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私たちの活動を ご理解いただくために DISCLOSURE ディスクロージャー誌 平成 31 年4月1日~令和 2 年3月 31日 49年度 (令和元年度)

私たちの活動を ご理解いただくために DISCLOSURE1 ごあいさつ 組合員の皆様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと心からお慶び申し上げます。

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  • 〒923-8611 石川県小松市上小松町丙252TEL 0761-22-5111㈹ FAX 0761-22-5115㈹フリーダイヤル 0120-888-985E-mail:[email protected]:https://www.ja-komatsushi.or.jp/

    小松市農業協同組合

    私たちの活動をご理解いただくために

    D I S C L O S U R Eディスクロージャー誌平成31年4月1日~令和 2 年3月31日

    第49年度(令和元年度)

  • ごあいさつ ・・・・・・・・・・・・・・・・ 11.経営理念・経営方針 ・・・・・・・・・・ 22.経営管理体制 ・・・・・・・・・・・・・ 33.社会的責任と貢献活動 ・・・・・・・・・ 44.事業の概況(令和元年度)・・・・・・・・ 75.リスク管理の状況 ・・・・・・・・・・・116.事業のご案内 ・・・・・・・・・・・・・19

    【経営資料】Ⅰ 決算の状況 1.貸借対照表 ・・・・・・・・・・・・・20 2.損益計算書 ・・・・・・・・・・・・・22 3.キャッシュ・フロー計算書 ・・・・・・24 4.注記表 ・・・・・・・・・・・・・・・26 5.剰余金処分計算書 ・・・・・・・・・・30 6.部門別損益計算書 ・・・・・・・・・・31 7.財務諸表の正確性等にかかる確認 ・・・33 8.会計監査人の監査・・・・・・・・・・・33

    Ⅱ 損益の状況 1.最近の5事業年度の主要な経営指標 ・・33 2.利益総括表 ・・・・・・・・・・・・・34 3.資金運用収支の内訳 ・・・・・・・・・34 4.受取・支払利息の増減額 ・・・・・・・34

    Ⅲ 事業の概況 1.信用事業  (1) 貯金   ① 種類別貯金平均残高 ・・・・・・・・35   ② 定期貯金残高 ・・・・・・・・・・・35  (2) 貸出金   ① 種類別貸出金平均残高 ・・・・・・・35   ② 貸出金金利条件別内訳残高 ・・・・・35   ③ 貸出金担保別内訳残高 ・・・・・・・36   ④ 債務保証見返額担保別内訳残高 ・・・36   ⑤ 貸出金使途別内訳残高 ・・・・・・・36   ⑥ 貸出金業種別残高 ・・・・・・・・・37   ⑦ 主要な農業関係の貸出金残高 ・・・・37   ⑧ リスク管理債権額 ・・・・・・・・・38   ⑨ 金融再生法開示債権区分に基づく     保全状況 ・・・・・・・・・・・・・38   ⑩ 元本補てん契約のある信託に係る貸   出金のリスク管理債権の状況 ・・・・38   ⑪ 貸倒引当金内訳 ・・・・・・・・・・40   ⑫ 貸出金償却額 ・・・・・・・・・・・40  (3) 内国為替取扱実績・・・・・・・・・・40  (4) 有価証券   ① 保有有価証券平均残高 ・・・・・・・40   ② 保有有価証券残存期間別残高 ・・・・41   ③ 有価証券の時価情報 ・・・・・・・・41   ④ 金銭の信託の時価情報 ・・・・・・・41

     2.共済取扱実績  (1) 長期共済新契約高・長期共済保有高・・42  (2) 医療系共済の入院共済金額保有高・・・42  (3) 介護共済の介護共済金額、生活障害共済の生活障害共済金額     および生活障害年金年額保有高・・・・・・・・42  (4) 年金共済の年金保有高・・・・・・・・42  (5) 短期共済新契約高・・・・・・・・・・42 3.その他事業の実績  (1) 購買品取扱高・・・・・・・・・・・・43  (2) 受託販売品取扱高・・・・・・・・・・43  (3) 保管事業取扱実績・・・・・・・・・・43  (4) 加工事業取扱実績・・・・・・・・・・43  (5) 利用事業取扱実績・・・・・・・・・・43  (6) 指導事業の収支内訳・・・・・・・・・44

    Ⅳ 経営諸指標 1.利益率 ・・・・・・・・・・・・・・・44 2.貯貸率・貯証率 ・・・・・・・・・・・44

    Ⅴ 自己資本の充実の状況 1.自己資本の状況 ・・・・・・・・・・・45 2.自己資本の構成に関する事項 ・・・・・46 3.自己資本の充実度に関する事項 ・・・・48 4.信用リスクに関する事項 ・・・・・・・50 5.信用リスク削減手法に関する事項 ・・・53 6.派生商品取引及び長期決済期間取引の   取引相手のリスクに関する事項 ・・・・54 7.証券化エクスポージャーに関する事項 ・・54 8.出資その他これに類するエクスポー   ジャーに関する事項 ・・・・・・・・・55 9.リスク・ウェイトのみなし計算が適用   されるエクスポージャーに関する事項・・56 10.金利リスクに関する事項 ・・・・・・・56

    【JAの概要】 1.機構図 ・・・・・・・・・・・・・・・58 2.役員 ・・・・・・・・・・・・・・・・59 3.組合員数 ・・・・・・・・・・・・・・59 4.組合員組織の状況 ・・・・・・・・・・59 5.地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・60 6.沿革・歩み ・・・・・・・・・・・・・60 7.店舗等のご案内 ・・・・・・・・・・・60

    1.業務の運営の組織 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58~592.理事及び監事の氏名及び役職名 ・・・・・・・・・・・・・593.事務所の名称及び所在地 ・・・・・・・・・・・・・・ 60~61

    4.主要な業務の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

    5.直近の事業年度における事業の概要 ・・・・・・・7~86.直近の5事業年度における主要な業務の 状況を示す指標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・337.直近の2事業年度における主要な事業の 状況を示す指標 ① 主要な業務の状況を示す指標  a.事業粗利益及び事業粗利益率 ・・・・・・・・・・・34  b.資金運用収支、役務取引等収支及び   その他事業収支 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34  c.資金運用勘定並びに資金調達   勘定の平均残高、利息、利回り及び   総資金利ざや ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34  d.受取利息及び支払利息の増減 ・・・・・・・・・・・34  e.総資産経常利益率及び資本経常利益率 ・・・44  f.総資産当期純利益率及び   資本当期純利益率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44 ② 貯金に関する指標  a.流動性貯金、定期性貯金、譲渡性貯金、   その他の貯金の平均残高 ・・・・・・・・・・・・・・・・・35  b.固定金利定期貯金、変動金利定期貯金及び   その他の区分ごとの定期貯金の残高 ・・・・・・・35 ③ 貸出金等に関する指標  a.手形貸付、証書貸付、当座貸越及び   割引手形の平均残高 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35  b.固定金利及び変動金利の区分ごとの   貸出金の残高 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35  c.担保の種類別の貸出金残高及び   債務保証見返額 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36

      d.使途別の貸出金残高 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36  e.主要な農業関係の貸出実績 ・・・・・・・・・・・・・37  f.業種別の貸出金残高及び当該貸出金残高の   貸出金の総額に対する割合 ・・・・・・・・・・・・・・・37  g.貯貸率の期末値及び期中平均値 ・・・・・・・・・44 ④ 有価証券に関する指標  a.商品有価証券の種類別の平均残高・・ 該当なし  b.有価証券の種類別の残存期間別の残高 ・・・41  c.有価証券の種類別の平均残高 ・・・・・・・・・・・40  d.貯証率の期末値及び期中平均値 ・・・・・・・・・44

    8.リスク管理の体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11~129.法令遵守の体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12~1310.中小企業の経営の改善及び地域の 活性化のための取組の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・4~611.苦情処理措置及び紛争解決措置の内容・・・・・・・17

    12.貸借対照表、損益計算書及び 剰余金処分計算書 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20~3013.貸出金にかかる事項 ① 破綻先債権に該当する貸出金 ・・・・・・・・・・・・・38 ② 延滞債権に該当する貸出金 ・・・・・・・・・・・・・・・38 ③ 3カ月以上延滞債権に該当する貸出金 ・・・・・38 ④ 貸出条件緩和債権に該当する貸出金 ・・・・・・・3814.自己資本の充実の状況・・・・・・・・・・・・・・・・ 45~5715.次に掲げるものに関する取得価額又は契約価額、  時価及び評価損益 ① 有価証券 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 ② 金銭の信託 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 ③ 金融先物取引等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 該当なし16.貸倒引当金の期末残高及び期中の増減額・・・・・4017.貸出金償却額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4018.法第 37条の 2第 3項の規定に基づき会計監査 人の監査を受けている旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

