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産業支援 みやざき 目次 1 平成24年度第3号(No.250平成2517日発行 産業支援 みやざき 支援事業活用のススメ ・・・・・ 支援事業活用事例の ご紹介 コーディネーターの窓 ・・・・・ 取引開拓の現場から ・・・・・ 協議会だより ・・・・・ 宮崎県自動車産業振興会 施策トピックス ・・・・・ 宮崎県最低賃金の改正 について 新連携事業の認定について 下請代金支払遅延等防止法 について 経営革新の認定について 財団トピックス ・・・・・ 宮崎県中小企業大賞 情報化優良企業表彰 景況・統計情報 ・・・・・ 県内地域経済の動向 経済指標解説 19回みやざきテクノフェア オープニングセレモニー(H24.11.9) ■支援事業活用事例のご紹介■ 産業支援財団では、中小企業の皆様の様々な問題を解決するため、各種支援事業 をご用意しています。このコーナーでは、支援事業の活用例を、ご紹介します。 株式会社昭和 【 総合相談 (経営情報センター) 】 【 重度障がい者QOL改善のためのインターフェイス機器の開発 】 半導体から電気、電子、医療、福祉に関する装置や部品を製造している()昭和。黒木保善 社長が県福祉機械研究会会長在任中、会員である宮崎大学の 田村宏樹准教授から、「四肢麻 痺やALS(筋萎縮性側索硬化症)の重度障がい者が視線や表情筋の動きから発生する微弱な 電気を読み取ることで、電動車いすを動かしたり、パソコン 電動車いすでの使用実験 担当コーディネーターの語る「支援事業活用のポイント」 (担当コーディネーター:佐々木隆行) 今回の重度障がい者のためのインターフェイス機器の開発は、障がい者のQOL改善、つま り生活の質の向上を目指したシステムであり、利用者が切に求めていた新しい生活上の利便 性(自力移動やコミュニケーション等)を提供できる画期的な開発であるといえます。そのため、 事業展開上では、できるだけ多くの障がい者に利用してもらうことが重要であると判断して、 全国的な普及活動に対応できる国の「新連携」制度を利用することを勧め、認定の取得を支 援しました。 を使った文章作成ができるような機器の基礎研究をしてい るが、これを実用化できないか」という相談があった。「これ ができれば、言葉が不自由で寝たきりの方がコミュニケー ションをとったり、電動車いすを動かしたりすることができる ようになる。うちで試作を作りましょう、となりました」と黒木 社長。 平成22年度には、田村准教授との共同開発で、財団の 「産学官共同研究推進事業」に採択され、ゴーグルタイプの 「身体信号計測装置」のプロトタイプを完成させる。翌23度には財団のコーディネーターからサポートを受け申請した、 経済産業省の「新連携事業計画」に認定され、今年5月には 同じく経産省の「平成24年度新事業活動促進支援補助金」 を受け、さらなる軽量化や無線化に取り組んでおり、最終的 な商品化を目指しているところである。 黒木社長は次のように語る。「これまであった脳波を使うなどの市販されている製品と比べて、 できるだけ安価にして、多くの困っている人に使っていただきたいです。」

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産業支援

み や ざ き

目次

1

平成24年度第3号(No.250)平成25年1月7日発行

産業支援 みやざき

支援事業活用のススメ・・・・・ 1

支援事業活用事例のご紹介

コーディネーターの窓・・・・・ 3

取引開拓の現場から・・・・・ 4

協議会だより・・・・・ 5

宮崎県自動車産業振興会

施策トピックス・・・・・ 6

宮崎県 低賃金の改正について

新連携事業の認定について

下請代金支払遅延等防止法について

経営革新の認定について

財団トピックス・・・・・ 7

宮崎県中小企業大賞

情報化優良企業表彰

景況・統計情報・・・・・ 8

県内地域経済の動向

経済指標解説

第19回みやざきテクノフェア オープニングセレモニー(H24.11.9)

■支援事業活用事例のご紹介■

産業支援財団では、中小企業の皆様の様々な問題を解決するため、各種支援事業をご用意しています。このコーナーでは、支援事業の活用例を、ご紹介します。

株式会社昭和 【総合相談(経営情報センター) 】

【重度障がい者QOL改善のためのインターフェイス機器の開発】

半導体から電気、電子、医療、福祉に関する装置や部品を製造している(株)昭和。黒木保善社長が県福祉機械研究会会長在任中、会員である宮崎大学の 田村宏樹准教授から、「四肢麻

