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生 誕 100 年 記 念 フェリックス・ホフマン展 うつくしい絵本の贈りもの 各位 拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、伊丹市立美術館では2011 年7月16日(土)から8月28日(日)まで「生誕 100 年記念 フェリックス・ホ フマン展 うつくしい絵本の贈りもの」を開催いたします。 スイス生まれの絵本作家であり、多彩な活動を行った画家フェリックス・ホフマン(Felix Hoffman : 1911~1975)。 故郷アーラウ市で画家活動と美術教師をしていたホフマンにとって、絵本を描くきっかけとなったのは、第2次世界大戦 中に多くの時間を兵役で費やすなか父親として我が子のためにできることとして、長女に《ラプンツェル》、二女に《ね むりひめ》、三女に《おおかみと七ひきのこやぎ》、長男に《七わのからす》の手描き絵本を贈ったことにあります。その 後、出版された数々の絵本は世界中で親しまれ、世代を超えて愛されています。なかでも絵本『クリスマスのものがたり』 は、日本の出版社からの依頼により制作され、ホフマンの画風の特徴である勢いある線描と美しい色彩が際立っており、 キリスト誕生を描いた数ある絵本のなかでも最も優れたものといえるでしょう。 ホフマンについて、絵本の作品はよく知られていますが、絵本以外の画業についてはあまり知られていません。生誕 100 年を記念とする本展では、ホフマン家のご遺族と、世界でも有数のコレクションを誇る小さな絵本美術館(長野県)の協 力を得て、貴重な作品と資料の約 250 点を展示いたします。我が子に贈った貴重な手描き絵本をはじめ、日本でも馴染み ある絵本の原画やリトグラフを紹介するとともに、『グリムの昔話』や『スイスの伝説』などの本の挿絵、ステンドグラ スの下絵、壁画の試作なども取り上げ、ホフマンの知られざる全貌と魅力に迫ります。 つきましては、「生誕100 年記念 フェリックス・ホフマン展 うつくしい絵本の贈りもの」におけるご紹介と周知にご 協力賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具 《ヨッケリなしをとっといで》より

生 誕 100年 記 念 リ ッ ク ス フ マ · 生 誕 100 年 記 念 フ ェ リ ッ ク ス ・ ホ フ マ ン 展 う つ く し い 絵 本 の 贈 り も の 各位 拝啓

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生 誕 100 年 記 念

フ ェ リ ッ ク ス ・ ホ フ マ ン 展

う つ く し い 絵 本 の 贈 り も の

各位

拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、伊丹市立美術館では2011年7月16日(土)から8月28日(日)まで「生誕100年記念 フェリックス・ホ

フマン展 うつくしい絵本の贈りもの」を開催いたします。

スイス生まれの絵本作家であり、多彩な活動を行った画家フェリックス・ホフマン(Felix Hoffman : 1911~1975)。

故郷アーラウ市で画家活動と美術教師をしていたホフマンにとって、絵本を描くきっかけとなったのは、第2次世界大戦

中に多くの時間を兵役で費やすなか父親として我が子のためにできることとして、長女に《ラプンツェル》、二女に《ね

むりひめ》、三女に《おおかみと七ひきのこやぎ》、長男に《七わのからす》の手描き絵本を贈ったことにあります。その

後、出版された数々の絵本は世界中で親しまれ、世代を超えて愛されています。なかでも絵本『クリスマスのものがたり』

は、日本の出版社からの依頼により制作され、ホフマンの画風の特徴である勢いある線描と美しい色彩が際立っており、

キリスト誕生を描いた数ある絵本のなかでも最も優れたものといえるでしょう。

ホフマンについて、絵本の作品はよく知られていますが、絵本以外の画業についてはあまり知られていません。生誕100

年を記念とする本展では、ホフマン家のご遺族と、世界でも有数のコレクションを誇る小さな絵本美術館(長野県)の協

力を得て、貴重な作品と資料の約250点を展示いたします。我が子に贈った貴重な手描き絵本をはじめ、日本でも馴染み

ある絵本の原画やリトグラフを紹介するとともに、『グリムの昔話』や『スイスの伝説』などの本の挿絵、ステンドグラ

スの下絵、壁画の試作なども取り上げ、ホフマンの知られざる全貌と魅力に迫ります。

つきましては、「生誕 100 年記念 フェリックス・ホフマン展 うつくしい絵本の贈りもの」におけるご紹介と周知にご

協力賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

《ヨッケリなしをとっといで》より

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◆ 開催要項

展覧会名:「生誕100年記念 フェリックス・ホフマン展 うつくしい絵本の贈りもの」

The 100th Anniversary Felix Hoffman Exhibition —The Beautiful Picture Books as a Gift.