    ※ 信用事業を行う農業協同組合は農業協同組合法第 54 条の3の規定により、事業年度ごとに信用事業及び信用事業に係る財産の状況に関する事項を記載したディスクロージャー誌を作成し、当JAの信用事業を行う全事務所に備え置き、公衆の縦覧に供することが義務づけられています。  昨今の金融機関を巡る相次ぐ不祥事件が発生する中、金融機関にはこれまで以上に「透明性」「健全性」が求められています。ディスクロージャー誌は組合員並びに地域の皆さまが安心して当JAを利用していただけるよう、当組合の経営方針、社会的責任及び経営内容を明らかにするものです。

    目 次 ディスクロージャー開示項目対比掲載ページ

  • 1

    ごあいさつ 組合員の皆様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと心からお慶び申し上げます。 平素はJA小松市の各事業にわたり格別のご支援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 平成の時代から令和の時代にかわり、令和元年度は希望に満ちた新しい時代の始まりとなりました。JAにおいては政府の農協改革集中期間が終了し、自己改革においても次のステージに進む年となりました。一昨年の大雪によるハウスの被害からの復旧が進み、さらなる小松の農産物の振興に向けて、特に園芸産地の振興においては野菜総合選果場や新規就農支援センターを核とした産地の活性化方策を進めているところであります。 しかしながら、令和2年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大がパンデミックとなり、経済に大きな打撃となっています。国内農業においても、その影響がでてきており、JAでは生産者をはじめ組合員の皆様の営農相談や必要資金の支援も積極的に行ってまいります。人々の行動が変化する中、直売所やふるさと納税を利用した農産物の提供が必要とされています。昨年 TPP 協定が発効された中、JAあぐりや道の駅こまつ木場潟を中心に地産地消の拡大、またインターネットを利用した非対面式の農産物販売の拡大に努める等、農業者の所得増大に向けた活動を進めてまいります。 一方、JAの経営環境においては、依然続くマイナス金利政策により、金利がさらに低下し経営にも影響が及んでいます。組合員の皆様に必要な資金や物資の提供、利用施設の提供を続けるために、経営基盤の整備改善を加速させる必要があります。信用事業、共済事業においては店舗・ATM・情報インフラを整備し黒字確保に努め、農業関連事業、生活その他事業においては赤字縮減を目指し、持続可能なJA経営基盤の確立・強化の取り組みをはかってまいります。 JA グループ石川においては、「第 38 次 JA グループ石川基本戦略」における県下 3 地区(加賀・県央・能登)の広域合併構想のもと、加賀地区の合併構想の実現にむけた検討を積極的に進めていくこととなります。 JA小松市においては、第 13 次中期計画(令和元年度~令和 3 年度)、『組合員とともに、小松の農業・地域の未来を拓く』のスローガンのもと、「持続可能な農業の実現」「豊かで暮らしやすい地域社会の実現」

    「協同組合としての役割発揮」を3つの柱とし、計画の着実な実践に努め、併せて「JA 小松市地域農業ビジョン(5ヵ年計画)」(平成 28 年度~令和 2 年度)により、小松の農業振興の取り組みを展開していくところであります。 終わりに、組合員ならびに地域の皆様のより一層のご理解とご協力をお願いいたしますとともに、皆様の更なるご繁栄をご祈念申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

    小松市農業協同組合代表理事組合長

    西沢 耕一

  • 2

    1.基本方針 令和2年度は第13次中期計画の2年目であり、中期計画のスローガン『組合員とともに 小松の農業・地域の未来を拓く』のもと、これまで培ってきた小松の農業また新たに芽吹いた小松の農業を育み、次代へつなぐべく、「食の安全・安心」・おいしさ・楽しさ・魅力を追求し、改革の実践に努めます。 年々変化する経営環境の中、「持続可能なJA基盤の確立・強化」を念頭に置いて、農業協同組合運動をさらに推し進め、組合員の協同の力の結集により、地域に根ざした「JAづくり」に引き続き努めます。

    2.基本目標  【営農指導・販売事業・6次産業化・道の駅・あぐり】   ○ 農業者の所得向上と小松産農産物のブランド力アップ   ○ 農業生産の拡大と農業発展に向けた体制強化   ○ 販売力強化による地域農業の活性化   ○ 地産地消の確立と生産者所得向上   ○ 「食」を中心とした小松の魅力を発信する「にぎわい」ある JA あぐり・道の駅  【購買事業】   ○ 農機:農機を通じての生産者との関係強化   ○ 自動車:最良のサービス、技術、商品で地域に根ざした事業展開   ○ 燃料:ライフラインとしての燃料、プロパンガスでの地域密着の強化   ○ 購買全般:安全・安心な生活商品の提供と信頼の構築  【信用事業】   ○ 貯金:地域・利用者から必要とされ選ばれるJAバンクの実現   ○ 融資:農業・地域の資金ニーズへの対応強化に向けた融資への積極的な取り組み  【共済事業】   ○ 組合員・利用者の総合保障の充実、新たなJA応援者づくりと健全性の強化  【資産相談活動】   ○ 後継世代への相続・事業承継に関する相談活動の強化  【ふれあい・福祉活動】   ○ 組合員のアクティブ・メンバーシップの強化  【組織基盤拡充】   ○ 地域に根ざしたJAづくりと組合員のメンバーシップの強化  【経営管理・内部監査】   ○ 地域から求められるJAづくりと組織基盤の維持強化   ○ 環境変化に柔軟な経営管理体制の構築   ○ 債権にかかるリスク管理体制の強化   ○ 信頼される組織作りへの貢献

    1 経営理念・経営方針協同のちから

    地域JA

  • 3

    2 経営管理体制◇経営執行体制

    〔理事会制度〕 JA小松市は農業者により組織された協同組合であり、正組合員の代表者で構成される「総代会」の決定事項を踏まえ、総代会において選出された理事により構成される「理事会」が業務執行を行っています。また、総代会で選任された監事が理事会の決定や理事の業務執行全般の監査を行っています。 組合の業務執行を行う理事には、組合員の各層の意思反映を行うため、女性2名を理事に登用しています。また、青壮年部から理事会へ参与としての参加も行っています。信用事業については専任担当の理事を置くとともに、農業協同組合法第 30 条に規定する常勤監事及び員外監事を設置し、ガバナンスの強化を図っています。

    JA小松市イメージキャラクターの紹介○愛称・・・「こまとちゃん」 小松市はトマトの生産量が北陸一、トマトカレーなど加工品の販売も順調に推移しており、その形も愛らしく、赤と白のコントラストは「平家物語」に登場する仏御前(小松市原町生まれ)の白拍子をイメージして生まれたキャラクターです。 組合員・利用者のみなさまに親しまれ、愛されるキャラクターでありたいと思っていますので、ご愛顧をよろしくお願いします。

    JA小松市ロゴマーク 日常の生活スタイルに溶け込むナチュラルで、エコな「新しい存在感」をイメージし、女性に受け入れられるようデザインしました。 ※ ロゴマークはJA小松市の商品のパッケージやポスター、

    パンフレット等に使用します。

  • 4

    3 社会的責任と貢献活動(1)農業振興活動〔JA自己改革の取組み〕JA小松市は自己改革の 3 つの基本目標をもとに中期ビジョンに掲げた「持続可能な農業」と「豊かで暮らしやすい地域社会」を実現していくため、様々な自己改革に取り組んでいます。

    (作付面積拡大・食味向上) (農産物加工品を販売、規格外品の買取)

    (市場ニーズに対応した作付を推進)

    (特産品の PR・県内外への加工品の販売強化)

    (農業法人の育成や雇用対策支援)

    (収穫体験や産地見学会により生産者と消費者の交流)

    (女性部や青壮年部の活動活性化)

    (販売会員の増員・安心安全な農産物の販売)

    (地元支店で特産品を中心としたまつりの実施)

    (入札による仕入や直接仕入、価格調査を実施)

    ブランド米強化ブランド米強化

    (営農渉外による経営管理支援) (ICT農業・省力資材の推進・ドローンによる薬剤散布)

    農業・農産物の魅力UP!

    農業・農産物の魅力UP!

    付加価値を高める付加価値を高める 新品種の作付け新品種の作付け 生産コスト削減生産コスト削減

    農業振興マネージメント農業振興マネージメント コスト低減技術普及コスト低減技術普及農産物の PR農産物の PR 組織育成・人材支援組織育成・人材支援

    農業生産拡大!コスト削減!

    農業生産拡大!コスト削減!

    地元農業で地域を元気に!

    地元農業で地域を元気に!

