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1 ①貨物自動車運送事業法 8 問出題 ◇貨物自動車運送事業の種類 一般貨物自動車運送事業 他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車 及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業 で、特定貨物自動車運送事業以外のもの。 貨物軽自動車運送事業 他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車 及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業。 特定貨物自動車運送事業 特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を 運送する事業。 ◇許可・認可 許可 一般貨物自動車運送事業の経営 認可 運送約款の制定又は変更、事業計画の変更 ◇届け出・届出書の提出 届け出 事業用自動車に関する変更(種別毎の数など)はあらかじめ届け出る 軽微な事業計画の変更(主たる事務所の名称・位置など)は遅滞なく届ける ◇過労運転の防止 運転者の選任 運転者を常時選任しておく。 ※日々雇い入れられる者 不可 ※期間内(2カ月以内)の者 不可 ※試用期間(14日)の者 不可 休憩等の施設 休憩施設などを整備し、適切に管理、保守する。 勤務時間及び乗務時間 勤務時間及び乗務時間を定める。 乗務の禁止 ・酒気帯び状態の者を乗務させない。 ・乗務員の健康状態の把握に努め、疲労により安全運転ができ ないおそれがある者を乗務させない。 交替運転者の配置 長距離または夜間の運転に際し、疲労により安全運転を継続 できないおそれがある時は、あらかじめ交替運転者を配置する 乗務基準の設定 起点から終点までの距離が100㎞を超えるものごとに乗務に関 する基準を定める。(特別積み合わせ運送) ◇事業者の業務 従業員の指導・監督 従業員の指導、監督のための方針の策定及び措置を講じる。 点検の基準の作成 事業用自動車の使用条件を考慮し、定期に行う点検の基準を作 成する。 車庫の管理 事業用自動車を保管する車庫を確保しておく。

点呼...交替運転者の配置 長距離または夜間の運転に際し、疲労により安全運転を継続 できないおそれがある時は、あらかじめ交替運転者を配置する

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Page 1: 点呼...交替運転者の配置 長距離または夜間の運転に際し、疲労により安全運転を継続 できないおそれがある時は、あらかじめ交替運転者を配置する

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①貨物自動車運送事業法 8問出題

◇貨物自動車運送事業の種類

一般貨物自動車運送事業 他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車

及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業

で、特定貨物自動車運送事業以外のもの。

貨物軽自動車運送事業 他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車

及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業。

特定貨物自動車運送事業 特定の者の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を

運送する事業。

◇許可・認可

許可 一般貨物自動車運送事業の経営

認可 運送約款の制定又は変更、事業計画の変更

◇届け出・届出書の提出

届け出 事業用自動車に関する変更(種別毎の数など)はあらかじめ届け出る

軽微な事業計画の変更(主たる事務所の名称・位置など)は遅滞なく届ける

◇過労運転の防止

運転者の選任 運転者を常時選任しておく。

※日々雇い入れられる者 不可

※期間内(2カ月以内)の者 不可

※試用期間(14日)の者 不可

休憩等の施設 休憩施設などを整備し、適切に管理、保守する。

勤務時間及び乗務時間 勤務時間及び乗務時間を定める。

乗務の禁止 ・酒気帯び状態の者を乗務させない。

・乗務員の健康状態の把握に努め、疲労により安全運転ができ

ないおそれがある者を乗務させない。

交替運転者の配置 長距離または夜間の運転に際し、疲労により安全運転を継続

できないおそれがある時は、あらかじめ交替運転者を配置する

乗務基準の設定 起点から終点までの距離が100㎞を超えるものごとに乗務に関

する基準を定める。(特別積み合わせ運送)

◇事業者の業務

従業員の指導・監督 従業員の指導、監督のための方針の策定及び措置を講じる。

点検の基準の作成 事業用自動車の使用条件を考慮し、定期に行う点検の基準を作

成する。

車庫の管理 事業用自動車を保管する車庫を確保しておく。

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◇点呼

乗務前点呼 対面で行い(運行上やむを得ない場合は電話等で行う)

①酒気帯びの有無

②疾病、疲労等により安全に運転ができないおそれの有無

③日常点検及び運行前点検の実施についての報告を求め、確認を行い、

安全確保のための指示をする。

乗務後点呼 対面で行い(運行上やむを得ない場合は電話等で行う)

①酒気帯びの有無

②事業用自動車、

③道路及び運行の状況について報告を求め、また他の運転者と交替した

場合は、交代した運転者に対し行った事業用自動車、道路及び運行の

状況についての通告についての報告を求める。

中間点呼 乗務前、乗務後の点呼のいずれも対面で行うことのできない運転者に対し、

当該点呼の他に、乗務途中少なくとも1回電話などにより、

①酒気帯びの有無

②疾病、疲労その他の理由により安全運転ができないおそれの有無

①と②について報告を求め、確認を行い、安全確保のための指示をする。

酒気帯びの有無についての確認はアルコール検知器(営業所に備えられたものに限る)によ

り、行う。

補助者に点呼を行わせる場合であっても、3分の1以上は運行管理者が行う。

酒気を帯びた状態とは、呼気中アルコール濃度が0.15㎎/ℓ以上であるか否かを問わな

い。

◇事業者

必要な権限の委譲 運行管理者に対し運行管理者の業務を行うために必要な権限を与

える。

助言の尊重 運行管理者が業務として行う助言を尊重する。また運転者は運行管

理者が業務として行う指導に従う。

運行管理規程 運行管理者の職務及び権限等に関する運行管理規程を定める。

指導及び監督 運行管理者に対し、運行管理者の業務の適確な処理及び運行管

理規程の遵守について、適切な指導及び監督を行う。

講習① 新たに選任した運行管理者に国土交通大臣の認定を受けた講習を

受講させる。

講習② 事故を起こした営業所の運行管理者に事故の日から1年以内に特

別講習を受講させる。

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◇記録内容・保存期間等

乗務等の記録

1年間保存

・乗務開始及び乗務終了地点、日時並びに主な経過地点と乗務距離

・休憩などをした場合は、その地点及び日時

・車両総重量 8 トン以上、最大積載量 5 トン以上の事業用自動車に乗務

した場合は、貨物の積載状況

・自動車事故報告規則第2条の事故または著しい運行の遅延など異常

な事態が発生した場合には、その概要及び原因

・車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用自動車の

乗務については運行記録計により、瞬間速度、運行距離、運行時間

を記録する

運行指示書

運行の終了から

1年間保存

・運転者に携行させる。また運行途中に変更が生じた場合は、運転者が

携行している運行指示書にも変更内容を記載させる

運転者台帳

3年間保存

・運転免許証の番号と有効期限、年月日及び車種類等

・転任等により運転者でなくなった場合は運転者台帳に記入して保存

◇特別な指導と適性診断

≪特別な指導≫ 日時、場所等を記録し3年間保存

事故惹起運転者 6時間以上(安全運転実技を除く) 〇再度乗務する前

※やむを得ない事情がある

場合には、再度乗務開始後

1カ月以内。

初任運転者 ①運送事業法その他の法令に基づき

運転者が遵守すべき事項、運行の安

全を確保するために必要な運転に関

する事項など(15時間以上)

