歴

林齢

標高傾斜角広葉樹との距離川との距離林縁との距離

データソース

林分条件 林齢

●●●●

●●●

●●●

●●

●●

●●

森林計画図から

目視で樹頂点をマーク

セクションごとに密度を計算

林分条件 密度

樹冠を○で囲むセクション内の樹冠投影面積の合計を計算

林分条件 樹冠投影面積

なし

目視で列状間伐の有無を判読

あり

林分条件 列状間伐の残存列

もりったいで航空写真を立体視地表面高と上層木樹頂の高さを計測し、樹高を求めようと試みた

整合性がとれず、正確に樹高を計測できなかった

対象林分では地表面が見えるところが少なく、地表面高を計測することができなかった

国土地理院の10mDEMから標高を読み込み地表面高とし、樹高を求めようと試みた

林分条件 上層木樹高

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●●●●

●●●

●●●

●●

●●

●●

国土地理院10mDEM

立地条件 標高 傾斜角

若齢林

壮齢林

老齢林

セクションの中心と

との距離を計測

■若齢林(~30年)■壮齢林(~80年)■老齢林(80年~)

立地条件 広葉樹林との距離

標高が高く尾根に遮断されない広葉樹林が対象

川 林道

セクションの中心と川、林縁との距離を計測

立地条件 川・林縁との距離

人工林 壮齢林(30~80年) 老齢林(80年~)

森林計画図の林齢を参考にしながら、目視で

を判読

米軍撮影 昭和22年航空写真のオルソ画像

土地利用履歴

空間情報

現地調査

の関係を一般化線形モデルで示す

立地条件

土地利用履歴

林齢密度樹冠投影面積列状間伐の残存列

標高傾斜角広葉樹との距離川との距離林縁との距離

林分条件

説明変数

常緑広葉樹の個体数

目的変数

被食型

被食型=樹冠投影面積+土地利用履歴+広葉樹林との近さ+傾斜角人工林( 0 )壮齢林(+)老齢林(+)

壮齢林(+)個体数 (-) (-)

結果:一般化線形モデル

空間情報の活用で前生稚樹の侵入要因を有効に示せることがわかった

壮齢林

壮齢林から近い

種子供給源からの動物による散布

被食型 樹冠投影面積が小さい

埋土種子

光環境が良好

過去の土地利用が広葉樹林

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土地利用履歴が老齢林であった林分のデータが少なかったので追加調査をする

条件による出現傾向を、種ごとに解析する

列状間伐の方位や時期、列状以外の間伐の施業履歴を確認する

空間情報から上層木樹高を計測する方法の検討

課題

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宮崎市における海岸松林保全政策に資する基礎的解析

宮崎大学 農学部 森林緑地環境科学科

宮原史浩

はじめに

クロマツ林

文化的機能

飛砂防備機能

防風機能

潮害防備機能

防霧機能

津波防災機能

はじめに

クロマツ林

マツ枯れ 広葉樹林化

膨大な管理費用

文化的機能

津波防災機能

防除・補植

海岸林管理への支援情報 空間情報

クロマツ林

出典:敦賀観光案内サイト

白砂青松

美しい景観美

文化的機能

・文化的機能の評価

クロマツ林の空間分布変化の把握

研究の目的

S.22 米軍撮影

オルソ化

目視判読

・文化的機能の評価

航空写真をオルソ化

土地被覆分類(目視判読)