    食農教育の推進食農教育の推進 組合員組織の活性化組合員組織の活性化 魅力ある直売所づくり魅力ある直売所づくり 地元の特産品まつり地元の特産品まつり

    農業者の所得増大農業者の所得増大地域の活性化地域の活性化

    基本目標

    JA小松市の取り組み

    農業生産の拡大農業生産の拡大

  • 5

    [地域密着型金融への取組み] ① 農山漁村等地域の活性化のための融資をはじめとする支援     当JAは、地域における農業者との結び付きを強化し、地域を活性化するため、次の取組みを行っ

    ています。  ア.農業融資商品の適切な提供・開発     各種プロパー農業資金を提供するとともに、農業近代化資金や日本政策金融公庫資金の取扱いを

    通じて、農業者の農業経営と生活をサポートしています。    令和 2 年 3 月末時点において、農業関係資金残高(注)1,046 百万円を取扱っています。    ( 注 ) 農業関係の貸出金とは、農業者及び農業関連団体等に対する貸出金であり、農業生産・農業

    経営に必要な資金や、農産物の生産・加工・流通に関係する事業に必要な資金等が該当します。       営農類型別や資金種類別の農業資金、及び農業資金の受託貸付金の取扱状況については P37

    の主要な農業関係の貸出金残高をご覧ください。  イ.担い手のニーズに応えるための体制整備    当JAは、地域の農業者との関係を強化・振興するための体制整備に取組んでいます。     農業融資担当者が、営農・経済担当者がお聞きした情報も含めて把握し、農業融資に関する訪問・

    資金提案活動を実施しています。また、本店には「担い手金融リーダー」を設置し、農業融資担当者の活動をサポートしています。

      ウ.事業間連携の強化     農業者の多様なニーズに対し信用・共済・経済事業等との合同会議・研修会の開催や農業者への

    同行訪問等により、これまで以上に内部の連携を強化しています。    【具体的取組】     1) 農業資金研修の開催       担い手担当、営農・経済担当者向けの農業資金研修を開催しています。  エ.6次産業化に向けた農商工連携の推進     当JAでは、農業6次産業化に向けた農商工連携に取り組んでいます。    【具体的取組】     1) 受注懇談会への参加       当JA管内の生産物や加工品を受注懇談会へ持参し、商談を実施しています。      ② 担い手の経営のライフサイクルに応じた支援    当JAは、担い手をサポートするため、ライフサイクルに応じて次の取組みを行っています。  ア.新規就農者の支援    新規就農者の経営と生活をサポートするため、就農支援資金を取り扱っています。

    資 金 名 実行件数 実行金額 令和2年3月末残高就農支援資金(転貸) − − −合 計 − − −

    (単位:件、百万円)

  • 6

      イ.セミナー等の開催     農業者を対象としたセミナーの開催や、JA職員を対象とした研修会への出席等を通じ、農業経

    営の確立強化を支援しています。

    セミナー名 参加対象者 主催者農業経営指導者研修 JA経済営農渉外担当者 JAグループ石川集落営農法人化セミナー 農業経営者 JA 石川県中央会決算事務個別研修会 農業経営者 当JA簿記講座 農業経営者 南加賀農林総合事務所

    (2)社会・地域貢献活動 JA小松市は、地域農業を守り組合員の社会的地位の向上と地域から愛されるJA活動を目指し、次の事業を通じて地域社会に貢献しています。

     ①  JAきらら(社会福祉法人ジェイエイ小松福祉会)との連携を深め、福祉に関する知識の習得や福祉活動の質の向上を図り、元気高齢者の生きがいづくりのお手伝いとして「ふれあいルーム」を開催しています。

     ②  助け合い組織の「ふれあいグループ」では、「れいんぼーくらぶの体操ボランティア」や、学童・保育所への「読み聞かせボランティア」、「福祉施設へのボランティア」を通じて地域福祉活動に取り組んでいます。

     ③  「JAまつり」等を通して、組合員・地域住民との結びつきを深め、地元の食材を利用した食農教育活動を展開しています。

     ④  年金友の会をはじめ各種友の会の充実により、地域の方々の交流と健康増進のお手伝いをしています。

     ⑤  JAグループ全体で年金友の会「グラウンドゴルフ大会」等を開催し、参加者の技術向上と親睦融和を図っています。

     ⑥  顧問税理士による税務相談を無料で行っています。また、年金アドバイザーによる年金相談も行っています。

     ⑦  当JAが販売している加工品の箱詰め作業を市内の社会福祉法人に作業委託し、自立支援のお手伝いをさせていただいております。

     また、子供たちや消費者に対して食と農と地域の関わりや食の大切さ、食を支える農業やJAの役割について、理解促進を図っています。◇ 米づくり体験農園の実施(管内小学校 20 校)◇ バケツ稲作りの実施 ( 管内保育所・幼稚園・小学校 )◇ 管内小学校における米づくり出前教室の開催◇ 親子収穫体験「一日緑の学園」や「わくわくキッズ農園」の実施 ◇ 女性部による「家の光」を活用した活動、食農教育活動の実施◇ 大人対象の農加倶楽部の実施◇ 女性会「こまとくらぶ」による郷土料理講習の開催や、減塩無添加手作り味噌の普及◇ 「みんなのよい食運動」を展開し、地場産農産物の消費拡大と安全・安心な農産物づくりへの取り組み

    を普及・啓蒙しています。  (地産地消運動・生産履歴記帳運動・ポジティブリスト制度への対応)

  • 7

    4 事業の概況(令和元年度)(1)事業の概況  令和元年度につきましては、営農・販売事業では、営農支援対策事業による支援対策として、麦・大豆の生産振興と水田フル活用による麦跡大豆・加工用米の作付推進や、土づくりの推進、食味向上推進対策、園芸作物の作付支援、加工用トマトの作付や直売所産直会員への新規園芸作物の取組み推進などに取り組みました。 担い手対策として、「TAC(営農専任渉外)」が担い手農家を中心に「出向く体制の強化」を図りました。出向く活動を通じて、農家への要望に応じた情報提供、ナラシや農機具等の補助事業の申請、生産資材提案予約推進、園芸品目の提案推進、事業承継、無料職業紹介事業などを行い、農家との信頼関係構築を目指し、「農家所得向上」に努めることを目的とした活動を行いました。 水稲では、高温による乳白粒等の未熟米防止に対し、無効分げつの抑制・水管理等基本技術の励行とケイ酸を重点とした土づくりを実践し、全体の 1 等米比率は 88.7%(前年 90.8%)となりました。出荷量では水田活用米穀(加工用米、備蓄用米等)を含め 183,986 俵の実績で、前年比 102.5%となり、価格の上昇により所得も向上しました。また、昨年に続き施設の籾殻散布事業を行い、ケイ酸分の圃場還元を行いました。 園芸品目では、値決め契約による販売、産直所・量販店での販売促進活動、市場との情報共有や学校給食を中心とした食の交流などを積極的に実施し有利販売を行いました。一方、市場販売では、安定した気候により潤沢な入荷が続き、販売価格が抑えられたため、園芸品目全体の販売品取扱高は前年比 95%の結果となりました。 生産資材では、肥料は化学肥料で銘柄集約し、大ロットによる一括仕入れ、肥料工場への自己取りを継続実施し、仕入れコストの削減に努めました。農薬では、予約品目を中心に 71 商品において入札を継続し、担い手直送規格の拡充も行い生産資材コスト削減に取り組みました。 6次産業化事業では、未利用農産物を活用した加工品開発・販売に努め、小松市産農産物の消費拡大に向けた出張販売や PR 活動を展開しました。 JA あぐり、道の駅こまつ木場潟では、地元農産物の産直事業を柱とした魅力ある農産物販売に努め、農家レストランにおいても蛍米をはじめとした地産地消に貢献しました。また、お米の店頭精米事業においては、新規顧客獲得に努め、多くの消費者に支持されました。 販売品全体の取扱高は、最終的に計画比 100.9% の 38.61 億円となりました。 利用事業では、育苗センターの出荷箱数は、272,402 枚で前年比 99.9%の実績となりました。共同乾燥調製施設のカントリー・ライスセンターの利用は、主食用米のほか、水田活用米穀(加工用米・備蓄用米)および麦跡加工用米等の取組みにより、利用量は水稲で 5,315 t(前年比 103.7%)となりました。大麦では播種期の好天や越冬後追肥の適期適量散布により製品出来高 1,031 t(前年比 175.3%)と前年588 tを大きく上回る実績となりました。また、小麦についても 122 t(前年比 105.1%)となり、前年実績を上回りました。 種子乾燥施設は 110.1 t(乾燥後重量)の実績となり、ひゃくまん穀(石川 65 号)の種子は 8.4ha の作付となりました。 大豆乾燥調製施設では、大豆の作付拡大を推進していますが、作付面積で 193.4ha(前年比 94.4%)、出荷実績では 7 月~ 8 月の高温による生育不良が原因で 3,884 俵(前年比 70.3%)となり前年より 1,639俵の減少となりました。 無人ヘリ防除では、水稲 2 回防除で延べ 3,787ha、麦 2 回防除で延べ 614ha、大豆 3 回防除で延べ456ha の実績となりました。