②安全運転の実技(20時間以上)

〇初めて乗務する前

※やむを得ない事情がある

場合には、乗務開始後1カ

月以内。

高齢運転者 指導時間は設けられていないが、適

性診断の結果により、運転者自らが考

えるよう指導する。

適性診断の結果後1カ月以

内。

≪適性診断≫

事故惹起運転者 ①死傷事故を起こし、この事故前の1

年間に交通事故を引き起こした者。

②死傷事故を起こし、この事故前の1

年間に交通事故を引き起こしていな

い者。

③軽傷事故を起こし、この事故前の3

〇再度乗務する前

※やむを得ない場合は、再

度乗務開始後1カ月以内。

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年間に交通事故を引き起こした者。

初任運転者 初めて乗務する前3年間に初任運転

者の適性診断を受診していない者。

〇初めて乗務する前

※やむを得ない場合は、乗

務開始後1カ月以内。

高齢運転者 満65歳の運転者 65歳に達した日以後1年以

内に1回

※その後、3年以内ごとに1

回受診させる。

◇運転者の遵守事項

疾病、疲労等により安全運転ができないおそれがあるときは、事業者に申し出る。

他の運転者と交替して乗務を開始するときは、他の運転者から通告を受け、事業用自動車

の制動装置、走行装置その他の重要な装置の機能を点検する。

運行指示書の作成を要する運行では、運行指示書を携行し、運行の途中で記載事項に変

更があった場合は携行している運行指示書にも変更内容を記載する。

踏切を通過するときは、変速装置を操作しない。

◇事故の定義(主なもの)

転落事故 自動車が道路外に転落(0.5m以上)したもの。

死傷事故 死者、重傷者(入院+30日以上の医師の治療又は14日以上の入院)

を生じたもの。

負傷事故 10人以上の負傷者を生じたもの。

法令違反事故 酒気帯び運転、無免許運転、麻薬運転等。

疾病事故 運転者の疾病により、運転を継続できなくなったもの。

運行不能事故 自動車の装置(動力伝達装置、燃料装置等)の故障により運行できな

くなったもの。

車輪脱落事故 車輪の脱落(故障によるものに限る)

鉄道障害事故 橋脚、架線その他の鉄道施設を損傷し、3時間以上本線において鉄

道車両の運転を休止させたもの。

高速道路障害事故 高速自動車国道又は自動車専用道路において、3時間以上自動車

の通行を禁止させたもの。

◇事故報告書と速報

事故報告書 自動車事故報告規則に定める事故の場合、30日以内に報告書3通を運輸

支局長等を経由し、国土交通大臣に提出。

※救護義務違反事故(ひき逃げ)の場合は、その事故を知った日から30日

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以内。

速報 24時間以内できる限り速やかに運輸支局長等に電話等で速報。

①2人以上の死者を生じたもの。

②5人以上の重傷者を生じたもの。

③10人以上の負傷者を生じたもの。

④自動車に積載された危険物が大量に漏洩したもの(転覆、転落、火災、又

は鉄道車両、自動車等との衝突及び接触により生じた場合に限る)

⑤酒気帯び運転によるもの。

◇運行管理者の選任数

選任数の最低限度=事業用自動車の車両数(被けん引車を除く)÷30+1

◇運行管理者の業務(主な業務)

運転者以外の運転禁止 事業者が運転者として選任した者以外に運転させない。

施設の管理 休憩施設及び睡眠施設を適切に管理する。

乗務割の作成 勤務時間及び乗務時間の範囲内で乗務割を作成し、乗務さ

せる。

乗務の禁止 健康状態を把握し、疾病、疲労などで安全運転できないもの

又は酒気帯び状態の者を乗務させない。

点呼、記録保存 運転者に点呼を行い、報告を求め、確認を行い、指示を与え

る。点呼の記録をし、1年間保存する。

事故記録、保存 事業用自動車に係る交通事故が発生した場合、所定事項を

記録し、その記録を営業所に3年間保存する。

運行指示書の作成 運行指示書を作成し、運転者に指示し及び携行させる。

非常用器具の取扱い指導 非常用信号用具、消火器の取り扱いについて乗務員に対し

適切な指導を行う。

異常気象時の指示 異常気象等により安全確保に支障が出そうな場合、乗務員に

対し必要な指示をして、安全のために必要な措置を講ずる。

事故防止策の指導等 事故報告規則第5条により定められた事故防止対策に基づ

き、運行の安全確保について従業員に指導及び監督を行う。

補助者 補助者に対する指導・監督を行う。

◇運行管理者の講習

①新たに選任した運行管理者 選任届をした日に属する年度(やむを得ない理由がある

場合は該当する年度の翌年度)に基礎講習又は一般講

習(基礎講習を受講していない場合は基礎講習)を受講

させる。

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②死者又は重傷者を生じた事

故を起こした営業所の運行管

理者

③輸送の安全に係る許可の取

消処分を受けた営業所の運行

管理者

〇事故等があった日の属する年度及び翌年度(やむを

得ない理由がある場合は該当する年度の翌年度及び

翌々年度。既に年度内に当該講習を受講した場合は翌

年度)に基礎講習又は一般講習を受講させる。

〇事故等があった日から1年(やむを得ない理由がある

場合は1年6ケ月)以内にできる限り速やかに特別講習を

受講させる。

※最後に基礎講習又は一般講習を受講した年度の翌々年度以降2年毎に当該講習を受講さ

せる。

◇事業者と運行管理者の業務の違い

業 務 事業者 運行管理者

補助者の選任 補助者を選任する。 補助者に対する指導、監督

休憩施設・睡眠施設 整備、管理、保守する。 管理のみ。

勤務時間・乗務時間 勤務時間、乗務時間を定め

る。

事業者によって定められた

時間の範囲内で乗務割を作

成し、乗務させる。

運行管理規程 運行管理規程を定める。 運行管理規程を遵守する。

自動車車庫 自動車車庫を適切に確保す

る。

自動車車庫に関する規定は

ない。

従業員に対する指導、監督 輸送の安全に関する基本的

な方針を策定し、これに基

づき指導・監督する。

法令の規定により定められ

た事故防止対策に基づき運

行の安全の確保について指

導、監督をする。

アルコール検知器 アルコール検知器を備え置

く。

アルコール検知器を常時有

効に保持する。

◇事業者の遵守事項と運行管理者の業務

事 項 事業者 運行管理者 関係法令(安全規則)

