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調便沿10 08 14 西30 05 西山下室長は外来の待ち時間対策にコミュニケー ションロボット「Pepper」も導入 QI チームで院内をめぐって改善を指導 月 2 回、地域の方々を対象に医療費などをテー マに講演を行う相澤課長 s coliosis surgery Spine Hybrid OR 15 調調- ハイブリッド 手術室を使用 Spine Hy brid OR with robotic C-arm system, Artis zeego brou- ght a new Era of spine and 世界初の脊椎専用ハイブ リッド手術室について説 明する江原副院長 経営企画室が運営サポート 札幌東・東京西・湘南厚木 徳洲会3病院 各院の特色を生かし活動 命だけは平等だ 平成 28 8 15 日 月曜日│ No. 1044 月曜日 8 15 発行:一般社団法人徳洲会 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-3262-3133 制作:一般社団法人徳洲会 編集室 〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125  Email:news@tokushukai.jp No. 1044 15/AUG. 2016 ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL

ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 〒102-0083 ......ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 学習療法は、学習者(認 ことはできない。れば学習療法を実施する践士の資格を取得しなけ研修を受けて学習療法実者に対応する。支援者はりの支援者が2人の学習とした療法。原則

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Page 1: ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 〒102-0083 ......ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 学習療法は、学習者(認 ことはできない。れば学習療法を実施する践士の資格を取得しなけ研修を受けて学習療法実者に対応する。支援者はりの支援者が2人の学習とした療法。原則

隊員向けのセミナーを開

催。近隣の有名レストラ

ンに駐車場の一部を開放

し、ワンコインランチが

食せる場を提供するなど

活動は多岐にわたる。「ま

ず当院の駐車場の位置を

知っていただくことに意

味があります」と、山下

室長はイベント開催の意

義を強調。さらに、近隣

医療機関を訪れて情報交

換したり、ウェブサイト

を閲覧できない世代に向

け広報誌(季刊)や同院

の強みである外傷医療専

門パンフレットをリニュ

ーアルしたりした。

こうした広報活動に加

え、院内に対する企画・

提案活動も強化している。

山下室長は医療経営士の

資格取得の際に学んだ知

識を生かし、朝8時から

の部署長会議「8時会」

で週1回、自院の診療内

容や立ち位置を示す分析

結果をプレゼンテーショ

ンするほか、月1回の拡

大運営会議で今後の病院

運営の方針も提言する。

医療を取り巻く法律や

指針に変更が多いことか

ら、厚生労働省や各科の

オピニオンリーダーの発

言にも目を配り、「施設

基準が変更になれば単に

変更後の数値を伝えるだ

けでなく、その数値をど

うすれば達成できるか考

え、提言します」。

将来的には「自院に対

応診療科のない疾患をも

つ患者さんに、他の徳洲

会病院を簡便に紹介でき

るグループ内地域連携パ

スを構築していきたい」

と意欲を燃やしている。

てきています」と皆川孝

雄・経営企画室課長。

現在、同室の活動は他

部署と連動する形だが、

将来的には病院の中長期

ビジョンに沿い、経営デ

ータの分析結果に基づい

た運営方針の提言など行

う考えだ。

湘南厚木病院経営企画

室が注力するのは、プロ

モーション活動。同院は

開院10年以上経過してい

るものの、駅から遠いこ

ともあり「いまだ地域で

十分に存在が認知されて

いないと感じます」(山

下尚子・経営企画室長)。

4月に同室が立ち上がる

以前から、黒木則光院長、

田中潔事務長、広報担当

の岩壁秀夫副主任らと協

働しロビーコンサート

(2カ月に1回)や救急

よるラウンドや改善のア

ドバイスを受けつつ、自

院でも独自にラウンドし

て改善率を高めている。

当初は数多くの指摘があ

ったが、指導を繰り返す

うちに、少しずつ各部署

で廃棄物の処理の仕方や

在庫の置き場所、置き方

など工夫するようになり、

「以前はバックヤードで

は雑然と物を置いている

ところもありましたが、

今は院内全体が整備され

原価、一般経費と大きく

分けて示し、事業計画と

対比させ、わかりやすく

しています」(同)

清水洋三院長は「経営

企画部を設置したのは、

当院の建て替えや、DP

C対象病院を目指したこ

となどが、きっかけです

(08年に対象病院)。同部

の活動により、北海道の

DPC対象病院中、救急

搬送件数がトップ。全国

でも14位ということが判

明し、職員の意気が上が

りました」と、同部の効

果をアピールしている。

東京西病院の経営企画

室は、多部署・委員会と

連携を図りつつ業務改善

や医療の質改善の施策を

始めている。BI(病院

運営管理)ツールを用い

た経営データの分析・改

善策検討会「BIツール

クラブ」の開催(週1回

30分、4面に関連記事)