  • 8

     信用事業につきましては、夏・冬キャンペーン時の「こまとちゃん農業おうえん貯金」企画等、貯蓄増強運動の積極的な取り組みにより、貯金平残 2,111 億円に到達し、計画比 100.8%となりました。金融渉外の重点取組事項である「年金」の取扱件数は前年対比 100.5%と増加しました。 また融資事業につきましては、農家組合員のニーズに応えるべく、農業資金の提供並びに各種ローンの積極的な提案により、新規実行額が農業資金 3 億 7 千万円、住宅ローン 36 億円、統一ローン 8 億 3 千万円となり、貸出平残では 481 億円で、計画比 101.8%、貸出残高では 479 億円で計画比 101.1%となりました。結果、信用事業総利益は 16 億円となりました。 共済事業につきましては、LA(ライフアドバイザー)を中心に、役職員一丸となり、ニーズに応じた総合保障の提案活動を実践しました。長期共済につきましては、新契約高で 416 億 6 千万円、前年対比81.6%、保有契約件数は 86,431 件、前年対比 101.2% となりました。少子高齢化、人口減少等の影響により、組合員、地域利用者のニーズが万一保障から生存保障へと変化した結果、保障保有高が減少する一方、生活障害、医療、介護共済などの生存給付型の保障件数が増加しました。共済事業総利益は 10 億 9 千万円となりました。 経済営農渉外を中心に役職員が一体となり顧客ニーズに応えるべく普及推進に取り組み、事業目標 55億 1 千 1 百万円に対し、52 億 6 千 3 百万円の実績で計画比 95.5%となりました。トマトカレーをはじめとするJA小松市オリジナル加工品や小松産米についてはスーパー、企業食堂、病院介護施設等をはじめ、ネット販売や小松市ふるさと納税の返礼品としての提供にも努めました。結果、購買事業総利益は 6 億円となりました。 以上の状況より、その他事業を含め、事業総利益は 36 億 1 千万円となりました。 なお、人件費や施設費等の事業管理費は 30 億 3 千万円となりました。 事業外等の損益を差し引いた事業利益は 5 億 8 千万円となりました。

  • 9

    (2) 業務の適正を確保するための体制 当JAでは、法令遵守等の徹底や、より健全性の高い経営を確保し、組合員・利用者の皆さまに安心して組合をご利用いただくために、内部統制システム基本方針を策定し、組合の適切な内部統制の構築・運用に努めています。 今年度の運用状況の概要は、各項目下段に、「運用状況について」と記載のあるとおりです。

    内部統制システム基本方針

    1.理事及び職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(1)  組合の基本理念及び組合のコンプライアンスに関する基本方針を定め、役職員は職務上のあらゆる場

    面において法令・規則、契約、定款等を遵守します。(2)  重大な法令違反、その他法令及び組合の諸規程の違反に関する重要な事実を発見した場合には、直ち

    に監事に報告するとともに、理事会等において協議・検討し、速やかに是正します。(3)  内部監査部署を設置し、内部統制の適切性・有効性の検証・評価を行います。内部監査の結果、改善

    要請を受けた部署については、速やかに必要な対策を講じます。(4) 反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で臨み、一切の関係を持ちません。(5)  組合の業務に関する倫理や法令に抵触する可能性のある事項について、役職員等が相談もしくは通報

    を行うことができる制度を活用し、法令違反等の未然防止に努めます。(6)  監事監査、内部監査、会計監査人が適正な監査を行えるよう、三者が密接に連絡できる体制を整備します。

    (運用状況について) JAの地域特性・組合員ニーズ等を中期計画等に反映し、役職員に周知徹底し実行しています。 コンプライアンス基本方針及びコンプライアンスプログラムを定め、研修会の開催や自店検査、人事ローテーション、職場離脱等の諸制度を適切に実施しています。 内部監査に実施により業務運営にかかる問題点が把握され、その改善取組みについて的確な進捗管理により実践しています。

    2.理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制(1) 文書・情報の取扱いに関する方針・規程に従い、職務執行に係る情報を適切に保存・管理します。(2) 個人情報保護に関する規程を整備し、個人情報を適切かつ安全に保存、管理します。

    (運用状況について) 情報セキュリティに係る基本方針及び個人情報保護方針に基づき、重要情報を一元的に管理し、重要性に応じてリスクへの対応をはかっています。

    3.損失の危険の管理に関する規程その他の体制(1)  認識すべきリスクの種類を特定するとともに管理体制の仕組みを構築し、リスク管理の基本的な態勢

    を整備します。(2)  組合のリスクを把握・評価し、必要に応じ、定性・定量それぞれの面から事前ないし事後に適切な対

    応を行い、組合経営をとりまくリスク管理を行います。

    (運用状況について) リスク管理基本方針を策定し、組合をとりまくリスクの把握に努めるとともに理事会で定期的に協議・検討を行っています。

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    4.理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(1) 職制、機構、業務分掌、指示命令系統を明文化し、役職員の職務執行を効率的に遂行します。(2)  中期経営計画及び同計画に基づく部門別事業計画を策定し、適切な目標管理により、戦略的かつ効率

    的な事業管理を行います。

    (運用状況について) 中期経営計画及び事業計画を策定し、その進捗状況を月次で把握しています。人材育成指針を策定し、中長期的な視点から人材育成に取り組んでいます。

    5.監事監査の実効性を確保するための体制(1) 監事が円滑に職務を執行し、監事監査の実効性を確保するために必要な体制を整備します。(2) 監事と定期的な協議を実施し、十分な意思疎通をはかります。(3) 内部監査担当部署に対して監事と十分な連携を行うよう指示します。

    (運用状況について) 理事と監事は、業務の運営や課題等について、定期的に協議を行っています。内部監査部署には監事との十分な連携を指示し、監事監査の実効性確保を支援しています。

    6.組合及びその子会社等における業務の適正を確保するための体制(1)  各業務が適正かつ効率的に執行されるよう、規程やマニュアル、業務フロー等の業務処理に係る内部

    統制を整備します。(2) 業務処理に係る内部統制が運用されるよう、定期的な検証と是正を行います。(3)  「子会社管理規程」に基づき、関連事業に係る重要な方針、事項を監督し適切な指導・助言を行い、

    相互の健全な発展を推進します。(4)  「子会社管理規程」に基づき、子会社等の統括管掌を定め、事業計画の達成、法令及びその他事項の遵守、

    その他運用事項を監督します。

    (運用状況について) 各業務について統一的な事務手続きを定めることにより内部統制を整備し、職員への研修の実施や内部監査・自店検査の実施によりそれらの定着及び高度化を図っています。子会社管理規程を制定し、子会社における内部統制構築・運用の支援やリスクの把握に努めています。

    7.財務情報その他組合情報を適切かつ適時に開示するための体制(1) 会計基準その他法令を遵守し、経理規程等の各種規程等を整備し、適切な会計処理を行います。(2)  適時・適切に財務報告を作成できるよう、決算担当部署に適切な人員を配置し、会計・財務等に関す

    る専門性を維持・向上させる人材育成に努めます。(3) 法令の定めに基づき、ディスクロージャー等を通じて、財務情報の適時・適切な開示に努めます。(4)  「財務諸表の正確性、内部監査の有効性についての経営者責任」をディスクロージャー誌に記載して

    表明します。

    (運用状況について) 経理規程を定め、適切な会計処理の選択、会計上の見積りを行うことに努めており、会計処理にあたっては業務システムと連携した会計システムが構築されています。 財務情報の開示にあたり、決算業務にかかる体制を整備するとともに、内部監査等により財務諸表等の正確性を維持する仕組みが構築されています。

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    5 リスク管理の状況◇リスク管理体制

    〔リスク管理基本方針〕   組合員・利用者の皆さまに安心してJAをご利用いただくためには、より健全性の高い経営を確保し、

    信頼性を高めていくことが重要です。   このため、有効な内部管理態勢を構築し、直面する様々なリスクに適切に対応すべく、認識すべきリ

    スクの種類や管理態勢と仕組みなど、リスク管理の基本的な体系を整備しています。   また、収益とリスクの適切な管理、適切な資産自己査定の実施などを通じてリスク管理体制の充実・

    強化に努めています。 ① 信用リスク管理    信用リスクとは、信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフ・バランスを含む。)の価値が