事業者 運行管理者

運転者 運転者を選任 選任された運転者以外の

運転禁止

3条

第1項

20条

第1項①

休憩・睡眠施設 整備、管理、

保守

管理のみ 3条

第3項

20条

第1項②

勤務時間

乗務時間

勤務時間、乗

務時間を定め

勤務時間、乗務時間の範

囲内で乗務割作成及び

3条

第4項

20条

第1項③

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る。 乗務を指示。

酒気帯び 乗務禁止 3条5項 20条第1項

疾病・疲労 乗務禁止 3条6項 20条第1項

交替運転者の配置 長距離運転、夜間運転の交替運転者の配

3条

第7項

20条

第1項

過積載 過積載防止の指導、監督 4条 20条1項

貨物の積載 適切な積載措

積載方法の指導、監督 5条 20条

第1項

通行の禁止

制限等違反の防止

通行の禁止、制限等違反の防止の指導

及び監督

5条の2

20条

第1項

自動車車庫 車庫を確保 ― 6条 ―

点呼 点呼の実施、記録、保存(1年間) 7条 20条

第1項 アルコール検

知器の設置、

有効に保持

アルコール検知器を有効

に保持

乗務記録 運転者ごとに乗務を記録、保存(1年間) 8条 20条第1項

運行記録計 運行記録計の

記録、保存(1

年間)

運行記録計の管理、保存

(1年間)

9条 20条

第1項

運行記録計

使用不能車

運行記録計使用不能車

の運行禁止

― 20条

第1項

事故の記録 事故の記録、保存(3年間) 9条の2 20条第1項

運行指示書 指示書作成、指示、監督、運転者への携

行、変更内容の記載、保存(1年間)

9条の3 20条

第1項

運転者台帳 運転者台帳の作成、営業所への備え置き 9条の5 20条第1項

指導・監督 従業員に対する指導、監督、運転者への

特別な指導、記録保存(3年間)

10条

第1項

20条

第1項

適性診断 運転者の適性診断の受診 10条

第2項

20条

第1項

異常気象 異常気象時の乗務員への指示、措置 11条 20条第1項

補助者 補助者の選任 補助者に対する指導、監

18条

第3項

20条

第1項

事故の報告 事故の報告 事故防止対策に基づく従

業員への指導、監督

事業法

24条

20条

第1項

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※貨物自動車運送事業法

第1条(目的)

この法律は、貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的なものとするとともに、貨物自動

車運送に関するこの法律及びこの法律に基づく措置の遵守等を図るため民間団体等による

自主的な活動を促進することにより、輸送の安全を確保するとともに、貨物自動車運送事業の

健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

第2条(定義)

1. この法律において「貨物自動車運送事業」とは、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自

動車運送事業及び貨物軽自動車運送事業をいう。

2. この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で自動車

(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。第3項及び第7項において同じ)を使用し

て貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものをいう。

3. この法律において「特定貨物自動車運送事業」とは、特定の者の需要に応じ、有償で、自

動車を使用して貨物を運送する事業をいう。

4. この法律において「貨物軽自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三

輪以上の軽自動車及び二輪の自動車に限る)を使用して貨物を運送する事業をいう。

6. この法律において「特別積合せ貨物運送」とは、一般貨物自動車運送事業として行う運送

のうち、営業所その他の事業場において集貨された貨物の仕分けを行い、集貨された貨物

を積み合わせて他の事業場に運送し、当該他の事業場において運送された貨物の配達に

必要な仕分を行うものであって、これらの事業場の間における積合せ貨物の運送を定期的

に行うものをいう。

7. この法律において「貨物自動車利用運送」とは、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物

自動車運送事業を経営する者が他の一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送

事業を経営する者の行う運送(自動車を使用して行う貨物の運送に係るものに限る)を利用

してする貨物の運送をいう。

第3条(一般貨物自動車運送事業の許可)

一般貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければなら

ない。

第5条(欠格事由)

次の各号のいずれかに該当する者は、一般貨物自動車運送事業の許可を受けることができ

ない。

⑵一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取

消しの日から2年を経過しない者。

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第9条(事業計画の変更)

1. 一般貨物自動車運送事業者は、事業計画の変更をしようとするときは、国土交通大臣の

認可を受けなければならない。

3. 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に関する国土交通省令で定める事業計画

の変更をするときは、あらかじめその旨を、

※あらかじめ届け出が必要な事業計画の変更

①各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数の変更

②各営業所に配置する運行車の数の変更

国土交通省令で定める軽微な事項に関する事業計画の変更をしたときは、遅滞なくその旨

を国土交通大臣に届け出なければならない。

※変更後に遅滞なく届け出が必要な事業計画の変更

①主たる事務所の名称及び位置の変更

②営業所又は荷扱所の名称

③営業所又は荷扱所の位置の変更(貨物自動車利用運送のみに係るもの及び地方運輸

局長が指定する区域内におけるものに限る)

第10条(運送約款)

一般貨物自動車運送事業者は、運送約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければなら

ない。これを変更しようとするときも、同様とする。

第17条(輸送の安全)

1. 一般貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の数、荷役その他の事業用自動車の運転

に附帯する作業の状況等に応じて必要となる員数の運転者、及びその他の従業員の確保、

事業用自動車の運転者がその休憩又は睡眠のために利用することができる施設の整備、

事業用自動車の運転者の適切な勤務時間及び乗務時間の設定、その他事業用自動車の

運転者の過労運転を防止するために必要な措置を講じなければならない。

3. 一般貨物自動車運送事業は、事業用自動車の最大積載量を超える積載をすることとなる

運送(過積載による運送)の引受け、過積載による運送を前提とする事業用自動車の運行計

画の作成及び事業用自動車の運転者その他の従業員に対する過積載の運送の指示をし

てはならない。

第22条の2(輸送の安全を阻害する行為の禁止)

1. 一般貨物自動車案総事業者は、貨物自動車利用運送を行う場合にあっては、その利用

する運送を行う一般貨物自動車運送事業者又は特定貨物自動車運送事業者が貨物自動

車運送事業法の規定又は安全管理規程を遵守することにより、輸送の安全を確保すること

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を阻害する行為をしてはならない。

第27条(名義の利用等の禁止)

1. 一般貨物自動車運送事業者は、その名義を他人に一般貨物自動車運送事業又は特定

貨物自動車運送事業のため利用させてはならない。

2. 一般貨物自動車運送事業者は、事業の貸渡しその他いかなる方法をもってするかを問わ

ず、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物運送事業を他人にその名において経営させ

てはならない。

※安全規則

第3条(過労運転の防止)

〇運転者の選任及び施設の整理・保守・管理、勤務時間及び乗務時間

1. 一般貨物自動車運送事業者等は、事業計画に従い業務を行うに必要な員数の事業用自

動車の運転者を常時選任しておかなければならない。

2. 事業用自動車の運転者に選任する者は、①~③は不可。

①日々雇い入れられる者

②2カ月以内の期間を定めて使用される者

③試みの使用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至って者を除く)

3.貨物自動車運送事業者は、運転者及び事業用自動車の運転の補助に従事する従業員(以

下「乗務員」という)が有効に利用することができるように、休憩に必要な施設を整備し、及び

乗務員に睡眠を与える必要がある場合にあっては睡眠に必要な施設を整備し、並びにこれ

らの施設を適切に管理し、及び保守しなければならない。

4. 貨物自動車運送事業者は、休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息の

ための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転

者の勤務時間及び乗務時間を定め、当該運転者に遵守させなければならない。

[貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準(告

示)]

