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「情報の扱い⽅に関する事項」 ⼩学校国語科の 授業づくり サポートブック 平成30年度国語科プロジェクト研究 国語で正確に理解し適切に表現する資質・能⼒を育成する⼩学校国語科の授業づくり ―「情報の扱い⽅に関する事項」と「読むこと」を相互に関連させて― 新学習指導要領 に対応

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「情報の扱い⽅に関する事項」

⼩学校国語科の授業づくり

サポートブック

平成30年度国語科プロジェクト研究 国語で正確に理解し適切に表現する資質・能⼒を育成する⼩学校国語科の授業づくり ―「情報の扱い⽅に関する事項」と「読むこと」を相互に関連させて―

新学習指導要領 に対応

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1

プロローグ

小学生 北 桜さん 滋賀 仙太さん

春田先生 夏木先生 1 2

秋山先生

では、「情報の扱い方に

関する事項」と「読むこ

と」を相互に関連させた

授業を紹介します。これ

からの授業づくりを一緒

に考えましょう。

秋山先生!!

よろしくお願

いします!

もっと子どもに、

書かれていること

を正確に読み取る

力を付けたいで

す。

私は「情報の扱い

方に関する事項」

が気になります。

本書では、滋賀県総合教育センター

平成30年度国語科プロジェクト研究

の成果を基に解説します。

一緒によりよい授業づくりを

目指しましょう。

そうですね。教科

書を繰り返して読

む以外に方法はな

いのでしょうか?

平成 29 年告示の

学習指導要領に、

何かヒントはない

でしょうか?

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2

目次

プロローグ

目次

第1章 理論編

1 「情報の扱い方に関する事項」の新設

(1)ある授業から

(2)「情報の扱い方に関する事項」はどのような指導事項なの?

(3)「情報と情報との関係」はどのような指導事項なの?

(4)「情報の整理」はどのような指導事項なの?

2 「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」の指導

(1)「情報の扱い方に関する事項」はどのように指導するの?

(2)なぜ「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」の関連に着目するの?

第2章 授業づくり編

1 「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」を関連させた授業づくり

(1)授業づくりに役立つものは?

(2)どの指導事項を関連させるとよいの?

(3)どのように単元を構想すればよいの?

(4)関連させて指導する効果はあるの?

2 「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」を関連させた授業モデル

(1)授業モデルの見方

(2)授業モデル1 第1学年 みつけよう!じどう車のひみつ!

(3)授業モデル2 第4学年 4の2「和と洋」案内係

(4)授業モデル3 第6学年 めざせプレゼン名人!!

エピローグ

資料 実践事例

・・・5

・・・4

・・・10

・・・10

・・・9・・・12

・・・13

・・・14

・・・19

・・・20

・・・22

・・・3

・・・18

・・・11

・・・25

新しい学習指導要領はどう変わったの?

「情報の扱い方に関する事項」って何?

・・・6

・・・8

どのように授業づくりを

行えばよいのだろう?

・・・17

実践事例を知りたいな。

・・・1

・・・24

・・・2

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第1章

理論編

新しい学習指導要領はどう変わったの?

「情報の扱い方に関する事項」って何?

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(1) ある授業から

A、Bともに、「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」の資質・能力の育成を目指した授業

です。小学校学習指導要領(平成29年告示)解説国語編(以下、学習指導要領解説という。)では、

〔知識及び技能〕に「情報の扱い方に関する事項」が新設され、〔思考力、判断力、表現力等〕の「話

すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」と相互に関連させて、育成することになりました。

Aは1年生、Bは6年生の授業

の写真です。何をしているとこ

ろでしょう?

Aはトラックの「つくり」をたく

さん挙げているようです。何のた

めにしているのでしょうか?

Bは「生き物」や「仕組み」と

いう項目で、何かをまとめてい

るのでしょうか?

3領域

話すこと・聞くこと

読むこと

1事項

伝統的な言語文化と 国語の特質に関する事項

3領域及び1事項

で構成されていた

内容は、右のよう

に構成し直されま

した。 書くこと

思考力、判断力、表現力等

書くこと

話すこと・聞くこと

読むこと

小学校学習指導要領解説

平成 20 年告示

小学校学習指導要領解説

平成 29 年告示

1 「情報の扱い方に関する事項」の新設

知識及び技能

我が国の言語文化に関する事項

情報の扱い方に関する事項

言葉の特徴や使い方に関する事項

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(2)「情報の扱い方に関する事項」はどのような指導事項なの?

「情報の扱い方に関する事項」とは、ICT活用のことですか?

「情報の扱い方に関する事項」では、子どもたちにこのような力を付けることが求められ

ているのですね。

その通りです。「情報の扱い方に関する事項」は、「情報と情報との関係」と「情報の整

理」の二つの内容で構成されています。これから一つずつ見ていきましょう。

いいえ、違います。情報と情報との関係を理解したり、情報を整理したりする資質・能力を育成す

る指導事項です。本研究では、学習指導要領解説を基に、次のように考えました。

和室 比べる点 洋室

たたみ ゆか 板など

たたみに

すわる

すごし方 いすに

すわる

「話や文章に含まれる情報を取り出して」

学習指導要領解説、p.23

「整理したり、その関係を捉えたりすること」

これらのことは、話や文章を正確に

理解することにつながります。

これらのことは、話や文章で適切

に表現することにつながります。

「自分のもつ情報を整理して」

表で整理するとわかりやすいよ!

「その関係を分かりやすく明確にすること」

私は和室と洋室について調べよう!

和室と洋室にはそれぞれよさ

があります。なぜなら・・・

洋室の特徴? いすにすわる

ことかな。

インタビューをする

洋室は板など

和室はたたみ

本で調べる

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(3)「情報と情報との関係」はどのような指導事項なの?

下の表1は、「情報と情報との関係」の指導事項とその指導例です。

第1学年及び第2学年 第3学年及び第4学年 第5学年及び第6学年

ア 共通、相違、事柄の順序な

ど情報と情報との関係につ

いて理解すること。

ア 考えとそれを支える理由

や事例、全体と中心など情報

と情報との関係について理

解すること。

ア 原因と結果など情報と情

報との関係について理解す

ること。

〈指導例〉

→詳細は「授業モデル1 第1学年 みつけよう!じどう車のひみつ!」(p.19)へ

表1「情報と情報との関係」の指導事項(学習指導要領解説、p.24、下線は筆者)

私はヘッドライトを選ぶ!

だって、かっこいいから!

でも、ヘッドライトは僕の家の車

にもあるよ。たくさんの荷物を運

ぶトラックのしごとにぴったりと

いえるかな?

子どもが情報と情報を正確に結び付けられるように指導する。

4ページの写真Aは、トラックの「つ

くり」を五つ挙げて、「しごと」に関連

する「つくり」を二つ選ぶ学習活動に

取り組んだ授業です。「しごと」と「つ

くり」の関係を正確に理解し、「じどう

車ずかん」をつくる単元です。

話や文章に含まれている情報と情報との関係を捉えて理解したり、自分のもつ情報と

情報との関係を明確にして話や文章で表現したりできる資質・能力です。

○情報と情報との関係

情報と情報との様々な関係に関する事項である。各領域における「思考力、判断力、表現力

等」を育成する上では、話や文章に含まれている情報と情報との関係を捉えて理解したり、自分

のもつ情報と情報との関係を明確にして話や文章で表現したりすることが重要になる。

学習指導要領解説、p.23(下線は筆者)

「情報と情報との関係」では、どのような資質・能力を育成するのですか?

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「情報の扱い方に関する事項」が新設され、育成を目指す資質・能力が明確になりました。こ

れによって指導者は、「情報の扱い方に関する事項」の資質・能力を育成する学習活動を設定する

ことが求められています。

私の授業では、教材文「じどう車くらべ」を読んで「しごと」と「つくり」について学

んだはずなのに、図鑑で調べるときに、子どもは適切な情報が選べませんでした。

そういうときは、Aの授業のような、子どもが情報と情報を正確に結び付ける学習活動

を設定しましょう。子どもの理解が深まり、適切な情報が選べるようになりますよ。

そうなのですね。今まで、子どもがどのくらい「しごと」と「つくり」の関係を理解し

ているか、確かめないままで学習を進めていました。

Aの授業後の子どもの姿

②ハンドルはなく、

さゆうのレバーや

足もとのペダルで

大きな車をそうさ

します。

①じめんをけずっ

たりほったりする

ために、車たいのう

しろに大きなつめ

がついています。

あれ?僕の集めたブルドーザーの「つくり」

の中で、「つくり②」は「しごと」に関係な

いよね?

じめんをけずった

り土をあつめたり

して、じめんをたい

らにするしごとを

しています。

正確な理解

気付いてよかったね!

つくり② つくり① しごと

この時の会話と、見直している情報カードが3枚、下に

紹介されていますね。

右は、Aの授業後の写真です。子どもたちは集め

ていた情報カードを見直しています。

授業後の子どもの姿から、国語科の目標である「国語で正確に理解し適切に

表現する資質・能力」の中の「正確な理解」にあたる資質・能力が育成され

ている手応えを感じました。

青の情報カードには自分が選んだ自動車の「しごと」、

赤の情報カードには「つくり」が書かれています。

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(4)「情報の整理」はどのような指導事項なの?

下の表2は、「情報の理解」の指導事項とその指導例です。

第1学年及び第2学年 第3学年及び第4学年 第5学年及び第6学年

イ 比較や分類の仕方、必要な語

句などの書き留め方、引用の仕

方や出典の示し方、辞書や事典

の使い方を理解し使うこと。

イ 情報と情報との関係付け

の仕方、図などによる語句と

語句との関係の表し方を理

解し使うこと。

〈指導例〉

→詳細は「授業モデル3 第6学年 めざせプレゼン名人!!」(p.22)へ

この方法で整理すると何が書かれ

ているのかよく分かりました!ロ

ジックツリーというのですね!

情報の整理の仕方を、他の場面でも使える知識・技能として子どもが身に付けられる

ように指導する。

これは社会科や理科の学習で

も、関係性を整理するときに

使えそうです。

表2「情報の整理」の指導事項(学習指導要領解説、p.24、下線は筆者)

4ページの写真Bは、教材文「自然

に学ぶ暮らし」を読みながら、そこに

書かれた情報を整理する学習活動に取

り組んだ授業です。整理した情報でわ

かりやすいフリップを作成し、プレゼ

ンテーションをする単元です。

情報を取り出したり活用したりする際に行う整理の仕方やそのための具体的な手段

を理解し使うことができる資質・能力です。

○情報の整理

情報の整理に関する事項である。情報を取り出したり活用したりする際に行う整理の仕方

やそのための具体的な手段について示している。こうした「知識及び技能」を、言語活動の

中で使うことができるようにすることが重要である。

学習指導要領解説、p.23(下線は筆者)

「情報の整理」では、どのような資質・能力を育成するのですか?

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教材文を読むとき、ワークシートを用いて、書いてある内容やキーワードを整理するこ

とはよくあります。でも、整理の仕方が指導事項にあることに驚きました。

教材文を読むときだけでなく、様々な機会に使える汎用的な読み方を身に付けることが

求められているのです。

「知識及び技能」を、日常生活における様々な場面で、主体的に活用できる、生きて働く「知

識及び技能」として習得することが重要となる学習指導要領解説、p.12

今まで、教材文が理解できたらよいと思って、ワークシートを作っていました。日常生

活で生かせるような情報の扱い方を身に付ける必要があるのですね。

Bの授業後の子どもの姿

必要な情報を集めながら整理する

説明に必要な情報が

もれなく書けたよ!

集めた情報をフリップに図示する

仕組み

よさ

活用

生き物

適切な表現

よく整理されていますね!

左は、Bの授業後に、自分が選んだ

テーマで子どもが作成したロジッ

クツリーです。

図示も「情報の整理」の方

法の一つですね。左のフリ

ップは、簡潔にまとまり、

とても見やすいです。

整理した情報は、フリップに図示

する際に、相手や目的を意識して、

もう一度内容や表現を見直しま

す。

授業後の子どもの姿から、国語科の目標である「国語で正確に理解し適切に

表現する資質・能力」の中の「適切に表現」にあたる資質・能力が育成され

ている手応えを感じました。

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(1) 「情報の扱い方に関する事項」はどのように指導するの?

(2)なぜ「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」の関連に着目するの?

A、Bの授業では、先に「情報の扱い方に関する事項」を指導しておいてから、「読

むこと」の学習に入ったのですか?

○言語活動を通して、国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を育成する

○〔知識及び技能〕に示す事項については、〔思考力、判断力、表現力等〕に示す事項の指導

を通して行うことを基本とする 学習指導要領解説、p.12, p.155(下線は筆者)

いいえ。「情報の扱い方に関する事項」は、言語活動を通して、「読むこと」と相互に

関連させて指導します。

〈小学校の国語科の課題〉

○PISA2015(平成 27 年実施)において、読解力について、前回調査と比較して平均得点

が有意に低下している

○全国学力・学習状況調査等の結果によると、小学校では、文における主語を捉える

ことや文の構成を理解したり表現の工夫を捉えたりすること、目的に応じて文章を

要約したり複数の情報を関連付けて理解を深めたりすることなどに課題がある

○依然として教材への依存度が高いとの指摘もあり、更なる授業改善が求められる 学習指導要領解説の p.6 を基に作成

「話すこと・聞くこと」や「書くこと」と関連させることもできるのに、この研究

では、「読むこと」と関連させているのは、なぜですか?

それは、「読むこと」に課題があることが分かっているためです。「読むこと」の課題を克

服するため、本研究では、「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」を関連させた授

業づくりに取り組みました。

2 「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」の指導

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第2章

授業づくり編

どのように授業づくりを

行えばよいのだろう?

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(1) 授業づくりに役立つものは?

「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」を相互に関連させる授業が、大切なのは

分かりました。でも、どのように授業づくりを行えばよいのでしょうか?

授業づくりには、滋賀県総合教育センターの平成 28 年度国語科教育に関する研究の

成果物「みちしるべ」と、新しい学習指導要領に対応するようにした以下の3つを使

うのがおすすめです。どれも、同センターのHPからダウンロードできますよ。

「みちしるべ」の「教材分析シート」の指導事項の欄を、

学習指導要領解説に合わせて改編したもの。指導事項と教

材と言語活動の適切な組合せを考えるときに役立つ。学習指導案モデル

マトリックス型の年間指導計画 教材分析シートⅡ

一覧性に優れたマトリックス型の年間指導計画。

指導事項について、過度の重複や欠落を避けたり

反復的に指導したりするときに役立つ。

単元の指導目標を、単元の言語活動や指導方法、

単元計画を通して、どう実現していくのかを考え

るときに役立つ。

1 「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」を

関連させた授業づくり

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(2) どの指導事項を関連させるとよいの?

「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」には、共通する内容をもつ指導事項があ

るのですね。

指導に当たっては、例えば「C読むこと」の(1)「ア 段落相互の関係に着目しながら、考え

とそれを支える理由や事例との関係などについて、叙述を基に捉えること。」などとの関連を

図り、指導の効果を高めることが考えられる 学習指導要領解説、p.85~86 を筆者が要約

そうです。それらは関連させるとよい組み合わせとして学習指導要領解説に示されてい

ます。下は、「情報の扱い方に関する事項」の解説にある一節です。

「情報の扱い方に関する事項」 「読むこと」

ア 考えとそれを支える理由や事例、全体と中心

など情報と情報との関係について理解するこ

と。

ア 段落相互の関係に着目しながら、考えとそれ

を支える理由や事例との関係などについて、叙

述を基に捉えること。

上の指導事項は二つとも同じ内容に思えます。どこが違うのですか?

表3 中学年の「情報の扱い方に関する事項ア」と「読むことア」の指導事項

「読むことア」は、文章を読んで、書き手の考えがどのような理由や事例に支えられて

述べられているか、叙述を基に捉えることができる力が求められている。

「情報の扱い方に関する事項ア」は、書き手の考えとそれを支える理由や事例の関係を理解

し、「話すこと・聞くこと」や「書くこと」、日常生活でも活用できる力が求められている。

下のイメージ図と解説を参考にしてください。

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(3) どのように単元を構想すればよいの?

単元を構想する手順 実際の授業の様子

単元「4の2おなやみ相談所」(第4学年「色さいとくらし」)

考えとそれを支える理由との関係を捉えることをねらいとして、色の効果を活

用して先生の悩みを解決し、「おなやみ解決カード」をつくることを言語活動に

位置付けた。→詳細は「実践事例3 第4学年 4の2おなやみ相談所」(p.42)へ

④ 「4の2おなやみ相

談所」という単元名

は学習計画を立てた

ときに僕たちが考え

たんだよ!

先生も悩んでいるの?

びっくり!絶対に私が

助けてあげるね!

③ 先生方の悩み ・かっこよく見える新車の

色は何? ・すずしげな浴衣の色は?

・リラックスできる部屋の

色を教えて!

「色さいとくらし」にはこの

ように色の効果と事例がたく

さん書かれているよ!