マツ林分を抽出

GCPの平均誤差:3m

「ERDAS IMAGINE」を使用 目視判読

H.25 宮崎県撮影

抽出した昭和22年のマツ林

・文化的機能の評価

広葉樹林

混交林

その他

(ゴルフ場、建物など)マツ林

現在の土地利用区分

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983ha昭和22年クロマツ林 平成25年

マツ林

広葉樹

混交林

その他

538ha

29ha

164ha

252ha

・文化的機能の評価

分布変化

昭和22年クロマツ林 平成25年

マツ林

広葉樹

混交林

その他

538ha

29ha

164ha

252ha

・文化的機能の評価

分布変化

文化的機能の低下の懸念

マツ林

538ha

983ha

983ha昭和22年クロマツ林 平成25年

マツ林

広葉樹

その他

538ha

29ha

252ha

・文化的機能の評価

分布変化

津波に対しての減衰効果は期待できるか

広葉樹

29ha

164ha混交林

クロマツ林

マツ枯れ 広葉樹林化

膨大な管理費用

防除・補植

津波防災機能

研究の目的

・クロマツ林と広葉樹林での減衰効果の比較

・海岸マツ林と広葉樹林の減衰効果の違い

・海岸マツ林と広葉樹林の減衰効果の違い

個体の配置

大きさ場所

空間情報

・海岸マツ林と広葉樹林の減衰効果の違い

・林分の写真(130枚)

3D化(photo scan)

マツ林と広葉樹林

20m*20mのプロットを設置

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・海岸マツ林と広葉樹林の減衰効果の違い

障害物(不動)としてシミュレーション

1.5mの高さで

点群データを切り出し

楕円として個体を認識

3Dモデル

・海岸マツ林と広葉樹林の減衰効果の違い

クロマツ林 広葉樹林Flowsquareによる流体シミュレーション

クロマツ林と広葉樹林の

津波に対する防災機能に差はない

10.0 m/s 10.0 m/s

m/s m/s

考察・まとめ

昭和22年と比較してマツ林は538ha

しか残っておらず文化的機能の低下が懸念される

クロマツ林と広葉樹林の津波に対する減衰効果の大きな違いは見受けられない

しかしながら、データは一つの林分のものということと、シミュレーションの解析は2次元なので考える必要がある

マツ林

広葉樹

混交林

その他

538ha 

29ha

164ha

252ha

これらの結果が宮崎市一ツ葉海岸域の海岸林管理において海岸松林保全政策へ空間情報が提供できる。

983ha

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安達 太郎・田中 和博・長島 啓子(京府大院)

航空レーザデータを用いたValley-following法による単木抽出手法の開発―ArcGISを用いた単木抽出手法の開発―

目的 方法 結果と考察

研究目的

Valley-following法による単木抽出手法の開発

航空レーザデータに適用するためのArcGISを用いた

本法の有効性を考察

目視判読Watershed法LMF法比較・検討

目的①

目的②

研究方法①ArcGISを用いたValley-following法の開発

Valley-following法

DCHM断面

樹冠と樹冠の境界

局所の 小値

樹冠と樹冠の境界を表す、DCHM断面の局所の最小値を抽出して、抽出した値で閉じることにより樹冠領域を抽出できる

目的 方法 結果と考察

樹冠と樹冠の間にできる谷を辿っていくことで樹冠を抽出する方法(古家,2014)

※DCHM (Digital Canopy Height Model)

=

地面からの樹冠の高さ情報を表すデータ

局所の最小値を抽出するDCHM断面のイメージ

目的 方法 結果と考察

4方向のDCHM断面のそれぞれの局所の最小値(樹冠境界)を抽出

樹冠

右斜め下左斜め下

メッシュデータ上で考えられるすべての断面

フォーカル統計ツールによる4方向からの樹冠境界抽出

目的 方法 結果と考察

縦向き

横向き

断面図の方向

フィルターの形状

小値抽出結果

右斜め

下向き

左斜め

下向き

断面図の方向

フィルターの形状

小値抽出結果

フォーカル統計(最小値抽出)ツールを使うことにより、それぞれの方向の局所の最小値(樹冠境界)を抽出

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フォーカル統計ツールによる4方向からの樹冠境界抽出

目的 方法 結果と考察

樹冠を囲みきれていない

囲み切れていない樹冠境界に値を補間する必要

フォーカルフローツールを利用した値補間

目的 方法 結果と考察

樹冠境界

フォーカルフロー

値補間した樹冠境界の例

値補間

メッシュ1つ分空いた樹冠境界で、自然な形で樹冠境界が線としてつながる箇所に値を補間

樹冠境界データから樹冠領域ポリゴン作成、梢端抽出

目的 方法 結果と考察

ラインで閉じられた範囲をポリゴン化

樹冠境界ライン

樹冠境界データ

樹冠領域ポリゴン

樹冠境界をライン化

ポリゴン内のDCHMの 大値を梢端として抽出

抽出梢端

ArcGISを用いたValley-following法による単木抽出手法の開発

研究方法②Valley-following法と既往単木抽出法の比較・検討

解析の流れ

目的 方法 結果と考察

現地樹高現地立木位置

②樹高推定精度①単木抽出精度

抽出梢端位置のDCHM値を抽出

DCHM(0.5mメッシュ)