や、JCI(国際的な医

療機能評価)審査項目を

念頭に置いたQI(医療

の質の指標)ラウンド(巡

回指導)もそのひとつ。

QIラウンドは、すで

にJCI認証を取得した

湘南鎌倉総合病院(神奈

川県)のスタッフが全面

協力し、同院スタッフに

のため、その病気と入院

日数に応じ費用が計算さ

れ、この間、どのような

注射や検査、投薬を行っ

ても費用が変わらず、D

PC対象病院が経営を行

っていくうえで、医師の

協力が不可欠だ。

札幌東病院では診療科

部長会議や各部署の責任

者が参加するミニ運営会

議を開催、相澤課長が各

領域の損益についてプレ

ゼンを行い、改善を促し

ている。

単に数字を列挙するの

ではなく、ビッグデータ

から必要な部分をマイニ

ング(抽出)、分析を加え、

わかりやすく提示。相澤

課長は同部に異動する前

の7年間、医事課で培っ

たキャリアと人脈を十分

に生かしている。

「損益表をそのまま提示

しても、わかりにくいの

で、たとえば費用の部分

であれば、人件費、売上

3院の経営企画室の責

任者はともに医事課出身。

病院の収益構造を理解し

たうえで、地域特性や自

院の診療内容に鑑みた企

画の提案、改善活動の実

施などで病院運営をサポ

ートしている。

札幌東病院は05年、他

の徳洲会病院に先駆けて

経営企画部を立ち上げた。

責任者の相澤るみ子課長

は、「主に各領域の損益

に関するプレゼンテーシ

ョンを行っています。当

部発足以前は病院幹部に

しかオープンになってい

ない情報でしたが、DP

C(診断群分類包括評価)

対象病院になったことか

ら各科医師の協力を得る

必要性が出てきたためで

す」と説明する。

DPCでは病名や手術

の有無などによって、病

気の種類を分類、その分

類ごとに1日当たりの医

療費が決まっている。こ

湘南厚木病院(神奈川県)は今年度から、さまざまな形で病院運営をサポートす

る経営企画室を立ち上げた。徳洲会グループでは、すでに複数の病院で同室を設

けており、独自の視点で経営資料を収集・分析・提供したり、医療の質改善策を

提示・実施したり、プロモーション(広報)に努めたりしている。なかでも実績

をもつのが札幌東徳洲会病院で、2005年から確固たる分析力で病院トップの

意思決定を支援。また、東京西徳洲会病院も、他部署と連携を図りつつ、改善活

動を始めている。

山下室長は外来の待ち時間対策にコミュニケーションロボット「Pepper」も導入

QIチームで院内をめぐって改善を指導

月2回、地域の方々を対象に医療費などをテーマに講演を行う相澤課長

s

スコリオシス

coliosis surgery

」(多軸型

CT様画像撮影装置「ア

ーティス・ジーゴ」をと

もなう脊椎専用ハイブリ

ッド手術室がもたらした

脊椎・脊柱手術の新時代)

をテーマに、自院の脊椎

センター・脊柱側彎症セ

ンターで実施している治

療について説明した。

はじめに同センターの

特徴を紹介。2012年

に脊椎手術の環境を一新

し、多軸型CT様画像撮

影装置アーティス・ジー

ゴ、同機器に連動した手

術台とナビゲーションシ

ステムをそろえ、世界初

の脊椎専用ハイブリッド

手術室「Spine H

ybrid O

R

」を運用しているこ

とを明かした。

同システムにより、精

緻な3D画像に基づく正

確なスクリュー挿入、脊

柱画像の撮影回数の減少

など、従前より手術時間

の短縮や手術精度の向上

といった有益な効果が得

られたことを報告。同セ

ンターの年間手術数も導

入前から約2倍に増加し

たことを示した。4月末

までに患者さんの体に挿

入したスクリュー845

4本のうち、入れ替えた

のはわずか15本と、高い

安全性を強調した。

自ら考案・開発した内

視鏡サポートの側彎症手

術におけるジーゴの効果

にも言及し、臨床で大き

な効果を発揮していると

強調。今後は3D-

CT

(コンピュータ断層撮影)

様画像データとMRI

(磁気共鳴画像診断)画

像データを関連させ、骨

情報と神経情報を融合し

たナビゲーションに取り

組むことを示唆した。

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)の江原宗平・副院

長兼脊せ

きつい椎センター・脊せ

柱ちゅう

側そくわん彎症センター長は大阪

府で行われたCAOSインターナショナル2016

で講演した。同イベントは整形外科領域でのコン

ピュータ支援手術の国際学会。

ハイブリッド手術室を使用

国際学会で注目集める

江原副院長は「Spine Hy

brid OR with robotic C-arm system

, Artis zeego brou-ght a new ‘Era of spine and

世界初の脊椎専用ハイブリッド手術室について説明する江原副院長

湘南藤沢

徳洲会病院

江原副院長が講演

脊椎・脊柱の新治療

経営企画室が運営サポート札幌東・東京西・湘南厚木 徳洲会3病院

各院の特色を生かし活動

徳 洲 新 聞徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❶ 平成 28 年 8 月15日 月曜日 │ No.1044

月 曜 日8 月15日

発行:一般社団法人徳洲会  〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階  TEL:03-3262-3133制作:一般社団法人徳洲会 編集室  〒102-0083 東京都千代田区麹町3-1-1 麹町311ビル8階 TEL:03-6272-3687 FAX:03-3263-8125  Email:[email protected]

No.104415/AUG. 2016

ALL LIVING

BEINGS ARE CREATED EQUAL

Page 2: ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 〒102-0083 ......ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 学習療法は、学習者(認 ことはできない。れば学習療法を実施する践士の資格を取得しなけ研修を受けて学習療法実者に対応する。支援者はりの支援者が2人の学習とした療法。原則