    減少ないし消失し、金融機関が損失を被るリスクのことです。当JAは、個別の重要案件又は大口案件については理事会において対応方針を決定しています。また、通常の貸出取引については、本店に審査課を設置し各支店と連携を図りながら与信審査を行っています。審査にあたっては取引先のキャッシュ・フローなどにより償還能力の評価を行うとともに、担保評価基準など厳格な審査基準を設けて与信判定を行っています。不良債権については管理・回収方針を作成・実践し、資産の健全化に取り組んでいます。また、資産自己査定の結果、貸倒引当金については「資産の償却・引当規程」に基づき必要額を計上し、資産及び財務の健全化に努めています。

     ② 市場リスク管理    市場リスクとは、金利、為替、株式等の様々な市場のリスク・ファクターの変動により、資産・負債(オ

    フ・バランスを含む。)の価値が変動し、損失を被るリスク、資産・負債から生み出される収益が変動し損失を被るリスクのことです。主に金利リスク、価格変動リスクなどをいいます。金利リスクとは、金利変動に伴い損失を被るリスクで、資産と負債の金利又は期間のミスマッチが存在している中で金利が変動することにより、利益が低下ないし損失を被るリスクをいいます。また、価格変動リスクとは、有価証券等の価格の変動に伴って資産価格が減少するリスクのことです。

        当JAでは、金利リスク、価格変動リスクなどの市場性リスクを的確にコントロールすることにより、収益化及び財務の安定化を図っています。このため、財務の健全性維持と収益力強化とのバランスを重視したALMを基本に、資産・負債の金利感応度分析などを実施し、金融情勢の変化に機敏に対応できる柔軟な財務構造の構築に努めています。

        とりわけ、有価証券運用状況については、市場動向や経済見通しなどの投資環境分析及び当JAの保有有価証券ポートフォリオの状況やALMなどを考慮し、理事会において運用方針を定めるとともに、経営層で構成するALM委員会を定期的に開催して、日常的な情報交換及び意思決定を行っています。運用部門は、理事会で決定した運用方針及びALM委員会で決定された方針などに基づき、有価証券の売買リスクヘッジを行っています。運用部門が行った取引についてはリスク管理部門が適切な執行を行っているかどうかチェックし、定期的にリスク量の測定を行い経営層に報告しています。

     ③ 流動性リスク管理    流動性リスクとは、運用と調達のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難

    になる、又は通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク(資金繰りリスク)及び市場の混乱等により市場において取引ができないため、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスク(市場流動性リスク)のことです。

        当JAでは、資金繰りリスクについては、運用・調達について月次の資金計画を作成し、安定的な流動性の確保に努めています。また、市場流動性リスクについては、投資判断を行う上での重要な要素と位置づけ、商品ごとに異なる流動性(換金性)を把握した上で、運用方針などの策定の際に検討を行っています。

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     ④ オペレーショナル・リスク管理    オペレーショナル・リスクとは、業務の過程、役職員の活動もしくはシステムが不適切であること

    又は外生的な事象による損失を被るリスクのことです。    当JAでは、収益発生を意図し能動的な要因により発生する信用リスクや市場リスク及び流動性リ

    スク以外のリスクで、受動的に発生する事務、システム、法務などについて事務処理や業務運営の過程において、損失を被るリスクと定義しています。事務リスク、システムリスクなどについて、事務手続にかかる各種規程を理事会で定め、その有効性について内部監査や監事監査の対象とするとともに、事故・事務ミスが発生した場合は速やかに状況を把握して理事会に報告する体制を整備して、リスク発生後の対応及び改善が迅速・正確に反映ができるよう努めています。

     ⑤ 事務リスク管理    事務リスクとは、役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こすことにより金融機関

    が損失を被るリスクのことです。当JAでは、業務の多様化や事務量の増加に対応して、正確な事務処理を行うため事務マニュアルを整備するとともに、自主検査・自店検査を実施し事務リスクの削減に努めています。また、事故・事務ミスが発生した場合には、発生状況を把握し改善を図るとともに、内部監査により重点的なチェックを行い、再発防止策を実施しています。

     ⑥ システムリスク管理    システムリスクとは、コンピュータシステムのダウン又は誤作動等、システムの不備に伴い金融機

    関が損失を被るリスク、さらにコンピュータが不正に使用されることにより金融機関が損失を被るリスクのことです。当JAでは、コンピュータシステムの安定稼動のため、安全かつ円滑な運用に努めるとともに、システムの万一の災害・障害等に備え、内部規程・マニュアルなどを策定しています。

     ⑦ 法務リスク管理    法務リスクとは、法令等や各種取引上の契約などにおいて、遵守違反や契約違反、その他それに伴

    う罰則適用や損害賠償などの損失を被るリスクのことです。近年では、コンプライアンス(法令遵守)として法務規制に対する認識が高まっており、そのリスクは益々増大しています。内部監査や外部第三者による定期的なチェック作業を行い、法務リスクの軽減に努めています。

    [リスク管理体制図]

    監査室

    組合長

    理事会

    本店・支店・事業所

    コンプライアンス委員会

    総合的リスク管理(企画管理課)

    信用リスク(審査課)

    市場リスク(企画管理課)

    流動性リスク(企画管理課)

    リスク管理委員会 ALM委員会

    財務管理委員会

    事務リスク(企画管理課)

    監事会(監事)

    システムリスク(企画管理課)

    法務リスク(総務人事課)

    オペレーショナル・リスク

    ◇法令遵守体制〔コンプライアンス基本方針〕   利用者保護への社会的要請が高まっており、また最近の企業不祥事に対する社会の厳しい批判に鑑み

    れば、組合員・利用者からの信頼を得るためには、法令等を遵守し、透明性の高い経営を行うことがますます重要になっています。

       このため、コンプライアンス(法令等遵守)を経営の重要課題の一つとして位置づけ、この徹底こそ

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    が不祥事を未然に防止し、ひいては組織の信頼性向上に繋がるとの観点にたち、コンプライアンスを重視した経営に取り組みます。

    〔コンプライアンス運営態勢〕   コンプライアンス態勢全般にかかる検討・審議を行うため、代表理事組合長を委員長とするコンプラ

    イアンス委員会を設置するとともに、コンプライアンスの推進を行うため、本店各部門・各支店にコンプライアンス担当者を設置しています。

       基本姿勢及び遵守すべき事項を記載した手引書「コンプライアンス・マニュアル」を策定し、研修会を行い全役職員に徹底しています。

       毎年度、コンプライアンス・プログラムを策定し、実効ある推進に努めるとともに、統括部署を設置し、その進捗管理を行っています。

       また、組合員・利用者の皆さまの声を真摯に捉え、前向きに事業に反映するため、苦情・相談等の専門窓口を設置しています。

    〔個人情報保護方針〕   当JAは、組合員・利用者等の皆様の個人情報を正しく取扱うことが当JAの事業活動の基本であり

    社会的責務であることを認識し、以下の方針を遵守することを誓約します。  1.関連法令等の遵守     当JAは、個人情報を適正に取扱うために、個人情報の保護に関する法律(以下「保護法」とい

    ます。)その他、個人情報保護に関する関係諸法令および個人情報保護委員会のガイドラインに定められた義務を誠実に遵守します。

         個人情報とは、保護法第2条第1項、第2項に規定する、生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別できるものをいい、以下も同様とします。

         また、当JAは、特定個人情報を適正に取扱うために、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「番号利用法」といいます。)その他、特定個人情報の適正な取扱いに関する関係諸法令およびガイドライン等に定められた義務を誠実に遵守します。

         特定個人情報とは、番号利用法第2条第8項に規定する、個人番号をその内容に含む個人情報をいい、以下も同様とします。

      2.利用目的     当JAは、個人情報の取扱いにおいて、利用目的をできる限り特定したうえ、あらかじめご本人

    の同意を得た場合および法令により例外として扱われるべき場合を除き、その利用目的の達成に必要な範囲内でのみ個人情報を利用します。ただし、特定個人情報においては、利用目的を特定し、ご本人の同意の有無に関わらず、利用目的の範囲を超えた利用は行いません。

         ご本人とは、個人情報によって識別される特定の個人をいい、以下同様とします。     利用目的は、法令により例外として扱われるべき場合を除き、あらかじめ公表するか、取得後速

    やかにご本人に通知し、または公表します。ただし、ご本人から直接書面で取得する場合には、あらかじめ明示します。

      3.適正取得     当JAは、個人情報を取得する際、適正かつ適法な手段で取得いたします。  4.安全管理措置     当JAは、取扱う個人データ及び特定個人情報を利用目的の範囲内で正確・最新の内容に保つよ

    う努め、また安全管理のために必要・適切な措置を講じ従業者および委託先を適正に監督します。     個人データとは、保護法第2条第6項が規定する、個人情報データベース等(保護法第2条第4項)

    を構成する個人情報をいい、以下同様とします。

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      5.匿名加工情報の取扱い     当JAは、匿名加工情報(保護法第2条第9項)の取扱いに関して消費者の安心感・信頼感を得