LMF法 Watershed法 目視判読 Valley-following法

樹冠領域抽出

梢端抽出(立木位置算出)

推定樹高

樹冠領域内のDCHMの最大値を抽出

比較・検討

※4点/㎡で取得された点群データから作成 LMF法

目的 方法 結果と考察

ある大きさのフィルター内にある最大値を梢端として抽出する単木抽出法

22 22 22 22 22 22 22 22 22 22

22 24 23 23 22 22 24 23 23 22

22 24 25 23 22 22 24 25 23 22

22 24 23 24 22 22 24 23 24 22

22 22 22 22 22 22 22 22 22 22

22 22 22 22 22 22 22 22 22 22

22 24 23 23 22 22 24 23 23 22

22 24 25 23 22 22 24 25 23 22

22 24 23 24 22 22 24 23 24 22

22 22 22 22 22 22 22 22 22 22

DCHM

フィルターの大きさにより抽出される梢端の数が変わる

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樹冠部分樹冠部分

Watershed法

目的 方法 結果と考察

反転

DCHM断面図

反転DCHM断面図

DCHMを反転させることにより、樹冠が梢端を底としたお椀型になり、水を流した時にたまる領域を樹冠領域として抽出する方法

反転DCHM3D表示

DCHMのスムージング処理の程度により抽出される領域の数が変わる

目的 方法 結果と考察

目視判読

DCHMの高さ情報の色合いから目視で樹冠領域を決定する方法

手作業で行う必要があり、個人差がある

出典:林野庁 近畿中国森林管理局京都大阪森林管理事務所より

目的 方法 結果と考察

調査地および調査データ

京都市北区にある神山国有林内の

林齢98年のヒノキ人工林

• 調査項目・・・樹高、DBH、立木位置

調査結果

プロット面積(ha) 0.64立木本数(本) 331立木密度(本/ha) 519平均樹高(m) 21.6平均DBH(cm) 30.2

目的 方法 結果と考察

精度検証

現地立木本数 抽出梢端数

A BC

対応あり 対応なし対応なし

全体抽出精度=A + C

A + B

正答抽出精度=A

A + C

全体精度=A + B + C

A

本数のみの比較

現地立木がどれだけ対応できたか

抽出梢端との対応は、現地立木位置から2m以内かつ最短距離に位置する梢端とした

全体数のうちどれだけ対応できたか※現地立木と抽出梢端の対応について

航空レーザデータからどれだけ現地立木を抽出できたか①単木抽出精度

②樹高推定精度 航空レーザデータからどの程度、現地樹高を推定できたか

対応できた立木の推定樹高と現地樹高の相関をグラフで表示

結果と考察

①単木抽出精度

目的 方法 結果と考察

項目 全体抽出精度(%) 正答抽出精度(%) 全体精度(%)

LMF法 67.98 57.10 51.50watershed法 66.77 58.91 54.62

目視判読 69.79 62.24 57.87

Valley-following法 101.51 64.35 46.92

• 全体抽出精度、正答抽出精度が他の手法よりも高い精度• 一方で、全体精度は他の手法よりも低い精度

Valley-following法について

Valley-following法は過剰抽出となる可能性があるが、既往の手法では抽出できなかった立木の抽出が可能

値補間方法の改善で全体精度の向上の可能性

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②樹高推定精度

目的 方法 結果と考察

• それぞれの手法において弱い正の相関関係が見られた

• 決定係数が低かった←樹高の低い現地立木の

誤対応が原因• 一方で、Valley‐following

法は既往の手法と比べて樹高の低い立木と対応できていた

Valley‐following法は、周囲の立木と比べて

樹高が低い立木の抽出が可能

y = 0.6863x + 6.8076R² = 0.18290

10

20

30

0 10 20 30

Valley-following法

※RMSEは3.47m

抽出梢端の樹高(m)