痺やALS(筋萎縮性側索硬化症)の重度障がい者が視線や表情筋の動きから発生する微弱な電気を読み取ることで、電動車いすを動かしたり、パソコン

電動車いすでの使用実験

担当コーディネーターの語る「支援事業活用のポイント」

(担当コーディネーター:佐々木隆行)

今回の重度障がい者のためのインターフェイス機器の開発は、障がい者のQOL改善、つまり生活の質の向上を目指したシステムであり、利用者が切に求めていた新しい生活上の利便性(自力移動やコミュニケーション等)を提供できる画期的な開発であるといえます。そのため、事業展開上では、できるだけ多くの障がい者に利用してもらうことが重要であると判断して、全国的な普及活動に対応できる国の「新連携」制度を利用することを勧め、認定の取得を支援しました。

を使った文章作成ができるような機器の基礎研究をしているが、これを実用化できないか」という相談があった。「これができれば、言葉が不自由で寝たきりの方がコミュニケーションをとったり、電動車いすを動かしたりすることができるようになる。うちで試作を作りましょう、となりました」と黒木社長。平成22年度には、田村准教授との共同開発で、財団の

「産学官共同研究推進事業」に採択され、ゴーグルタイプの「身体信号計測装置」のプロトタイプを完成させる。翌23年

度には財団のコーディネーターからサポートを受け申請した、経済産業省の「新連携事業計画」に認定され、今年5月には同じく経産省の「平成24年度新事業活動促進支援補助金」

を受け、さらなる軽量化や無線化に取り組んでおり、 終的な商品化を目指しているところである。

黒木社長は次のように語る。「これまであった脳波を使うなどの市販されている製品と比べて、できるだけ安価にして、多くの困っている人に使っていただきたいです。」

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産業支援 みやざき

株式会社三洋環境社プランナー 【総合相談(経営情報センター) 】

【安全性を優先した抗菌砂「ドミノサンド」の開発】

ビルを中心とした清掃、設備、衛生管理を行っている三洋環境社プランナー。環境衛生に関するコンサルタントも行っている同社に、「子供が口に入れたりする砂場の砂の衛生管理をどうしたらいいか」という相談が持ち込まれた。砂場には犬猫のフンや雑菌など、衛生的な問題があった。砂を消毒・殺菌するのは簡単なことだが、それには2つの課題が残った。

一つは、薬物が砂に残る可能性があること。市場には既に、重金属イオンを蒸着させて作った抗菌砂はあったが、「私どもは、重金属は蓄積するので、長い目で見たときに体に弊害を起こす可能性があると考えています。それで、その方法ではダメだと思いました」と同社の檜垣徳仁社長。

もう一つは、効果が一過性であること。砂を焼いて殺菌した焼砂等の商品も出回っていたが、それだけでは継続した効果は得られない。

「色々検討した結果、活性酸素で細菌を分解する『リン酸チタニア』を使用することにしました。これには菌の増殖を抑える効果があります。重金属を使った抗菌砂の方が殺菌効果は高いのですが、菌を殺すことが目的ではありませんから。菌を全くなくすことが正しいわけではないんですよ」開発にあたっては産業支援財団などに相談し、平成21年2月には経済産業省から新連携事業の認

定も受けた。そうした支援を受けて生まれたのが抗菌砂「ドミノサンド」。既存の砂場に入れて混ぜると、ドミノ倒しみたいに全体を抗菌していくので「ドミノサンド」という名前とした。その後「ドミノサンドシリーズ」として商品化。砂場の入替用で100℃以上で焼却し無菌化した「焼砂

ファイヤーサンド」、既存の砂場に混ぜて使用、焼砂をリン酸チタニアでコートし抗菌された「ドレミファドンサンド」、焼砂80%とドレミファドンサンド20%を混合した「ドレミファサンド」の3種類を販売している。

総合相談 (経営情報センター)産業支援財団では、中小企業の経営・技術・ITなど幅広い相談に対応するため、7名の専門のコーディネーターを配置した

「経営情報センター」を設置、無料相談窓口を開設しています。

○活用した支援事業○

企業のお悩みは、産業支援財団内「経営情報センター(TEL:0985‐74‐3850)」 へ。何でもご相談下さい。

担当コーディネーターの語る「支援事業活用のポイント」

(担当コーディネーター:長友太)