    られるよう、保護法の規定に従うほか、個人情報保護委員会のガイドライン、認定個人情報保護団体の個人情報保護指針等に則して、パーソナルデータの適正かつ効果的な活用を推進いたします。

      6.第三者提供の制限     当JAは、法令により例外として扱われるべき場合を除き、あらかじめご本人の同意を得ること

    なく、個人データを第三者に提供しません。     また、当JAは、番号利用法第 19 条各号により例外として扱われるべき場合を除き、ご本人の

    同意の有無に関わらず、特定個人情報を第三者に提供しません。  7.機微(センシティブ)情報の取り扱い     当JAは、ご本人の機微(センシティブ)情報(要配慮個人情報並びに労働組合への加盟、門地、

    本籍地、保健医療等に関する情報)については、法令等に基づく場合や業務遂行上必要な範囲においてご本人の同意をいただいた場合等を除き、取得・利用・第三者提供はいたしません。

      8.開示・訂正等     当JAは、保有個人データにつき、法令に基づきご本人からの開示、訂正等に応じます。     保有個人データとは、保護法第2条第7項に規定するデータをいいます。  9.質問・苦情窓口     当JAは、取扱う個人情報につき、ご本人からの質問・苦情に対し迅速かつ適切に取り組み、そ

    のための内部体制の整備に努めます。  10.継続的改善     当JAは、取扱う個人情報について、適正な内部監査を実施するなどして、本保護方針の継続的

    な改善に努めます。

    [ 情報セキュリティ基本方針 ]   当JAは、組合員・利用者等の皆様との信頼関係を強化し、より一層の安心とサービスを提供するため、

    組合内の情報およびお預かりした情報のセキュリティの確保と日々の改善に努めることが当JAの事業活動の基本であり、社会的責務であることを認識し、以下の方針を遵守することを誓約します。

      1 .当JAは、情報資産を適正に取り扱うため、コンピュータ犯罪に関する法律、不正アクセス行為の禁止に関する法律、IT基本法その他の情報セキュリティに関係する諸法令、および農林水産大臣をはじめ主務大臣の指導による義務を誠実に遵守します。

      2 .当JAは、情報の取扱い、情報システムならびに情報ネットワークの管理運用にあたり、適切な組織的・人的・技術的安全管理措置を実施し、情報資産に対する不正な侵入、紛失、漏えい、改ざん、破壊、利用妨害等が発生しないよう努めます。

      3 .当JAは、情報セキュリティに関して、業務に従事する者の役割を定め、情報セキュリティ基本方針に基づき、組合全体で情報セキュリティを推進できる体制を維持します。

      4 .当JAは、万一、情報セキュリティを侵害するような事象が起きた場合、その原因を迅速に解明し、被害を最小限に止めるよう努めます。

      5 .当JAは、上記の活動を継続的に行うと同時に、新たな脅威にも対応できるよう、情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、維持改善に努めます。

    [ 金融商品の勧誘方針 ]   当JAは、貯金・定期積金、共済その他の金融商品の販売等の勧誘にあたっては、次の事項を遵守し、

    組合員・利用者の皆さまに対して適正な勧誘を行います。  1 .組合員・利用者の皆さまの商品利用目的ならびに知識、経験、財産の状況および意向を考慮のうえ、

    適切な金融商品の勧誘と情報の提供を行います。

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      2 .組合員・利用者の皆さまに対し、商品内容や当該商品のリスク内容など重要な事項を十分に理解していただくよう努めます。

      3 .不確実な事項について断定的な判断を示したり、事実でない情報を提供するなど、組合員・利用者の皆さまの誤解を招くような説明は行いません。

      4.電話や訪問による勧誘は、組合員・利用者の皆さまのご都合に合わせて行うよう努めます。  5.組合員・利用者の皆さまに対し、適切な勧誘が行えるよう役職員の研修の充実に努めます。  6 .販売・勧誘に関する組合員・利用者の皆さまからのご質問やご照会については、適切な対応に努

    めます。

    ◇利益相反管理方針   当JAは、お客さまの利益が不当に害されることのないよう、農業協同組合法、金融商品取引法等に

    基づき、利益相反するおそれのある取引を適切に管理するための体制を整備し、利益相反管理方針(以下、「本方針」といいます。)を次の通り定めるものとします。

      1.対象取引の範囲     本方針の対象となる「利益相反のおそれのある取引」は、当JAの行う信用事業関連業務、共済

    事業関連業務または金融商品関連業務にかかるお客さまとの取引であって、お客さまの利益を不当に害するおそれのある取引をいいます。

      2.利益相反のおそれのある取引の類型    「利益相反のおそれのある取引」の類型は、以下のとおりです。    (1)お客さまと当JAの間の利益が相反する類型    (2)当JAの「お客さまと他のお客さま」との間の利益が相反する類型  3.利益相反のおそれのある取引の特定の方法     利益相反のおそれのある取引の特定は、以下のとおり行います。     (1)利益相反のおそれのある取引について、利益相反管理統括部署があらかじめ類型化します。    (2 )各部署においては、取引を行う際に、当該取引が利益相反のおそれのある取引として類型化

    された取引に該当するか確認します。    (3 )利益相反のおそれのある取引に該当すると判断した場合は、利益相反管理統括部署に報告し

    ます。    (4 )各部署で、利益相反のおそれのある取引に該当するか判断しかねる場合、または、類型には

    該当しないが利益相反のおそれのある取引に該当すると疑われる場合は、利益相反管理統括部署に相談します。

        (5 )利益相反管理統括部署は各部署からの相談を受けて、各部署と協議のうえ(必要に応じて関係部署と協議)、当該取引が利益相反のおそれのある取引であるかの特定を行います。

      4.利益相反の管理の方法     当JAは、利益相反のおそれのある取引を特定した場合について、次に掲げる方法により当該お

    客さまの保護を適正に確保いたします。     (1)対象取引を行う部門と当該お客さまとの取引を行う部門を分離する方法     (2)対象取引または当該お客さまとの取引の条件もしくは方法を変更し、または中止する方法    (3 )対象取引に伴い、当該お客さまの利益が不当に害されるおそれがあることについて、当該お

    客さまに適切に開示する方法(ただし、当JAが負う守秘義務に違反しない場合に限ります。)     (4)その他対象取引を適切に管理するための方法  5.利益相反のおそれのある取引の記録および保存     利益相反の特定およびその管理のために行った措置については、当JAで定める内部規程に基づ

    き適切に記録し、保存いたします。

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      6.利益相反管理体制    (1 )当JAは、利益相反のおそれのある取引の特定および利益相反管理に関する当JA全体の管理

    体制を統括するための利益相反管理統括部署およびその統括者を定めます。この統括部署は、営業部門からの影響を受けないものとします。また、当JAの役職員に対し、本方針および本方針を踏まえた内部規程等に関する研修を実施し、利益相反管理についての周知徹底に努めます。

        (2 )利益相反管理統括者は、本方針にそって、利益相反のおそれのある取引の特定および利益相反管理を実施するとともに、その有効性を定期的に適切に検証し、改善いたします。

      7.利益相反管理体制の検証等     当JAは、本方針に基づく利益相反管理体制について、その適切性および有効性を定期的に検証し、

    必要に応じて見直しを行います。

    ◇マネー・ローンダリング等および反社会的勢力等への対応に関する基本方針   当JAは、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与等の金融サービスの濫用(以下、「マネー・ロー

    ンダリング等」という。)の防止に取り組みます。   あわせて、平成 19 年 6 月 19 日付犯罪対策閣僚会議幹事会申合わせにおいて決定された「企業が反

    社会的勢力による被害を防止するための指針」等を遵守し、反社会的勢力等に対して断固とした姿勢で臨むことをここに宣言します。

       また、顧客に組織犯罪等による被害が発生した場合には、被害者救済など必要な対応を講じます。 (運営等)   当JAは、マネー ・ ローンダリング等防止および反社会的勢力等との取引排除の重要性を認識し、適

    用となる法令等や政府指針を遵守するため、当組合の特性に応じた態勢を整備します。   また、適切な措置を適時に実施できるよう、役職員に指導・研修を実施し、マネー ・ ローンダリング

    等防止および反社会的勢力等との取引排除について周知徹底を図ります。 (マネー・ローンダリング等の防止)   当JAは、実効的なマネー・ローンダリング等防止を実施するため、自らが直面しているリスクを適時・

    適切に特定・評価し、リスクに見合った低減措置を講じます。 (反社会的勢力等との決別)   当JAは、反社会的勢力等に対して取引関係を含めて、排除の姿勢をもって対応し、反社会的勢力に