現地樹

高(m)

y = 0.8834x + 2.3244R² = 0.22320

10

20

30

0 10 20 30

LMF法

※RMSEは2.77m

y = 0.8793x + 2.4933R² = 0.24670

10

20

30

0 10 20 30

Watershed法

※RMSEは2.71m

y = 0.8526x + 3.0777R² = 0.2151

0

10

20

30

0 10 20 30

目視判読

※RMSEは2.83m

目的 方法 結果と考察

結論

立木密度の高い林分での単木抽出に有効である可能性

ArcGISを用いたValley-following法は有効な単木抽出手法

値補間作業についての課題が残るものの、

②樹高推定精度①単木抽出精度

Valley‐following法は、周囲の立木と比べて樹高が低い立木の抽出が可能

今後の課題

ArcGISを用いたValley-folowing法について・・・

• 閉じきれていない樹冠境界の値の補間方法の改善

• 他のメッシュサイズでの適用(本研究では0.5 mメッシュで解析)

• 異なる林分条件(樹種、林齢、立木密度)での適用

目的 方法 結果と考察

ご清聴ありがとうございました

背景 目的 方法 結果と考察

研究背景

持続可能な森林管理

森林情報の取得と更新

立木本数 胸高直径 樹高

樹種 材積

現地調査による広域の森林情報の取得には労力とコストがかかる

代替としてリモートセンシング技術を活用

森林の公益的機能の発揮

研究背景

背景 目的 方法 結果と考察

航空レーザ計測

広域単木レベルの

解析

単木抽出 樹高推定 材積推定

高密度レーザ照射による

近年

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計測コース

レーザ計測点

背景 目的 方法 結果と考察

航空レーザ計測のシステム

レーザ測距装置

GPS衛星

地上基準点

IMU

GNSS

図:横尾(2014)より引用

レーザ照射、距離測定

位置、加速度、角速度点群の標高値(m)

260.42

174.02

高精度な3次元位置情報を持つレーザ点群データを得ることができる

本研究では、計測密度1点/0.5m2で取得された点群データを使用

航空レーザ計測で取得されるデータ

背景 目的 方法 結果と考察

DSM DTM--

ファーストリターン

DCHM

ラストリターン

地面からの樹冠の高さ情報を表すデータ

・・・地表面のデータ

・・・地物の表面のデータDSM

DTM

DCHMについて

背景 目的 方法 結果と考察

画像データ上の樹冠 メッシュごとに高さ情報が入力

13 16 18 19 19 17 14

19 21 22 22 21 21 18

20 22 23 23 22 21 19

18 21 23 23 21 21 18

18 20 21 22 21 18 16

17 20 20 21 20 15 15

17 15 16 18 18 18 18

単木抽出はこのDCHM(またはDSM)の高さ情報を用いている

DCHM上の樹冠

メッシュ(セル)

①LMF法②Watershed法③目視による樹冠領域の決定

対応できない(抽出できない)原因

LMF法

Watershed法

目視

DCHM

Valley-following法

優勢木に隠れるような被圧木はDCHMの性質上単木抽出法で抽出できない

立木密度が高い

樹冠が大きい

複数の樹冠がマージ対応できない立木

抽出可能

抽出不可

過剰抽出の原因

樹冠境界付近で過剰に領域が分割されているところがあった

値補間による過剰分割が原因

値補間作業について

第1段階

17 68 145 70

19 76 49 196

選択セルから見て上下左右のいずれかのセルが樹冠境界であること

選択セル 樹冠境界

値補間の基準

25 100 153 102

51 204(14通り)全34通り

第2段階(4通り)

152 50 98 200

第3段階(4通り)

