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1
AIS Class Bの動向
2003年2月26日
沖コンサルティングソリューションズ(株)
矢 内 崇 雅
2
AISの目的
陸上のVTS運用者と同様に船舶の操船者への情報提供
・船舶の識別
・新たな、より正確な状況把握
・不鮮明なレーダターゲットの減少
・デジタルデータ交換の利用
陸上のVTS運用者と同様に船舶の操船者への情報提供
・船舶の識別
・新たな、より正確な状況把握
・不鮮明なレーダターゲットの減少
・デジタルデータ交換の利用
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国際機関の役割と進捗(1/4)
1 IMO関係
・MSC74(69) Annex3にて、AISに対するPerformance Standardsを定義
これは主にAISクラスA(SOLAS条約対象船舶搭載)を対象機能・性能を記述
・Nav48にてAISクラスAのVDL(VHF DigitalLink)を確保するために、クラス
B及びクラスA Derivativesに対して運用基準を定義
(1)クラスBはITU-R M.1371の当該要求を満足すること
(2)クラスBは当局の承認を受けること
(3)当局は運用水域でのAISの無線周波数の完全性を確保すること
・2002年12月のMSC76会議にて、NAV48にて検討された内容を承認
これによりIEC、ITU及びITUにてクラスBに対する機能・性能要件が影響
1 IMO関係
・MSC74(69) Annex3にて、AISに対するPerformance Standardsを定義
これは主にAISクラスA(SOLAS条約対象船舶搭載)を対象機能・性能を記述
・Nav48にてAISクラスAのVDL(VHF DigitalLink)を確保するために、クラス
B及びクラスA Derivativesに対して運用基準を定義
(1)クラスBはITU-R M.1371の当該要求を満足すること
(2)クラスBは当局の承認を受けること
(3)当局は運用水域でのAISの無線周波数の完全性を確保すること
・2002年12月のMSC76会議にて、NAV48にて検討された内容を承認
これによりIEC、ITU及びITUにてクラスBに対する機能・性能要件が影響
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2 ITU-R・ITU WRC97にてVHF Maritime Mobile BandでのAIS周波数を定義
AIS1 161.975MHz
AIS2 162.025MHz
・ITU-R Recommendation M.1371-1でクラスBに関して規定されて
いる項目
(1)通報率 、 (2)メッセージ18,19
・DSC運用
日本提案のAllShip Callテレグラムの既存装置への影響に対する改訂
2 ITU-R・ITU WRC97にてVHF Maritime Mobile BandでのAIS周波数を定義
AIS1 161.975MHz
AIS2 162.025MHz
・ITU-R Recommendation M.1371-1でクラスBに関して規定されて
いる項目
(1)通報率 、 (2)メッセージ18,19
・DSC運用
日本提案のAllShip Callテレグラムの既存装置への影響に対する改訂
国際機関の役割と進捗(2/4)
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3 IEC関連
AISに関連するIEC TC80(航法計器システム)WGは
(1)WG8A:AIS クラスA、クラスBのIEC Standardsを作成
クラスA:IEC61993-2クラスB:IEC62287
(2)WG6:デジタルインタフェースを担当しており、AIS装置と外部装置との
通信文を定義IEC61162-XX
(3)WG13:AISの航法装置での共通した表示が必要であるとの認識から、現在
利用されている航法用情報表示全体の見直しと共通化を推進IEC62288
(4)WG1:船舶搭載用レーダ装置(SOLAS船対応)として、WG13での結論が
出るまでに暫定的にIMO SN Cir217での表示を採用IEC60936-XX
(5)WG2a:小型レーダ装置(Non-SOLAS船対応)のIEC規格を制定中
IEC62253
3 IEC関連
AISに関連するIEC TC80(航法計器システム)WGは
(1)WG8A:AIS クラスA、クラスBのIEC Standardsを作成
クラスA:IEC61993-2クラスB:IEC62287
(2)WG6:デジタルインタフェースを担当しており、AIS装置と外部装置との
通信文を定義IEC61162-XX
(3)WG13:AISの航法装置での共通した表示が必要であるとの認識から、現在
利用されている航法用情報表示全体の見直しと共通化を推進IEC62288
(4)WG1:船舶搭載用レーダ装置(SOLAS船対応)として、WG13での結論が
出るまでに暫定的にIMO SN Cir217での表示を採用IEC60936-XX
(5)WG2a:小型レーダ装置(Non-SOLAS船対応)のIEC規格を制定中
IEC62253
国際機関の役割と進捗(3/4)