学習療法は、学習者(認

知症高齢者)と支援者(職

員)が対面で会話しなが

ら、簡単な読み(音読)・

書き・計算、数字並べな

どを行うことで、学習者

の認知機能や自立機能、

コミュニケーション機能

などの維持・改善を目的

とした療法。原則、ひと

りの支援者が2人の学習

者に対応する。支援者は

研修を受けて学習療法実

践士の資格を取得しなけ

れば学習療法を実施する

ことはできない。

所要時間は1回30分程

度、最低週3回実施した

ほうが、より効果が得ら

れるとされている。

まつど徳洲苑は一昨年

秋から学習療法を導入。

職員の約9割が支援者の

資格を取得し、20人以上

の入所者さんに同療法を

提供していた。しかし、

在宅復帰などで退所する

と学習の継続が困難にな

るため、今年5月から在

宅で学習療法を実施する

ことを試みた。

同施設では通所リハの

利用者さんを対象に、規

定とされる週3回実施の

うち、不足分を利用者さ

ん宅で実施。現在は自動

車で5分の場所にあるサ

ービス付き高齢者向け住

宅の入居者さん3人、戸

建てに住む利用者さん1

人に学習療法を行ってい

る。訪問する曜日をあら

かじめ決めておき、その

日は職員を多く配置する

ことも欠かさない。

取材当日は髙橋祐子・

看護介護部長と豊田浩

二・事務主任が支援者と

してサ高住「まごころレ

ジデンス大金平」を訪問。

3人の入居者さんに約30

分にわたり学習療法を行

った。「学習療法の提供

はもちろんですが、ほか

の入居者さんとも顔なじ

みになり、当施設のアピ

ールにもつながります。

訪問させていただく意義

は大きい」(髙橋部長)。

髙橋部長は「効果を検

証したうえで」としなが

らも、できるだけ継続す

る意欲を見せている。

第二段階は医療機器の充実で

す。開院当初は電子カルテや医

用画像保管電送システムなどを

導入し、一見フル装備での開院

に見えたかもしれませんが、C

T(コンピュータ断層撮影装置)、

MRI(磁気共鳴画像診断装置)、

血管造影装置は各1台で、目玉

となる医療機器はありませんで

した。しかし現在は、CT、血

管造影装置各3台をはじめ、放

射線治療装置など、高度医療を

行うための設備は充実していま

す。手術数も年間約4000件

となり、稼働する手術室も増や

し今は内視鏡下手術支援ロボッ

ト「ダヴィンチ」をはじめ最新

の機器をそろえるに至りました。

もちろん医師をはじめ、医療

スタッフの能力の向上なしに高

度医療は行えません。このため

医師だけでなく、すべての職員

が自己のスキルアップを行う必

要があります。当院はそのため

のサポートを強化しています。

第三として現在は、当院の実

力を外にアピールする段階と捉

えています。病院が軌道に乗る

につれ、実力をもつ医師が入職

してくれるようになりました。

周辺医療機関に負けないだけの

実力が身に付いたと自負すると

ともに、当院にしかできないの

ではと思われる治療も多面にわ

たります。それをもっと外部へ

周知させたいと考えます。

加えて、医学は科学ですから

技術だけではなく、学術面の向

上も大切でしょう。私は臨床の

外科医として高い技術を身に付

けたいと考え、医師となって6

年目に大学病院を辞め、徳洲会

に入職しました。多くの症例を

気が付けば早や8月、今年も

半分が終わってしまいました。

 