137 35 38 140

第4段階(4通り)

144 18 91 72

第5段階(4通り)

9 33 36 132

第6段階(4通り)

147 78 57 228

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フォーカルフローツールを利用した値補間(詳しい版)

背景 目的 方法 結果と考察

周囲のセルに割り当てられた累乗値

32 64 128

16 1

8 4 2

1+8+128=137フォーカルフロー

0 0 1

0 0 1

1 0 0

選択セル

フォーカルフロー値は、選択セルと周囲の値の高低の位置関係を表している。

フォーカルフローデータ

137値補間をしたい樹冠境界の位置関係を表すフォーカルフロー値を抽出すれば値補間ができる

樹冠境界

周囲のセルに割り当てられた累乗値

32 64 128

16 1

8 4 2

フォーカルフロー1+16=17

選択セル

17

閉じきれていない樹冠境界の値補間

値を抽出して補間

0 0 0

1 0 1

0 0 0値補間したい樹冠境界の例

Valley-following法

• LMF法やWatershed法も含めて、もともとは高分解能衛星画像データでの単木抽出法である

• 樹冠と樹冠の間の低い部分(谷)を辿っていくことで樹冠を抽出する方法

• 梢端部分の抽出を行わないことから先の尖った針葉樹以外の林分への適用が可能

• 樹冠を閉じるのにWatershed法よりも多くのメッシュを要する。

• 樹冠と樹冠の間にできる谷を辿ることから、疎林への適用は難しい

LiDAR

• LiDAR(Light Detection And Ranging、レーザ画像検出と測距)LiDARは、①位置情報(緯度、経度、標高)を持つ航空機などから地

上に向けて多数のレーザを発射し、②レーザが対象物に当たり跳ね返ってくるまでの時間から対象物までの距離を計算し、③レーザを発射した時の位置座標と求めた距離から対象物の位置座標(緯度、経度、標高)を直接的に取得する、測量技術である(Lefsky et al.,2002)。

• 地上レーザ・・・定点設置したセンサを上下に振りながら360°水平方向に回転させて放射状に照射する

• 車搭載型レーザ・・・車両に搭載したレーザから進行方向に対して上下にセンサを振りながら側方照射する

航空レーザ計測用語

• GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球航法衛星システム)・・・人工衛星から送信される電波情報を利用して地球上での位置を測定(測位)する技術の総称。

• GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)・・・GNSSのひとつ。受信機の位置を24時間全天候下でリアルタイムに連続的に単独で知ることができる。

航空レーザ計測では2つのGPS基準局(地上基準点、航空機)使用。航空機の位置を、高精度に求めた既知点との距離(基線長)から推定するRTK(Real Time Kinematic;連続キネマティック)測位を用いて、航空機の位置を高頻度で(約1秒間隔)で推定している。

• IMU(Inertial Measurement Unit)ジャイロ加速度計を使用した慣性計測装置。加速度計は移動体の3方向の加速度を検知、ジャイロはIMU中心を原点とする3軸周りの角速度を検知する。加速度を時間積分することにより速度と距離が得られ、角速度を積分すると角度が得られる。GNSS/IMUを統合することにより、姿勢、測位計測精度を向上させている。

航空レーザ計測の利用

• 国内の公共測量の分野では、航空レーザ計測による地形計測が全国で進められており、その範囲は2010年末に国土の45%以上に達し、現在もさらにその面積を広げつつある(向山,2012)。

• 佐賀県では、2011年に県全域の森林に対して航空レーザ測量が実施され、森林簿データの更新が行われた(加藤,2014)。

• 長野県では2013年に県全域の森林に対して航空レーザ測量が実施された(長野県,2014;日本測量調査技術協会,2015)。

• 最近では、航空レーザデータを用いたICT林業が提案されている(アジア航測株式会社,2014)。

• 今後、航空レーザ計測による森林情報の取得がますます盛んに行われると考えられる。

航空レーザ計測のリターン取得の仕組み

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DSM、DTM、DEM

• DSM(Digital Surface Model)は数値表層モデルとも呼称され、地

表面とその上に存在する植生や構造物などの全ての地物を含むメッシュデータである。

• DEM(Digital Elevation Model)は数値標高モデルとも呼称される。

一般的には地盤を標高にしたモデルであるが、地物、構造物の一部を含む場合や水面形状などの多彩な標高を含みモデルにしている場合がある。

• DTM(Digital Terrain Model)は地形での形状であることを強調している。一般的にはDEMよりも微細な地形データモデルである場合に呼称する。