② 指導事項に合わせて教材を選択する

色の効果とそれを生かした事例、筆者の考えが整理して

書かれている「色さいとくらし」を選びました。

① 児童の実態を踏まえ「読むこと」の指導事項を決定する

このとき、マトリックス型の年間指導計画で、指導

事項に偏りがないかを確かめましょう。

「段落相互の関係に着目しながら、考えとそれを支え

る理由や事例との関係などについて、叙述を基に捉え

ること」に重点を置いて指導することにしました。

④ 育成したい資質・能力と言語活動を組み合わせて、子ど

もの興味を引くような単元名を決定する

単元名ははじめ、「めざせ!色博士~色の効果を活用し

て、『おなやみ解決カード』をつくろう~」としました

が、授業中に、子どもの意見で右のように変わりました。

③ 指導事項と教材を結び付ける言語活動を設定する

悩みは色の効果を使って解決できるものを指導者が

考え、校内の先生方に、自分の悩みに近いものにアレ

ンジしてもらいました。

教材の内容を生かすために、先生の悩みを色の効果

で解決するという言語活動を考えました。

ここでは、春田先生と一緒に、単元の構想手順の一例を体験してもらいましょう。実

際の授業の様子も併せてご覧ください。

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15

単元を構想する様子 実際の授業の様子

本からたくさんの色の効果を

見つけたよ

⑥ 言語活動のモデルを作成する

「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」の資質・

能力が育成できる言語活動のモデルを作成しました。

先生の悩みを解決するために、適切な色と色の効果を選んでいる

かを評価することが目的なので、文章量は最少限にしています。

⑤ 言語活動の遂行に必要な「情報の扱い方に関する事項」

の指導事項を決定する

本で色の効果について調べたり、調べたことをわか

りやすくまとめたりできるようになるために、次の

二つの指導事項を指導することにしました。

手順①で「読むこと」の指導事項と一緒に決定する

こともあります。

〇解決策と色の効果を結び付ける「情報と情報との関係」

〇情報を分類して比較する方法を身に付ける「情報の整理」

⑦ 単元計画を立案する

子どもの思考の流れに沿った

単元構成にしました。

⑥ これなら、書くことが

苦手な私もできそう!

一つの悩みに対して解決カー

ドが3~4枚集まったから、

冊子にして、先生に渡した

よ!

先生たち、すごく喜んでくれ

たね。やってよかったな。

子どもが読みたいと感じるとき

に読む学習活動を入れます。

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16

〈メモ欄〉

「読むこと」の指導事項に合わせて言語活動を考え、その言語活動に合わせ

て「情報の扱い方に関する事項」の指導事項を決定するパターンがあるので

すね。

この単元構想の手順はあくまでも一例です。これを参考に、目の前の子ど

もたちに合ったベストな手順を選択していきましょう。

単元構想の手順をまとめ

ておくと、右の図のように

なります。

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17

(4)関連させて指導する効果はあるの?

情報を整理する学習活動

第6時

本で情報を収集する学習活動

第4時・第5時

↑色の効果を本から見つけて

付箋に書く。

教材文を読む学習活動

第3時

〈ステップ2〉では、他の

図書資料を読んで、悩みと

色の効果を結び付けてい

ます。子どもたちは、教材

文で理解したことを活用

しています。

筆者はなぜ、自然の素

材の色を使うとよいと

述べているのでしょう

か?

落ち着いた印象を与える

効果があるからです。

そうなのか・・。

あっ、ここに書

いてあった!

青 黒

優しいイメージ

意志の強さ、自信を

感じさせる

未熟で若いイメージ

高級感がある

おしゃれな感じ

おなやみ:新車は「かっこい

いイメージ」の色にしたい。

黒のほうがかっこいい

イメージにぴったりの

効果だ!表で整理する

とよく分かるよ!

青 黒

優しい

未熟

おしゃれ

高級感

悩みの解決に

つながる効果

それ以外

の効果

色の効果を、表で整理

し直しましょう。 〈ステップ1〉

子どもの理解が深まる様子が分かりますね。私なら、第6時の学習活動をせずに、「お

なやみ解決カード」を書く学習活動に入っていたかもしれません。

教材文を読んで理解したことを、別の学習活動で活用することができてはじめて、力が

付いたといえます。第6時はそのための大切な時間なのです。

では、「情報の扱い方に関する事項ア」と「読むことア」を関連させる効果を、 (3)で紹

介した「4の2おなやみ相談所」の授業を使って説明しましょう。

「情報の扱い方に関する事項」と関連させることで、「読むこと」の資質・能力の育成

につながっていることが分かりました。

〈ステップ1〉では、教材文

を読んで筆者の考えと色の

効果を結び付けています。

子どもたちは、教材文の内

容を理解しています。

〈ステップ3〉

〈ステップ2〉

〈ステップ3〉では、

集めた情報を整理す

ることで、悩みと色

の効果を正確に結び

付けています。

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(1)授業モデルの見方

ここでは、「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」を関連させた授業モデルを、

低・中・高学年で1例ずつ紹介します。

【単元で育成を目指す資

質・能力】

「情報の扱い方に関する

事項」と「読むこと」に加

えて、「書くこと」等の言

語活動の遂行に必要な資

質・能力を関連させていま

す。

【板書】

「めあて」に対応したまと

めを「ポイント」として板

書しています。めあてに対

応したまとめのある授業

は、付けたい力を明確にし

た授業につながります。

【授業づくりのポイント】

「読むこと」に「情報の扱

い方に関する事項」を関連

させると、どんな学習活動

がプラスされるのかを示

しています。

2 「情報の扱い方に関する事項」と「読むこと」を

関連させた授業モデル

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19

(2)授業モデル1 第1学年 みつけよう!じどう車のひみつ!

第1学年 みつけよう!じどう車のひみつ! ~じどう車の「しごと」と「つくり」をしらべて、「じどう車ずかん」をつくろう~

(教材「じどう車くらべ」、関連する図書資料)

情報の扱い方に関する事項 書くこと 読むこと

ア 共通、相違、事柄の順序

など情報と情報との関係

について理解すること。

ア 経験したことや想像したことなどから書く

ことを見付け、必要な事柄を集めたり確かめた

りして、伝えたいことを明確にすること。

ウ 文章の中の重要な語や文

を考えて選び出すこと。

① 指導者の「じどう車ずかん」のモデルを見

て、単元のゴールのイメージをもつ。

学習計画を立てて、単元の見通しをもつ。

■指導者のモデルを見て、学習過程を考え、学習

の見通しをもつことができるようにする。

第二次 ⑤/8 「しごと」にぴったりの「つくり」を選ぶことができる。

②③ 教材文「じどう車くらべ」を読んで全

体の構成をつかみ、「しごと」と「つく

り」について理解する。

④~⑥ 自分が選んだ自動車で「じどう車ず

かん」をつくるための情報を集める。

■自動車の「しごと」と「つくり」を見つけるため

に、共通する文末の言葉に着目できるようにす

る。

■自分の選んだ自動車の「しごと」と合う「つくり」

を選ぶことができるようにする。

⑦ 「じどう車ずかん」を書く。

⑧ 互いに読み合い、学習を振り返る。

■観点別の振り返りシートを準備し、自己評価でき

るようにする。

教材文「じどう車くらべ」では、文章を読むことで、自動車の「しごと」と「つくり」を知ること

ができます。その後、「しごと」に合った「つくり」を選択する学習活動を入れましょう。そうする

ことで子どもの理解が深まり、自分の選んだ自動車について適切な情報を選ぶことができます。

みつけよう!じどう車のひみつ!

適切な情報を選択する学習活動をプラス!

「しごと」にぴったりの「つくり」をえらぼう

「つくり」をえらぶときの

「しごと」をするための「つくり」

ほかのじどう車にはない「つくり」

【しごと】大きなものや、

たくさんのにもつを、はこ

ぶしごとをしています。

たくさんのタイヤ

おもいにもつをの

せるために、タイ

ヤがたくさんつい

ています。

ひろいにだい

うんてんせきの

ほかは、ひろい

にだいになって

います。

ヘッドライト

くらいときでもは

しれるように、ヘ

ッドライトがつい

ています。

かっこいいはしご

車の上にのぼれる

ように、はしごが

ついています。

サイドミラー

よこやうしろがよ

くみえるように、

サイドミラーがつ

いています。

めあて

トラックの「しごと」にぴっ

たりの「つくり」はどれです

か?

その自動車の「しごと」

をするための「つくり」

を選ぶことが大切です。

では、「つくり」を選ぶとき

に大切なことは何でしょう

か?

たくさん荷物を運ぶ「しご

と」だから、広い荷台がい

ると思います。

ヘッドライトは自分の家の

車にもあるから、別の「つ

くり」がよいと思います。

ポイント

自動車の「しごと」と「つくり」に関連する情

報を図書資料から捉え、「じどう車ずかん」を

つくる。

〈主な学習活動〉 〈指導上の留意点〉 〈言語活動〉

第一次

第二次

第三次

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20

(3)授業モデル2 第4学年 4の2「和と洋」案内係

第4学年 4の2「和と洋」案内係

~和と洋を比べて、そのよさを伝える「和と洋リーフレット」をつくろう~

(教材「くらしの中の和と洋」、関連する図書資料)

情報の扱い方に関する事項 書くこと 読むこと

イ 比較や分類の仕方、必要な

語句などの書き留め方、引用

の仕方や出典の示し方、辞書

や事典の使い方を理解し使

うこと。

ア 相手や目的を意識して、経験したこ

とや想像したことなどから書くことを

選び、集めた材料を比較したり分類し

たりして、伝えたいことを明確にする

こと。

ウ 目的を意識して、中心となる語

や文を見付けて要約すること。

オ 文章を読んで理解したことに基

づいて、感想や考えをもつこと。

① クイズで、和と洋について知る。

指導者の「和と洋リーフレット」のモデル

を見て、単元のゴールのイメージをもつ。

学習計画を立てて、単元の見通しをもつ。

■身近なものを和と洋で区別するクイズで、学習

に興味をもつことができるようにする。

■指導者のモデルを見て、学習過程を考え、学習

の見通しをもつことができるようにする。

第二次 ③/10 教材文から読み取った情報を整理して、自分の考えをもつことができる。

②③ 教材文「くらしの中の和と洋」を読んで、

和室と洋室の特徴をとらえ、それぞれのよ

さについて自分の考えをもつ。

④~⑨ 図書資料から必要な情報を集めて、

「和と洋リーフレット」をつくる。

■和室と洋室の特徴を付箋に書いて、比較の観点ご

とに整理し、自分の考えがもてるようにする。

■情報を書き留めるときに、文章の一部を引用した

り要約したりできるようにする。

■ルーブリックで自己評価しながら、学習を進めら

れるようにする。

⑩ 互いに読み合い、学習を振り返る。 ■ルーブリックで他者評価ができるようにする。

前の時間は「くらしの中の和と洋」を読んで、見つけた和室と洋室の特徴を付箋に書きました。今日はその

付箋を整理して、和室と洋室の特徴をつかみましょう。みなさんはどう整理するとよいと思いますか?

4の2「和と洋」案内係

和室と洋室の特ちょうをつかもう。

めあて

和室

くらべる点

洋室

ゆか

家具

すごし方

しせい

よさ

部屋の

使い方

特ちょうをつかむための

→ペア

ポイント

いろいろな目的

で使える

人と人との間か

くが変えられる

いろいろなしせ

いがとれる

たたみにすわる

家具はあまり置

かない

たたみ

目的に合わせて

使いやすくでき

ている

いすから立つの

がかんたん

同じしせいでも

つかれない

いすにすわる

くらべる点をもとに特ちょうを対(つい)

にして、じょうほうを整理する。

目的に合わせた

家具

板など

床について書かれて

いるもの同士を、ペ

アにします。

他にもペアにな

りそうなものは

ありますか?

和室と洋室を比べ

て、どんな考えを

もちましたか?

「部屋の使い方」とい

う点では、和室が便利

だと思いました!

くらしの中にある和と洋を比べて、違いとよ

さをALTに伝える「和と洋リーフレット」

をつくる。

〈主な学習活動〉 〈指導上の留意点〉 〈言語活動〉

和室と洋室のよさを生かし

て、生活しているというこ

とに気付きました。

第一次

第二次

第三次

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21

使った後はてい

ねいにあらい、

くせがつかない

ように注意して

保かんする。

「筆はやわらか

く、太い線や細

い線を出すこと

ができます。」

(

31ページ)

和(

筆)

手入れ よさ

キャップで守ら

れており、手入

れは必要ない。

「一定の太さで

書き続けること

ができます。」

(

32ページ)

洋(

ペン)

情報を整理する学習活動を行ってから、互いの考えを共有する場を設けましょう。そうすること

で、「情報を整理することで情報と情報の関係が明確になり、自分の考えの形成につながる」という

実感がもてるようになります。

情報を整理してから互いの考えを共有する学習活動をプラス!

前の時間は、自分が選んだテーマで、必要な情報を本か

ら探しました。見つけた情報は、どのように書き留めて

おくとよいでしょうか?

短くまとめてメモしたいです。そして、「くらしの中の

和と洋」の時のように、表で整理したいです。

引用は「情報の扱い方に関する事項」、要約は「読むこと」の指導事項ですが、このように組み合

わせて指導することもできます。また、指導者のモデルから引用と要約について学ぶことで、子ども

は具体的なイメージをもつことができます。

引用・要約で、情報を吟味する学習活動をプラス!

第二次 ⑤/10 必要な情報を図書資料から引用・要約して、表に整理することができる。

4の2「和と洋」案内係

めあて

(

引用)

と(

要約)

のわざを使って

必要なじょうほうを整理しよう。

右のプリントは先生が情報を整理した表です。何か気付

くことはありますか?

「」がついている文と、そうでない文があります!

「」がついている文は引用、ついていないものは要約と

いう技を使って、表に書き留めました。

「筆はやわらか

く、太い線や細

い線を出すこと

ができます。」

使った後は、て

いねいにあらい

くせがつかない

ように注意して

保かんする。

引用

・「

」をつける。

・(

)ページ数

・そのままぬき出す。

要約

・必要な部分だけ使う。

・必要に応じて

かんたんな言葉にする。

言葉をおぎなう。

ポイント

他の人が書いた文や言葉を、

引用:自分の文章の中で使うこと。

要約:自分の言葉に言いかえたり、短く

まとめたりすること。

要約は必要な部分だけを使うの

ですね。次の学習活動に生かせ

そうです!

本の記述と表の要約を比べる

と、「筆先のすみを取りのぞき

ます」という説明がなくなって

います!

↓指導者が情報を整理した表

↓電子黒板に映した本の記述 右の電子黒板には先生が参考にした本の記述を映してい

ます。何か気付くことはありますか?

【筆】

筆は使い終わったら、ていね

いにあらい、筆先のすみを取

りのぞきます。その後、くせ

がつかないように注意してか

わかしたり、保かんしたりし

ましょう。

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22

(4)授業モデル3 第6学年 めざせプレゼン名人!!

↓ 指導者のロジックツリー

第6学年 めざせプレゼン名人!!

~おすすめの自然に学ぶ暮らし方をプレゼンしよう~

(教材「自然に学ぶ暮らし」、関連する図書資料)

情報の扱い方に関する事項 話すこと・聞くこと 読むこと

イ 情報と情報との関係付けの仕

方、図などによる語句と語句との

関係の表し方を理解し使うこと。

ウ 資料を活用するなどし

て、自分の考えが伝わるよ

うに表現を工夫すること。

ウ 目的に応じて、文章と図表などを結

び付けるなどして必要な情報を見付け

たり、論の進め方について考えたりす

ること。

① 教材文「自然に学ぶ暮らし」を読んで、自

分の考えをもつ。

② 指導者のプレゼンテーションを見て、そ

の概要をつかみ、学習計画を立てる。

■教材文を読む前に、自然の仕組みを活用した製品の

実物を見て、学習に興味がもてるようにする。

■指導者のモデルを見て、学習過程を考え、学習の見

通しをもつことができるようにする。

第二次 ④/11 フリップに必要な情報を考えて、教材文から読み取ることができる。

③ プレゼンテーションのテーマを決める。

④~⑦ フリップの作成を通して情報の整理

の仕方を学ぶ。

⑧~⑩ フリップを活用して話すときのポイ

ントをつかみ、発表の練習を行う。

■ロジックツリーで情報を整理する方法を学び、フリ

ップにわかりやすく図示できるようにする。

■授業で話し合ったフリップの作成や話すときの表現

のポイントは、ルーブリックで示す。

⑪ 互いのプレゼンテーションを聞き合い、

学習を振り返る。 ■ルーブリックを使って、他者評価と自己評価ができ

るようにする。

先生は教材文のシロアリの事例を基にフリップを作成しました。フリップにはどんな情報が書かれてい

ますか?

小さな穴のある

素材を床に使っ

た部屋の写真

「どんな生き物を参考にしたのか」という情報です。

「その生き物の仕組みが、私たちの生活の何に活用され

ているのか」という情報もあります。

これは「その仕組みを活用するよさ」にあたる情報です。

自分のおすすめする自然に学ぶ暮らし方につ

いて調べ、自分の考えが伝わるようにプレゼ

ンテーションをする。

フリップに必要な情報の要素(「活用」や「よさ」等)を考えてから、その情報を教材文から読み

取る学習活動を設定しましょう。そのためには、指導者の作成したフリップのモデル等、参考にでき

る資料を準備し、子どもが考えやすくなるような工夫をすることが大切です。

フリップに必要な情報を考える学習活動をプラス!

↓ 指導者のフリップ 「シロアリの巣」と書かれています。

他の事例にも使えるように、その情報を言い換えると?