当社は、日頃より豊富なアイデアを持って、常に先を見越した取り組みを行っています。その中でも、この度開発したドミノサンドは、国内では利用例のなかった「リン酸チタニア」を利用した画期的な商品となっています。そして、砂をきっかけに幼稚園、保育園などの施設全体を「安全・安心」な場所にすることを目標にしています。アイデア豊富な檜垣社長は、営業に対しても率先垂範し、異業種分野へアプローチした結果、 近、大阪に本社のある大手文具メーカーと正式契約になりました。これも焦らず粘り強くアプローチした結果と思います。今後も異業種とのマッチングによる新事業創出が期待されます。

ドレミファサンド

【開設場所 】(財)宮崎県産業支援財団(平日毎日 9:00~17:00)みやざき新ビジネス応援プラザ(県中小企業会館5階)(毎週火、金曜 13:00~17:00)県立図書館(毎週木曜日 10:00~18:00)その他、延岡・都城・日南各商工会議所、高千穂町商工会、日向地区中小企業技能センターで定期的に実施※詳しいスケジュールは、財団ホームページでご確認下さい。

【所属コーディネーター】長澤 啓作 プロジェクトマネージャー。元旭化成工業理事。経営・技術の両面から新規事業のマネジメントに豊かな経験を持つ。

今井 常世 キイテック㈱代表取締役。医薬品工場・研究所設計、経営、実験動物研究施設設計など、外資系での経験豊富。

佐々木 隆行 ささ経営研究所長。6次産業化などの事業認定の申請支援や中小企業診断士として経営指導に多くの実績。

谷山 浩一郎 情報化整備やソフトウェア活用等、IT関連の支援が専門。1,000社以上の中小企業に対し助言・指導を行う。

高峰 由美 販売戦略コンサルタントとして、パッケージデザイン、価格戦略、流通戦略など販売戦略全般にわたる支援が専門。

長友 太 経営指導、経営革新、企業再生など中小企業の診断や支援に実績を持つ。県中小企業診断士協会会長。

片岡 博信 企業で繊維関連の研究開発・製造に従事。特許流通アドバイザーとして特許を活用した事業化支援の経験あり。

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産業支援 みやざき

筆者プロフィール

(財)宮崎県産業支援財団コーディネーター

宮崎市出身。筑波大学卒業。商社勤務後、個人で韓国化粧品会社の日本進出コンサルタントとして独立・契約し、日本での販売実績をあげる。消費財のパッケージデザイン、価格戦略、流通戦略などの販売戦略全般が専門。(社)宮崎県農業法人経営者協会理事。好きなモノ・コトは旅行、写真、読書、ワイン、ゲーム。中型2輪免許を持つ。

高峰 由美 (たかみね ゆみ)

売れる商品づくりに必要なこと

企業から年間300件以上のご相談を受けている、高峰由美コーディネーター。中でも最も多く受けるご相談が、商品開発に関するものだという。では、売れる商品づくりに必要な要素とは?販売戦略コンサルタントである高峰コーディネーターに、売れる商品づくりに必要なポイントについてお話を伺いました。

1.価格付け

商品というのは、字のごとく「商(あきな)いをする品」です。商いにとって価格は本当に大切なポイントなのですが、残念ながらどのチャネルで商品を売るのかも考えず、とにかくエイヤ!で簡単に価格をつけてしまう場合が非常に多いです。企業さんが直接消費者さんへ販売するだけなら価格づけは単純でもいいのですが、もし大都市圏まで流通販路を延ばしたいのであれば、当然途中で多くの方の手をつたっていくことになりますので、その方々の対価となるマージンを含んだ価格付けが必要になります。また、企業自身の利益もこの「価格」の中からしか叩き出すことができないことを忘れてはなりません。

価格戦略というのは非常に難しく、かつ重要なので、企業さんとのご相談でも、価格付けのために何時間も協議することもしばしばです。

2.パッケージやPOPでわかりやすく、簡潔に伝える

食品でも雑貨でも、売り場でセルフ販売の棚に置かれることがほとんどです。隣に説明してくれる販売員さんが常時ついているわけではありませんので、商品自身が「自分はこんな商品です」としゃべらないと、お客様には伝わりません。