項目 名称・仕様

使用航空機(回転翼) ロビンソン44使用レーザ計測機材 HARRIER56(Trimble社製)

使用電子基準点 京都左京2対地高度 650 m飛行速度 70 m/sレーザ発射頻度 120 kHzスキャン頻度 44.74 Hzスキャン角 ±30°計測点密度 1点/0.5 m

2

計測コース数 16コース間ラップ 50%以上

取得パルスモード First and Last垂直方向精度 Z≦10 cm

取得された航空レーザデータの詳細

平成25年11月24日計測費用一般的な航空レーザ計測費用:4000円/ha他のリモートセンシングだと、4000円/100ha貴船山国有林外航空測量業務 31,605,000 円

値高 : 260.42

低 : 163.28

DSM(m)

DTM値

高 : 245.164

低 : 163.298

(m)

値高 : 28.2181

低 : -0.357468

(m)

DCHM

フォーカル統計 大値抽出データ

DCHM

差分データ

フォーカル統計ツール( 大値)抽出

フォーカル統計 大値抽出データ-DCHM(Minusツール)

値0を抽出(属性で抽出ツール)

LMF梢端位置データ

LMF梢端位置データ

LMF梢端樹高データ

樹高データの挿入(Maskで抽出ツール)

LMF梢端ポイントデータ

梢端のポイントデータ作成(ラスタ→ポイントツール)

プロット内のLMF梢端ポイントデータ

プロットのポリゴン内のポイントデータ抽出(Clipツール)

梢端と推定される位置の抽出

推定位置にDCHMデータの入力とポイントデータの作成

プロット内の梢端ポイントデータの抽出

LMF法のフローチャート

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Watershed法のフローチャート

100-DCHM(Minusツール)

樹冠領域の抽出

樹冠領域内の梢端抽出

プロット内の梢端ポイントデータの抽出

DCHM(スムージング処理)

DCHM

反転DCHM

フォーカル統計ツール(平均値)抽出0.5 mメッシュ:3×3

樹冠領域ポリゴン

流向ラスタ

流向ラスタのツール

流域ラスタ

流域ラスタの作成ツール

ラスタ→ポリゴンツール

(ノイズ除去)0.5 mメッシュ:1 ㎡以下

ゾーン統計 大値抽出データ

樹冠領域ポリゴン

差分データ

ゾーン統計ツール( 大値)抽出

ゾーン統計 大値抽出データ-DCHM(Minusツール)

値0を抽出(属性で抽出ツール)

Watershed 梢端位置データ

Watershed梢端樹高データ

樹高データの挿入(Maskで抽出ツール)

Watershed 梢端ポイントデータ

梢端のポイントデータ作成(ラスタ→ポイントツール)

プロット内のWatershed 梢端ポイントデータ

プロットのポリゴン内のポイントデータ抽出(Clipツール)

目視判読

DCHMを3D表示させ、目視で該当する範囲を平面上で囲んでいった。

樹高が過大推定になった理由

樹高が高い立木や急傾斜にある立木は傾斜方向の谷側に傾く

このため、DCHMの樹高と現地での樹高に差が出る

①現地調査での測量誤差

②レーザデータの精度(±10cm)

③樹高の定義の問題

④誤対応による過大推定

現地データ詳細

プロット面積(ha) 0.64林齢(年) 98傾斜 緩

傾斜方位 南東

間伐年度(年) 2008立木本数(本) 331立木密度(本/ha) 519

大樹高(m) 34.3小樹高(m) 7.8

平均樹高(m) 21.6大DBH(cm) 55.9小DBH(cm) 8.5

平均DBH(cm) 30.2

平成27年6月25日平成27年7月31日平成27年10月30日

単木抽出結果(本数別)と平均樹高誤差

項目 本数 対応木(A) 梢端未対応(B) 現地未対応(C)