会期:2011年7月16(土)̶ 8月28日(日) 休館日:月曜日(7月18日は開館、7月19日は休館)

入館料:一般700円、大高350円、中小100円

*20名以上の団体割引有 *兵庫県内の小中学生はココロンカード、クローバーカード呈示にて無料

*4市1町(伊丹市・川西市・宝塚市・三田市・猪名川町)の高齢者割引有(平日60歳以上、土日祝65歳以上)

*リピーター割引:次回来館時に観覧済の有料チケットをご呈示により団体料金でご覧いただけます。

(本展会期中、1名様1回限り有効)

会場:伊丹市立美術館

主催:伊丹市立美術館[公益財団法人伊丹市文化振興財団・伊丹市]、神戸新聞社 / 共催:伊丹市教育委員会

協賛:大伸社 / 協力:小さな絵本美術館、CON-CAN Movie Festival、メディア総合研究所 / 後援:スイス大使館、NHK

神戸放送局、サンテレビジョン、ラジオ関西

◆ 関連イベント

① ギャラリー・トーク

本展監修者である小さな絵本美術館の館長より、ホフマンの魅力についてお話をしていただきます。

日時:7月30日(土)14時~、31日(日)11時~(どちらも約1時間)

講師:武井利喜氏(小さな絵本美術館館長) / 自由参加・美術館1階ロビー集合(当日の観覧券が必要です)

② ワークショップ「スクラッチングに挑戦!」

ホフマンが壁画制作に用いた技法であるスクラッチング(削って描く)を体験・制作します。

日時:2011年7月24日(日)、10:30~16:30(予定/途中休憩含む)/ 講師:藤本英明氏(画家)

場所:美術館1階講座室 / 定員:先着20名(小学生以上/ただし低学年の方には保護者同伴が必要です)

参加料:500円(材料費)*別途、観覧券が必要です / 申込:電話にて受付(美術館:072-772-7447まで)

③ カフェ

本展にちなんだ会場限定の特別メニューをお楽しみください。

日時:会期中の土日、11:00~17:00 *ただし7月23日・24日、8月13日・14日は行いません。

会場:旧石橋家住宅1階(伊丹郷町館内・美術館隣接) / 協力:リラク香房るあん

④ CON-CAN Movie Festival 上映会

独自の物語世界を作り上げたホフマンにちなみ、世界各国の現代映像作家による選りすぐりのショート・フィルムやアニ

メーションを上映いたします。(CON-CAN Movie Festival、メディア総合研究所)

期間:8月9日(火)~14(日)/ 場所:美術館1階講座室 / 観覧料:無料(自由席)*ただし展覧会の観覧券が必要

上映時間:約1時間(約8本~10本)のプログラムを次の時間に上映します。11:00~、13:00~、14:30~、16:00~

◆ ミュージアム・ショップ

絵本やオリジナルグッズを販売。*3,000円以上お買い上げの方にはお楽しみプレゼントを差し上げます。(先着500名様)

◆ お問い合わせ

担当: 伊丹市立美術館 岡本 梓

〒664-0895兵庫県伊丹市宮ノ前2丁目5番20号 tel: 072-772-7447 / fax: 072-772-5558

mail : [email protected] 《おおかみと七ひきのこやぎ》より

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◆ 出品について 作品点数:手描き絵本、絵本原画、版画の作品をはじめ、下絵やスケッチブックなどの資料、全約250点。