パッケージやPOP、その他販促品で、いかにわかりやすく商品特長をしゃべらせるか。これは消費者さんへのアピールだけでなく、流通へ「売りやすい商品」として販路拡大をしてゆくためにも不可欠な要素だといえます。

3.時間をかけて商品を育てる

商品は、できあがったらすぐに羽が生えて売れていくわけではありません。そこからひとつひとつ販路開拓してゆく必要があり

ます。また、商品の売れる・売れないは、その商品の認知度に

かかっていることも多いので、時間をかけてたくさんの人に商品を知ってもらうことも大事です。今までの事例を見ていると、商品がコンスタントに売れていくまでに2~3年、事業の柱として育つまでには5年程度かかる場合も多く見受けられます。

4.一番の要素は「人」

私は、商品が売れる要素のうち、「商品そのものの良さ」という要素は、全体の半分以下でしかない、と思います。

残りの要素は何かというと「人」です。商品開発となると、支援する側も、商品だけにフォーカスしてしまう場合が多いのですが、これは「木を見て森を見ず」で、結局はその事業者さんの「やる気・執念」の要素が一番大切です。

商品というものは子供と同じで、市場の声を聞きながら改良を重ね、売れる商品へと育ててゆく必要がありますが、

クリップウェア(株)社の「開

かずピンちゃん(250円)」。同社の小田島社長の長年の努力が実り、発売6年目の現在、月5万個以上の売上げをあげるヒット商品となりました。

商品が売れるまでには時間がかかります。その間、いかに国内外を足で回って商品を売っていけるのか。その事業者さんの「やる気・執念」にかかっています。

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産業支援 みやざき

の現場から

大切なのは“コミュニケーション”

北部九州取引開拓アドバイザー 吉永 哲

多くの企業が立地する北部九州

北部九州には、トヨタ・日産などの自動車や新日鉄住金に代表される製鉄、安川電機などの生産用機械など幅広い製造業があり、福岡県だけで6,172事業所が立地しています。特に自動車などの輸送用機械や製鉄などの鉄鋼は、福岡県の工業製品出荷額の約4割を占めるなど、関連企業を含めると事業所数はかなりの数に上るものと思われます。

取引開拓アドバイザーの活動

私は平成21年4月、宮崎県産業支援財団の北部九州担当の取引開拓アドバイザーに就任し、県内中小企業の取引拡大を図るため、毎年度170社前後の事業所を訪問して、これら事業所の事業展開や発注案件情報などを調査しています。

また、県内中小企業からのご要望があれば、北部九州の事業所への営業活動に同行するなど、取引開拓のサポートも行っています。

商談会の開催

産業支援財団では、大阪、宮崎、福岡の3カ所で、県内外の発注企業と県内中小企業とのマッチングの場となる商談会を開催していますが、宮崎と福岡の商談会では、アクセス面からも北部九州から参加する発注企業が重要になってきます。

宮崎商談会においては参加発注企業の1/3、福岡商談会においてはその全てが北部九州の企業となっております。企業訪問に当たっては、宮崎の企業と取引のない新た

な企業を訪れて、新規取引の開拓を図ることは勿論ですが、加えて、これまでに商談会に参加していただいた発注企業に対しても、宮崎の企業との取引を継続し、発展させていただくよう、定期的に訪問してコミュニケーションを取るよう、心がけています。

平成23年度福岡商談会

宮崎の中小企業の皆さんへ

北部九州の発注企業の皆さんからは、宮崎の中小企業に対するご意見として、・見積を依頼しても回答が遅い・商談会で会ってもその後何の連絡もない・「何でもやります」と言われたが、それでは何が得意なのかがわからない

・単価が高いなど厳しい話をされることがあります。

しかし、何度も会って親しくなると、担当者としての本音が聞けたり、自社や他社の 新情報を教えてくれたりするようになるなど、コミュニケーションを取ることでメリットに繋がることもでてきます。厳しい指摘は明日への営業の糧として真摯に受け止めるとともに、与えられた情報が自社の業務にどう結びつくかをじっくりと考えることが、成功の秘訣といえるのではないでしょうか。