〈主な学習活動〉 〈指導上の留意点〉 〈言語活動〉

第一次

第二次

第三次

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23

では、教材文のトンボの

事例を、ロジックツリー

に整理してみましょう。

上記の授業では、仕組みとはどの情報を指すのかについて、本文の言葉や表現に着目して、内容を

吟味しています。このように、情報の整理を通して、文章を正確に理解する資質・能力を育成するこ

とができます。

情報を整理する中で、文章を正確に理解する学習活動をプラス!

「仕組み」は「表面に凹凸が

ある」という部分ですよね?

先生のシロアリの事例でも、「小さな穴」だけでなく、「小

さな穴による湿度調節」までを「仕組み」としていますね。

めざせプレゼン名人!!

必要な情報を考えて、

文章から読み取ろう。

めあて

指導者の

フリップ

事例①

指導者の

フリップ

事例②

・生き物

・自然の仕組み

・生活への活用例

・メリット、よさ

一、フリップから

二、「自然に学ぶ暮らし」から

トンボの羽

表面に凹凸

がある

ラジオが

聞ける

風力発電機

少しの風

で発電で

きる

表面に凹凸が

あることで、

空気のうずが

できて空気を

運ぶ

生き物

よさ 活用

仕組み

補聴器の

電気をプ

レゼント

ポイント

ラジオや補聴器の電気のプレゼントは、発電した電気の

具体的な使い道だから、「よさ」とは言えません。

「よさ」は三つの意見が出ましたが、すべてこの風力発電機

の「よさ」だと考えてよいですか?

先生はこれらの情報をロジックツリーで整

理してから、フリップにまとめました。

僕たちが見つけた「生き物」「仕組み」「活

用」「よさ」が左に並んでいます!これが情

報を整理するということですね。

これは初めて見ました!ロジックツリーと

は、どういうものですか?

ロジックツリーは情報をグループに分けて、

その関係をわかりやすく整理する方法です。

二、「自然に学ぶ暮らし」から

トンボの羽

表面に凹凸

がある

ラジオが

聞ける

風力発電機

少しの風

で発電で

きる

生き物

よさ

活用

仕組み

補聴器の

電気をプ

レゼント

そうか。本文に「この仕組みを使って」とあるので、こ

の文の直前までが仕組みなのですね。

「仕組み」と「よさ」で

意見が分かれましたね。

それによって「空気のうず

ができて空気を運ぶ」とい

うところまで必要です!

なぜなら、「表面に凹凸」だけだと、羽のつくり

を説明した情報になってしまうと思うからです。

↓ 指導者のロジックツリー

表面に凹凸が

あることで、

空気のうずが

できて空気を

運ぶ

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24

エピローグ

1 2

そして、書かれた内容を正確に理解

したり、自分の伝えたいことを適切

に表現したりすることにつながると

分かりました。

「情報と情報との

関係」を指導する

ことによって、子

どもの理解が深ま

りました。

本書がみなさんの授業づくり

のヒントになれば、うれしい

です。

これからも、一緒によりよい

授業づくりについて考えてい

きましょう。

「情報の扱い方に関する事項」と「読む

こと」を相互に関連させた授業をされて

みて、いかがでしたか?

「情報の整理」

を指導すること

によって、子ど

もの思考も整理

されました。

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25

資料

実践事例

実践事例を知りたいな。

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26

○ 実践事例1 第1学年 みつけよう!じどう車のひみつ!

~じどう車の「しごと」と「つくり」をしらべて、「じどう車ずかん」をつくろう~

(教材「じどう車くらべ」)

○ 実践事例2 第3学年 「食べ物へんしんタワー」をつくろう

~食べ物の加工の仕方を調べて、家の人に報告しよう~

(教材「すがたをかえる大豆」「食べ物のひみつを教えます」)

○ 実践事例3 第4学年 4の2おなやみ相談所

~色の効果を活用して、「おなやみ解決カード」を書こう~

(教材「色さいとくらし」)

○ 実践事例4 第4学年 4の2「和と洋」案内係

~和と洋を比べて、そのよさを伝える「和と洋リーフレット」をつくろう~

(教材「くらしの中の和と洋」)

○ 実践事例5 第5学年 説明名人の秘けつを見つけて、相手が納得する意見文を書こう

(教材「天気を予想する」「グラフや表を用いて書こう」)

○ 実践事例6 第6学年 わたしの住む町の未来をえがき、プレゼンテーションをしよう

(教材「町の幸福論―コミュニティデザインを考える」)

○ 実践事例7 第6学年 めざせプレゼン名人!!

~おすすめの自然に学ぶ暮らし方をプレゼンしよう~

(教材「自然に学ぶ暮らし」)

なお、実践事例の学習評価については、現在中央教育審議会において検討中であるため、掲載し

ておりません。

平成 30 年度国語科プロジェクト研究で作成した実践

事例です。授業づくりの参考にしてください。

・・・27

・・・74

・・・65

・・・56

・・・47

・・・42

・・・34

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27

実践事例1 第1学年

1 単元名 みつけよう!じどう車のひみつ!

~じどう車の「しごと」と「つくり」をしらべて、「じどう車ずかん」をつくろう~

教材 「じどう車くらべ」(光村図書 一下)、自動車に関連する図書資料

2 単元の指導目標

教材文や図鑑等から自動車の「しごと」と「つくり」に関連する情報を読み取り、それを正しくつな

げて、「じどう車ずかん」をつくることができる。(情報ア、書くことア、読むことア・ウ)

3 単元の言語活動の特徴とその設定理由

言語活動として、図鑑や本から必要な情報を取り出し、「じどう車ずかん」をつくることを位置付け

た。「じどう車ずかん」とは、様々な自動車の働き(しごと)と形態・構造(つくり)について文章と絵

で説明したものである。「じどう車ずかん」をつくって、調べた自動車のひみつを友達や保護者に紹介す

る。「じどう車ずかん」をつくるためには、様々な自動車の「しごと」とそれに関連する「つくり」につ

いて、教材文や図書資料から見つけて読んだり、教材文の構成を理解し、それを基に文章を書いたりす

ることが必要である。したがって、「情報の扱い方に関する事項ア」「書くことア」「読むことア・ウ」の

資質・能力を育成するのに適切な言語活動であると考えた。

4 単元について

(1)児童の実態

これまでの説明的文章を扱った単元では、「問い」と「答え」について学習している。教材文「くちば

し」では、挿絵を基に「問い」と「答え」を確かめて、鳥のくちばしと餌の関係について読み取ること

ができた。また、「どうぶつくいず」をつくるという言語活動を通して、動物図鑑等の図書資料の中から

必要な情報を見つけたり、自分の選んだ動物について説明したりする資質・能力を育成した。次の教材

文「うみのかくれんぼ」では、「問い-複数の答え」で構成されている文章を読み、海の生き物の身体の

特徴と隠れ方について、内容を結び付けながら正確に理解することができた。しかし、海の生き物の身

体の特徴と隠れ方がどのように関連しているのかを捉えることは難しく、自分で海の生き物について調

べて、カードに書く活動に時間がかかった。そこで本単元では、自動車の「しごと」とそれに関連する

「つくり」に関する情報を読み取ることを通して、情報と情報の結び付きについての理解を深めたい。

さらに、伝えたいことを明確にして表現ができるように、必要な情報を集めたり確かめたりして書く資

質・能力も育成したい。

(2)教材について

教材文「じどう車くらべ」は、「二つの問い-複数の答え」という列挙型の文章である。「しごと」を

説明する部分では全てに「しごとをしています」という言葉を用い、「つくり」を説明する部分では「つ

くってあります」や「ついています」など、「つくり」に関連する言葉が用いられている。また、「しご

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28

と」とそれにつながる「つくり」を挙げて説明している。これらの特徴を捉えることで、「じどう車ずか

ん」をつくる際に、必要な情報を見つけ、「しごと」にぴったりと合った「つくり」を選ぶことができる。

(3)指導について

第一次では、「はたらくくるま」の歌を聞き、様々な自動車に関心をもたせる。その後、指導者が付け

たい力を意識して作成した「じどう車ずかん」のモデルを提示し、学習への意欲を高める。そして、様々

な自動車の写真を用意し、調べたい自動車を選べるようにする。

第二次前半では、教材文を読むときに、「しごと」と「つくり」の部分の違いを明確にするために色を

変えて文章に線を引くようにする。また「しごと」と「つくり」の関係を考える時間を設け、その関係

を理解させる。第二次後半では、関連する図書資料を活用して、関心のある自動車について調べる。児

童が必要な情報を収集できるように関連する図書資料を精選し、集めた情報を整理するための情報カー

ドや自動車のひみつを紹介するためのワークシートを作成する。第三次では、よりたくさんの自動車の

ひみつにふれることができるよう、友達と互いにつくった「じどう車ずかん」を紹介し合う。「しごと」

とそれに関連する「つくり」とのつながりに気を付けながら、自動車のひみつを友達に紹介したり、友

達の見つけたひみつを聞いたりして理解を深められるようにしたい。

次 時 主な学習活動 指導上の留意点

1 ・「はたらくくるま」の歌を聞き、知ってい

る自動車について話し合う。

・「じどう車ずかん」のモデルを見て、イメ

ージをもつ。

・学習計画を作成して単元の見通しをもつ。

・調べたい自動車を決める。

・学習の振り返りをする。

・「はたらくくるま」の歌を準備しておく。

・様々な自動車の写真を準備し、提示でき

るようにしておく。

・様々な自動車の「つくり」を発表し、比

べる。

・付けたい力を明確にした「じどう車ずか

ん」のモデルをつくっておき、紹介する。

・関連する図書資料を活用して様々な自動

車について調べることを伝える。

・「じどう車ずかん」をつくるために必要な

力(課題設定、情報収集・選択、書くな

ど)を確認する。

・関心のある自動車を選べるようにする。

・様々な自動車の「しごと」や「つくり」

に関心をもち、学習に見通しをもてるよ

うにする。(本時で目指す児童の姿)

5 単元の指導計画(全8時間)

・どのじどう車がすきですか?

・それは、なぜですか?

・AとBのじどう車でちがうところ

はどこでしょう?

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29

二 2 ・教材文「じとう車くらべ」を読み、内容の

大体を捉える。

・バスの写真を見て「しごと」とそれに関連

する「つくり」を考える。

・教材文を読んで、バスの「しごと」と「つ

くり」を捉える。

・バスの「しごと」と「つくり」をワークシ

ートにまとめる。

・学習の振り返りをする。

・写真を見ながらバスの「しごと」と「つ

くり」について考えるようにする。

・バスの「しごと」は青、関連する「つく

り」は赤と、叙述に色を変えて線を引く。

・「しごと」と「つくり」を見つけるために

共通する言葉に着目できるようにする。

・「そのために」が「しごと」と「つくり」

をつなげる役目をしていることに気付

けるようにする。

・ワークシートを用意して、バスについて

まとめられるようにする。

・バスの「しごと」や「つくり」を理解し、

バスのひみつを見つけることができる

ようにする。(本時で目指す児童の姿)

・ペアでトラックとクレーン車の「しごと」

とそれに関連する「つくり」に線を引きな

がら教材文を読む。

・線を引いた箇所を発表し、トラックとクレ

ーン車の「しごと」とそれに関連する「つ

くり」について確かめる。

・トラックとクレーン車の「しごと」と「つ

くり」についてワークシートに書く。

・学習の振り返りをする。

・前時の学習を基に「しごと」と「つくり」

の見つけ方を確認する。

・わからない言葉を確認する。

・話し合ったことを全体で交流する。

・「しごと」と「つくり」を見つけるための

ポイントを付け加える。

・関連する図書資料を使って、トラックと

クレーン車の「しごと」や「つくり」に

ついての情報を補う。

・トラックとクレーン車の「しごと」や「つ

くり」を理解しひみつを見つけることが

できるようにする。(本時で目指す児童

の姿)

し→「~のしごとをしています。」

つ→「(つくって)~あります。」

し→「~しごとをしています。」

つ→「~になっています。」

「~つくってあります。」

「~がついています。」

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30

・調べるときの方法やメモの仕方を知る。

・自分が選んだ自動車のひみつを関連する

図書資料を使って調べる。

・学習の振り返りをする。

・調べ学習に適した図書資料を精選し、用

意する。

・一人で調べることが困難な児童のために

お勧めの図書(ページ)を用意する。

・見つけた情報は、付箋を貼ったり、カー

ドにメモしたりする。(「しごと」は青、

「つくり」は赤)

・「じどう車ずかん」をつくるための情報を

集めたり確かめたりすることができる

ようにする。(本時で目指す児童の姿)

・集めた情報を確認する。

・トラックを例に「しごと」にぴったり合う

「つくり」を選ぶ。

・自分が調べた自動車の「しごと」に関わる

「つくり」を二つまでに絞る。

・学習の振り返りをする。

・前時に集めた情報を確認する。

・トラックの「つくり」を五つ用意し、そ

の中から「しごと」にぴったり合うもの

を二つ選ぶようにする。

・グループで話し合って決める。

・「つくり」を選ぶときの条件を確認する。

・集めた情報から「しごと」にぴったり合

う「つくり」を考え、二つまで選ぶよう

にする。

・自動車の「しごと」と「つくり」の関係

を理解し、「しごと」に合った「つくり」

を選ぶことができるようにする。(本時

で目指す児童の姿)

・前時の学習で絞り込んだ、自分が調べた自

動車の「しごと」に関わる「つくり」を、

カードにメモする。

・学習の振り返りをする。

・「しごと」と区別するため、赤の情報カー

ドを用意する。

・「じどう車ずかん」をつくるための情報を

集めたり確かめたりできるようにする。

(本時で目指す児童の姿)

・選んだ情報を確認する。

・選んだ情報を並べて、再度ぴったりと合

っているかを確認し合う。

自動車のひみつを見つけよう。

①どんな「しごと」をしているのだろう?

②そのために、どんな「つくり」になって

いるのだろう?

「しごと」にぴったり合った「つくり」

を選ぼう。

(本時)

集めた「しごと」と「つくり」を使っ

て「じどう車ずかん」を書こう。

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31

6 本時の指導(5/8時間目)

(1)本時の目標

「しごと」にぴったり合った「つくり」を選ぶことができる。(情報ア、書くことア、読むことウ)

(2)本時の指導過程

・自動車の「しごと」と「つくり」を書く。

・学習の振り返りをする。

・教材文の形式を基に、自動車の「しごと」

と「つくり」を書くように指導する。

・追加することがあれば写真の部分に書き

足すようにする。

・「じどう車ずかん」をつくるために、伝え

たいことを明確にして書くことができ

るようにする。(本時で目指す児童の姿)

三 8 ・発表の仕方を知る。

・「じどう車ずかん」を紹介し合い、感想を

伝え合う。

・単元を通して学んだことを観点別に振り

返る。

・指導者がモデルとなり、「じどう車ずか

ん」の発表の仕方を確認する。

・様々な自動車のひみつを見つけられるよ

うにペアを交代して紹介し合う。

・つくった「じどう車ずかん」を見合い、

よかった点等を伝え合う。

・振り返りのプリントを用意し、学んだこ

とを観点別に振り返る。(本時で目指す

児童の姿)

主な学習活動等 指導上の留意点

1 単元のゴールと前時までの学習を振り返り、本

時のめあてを確認する。

2 トラックを例にして「しごと」にぴったり合う

「つくり」についてグループで話し合う。

・「しごと」と「つくり」に関する情報カー

ドがいくつ見つかったか確認する。

・「じどう車ずかん」に書く「つくり」に関

する情報を選ぶことを伝える。

・指導者が写真を見て気付いたという設定

で、「しごと」と関係のない「つくり」を

短冊で提示する。

・グループごとに、ワークシートに○か×を

書き込み、理由を発表できるようにする。

〈本時のめあて〉「しごと」にぴったりの「つくり」をえらぼう。

〈しごと〉大きなものやたくさんのにもつを

はこぶしごとをしています。

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3 グループで話し合ったことを、全体で発表す

る。

○ハンドルやヘッドライトはどのじどう車にも

ついているから、入れなくてもいいと思いま

す。

○他の車よりミラーの数は多いけれど、トラック

の「しごと」に関係ないから入れませんでした。

・トラックの「つくり」について、教材文に

選ばれた情報とそうでないものの違いを

比較する。

・トラックの「しごと」と「つくり」の関係

を理解できるようにする。

4 「つくり」を選ぶときの条件を確認する。

5 自分が選んだ自動車で、「じどう車ずかん」に

書く「つくり」に関する情報を選ぶ。

→「しごと」にぴったりな「つくり」はどれだろ

う。

6 本時の学習を振り返り、次時の学習課題を見つ

ける。

→次の時間は、自分が選んだ「しごと」にぴった

りな「つくり」を使って図鑑を書こう。

・「つくり」を選ぶときの条件を二つにまと

めて示す。

①「しごと」をするための「つくり」を選

ぶ。

②他の自動車にはない「つくり」を選ぶと

驚きがある。

・自分で選べない児童には、グループの友達

に相談するように促したり指導者が助言

をしたりする。

・「しごと」にぴったりと合った「つくり」

を選ぶことができるようにする。(本時で

目指す児童の姿)