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4 IALAAIS CommitteeにTechnicalWGとOperationalWGを設置してAIS全般に亘る各種Guidelineを開発
AIS Committee:
・IALA AIS Guideline (Ed.1.1)
TechnicalWG:
・Technicalclarification on Recommendation ITU-R M.1371-1(Ed.1.3)
・IALA Recommendation on AIS shore station and networkaspects related to the AIS services
(Version1.0)
OperationalWG:
・Binary Messageの運用基準とその分類
4 IALAAIS CommitteeにTechnicalWGとOperationalWGを設置してAIS全般に亘る各種Guidelineを開発
AIS Committee:
・IALA AIS Guideline (Ed.1.1)
TechnicalWG:
・Technicalclarification on Recommendation ITU-R M.1371-1(Ed.1.3)
・IALA Recommendation on AIS shore station and networkaspects related to the AIS services
(Version1.0)
OperationalWG:
・Binary Messageの運用基準とその分類
国際機関の役割と進捗(4/4)
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種類 用途 備考
Cl.A SOLAS船搭載、Delivetives(T/Aなし) IEC61993-2
Cl.B Non-SOLAS船(Industry Standard) IEC62287
SAR 航空機搭載 今後の検討
AtoN AIS for Aids to Navigation (AtoN、Synthetic AtoN、
Virtual AtoN)
2003.9迄に確定
Base st. Shore st./ Base st.(Base st./limited Base st.) Ed.1.1に向け作業中
Repeater simplexとduplexの機能・性能を規定 同上
* 船舶搭載用装置はIECにて機能・性能・テスト要件を規定しているが他の装置はIALAにて
規定をしている
AISとして機能・性能要件を規定されている装置
8
9
5 sec (2sec )> 23 Knots
15 sec (6 sec )14 – 23 Knots
30 sec (10 sec )2 – 14 Knots
3 min (3 min < 3Knots)< 2 Knots
通報間隔(クラスAとの比較)
船舶のスピード
クラスBに対する通報間隔
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クラスBにおけるこれまでの経緯(1/3)1 IEC関係1.1会議日程と状況概要
・2000年9月のC80 WG8Aオタワ会議にて、Non-SOLAS船舶対象のAIS規格策定に向けたNew work item proposalをIEC事務局に提案する案を作成“Class b shipborne installation of the universal automatic identification system (AIS) using VHF TDMA techniques”
・2001年6月IEC No.80/304/RVNにてIEC62287(Industry Standard)
とし規格制定作業が正式承認。(1)予備会議:2001年9月New foundland・・米国同時多発テロにて中止(2)第1回会議:2002年2月南アCape-town・・クラスBの基本的要件 の確認(3)第2回会議:2002年5月米国San Diego・・コストダウン方針、DSCの適用
問題、Channelloading問題等の討議(4)第3回会議:2002年10月スエーデンStockholm・・受信機機能を主体とし
たコストダウンの検討、msg23用途及び通報率の変更アルゴリズムの検討(5)第4回会議:2003年1月英国London・・CDVへの整合が出来ず、Frequen
cy Agilityとコストダウン、IALA TWGからのChannelLoadingの検討
1 IEC関係1.1会議日程と状況概要
・2000年9月のC80 WG8Aオタワ会議にて、Non-SOLAS船舶対象のAIS規格策定に向けたNew work item proposalをIEC事務局に提案する案を作成“Class b shipborne installation of the universal automatic identification system (AIS) using VHF TDMA techniques”
・2001年6月IEC No.80/304/RVNにてIEC62287(Industry Standard)
とし規格制定作業が正式承認。(1)予備会議:2001年9月New foundland・・米国同時多発テロにて中止(2)第1回会議:2002年2月南アCape-town・・クラスBの基本的要件 の確認(3)第2回会議:2002年5月米国San Diego・・コストダウン方針、DSCの適用
