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ARB投与で心収縮効果を めた透析患者の1両国東口クリニック 大山恵子

ARB投与で心収縮効果を認 めた透析患者の1例ARB投与で心収縮効果を認 めた透析患者の1例 両国東口クリニック 大山恵子 拡張型心筋症 1:左室の拡張(LVDd>55mm)

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  • ARB投与で心収縮効果を 認めた透析患者の1例

    両国東口クリニック

    大山恵子

  • 拡張型心筋症

    1:左室の拡張(LVDd>55mm)2:心収縮力低下(EF<50% or %FS<25%)3:虚血性心疾患、弁膜症の除外

    LVDd:左室拡張末期径EF :心駆出率FS :左室内径短絡率

    腎と透析 2006 臨時増刊号

  • 透析導入

    心エコー

    ドライウエイト設定

    経過観察

    心エコー(3年ごと)

    心筋症(DCM)虚血性心疾患

    臨床症状の変化

    EF40%未満 EF40%以上

    心臓カテーテル検査負荷シンチ

    有意な冠動脈疾患・虚血所見

    あり なし

    心エコー

    透析患者の心筋症診断の流れ(K/DOQIガイドラインより)

  • 心不全概念の時代的変遷

    ①① 心不全とは全身の浮腫である心不全とは全身の浮腫である

    1940-1960年代。

    心不全治療=Na制限と利尿薬の投与

    ②② 心不全とは心臓のポンプ機能障害である心不全とは心臓のポンプ機能障害である

    1970年代。

    心拍出量の低下と末梢血管抵抗の上昇が心不全病態。心不全治療=強心薬と血管拡張薬

    ③③ 心不全を引起こす主役は神経体液性因子である心不全を引起こす主役は神経体液性因子である

    現在。

    山崎 力: Nippon Rinsho, 65,Suppl 4, 7-8, 2007.

  • 心不全の神経体液性因子

    心内圧上昇

    ANP↑BNP↑

    腎血流量↓

    レニン↑

    アンギオテンシンⅠ↑

    アンギオテンシンⅡ↑

    心肥大

    静脈圧上昇

    Naと水貯留↑

    アルドステロン↑

    前負荷↑

    心機能低下

    心拍出量↓

    血圧↓

    交感神経緊張↑

    体血管抵抗↑

    後負荷↑

    体液性因子

    神経性因子

  • 心不全の神経体液性因子

    心内圧上昇前負荷↑ 静脈圧上昇

    ANP↑BNP↑

    腎血流量↓

    レニン↑

    アンギオテンシンⅠ↑

    アンギオテンシンⅡ↑

    心肥大

    Naと水貯留↑

    アルドステロン↑

    心機能低下

    心拍出量↓

    血圧↓

    交感神経緊張↑

    体血管抵抗↑

    後負荷↑

    抗アルドステロン薬抗アルドステロン薬

    ACE阻害薬ACE阻害薬

    ARBARB

    ββ遮断薬遮断薬

  • 症例

    • 65歳 女性•既往歴:アロプリノール、アスピリン、エポジン、フェロミア、パナルジンにて薬疹

    •原疾患:ネフローゼ症候群 腎生検は未施行•透析歴:7年8ヶ月•現病歴:上記疾患により2000年2月29日から血液透析導入。2001年12月24日より当院にて外来維持透析開始。

  • 初診時所見

    2002年1月•身長 144cm• BW 39.2kg• CTR 53.1%• EF 68%• BP 144/86•軽度労作時息切れ• ADL自立

  • 35

    48

    32

    46

    42

    35

    42

    53

    68

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    2002年1月

    2002年3月

    2002年5月

    2002年7月

    2002年9月

    2002年11月

    2003年1月

    2003年3月

    2003年5月

    2003年7月

    2003年9月

    2003年11月

    2004年1月

    2004年3月

    2004年5月

    2004年7月

    2004年9月

    2004年11月

    30

    31

    32

    33

    34

    35

    36

    37

    38

    39

    40

    41心胸比(%)EF(%) BW(K

    g)

    透析後倦怠感

    ドライウェイトアップ希望

    全身状態良好

    心不全

  • 2 8

    2 11 8

    2 7

    3 74 0

    1 8

    4 3

    5 5

    5 9

    6 6

    2 9

    0

    1 0

    2 0

    3 0

    4 0

    5 0

    6 0

    7 0

    2005年1月

    2005年3月

    2005年5月

    2005年7月

    2005年9月

    2005年11月

    2006年1月

    2006年3月

    2006年5月

    2006年7月

    2006年9月

    2006年11月

    2007年1月

    2007年3月

    2007年5月

    2007年7月

    2007年9月

    3 2 .5

    3 3

    3 3 .5

    3 4

    3 4 .5

    3 5

    3 5 .5

    3 6

    3 6 .5

    3 7

    3 7 .5心胸比(%)EF(%)

    BW(K g)

    ブロプレス

    アーチスト

    順天堂受診

    心研受診

    心研受診

    在宅酸素

    週4回来院呼吸苦、浮腫

  • 2006/12/012006/08/11

    ブロプレス開始アーチスト開始 4ヵ月後

    CTR53% BW35.1kgIVC 7mm

    CTR55.3% BW34.9kgIVC 10.4mm

  • 2 8

    2 11 8

    2 7

    3 74 0

    1 8

    4 3

    5 5

    5 9

    6 6

    2 9

    0

    1 0

    2 0

    3 0

    4 0

    5 0

    6 0

    7 0

    2005年1月

    2005年3月

    2005年5月

    2005年7月

    2005年9月

    2005年11月

    2006年1月

    2006年3月

    2006年5月

    2006年7月

    2006年9月

    2006年11月

    2007年1月

    2007年3月

    2007年5月

    2007年7月

    2007年9月

    3 2 .5

    3 3

    3 3 .5

    3 4

    3 4 .5

    3 5

    3 5 .5

    3 6

    3 6 .5

    3 7

    3 7 .5心胸比(%)EF(%)

    BW(K g)

    ブロプレス

    アーチスト

    順天堂受診

    心研受診

    心研受診

    在宅酸素

    週4回来院呼吸苦、浮腫

  • 2006/12/01 ブロプレス開始 2007/01/05 2007/03/09 投与3ヵ月後

    2007/09/12 2007/10/10 投与10ヵ月後

    CTR:55%BW34.9kg

    CTR:47.4%BW37.0kg

    CTR:48.4%BW36.3kg

    CTR:51.3%BW35.2kg

    CTR:53.5%BW34.9kg

  • 2006/12/1 2007/10/10

    アーチスト、ブロプレス服用中

    10ヵ月後ブロプレス開始

    CTR47.4% BW37kgIVC 10.4mmHANP 35BNP 214.6

    CTR55.3% BW34.9kgIVC 10.4mm

  • CTR47.4% BW37kgIVC 7.8mmEF 63%HANP 35BNP 214.6

    CTR 57.1% BW 36.8kgIVC 11mmEF 29%HANP 372BNP 2346

    2007/10/102005/01/21アーチスト、ブロプレス服用中

    ARB投与で心収縮効果を 認めた透析患者の1例拡張型心筋症心不全概念の時代的変遷心不全の神経体液性因子心不全の神経体液性因子症例初診時所見