    よる不当要求を拒絶します。 (組織的な対応)   当JAは、反社会的勢力等に対しては、組織的な対応を行い、職員の安全確保を最優先に行動します。 (外部専門機関との連携)   当JAは、警察、財団法人暴力追放推進センター、弁護士など、反社会的勢力等を排除するための各

    種活動を行っている外部専門機関等と密接な連携をもって、反社会的勢力等と対決します。 (取引時確認)   当JAは、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく取引時確認について、適切な措置を適時

    に実施します。

    ◇内部監査体制   当JAでは、内部監査部門を被監査部門から独立して設置し、経営全般にわたる管理及び各部門の業

    務の遂行状況を、内部管理態勢の適切性と有効性の観点から検証・評価し、改善事項の勧告などを通じて業務運営の適切性の維持・改善に努めています。

       また、内部監査は、当JAの本店・支店のすべてを対象とし、中期及び年度の内部監査計画に基づき実施しています。監査結果は代表理事組合長及び監事に報告したのち被監査部門に通知され、定期的に被監査部門の改善取組状況をフォローアップしています。また、監査結果の概要を定期的に理事会に報告することとしていますが、特に重要な事項については、直ちに理事会、代表理事組合長、監事に報告し、速やかに適切な措置を講じています。

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    ◇金融ADR制度への対応 ① 苦情処理措置の内容    当JAでは、苦情処理措置として、業務運営体制・内部規則等を整備のうえ、その内容をホームページ・

    チラシ等で公表するとともに、JAバンク相談所やJA共済連とも連携し、迅速かつ適切な対応に努め、苦情等の解決を図ります。

       当JAの苦情等受付窓口 総務人事課(電話:0120 − 888 − 985(月~金 9 時~ 17 時)) ② 紛争解決措置の内容   当JAでは、紛争解決措置として、次の外部機関を利用しています。  ・信用事業   金沢弁護士会紛争解決センター(電話:076 − 221 − 0242)    ( 信用事業の紛争解決措置利用にあたっては、①の窓口または一般社団法人JAバンク相談所(電話:

    03 − 6837 − 1359)にお申し出下さい。なお、金沢弁護士会紛争解決センターに直接紛争解決をお申し立ていただくことも可能です。)

     ・共済事業   ( 社 ) 日本共済協会 共済相談所 ( 電話:03-5368-5757)   ( 財 ) 自賠責保険・共済紛争処理機構 ( 電話:0120-159-700)   ( 財 ) 日弁連交通事故相談センター ( 電話:0570-078-325)   ( 財 ) 交通事故紛争処理センター ( 電話:金沢相談所 076-234-6650)   日本弁護士連合会 弁護士保険ADR   (https://www.nichibenren.or.jp/activity/resolution/lac.html)   ( 共済事業の紛争解決措置利用にあたっては、上記または①の窓口にお問い合わせ下さい。)

    ◇金融円滑化体制   平成 21 年 12 月金融円滑化法施行以来、合計 36 件 ( 令和 2 年 3 月 31 日まで ) の貸付条件変更申込

    があり、当該取引先のキャッシュフロー検証や対象中小企業等の業況・特性をも踏まえた審査の結果、全件について対応処理いたしました。

       なお、貸付条件変更先については、定期的な訪問等により債務者の経営状況の把握に努め、適切な経営指導・経営改善支援等に努めております。

     〔金融円滑化にかかる基本的方針〕    当JA小松市は、農業者の協同組織金融機関として、「健全な事業を営む農業者をはじめとする地域

    の利用者に対して必要な資金を円滑に供給していくこと」を、「当JAの最も重要な役割のひとつ」として位置付け、当JAの担う公共性と社会的責任を強く認識し、その適切な業務の遂行に向け、以下の方針を定め、取組んでまいります。

       1  当JAは、組合員・地域利用者の新規融資や貸付条件の変更等の申込みがあった場合には、組合員・地域利用者の特性および事業の状況を勘案しつつ、できる限り、柔軟に対応するよう努めます。

       2  当JAは、事業を営む組合員・地域利用者からの経営相談に積極的かつきめ細かく取組み、組合員・地域利用者の経営改善に向けた取組みをご支援できるよう努めてまいります。

         また、役職員に対する研修等により、上記取組みの対応能力の向上に努めます。   3  当JAは、組合員・地域利用者から新規融資や貸付条件の変更等の相談・申込みがあった場合

    には、組合員・地域利用者の経験等に応じて、説明および情報提供を適切かつ十分に行うように努めてまいります。

          また、お断りさせていただく場合には、その理由を可能な限り具体的かつ丁寧に説明するよう努めます。

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       4  当JAは、組合員・地域利用者からの、新規融資や貸付条件の変更等の相談・申込みに対する問い合わせ、相談及び苦情については、公正・迅速・誠実に対応し、組合員・地域利用者の理解と信頼が得られるよう努めます。

       5  当JAは、組合員・地域利用者からの新規融資や貸付条件の変更等の申込み、事業再生ADR手続の実施依頼の確認または地域経済活性化支援機構もしくは東日本大震災事業者再生支援機構からの債権買取申込み等の求めについて、関係する他の金融機関等(政府系金融機関等、信用保証協会等および中小企業再生支援協議会を含む。)と緊密な連携を図るよう努めてまいります。

          また、これらの関係機関等から照会を受けた場合は、守秘義務に留意しつつ、お客様の同意を前提に情報交換しつつ連携に努めます。

       6  当JAは、組合員・地域利用者からの上述のような申込みに対し、円滑に措置をとることが出来るよう、必要な体制を整備いたしております。

         具体的には、     (1 )組合長以下、関係役員・部長を構成員とする「コンプライアンス委員会」にて、金融円滑

    化にかかる対応を一元的に管理し、組織横断的に協議します。     (2 )信用事業担当理事を「金融円滑化管理責任者」として、当JA全体における金融円滑化の

    方針や施策の徹底に努めます。     (3 )各支店に「金融円滑化管理担当者」を設置し、各支店における金融円滑化の方針や施策の

    徹底に努めます。   7  当JAは、本方針に基づく金融円滑化管理態勢について、その適切性および有効性を定期的に

    検証し、必要に応じて見直しを行います。

    ◇お客さま本位の業務運営に関する取組方針 JAグループは、食と農を基軸として地域に根ざした協同組合として、助け合いの精神のもとに、持続可能な農業と豊かで暮らしやすい地域社会の実現を理念として掲げています。 当組合では、この理念のもと、2017 年 3 月に金融庁より公表された「顧客本位の業務運営に関する原則」を採択するとともに、組合員・利用者の皆さまの安定的な資産形成に貢献するため、以下の取組方針を制定いたしました。 今後、本方針に基づく取組みの状況を定期的に公表するとともに、よりお客さま本位の業務運営を実現するため本方針を必要に応じて見直してまいります。1.お客さまへの最適な商品提供 (1 )お客さまに提供する金融商品は、特定の投資運用会社に偏ることなく、社会情勢や手数料の水準等

    も踏まえたうえで、お客さまの多様なニーズにお応えできるものを選定します。2.お客さま本位のご提案と情報提供 (1 )お客さまの金融知識・経験・財産、ニーズや目的に合わせて、お客さまにふさわしい商品をご提案

    いたします。 (2 )お客さまの投資判断に資するよう、商品のリスク特性・手数料等の重要な事項について分かりやす

    くご説明し、必要な情報を十分にご提供します。 (3 )お客さまにご負担いただく手数料について、お客さまの投資判断に資するように、丁寧かつ分かり

    やすい説明に努めます。3.利益相反の適切な管理 (1 )お客さまへの商品選定や情報提供にあたり、お客さまの利益を不当に害することがないように、「利

    益相反管理方針」に基づき適切に管理します。4.お客さま本位の業務運営を実現するための人材の育成と態勢の構築 (1 )研修による指導や資格取得の推進を通じて高度な専門性を有し誠実・公正な業務を行うことができ

    る人材を育成し、お客さま本位の業務運営を実現するための態勢を構築します。

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    (信用事業)   信用事業は、貯金・融資・為替決済などの金融サービスを提供することにより、農業をはじめ地域社

    会の発展に貢献しています。この信用事業は、JA・信連・農林中金という三段階の組織が有機的に結びつき、JAバンクとして大きな力を発揮しています。

    1.貯金業務   組合員はもちろん地域住民の皆さまや事業主の皆さまにもお気軽にご利用いただけるよう貯金の種類

    として当座貯金・普通貯金・貯蓄貯金・定期貯金・定期積金などの各種貯金を目的・期間にあわせてご利用いただいております。

    2.融資業務   組合員への融資を始め、地域の皆さまの暮らしや、事業に必要な資金をご融資しています。   また、地方公共団体・農業関連産業などへも融資し、地域経済の発展に貢献しています。さらに、( 株 )