一般企業と同様、病院もある

程度のスパンで目標を立て、ク

リアしていくという地道な取り

組みが大切です。当院も年度末

に次年度の数値目標を立てて、

それを短期目標として取り組ん

でいます。しかし、短期目標の

達成を目的とした日々のなかか

ら、夢は生まれません。私たち

にとって、ゴールは何なのか。

そのゴールに向かって、たどり

着く方法として、いわゆるロー

ドマップが必要になります。

私は当院の設計段階から開院

準備に参加してきましたが、今

まで自分が勤務した病院では得

られなかった理想の職場をつく

りたいと考え、ロードマップを

作成しました。

学術発表を医師だけでなく

看護師やコメディカルにも

最初のハードルは、安全性を

担保しながら病院経営を軌道に

乗せる作業でした。開院当初は

初期投資を抑えるため、総合病

院として必要最小限の医療機器

をそろえ、患者さんの増加と需

要に合わせて機器の充実を図る

というコンセプトを描きました。

逆に言えば、経営が安定しなけ

れば、さらなる医療機器の充実

を図ることは困難で、そこが第

一通過点と考えました。

職員については新規開設病院

では医師を含め、ほぼ全員が新

規の職員ですが、ほとんどが手

に職を付けた専門職者であり、

理想とする医療のために皆が自

己の能力を発揮できる環境を求

め集まってきていると言えます。

経験し外科技術は習得しました

が、大学病院を辞めたことでア

カデミックな面から離れてしま

ったため、診療の合間に学術発

表・論文執筆などを積極的に行

いました。結果として、民間病

院の一外科医ではありますが、

米国の医学雑誌査読委員を3媒

体で務めています。当院では医

師だけではなく、コメディカル

や看護師にも学術発表を奨励し

ています。各自の向上だけでな

く、病院全体のステータスも上

がっていると思います。

同じ哲学でつながっていれば

仲間として助け合うのが当然

七夕の日、子どもたちが書い

た短冊を目にする機会があり、

「将来、病気の人を治せるよう

になりたい」というのを見かけ

ました。私たち医療人は皆、そ

ういう気持ちをもっていたし、

今でももっているはずです。そ

のような初心を、気持ちよく貫

けるような病院づくりをロード

マップのゴールとしていきたい

と考えています。

徳洲会グループは医療・介護・

福祉施設の共同体です。グルー

プのなかには経営基盤が安定し

ている施設もあれば、非常に苦

労しているところもあります。

しかし、個々の努力に差がある

わけではありません。

同じ哲学・理念でつながって

いれば、助け合うのが当然です。

私たちのグループが連合してい

るのは「生命だけは平等だ」と

いう哲学を実現するためです。

私たちの理想とする医療を行う

ためには多くの仲間の協力が不

可欠です。皆で頑張りましょう。

「夏の感染症」で 予防法と対処法和泉市立病院

和泉市立病院(大阪府)は医療講座「夏の感染症」を開催、地域の方 2々0人が参加した。講師は感染対策室の小田学・感染管理認定看護師。小田看護師が最初に取り上げたのは、蚊が媒介して感染する病気。「世界三大感染症のひとつ、マラリアはアフリカなどで年間約2億人以上が感染し、感染死亡は約200万人と推計されています。日本でも年間約100人近くが国外で感染し、帰国後に発症するケースが見られます(厚生労働省)」続けて「リオ五輪が開かれるブラジルは、胎児に先天性障害を引

き起こす可能性のあるジカウイルスの感染が多発していますが、蚊が媒介する感染症の予防方法は、刺されないようにすることが一番です」とアドバイス。蚊の餌はふだんは植物の蜜や樹液だが、産卵期になると栄養素の高い人間や動物の血液を探し当てて吸う。小田看護師は「蚊に刺されやすい人がいます。その体質と特徴は、血液型が

О型、色黒で体臭が強いこと。飲酒後や運動直後の汗にも蚊は集まります。また、代謝が高い妊婦さんや赤ちゃんにも蚊が集まってきます」と注意を呼びかけた。蚊は水場や竹やぶなどに潜んでいる。水たまりやバケツ、古タイヤなどにたまった雨水などがボウフラの温床となるので庭の手入れを欠かしてはいけない。細菌やウイルスによる食中毒も要注意。代表的なО‐157(腸管出血性大腸菌)

や家畜などの腸管に生息するカンピロバクター、サルモネラなどは20度前後で発育し、人の体温程度の温度で増殖スピードが増す。小田看護師は食中毒を防ぐ方法として次の要件の励行を参加者にうながした。

「食中毒を防ぐには、石鹸で手のひらや甲、指先、手首など手全体を丁寧に洗うことが必須。食品を購入したら、寄り道せずに帰宅しましょう。帰宅後はただちに食品を冷蔵保存。調理場はつねに清潔に保ち、食事は長時間室温で放置しないこと。残った食品は早く冷えるように小分けにしてください」

介護老人保健施設まつど徳洲苑(千葉県)は、一昨

年から施設内で実施している学習療法を在宅でも行

う試みを開始した。入所者さんに退所後も継続して

学習療法を提供するのが狙い。現在4人に行い、効

果などを検証したうえで拡大していく意向だ。

サ高住で学習療法を行う豊田主任(左奥)と髙橋部長(右奥)「蚊による感

染を甘く見てはいけない」と小田看護師

は2016年度通常総会

を開いた。この日は①15

年度事業報告、②15年度

収支決算および会計監査

報告、③16年度事業計画

(案)、④16年度収支予算

(案)︱︱の4つの議案

すべてを承認。ほかに16

年度役員変更に関する報

告を行った。

会の冒頭で吉岡貞朗会

長が挨拶。同会が発足か

ら16年目を迎え、会員増

など着実に会が発展して

いることや、今年度に入

り大和徳洲会病院(神奈

川県)がリニューアルオ

ープンに向け着工したこ

とを喜んだ。列席者に謝

意を示すともに、さらな

る協力を呼びかけた。

会員企業から150人、

徳洲会から50人の計20

0人が出席するなど、盛

会のうちに終わった。

神奈川県内にある徳洲

会関連施設への協力企業

で構成する神奈川徳友会

今年度の通常総会を開く

神奈川徳友会

山や ま も と

本 穰じょう

司じ

鎌ケ谷総合病院院長

周辺医療機関に負けない実力病院を自負

ロードマップ作成して目指すゴールは医療人として初心を貫ける病院づくり

老健まつど

退所後も継続

在宅で学習療法

徳 洲 新 聞生い の ち

命だけは平等だ 平成 28 年 8 月15日 月曜日 │ No.1044 ❷

Page 3: ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 〒102-0083 ......ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 学習療法は、学習者(認 ことはできない。れば学習療法を実施する践士の資格を取得しなけ研修を受けて学習療法実者に対応する。支援者はりの支援者が2人の学習とした療法。原則