問題、Channelloading問題等の討議(4)第3回会議:2002年10月スエーデンStockholm・・受信機機能を主体とし
たコストダウンの検討、msg23用途及び通報率の変更アルゴリズムの検討(5)第4回会議:2003年1月英国London・・CDVへの整合が出来ず、Frequen
cy Agilityとコストダウン、IALA TWGからのChannelLoadingの検討
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1.2 対象船舶の考え
IEC62287 AIS Class-B装置はNon-SOLAS船舶を対象としているため、
第1回会議での謳い文句は“The application may be separate for the SOLAS 300GT down to 150GT , the
fishing vessel under the Torremolinos Protocal and the SOLAS - exempt - work boats and leisure boats”
との認識をベースにIndustry Standard策定を推進することになったが、第4回ロンドン会議へのDraftでは、“This international standard on AIS class B focuseson the use of a Class B device on pleasure craft”との記述があり、当初の方向性と
は些かのずれを生じてきているが、この方向性で纏まる模様。
1.2 対象船舶の考え
IEC62287 AIS Class-B装置はNon-SOLAS船舶を対象としているため、
第1回会議での謳い文句は“The application may be separate for the SOLAS 300GT down to 150GT , the
fishing vessel under the Torremolinos Protocal and the SOLAS - exempt - work boats and leisure boats”
との認識をベースにIndustry Standard策定を推進することになったが、第4回ロンドン会議へのDraftでは、“This international standard on AIS class B focuseson the use of a Class B device on pleasure craft”との記述があり、当初の方向性と
は些かのずれを生じてきているが、この方向性で纏まる模様。
クラスBにおけるこれまでの経緯(2/3)
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2 IALA関係AIS委員会としてクラスB動向、技術要件の検討とガイドラインへの記述をTechnicalWGに求めており、2002年9月のAIS委員会議事録にも十分な進捗監視をすることを明記されており、その後のTWG活動は(1)2002年11月:Halifax meeting
・クラスBのスロット占有率状況から自動的にそのレポーティングレートを調整するアルゴリズムの論理的根拠の策定
(2)2003年2月:Panama meeting・IEC ロンドン会議からのLiaison Statesmentによる検討依頼項目9項目に
対する検討結果を出力2003年3月のAIS委員会でTWGからのクラスBに関する上記検討結果を確認した後、IECに対して回答文書を作成する。又TWGとしては2003年9月のAIS委員会(このときはRNAV/AIS Technical委員会)までに・Clarification on Recommendation ITU-R M.1371-1・IALA AIS GuidelineへのクラスBに関する記述の盛り込みを実施する。
2 IALA関係AIS委員会としてクラスB動向、技術要件の検討とガイドラインへの記述をTechnicalWGに求めており、2002年9月のAIS委員会議事録にも十分な進捗監視をすることを明記されており、その後のTWG活動は(1)2002年11月:Halifax meeting
・クラスBのスロット占有率状況から自動的にそのレポーティングレートを調整するアルゴリズムの論理的根拠の策定
(2)2003年2月:Panama meeting・IEC ロンドン会議からのLiaison Statesmentによる検討依頼項目9項目に
対する検討結果を出力2003年3月のAIS委員会でTWGからのクラスBに関する上記検討結果を確認した後、IECに対して回答文書を作成する。又TWGとしては2003年9月のAIS委員会(このときはRNAV/AIS Technical委員会)までに・Clarification on Recommendation ITU-R M.1371-1・IALA AIS GuidelineへのクラスBに関する記述の盛り込みを実施する。
クラスBにおけるこれまでの経緯(3/3)
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IEC Liaison Statesmentの主な検討項目
項番 検討項目 方向性
1 運用周波数 ・周波数帯域:161.500~162.