貨物自動車運送事業者が運転者の勤務時間及び乗務時間を定める場合の基準には、運

転者の労働時間等の改善が過労運転の防止に資することに鑑み、改善基準告示とする。

なお、運転者が一の運行における最初の勤務を開始してから最後の勤務を終了するまで

の時間(ただし、改善基準告示第4条第3項において厚生労働基準局長が定めることとされ

ている自動車運転者がフェリーに乗船する場合における休息期間を除く)は144時間を超

えてはならない。

※一の運行とは、運転者が所属する営業所を出発してから当該営業所に帰着するまでをい

う。また144時間とは24時間×6日間ということである。

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5. 貨物自動車運送事業者は、酒気を帯びた状態にある乗務員を事業用自動車に乗務させ

てはならない。

[貨物自動車運送事業輸送安全規則]の解釈及び運用について(通達)

第3条(過労運転の防止)

4.第5項関係

「酒気を帯びた状態」とは、道路交通法施行令第44条の3に規定する血液中アルコール濃

度0.3㎎又は呼気中のアルコール濃度0.15㎎以上であるか否か問わないものである。

6. 貨物自動車運送事業者は、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労その他の理由

により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自

動車に乗務させてはならない。

7. 一般貨物自動車運送事業者は、運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合

であって、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、あらかじ

め、当該運転者と交替するための運転者を配置しておかなければならない。

8. 特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者は、当該特別積合せ貨物運送に

係る運行系統であって起点から終点までの距離が100キロメートルを超えるものごとに、次

に掲げる事項について事業用自動車の乗務に関する基準を定め、かつ、当該基準の遵守

について乗務員に対する適切な指導及び監督を行わなければならない。

①主な地点間の運転時分及び平均速度

②乗務員が休憩又は睡眠をする地点及び時間

③運転者が長距離運転又は夜間の運転に従事する場合であって、交替するための運転者

を配置するときは、運転を交替する地点

第5条(貨物の積載方法)

1. 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に貨物を積載するときは、次に定めるところによ

らなければならない。

①偏荷重が生じないように積載すること

②貨物が運搬中に荷崩れ等により事業用自動車から落下することを防止するため、貨物に

ロープ又はシートを掛けること等必要な措置を講ずること

貨物自動車運送事業法

第64条(荷主への勧告)

1. 国土交通大臣は、一般貨物自動車運送事業者若しくは特定貨物自動車運送事業者が過

労運転の防止、過積載による運行指示の禁止の規定に違反したことにより、輸送の安全確

保の命令をする場合、又は一般貨物自動車運送事業者等に対し許可の取り消し等の処分

をする場合において、当該命令又は処分に係る違反行為が荷主の指示に基づき行われた

ことが明らかであるとき、その他当該違反行為が主として荷主の行為に起因するものである

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と認められ、かつ、当該一般貨物自動車運送事業者等に対する命令又は処分のみによっ

ては、当該違反行為の再発を防止することが困難であると認められるときは、当該荷主に対

しても、当該違反行為の再発の防止を図るため適当な措置を執るべきことを勧告することが

できる。

安全規則

第6条(自動車車庫の確保)

1. 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の保管の用に供する自動車車庫を適切に確保

しておかなければならない。

第7条(点呼等)

[乗務前点呼]

1. 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面

(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、次に掲げる事項につい

て報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必

要な指示をしなければならない。ただし、輸送の安全の確保に関する取組が優良であると

認められる営業所において、対面による点呼と同等の効果を有するものとして、国土交通大

臣が定めた機器による点呼を行うことができる。

①酒気帯びの有無

②疾病、疲労その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無

③車両法第47条の2第1項及び第2項の規定による点検の実施(日常点検)又はその確

[安全規則の解釈及び運用について]

※「運行上やむを得ない場合」とは、遠隔地で乗務が開始又は終了するため、乗務前点呼又

は乗務後点呼を当該運転者が所属する営業所において対面で実施できない場合等をいい、

車庫と営業所が離れている場合及び早朝・深夜等において点呼執行者が営業所に出勤して

いない場合等は「運行上やむを得ない」には該当しない。

なお、当該運転者が所属する営業所以外の当該事業所の営業所で乗務を開始又は終了す

る場合には、より一層の安全を確保する観点から、当該営業所において当該運転者の酒気帯

びの有無、疾病、疲労等の状況を可能な限り対面で確認するよう指導すること。

また、点呼は営業所において行うことが原則であるが、営業所と車庫が離れている場合等、必

要に応じて運行管理者又は補助者を車庫へ派遣して点呼を行う等、対面点呼を確実に実施

するよう指導すること。

Page 13: 点呼...交替運転者の配置 長距離または夜間の運転に際し、疲労により安全運転を継続 できないおそれがある時は、あらかじめ交替運転者を配置する

13

[乗務後点呼]

2. 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を終了した運転者に対し、対面(運行上

やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、当該乗務に係る事業用自動車、

道路及び運行の状況並びに他の運転者と交替した場合にあっては、交替した運転者に対

して行った当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況についての通告について

報告を求め、及び酒気帯びの有無について確認を行わなければならない。

ただし、輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物

自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、当該貨物自動車運送事業者は、対面に

よる点呼と同等の効果を有するものとして、国土交通大臣が定めた機器による点呼を行うこ

とができる。

[中間点呼]

3. 貨物自動車運送事業者は、乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができな

い乗務を行う運転者に対し、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも1回

電話その他の方法により点呼を行い、酒気帯びの有無及び疾病、疲労その他の理由により

安全な運転をすることができないおそれの有無について報告を求め、及び確認を行い、並

びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない

[安全規則の解釈及び運用について]

第7条 点呼等

1. 第1項、第2項及び第3項関係

第18条第3項(補助者の選任)の規定のより補助者を選任し、点呼の一部を行わせる場合で

あっても、当該営業所において選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼を行うべき

総回数の少なくとも3分の1以上でなければならない。

2. 第4項

「アルコール検知器」を営業所に備え」とは、営業所若しくは営業所の車庫に設置され、営業

所に備え置き(携帯型アルコール検知器等)又は営業所に属する事業用自動車に設置され

ているものをいう。

「常時有効に保持」とは、正常に作動し、故障がない状態で保持しておくことをいう。

このためアルコール検知器の製作者が定めた取扱説明書に基づき適切に使用し、管理し及

び保守するとともに定期的に故障の有無を確認し、故障がないものを使用しなければならな

い。

Page 14: 点呼...交替運転者の配置 長距離または夜間の運転に際し、疲労により安全運転を継続 できないおそれがある時は、あらかじめ交替運転者を配置する

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第8条 乗務等の記録

1. 一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗

務を行った運転者ごとに記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。

①運転者の氏名

②乗務した事業用自動車の自動車登録番号等

③乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離

④運転を交替した場合にあっては、その地点及び日時

⑤休憩又は睡眠をした場合にあっては、その地点及び日時

⑥車両総重量が8t以上又は最大積載量が5t以上の普通自動車である事業用自動車に乗

務した場合にあっては、次に掲げる事項(一部抜粋)