所蔵:小さな絵本美術館(長野県岡谷市長地権現4-6-13/諏訪郡原村原山17217-3325)、ホフマン家

絵本

ホフマンの絵本は、自身の4人の子どもたちへの贈り物から誕生した。長女サビーネに『ラプンツェル』、二女クリスティアーネ

に『ねむりひめ』、三女スザンヌに『おおかみと七ひきのこやぎ』、長男ディーターに『七わのからす』を贈り、また孫たちには

『くまおとこ』を贈った。さらにはグリム童話の『うできき四人きょうだい』『おやゆびこぞう』、スイス・ドイツ童歌から生ま

れた『ヨッケリなしをとっといで』、日本の出版社より依頼されて誕生した『クリスマスのものがたり』など、数々の絵本を制作

した。本展では、我が子に贈った4冊の手描き絵本をはじめ、数々の絵本最終原稿や原画、リトグラフなどを紹介する。

《ラプンツェル》 《うできき4人きょうだい》 《クリスマスのものがたり》

《おおかみと七ひきのこやぎ》

本の挿絵

絵本以外にもホフマンは数々の本の挿絵を手掛けた。なかでも『グリムの昔話』と『スイスの伝説』はユーモア溢れる物語の一

場面を水彩とペンで色鮮やかに描いており、優れた表現性・芸術性をみることができる。本展では『グリムの昔話』『スイスの伝

説』の原画と、白黒で描かれた『聖書物語』挿絵リトグラフを紹介する。

《グリムの昔話》より「どろぼうの名人」「六人男、世界をのし歩く」 《スイスの伝説》より「地の小人の洗礼」「パリの歩哨」

その他の活動

日本では絵本作家として有名なホフマンだが、故郷スイスでは教会や市庁舎、小学校などのステンドグラスや壁画と、絵本や本

以外の幅広い活動をした芸術家として知られている。ステンドグラス下絵や壁画の試作をはじめ版画やカード、スケッチブック

などの資料を展示し、ホフマンの知られざる画業を紹介する。

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◆ フェリックス・ホフマン(Felix Hoffman : 1911~1975) スイスのアーラウ市に3人兄弟の次男として生まれる。州立高等学校を卒業し、画家になりたいとバーゼル美術学校(アーノル

ド・フィヒターに師事)で学んだ後、ドイツのカールスルーエにある州立美術学校のエルンスト・ヴュルテンベルガー教授のも

とで木版とイラストレーションを学ぶ。21 歳のとき、アーラウ市の出版社サウアーレンダー社と子どものための本の挿絵の仕事

を契約し、同社との関係は今日まで続く。ベルリンの国立自由応用芸術学校のハンス・マイド教授のもとで銅版画を学んだ後、

24歳で故郷アーラウに戻り、市立中学校の美術教師をしながら(26年間)イラストレーションや細かな風景画を銅板に直接描く

作品を制作する。アーラウには以後ずっと住みつく。25歳で結婚、翌年には長女サビーネが誕生。26歳でルッパースヴィルの教

会からステンドグラスの仕事を初めて受け、熱中して習得する。また、アーラウ市の教会のステンドグラス公募に応募して選ば

れ、同教会の聖歌隊の6つの窓のステンドグラスを制作し取り付ける。以後、ベルンの大聖堂、シュピーゲル教会、ブックスの

教会、アーラウ市庁舎などのステンドグラスを手がける。第二次世界大戦中(1939~45 年)は多くの時間を兵役で従軍するが、

その間に二女クリスティアーネ、三女スザンヌ、長男ディーターが誕生し、子どもたちのために絵本を作る。38 歳で初めての絵

本『ラプンツェル』(バーゼルの出版社:アマーバッハ社)が出版、翌年には木版画入りの愛蔵版が出版され(ビルクホイザー社)、

その他にもいくつかの出版社との仕事を行い、46 歳でそれまでの全作品に対してスイス児童図書賞が受賞された。イギリスとア

メリカの出版社と翻訳出版の契約を結び、日本では52歳の時に初めて絵本が出版(翻訳)された。49歳と51歳のときにアンデ

ルセン・オナーリスト賞を受賞、52歳で『七わのからす』でニューヨークのヘラルド・トリビューン児童図書賞受賞。62歳のと

きに日本の福音館書店から『クリスマスのものがたり』の制作が依頼され、この本は日本、スイス、アメリカで同時出版された。

64歳にて心筋梗塞がもとで亡くなる。

◆ 日本で出版された本 1963年 ねむりひめ 福音館書店

1967年 おおかみと七ひきのこやぎ 福音館書店

1970年 ながいかみのラプンツェル 福音館書店

1971年 七わのからす 福音館書店

1975年 クリスマスのものがたり 福音館書店

1976年 しあわせハンス 福音館書店

1978年 つぐみのひげの王さま ペンギン社

1979年 おやゆびこぞう ペンギン社

1983年 うできき四人きょうだい 福音館書店

1984年 くまおとこ ベネッセ・コーポレーション

1986年 グリムの昔話1・2・3 福音館書店

1991年 聖書物語 日本基督教団出版局

1998年 フェリックス・ホフマンのカードブック 小さな絵本美術館/架空社

2000年 ヨッケリなしをとっといで 小さな絵本美術館/架空社

《ねむりひめ》より

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◆ 広報用画像一覧 *掲載等でご入用の際は、別紙の申込書にご記入の上、美術館まで申請してください。

No.1 : 《おおかみと七ひきのこやぎ》① No.2 : 《おおかみと七ひきのこやぎ》②

No.3 : 《おおかみと七ひきのこやぎ》③ No.4 : 《七わのからす》

No.5:《グリムの昔話》より「灰かぶり」 No. 6 :《スイスの伝説》より「パリの歩哨」

No. 7: 《ヨッケリなしをとっといで》