商談会を単なる商談の場として捉えるのではなく、発注企業とのコミュニケーションのきっかけを創る場であると考えることも大切なのではないかと思います。

福岡商談会について

後に、今年度の福岡商談会のご紹介をさせていただきます。

1月24日(木)13時30分から福岡市のホテルコムズ福岡で福岡商談会を開催します。現在、多くの発注企業の皆さんにご参加いただくため、福岡県を中心にPRを行っています。宮崎県内の中小企業の皆さんは、是非ご参加ください。※(注)参加企業は、財団に受注企業として登録されている

企業が対象となります。

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産業支援 みやざき

宮崎県自動車産業振興会

宮崎県自動車産業振興会は、北部九州に集積している自動車産業への本県企業の新規参入や技術力の向上・集積、取引の拡大を目的に、平成18年10月31日に設立されました。事務局は県工業支援課に置かれ、現在、47の企業・団体(38企業、9支援機関)が参加しています。ここで協議会の活動内容について、ご紹介します。

(1)自動車産業アドバイザーの設置

(2)受発注促進、取引拡大に関する事業

県工業会や県が開催する研修会への参加、「専門家派遣事業」の利用、会員企業視察会の開催を通じて、会員企業の相互理解や企業力の向上を図っています。【平成23年度実績】1.宮崎県工業会が主催する研修事業等への参加2.宮崎県工業技術センターが主催する研修事業への参加3.会員企業視察会の開催

企業概要や主要設備などを掲載した会員企業名鑑の発行や、自動車産業関連の講演会を開催するとともに、自動車関連の情報を会員企業へ随時、メールで提供しています。

産業支援財団では、宮崎県自動車産業振興会の活動に協力するとともに、自動車関連産業の取引拡大を図るため、次の活動を行っています。

(1)取引開拓アドバイザーの設置北部九州の自動車関連産業との取引拡大を図るため、福岡県に取引開拓アドバイザーを設置していま

す。福岡県や佐賀県内の自動車関連企業を訪問し、発注情報等の情報収集を行うとともに、県内企業の営業活動のサポートなどを行っています。

(2)商談会の開催や展示会出展の助成平成19年度から、福岡市で「宮崎県ものづくり取引拡大商談会」を開催し、北部九州の自動車関連企業

と本県企業との取引拡大を図るとともに、本県企業の技術力をPRするため、例年東京都で開催される「機械要素技術展」に出展する県内企業の出展料等を助成しています。

取引開拓アドバイザー吉永 哲

自動車産業アドバイザー((株)ホンダロックOB)を設置して、会員企業の技術力向上や改善のためのアドバイスを行っています。

宮崎県工業技術センターで開催された「みやざきテクノフェア」に出展して、会員企業や振興会の活動のPRを行っています。また、福岡県が事務局である九州自動車・二輪車産業振興会議が

開催した以下の商談会に会員企業が参加し、トヨタ自動車をはじめとするカーメーカーや関連サプライヤーに対して、取引拡大のためのPRを行っています。【平成24年度】1.九州自動車部品相互展示商談会(福岡市・マリンメッセ福岡)2.九州新技術・新工法展示商談会

(愛知県・トヨタ自動車サプライヤーズセンター)3.九州新技術・新工法展示商談会 (福岡県・トヨタ自動車九州)

(3)生産管理、製品管理、品質管理等企業力向上に関する事業

(4)情報収集及び提供事業

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産業支援 みやざき

~国や県等の施策や支援策などをご紹介します~

経営革新の認定について県

県が承認した 新の経営革新計画をお知らせします。

【経営革新とは】

「事業者が新事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ること」で、中小企業者が作成した計画を県が承認することにより、様々な支援策を活用することができるようになります。

新の承認計画(H24.9、10)