・貨物の積載状況

⑦道路交通法に規定する交通事故若しくは自動車事故報告規則第2条に規定する事故又

は著しい運行の遅延その他異常な状態が発生した場合にあっては、その概要及び原因

第9条 運行記録計による記録

1. 一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車の運転者の乗務について、当該自動車

の瞬間速度、運行距離、運行時間を運行記録計により記録し、その記録を1年間保存しな

ければならない。

①車両総重量7t以上又は最大積載量4t以上の事業用自動車

②①の事業用自動車に該当する被けん引車をけん引する事業用けん引自動車

③特別積合せ運送に係る運行系統に配置する事業用自動車

第9条の2 事故の記録

1. 一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、

①乗務員の氏名

②事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示

③事故の発生日時

④事故の発生場所

⑤事故の当事者(乗務員を含む)

⑥事故の概要(損害の程度を含む)

⑦事故の原因

⑧再発防止対策

を記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において3年間保存。

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第9条の3 運行指示書による指示等

1. 一般貨物自動車運送事業者等は、乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面(法令により

国土交通大臣が定めた機器による方法を含む)で行うことができない乗務を含む運行ごとに、

運行指示書を作成し、これにより事業用自動車の運転者に対し適切な指示を行い、及びこ

れを当該運転者に携行させなければならない。

2. 一般貨物自動車運送事業者等は、運行指示書の作成を要する運行の途中において、運

行の開始及び終了の地点及び日時又は運行の経路並びに主な経過地における発車及び

到着の日時に掲げる事項に変更が生じた場合には、運行指示書の写しに当該変更の内容

を記載し、これにより運転者に対し電話その他の方法により当該変更の内容について適切

な指示を行い、運転者が携行している運行指示書に当該変更の内容を記載させなければ

ならない。

3. 一般貨物自動車運送事業者等は、運行指示書の作成を要しない運行の途中において、

事業用自動車の運転者に乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない

乗務を行わせることとなった場合には、当該乗務以後の運行について、第1項に掲げる事

項を記載した運行指示書を作成し、これにより運転者に対し電話その他の方法により適切

な指示を行わなければならない。

4. 一般貨物自動車運送事業者等は、運行指示書及びその写しを運行の終了の日から1年

間保存しなければならない。

第9条の5 運転者台帳

1. 一般貨物自動車運送事業者等は、一定の様式の運転者台帳を作成し、これを当該運転

者の所属する営業所に備え置かなければならない。

2. 一般貨物自動車運送事業者等は、運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなく

なった場合には、直ちに当該運転者に係る運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び

理由を記載し、これを3年間保存しなければならない。

第10条 従業員に対する指導及び監督

1. 貨物自動車運送事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車

運送事業に係る主な道路の状況その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の

下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び法令に

基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び

監督をしなければならない。この場合においては、その日時、場所及び内容並びに指導及

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16

び監督を行った者及び受けた者を記録し、かつ、その記録を営業所において3年間保存し

なければならない。

2. 一般貨物自動車運送事業者等は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、運転者に

対して、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について特別な指

導を行い、かつ、国土交通大臣が告示で定める適性診断であって国土交通省令の規定に

より国土交通大臣の認定を受けたものを受けさせなければならない。

3. 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車に備えられた非常信号用具及び消火器に取扱

いについて、当該事業用自動車の乗務員に対する適切な指導をしなければならない。

4. 貨物自動車運送事業者は、従業員に対し効果的かつ適切に指導及び監督を行うため、

輸送の安全に関する基本的な方針の策定その他の国土交通大臣が告示で定める措置を

講じなければならない。

※貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針

【一般的な指導及び監督の指針】

・目的(継続的かつ計画的に指導及び監督を行い運転に関する技能及び知識の習得させる)

[指導及び監督の内容]

・指導及び監督の内容

・事業用自動車の構造上の特性

・過積載の危険性

・危険物を運搬する場合に留意すべき事項

・適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況

・交通事故に関わる運転者の生理的及び心理的要因及びこれらへの対処方法

・健康管理の重要性

[指導及び監督の実施にあたって配慮すべき事項]

・運転者に対する指導及び監督の意義についての理解

・計画的な指導及び監督の実施

・参加、体験、実践型の指導及び監督の手法の活用

【特定の運転者に対する特別な指導の指針】

[指導の内容及び時間]

・事故惹起運転者 座学6時間以上、実技については可能な限り実施すること。

〇死者又は重傷者を生じた交通事故を引き起こした運転者

〇軽傷者を生じた交通事故を引き起こし、かつ、当該事故前の3年間に交通事故を引き起こ

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したことがある運転者

★指導時期

当該交通事故を引き起こした後、再度事業用自動車に乗務する前に実施する。

ただし、やむを得ない事情がある場合には、再度乗務を開始した後1カ月以内に実施する。

なお、外部の専門的機関における指導講習を受講する予定である場合は、この限りではない。

・初任運転者 座学15時間以上、実技については20時間以上

〇運転者として常時選任するために新たに雇い入れた者(当該貨物自動車運送事業者にお

いて初めて事業用自動車に乗務する前3年間に他の一般貨物自動車運送事業者等によっ

て運転者として常時選任されたことがある者を除く)

★指導時期 初めて事業用自動車に乗務開始する前に実施する。

ただし、やむを得ない事情がある場合には、乗務を開始した後1カ月以内に実施する。

〇高齢運転者

適性診断の結果を踏まえ、個々の運転者の加齢に伴う身体機能の変化から程度に応じた事

業用自動車の安全な運転方法等について、運転者が自ら考えるように指導する。

★指導時期 適性診断の結果が判明した後1カ月以内に実施する。

貨物自動車運送事業法

第24条 事故の報告

1. 一般貨物自動車運送事業者は、その事業用自動車が転覆し、火災を起こし、その他国土

交通大臣が定める重大な事故を引き起こしたときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他国

土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

〇事故の定義[事故報告規則 第2条]

事故の区分 定義

転覆事故 自動車が転覆(道路上において路面と35度以上傾斜)したもの

転落事故 自動車が道路外に転落(0.5m以上)したもの

火災事故 自動車またはその積載物が火災したもの

鉄道事故 自動車が鉄道車両(軌道車両を含む)と衝突または接触したもの

衝突事故 10台以上の自動車の衝突または接触を生じたもの

死傷事故 死者または重傷者を生じたもの

負傷事故 10人以上の負傷者を生じたもの

積載物漏えい事故 積載されている危険物、火薬類、高圧ガス等の全部若しくは一部が

飛散し、または漏えいしたもの

落下事故 自動車に積載されたコンテナが落下したもの

法令違反事故 酒気帯び運転、無免許運転、大型自動車無資格運転、麻薬等運転

を伴うもの

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疾病事故 運転者の疾病により、事業用自動車の運転を継続することができなく

なったもの

救護義務違反事故 救護義務違反(ひき逃げ)があったもの

運行不能事故 自動車の装置(原動機、動力伝達装置、燃料装置、車輪・車軸、操縦

装置等、ほぼ全ての装置が該当)の故障により自動車が運行できなく

なったもの

車輪脱落事故 車輪の脱落、被けん引自動車の分離を生じたもの(故障によるものに

限る)

