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lndOnesla |♂ r聯 「ビンハウスJにある膨大な数のチャップも、専門の銅版職人がひとつずつ手作りして いるもの。ベースの柄が押されたら、染めない部分にロウを塗っていきます。 チヤンプによる模 様 のラインを残 し、ぬりえの ようにやや太 めのチャンティンでロウ置 きしていきます。前 出の線 画 用 の ノズル幅が約 0 5mmな の に対 し、こちらは2mmほ ど。 15 20 cm 19 使 使 mm 使 調 調 調 調 工房 に面 する庭 池。連 日 30℃ を超 える、うだるような暑 さに一涼 を与 えてくれる。 9 DAMACASA 20]6 Summe「

BIN house · Created Date: 5/8/2017 3:42:27 PM

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Page 1: BIN house · Created Date: 5/8/2017 3:42:27 PM

量 lndOnesla

鰤■|♂r聯

ギ塁「ビンハウスJに ある膨大な数のチャップも、専門の銅版職人がひとつずつ手作りして

いるもの。ベースの柄が押されたら、染めない部分にロウを塗っていきます。

チヤンプによる模様のラインを残し、ぬりえのようにやや太めのチャンティンでロウ置きしていきます。前出の線画用の

ノズル幅が約0 5mmな のに対し、こちらは2mmほ ど。

咤纂瘍手絣を重聯翁稔機、

■攘熙◎繹轟む鰯等.

ジャワ更紗のロウ置きには手描きのほか、

鋼製のチャップとでつスタンプ型を用いる技

法や、手描きとチャップを組み合わせるコ

ンビナシといつ技法があります。チャップ

は約15~20cm四方、ちまつど手の平を広げ

た位の大きさで、作業を効率よく行うた

めに19世紀中ごろから取り入れられたと

言われています。力の要るこの作業は主に

男性が担当。ひと押しごとに版面をロウに

浸し、それが均等に回るよう

一度逆さに反

してから、狙いを定めて丁寧に捺染してい

きます。一見簡単そうに見えますが、スタ

ンプの角をきつちりと合わせ、華奢な紋様

を一体的につなぎ合わせていくのは、やは

り熟達した腕でなければ適わない技。職

人の感覚が生む微妙な揺らぎが、柄行き

をただの反復ではない、味わいのある表情

へと導いていきます。右の写真は、ページを

めぐるとご覧いただけるワンピースの型を

押しているところ。作業場の片隅に所狭し

と並ぶ、使い込まれたチャップのデザインは

じつに多種多様。その中から選ばれたこの

紋様は、植物のみで構成された躍動的なモ

チーフです。捺染を終えると、かすれ部分

などをチャビアィンで軽く手直し。ロウが

乾くのを待って、布は隣に居る女性たちの

スペースヘと渡されます。ここでは、平筆の

ような太めのチャビアィンを使って、最初

に色を入れる細かな部分を残しながら、

染めない部分にロウ伏せしていきます。

わずか5mmに満たない箇所にも、ろフろフ

と狂いなくロウを含ませていく手業は驚

きの三百。そしてこの丹念なロウ置きの

作業こそが柄をより華やかに映えさせる

のです′。

ワンピースの模様は、クパギ・ソレ″と呼ば

れる二柄を使った構成法。パギは

「朝」、ソ

レは

「夜」を意味し、巻き方によって二種に

見えるように工夫されたレイアウトで、い

わばオンオフのお色直しを一枚で叶える優

れものです。草花紋様から斜め下にあし

らわれているのは、日本でいつ″七宝つなぎ

紋クを基調にした″カウン続

ヒンドゥー・ジャ

ワ時代の石彫神像の衣装にも見られる、格

調高いモチーフです。パッと見大胆な切り

替えのようでいて均整と調和の取れた構

図、また仔細をみると限りなく奥深い世

界が広がっている様は、だアィックならでは

の醍醐味ではないでしまつか。時代や地域

によってさまざまな意味、願いを表わす紋

様は、一つの単位を規則正しく連続させた

り、左右または上下対称に展開して全体

を統

一させるク整調法クで構成されていま

す。細心の注意を払って植物や動物を美

化する図案。その根底には自然を見つめ、

生命を慈しむ気持ちが流れています。

工房に面する庭池。連日30℃を超える、うだるような暑さに一涼を与えてくれる。

9 DAMACASA 20]6 Summe「