会病院の三浦大輔・臨床

検査科副主任は「門脈ガ

スを伴い先進部に偽腫し

瘤りゅう

像を認めた結腸結腸型腸

重積の1例」

︱をそれ

ぞれ発表した。

このほか、静岡徳洲会

病院の永原隆之・臨床検

査科技師長が超音波診断

装置(エコー)を用いた

静脈採血をテーマに発表

した。

すべての発表を終え、

永原技師長は徳洲会検査

部会生理ワーキンググル

ープ(WG)責任者の立

を来した腎血管筋脂肪腫

の1例」、榛原総合病院

(静岡県)の永谷道一・

検査科技師長は「アニサ

キス症による上行結腸腸

重積の1例」、福岡徳洲

第41回日本超音波検査

学会学術集会が仙台市で

行われた。大会テーマは

「温故知新︱Visiting old,

Learn new

︱」。徳洲会グ

ループは5病院が6演題

を発表した。いずれも一

般演題で、とくに多く見

られたのが1症例報告で

6演題中5演題。

札幌東徳洲会病院の沖

野久美子・検査室副主任

は「仮性脾ひ

動脈瘤り

ゅう

の治療

効果判定にエコー検査が

有用だった1例」、名古

屋徳洲会総合病院の藏谷

若奈・臨床検査技師は「褐

色細胞腫によるカテコラ

ミン心筋症の1例」、静

岡徳洲会病院の上田真

路・臨床検査科副技師長

は「外的要因により破裂

1例報告中心に5病院が発表

松村センター長が大会長

西

徳洲会病院

第22回救急整形外傷シンポ

合併症をどう避けるか

「いかにうまく治療した

つもりでも、完全に元ど

おりの機能には戻せない。

外傷医療には、そんなジ

レンマがあると思います」

松村センター長は冒頭、

外傷医療最大の課題を挙

げ、機能障害をはじめと

したさまざまな合併症に

どう対応すべきか、忌き

憚たん

のない意見を出し合うよ

う求めた。同シンポジウ

ムは議論を重視しており、

各発表者はプレゼンテー

ションのなかでディスカ

ッションポイントを明確

化。提示された問題点を

参加者は外傷整形外科、

救急科、脳神経外科など

それぞれの専門性を生か

しアドバイスを送ったり、

逆に外傷医療を勉強中の

若手医師らから手技や治

療戦略について質問が上

がったりした。

徳洲会からはパネルデ

ィスカッションに札幌徳

洲会病院の辻英樹・外傷

センター長兼副院長、症

例検討会に湘南鎌倉総合

病院(神奈川県)の鈴木

崇史・外傷センター医師、

一般演題に同院の対比地

加奈子・外傷センター医

師、福岡徳洲会病院の尾

上英俊・整形外科部長、

同院の中村厚彦・整形外

科医長が登壇。

辻センター長は血管損

傷をともなう下肢重症外

傷について「救肢か切断

か」をテーマに挙げた。

一次(緊急時)切断の基

準は救命最優先であるが、

二次(再建期)切断の基

準は①再建しても機能肢

になり得ない、②感染管

理が不良、③再建に時間

がかかり体力や金銭面で

治療継続が難しい

︱な

どから総合的に判断する

必要があると提言。

そして、機能し得る状

態での救肢には、マイク

ロサージャリー(顕微鏡

を用いた微小手術)やイ

リザロフ法(創外固定器

を用いた骨延長術)など

特殊技術が必須であると

したうえで、「手技がで

きるだけでは外傷医療を

担うには不十分です。一

つひとつの手技のメリッ

ト・デメリットを理解し、

場面ごとに最適の手技を

選べるようにならなくて

はなりません」と、治療

戦略の重要性を説いた。

鈴木医師は前医から受

傷数日後に紹介された重

症の下肢開放骨折患者さ

んの1例を提示。デブリ

ードマン(壊え

死し

組織の除

去)後、軟部組織再建し

たが、患部がMRSA(メ

チシリン耐性黄色ブドウ

球菌)に感染。他部位損

傷による全身状態の悪化

もあり、救肢に努めたも

のの最終的に切断に至っ

た。より厳密な損傷範囲

の評価とデブリードマン

が必要であったという考

察に対し、会場からは「転

院搬送例では、とくに評

価が難しいことがありま

す」との声が上がった。

対比地医師は両側上肢

に重度の軟部組織欠損を

生じた治療例を引き合い

に、治療のゴールを決め

るのは医療者ではなく患

者さん自身であると強調。

「重傷四肢外傷の機能再

建には、緻密な治療戦略

と高い技術が必要」と述

べるとともに、リハビリ

テーションや各種装具を

利用したり、患者さん自

身が肢の使い方を工夫し

たりすることで、機能再

建できなかったにもかか

わらず高いADL(生活

機能動作)を保持してい

る例もあると報告した。

尾上部長は脛け

骨こつ

二重骨

折に対してエンダー釘

(骨内固定材料)を使用

した2例を提示。これを

利用することで手術時間

短縮が期待できること、

軟部組織再建が難しい症

例に対しても有効であっ

たことなど、症例の治療

経過を追いつつ、その有

用性を示した。

中村医長は脱臼の整復

に難渋するBosw

orth

の足関節脱臼骨折の2例

について発表した。これ

は「国内外合わせてまだ

80例ほどしか症例報告の

ない珍しい症例で、1例

目は私も一般的な足関節

脱臼骨折のイメージしか

ありませんでした」と中

村医長は明かし、具体的

な診断法や治療法などを、

画像を用いて解説した。

最大限の機能再建を

今回のテーマである「合

併症」のなかには、治療

中の感染だけでなく、偽

関節や神経麻ま

痺ひ

など、治

療体制が十分でなかった

ことによる外傷後遺障害

も含む。機能再建は患者

さんのQOL(生活の質)