鉄道障害事故 橋脚、架線その他鉄道施設を損傷し、3時間以上本線において鉄道

車両の運転を休止させたもの

高速道路障害事故 高速自動車国道又は自動車専用道路において、3時間以上自動車

の通行を禁止させたもの

自動車事故の発生の防止を図るために国土交通大臣が特に必要と認めて報告を指示した

もの

重傷者 ・脊柱の骨折(脊髄に損傷あり)

・上腕又は前腕の骨折(合併症あり)

・大腿又は下腿の骨折

・内臓の破裂(腹膜炎併発あり)

・14日以上病院に入院することを要する傷害で医師の治療(通院)を要する期間

が30日以上のもの

・14日以上病院に入院することを要する傷害

軽傷者 ・11日以上医師の治療(通院)を要する傷害

〇事故報告規則[事故報告規則 第3条]

1. 貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除く)は、その使用する自動車につ

いて事故報告規則第2条各号の事故があった場合には、当該事故があった日(救護義務違

反にあっては事業者等が当該救護義務違反があったと知った日、国土交通大臣が特に認

めて報告を指示した事故にあっては当該指示があった日)から30日以内に、当該事故ごと

に自動車事故報告書3通を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する運輸監理部長又

は運輸支局長を経由して、国土交通大臣に提出しなければならない。

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〇速報[事故報告規則 第4条]

1. 貨物自動車運送事業者は、その使用する自動車について、次のいずれかに該当する事

故があったとき又は国土交通大臣の指示があったときは、事故報告書の提出のほか、電話、

ファクシミリ装置その他適当な方法により、24時間以内においてできる限り速やかに、その

事故の概要を運輸監理部長又は運輸支局長に速報しなければならない。

①死傷事故

・2人以上の死者を生じたもの

・5人以上の重傷者を生じたもの

②負傷事故

・10人以上の負傷者を生じたもの

③積載物漏えい事故

・ただし、自動車が転覆し、転落し、火災を起こし、又は鉄道車両、自動車その他の物件と

衝突し、若しくは接触したことにより生じたものに限る

④法令違反事故

・ただし、酒気帯び運転があったものに限る

※①~④に関する事故が発生した場合「速報+報告書」の提出

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②道路運送車両法

◇自動車の種別(車両法の規定)

①普通自動車 ②小型自動車 ③軽自動車

④大型特殊自動車 ⑤小型特殊自動車

◇登録

変更登録 型式、車台番号、所有者の

氏名、使用の本拠の位置な

どを変更したとき

所有者

移転登録 所有者を変更したとき 新所有者

永久抹消登録 自動車が滅失、解体又は用

途を廃止したとき

所有者

◇自動車登録番号標

封印 何人も封印を取り外してはならない。

ただし、整備のために特に必要な場合はこの限りではない。

表示 自動車登録番号標は、これに記載された自動車登録番号の識別に支障が生じな

いように、自動車の前面及び後面の告示で定める位置に取り付ける。

◇自動車検査証の有効期間

自動車の種類 初回 2回目以降

車両総重量8t以上の貨物自動車(大型トラックなど) 1年 1年

車両総重量8t未満の貨物自動車(中・小型トラックなど) 2年 1年

◇自動車の検査の種類

①新規検査 ②継続検査 ③臨時検査 ④構造等変更検査 ⑤予備検査

◇車両法に関する日数

15日以内 変更登録、移転登録、永久抹消登録、自動車の記載事項の変更

5日以内 臨時運行の許可

◇点検整備関係

日常点検整備 自動車の使用者が適切な時期に目視等により行う点検

事業用自動車の使用者又は事業用自動車を運行する者が、

1日1回、運行の開始前に行う点検

定期点検整備 事業用自動車及び車両総重量8t以上の自家用自動車3カ月ごと

に定期点検を行うこと

点検整備記録簿 点検整備記録簿は自動車に備え置くこと

運送事業用自動車等の点検整備記録簿は1年間保存

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◇事業用自動車の日常点検の項目

[走行距離、走行時の状態等から判断した適切な時期に行うもの]

タイヤの溝の深さが十分であること バッテリーの液量が適当であること

冷却水の量が適当であること エンジン・オイルの量が適当であること

低速及び加速の状態が適当であること ワイパーの払拭状態が不良でないこと

ファン・ベルトの張り具合が適当で、かつ、ファン・ベルトに損傷がないこと

原動機のかかり具合が不良でなく異音がないこと

ウインド・ウォッシャの液量が適当であり、かつ、噴射状態が不良でないこと

◇保安基準関係(主なもの)

長さ、幅、高さ 長さ12m、幅2,5m、高さ3,8mを超えてならない

(告示で定めるものにあっては13mを超えてはならない)

軸重等 自動車の軸重は10tを超えてはならない。

(けん引自動車のうち、告示で定めるものにあっては11.5tを超

えてはならない)