○養豚業者の糞尿処理作業を省力化する新製品畜舎用コンクリートスノコの製造販売 【有限会社瀬戸山ブロック工業所】

○宮崎産食材等を使用した見せる・選べる特大バーガーの開発とバーガーをメインとしたバール形態の店舗展開 【BARかぶとむし】

○不断水による潜水工法を用いた貯水槽清掃業務 【株式会社増田工業】○身体・知的・精神の三障がい者にターゲットを絞った居住環境の整備及び就

労移行支援、障がい者向け賃貸住宅運営及びコンサルタント事業の推進

【株式会社アーバンエチュード】○金型の設計・加工技術を活かした金型メンテナンスサービス等の提供

【株式会社ステップス】【経営革新のお問い合わせは県工業支援課(0985‐26‐7114)まで】

宮崎県 低賃金の改正について国

宮崎県 低賃金は、平成24年10月26日から、「時間額653円」に改正されました。

低賃金は、臨時、パート、アルバイトを含む宮崎県内で働くすべての労働者に適用されます。

宮崎県 低賃金が時間額653円に改正

ご存じですか?中小企業を応援する業務改善助成

事業場内で も低い賃金を、4年以内に時間額で800円以上に引き上げる賃金改善計画を策定し、労働能率の増進に資する設備・器具の導入等の業務改善を実施した場合に、その費用の2分の1(上限100万円)を助成する「業務改善助成金制度」が平成23年4月から始まっています。

【お問い合わせ先】宮崎労働局労働基準部賃金室(電話:0985-38-8836)

新連携事業の認定について国

県内中小企業者による新たな新連携事業計画が、九州経済産業局から認定されましたので、お知らせします。

○質の高い教育効果と円滑な運営を提供する初めての教育システムの事業化

(コア企業) 株式会社教育情報サービス(宮崎市)(連携企業) ゼッタリンクス株式会社(東京都荒川区)

【新連携事業とは】事業分野を異にする複数の事業者が有機的に連携し、その経営

資源を組み合わせて新事業活動を行うことにより、新たな事業分野の開拓を図ることを「新連携」と呼んでいます。事業計画が認定されると、補助金や政府系金融機関による融資等の支援メニューを活用することができます。県では、今回が累計10件目の認定となります。

【新連携事業のお問い合わせは県工業支援課(0985‐26‐7114)まで】

下請代金支払遅延等防止法について国

下請事業者の利益を保護し取引の適正化を推進するための「下請代金支払遅延等防止法」をクイズ形式でご紹介します。

問 題

下請法上、次の親事業者の理解は正しいでしょうか。

① 親事業者は、メーカーから鉄骨材を通常とは異なる長さを指定して注文し購入しているところ、当該鉄骨材が規格品であるため、下請法の「製造委託」には該当しないものと理解している。

② 親事業者は、下請事業者に対し、顧客から請け負った設備の保守点検と修理作業を一括して再委託しているため、当該委託は下請法の「役務提供委託」に該当するものと理解している。

慣行から、請負契約は下請法の「情報成果物作成委託」、準委任契約は「役務提供委託」に該当するものと理解している。

【解答・解説】① 正しくない

たとえ当該鉄骨材が規格品であったとしても、親事業者は、メーカー(下請事業者)に対して、通常とは異なる長さを指定して注文し購入しているため、当該取引は単なる規格品の購入とは認められず鉄骨材の加工の委託として、下請法の「製造委託」に該当するものと考えられます。

② 正しくないたとえ親事業者が一括して発注するものであったとしても、下請事

業者に再委託している業務の内容が設備の保守点検と修理作業であるため、設備の保守点検は下請法の「役務提供委託」に、修理作業は同法の「修理委託」に該当するものと考えられます。

③ 正しくない情報サービス業における請負契約や準委任契約に基づく委託が

下請法の「情報成果物作成委託」又は「役務提供委託」に該当するかについては、契約の名目にかかわらず、実際に委託される業務の内容に基づき判断することとなります。よって、例えば、コンサルティング契約において、専門家が常駐先

で適宜質問を受けながら専門知識を出していくような業務を委託する場合は「役務提供委託」に該当するものと考えられ、他方、常駐先でレポートを作成するような業務を委託する場合は「情報成果物作成委託」に該当するものと考えられます。

【下請法に関するお問い合わせはこちら】

公正取引委員会事務総局九州事務所下請課(HP:http://jftc.go.jp/ 電話 092‐431‐6032)

【下請かけこみ寺相談窓口】産業支援財団では、企業間の取引トラブルに関する中小企業のお悩みに対応するため、無料相談窓口を開設しています。ご相談は、 0120-418-618 (通話料無料) まで。

③ 親事業者は、情報サービス業を営んでおり、これまでの取引

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産業支援 みやざき

平成24年度宮崎中小企業大賞を(有)四位農園(小林市)ほかが受賞!

都道府県協会情報化(IT経営)優良企業表彰で(株)アシストユウ(宮崎市)が優秀企業賞受賞!