に大きな影響を及ぼすこ

とから、重症外傷では救

命後は速やかに再建を専

門とする医師に紹介する

のが大切だが、実際には

そうした医師の数が圧倒

的に少なく、治療体制が

十分であれば回避し得た

外傷後遺障害をもつ患者

さんは多い。「受傷後、

場から、WGの活動の一

環で同学術集会での発表

を推進してきたことを吐

露。「どの発表にも厳し

い質問や激励などが寄せ

られましたが、各自にと

って検査業務の基礎固め

になったと思います」と

成果を強調した。さらに

「私自身、同じセッショ

ンの発表だけでなく、多

くの講演や発表を聞き、

刺激を受けました。とて

も充実した大会となりま

した」と、目を輝かせて

いた。

東京西徳洲会病院の松村福広・外傷センター長兼外傷整形外科部長が大会長を務

める第22回救急整形外傷シンポジウムが6月17日から2日間、札幌市で開催され

た。これは重症外傷の初療に携わることが多い救急科医師と、四肢外傷医療を専門

とする外傷整形外科医師のコラボレーション企画で、年1回開催。今回のテーマは

「合併症とその回避」で、多発外傷、重症難治骨折、軟部組織・神経・血管損傷の3

分野の実際の症例をもとに、時に厳しい意見も交えつつ最善の治療法を討議した。

毎年地元の中学校や高校から生徒を受け入れ “職場体験”を実施している四街道徳洲会病院(千葉県)。同院は今回、千葉市立千城台西中学校から4人の生徒を2日間にわたって受け入れた。地域に根差した病院の役割や医療従事者の活動を知ってもらうと同時に、将来の進路として、医療従事者を目指すきっかけとしてもらうことなどが目的。初日は鶏もも肉や魚肉ソーセージを電気メスで切除する手術体験

を実施。救急外来や医事課、院長室などの見学も行った。2日目は脳神経外科病棟の見学や、リハビリテーション室で高齢者の方との会話やゲームに取り組んだ。さらに一次救命措置を学ぶBLS講習を受講し、修了証とバッヂを受け取って2日間の日程を終了した。これまでの参加者には同院小児科の患者さんだった生徒もおり、主治医に憧れて小児科医を志望、応募してきた例もある。同院では各部署が協力し合い、業務を調整して受け入れ体制を整えている。生徒からは「この体験を通して理学療法士という道に進んでみたい

と思いました」、「将来、看護師になるのが夢なので、すごく勉強になりました」といった感想が寄せられている。なお同院はその後も中学生や看護学生の職場体験、来年度の入職希望者のインターンシップの受け入れなどに積極的に取り組んでいる。

四街道徳洲会病院中学生が職場体験

「医療職を目指したい」

合併症の低減に向け活発な議論を求める松村センター長外傷医療に興味をもつ多くの医師が参加

症例報告中心に発表

徳洲会から5病院6演題

日本超音波検査学会学術集会

何年も経ってから紹介を

受けて相談に来られる患

者さんもたくさんおられ

ます」と松村センター長。

そこで現在、松村セン

ター長らが力を入れてい

るのが後進の育成と機能

再建の大切さを伝える啓

発活動だ。今回は教育研

修講演に、かみもとスポ

ーツクリニックの上本宗

唯院長を招し

ょう

聘へい

。スポーツ

外傷治療の最終目標は以

前と変わらぬ運動能力の

回復であり、「最も高度

な機能再建だと思いま

す」(松村センター長)。

上本院長は「外傷から

社会復帰までのロードマ

ップづくり~スポーツド

クターからの提言~」と

題した講演のなかで、「整

形外科医師は損傷部位の

動きのみを注視しがちで

すが、リハビリスタッフ

はモーション(動き)全体

を捉えて、どのような治

療が必要か考慮します」

と、他職種の視点が必要

であることを強調した。

手術室で模擬体験する生徒たち(右側4人)

札幌徳洲会病院辻英樹

外傷センター長(副院長)

湘南鎌倉総合病院鈴木崇史医師

湘南鎌倉総合病院対比地加奈子

医師

福岡徳洲会病院尾上英俊整形外科部長

福岡徳洲会病院中村厚彦整形外科医長

徳 洲 新 聞徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❸ 平成 28 年 8 月15日 月曜日 │ No.1044

Page 4: ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 〒102-0083 ......ALL LIVING BEINGS ARE CREATED EQUAL 学習療法は、学習者(認 ことはできない。れば学習療法を実施する践士の資格を取得しなけ研修を受けて学習療法実者に対応する。支援者はりの支援者が2人の学習とした療法。原則