〈つくり〉①ひろいにだい

②かっこいいはしご

③サイドミラー

④ヘッドライト

⑤たくさんのタイヤ

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33

7 板書

8 その他

じどう車くらべ

め「しごと」にぴったりの「つくり」をえらぼう。

トラックの写真

各班の考え

「つくり」をえらぶときのポイント

①「しごと」をするための「つくり」

②他のじどう車にはない「つくり」

「つくり」①

「つくり」②

「しごと」

大きなものやたくさんのにもつを

はこぶしごとをしています。

たくさんのタイヤ

おもいにもつをのせ

るために、タイヤが

たくさんついていま

す。

ひろいにだい

うんてんせき

のほかは、ひろ

いにだいにな

っています。

ヘッドライト

くらいときでもはし

れるように、ヘッド

ライトがついていま

す。

かっこいいはしご

車の上にのぼれる

ように、はしごがつ

いています。

サイドミラー

よこやうしろがよく

みえるように、サイ

ドミラーがついてい

ます。

指導者の「じどう車ずかん」のモデル

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実践事例2 第3学年

1 単元名 「食べ物へんしんタワー」をつくろう

~食べ物の加工の仕方を調べて、家の人に報告しよう~

教材 「すがたをかえる大豆」「食べ物のひみつを教えます」(光村図書 三下)

食べ物に関連する図書資料

2 単元の指導目標

段落相互の関係に着目しながら、考えや事例、さらにその関係等について理解し、文章中から捉える

ことができる。また考えや事例を明確にしたり書き表し方を工夫したりして、「食べ物へんしんタワー」

にまとめることができる。(言葉カ、情報ア・イ、書くことウ、読むことア)

3 単元の言語活動の特徴とその設定理由

言語活動として、「食べ物へんしんタワー」をつくって、家の人に紹介することを位置付けた。「食べ

物へんしんタワー」とは、教材文「すがたをかえる大豆」で説明されているように、食べものをおいし

く食べるための工夫を、事例として挙げながら説明する五角柱のタワーである。言語活動に取り組むた

めには、まず教材文の段落構成を既習の「始め」「中」「終わり」を活用して理解したり、本文中から書

き手の考えや事例を捉えたりする必要がある。また自分が選んだ食べものを紹介するときに、考えと事

例を明確にしたり、段落の役割を理解し、収集した情報をつないだりしながら書き方を工夫する力が求

められる。したがって「言葉の特徴や使い方に関する事項カ」「情報の扱い方に関する事項ア・イ」「書

くことウ」「読むことア」の資質・能力を育成するのに適切な言語活動であると考えた。

4 単元について

(1)児童の実態

「読むこと」の説明的文章の学習に関しては、5月に教材文「言葉で遊ぼう」と「こまを楽しむ」、関

連する図書資料を使って「わたしが教えます!○○の魅力」という言語活動を通して、段落相互の関係

やそれぞれの内容について捉える力を育成した。また、6月には教材文「気になる記号」を使って、総

合的な学習の時間と関連させながら、グループで報告するために必要な事柄について調べた。そして、

7月には教材文「里山は、未来の風景」を使って、事典や図鑑の見方や目次を使って調べる方法、文章

のまとまりや中心となる部分を見つける力を育成した。そこで本単元では伝えたいこと(考え)と食べ

物をおいしくする工夫(事例)との関係について、教材文や関連する図書資料の叙述から捉えたり整理

したりしながら理解を深める学習に取り組みたい。

(2)教材について

教材文「すがたをかえる大豆」は、昔の人々の大豆を食事に取り入る知恵のすばらしさを、おいしく

食べる工夫を挙げながら説明する文章である。筆者の伝えたいこと(考え)と食べ物をおいしくする工

夫(事例)を捉え、段落相互の関係に着目させ、その関係について理解することが必要である。その際、

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教材文の叙述を基に考えや事例を捉えられるようにしたり、接続語の働きについて理解したりできるよ

うにすることが求められる。

(3)指導について

第一次では,児童の関心を引き出すために、牛乳が他の食品に姿を変えた例を提示する。また、単元

のゴールのイメージがもてるように、付けたい力を意識して指導者が作成した「食べものへんしんタワ

ー」のモデルを提示する。そして「食べ物へんしんタワー」をつくるためには、どのような力を付ける

ことが必要か、児童たちと話し合い、一緒に学習計画を立てる。そうすることで、児童が学習の必然性

をより感じることができると考える。また学習の始まりと同時に、姿を変えていく食べ物に関する図書

資料を教室に置き、関連する読書を進めていく。

第二次では、まず指導者が「食べものへんしんタワー」のモデルを作成するときに書いた文章「へん

しんするたまねぎ」から構成をつかむ。そして教材文を使って書き方を理解した後、自分で選んだ食べ

物について、加工の仕方や工夫について説明できるようにする。そうすることで、児童が学んだことを

生かして、自分が選んだ食べ物が変身していく様子を書きまとめることができると考える。具体的には、

「始め」の部分に自分が選んだ食材とその特徴等、「中」に加工の工程と加工後の食品について、「終わ

り」にまとめの文と感想等を書くようにする。

5 単元の指導計画(全13時間)

次 時 主な学習活動 指導上の留意点

1 ・「食べ物お仲間クイズ」で、同じ材料か

らつくられるものを見つけ、教材や言

語活動に対する関心を高める。

・教材文「すがたをかえる大豆」を読み、

姿が変わったところに線を引きながら

読み、発表し合う。

・姿を変える食べ物について「食べ物へ

んしんタワー」にまとめ、おうちの人に

紹介することを知る。

・学習の振り返りをする。

・牛乳が他の食品に姿を変えたものをいくつ

か提示し、児童の興味を引き出す。

・「いる」「ひく」「にる」等、調理に関する用

語の語彙を増やすために、予習として意味調

べに取り組めるようにする。

・単元のゴールのイメージがもてるように、指

導者がつくったモデルを提示する。

・食べ物に関連する図書資料を用意し、児童が

気軽に手にとれる環境にしておく。

・様々な食品に変わる大豆に興味をもち、進ん

で教材文「すがたをかえる大豆」を読めるよ

うにする。(本時で目指す児童の姿)

2 ・指導者のモデル「へんしんするたまね

ぎ」を読む。

・学習計画を立てる。

・指導者のモデルを基に単元のゴールに向か

うには、どんな学習活動が必要か、どんな力

を付けることが必要かを明らかにする。

・「食べ物へんしんタワー」をつくるために必

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・紹介したい食べ物を決定し、関連する図

書資料の使いたいページに自分の名前

を書いた付箋を貼る。

・学習の振り返りをする。

要な学習活動を確認する。

・付箋が重なっている本があれば、コピーして

おく。

・学習計画を児童自らが立てることで、学習の

必然性を感じたり見通しがもてたりできる

ようにする。(本時で目指す児童の姿)

二 3

・指導者のモデル文「へんしんするたまね

ぎ」を読み、文章の構成の大体を捉える。

始め:材料の説明、話題の提示

中:おいしく食べる工夫、食品例

終わり:全体のまとめ

・教材文を読み、文章の構成の大体を捉

え、筆者が伝えたいことを読み取る。

・「食べ物へんしんタワー」で、おうちの

人に伝えたいことを考える。

・学習の振り返りをする。

・「言葉で遊ぼう」の学習を想起させ、文章を

大きく三つ(始め・中・終わり)に分けられ

るようにする。

・それぞれの文章には何が書かれているのか

を全体で共有する。

・「始め・中・終わり」の役割を考える場を設

け、伝えたいことを伝えるために事例を挙げ

ていることを理解できるようにする。

・全文掲示をすることで、視覚的に段落のつな

がりを理解しやすくする。

・「へんしんするたまねぎ」で学習したことを

使って、教材文の構成を捉える。

・考えと事例を中心に、文章の組立て方につい

て理解できるようにする。(本時で目指す児

童の姿)

4 ・指導者のモデル文を読み、「始め」の部

分に何が書かれているかをつかむ。

・教材文「すがたをかえる大豆」の「始め」

の部分を読み、「大豆の説明」「話題の提

示」を捉える。

・練習用の「大豆へんしんタワー」の「始

め」の部分を書く。

・学習の振り返りをする。

・「大豆の説明」「話題の提示」にあたる部分に、

それぞれ色を変えて線を引く。

・説明する文章に必要な観点を、叙述を基に捉

えることができるようにする。

・選んだ情報が適切かを全体で確認してから、

文章にできるようにする。(本時で目指す児

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童の姿)

5 ・自分が選んだ食べ物について、関連する

図書資料の中から、「食べ物の説明」「話

題の提示」に使える情報を見つけ出し、

付箋を貼る。

・自分が選んだ食べ物について「始め」の

部分を組立てシートに書く。

・学習の振り返りをする。

・選んだ情報が食材の説明として適切かにつ

いて、4人グループで確認する。

・「食べ物へんしんタワー」の文章を下書きす

る組立てシートを準備する。

・「食べ物へんしんタワー」の「始め」の部分

について、適切な情報かを理解して書けるよ

うにする。(本時で目指す児童の姿)

6 ・指導者のモデル文を読み、「中」の部分

に何が書かれているかをつかむ。

・教材文「すがたをかえる大豆」の「中」

の部分を読み、「おいしく食べる工夫」

「食品」「よさ」について捉える

・線を引いた箇所について話し合い、情

報シートで情報を整理する。

・書き表し方の工夫について考える。

・学習の振り返りをする。

・各段落に共通して書かれている内容が、「お

いしく食べる工夫」「食品」「よさ」の三つの

項目に整理できることを知り、それぞれ色を

変えて線を引く。

・三つの項目に当たる部分にそれぞれ色を変

えて線を引く。

・モデル文とは違い、教材文では、「よさ」は

後にまとめて書かれていることをおさえ

る。

・情報を「おいしく食べる工夫」と「食品」に

分類できる情報シートを準備する。

・一つの段落に、おいしく食べる工夫(事例)

と食品(具体例)を挙げ、わかりやすく説明

していることや、接続語で順序よくつなげて

いること等を押さえる。

・食べ物をおいしくする工夫(事例)について、

考えとの関係や段落相互の関係に着目しな

がら読めるようにする。(本時で目指す児童

の姿)

・自分が選んだ食べ物の加工工程に関す

る情報を集めて付箋に書き、情報シー

トに分類する。

・付箋に書き込んだ情報を、情報シートで「お

いしく食べる工夫」「食品」「よさ」の三つの

項目に整理する。

・情報を付箋に書くことで、次の時間に並び替

えられるようにしておく。

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・学習の振り返りをする。 ・情報シートを使って、適切な事例を集め、項

目を意識して情報を整理できるようにする。

(本時で目指す児童の姿)

・教材文「すがたをかえる大豆」を読み、

事例が書かれている順番の工夫につい

て話し合う。

・自分が選んだ食べ物について、理由を明

確にして書く順番を決める。

・グループで共有し、必要に応じて書く順

番を変える。

・学習の振り返りをする。

・まず、指導者のモデル文から、事例の順番を

読み取り、教材文「すがたをかえる大豆」の

事例の順番を読み取る。そうすることで、事

例の順番について具体的なイメージをもつ。

・紹介文で書く順番を決めたら、その順番に付

箋を貼り直し、理由を書くようにする。

・伝えたいことが伝わる構成になっているか、

共有し、確認するようにする。

・自分が選んだ食べ物の事例を、書く目的や自

分の考えに沿って構成を考えることができ

るようにする。(本時で目指す児童の姿)

10 ・自分が選んだ食べ物について、「食べ物

へんしんタワー」の「中」の部分を書く。

・学習の振り返りをする。

・前時の情報シートを参考にしながら、組立て

シートの「中」を書く。

・情報シートの「中」の部分には、それぞれ順

序を表す言葉を書き入れるようにする。

・「食べ物へんしんタワー」の「中」の部分に

ついて、つなぎ言葉を使い、事例を明確にし

ながら自分が選んだ食品の加工工程を書け

るようにする。(本時で目指す児童の姿)

11 ・指導者のモデル文を参考に、自分が選

んだ食べ物について「終わり」の部分を

完成させる。

・互いの組立てシートを読み合う。

・学習の振り返りをする。

・「食べ物へんしんタワー」の「終わり」の部

分について、目的や自分の考えと事例のつな

がりを意識して書けるようにする。

・考えと事例のつながりや主述の関係、字の間

違い等、文章の間違いを正したり、よりよい

表現に書き直したりできるようにする。(本

時で目指す児童の姿)

12 ・清書し、「食べ物へんしんタワー」を完

成させる。

・五角柱のための画用紙と組立てシートのコ

ピーを準備しておく。

・画用紙を折ってつくった五角柱の側面に組

(本時)

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・学習の振り返りをする。

立てシートの各段落を貼って、タワーにす

る。

・これまでの学習を踏まえて、「食べ物へんし

んタワー」が完成できるようにする。(本時

で目指す児童の姿)

三 13 ・互いの「食べ物へんしんタワー」を紹

介し合う。

・単元を通して学んだことを観点別に振

り返る。

・自分が調べた食べ物について、友達に(家で

はお家の人に)伝えられるようにする。

・観点別振り返りシートを準備し、項目ごとに

読み上げながら、自己評価できるようにす

る。(本時で目指す児童の姿)

6 本時の指導(9/13時間目)

(1)本時の目標

「食べ物へんしんタワー」の「中」を書くために、目的や自分の伝えたいことに沿って、選ん

だ食べ物の事例を書く順番を考えることができる。(情報ア、書くことウ)

(2)本時の指導過程

主な学習活動等 指導上の留意点

1 前時を振り返り、本時のめあてを確認する。

2 教材文「すがたをかえる大豆」を読み、事例

の順番について、なぜこの順番なのかを話し

合う。

○形がどんどん変わっていっているよ。

○そのままの形から、ちがう食品になってい

る。

○目に見えない小さな生物の力をかりている

ものもあるよ。

3 自分が選んだ食べ物の事例を書く順番につ

いて、理由を踏まえて、適切な順番に並び替え

る。

・ワークシートを見返したり、掲示物を確認した

りして、前時の学習を振り返る。

・組立てシートの「中」の部分を書くために、適

切な事例の順番を考えることを確認し、活動

の見通しをもてるようにする。

・教材文「すがたをかえる大豆」では、①その形

のままのもの②形をかえたもの③ちがう食品

にするもの④目に見えない力をかりてちがう

食品にするもの⑤時期や育て方、の順で載っ

ていることを押さえる。

・情報シートの付箋を並べ替える。

・教科書の本文の言葉や関連する図書資料の言

葉に着目するように促す。

〈本時のめあて〉しょうかいするじゅん番のひみつを見つけて、自分のタワーにいかそう。

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○どのような順番にしようかな。

○よく食べる順番で書こうかな。

○読みやすくなるように、みんながよく知っ

ている順番で書いたほうがいいかな。

4 グループでそれぞれの考えを共有する。

○私はよく食べる順番にしたよ。

○こっちの並び方のほうがわかりやすいよ。

5 学習を振り返る。

・選んだ順番の理由を明確にできるようにする。

・自分が伝えたいことに沿った組立てができて

いるか考えるように促す。

・自分が選んだ食べ物の事例を、目的や自分の考

えに沿って組み立てることができるようにす

る。

・共有したことで自分の学びが深まったことを

自覚できるような振り返りにする。

・自分が選んだ食べ物の事例を、目的や自分の考

えに沿って組み立てることができるようにす

る。(本時で目指す児童の姿)

7 板書

食べ物へんしんタワーをつくろう

しょうかいするじゅん番のひみつを

見つけて、自分のタワーにいかそう。

・いちばんわかりやすいのは?

に豆

黒豆

きなこ

・大切なえいようだけを取り出して

とうふ

・目に見えない小さな生物の力をかりて

なっとう

みそ

しょうゆ

・とり入れる時期や育て方

えだ豆

もやし

どんな順番で書かれているのだろう?