025MHz ・12.5MHz帯域
この525KHzの帯域での周波数で運用周波数を
選定 ・12.5KHzセパレーションは不要
2 DSC運用 ・ DSCポーリング機能は不要 ・ DSC Channel Management機能は
Option
3 最大通報率 スロット占有率による通報率の変更
・ 5秒 ・ 5秒→15秒、15秒→30秒、30秒→
30秒
4 クラスBに対するGroup Assignment ・新たなmsg23にて対応
5 クラスBのSemaphore機能 ・クラスBのみの場合はSemapore
6 Long Transmission Pakets ・2Slots
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今後のスケジュールと議論の焦点
1 今後のスケジュールIEC TC80 WG8AでのクラスB Industry Standardの当初スケジュールは・CDV:2001年12月、・FDIS:2002年12月、IS:2003年6月を目標に標準化作業の推進を計画。現実的には・CDV案の作成:2003年4月、・バックアップ会議:2003年6月を計画しており、遅くとも6月末にはCDVのCirculateがなされると考える。議長の考えは、「これまで議論していることからCDVの締め切り期間を従来の6ヶ月を短縮しての早期決着を実現を図る」とのこと。・・年内IS化を目指している。
2 議論の焦点・Frequency Agilityを161.500~162.025MHzの525KHz帯域に運用
周波数を限定した仕様とその場合の機能・性能実現ととコスト比較・ChannelLoadによる通報率の可変機能
1 今後のスケジュールIEC TC80 WG8AでのクラスB Industry Standardの当初スケジュールは・CDV:2001年12月、・FDIS:2002年12月、IS:2003年6月を目標に標準化作業の推進を計画。現実的には・CDV案の作成:2003年4月、・バックアップ会議:2003年6月を計画しており、遅くとも6月末にはCDVのCirculateがなされると考える。議長の考えは、「これまで議論していることからCDVの締め切り期間を従来の6ヶ月を短縮しての早期決着を実現を図る」とのこと。・・年内IS化を目指している。
2 議論の焦点・Frequency Agilityを161.500~162.025MHzの525KHz帯域に運用
周波数を限定した仕様とその場合の機能・性能実現ととコスト比較・ChannelLoadによる通報率の可変機能
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終わりにあたって
IEC、IALA及びITU-RでのクラスBの議論を踏まえて関連する課題として1 IEC関連
・クラスAに対する改定作業・WG13にて検討されている航法用情報表示(Displays for the presentation of navigation related information)の統一規格
・WG1にて検討されている舶用レーダでのAIS情報の利用とその表示に対するGuideline
・IEC61162規格とのセンテンスにおける整合性
2 IALA関連・AtoN(AIS for Aids to Navigation)へのChannelLoadと通報率の考え方の適用・IECからのLiaison Statesmentに対する技術的検討・Long Range(MSC76 Resolution)に関するGuidelineの修正
3 ITU-R関連・IEC、IALAからの機能向上項目、msg23等、に対するM.1371-1の改訂
IEC、IALA及びITU-RでのクラスBの議論を踏まえて関連する課題として1 IEC関連
・クラスAに対する改定作業・WG13にて検討されている航法用情報表示(Displays for the presentation of navigation related information)の統一規格
・WG1にて検討されている舶用レーダでのAIS情報の利用とその表示に対するGuideline
・IEC61162規格とのセンテンスにおける整合性
2 IALA関連・AtoN(AIS for Aids to Navigation)へのChannelLoadと通報率の考え方の適用・IECからのLiaison Statesmentに対する技術的検討・Long Range(MSC76 Resolution)に関するGuidelineの修正
3 ITU-R関連・IEC、IALAからの機能向上項目、msg23等、に対するM.1371-1の改訂
15有難うございました