県内の優れた中小企業を表彰する宮崎中小企業大賞について、当財団が支援を行った有限会社四位農園ほか2社が受賞しました。

【宮崎中小企業大賞とは】県内事業所の大部分を占めており、本県産業の発展を支えるとともに、地域社会の担い手として大きな役割を果たしている中小企業の

うち、県内産業の振興や地域経済の活性化に特に寄与している企業を表彰し、広く県民や他の企業の皆さんに紹介することにより、県内中小企業に対する理解を深めていただき、本県経済の活性化を図ることを目的とした制度です。平成19年度から昨年度までに19社が表彰されています。

【地域資源活用部門】 農業生産法人有限会社四位農園

宮崎県の地域資源である野菜や茶を自ら生産することで、安全性および低コストの追及をするとともに、その野菜類を加工する工場を整備することで、安心安全な全国有数の野菜のサプライチェーンを構築している。

平成19年、小林市野尻町に第一工場竣工。6次産業化の先駆者としてほうれんそう連続冷凍装置を導入。平成24年、高原町フリーウェイ工業団地に第二工場を建設し、操業を開始。野菜の二次加工や、中国・ASEAN諸国への輸出も視野に入れている。

高成長の実現は、高度な技術により実現されており、その技術の高度化を支えるべく、人材育成にも力を入れて取り組んでいる。

【オンリーワン部門】 南九州化学工業株式会社 りん肥の原料に、県内で発生する鶏糞燃焼灰を活用

【新技術・新分野進出部門】 株式会社宮防 遮熱塗装という時代のニーズに乗る新しい展開により業績を伸ばす

※県ホームページでは受賞の概要を紹介しています。県ホームページのサイト内検索から「平成24年中小企業大賞」で検索して下さい。

企業が情報化に取り組み、ITの利活用がユニークである、または経営活動の中で情報化の効果が認められる中小企業者と、そのサポートを行った都道府県協会を表彰する「都道府県協会情報化優良企業表彰」において(株)アシストユウが優秀企業賞(全国中小企業取引振興協会会長賞)を、当財団が優秀サポート賞(同)を受賞しました。受賞にあたって、11月27日に東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で表彰式が行われ、(株)アシストユウの小幡小百合代表取締役らが、

桑原茂樹(財)全国中小企業取引振興協会会長から、表彰状などの授与を受けました。

(株)アシストユウ(宮崎市新別府町前浜1401-30 小幡小百合代表取締役)

電気設備業に特化したソフトの販売・指導やITによる業務効率化のコンサルタント事業等を行っている。同社が新事業分野への進出を展開するにあたり、当財団の支援を受け、同社の持つIT技術を活かした移動式ネットワークカメラ「モニタリングミックス」を開発、国内外で販売を伸ばしていることが評価されました。

小幡社長と小幡専務賞状を授与される小幡社長

※「モニタリングミックスの開発」は宮崎発!!のものづくり( http://www.i‐port.or.jp/seika/ )にも掲載しています。

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産業支援 みやざき

財団法人宮崎県産業支援財団〒880-0303宮崎市佐土原町東上那珂16500-2TEL 0985(74)3850FAX 0985(74)3950E-mail [email protected]

各種情報は財団HPでもチェック!http://www.i‐port.or.jp/

検索宮崎産業支援お気軽にお問い合わせ下さい

景況・統計情報Business climate & Statistics

県内地域経済の動向(H24.7~H24.9)

県北経済の動向 (延岡県税・総務事務所調べ)

県西経済の動向 (都城県税・総務事務所調べ)

県南経済の動向 (日南県税・総務事務所調べ)

経済指標解説

今回のkey word 【月例経済報告】月例経済報告とは、景気に関する政府の公式見解を示す報告書です。内閣

府が景気動向指数に基づいて月ごとにとりまとめ、経済財政政策担当大臣

が関係閣僚会議の了承を得て公表されます。経済全般が総括的に評価され、景気の基調判断として記載されるほか、個人消費や民間設備投資・公共投資などの需要動向、企業活動や雇用情勢、物価と金融情勢、海外経済などの個別要因の動向についても述べられています。基調判断では、「改善」「足踏み」「局面変化」「悪化」「下げ止まり」などの表現が用いられ、経済動向の前月からの変化について言及されます。