形がどんどん変わっている

おどろきが大きくなるように

形がどんどんかわる ちがう食品

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8 その他

児童の「食べ物へんしんタワー」

指導者の「食べ物へんしんタワー」のモデル文(組立てシートを使って)

情報シート

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実践事例3 第4学年

1 単元名 4の2おなやみ相談所

~色の効果を活用して、「おなやみ解決カード」を書こう~

教材 「色さいとくらし」(東京書籍 四上)、色の効果に関連する図書資料

2 単元の指導目標

悩みを解決するため、考えと事例の関係を理解し、色の効果に関する情報を捉えたり集めたりしなが

ら、それらを関連させて「おなやみ解決カード」を書くことができる。(情報ア・イ、読むことア)

3 単元の言語活動の特徴とその設定理由

言語活動として、「色の効果を活用して、おなやみ解決カードを書く」ことを位置付けた。「おなやみ

解決カード」とは、日頃お世話になっている先生の悩みを解決するために「おすすめの色」と「それを

選んだ理由(色の効果)」で構成されたものである。解決策を書くためには、教材文や関連する図書資料

から色の効果に関する情報を見つけたり、悩みと関連させて解決策を紹介する文章を書いたりする必要

がある。したがって、「情報の扱い方に関する事項ア・イ」「読むことア」の資質・能力を育成するのに

適切な言語活動であると考えた。

4 単元について

(1)児童の実態

前回の読む単元では、教材文「ヤドカリとイソギンチャク」で、問いと答えを整理しながら文章のま

とまりをとらえた。そして同じ構成で、共生生物についての「助け合いリーフレット」をつくるという

言語活動を設定した。その中で、始め・中・終わりの構成の中に、問いと答えが繰り返し出てくること

を見つけながら読む力や、関連する図書資料やインターネットから必要な情報を捉え、要約する力を育

成した。そこで本単元では、自分の考えの理由となる情報を見つけて、それを使って自分の考えを説明

できるようにしたい。

(2)教材について

教材文「色さいとくらし」では、色の効果とそれが私たちの暮らしに与える影響について説明されて

いる。そこで、それらを関連させながら読むことが求められる。それに加え、色の効果について書かれ

た図書資料を用意し、児童が自分の解決したい課題に合わせて必要な情報が見つけられるようにする。

(3)指導について

主体的な読みを引き出すため、導入では身近なマークや記号を使って「クイズ大会」を開き、色の効

果に興味をもたせてから教材文を読めるようにする。また担任や日頃お世話になっている先生からおな

やみ相談があるという設定で具体例を出して、言語活動へのイメージをもてるようにする。

「おなやみ解決カード」は下書きの段階で班ごとに検討会を開き、色の効果が課題の解決に結び付く

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ものになっているか等、「読むこと」の観点で評価し合う。両者がうまく結び付いていない例を見せた

り、相互評価の項目を事前にルーブリックで示したりするなど、付けたい力の育成につなげる。清書後

は、先生に「おなやみ解決カード」を渡し、返事をいただくことで意欲につなげる。

5 単元の指導計画(全8時間)

次 時 主な学習活動 指導上の留意点

一 1

・身の回りにあるマークや記号を用いて色ク

イズ大会を行う。

・教材文「色さいとくらし」を読んで、色に

は様々な働きがあり、その効果を使うこと

で、いろいろな課題が解決できることを実

感する。

・担任や日頃お世話になっている先生の悩

み相談に乗ることを知り、活動のイメージ

をもつ。

・学習計画を作成して単元の見通しをもつ。

・学習の振り返りをする。

・家庭学習で意味調べを行い、教材文読解へ

の導入がスムーズになるようにしておく。

・身近にある色の効果が感じられる事例を収

集しておき、写真資料として提示できるよ

うにしておく。

・先生からもたくさんの悩みが届いているこ

とを伝える。

・色の効果を使って、お悩み相談所を開くこ

とを提案する。

・自分たちの身近な人からのお悩み相談に乗

るという課題を設定することにより、児童

の意欲を高める。

・色の効果に関連する図書資料を用意し、児

童が気軽に手に取れる環境にしておく。

・色の効果に興味をもち、学習に見通しがも

てるようにする。(本時で目指す児童の姿)

二 2

・教材文「色さいとくらし」を読んで、序論

-本論-結論で構成されていることをつ

かむ。

・色の効果とそれが活用されている 事例に

線を引きながら読み、表に整理する。

・「おなやみ解決カード」のモデルを見て、

つくるときのポイントをルーブリックで

・色の効果とその事例について簡潔に整理し

ながらまとめることで「読み」に困難をも

つ児童の支援をする。

・「事例」の意味と、教材文ではどの部分が

それに当たるかを押さえる。

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確認する。

・学習の振り返りをする。

・教材文と同様に、考え(おすすめの色)と理

由(色の効果)という構成で書くことを伝

え、活動のイメージをもてるようにする。

・筆者の考えと色の効果を、叙述を基に捉え

ることができるようにする。(本時で目指

す児童の姿)

・他の先生の悩みを解決するためのおすすめ

の色(キーワード)を予想する。

・予想したおすすめの色(キーワード)を目

次から探す等して、関連する図書資料から

必要な情報を集める。

・学習の振り返りをする。

・全体でおすすめの色を予想し、情報を探し

やすくする。

・目次・索引の活用の仕方等、既習事項を確

認する。

・見つけた情報はシートにメモし、参考にし

た資料名をシートの下部に書くように促

す。

・悩みの解決策と色の効果を関連させて理解

できるようにする。(本時で目指す児童の

姿)

・集まった情報から、悩みの解決にふさわし

いものを選ぶ。

・色の取り入れ方を考えて「おなやみ解決カ

ード」の構成を考える。

・学習の振り返りをする。

・情報を比較して課題解決に適した情報を選

ぶ方法を学べるようにする。

・考え(おすすめの色)と理由(色の効果)

という構成を意識できるワークシートに

選んだ情報(付箋)を貼るように促す。

・情報を比較、分類しながら、課題解決に必

要な情報を見分けることができるように

する。(本時で目指す児童の姿)

7 ・グループごとに考えた構成を伝え合い、ル

ーブリックに沿って相互評価し合い、修正

を加えて清書する。

・学習の振り返りをする。

・両者がうまく結び付いていない例を示すな

ど、ルーブリックの中でも、「色の効果が

課題の解決に結び付くものになっている

か」という項目に重点を置く。

・これまでの学習を踏まえ、「おなやみ解決

カード」を書くことができるようにする。

(本時で目指す児童の姿)

先生:新車を買いたい。かっこいいイメー

ジの色は、何がおすすめですか?

予想(キーワード):赤、緑

赤:人の目を引き付ける

緑:安全

→ 赤がおすすめ

(本時)

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45

三 8 ・清書をした「おなやみ解決カード」を用い

て、学級全体で交流会を行う。

・「おなやみ解決カード」を先生に届ける。

・単元を通して学んだことを振り返る。

・互いの作品を読み合い、今後の生活に活用

したいと思ったカードを紹介し合う。

・学習計画を見ながら自分の学びを振り返る

ことができるようにする。(本時で目指す

児童の姿)

6 本時の指導(6/8時間目)

(1)本時の目標

情報を比較、分類しながら、課題解決に必要な情報を見分けている。(情報イ、読むことア)

(2)本時の指導過程

主な学習活動等 指導上の留意点

1 前時を振り返り、本時のめあてを確認する。

2 集めた情報とルーブリックを見比べて、足り

ない情報を確認する。

→本当にぴったりの情報が見つかったのか、確

認しよう。

○お悩み解決にぴったりな色が見つかっていな

いな。交流会で情報を集めよう。

○自分はこの色の効果を使いたいな。

○悩みの解決にふさわしいか、友だちに相談し

よう。

3 集めた情報について共有する。

→まずは自分がほしい情報を増やそう。

○こちらの効果のほうが、そのおなやみ解決に

ふさわしいと思うよ。

→増やした情報の中から、使いたいと思う情報

を決めよう。

○これはどの本で調べたのだろう。友達に確認

したいな。

→使いたい情報について友達に確かめよう。

○この情報は自分と違うな。もう一度本を見て

・ルーブリック(評価基準)で、できたものに○

を付けて自己評価させることで、現在の課題を

明確にする。

・考え(おすすめの色)と理由(色の効果)とい

う構成を意識させ、しっかり情報が集まってい

るか確認する。

・悩みの解決に合わない色の効果が組み合わされ

た「おなやみ解決カード」を見せて、他のどの

事例がよいかを考えられるようにする。

・共有は「足りない情報の収集」「おなやみ解決

にぴったりの効果か」の2点に絞り、目的を明

確にする。

・共有によって付け足す情報は付箋(青)に書い

て情報を整理しやすくする。

・友だちの情報と比較しながら、いつでも教材文

や図書資料で調べられるように環境を整えて

おく。

〈本時のめあて〉おなやみ解決にぴったりな おすすめの色とその理由を選ぼう。

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46

みよう。

4 色の効果を考えて「おなやみ解決カード」に

使う情報を決定する。

5 自分の選んだ情報を、ルーブリックを使って

評価し、次時の学習へとつなげる。

→1回目のチェックより評価は上がっている

かな?

・考え(おすすめの色)と理由(色の効果)とい

う構成を意識できるワークシートに選んだ情

報(付箋)を貼れるようにする。

・付箋を用いることで何度も書き写す必要をなく

し、「書く」ことに困難をもつ児童への支援と

する。

・情報を比較、分類しながら、課題解決に必要な

情報を見分けることができるようにする。(本

時で目指す児童の姿)

7 板書

8 その他

4の2おなやみ相談所

めあて

おなやみかい決にぴったりな色

とその効果を選ぼう。

◎ルーブリック

◎共有のめあて

・足りないじょうほう

・付け足しじょうほう

を集める。

・・・ふせん

・本当にぴったりな理由と例えになって

いるかかくにんする。

ほしいじょうほうを増やす

使いたいと思うじょうほうを決める

使いたいじょうほうについてたしか

める

本を見てもう一度かくにんする

おすすめの色を決定

拡大掲示

指導者の「おなやみ解決カード」

のモデル

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47

実践事例4 第4学年

1 単元名 4の2「和と洋」案内係

~和と洋を比べて、そのよさを伝える「和と洋リーフレット」をつくろう~

教材 「くらしの中の和と洋」(東京書籍 四下)、くらしの中の和と洋に関連する図書資料

2 単元の指導目標

中心となる語や文に注目して自分たちの身近な暮らしの中にある「和」と「洋」に関する情報を集め

て、それらを要約したり比較、分類したりしながら伝えたいことを明確にし、自分の考えや感想を交え

て「和と洋リーフレット」を書くことができる。(情報ア・イ、書くことア、読むことウ・オ)

3 単元の言語活動の特徴とその設定理由

言語活動として、くらしの中にある「和」と「洋」を比べて、「和と洋リーフレット」をつくることを

位置付けた。「和と洋リーフレット」とは、外国語指導助手(以下、「ALT」という。)に「和」と「洋」

のそれぞれの違いとよさを伝えることを目的とした三つ折りのリーフレットである。これを作成するた

めには、暮らしの中にある「和」と「洋」について、教材文を始めとした図書資料から、中心となる語

や文に注目して必要な情報を集め、それらを要約したり、比較、分類したりしながら伝えたいことを明

確にし、自分の考えや感想を交えて、書きまとめる必要がある。したがって、「情報の扱い方に関する事

項ア・イ」「書くことア」「読むことウ・オ」の資質・能力を育成するのに適切な言語活動であると考え

た。

4 単元について

(1) 児童の実態

前回の説明的文章の単元では、教材文「色さいとくらし」を使って、色さいの効果と事例を挙げなが

ら先生の悩みを解決するために「お悩み解決カード」をつくるという学習を行った。その中で、関連す

る図書資料から自分の考えの根拠となる情報(効果と事例)を読み取り、その中からお悩み解決に適し

ている情報を選択する力を育成した。これを受け、本単元では、関連する図書資料から収集した自分の

考えの根拠となる情報を選択するだけでなく、同じカテゴリーの中で比較、分類しながらそれぞれの違

いとよさについて考え、伝えたいことをより明確にして説明できるようにしたい。

(2) 教材について

教材文「くらしの中の和と洋」は、日本古来からあるもの(「和」)と外国の文化を取り入れたもの(「洋」)

の、両方のよさがくらしの中でどのように生かされているのかについて説明した文章である。児童にと

って身近な「住」に話題を絞り、「和」と「洋」の対比を中心にして具体例を挙げたり、順序に沿って述

べたりしながら段落が展開している。この教材文をモデルとし、「衣」「食」へと視点を広げ、「和と洋リ

ーフレット」をつくることができるようにする。

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(3)指導について

次の3点を工夫する。

1点目は、主体的な読みを引き出す工夫である。ALT に「和」と「洋」の違いとよさを伝えるために、

「和と洋のリーフレット」をつくることを単元のゴールとすることで、学習の目的を明確にする。「和と

洋リーフレット」が完成した後には、友達同士で「いいね」シールを貼り合ったり、ALT にお気に入り

を選んでもらったりすることで児童の活動意欲につなげる。単元の始めには、指導者の作成したモデル

を紹介することで、児童が単元や教材に対する関心を高め活動のイメージをもてるようにする。また、

単元の導入では「これは和?洋?クイズ」を行い、現在の自分たちの暮らしの中には様々な「和」と「洋」

が入り交じっていることに気付かせ、自分の住まいに目を向けてから教材文の読みに入れるようにする。

2点目は、比較や分類の仕方を学ぶことである。具体的に、リーフレットをつくるための手立てとし

て、マトリックス表を使って「和」と「洋」を比較し、分類する。児童は教材文や図書資料からたくさ

んの情報を集めるため、その情報を整理することが必要であり、この手立てが有効だと考えた。

3点目は、児童が自覚的に学びを進める工夫をすることである。児童と一緒に学習計画を立てること

で、毎時間がリーフレットをつくるのに必要なことを学ぶ時間なのだと自覚できるようにする。また、

自己評価の事項を事前にルーブリックとして児童に示すことで、「活動から評価」という流れをつくり、

児童が自己評価しながら学びを進めることができるようにする。

5 単元の指導計画(全12時間)

次 時 主な学習活動 指導上の留意点

一 1

・「これは和?洋?クイズ」を行い、「和」と

「洋」の違いに気付く。

・教材文「くらしの中の和と洋」を読み、和

と洋について説明されている内容を捉え

る。

・「くらしの中の和と洋リーフレット」をつく

るという単元のゴールを知る。

・学習計画を立て、付けたい力(単元のゴー

ルまでに必要なこと)について考え、見通

しをもつ。

・写真を用意することで、視覚的に捉えやす

くする。

・「自分たちの暮らしの中にある和と洋」が題

材となっているクイズを行い、教材文を身

近に感じながら読み進めることができる

ようにする。

・クイズの後、和と洋がどんな基準で分けら

れているのか予想することで目的をもっ

た読みにつなげる。

・教材文から読み取った基準は、今後の活動

がその基準からずれてしまわないよう掲

示をしておく。

・指導者のモデルを提示し、学習へ見通しを

もてるようにする。

・「くらしの中の和と洋」に関連する図書資料

をいつでも手に取れる環境を整える。

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・学習の振り返りをする。 ・暮らしの中の和と洋の特色や違いに関心

をもち、学習計画を立てることができるよ

うにする。(本時で目指す児童の姿)

二 2 ・「和室」と「洋室」にどのような違いやよさ

があるかを予想し、全体で共有する。

・和室と洋室のそれぞれの特徴に線を引きな

がら教材文「くらしの中の和と洋」を読む。

・それぞれの部屋の特徴を全体で共有しなが

ら、付箋に書いていく。

・学習の振り返りをする。

・家庭学習で意味調べを行い、教材文の読み

がスムーズになるようにしておく。

・イメージがしやすいように、教材文の写真

を掲示する。

・和室の特徴には赤、洋室の特徴には青で線

を引きながら教材文の全文を読む。

・付箋に書くようにすることで、次時の活動

につなげる。

・「和室」と「洋室」の違いやよさを捉えなが

ら教材文を読むことができるようにする。

(本時で目指す児童の姿)

3 ・教材文「くらしの中の和と洋」の「たたみ

といす」の部分で、比較の仕方を学ぶ。

・前時で書いた付箋を観点別に比較、分類し

ながら整理する。(個人→ペア→全体)

・「対」にした「和」と「洋」の特徴を見なが

ら、比較の観点を考える。(個人→グルー

プ)

・「和」と「洋」の特徴やよさについて、自分

の考えをもつ。

・学習の振り返りをする。

・次時の活動を意識できるように、自分が調

べたいものを考えながら、学習を進めるよ

うに働きかける。

・前時に出た部屋の特徴を付箋に書き、黒板

上で自由に動かせるようにしておく。

・マトリックス表を用意して比較しやすく

する。

・比較する時は「和」と「洋」を「対」にし

て比べるとよいことに気付けるようにす

る。

・できたペアに名前を付けるように促す。

・情報を比較、分類する方法を理解できる

ようにする。

・収集した情報と自分の体験を結び付けて、

自分の考えが形成できるようにする。(本

時で目指す児童の姿)

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4 ・自分が選んだテーマについて調べてきたこ

とを学級全体で共有する。

・ALT に「紹介したい!」というテーマを決

める。

・自分が決めたテーマについて関連する図書

資料を読んで情報収集する。

→使いたい情報には付箋を貼っておこう。

裏には自分の名前を書こう。

・学習の振り返りをする。

・自分が選んだテーマに関する「和」と「洋」

について調べ、学級で共有することによ

り、より多くの視点から自分のテーマを決

められるようにする。

・決定したテーマを掲示板の個人ポケット

に入れておくことで、後の共有をしやすく

する。

・参考となる図書資料のリストをつくって

おき、情報ごとに書名でなくリスト番号を

書かせることで、書くのが苦手な児童の負

担を減らす。

・テーマが広がりすぎてしまわないように、

指導者から大きいテーマを与える。

・目次や索引を使った調べ方等既習事項を確

認する。

・図書資料から、リーフレットに必要な内容

を捉えることと、「和」と「洋」の違いとよ

さについて関連させて理解できるように

する。(本時で目指す児童の姿)

5 ・教材文「くらしの中の和と洋」を読みなが

ら引用の仕方、要約の仕方を学ぶ。

→どの部分に文を「抜き出す技」と「まと

める技」を使っているだろう。

・前時で集めた関連する図書資料の情報を引

用したり要約したりしながら、マトリック

ス表に整理する。

・学習の振り返りをする。

・リーフレットに書く情報の適切な量を考え

るように促し、関連する図書資料の中の文

章では、情報が多すぎるので要約が必要で

あることに気付けるようにする。

・マトリックス表を用意し、引用や要約し

たことを整理しやすくする。

・情報は「対」にしながらマトリックス表に

整理できるようにする。

・自分の考えを述べたり、調べたことを紹介

したりするために、文章の必要な部分を引

用したり要約したりすることができるよ

うにする。(本時で目指す児童の姿)

・自分が見つけた情報を引用したり要約した

りしながらマトリックス表に整理する。

・学習の振り返りをする。

・指導者のモデル(マトリックス表)を見せ、

図書資料からどのように引用したり要約

したりするのかということを全体で確認

し、自分の活動に生かせるようにする。

・自分の考えを述べたり、調べたことを紹介

したりするために、文章の必要な部分を引

(本時)

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用したり要約したりできることと、必要な

情報の書き留め方、引用の仕方を理解して

マトリックス表に整理できるようにする。

(本時で目指す児童の姿)

・収集した情報をマトリックス表に整理した

ものを見ながら、それぞれの情報が「対」

になっているか確認する。

・「対」になっていない情報があれば、図書資

料から新たに探したり、同じテーマの友達

から情報をもらったりして、マトリックス

表を完成させる。

・リーフレットに必要な情報を集めることが

できたか相互評価する。

・学習の振り返りをする。

・比較して伝えるという単元のゴールを再

度意識させ、比較するためには「和」と「洋」

の情報が「対」になっていないといけない

ことを確認する。

・掲示板の個人ポケットで、同じテーマを選

んでいる友達を探す。

・ルーブリックを用いて自己評価、他者評価

を行い、よりよいものにしていく。

・「和」と「洋」の情報を「対」にして集める

ことができるようにする。(本時で目指す

児童の姿)

9 ・指導者のモデルから、要約した情報を文章

にする仕方を学ぶ。

・指導者のモデルを読んで、引用や要約が使

われている部分を読み取り、線を引く。

→引用や要約以外には、どんなことを書い

ているかな。

→どんな構成で書かれているかな?