原動機(速度抑制装置) 車両総重量8t以上、または最大積載量5t以上の自動車は

90㎞毎時を超えて走行しないよう速度抑制装置を備えなければ

ならない。

走行装置 空気入ゴムタイヤの滑り止めの溝は1.6mm以上の深さを有する

こと

車体及び車枠 自動車の車体の後面には、最大積載量(タンク自動車にあって

は、最大積載量、最大積載容量及び積載物品名)を表示しなけ

ればならない。

巻込防止装置 貨物の運送の用に供する普通自動車及び車両総重量8t以上の

普通自動車(乗車定員11人以上の自動車及びその形状が乗車

定員11人以上の自動車の形状に類する自動車を除く)の両側面

には、巻込防止装置を備えなければならない。

突入防止装置 貨物の運送の用に供する自動車(車両総重量3,5t以下の小型

自動車、軽自動車及びけん引自動車を除く)の後面には突入防

止装置を備えなければならない。

窓ガラス 可視光線透過率が70%以上であること

大型後部反射器 車両総重量7t以上のものの後面には、後部反射器+大型後部

反射器を備えること

後写鏡 自動車の最外側より突出している部分の最下部が地上1,8m以

下のものは衝撃を緩衝できる構造であること

再帰反射材 自動車(法令に規定する自動車を除く)の前面(被けん引自動車

の前面に限る)、両側面及び後面には、夜間に自動車の前方(被

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22

けん引自動車の前方に限る)、側方又は後方にある他の交通に

当該自動車の長さ又は幅を示すことができる再帰反射材を備え

ることができる。

方向指示器 毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅すること

非常点滅表示灯 非常灯として作動する場合は、点滅回数の基準に適合しない構

造とすることができる

非常信号用具 夜間200mの距離から確認できる赤色の灯光を発するものであ

ること

停止表示器材 夜間200mの距離から走行用前照灯で照射した場合に、その反

射光を照射位置から確認できるものであること

運行記録計 車両総重量8t以上又は最大積載量が5t以上の自動車には運

行記録計を備えなければならない

黄色の点滅灯火 道路維持作業用自動車のみ装着可

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③道路交通法

◇定義

自動車 原動機を用い、かつ、レール又は架線によらないで運転する車であって、原

動機付自転車、自転車及び身体障害者用の車いす並びに歩行補助車そ

の他の小型の車で政令で定めるもの(走行補助車等)以外のものをいう

路側帯 歩道の設けられていない道路又は道路に設けられていない側の部分で、道

路標示によって区画されたもの

安全地帯 横断している歩行者等の安全を図るため道路に設けられた島状の施設又

は道路標識及び道路標示により安全地帯であることが示されている道路の

部分

車両通行帯 自動車が定められた部分を通行することが道路標示により示されている場

合の道路の部分

車両 自動車、原動機付自転車、軽車両及びトロリーバスをいう

道路標識 規制又は指示を表示する標示板

道路標示 路面に描かれた道路鋲、ペイント、石等による線、記号又は文字

駐車 自動車が継続的に停止すること又は運転者が自動車から離れてすぐに運

転できない状態で停止すること(人の乗降や5分以内の荷下ろし等除く)

停車 駐車以外の車両等の停止

徐行 車両等が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう

進行妨害 自動車等が進行を継続又は始めた場合に、他の自動車等が危険を防止す

るため速度又は方向を急に変更しなければならないおそれがあるときに、そ

の進行を継続し又は始めることで他の自動車等の進行を妨害すること

◇道路交通法の規定による自動車の種類

①大型自動車 ②中型自動車 ③準中型自動車 ④普通自動車

⑤大型特殊自動車 ⑥大型自動二輪車 ⑦普通自動二輪車 ⑧小型特殊自動車

◇信号機の意味(主なもの)

黄色の灯火 停止位置を超えて進行しない(安全に停止できない場合を除く)

赤色の灯火 ①停止位置を超えて進行しない

②交差点ですでに左折している場合は進行できる

③交差点ですでに右折している場合は進行できるが、進行妨害をしてはな

らない

青色の灯火

の矢印

黄色の灯火又は赤色の灯火の信号に関わらず、矢印の方向に進行でき

る。ただし、二段階右折しなければならない原動機付自転車及び軽車両を

除く

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◇自動車の速度(一般道路における法定(最高)速度)

①自動車 時速60㎞

②他の自動車をロープ等で

けん引して走行する場合

車両総重量2t以下の車両をその3倍以上の

車両総重量の車両でけん引する場合

時速40㎞

上記以外の場合 時速30㎞

◇自動車の速度(高速自動車国道における法定(最高)速度と最低速度)

最高速度 最低速度

・大型乗用自動車(バス)

・中型乗用自動車(マイクロバス)

・中型貨物自動車(車両総重量8t未満かつ最大積載量5t未満)

・準中型自動車

・普通自動車

時速

100km

時速

50㎞

・大型貨物自動車

・中型貨物自動車(車両総重量8t以上または最大積載量5t以上)

時速

80㎞

◇追越し(自動車と原動機付自転車が対象、軽車両は除く)

方法 ・追い越そうとする前車の右側を通行

・前車が道路中央又は右側を通行している場合には、左側を通行

禁止場所 ・道路の曲がり角

・上り坂の頂上付近(頂上付近が禁止場所)

・勾配の急な下り坂

・トンネル、交差点、踏切、横断歩道とその手前30メートル以内の部分

◇一時停止と徐行

一時停止 ・歩道等に入る直前

・横断歩道を横断している又は横断しようとする歩行者があるとき

・横断歩道の直前で停止している車両の前方に出ようとするとき

・交差点又はその付近で緊急自動車接近時(交差点内を避ける)

徐行 ・歩行者の側方を通過するとき

・左右の見通しがきかない交差点

・道路の曲がり角付近、上り坂の頂上付近、勾配の急な下り坂

Page 25: 点呼...交替運転者の配置 長距離または夜間の運転に際し、疲労により安全運転を継続 できないおそれがある時は、あらかじめ交替運転者を配置する

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◇車両の交通方法

車両通行帯 道路の左側端から数えて1番目の車両通行帯を通行する。

ただし、当該道路の左側部分に3以上の車両通行帯が設けら

れているときは、速度に応じて、その最も右側の車両通行帯以

外の車両通行帯を通行できる

路線バス等優先通行帯 自動車(路線バス等を除く)は、路線バス等が後方から接近して

きた場合に交通の混雑のため路線バス等優先通行帯から出る

ことができなくなるときは、路線バス等優先通行帯を通行しては

ならない。

路線バス等優先通行帯を通行しているときに、後方から路線バ

ス等が接近してきたときは、すみやかに路線バス等優先通行帯

の外に出る。

軌道敷内の通行 車両(トロリーバスを除く)は、左折し、右折し、横断し、若しくは

転回するため軌道敷を横切る場合又は危険防止のためやむを

得ない場合を除き、軌道敷内を通行してはならない。

◇交差点(交通整理の行われていない交差点)→信号機なし

交差点内 交差道路を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行す

る路面電車の進行妨害をしてはならない

横断歩道のない交差点 歩行者が横断しているとき、その通行を妨げてはならない

交差点に入るとき 交差道路が優先道路あるいは幅員が明らかに広いときは徐行

する

交差点への進入禁止 交差点内で停止することになり、他の車両の通行妨害となりそう

なときは、交差点に入ってはならない

◇駐停車禁止場所

5m以内 交差点、曲がり角、横断歩道

10m以内 バス停、踏切、安全地帯

◇駐車禁止場所

1m以内 火災報知器

3m以内 施設等の出入口

5m以内 道路工事現場、防火水槽、消火栓

◇合図の時期

左折、右折、転回するとき その行為をしようとする地点から30m手前

同一の方向に進行しながら左方、右方に

進路変更するとき

その行為をしようとする3秒前

徐行、停止するとき その行為をしようとするとき

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◇過積載車両の取扱い

警察官→運転者 ①過積載が認められる場合は、書類の提示を求め、過積載の重量を

測定できる

②過積載とならないように応急の措置をとることを命ずることができる

公安委員会

→車両の使用者

過積載の防止のため必要な措置をとることを指示できる

警察署長

→荷主

荷主が運転者に対し過積載を反復して要求するおそれがあるときは、

荷主に対し、過積載要求の禁止を命ずることができる

荷主→運転者 制限重量を超える積載物を引き渡してはならない

◇積載の制限

高さ 3.8m(公安委員会が認めるものは3.8~4.1m以内)

長さ 自動車の長さ+自動車の長さの10分の1

◇運転者の遵守事項

身体障害者や監護者が付き添わない児童等が歩行しているときは、一時停止し、又は徐行

して、その歩行を妨げないようにすること

歩行者かいる安全地帯の側方を通過するときは徐行する

車両等の積載物等が転落し、又は飛散したときは、速やかにそれらの物を除去する等道路

の危険防止のため必要な措置をとる

座席ベルトを装着していない者を乗車させて運転しない

停車している幼稚園バス等の側方を通過するときは、徐行して安全を確認すること

車両等を離れるときは、その原動機を止め、完全にブレーキを掛ける等、当該車両等が停

止の状態を保つため必要な措置をとる

運転中に画像表示用装置(法令で定めるものを除く)に表示された画像を注視してはならな

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〇道路標識の名称と意味

※以上、以下…その数字を含む。

※超える、未満…その数字を含まない。

標 識 名 称 意 味

車両進入禁止 道路における車両の通行につき一定の方向

に通行が禁止される道路において、車両が禁

止される方向に向かって進入することができ

ない。(例えば 一方通行の出口)