※詳しくは、各県税・総務事務所発行の「経済の動向」レポートをご覧下さい。

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個人消費 おおむね横ばいとなっている

設備投資 弱い動きとなっている

住宅建設 底堅い動きとなっている

貿易・サービス収支 赤字は、増加傾向となっている

企業収益 製造業を中心に弱含んでいる

倒産件数 おおむね横ばいとなっている

雇用情勢 依然として厳しさが残るなかで、このところ改善の動きに足踏みがみられる

消費者物価 わずかながら下落している

景気基調判断

景気は、世界景気の減速等を背景として、このところ弱い動きとなっている

個人消費 一部に弱い動きが見られるものの、緩やかに持ち直している

住宅建設 前年を下回る

生産活動 おおむね横ばいとなっている

設備投資 前年度を下回る見通し

企業収益 通期は減益見通し

企業の景況感 「下降」超幅が縮小している

雇用情勢 厳しい状況にあるなか、緩やかな持ち直しが続いている

公共事業 前年度を上回る

倒産 件数は前年を下回り、負債金額は前年を上回る

総括判断

緩やかに持ち直しているものの一部に足踏みが見られる

宮崎県内経済情勢報告(平成24年10月 九州財務局宮崎財務事務所)

〈先行き〉

景気の先行きについては、当面は弱さが残るものの、復興需要が引き続き下支えするなかで、海外経済の状況が改善するにつれ、再び景気回復へ向かうことが期待される。ただし、海外経済を巡る不確実性は依然として高く、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き、デフレの影響等にも注意が必要である。

月例経済報告(平成24年12月 内閣府発表)

木材市況は、杉丸太の出材量・売上金額とも前年同期を上回っているが、市売単価は4期連続で前年同期を下回っており、依然厳しい状況が続いている。ただ出材量は3期連続で前年同期を上回るなど、需要の回復がうかがえる。ま

た漁業も、県南漁業の主力であるマグロ、カツオを中心に水揚げ数量・金額ともに前年同期を上回ったが、平均魚価はともに前年同期を下回っている。一方、2期連続で前年同期を上回り、口蹄疫・新燃岳の影響からの順調な回

復がうかがえたホテル・旅館宿泊者数は、一部宿泊施設が休業していることと、領土問題が微妙な蔭を落としている模様で、今期は前年同期を下回った。月間有効求人倍率は、平成22年当初から連続して前年同期を上回っている。

しかし、前期に続いて、今期も前年同期との差(ポイント)が縮まるなど、雇用の“ゆるやかな改善傾向”が一段と減速しており、注視しておく必要がある。

また、県内の景気情勢については、九州財務局宮崎財務事務所から「宮崎県内経済情勢報告」が公表され、経済全般についての総括判断や主要項目について各論で動向の判断がなされています。

公共工事請負金額、大手民間企業から地元企業へ発注された工事金額、新設住宅着工戸数といった投資関連については、前年同期を上回った。有効求人倍率及び細島港の通関輸出入総額も前年同期比で上昇し、また、負債額1000万円以上の企業倒産件数、負債総額とも前年同期比でマイナスとなった。

一方、電力消費量や延岡鐵工団地の売上額、木材の素材販売量といった生産活動や大型小売店販売額は前年同期を下回った。また、金融情勢についても、信用保証協会の保証承諾金額は前年同期を上回ったものの、保証承諾件数、日本政策金融公庫の事業資金貸付申込件数及び金額、手形交換の枚数及び金額とも前年同期比マイナスとなるなど、依然厳しい状況が続いている。

雇用情勢については、有効求人倍率が都城で32ヶ月、小林で33ヶ月連続で前年同月比プラス、新規求人数でも、県西地区で11期連続で前年同期比プラ

スとなるなど、回復基調が続く。企業倒産も倒産件数、負債額とも前年同期を下回った。新規住宅着工数も6期連続で前年同期を上回ったが、増加率は減

少してきている。木材市況は、販売量、販売額、平均単価ともに前年同期比マイナスであるが、価格自体は3ヶ月連続で上昇しており、底打ち感も見られる。一方、ホテル・旅館宿泊者数は5期連続で前年同期を上回っていたが、今期

はマイナスに転じ、子牛市場の取引頭数、取引価格も和牛枝肉価格の低迷が影響し、前年同期比マイナスとなった。また、全電力消費量や信用保証状況はそれぞれ6期連続、8期連続で前年同期を下回る結果となっている。