・教材文から読み取ったことを基に、和室と

洋室を比較して、リーフレットの「住」の

ページを完成させる。

・指導者のモデルを見せて、どのように書く

と相手が読みやすいかを考えられるよう

にする。

・引用は緑、要約はオレンジで線を引くこと

を徹底し、掲示物との色を揃えて活動して

いくことで単元を通して視覚的に支援し

ていく。

・「始め、中、終わり」で構成されていて、最

後には自分の経験を織り交ぜて文章が書

かれていることに気付けるようにする。

・自分の考えをもつことが苦手な児童のため

に、ペアでの活動を取り入れ、考えを深め

られるようにする。

・横罫線のワークシートを、大小何種類か用

意し、情報量に合った大きさのワークシー

トを組み合わせて、文章を構成させる。

・出典を書くと、情報に説得力が生まれる。

・自分が考えたことも書くと、相手に共感

してもらえる。

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6 本時の指導(5/12時間目)

(1)本時の目標

引用や要約の仕方を知り、要点を押さえて情報を整理することができる。(情報イ、読むことウ)

(2)本時の指導過程

主な学習活動等 指導上の留意点

1 前時の学習を振り返り、本時のめあてを確認

する。

→これまでに集めた情報は、全部写すのかな?

○ちょっと多い。

○全部写さなくてもいいのではないかな。

・児童が付箋を貼った図書資料の中から、情報量

の多いものを選んで、全体に見せる。

・情報を整理する技を学ぶ意欲を喚起する。

・学習の振り返りをする。 ・「和」と「洋」の違いやよさについて自分の

考えをもちながら文章を読むことができ

るようにする。(本時で目指す児童の姿)

・前時の学習を生かし、自分が調べた情報を

文章にしながら、リーフレットの自分のテ

ーマのページを完成する。

・学習の振り返りをする。

・前時の学習を振り返り、リーフレットの文

章の構成を確認することで、スムーズに書

く活動に入れるようにする。

・調べたことを基に「和」と「洋」を比較し

ながら、理由や事例を挙げたり、出典の示

し方を理解して、「和と洋リーフレット」を

書いたりできるようにする。(本時で目指

す児童の姿)

三 ・「和と洋リーフレット」を友達と共有し、友

達に「いいね!」ポイントを伝える。

・単元を通して学んだことを振り返る。

・友達と互いの作品を読み合い、自分たちの

暮らしの中にはたくさんの「和」と「洋」

があり、違いやよさがあることに気付ける

ようにする。

・振り返りに引用や要約に関する言葉が入る

ようにする。

・ルーブリックを用いて自己評価、他者評価

を行い、単元を通した自分の活動のまと

め、学んだことを振り返るように指導す

る。

・友達と「和と洋リーフレット」の内容を共

有し、「和」と「洋」の違いやよさに気付き、

自分の考えを広げることができるように

する。(本時で目指す児童の姿)

10

11

12

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2 教材文「くらしの中の和と洋」の「和室と洋

室でのすごし方について」の部分を読んで、文

を「抜き出す技」と「まとめる技」を知る。

→教材文を読んで、「文を抜き出す技(引用)」

を使っている部分に線を引こう。引用すると

きの決まりはあるかな?

○ページが書いてある。

○かぎかっこを使っている。

→筆者はなぜその文を引用したのだろう。

○伝えたいことだから。

○次の文は例が書いてあるから。

→教材文を読んで、「文をまとめる技」を使って

いる部分に線を引こう。要約するポイントは

何かな?

○大切な言葉を使って文を短くしている。

○具体例を挙げるとわかりやすいこともある

ね。

3 自分が選んだ情報から中心となる語や文を

見つけて、マトリックス表にまとめていく。

→情報の中から自分が一番伝えたいことは何

だろう。

→「違い」や「よさ」について「対」になるよ

うに情報を整理していこう。

4 本時の学習を振り返り、次時の学習へとつな

げる。

・教材文を拡大して黒板に貼る。

・引用と要約の言葉の定義とルールを確認する。

・引用と要約の違いをまとめ、使い分ける必要が

あることに気付けるようにする。

・具体例を省いて、段落の要点に当たる部分を引

用していることに気付けるようにする。

・マトリックス表には情報の要点に当たる部分を

書き留めることを確認する。

・書き手が伝えたいことが伝わるかということ

が、書き留める情報を選ぶときのポイントであ

ることを確認する。

・自分の言葉に言い換えたり、情報を付け足した

りすると要約になることを確認する。

・最終的には集めた情報を引用したり要約したり

しながらリーフレットをつくっていくことを

伝え、そのために必要な情報をメモしていくこ

とを意識するように指導する。

・情報を整理しやすくするためにマトリックス表

を使う。

・活動時間が十分に確保できるように、関連する

図書資料が一人ずつ行き渡るよう工夫する。

・自分の考えを述べたり、調べたことを紹介した

りするために、文章の必要な部分を引用したり

要約したりすることができるようにする。(本

時で目指す児童の姿)

〈本時のめあて〉文を「ぬき出すわざ」と「まとめるわざ」を使って、自分に必要な

じょうほうを整理しよう。

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7 板書

8 その他

くらしの中の和と洋

文を「ぬき出すわざ」と「まとめるわ

ざ」を使って、自分が必要なじょうほ

うを整理しよう。

〈文をぬき出すわざ=引用〉

他の人が書いた文や言葉を自分の文章の

中で使うこと。

*「

」、もとの文のまま、書名、ページ

〈文をまとめるわざ=要約〉

書かれている内容を自分の言葉に言いか

えたり、短くまとめたりすること。

じょうほうから伝えたいことを決め

る。

「比べるわざ」を使いながら「対」で

じょうほうを整理していく。

はかせレベル1…引用を使って整理

はかせレベル2…要約をして整理

はかせレベル3…必要に応じて使い分け

教材文の拡大

マトリックス表

指導者の「和と洋リーフレット」の文章モデル

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児童の「和と洋リーフレット」の一部

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実践事例5 第5学年

1 単元名 説明名人の秘けつを見つけて、相手が納得する意見文を書こう

教材 「天気を予想する」「グラフや表を用いて書こう」(光村図書 五)

日本の食料生産について調べるための図書資料

2 単元の指導目標

・原因と結果等の関係について理解し、文章中での図表等の役割を捉え、それらを結び付けた論の進め

方について考えることができる。(情報ア、読むことウ)

・説得力のある意見文を書くため、引用したり図表やグラフを用いたりして、原因や結果等を明確にし

ながら、書き表し方を工夫することができる。(情報ア、書くことエ)

3 単元の言語活動の特徴とその設定理由

言語活動として、自分の考えを意見文に書く活動を位置付けた。自分の思いをわかりやすく伝え、相

手を納得させる意見文を書くために、「書く」活動の前に説明的文章を「読む」活動を取り入れる。意見

文を書く前に、優れた意見文を読んで、その構成や資料の提示の仕方の工夫点を見つけ、理解すること

で、説得力のある意見文が書けると考える。したがって、「情報の扱い方に関する事項ア」「書くことエ」

「読むことウ」の資質・能力を育成するのに適切な言語活動であると考えた。

4 単元について

(1)児童の実態

4年生では、教材文「アップとルーズで伝える」で、写真と文章を対応させて読み、説明の工夫につ

いて考えた。また、5年生では、教材文「新聞を読もう」で、編集の仕方や記事の書き方に目を向けて

新聞を読む活動をしたり、教材文「見立てる」で3段落の段落構成の再確認をする活動をしたりした。

これらの活動を通して、写真等の資料を適切に活用するとわかりやすい文章になることや、「始め」「中」

「終わり」の段落構成は理解している。本単元では、説明的文章を読み、相手が納得するように自分の

思いを伝えるにはどのような構成で文章を書くとよいか考え、説得力をもたせるために図表やグラフを

どのように用いたらよいのかを捉え、それを活用してわかりやすい文章を書く力を付けたい。

(2)教材について

教材文「天気を予想する」は、既習事項を使って段落相互の関係を捉えたり、事実を説明している部

分と筆者の考えを述べている部分を読み取ったりすることができ、要旨も捉えやすい。また、図表やグ

ラフ、写真等の資料が多く使われており、説得力のある文章になっている。これらのことから、児童が、

図表等を用いて、相手を納得させる意見文を書く際に活用できる教材であると考える。

(3)指導について

単元に入る前に、社会科で日本の食料生産について学んだことを基に、「日本の食料生産は大丈夫か」

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というテーマで文章を書き、意見交換会を行う場を設定する。社会科の学習のまとめで一度意見文を書

くことで、児童が自分の考えをわかりやすく伝える難しさを感じ、相手が納得する意見文を書くにはど

うすればよいかという問題意識をもてるようにする。説得力のある文章を書きたいという思いをもたせ

ることで、優れた説明文を積極的に読もうとする主体的な態度を引き出せるようにする。

また、引用したり、図表やグラフ等を用いたりして、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫す

る力を育成するために、モデルとなる優れた説明文(教材文)を示し、児童が書くときに活用できるよ

うにする。

情報の扱い方に関する事項については、モデルとなる説明文を読んで、資料を用いる場合の文章の書

き方を分析することで、意見を裏付けるためのグラフの選び方や、それを使った文章の書き方を理解さ

せる。その後、共通のグラフを使ってミニ意見文を書かせる等、全体で練習する時間を設ける。

出来上がった意見文は学級で意見交流会を開いて読み比べることで、自分の意見文について振り返れ

るようにする。

5 単元の指導計画(全12時間)

次 時 主な学習活動 指導上の留意点

・社会科で書いた「日本の食料生産は大丈

夫か」の意見文を振り返り、困ったこと

や難しかったことを挙げる。

・説明名人になるための秘訣を探り出し、

それを使って再度意見文を書き直し

て、説明名人を目指すことを知る。

・よりよい意見文を書くためには、どんな

ことをしなければいけないか、大まか

な学習計画を立てる。

・学習を振り返る。

・社会科で書いた意見文を基に、意見文を書く

ときに難しかったところを、発表するように

促す。出にくい場合は、文章構成や表現等に着

目できるようにする。

・十分に時間を取り、改善点をノートに書くよ

うに指導する。

・説明名人に認定されるともらえる免許状を

提示し、意欲を高める。

・わかりやすい意見文を書きたいという意欲

をもって学習に取り組めるようにする。(本時

で目指す児童の姿)

2 ・「天気を予想する」を読んで、筆者の主

張を捉える。

・説明名人の秘訣(自分の考えを伝える

ための工夫)を探す。

・段落構成を簡単に押さえ、第10段落に筆者

の主張が書かれていることに気付けるように

する。

・説明名人の秘訣に当たるところに線を引き

ながら読むように指導する。

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・グループでの交流後、全体で発表する。

・説明名人の秘訣を身に付けるための、

詳細な学習計画を立てる。

・学習を振り返る。

・意見文を書くために必要な力について考え、

学習に見通しをもてるようにする。(本時で目

指す児童の姿)

3 ・教材文「グラフや表を用いて書こう」に

あるモデル文「社会は、くらしやすい方

向に向かっている」を読んで、意見文の

構成をつかむ。

・社会で書いた自分の意見文と比較して、

その相違点から、説明名人の秘訣・第1

条を完成する。

・組立てシートに自分の意見文の構成を

立てる。

・学習を振り返る。

・説得力のある意見文にする一つの構成とし

て「主張」→「具体的な例」→「主張」がある

ことに気付けるようにする。

・「始め」と「終わり」に書く自分の考えや、「中」

でどんな例を取り上げたいかを考えるように

指導する。

・文章と図表等を結び付けた論の進め方につ

いて考えることができるようにする。(本時で

目指す児童の姿)

4 ・「天気を予想する」の第5段落に着目し、 ・書かれている内容ごとに色を変えて線を引く。

<意見文の構成>

始め:自分の考え

中:図表の説明とそこから考えたこと

終わり:まとめ

〈第1条〉

始め:自分の考えを書く

中:自分の考えを裏付ける例とそこか

ら考えたことを書く

終わり:「中」を踏まえた自分の考えを

書く

<説明名人の秘訣>

資料を用いて自分の考えをわか

りやすく説明したり、裏付けた

りしている。

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59

グラフを使った意見文の書き方をつか

む。

・第1・第5段落を比較し、表を使った

意見文の書き方をつかむ。

・グラフ・表を使う効果について考え、

説明名人の秘訣・第2条を完成させる。

・学習を振り返る。

・ここでも内容ごとに色を変えて線を引かせ

ることで、グラフと表を使った文章の構成が

ほぼ同じであることに気付けるようにする。

・筆者の主張を裏付けるグラフ・表を用いてい

ることに気付かせる。

・文章とグラフ・表を結び付けた論の進め方に

ついて考えることができるようにする。

・意見とそれを裏付けする情報との関係を理

解することができるようにする。(本時で目指

す児童の姿)

・「日本の食料生産は大丈夫か」について、

A(肯定的な意見)とB(否定的な意見)

の主張に合うグラフを選ぶ。

・選んだグラフから読み取れることを話

し合い、「中」に書くとよい内容を考え

る。

・グラフを使った意見文の書き方を使

って、ミニ意見文の「中」の部分を書く。

・学習を振り返る。

・いくつかのグラフの中から、それぞれの主張

を裏付けるグラフの選び方を考える。

・グラフから読み取れることのうち、どれを選ぶ

と主張が裏付けられるかを考えさせる。

・A、B、どちらかの主張を選び、グラフを使っ

た意見文の書き方を基にして、「中」を書く練

習をする。

・意見とそれを裏付ける情報との関係を理解す

るとともに、適切な図表やグラフを選び、相手

が納得するように書き表し方を工夫すること

ができるようにする。(本時で目指す児童の

姿)

〈第2条〉

自分の主張を裏付けるグラフや表

を選び、それが示す事実を説明す

る。

〈グラフを使った意見文の書き方〉

1・6文目:筆者の意見

2文目:グラフの概要(タイトル)

3文目:グラフで注目する数字

(本時)

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60

6 ・自分の主張を裏付けするグラフを決め

る。

・組立てシートに選んだグラフから読み

取れることを書き出す。

・学習を振り返る。

・図書資料の中で使いたいグラフが決まったら、

付箋に名前を書いて貼るように指導する。

・構成を変えられるように、付箋に書いたもの

を組立てシートに貼るように促す。

・自分の主張を伝えるのに適切な図表やグラフ

を選び、相手が納得するように書き表し方を

工夫することができるようにする。(本時で目

指す児童の姿)

7 ・「天気を予想する」の第2・第3段落で、

写真や図を使った意見文の書き方をつ

かむ。

・第6・第8・第9段落で、写真と本文中

の記述がどう結び付いているのか、考

える。

・写真や図の役割について考え、説明名人

の秘訣・第3条を完成させる。

・例文に添えるほうがよいと考える写真

や図を選び、その理由を発表する。

・「天気を予想する」第1~第9段落の筆

者の考えは、第10段落のどの記述に

当たるか考える。

・学習を振り返る。

・写真や図と対応する本文に線を引かせること

で、難しい言葉を写真や図で示していること

に気付けるようにする。

・写真や図と対応する本文に線を引かせること

で、文章をイメージしやすくしていることに

気付けるようにする。

・写真や図も、筆者の主張を裏付けるために使

われていることに気付くように、段落ごと

に筆者の意見を読み取る。

・数種類の写真や図を示し、例文に合うものを

考えられるようにする。

・「中」の考えが、終わりでは形を変えて出てき

ていることに気付けるようにする。

・文章と写真や図を結び付けた論の進め方を

考えることができるようにする。(本時で目指

す児童の姿)