    日本政策金融公庫(旧農林公庫)等の融資の申し込みのお取り次ぎもしています。3.為替決済業務   全国のJAをはじめ、すべての民間金融機関とオンライン提携し、送金・振込・代金取立等の内国為

    替業務を行っております。   貯金ネットサービスは都銀・地銀をはじめとする民間金融機関と提携しており全国の金融機関やコン

    ビニでATM利用が可能となっております。   JA ネットバンクではパソコン・スマートフォンからアクセスするだけで、残高照会やお振込みなど、

    各種サービスをご利用いただけます。4.投資信託等の販売業務   人生 100 年時代に向けた、資産形成・資産運用の販売相談業務を行っております。

    (共済事業)   JA共済は、JAが行う地域密着型の総合事業の一環として、組合員・利用者の皆さまの生命・傷害・

    家屋・財産を相互扶助によりトータルに保障しています。事業実施当初から生命保障と損害保障の両方を実施しており、個人の日常生活のうえで必要とされるさまざまな保障・ニーズにお応えできます。

       JA共済では、生命・建物・自動車などの各種共済による生活総合保障を展開しています。  長期共済   終身共済、定期生命共済、養老生命共済、こども共済、医療共済、がん共済、介護共済、

    年金共済、建物更生共済、生活障害共済、特定重度疾病共済  短期共済  火災共済、自動車共済、傷害共済、定額定期生命共済、賠償責任共済、自賠責共済

    (農業に関わる事業)   肥料や農薬等の生産資材の販売、米や野菜などの農産物の販売・加工、育苗センター・ライスセンター・

    カントリーエレベータ−・野菜選果場等の農業関連施設の利用事業、農産物直売所(JA あぐり・道の駅こまつ木場潟)の運営、営農指導・相談を行っております。

    (生活に関わる事業)   JAは日用品・プロパンガス・ガソリン・車など生活に関わる用品を販売しています。また、旅行の手配、

    資産管理事業(不動産の斡旋等)や生活文化事業(青壮年部・女性部を中心に農業への理解を深めるため「食と農と環境」をテーマに活動)、福祉事業(高齢者福祉事業・健康管理活動・生きがいづくり活動・

    「JAきらら」との連携)を行っております。

    6 事業のご案内

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    (単位:千円)

    1 貸借対照表【経営資料】Ⅰ 決算の状況

    資   産科  目 平成 30 年度 令和元年度

    (資産の部)1.信用事業資産 215,651,073 221,711,449 (1) 現金 406,777 445,009 (2) 預金 164,813,833 170,454,057      系統預金 164,796,825 170,437,053      系統外預金 17,008 17,004 (3) 有価証券 3,617,470 2,795,136 (4) 貸出金 46,610,250 47,914,721 (5) その他の信用事業資産 395,992 141,412      未収収益 121,726 111,056      その他の資産 274,266 30,356 (6) 貸倒引当金 ▲ 193,251 ▲ 38,8872.共済事業資産 72,719 59,701 (1) 共済貸付金 2,804 − (2) 共済未収利息 6 − (3) その他の共済事業資産 70,138 59,701 (4) 貸倒引当金 ▲ 229 −3.経済事業資産 1,682,991 1,544,818 (1) 受取手形 1,475 1,517 (2) 経済事業未収金 702,166 625,349 (3) 経済受託債権 611,449 507,955 (4) 棚卸資産 306,615 373,118      購買品 255,709 315,557      その他の棚卸資産 50,905 57,561 (5) その他の経済事業資産 70,302 42,932 (6) 貸倒引当金 ▲ 9,017 ▲ 6,0554.雑資産 198,858 358,9825.固定資産 4,793,707 4,736,623 (1) 有形固定資産 4,782,729 4,726,197      建物 5,847,369 5,929,926      機械装置 2,370,248 2,386,221      土地 2,698,403 2,660,312      リース資産 80,576 80,576      建設仮勘定 − 25,254      その他の有形固定資産 1,170,867 1,163,787      減価償却累計額 ▲ 7,384,735 ▲ 7,519,882 (2) 無形固定資産 10,978 10,426      その他の無形固定資産 10,978 10,4266.外部出資 7,348,317 7,373,103 (1) 外部出資 7,348,317 7,373,103      系統出資 7,103,243 7,103,243      系統外出資 245,074 269,8607.繰延税金資産 195,642 207,754資産の部合計 229,943,310 235,992,434

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    (単位:千円)

    負 債 及 び 純 資 産科  目 平成 30 年度 令和元年度

    (負債の部)1.信用事業負債 205,299,025 211,372,571 (1) 貯金 204,080,476 210,378,151 (2) 借入金 47,098 89,823 (3) その他の信用事業負債 1,171,450 904,596      未払費用 80,614 61,865      その他の負債 1,090,836 842,7312.共済事業負債 1,083,283 908,261 (1) 共済借入金 304 − (2) 共済資金 672,384 471,603 (3) 共済未払利息 6 − (4) 未経過共済付加収入 394,474 419,751 (5) 共済未払費用 11,392 12,587 (6) その他の共済事業負債 4,721 4,3193.経済事業負債 945,106 731,911 (1) 経済事業未払金 551,880 497,456 (2) 経済受託債務 350,810 195,907 (3) その他の経済事業負債 42,414 38,5474.雑負債 350,731 343,329 (1) 未払法人税等 90,289 116,890 (2) リース債務 31,779 20,739 (3) 資産除去債務 4,783 4,872 (4) その他の負債 223,879 200,8275.諸引当金 647,454 654,633 (1) 賞与引当金 114,002 113,419 (2) 退職給付引当金 464,942 465,608 (3) 役員退職慰労引当金 47,402 54,021 (4) ポイント引当金 21,107 21,584負債の部合計 208,325,600 214,010,708

    (純資産の部)1.組合員資本 21,536,472 21,916,105 (1) 出資金 1,829,296 1,875,835 (2) 利益剰余金 19,710,702 20,046,119      利益準備金 3,460,224 3,658,592      その他利益剰余金 16,250,478 16,387,527        任意積立金 15,176,006 15,480,977         リスク管理積立金 6,995,601 6,987,601         農業経営基盤積立金 966,192 996,192         施設整備積立金 2,735,019 3,003,019         記念事業等積立金 75,462 75,462         福祉事業積立金 398,800 398,800         税効果積立金 181,932 196,903         特別積立金 3,823,000 3,823,000        当期未処分剰余金 1,074,472 906,550         (うち当期剰余金) (520,585) (537,939) (3)処分未済持分 ▲ 3,526 ▲ 5,8492.評価・換算差額等 81,237 65,620 (1) その他有価証券評価差額金 81,237 65,620純資産の部合計 21,617,710 21,981,726負債及び純資産の部合計 229,943,310 235,992,434

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    (単位:千円)

    2 損益計算書科  目 平成 30 年度 令和元年度

    1.事業総利益 3,538,741 3,617,108  事業収益 − 8,538,557  事業費用 − 4,921,448  (1) 信用事業収益 1,853,139 1,778,243      資金運用収益 1,697,252 1,611,569       (うち預金利息) (934,309) (927,718)       (うち有価証券利息) (47,927) (26,736)       (うち貸出金利息) (483,128) (414,097)       (うちその他受入利息) (231,886) (243,016)      役務取引等収益 71,285 75,622      その他事業直接収益 − 3,980      その他経常収益 84,601 87,071  (2) 信用事業費用 356,043 174,385      資金調達費用 91,016 61,900       (うち貯金利息) (76,995) (49,772)       (うち給付補塡備金繰入) (8,263) (5,715)       (うち借入金利息) (49) (33)       (うちその他支払利息) (5,707) (6,379)      役務取引等費用 15,805 16,481      その他経常費用 249,221 96,003       (うち貸倒引当金繰入額) ( − ) ( − )       (うち貸倒引当金戻入益) ( ▲ 13,931) ( ▲ 154,363)       (うち貸倒金償却) ( − ) ( − )  信用事業総利益 1,497,096 1,603,858  (3) 共済事業収益 1,212,111 1,167,213      共済付加収入 1,066,163 1,027,294      共済貸付金利息 1,551 1      その他の収益 144,396 139,918  (4) 共済事業費用 72,264 67,642      共済借入金利息 1,471 0      共済推進費 37,207 35,327      共済保全費 6,990 7,187      その他の費用 26,594 25,127       (うち貸倒引当金繰入額) ( − ) ( − )       (うち貸倒引当金戻入益) ( △ 19) ( △ 229)  共済事業総利益 1,139,847 1,099,571  (5) 購買事業収益 5,308,138 4,689,070      購買品供給高 5,087,532 4,442,804      購買手数料 9,846 19,359      修理サービス料 159,937 167,823      その他の収益 50,820 59,083  (6) 購買事業費用 4,704,544 4,081,778      