東京西徳洲会病院はB

I(病院運営管理)ツー

ルを用い、主に各事業計

画に対する業務量の達成

率について、自院と他の

徳洲会グループ病院との

間で比較し、改善につな

げる「BIツールクラブ」

を開催している。

BIツールは日々の病

院運営によって生まれる

膨大な情報のなかから、

経営指標、臨床指標、医

療安全、患者満足度、各

部門業務量、各種統計指

標などデータを分類、抽

出し、分析、加工するシ

ステムで、経営の詳細分

析、業務の効率化、患者

さんへのサービス向上に

寄与する。

こうしたBIツールか

ら得られる指標は、病院

幹部が自院の現状を把握、

解釈し、次の一手を講じ

るのに用いているが、東

京西病院では同クラブを

開催することにより、各

部門の責任者にもBIツ

ールを活用させ、病院運

営に対する理解度の促進、

モチベーションアップに

もつなげている。

同クラブは今年1月に

スタート。毎週金曜日7

時半から30分間開催し、

看護部門とコメディカ

ル・事務部門の責任者が

それぞれ発表する。「B

Iツールを使ったことの

ない職員が多かったため、

活用を促す意味で始めま

した」と経営企画室の皆

川孝雄課長は明かす。

たとえば、BIツール

のタブのなかの「コメデ

ィカル管理指標

臨床工

学業務量」を選択し、月

毎の自院透析実施件数と、

超規模病院の透析実施件

数、超規模平均値、全施

設平均値を比較、検討す

ると、超規模病院の平均

値より自院の実施件数が

低く、全施設中で15位の

実施件数であることが判

明、改善策を検討するこ

ととなる。

同クラブに参加してい

る職員からは「各領域で

自院が徳洲会のどの位置

に立っているのかがわか

り有意義です」。

東京西病院では、自院

を上回る成績を出してい

る徳洲会病院に、職員を

見学に行かせたり、電話

などで問い合わせをさせ

たりし、改善に結び付け

ている。渡部和巨院長は

「より良い医療を提供す

るには情報共有が必要で

す。これにはBIツール

が大変有効な手段となり

ます」と意義を強調。

頻度の高い特発性肺線維

症の診断方法や画像診断

のポイント、予後規定因

子や治療戦略、治療薬な

どを解説した。

終了後、和泉病院の福

岡正博総長が総評を行い、

発表を1つひとつ振り返

りながら、それぞれに関

連する最新動向などをコ

メント。そのうえで「い

ずれも素晴らしい症例発

表で、とても勉強になっ

たと思います。次回以降

も楽しみにしています」

と締めくくった。

ニレクチャーとして「間

質性肺炎(IP)のマネ

ジメント~診断の難しさ

とその治療~」と題し講

演。IPの病型分類、陰

影の分布や性状による診

断方法に加え、IPに分

類される疾患のなかでも

湘南鎌倉総合病院(神

奈川県)の深井隆太・呼

吸器外科部長は「局所麻

酔下胸腔鏡手術を行った

COPD合併難治性気胸

の1例」をテーマに発表。

全身麻酔が不可と判断さ

れたため、局所麻酔下に

胸腔鏡を挿入して肺は

瘻ろう

閉鎖。「重度呼吸不全で

全身麻酔が困難な呼吸不

全患者に対し、局所麻酔

下の胸腔鏡手術は選択肢

のひとつになります」と

示唆した。

千葉西病院の大住紘司・

初期研修医は「過敏性肺

炎の3症例–

住居環境の

重要性」がテーマ。夏型

過敏性肺炎や住居関連過

敏性肺炎など3症例を報

告し、「住居環境は問診

の重要なポイントです」

などと発表した。

症例検討会の前後半の

合間には、竹田部長がミ

徳洲会グループ病院の

医師や薬剤師、看護師、

臨床検査技師、治験コー

ディネーター(CRC)

ら70人以上が参加した。

開会に先立ち、徳洲会オ

ンコロジープロジェクト

の新津洋司郎顧問(北海

道大学難治性疾患治療部

門分子標的探索研究室室

長)は「呼吸器の分野が

先行する形で道を付けて

いただき、他の分野でも

同様に活発な取り組みが

広がっていくことを期待

します」と呼びかけた。

続いて、呼吸器部会部

会長の竹田隆之・宇治徳

洲会病院(京都府)呼吸

器内科部長が「今日得ら

れた知見・情報をもち帰

り、明日からの臨床に役

立てていただきたい」と

挨拶。今後の開催予定の

告知も行い、次回は12月

に大阪、次々回は来年7

月に中部徳洲会病院(沖

縄県)を会場とする予定

を明かした。

症例検討会は計7演題

の発表があった。前半の

座長を呼吸器部会学術企

画委員長の岩瀬彰彦・千

葉西総合病院呼吸器内科

部長、後半の座長を教育

研修委員長の瓜生恭章・

八尾徳洲会総合病院(大

阪府)内科部長が務めた。

まず、呼吸器部会広報

委員長も務める大隅鹿屋

病院(鹿児島県)の田村

幸大副院長(内科部長)

が「ニボルマブ投与を契

機に発症した甲状腺機能

亢こうしん進症の1例」と題し発

表。ニボルマブは免疫療

法の一種。「甲状腺機能

障害への対応に精通する

ことは、ニボルマブを継

続し抗腫瘍効果を生かし

ていくうえで重要」と指

摘した。

宇治病院の遠藤奨・初

期研修医は「骨肉腫への

分化を有する悪性胸膜中

皮腫の1例」をテーマに

発表。胸膜肺全摘術を施

行後、術後補助化学療法

と放射線療法を実施。「肉

腫型としては14カ月と、

比較的長期間の生存期間

を得られました」などと

まとめた。

中部病院の河本宏昭・

胸部外科医長は「急速な

転帰を辿た

ったExon20

S768I変異陽性肺癌

の1例」について、「間質

性肺炎合併が疑われる場

合もEGFR-TKI(上

皮成長因子受容体チロシ

ンキナーゼ阻害薬)の投

与は許容されるのか」な

ど、いくつかのクリニカ

ルクエスチョンを提示、

活発な質疑応答が交わさ

れた。

和泉市立病院(大阪府)