〈第3条〉

出てきた言葉のイメージしやすくし

たり、主張の証拠にしたりするため

に、写真や図を使う。

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61

10

・事実を述べるときと意見を述べるとき

との表現の仕方をつかむ。

・組立てシートでまとめた意見文の構

想を使って、原稿用紙に意見文を書く。

・学習を振り返る。

・文末表現に着目させ、グラフが示す事実と自

分の考えを書く時の違いに気付けるように

する。

・適切なグラフを選び、相手が納得するように

書き表し方を工夫することができるように

する。(本時で目指す児童の姿)

11

・友達のアドバイスを基に下書きを推敲

し、修正を加えて清書する。

・学習を振り返る。

・説明名人の秘訣を使って、アドバイスや推敲

できるようにする。

・適切なグラフを選び、相手が納得するように

書き表し方を工夫することができるように

する。(本時で目指す児童の姿)

三 12

・意見文を交流し、説明名人を決める。

・単元を通して学んだことを振り返る。

・始めに書いた意見文と比べて自己評価する

ように指導する。

・説明名人の秘訣を使って、互いの意見文を評

価し合う。

・日本の食料生産について、適切な図表やグラ

フを選んで、相手が納得する意見文を書く

ことができるようにする。(本時で目指す児童

の姿)

6 本時の指導(5/12時間目)

(1)本時の目標

主張を伝えるのに適切なグラフの選び方を理解し、それを用いて、考えをわかりやすく伝える文

章の書き方の工夫をすることができる。(情報ア、書くことエ)

(2)本時の指導過程

主な学習活動等 指導上の留意点

1 前時までの学習を振り返り、本時のめあて

を確認する。

・説明名人の秘訣第2条を確認する。

自分の主張を裏付けるグラフや表を選び、

それが示す事実を説明する。

事実:示したものです。表しています。

わかります。

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62

2 「日本の食料生産は大丈夫か」について、

A先生、B先生の主張に合うグラフを選ぶ。

○A 先生は「大丈夫である」と言っているか

ら、このグラフだろう。

○「大丈夫ではない」ことを表すグラフはい

くつかあるけど、B 先生の主張を裏付け

るのは、このグラフだと思う。

3 選んだグラフから読み取れることを話し

合い、それぞれの主張につながる「中」に書

くとよい内容を考える。(個人→グループ→

全体)

○~がいいと思う。なぜなら、A 先生の主張

の理由として一番合っているから。

○B 先生は~という理由から「大丈夫ではな

い」と言っているから、それに関係してい

るこの内容がよいと思う。

4 教材文で学んだ、グラフを用いた意見文の

書き方を使って、ミニ意見文の「中」の部分

を書く。

5 学習の振り返りをする。

・「大丈夫である」「大丈夫ではない」の主張に合うグ

ラフを準備し、どちらの考えの児童も書き方を練

習できるようにする。

・児童が主体的に学習に取り組めるように、A、B先

生が書いた意見文に載せるグラフを考えて、お助

けをするという設定にする。

・複数のグラフの中からそれぞれの主張に合うグラ

フを選び、その理由を説明することで、グラフを選

ぶ時のポイントを考えることができるようにす

る。

・グラフから読み取れることを複数挙げた中から、

主張を裏付けるために選ぶとよい内容とその理由

を話し合わせる。

・自分の意見文を書くときに活用できるように、一

文ずつ確認しながら書いていく。

・意見とそれを裏付ける情報との関係を理解すると

ともに、適切な図表やグラフを選び、相手が納得す

るように書き表し方を工夫することができるよう

にする。(本時で目指す児童の姿)

〈意見文の書き方のモデル〉

1・6文目:筆者の意見

2文目:グラフの概要(タイトル)

3文目:グラフで注目する数字

4・5文目:補足の説明

〈スペシャルひけつ〉

グラフから読み取れることの中から、主張

を裏付けする内容を選んで説明をする。

〈本時のめあて〉説明名人のひけつ第二条を使って、ミニ意見文を書こう。

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63

7 板書

8 その他

説明名人のひけつを見つけて、相手がなっ得す

る意見文を書こう

めあて

説明名人のひけつ第二条を使って、ミニ

意見文を書こう。

グラフから分かること

◎(「中」の説明で使う内容)

グラフから分かること

・ ・

◎(「中」の説明で使う内容)

グラフから読み取れることの中から、

主張をうらづける内容を選んで説明を

する。

A先生の主張

B先生の主張

グラフ

グラフ

グラフ

スペシャル

ひけつ

グラフ

グラフ

指導者の意見文のモデル(1枚目)

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指導者の意見文のモデル(2枚目)

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実践事例6 第6学年

1 単元名 わたしの住む町の未来をえがき、プレゼンテーションをしよう

教材 「町の幸福論―コミュニティデザインを考える」(東京書籍 六)

町づくりに関連する図書資料

2 単元の指導目標

・複数の本や資料から、図表等を結び付けたり、情報と情報を図示したりすることを通して必要な情報

を見つけることができる。(情報イ、読むことウ・オ)

・自分の住む町の未来についてプレゼンテーションをするという目的に合わせて、自分の考えを明確に

伝えるために、話の構成を考えたり、情報と情報を関連付けて図示したり、資料を効果的に活用した

りして発表することができる。(情報イ、話すこと・聞くことイ・ウ)

3 単元の言語活動の特徴とその設定理由

本単元では、自分の考える町の未来について複数の関連する図書資料から読み取った情報を、自分の

考えを明確に伝えるために効果的に活用して発表することをねらいとした。そこで、「わたしの住む町

の未来をえがき、プレゼンテーションをしよう」という学習課題を設定した。

本学年の児童は、社会科の時間に自分の住む町の自然や文化的景観、観光名所のこと、ごみや水の問

題など、地域の現状や取組について学習を積んできた。最高学年となり、住みよい地域にするためにど

のようにしていけばよいのか、地域や町の課題、現状を明確にし、町の未来について提案していく活動

に取り組む。

プレゼンテーションをするには、伝えたいことや目的を決め、それに関連する内容を集めることが必

要である。さらに、わかりやすいプレゼンテーションにするためには、グラフや表等の資料の利点を理

解し効果的に用いたり、文章で情報を示すのではなく、図示をして、わかりやすく伝えたりすることが

求められる。つまり「情報の扱い方に関する事項イ」、「話すこと・聞くことイ、ウ」、「読むことウ・オ」

について、指導するのが適切な言語活動であると考えた。

4 単元について

(1)児童の実態

本学級の児童は、教材文「イースター島にはなぜ森林がないのか」の学習で、「序論・本論・結論の文

章構成を捉える」等の学習活動を通して、筆者の主張を読み取り、要旨を捉えることを経験している。

また、「後世のために私たちは今何ができるのか」といった筆者の問いかけに対して、環境やエネルギー

問題等、未来のために今の自分ができることについて、自分の考えを形成する学習にも取り組んだ。し

かし、結論と事例とのつながりや内容の中心となる語句を捉えること、要旨を正しく読み取ること、自

分の考えを求められている分量に合わせてまとめること等において、課題が見られた。そのため、1学

期には「新聞の投書を書こう」の学習で、意見文を書く上での、読み手を説得するための工夫を「説得

ポイント」として読み取った。構成や表現の工夫の共通点と相違点に気付くことができるよう、投書を

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読み比べさせるときに、それぞれの意見や主張、理由付けの仕方や根拠の挙げ方の特徴に気付かせ、自

分が意見文を書くときに生かすことができるようにした。

そこで本単元では、発表形式をプレゼンテーションにすることで、資料から読み取ったことや自分の

考えをよりわかりやすく相手に伝える力を育成したい。

(2)教材について

本教材では、コミュニティデザインという考え方の基本である「人と人とのつながり」の重要性を紹

介しながら、大きな二つの視点「地域の住民が主体的に町づくりに参加すること」「未来のイメージを具

体的にもつこと」に基づいて、事例を挙げてわかりやすく考えを述べている。段落ごとのまとまりも理

解しやすく、筆者の主張や事例を捉えやすい。序論で問題提起とコミュニティデザインの説明をし、本

論で具体的に事例を挙げながら資料を用いてわかりやすく説明している。結論では題名の「町の幸福」

にふれながら、読者に語りかけて筆者の主張を伝えている。さらに、説明内容に対応する写真や図表が、

筆者の主張や事例を理解しやすくするために配置されている。このことからも後の表現活動(プレゼン

テーション)に活用しやすい教材である。

(3)指導について

第一次では、目的意識や相手意識をもって本単元に向かえるように導入を行う。プレゼンテーショ

ンを行うのは初めてなので、単元を通して付けたい力を踏まえて指導者が作成したプレゼンテーショ

ンのモデルを示す。そこで、わかりやすいプレゼンテーションの工夫について考える時間を設け、プ

レゼンテーションのイメージをもつことができるようにする。また、これまでの社会科学習の成果物

を見せて、過去の学習を想起させたり、地域の場所が映画の撮影で使われた動画を見せたりするなど

して、児童の学習意欲を高めたい。今回の学習においても、単元計画を児童たちと一緒に立てること

で、学習のゴールである「わたしの住む町の未来をえがき、プレゼンテーションをしよう」を意識

し、見通しをもって取り組めるようにする。

第二次では、指導者がプレゼンテーションを作成したときの構成メモから、中心となる言葉等をフ

リップにまとめる活動に取り組む。フリップにまとめることで、筆者の主張を事例と関連付けたり、

文章の構成を捉えたりしながら読み取ることができるようにしたい。また、図示によって情報をわか

りやすく整理してフリップにまとめることができるよう、まずは、中心になる言葉やキーワードを入

れたら完成するフリップの例を事前に用意しておくなどして、児童たちがスモールステップで取り組

めるようにする。

第三次では、町の課題や現状、取組を整理し、「わたしの住む町の未来について」を提案できるよ

うにする。プレゼンテーションをするという目的に合わせて、より有効な情報を取り出せるようにす

るためにも、複数の資料を比べて読み、収集した情報で整理し、発表内容を考える。自分たちの提案

が聞き手にわかりやすく伝わるような構成や資料の見せ方を工夫させるなどして、効果的なプレゼン

テーションができるようにしていきたい。

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5 単元の指導計画(全13時間)

次 時 主な学習活動 指導上の留意点

一 1 ・映画の一場面を見て、気付いたことを話

し合う。

・過去の総合的な学習の時間「ふるさと学

習」で学んだことを発表し合う。

・「わたしの住む町の未来をえがき、プレゼ

ンテーションをしよう」という学習のゴ

ールを知る。

・教材文「町の幸福論」を読み、町づくりに

ついて基本的な考え方を捉える。

・わたしの住む町の未来と現在の問題点に

ついて書く「町の幸福カード」の記入を、

次時までの家庭学習とする。

・学習を振り返る。

・地域のある場所がロケ地に選ばれている映

画を選び、映画を通して、自分の町の魅力を

PRしていることを伝える。

・内容に加えて発表の形式も発表するように

促す。

・今回はプレゼンテーション形式で発表する

こと、プレゼンテーションは、新商品の開発

等ビジネスの世界で多く使われていること

を伝える。

・筆者の町づくりに対する考え方が表れてい

る部分に線を引きながら読むように促し、ど

こに引いたか共有できるようにする。

・町の未来について関心をもち「町の幸福論」

を読んで、町づくりについて知ることができ

るようにする。(本時で目指す児童の姿)

2 ・「町の幸福カード」について、自分の考え

を発表し合い、プレゼンテーションのグ

ループを結成する。

・指導者のプレゼンテーションを見て、プ

レゼンテーションの概要をつかむ。

・全員で第6時までの学習計画を立てた

・事前に「町の幸福カード」を集めて、課題意

識が同じ者同士でグループをつくっておく。

・資料を効果的に活用したプレゼンテーショ

ンのモデルを示すことで、プレゼンテーショ

ンのよさについて考えられるようにする。

・指導者のプレゼンテーションは、繰り返し見

られるよう、事前にビデオ撮影したものを見

せる。

・事前に学習計画の案を用意しておき、児童た

文化的景観・ごみ問題・水質汚染

名所・農産物

プレゼンテーション・・・調べたことや考

えたことについて、多くの人に向けて発

表すること。(効果的に聞き手に伝わる

よう、資料の提示等を工夫して行うこと

が多い。)

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68

後、グループで第7時以降の学習計画を

立てる。その際、発表のテーマも決定す

る。

・学習を振り返る。

ちに問いかけながら計画の前半を立ててい

く。授業後、各グループの計画は教室に掲示

しておき、互いに参考にできるようにする。

・学習のゴールを意識し、見通しをもって取り

組めるようにする。(本時で目指す児童の姿)

二 3 ・指導者がプレゼンテーションの作成時に

作成した構成メモ、プレゼンテーション

における話の構成のポイントをつかむ。

・教材文「町の幸福論」でプレゼンテーシ

ョンをするならどのような構成になる

か、グループごとに考えて発表する。

・話の構成のポイントを「プレゼンの極意」

にまとめる。

・学習を振り返る。

・指導者の構成メモを各自に配付する。

・小見出しだけでなく、各フリップに何が書か

れているのか、具体的に考えさせる。

・フリップのつながりに気付けるようにする。

・グループで話し合うポイントとして、フリッ

プの枚数、フリップに書く大まかな内容に絞

る。

・プレゼンテーションの構成は、文章の構成と

同じであり、今までの「書くこと」の学習が

生かせることに気付かせる。

・「町の幸福論」の論の進め方から、プレゼン

テーションの構成について考えることがで

きるようにする。

・文章の構成を読み取ることができるように

する。(本時で目指す児童の姿)

・指導者の構成メモから、フリップの書き

方を学ぶ。

・フリップには何を書くか考える。

・指導者が構成メモを作成する際には、フリッ

プを書くポイントが明確に読み取れるもの

になるようにする。

・発表前にグループで共有するなど、発表しや

すい雰囲気をつくる。

(例)

・私たちの暮らしの中にある問題と

筆者が考える解決策(1枚)

・問題解決につながる事例(3枚)

・筆者の提案(1枚)

〈プレゼンテーションの流れ〉

発表の進め方→①未来の町の姿→②現

状の問題点→③未来の町の姿にするた

めの取り組み(全国の事例)→④具体的

な提案

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・教材文「町の幸福論」の「序論」の部分の

フリップをキーワードに注目して作成す

る。

・学習を振り返る。

・中心になる言葉やキーワードを入れたら完

成するフリップを指導者が準備しておく。

・なぜコミュニティデザインがキーワードに

なるのかも考えさせる。

・教材文から、町づくりに関する筆者の考えを

読み取ることができるようにする。

・図示で整理する方法を理解できるようにす

る。(本時で目指す児童の姿)

・指導者の構成メモから、事例の選び方を

考える。

・教材文の「土祭」の事例をフリップにまと

める。

・学習を振り返る。

・一人で考えた後、グループで共有し、全体で

確認する。

・極意に沿って書かれている物をその都度モデ

ルとして提示する。

・教材文「町の幸福論」から、町づくりに関す

る筆者の考えを読み取ることができるよう

にする。

・図示で整理する方法を理解できるようにす

る。(本時で目指す児童の姿)

6 ・町づくりの事例を調べる。

・複数の資料を比べて読み、付箋を使って

整理する。

・学習を振り返る。

・学校図書館司書と事前に連携をとることで、

新聞記事や図書資料を事前に準備する。

・目的に応じて複数の資料や本を比べて読み、

必要な情報を捉えることができるようにす

る。

キーワードとは

・繰り返し出てくる

・言葉の意味の説明がある

・事例を挙げて説明している 等

〈フリップに書くこと〉

・小見出し

・キーワード(中心になる言葉)

・わかりやすく説明するための図表・写

真・グラフ

・情報を矢印でつないだり、 で囲ったり

して図示する。

(本時)

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70

11

・収集した情報を整理して、発表内容を考

え、プレゼンテーションを作成する。

・自分たちが伝えたいことにふさわしい情

報に絞ってフリップを作成する。

・学習を振り返る。

・集めた情報の事例を項目に合わせて整理す

るための構成メモを用意する。

・図示によって情報をわかりやすく整理して、

フリップにまとめることができるようにす

る。

・話の内容が明確になるように、話の構成を考

えることができるようにする。

・資料を活用して、自分の考えが伝わるように

表現を工夫できるようにする。(本時で目指

す児童の姿)

12

・プレゼンテーションを行う。また、他の

グループの発表を聞き、提案の内容や発

表の構成、わかりやすさ等について感想

を述べる。

・学習を振り返る。

・自分たちのグループがどのように情報を整

理し取捨選択したのか、説得できるような構

成や順序になっていたのか、ルーブリックで

確認するよう指導する。

・資料を活用して、自分の考えが伝わるよう

に表現を工夫できるようにする。(本時で目

指す児童の姿)

13 ・聞き手を意識して効果的なプレゼンテー

ションを行うことができたか等、単元を

通して学んだことを振り返る。

・「プレゼンの極意」を活用し、構成、情報の

取捨選択、図示の仕方等を振り返る。

・調べたことをプレゼンテーションの形式で

わかりやすく相手に伝えることができたか

振り返ることができるようにする。(本時で

目指す児童の姿)

6 本時の指導(5/13時間目)

(1)本時の目標

町づくりの事例から必要な情報を見つけ、図示による情報のわかりやすい整理の仕方を理解し、

フリップにまとめることができる。(情報イ、読むことウ)