現地 331LMF法 225 189 36 142Watershed法 221 195 26 136目視判読 231 206 25 125Valley-following法 336 213 123 118

項目 平均樹高誤差LMF法 0.41Watershed法 0.33

目視判読 0.36Valley-following法 0.36

現地立木根元位置

現地立木位置

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単木抽出結果(LMF法)

抽出梢端

単木抽出結果(Watershed法)

抽出梢端

抽出樹冠

単木抽出結果(目視判読)

抽出梢端

抽出樹冠

単木抽出結果(Valley-following法)

抽出梢端

抽出樹冠

Valley-following法(値補間なし)

抽出樹冠

モデルビルダーによる単木抽出法のツール作成

あらかじめ使用するツールのモデルを作っておくと、簡便に単木抽出を行うことができる

LMF法Valley-

following法

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USING LANDSAT-MODIS FUSION TO ASSESS ECOLOGICAL EFFECTIVENESS OF THE GRAIN-FOR-GREEN PROJECT IN NINGXIA,CHINA

ZhaoJinlongShimaneUniversity

Image from: www.baidu.com

.

StudySite Ningxia

PurposeApply spatial and temporal adaptive reflectance fusion model get high-frequency temporal and high-spatial resolution imageries to analyze the vegetation change before and after Grain-for-Green Project.

MonitoringNDVImaximumchangebeforeandafterGrain‐for‐GreenProject

The vegetation change of whole area before and after Grain-for-Green Project in study area (Ningxia, china) are acknowledged from MODIS imageries monitoring.

However, MODIS imagery has coarse resolution (250m/500m) that the ecological effectiveness recover in characteristic site is difficult for analyzing. On the other hand, Landsat imagery only has 1 or 2 scenes per year without cloud in characteristic site.

Therefor fusion MODIS and Landsat imageries to get high temporal and fine resolution synthetic imageries is necessary.

Landsat MODIS

• 30mSpatialResolution• 16‐dayRevisitCycle • OneorTwoRevisitPerDay

• 250m&500mSpatialResolution

L Xw/2,Yw/2,Tp ∑ ∑ , , , , , ,

LandsatTp

MODISTkMODISTp

LandsatLikeTk

SpatialandTemporalAdaptiveReflectanceFusionModel STARFM

Tp:LandsatAcquiredday,Tk:Requiredday

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MethodMOD09GASR500m

NIRREDLandsatSR30m

Reprojection

Smooth

NIRRED

StarFMmodel

NDVI NIR‐RED / NIR RED

SubsettoStudySiteResampleto30m

SyntheticNIRREDband30m

AccuracyCheck

ComparisonwithMODISimageryoncharacteristicsite

Dataacquisition

LandsatTM/OLI30m MOD09GA500m

Date Path/Row Purpose Date Path/Row Purpose

2002/176129/34 Fusion 2002/175129/34

2005/152129/34 Fusion 2002/239129/34

2005/280129/34 AccuracyCheck 2005/157129/34

2011/153129/34 Fusion 2005/238129/34 Fusion

2015/132129/34 Fusion 2005/283129/34

2011/165129/34

2011/239129/34

2015/138129/34

2015/227129/34

LandsatTM/OLISR30mresolutionMOD09GAdailySR500mresolution

Results

R 0.859

Theoreticrange 0.85,0.91

Fusion

MODIS

2002/239

MODIS

Fusion2005/238

MODIS

Fusion2011/239

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MODIS

Fusion2015/227

Bymeansofspatialandtemporaladaptivereflectancefusionmodelitisfeasibletogethigh‐frequencytemporalandhighspatialresolutionsyntheticimageriesformonitoringvegetationchangeoncharacteristicsitebeforeandafterGrain‐for‐GreenProjectinNingxia,China.

Inconclusion

ご清聴ありがとうございました!

Thank you !