の柳生恭子・呼吸器内科

部長は「癌関連網膜炎を

併発した大細胞神経内分

泌細胞肺癌の1例」がテ

ーマ。急激な視力低下と

視野障害を併発した症例

で、胸

きょう

腔くう

鏡下肺部分切除

術後に化学放射線治療を

実施、左右とも視力が回

復した。

千葉西病院の伊藤峻・

初期研修医は「今季に経

験された重症インフルエ

ンザウイルス肺炎の2症

例」を発表。原発性イン

フルエンザウイルス肺炎

と、インフルエンザ脳症

+肺炎の症例で、治療経

過などを報告した。

徳洲会オンコロジー(腫瘍学)プロジェクトは7月23日、都内で第5回肺がん研

究会を開催した。メインプログラムに位置付けている徳洲会呼吸器部会の第3回

症例検討会や、肺がんの薬物治療の最新知見に関する講演など内容が充実。多く

の参加者らが、より良い診療のヒントをつかもうと熱心に聴講、研け

んさん鑽

を積んだ。

湘南鎌倉バースクリニック(神奈川県)は初の「赤ちゃん同窓会」を開催した。同院で出産した方や地域の方が集い、子どもと一緒に遊んだり、育児に関する

情報交換を行ったりするイベントで、計70組169人が参加。1階スペースは笑顔と笑い声で終始、明るく温かい雰囲気に包まれた。会は午前と午後に分け、午前の部は1歳未満の赤ちゃんがいる方を対

象とした。月齢ごとにグループ化し、それぞれ自己紹介を行った後、フロアいっぱいに広がりベビーマッサージを実施。参加者が正しいマッサージ方法について助産師のアドバイスを受けながら、赤ちゃんの体に優しく触れると、赤ちゃんは気持ち良さそうな表情を浮かべていた。午後の部は1〜5歳までの子どもがいる方を対象に、手遊び歌や保育

士による紙芝居、ダンス、てるてるぼうずづくりなどを行った。フロアには午前よりもさらに活発な声が響き渡った。参加者からは「同じ時期に出産した方に会えて、話せたことが良かっ

た」、「月齢の近い子に会わせたかった」、「助産師さんがいるので、子どもが小さくても安心して連れて来られる」といった声が聞かれ、アンケート調査の結果でも、ほぼすべての参加者が「楽しかった」、「次回も参加したい」と回答。同診療所は今後も同窓会の開催を継続する予定だという。

「赤ちゃん同窓会」初開催湘南鎌倉バースクリニック

午前と午後合わせて70組169人が参加(写真は午後の部)

午前の部ではベビーマッサージを実施

臨床に役立つ最新治療

徳洲会オンコロジープロジェクト

第5回肺がん

研 

究 

呼吸器部会が症例検討

症例検討会のあと、昭和大学医学部内科学講座腫瘍内科学部門の石田博雄講師が「アファチニブの有効性を活かすためのマネジメント」をテーマに一般講演を行った。アファチニブはEGFR遺伝子変異陽性肺がんを対象とした分子標的薬。投薬にともなう有害事象である下痢や皮膚障害への対応法などを説明し

た。「アファチニブの治療継続のためには、有害事象の発現早期の支持療法が重要で、多職種による有害事象マネジメントが必要です」と呼びかけた。次に、京都府立医科大学大学院医学研究科呼吸器内科

学の髙山浩一教授が「進行期肺癌の薬物療法」と題し特別講演。海外で昨年報告された臨床試験に触れ、一次治療で投与した場合の第1世代(ゲフィチニブ)と第2世代(アファチニブ)のEGFR-TKIの比較結果を解説した。「それまではどのEGFR-TKIでも効果はあまり変わらないと考えられていましたが、この試験でアファチニブの効果が強いことが証明されました」。このあと第3世代のオシメルチニブ、血管新生阻害薬(抗体薬)のラムシルマブの特徴や治療効果、副作用などを説明した。さらに免疫チェックポイント阻害剤のニボルマブに言及。有害事象を説明するなかで、薬剤性肺障害や劇症1型糖尿病などを引き起こすリスクがあることから「ニボルマブ投与にあたっては有害事象を検索し、慎重に治療を行うことが大切です」と結んだ。

最新の分子標的薬など講演

呼吸器部会の活動に期待を寄せる新津顧問

「明日からの臨床に役立てていただきたい」と竹田部長

症例検討会(前半)で座長を務める岩瀬部長

症例検討会(後半)で座長を務める瓜生部長

症例検討会の総評を述べる福岡総長

特別講演の講師を務める髙山教授

初の東京開催に70人以上が参集

東 京 西徳洲会病院

BIツールクラブでのプレゼンの模様

BIツールクラブ開き

各部責任者が改善に力

徳 洲 新 聞生い の ち

命だけは平等だ 平成 28 年 8 月15日 月曜日 │ No.1044 ❹