(2)本時の指導過程

主な学習活動等 指導上の留意点

1 前時を振り返り、本時のめあてを確認する。

2 指導者がつくった構成メモから、事例の選び

方について考える。

→構成メモに書いてある事例を見て、プレゼン

・「プレゼンの極意」を提示して、プレゼンテーショ

ンに必要なポイントに気付けるようにする。

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71

テーションに必要なポイントを考えよう。

3 教材文の「栃木県益子町の土祭」の事例をフ

リップにする場合に必要な情報を考える。

→フリップに必要だと思う情報に線を引こう。

○どの町の事例なのかはいると思うから、「栃

木県益子町土祭」を書く。

○「町づくりの活動に取り組む人々のつながり

が、さらに広がっていくことになった」は、

最後にまとめとして書いてあるから大切だ

と思う。

○結局、全部いるような気がする。

4 栃木県益子町の土祭の事例をグループごと

にフリップにまとめる。

→どの情報を使うか考えて、フリップをまとめ

よう。

○大事なキーワードを取り入れる。

○矢印でつなぐと関係がわかりやすい。

○写真を入れよう。

5 つくったフリップを全体で共有する。

→フリップで工夫したところを発表しよう。

○矢印を書いてわかりやすく整理した。

○一番伝えたいことを赤で書いた。

○写真を取り入れているから伝わりやすい。

○短い言葉で簡潔にまとめている。

○何を伝えるための事例なのかわかりやすい

小見出しを考えている。

6 単元の振り返りシートに本時のめあてに対

する自分の学びを記述する。

・なぜその情報を選んだのか、理由も聞く。

・前段落の「まず重要になるのは、地域の住民たち

が主体的に町づくりに取り組むということであ

る」の一文に着目させ、その意見を裏付けるため

の事例であることに気付けるようにする。

・小見出しは、最後に「事例」とだけ書いておき、

何を伝える事例かを考えられるようにする。

・個人で考え、グループで話し合うようにるす。

・ワークシートは、白紙を用意して相手に伝わりや

すいレイアウトを考えるようにする。

・A4の普通紙に鉛筆、赤ペン、青ペンを使って小

見出し等を考えられるように事前に話しておく。

・極意に沿って書かれている物をその都度モデルと

して提示する。

・青、赤、黒の三種類の太いペンを使ってグループ

ごとにフリップを一枚書くように事前に伝えて

おく。

・全てのグループに発表させるのではなく、共通す

る部分に着目して、なぜそうしたのか聞くように

する。

・共有の終わりに、フリップに書く内容と書き方に

ついて、今日分かったことを指導者が「プレゼン

の極意」に付け足す。

・まとめの言葉を使って、振り返りを書くように指

導する。

〈本時のめあて〉町づくりの事例から必要な情報をわかりやすく整理してフリップにまとめよう。

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72

・教材文「町の幸福論」から町づくりに関する筆

者の 考えを読み取ることと、図示で整理する

方法を理解できるようにする。(本時で目指す

児童の姿)

7 板書

8 その他

町の幸福論―コミュニティデザイン

を考える

めあて

町づくりの事例から必要な情報

をわかりやすく整理して、フリ

ップにまとめよう。

○フリップに必要だと思う情報に線を

引こう。

一人で

グループで

○見つけた工夫を挙げよう。

みんなで

・大事なところを囲む。

・小見出しをつける

・キーワードを入れる(例

市民)

・大事なところは色を変える

・矢印をつける

・なみ線をつける

ふり返り

教材文の

掲示

1班

4班

3班

2班

指導者が作成した「町の幸福論」序論のフリップ 指導者が作成した「町の幸福論」事例のフリップ

「プレゼンの極意」教室掲示

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73

児童の作成したフリップ

指導者のプレゼンテーションのモデル

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74

実践事例7 第6学年

1 単元名 めざせプレゼン名人!! ~おすすめの自然に学ぶ暮らし方をプレゼンしよう~

教材 「自然に学ぶ暮らし」(光村図書 六)、自然に学ぶ暮らし方に関連する図書資料

2 単元の指導目標

情報と情報の関係付けの仕方や図示の仕方等、情報を整理する方法を理解し、文章や資料から、図

表等と結び付けたり、情報と情報を図示したりすることを通して必要な情報を見つけ、自分の考えが

伝わるように表現を工夫しながら、自然に学ぶ暮らしについてプレゼンテーションをすることができ

る。(情報イ、話すこと・聞くことウ、読むことウ・オ)

3 単元の言語活動の特徴とその設定理由

単元の言語活動として、「自然に学ぶ暮らし」をテーマにしたプレゼンテーション発表会を5年生

に向けて行うことを位置付けた。プレゼンテーションを行うには、教材文の筆者の考えや事例、論の

進め方、図や表の使い方等を理解したうえで、図書資料やインターネットから自然に学ぶ暮らし方を

調べ、文章、画像、図表等から発表に必要なものを選ぶことが求められる。また、自分のおすすめの

提案を5年生対象に発表するためには、相手を意識して提案が明確に伝わるように構成や表現を工夫

しながら話す必要がある。したがって「情報の扱い方に関する事項イ」「話すこと・聞くことウ」「読

むことウ・オ」の資質・能力を育成するのに、適切な言語活動であると考えた。

4 単元について

(1)児童の実態

1学期には教材文「ようこそわたしたちの町へ」を使って、町のよさを伝えるパンフレットを観光

客向けに作成する学習に取り組んだ。学級全体を編集局として学習環境を整え、多くの情報から必要

な情報だけを取捨選択し、どのような割り付けにするとよいかをグループで話し合い、学習を進めた。

その中で収集した情報を順序立てて整理していく力や相手に伝わるように書き方を工夫する力を育

成した。そこで本単元では、収集した情報を思考ツールで情報と情報を関係付ける方法や図示を用い

て整理していく力、資料を活用するなどして、自分の考えが伝わるように話し方を工夫する力を育成

したい。

(2)教材について

教材文「自然に学ぶ暮らし」は、「問題提起」「事例(実例)」「筆者の考え」が順に述べられている。

また、「事例」を「生き物」「自然に学ぶ仕組み」「私たちへの生活の応用」「自然に学ぶ暮らしのよさ」

の四つの観点で説明している。この観点を「自然に学ぶ暮らし」をテーマにしたプレゼンテーション

に応用できる。

教室には自然に学ぶ暮らしについて書かれた図書資料を用意し、いつでも読むことができるように

環境を整え、児童の提案に合わせて、必要な情報が見つけやすいようにする。

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(3)指導について

第一次では、自然の仕組みを取り入れた技術に関するクイズを提示し、本単元の内容に興味をもて

るようにする。「他の事例も知りたい」と好奇心を高めて教材文を読むことで、主体的な読みを目指

す。また、指導者によるシロアリの巣の事例のプレゼンテーション(VTR)を見せて、言語活動に興味

をもたせる。プレゼンテーションをするというゴールを明確にして学習計画を立てる。

第二次では、思考ツールによって情報を整理する方法を教材文で学んだ後、各自で収集した情報に

ついても同様に整理させる。さらにフリップに図示することで、集めた情報を発表に使うために再構

成させる。

第三次では、プレゼンテーションを行い、単元を通しての学習の振り返りを行う。評価事項につい

てはどのようなプレゼンテーションがよいのかを事前に話し合い、ルーブリックで示し、それを活用

する。

5 単元の指導計画(全 11 時間)

次 時 主な学習活動 指導上の留意点

一 1

・ケミカルライトやマジックテープに関す

るクイズをし、自然の仕組みに学ぶ技術に

興味をもつ。

→コンサートで使われるケミカルライト

はどんな生き物の体の仕組みを参考に

つくられたのだろう。

・他の事例を知るため、教材文「自然に学ぶ

暮らし」を読み、自分が興味をもった事例

について、その理由や考えたことを書く。

・感想を共有する。

・学習を振り返る。

・自然の仕組みに学ぶ技術を活用した、児

童の身近にある製品の実物を用意する。

・単元に入る前から、教室には関連する資

料を置き、いつでも手に取って読める環

境をつくっておく。

・興味をもった部分に線を引きながら読

むように指導する。

・「新しい暮らし方」について「みんなにも

伝えたい」「もっと知りたい」という意見

があれば発表させ、次時につなげる。

・自然に学ぶ暮らし方に関心をもち、自分

の考えをもつことができるようにする。

(本時で目指す児童の姿)

2 ・教材文「自然に学ぶ暮らし」の事例を用

いた指導者のプレゼンテーションを見て、

その概要をつかむ。

→プレゼンテーションとはどんなもので

したか?

・前時の感想から、「自然に学ぶ暮らし」に

ついて二人1組で調べ、5年生にプレゼ

ンテーションの形式で伝えることを提

案する。

・プレゼンテーションは新商品の開発等、

ビジネスの世界でも多く使われている

ことを伝える。

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・自分自身の提案をするという学習の見通

しをもって、学習の計画を立てる。

・学習を振り返る。

・指導者のプレゼンテーションは、繰り返

し見られるよう、事前にビデオ撮影した

ものを見せる。

・プレゼンテーションについて理解を深

め、見通しをもって学習に取り組むこと

ができるようにする。(本時で目指す児

童の姿)

二 3 ・学校図書館司書から問題点やそれらを解

決している事例を聞く。

・いろいろな関連する図書資料を読み、自分

が提案したい内容を三つ選びプリントに

書く。

・学習を振り返る。

・学校図書館司書から直面している問題

として「環境」「少子高齢化」「医療」「技

術開発」の四つを提示してもらい、選び

やすくする。

・おすすめの図鑑などの関連する図書資

料の目次をコピーし、見出しに「病気」

「環境」「技術」のマークを付け提示す

る。

・提案したい内容が同じもの同士でペア

をつくる。

・関連する図書資料から提案したい内容

を選び、三つ以内に絞ることができるよ

うにする。(本時で目指す児童の姿)

・指導者のフリップ(事例)と教材文「自然

に学ぶ暮らし」から、フリップに必要な情

報を考える。

・全体で共有し、四つに絞る。

・指導者が作成したシロアリの巣のロジッ

クツリーを見て、情報を整理する方法を知

る。

・教材文「自然に学ぶ暮らし」の中の「電気

・教材文の言葉を踏まえて考えさせる。

・共通点、相違点に着目して比較させる。

・教材文の情報について、関係を理解し、

整理することができるようにする。

・「電気を作る方法」についてペアで作成さ

・参考にする生き物

・自然に学ぶ仕組み

・私たちの生活への応用

・自然に学ぶ暮らしのよさ

(本時)

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を作る方法」の部分をロジックツリーで整

理する。

・学習を振り返る。

せる。

・文章と図や表などを結び付けながら、必

要な情報を見つけることができるよう

にする。(本時で目指す児童の姿)

・自分たちのテーマのプレゼンテーション

に必要な情報(事例)を、ロジックツリー

で整理する。(ペア)

・学習を振り返る。

・ロジックツリーの形を提示し、取り組み

やすくする。

・プレゼンテーションに必要な情報につい

て、関係を理解し整理できるようにす

る。

・文章と図や表等を結び付けながら、必要

な情報を見つけることができるように

する。(本時で目指す児童の姿)

6 ・教材文「自然に学ぶ暮らし」の中の「電気

を作る方法」の部分について、ロジックツ

リーで整理した情報をグループごとにフ

リップに図示する。

・作成したフリップを比較し、図示のポイン

トをつかむ。

・学習を振り返る。

・教材文の情報をフリップに図示して整理

することができるようにする。

・図示のポイントはルーブリック評価にま

とめる。(レイアウト・構成)

・事例を資料として活用しながら、自分の

考えが伝わるように表現を工夫するこ

とができるようにする。(本時で目指す

児童の姿)

7 ・ロジックツリーに整理した情報を使って、

ペアごとにフリップの下書きをする。

・学習を振り返る。

・図やグラフ、写真等の事例以外の部分に

ついてもモデルを参考にして考えるよ

うに促す。

・プレゼンテーションに必要な情報を、フ

リップに図示して整理できるようにす

る。

・事例を資料として活用しながら、自分の

考えが伝わるように表現を工夫するこ

とができるようにする。(本時で目指す

児童の姿)

8 ・教材文「自然に学ぶ暮らし」の事例を用い

た指導者のプレゼンテーションを見て、プ

・児童から出されたプレゼンテーションの

ポイントを使って、指導者が話し方をル

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6 本時の指導(4/11時間)

(1)本時の目標

教材文に含まれる情報について、必要な情報を見つけ、その関係を理解し、ロジックツリーを

活用して整理することができる。(情報イ、読むことウ)

(2)本時の指導過程

主な学習活動等 指導上の留意点

1 前時を振り返り、本時のめあてを確認する。

2 教材文「自然に学ぶ暮らし」の中の「シロア

リの巣の事例①②」のフリップに着目し、共通

・学習計画で( )にしていた部分に、「ロジッ

クツリー」と書き込む。

・教材文とフリップに使われている言葉や内容

に着目させ、書くとよい情報に気付くことがで

レゼンテーションにおける話し方のポイ

ントをつかむ。

・構成メモに発表原稿の下書きをする。

・学習を振り返る。

ーブリックにまとめる。

・話す大きさや速さだけでなく、つなぎ言

葉や相手の反応を見るなど発表会を意

識し、より高いレベルを目指す。

・相手を意識し、事例を挙げて自分の考え

が伝わるように表現を工夫することが

できるようにする。(本時で目指す児童

の姿)

10

・プレゼンテーションのフリップを完成さ

せ、練習する。

・学習を振り返る。

・ルーブリックの内容を意識しながら、友

達同士でアドバイスを行う。

・相手を意識し、事例を挙げて自分の考え

が伝わるように表現を工夫することが

できるようにする。(本時で目指す児童

の姿)

三 11 ・5年生にプレゼンテーション発表し、評価

を基に名人を決める。

・単元を通して学んだことを振り返る。

・聞き手(5年生、6年生)はルーブリッ

クを活用して評価するよう指導する。

・収集した情報をプレゼンテーションの形

でまとめ、自然に学ぶ暮らし方を伝える

ことができるようにする。(本時で目指

す児童の姿)

〈本時のめあて〉教材文から必要な情報を見つけ、情報をロジックツリーに整理しよう。

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点を見つけ、全体で共有し、四つに絞る。

→二つのフリップに共通して書かれているこ

とは何だろう?

3 シロアリの巣の事例をロジックツリーで整

理したものを見て、ロジックツリーでの整理の

仕方を理解する。

4 シロアリの巣の事例のロジックツリーを参

考にしながら、教材文「自然に学ぶ暮らし」の

中の「電気を作る方法」の部分をロジックツリ

ーに整理する。

5 ペアごとにロジックツリーを発表し、整理の

仕方を全体で確認する。

6 本時の学習を自己評価し、次時への見通しを

もつ。

きるようにする。

・フリップを拡大したものを黒板に提示するとと

もに、一人ずつにも配付する。

・ロジックツリーは情報のつながりを整理すると

きに活用できる方法であることを押さえる。

・教材文の事例「電気を作る方法」についてペア

で作成するようにする。

・ロジックツリーに書きこめるように指導する。

・文章と図や表などを結び付けながら、必要な情

報を見つけることができるようにする。(本時

で目指す児童の姿)

7 板書

「自然に学ぶ暮らし」

め教材文から必要な情報を見つけ、情

報をロジックツリーに整理しよう。

○フリップの共通点

・参考にする生き物

・自然に学ぶ仕組み

・私たちの生活への応用

・自然に学ぶ暮らしのよさ

○「電気を作る方法」の事例を、ロジッ

クツリーで整理しよう。

○振り返り

フリップの

モデル1

フリップの

モデル2

シロアリの巣

ロジックツリー

のモデル

電気を作る方法

ロジックツリー

の例

〈フリップに共通して書かれていること〉

・参考にする生き物

・自然に学ぶ仕組み

・私たちの生活への応用

・自然に学ぶ暮らしのよさ

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8 その他

指導者のプレゼンテーションのモデル

巣の構

造図

ビ ル

の 写

真 家の内部

の写真

指導者のロジックツリーのモデル

シロアリの巣

のイラスト

ビルの

写真 住宅の

写真

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平成30年度滋賀県総合教育センター

国語科プロジェクト研究のメンバー

参考文献 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説国語編」、平成30年(2018年)

吉田裕久・水戸部修治『平成29年度 小学校 新学習指導要領ポイント総整理』、東洋館出版社、平成29年(2017年)

田中博之『実践事例でわかる!アクティブ・ラーニングの学習評価』、学陽書房、平成29年(2017年)

滋賀県総合教育センター「児童の学びを深める国語科の授業づくり」、平成28年(2016年)

滋賀県総合教育センター「学ぶ力向上のための研究員派遣による学校支援のあり方Ⅱ」、平成28年(2016年)

トータルアドバイザー

国立大学法人滋賀大学教育学部准教授 長岡 由記

専 門 委 員

滋賀県教育委員会事務局幼小中教育課指導主事 吉田 光男

研 究 委 員

彦根市立稲枝東小学校教諭 平田 一輝

彦根市立城西小学校教諭 三橋 麻里

東近江市立能登川東小学校教諭 五十子友望

近江八幡市立八幡小学校教諭 塚本 有貴

長浜市立びわ北小学校教諭 北川千由紀

野洲市立野洲小学校教諭 辻井 唯

滋賀県総合教育センター 鈴村 愛子

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