大型貨物自動車等

通行止め

大型貨物自動車、大型特殊自動車、

特定中型自動車は通行できない。

(特定中型とは車両総重量8t以上11t未満、

最大積載量5t以上6.5t未満の車両)

車両横断禁止 道路外の施設又は場所に出入りするため車

両は横断することができない。

追越し禁止 自動車は、他の自動車と原動機付自転車を

追い越してはならない。

駐停車禁止 8時から20時までの間は駐停車禁止である。

重量制限 車両総重量が5.5tを超える車両の通行を禁

止する。

高さ制限 3.3mを超える高さ(積載した貨物の高さを含

む)の車両の通行を禁止する。

特定の種類の車両の

最高速度

大型貨物自動車は時速50キロメートル毎時

を超える速度で進行してはならない。

特定の種類の車両の

通行区分

大型貨物自動車、大型特殊自動車、特定中

型自動車は、最も左側の通行しなければなら

ない。

けん引自動車の高速自動車

国道通行区分

けん引自動車は高速自動車国道の第1通行

帯を通行できない。

時間 8時から20時までの間に本標識が表示する

交通規制が行われている。

左折可 黄色または赤色の灯火の信号に関わらず左

折することができる。

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④労働基準法

◇用語関係

労働者 職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を

支払われる者。

使用者 事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関す

る事項について、事業主のために行為をする全ての者。

平均賃金 3カ月間の賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額

労働契約の期間 一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、

3年(期間の定めのない者を除く)を超える期間について締結して

はならない。ただし、専門的知識等を有する労働者または満60歳

以上の労働者との労働契約は5年を超える期間について締結して

はならない。

解雇制限 疾病等による休業期間及びその後30日間、産前産後による休業

期間及びその後30日間は解雇してはならない。

解雇の予告 30日前に予告(30日前に予告しない場合は30日分以上の平均

賃金を支払う)

労働者の死亡、退職 7日以内に賃金を支払う。

休業手当 平均賃金の100分の60以上の手当を支払う。

但し、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合に限る。

出来高払制の保障額 労働時間に応じ一定額の賃金を保障する。

休日 毎週少なくとも1回(4週間に休日が4日以上の場合を除く)

休憩 〇労働時間が6時間を超える→45分

〇労働時間が8時間を超える→1時間

時間外、休日労働 労働日の賃金の計算額の2割5分~5割の範囲内で割増料金を

支払う。ただし、1カ月60時間を超える場合は5割以上。

有害業務の労働時間の延長は1日につき2時間を超えないこと。

有給休暇 6ケ月間継続勤務、8割以上出勤で10労働日(1週間の所定労働

日数が相当程度少ない労働者は除く)

産前産後 産後8週間未満の女性の就業は不可。

ただし、産後6週間以降で女性が請求し、医師が支障がないと認

めた業務は可能。

就業規則の作成 常時10人以上の労働者を使用する場合に作成。

就業規則作成の手続

就業規則を作成、変更するに場合にあっては労働者の過半数で

組織する労働組合、労働組合がない場合は労働者の過半数を代

表する者の意見を聴く。

記録の保存 使用者は、労働関係に関する重要な書類を3年間保存。

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◇改善基準

1日の拘束時間 ・最大拘束時間 16時間を超えないこと

・15時間超は週2回(16時間を2回まで)

・休息期間 8時間

1カ月の拘束時間 ・320時間が限度

・293時間を超えるのは1年のうち6ケ月以内(294~320が6回まで)

・1年間の拘束時間は3,516時間まで

2日連続運転時間 ・「特定日の前日+特定日」及び「特定日+特定日の翌日の平均運

転時間がともに9時間を超えてはならない

連続運転時間 ・4時間運転毎に30分の休憩(中断時間は1回連続10分以上かつ、

合計30分以上。少なくとも1回につき10分以上とし分割可)

時間外労働協定に

係る一定期間

・2週間及び1カ月以上3カ月以内

休日労働 ・2週間について1回を超えないこと

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⑤実務上の知識

◇運転者の健康管理

睡眠時無呼吸症候群 狭心症、心筋梗塞等の合併症を引き起こすおそれがある。

スクリーニング検査等を行い、早期治療を受けさせる。

アルコール依存症 回復しても再び依存症に陥るケースが多い。

飲酒に対する指導を行う。

◇交通事故等緊急時の措置

交通事故を起こした場合 ①事故の続発防止のため、安全な場所に自

動車を止め、エンジンを切る。

②負傷者がいる場合、救急車の出動要請を

し、救急車の到着まで応急処置を行う。

③警察署に事故発生の報告し、指示を受け

る。

④報告した警察官から事故現場を離れないよ

うに指示があった場合は、事故現場を離れ

てはならない。

踏切内で故障し動かなくなった場合 ①直ちに列車の運転士などに知らせ、自動車

を踏切の外に移動することに努める。

※運転士に知らせ方法

〇警報機がある踏切

踏切支障報知装置(踏切非常ボタン)を使用

〇踏切支障報知装置がない場合

非常信号用具等を使用

自動車の運転中に大地震が発生した場合 ①できるだけ安全な方法により道路の左側に

自動車を停止させる。

②自動車の停止後、カーラジオ等により地震

情報や交通情報を聞き、その情報や周囲

の状況に応じて行動する。

③自動車を置いて避難するときは、できるだ

け道路外の場所に移動する。

④やむを得ず道路上に自動車を置いて避難

するときは、

1 道路の左側に寄せて駐車

2 エンジンを止め、エンジンキーは付けたま

ま。

3 窓を閉め、ドアロックしない。

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高速道路での事故又は故障時の場合 ①急ブレーキを掛けずに緩やかに減速し、路

肩や非常駐車帯に停車。

②停車後は、発炎筒や停止表示器材で後続

車に事故車や故障車の存在を知らせる。

③非常電話を使用し、事故・故障状況を通報

する。

④運転者と同乗者は通行車両に注意しなが

ら車を降り、ガードレールの外側など安全

な場所に避難する。

◇交通事故防止

衝突被害軽減ブレーキ 走行中、常にレーダーが前方の状況を監視し、前方の障害物等

に衝突しそうになると音声などで警告が発せられ、衝突が避けら

れなくなった時点で自動的にブレーキを掛けて被害の軽減を図

るシステム。

ドライブレコーダー 交通事故などにより自動車が一定以上の衝撃を受けると、衝突

前と後の前後10秒ほどの映像を自動的に保存する装置。

デジタル式運行記録計 瞬間速度、運行距離、運行時間に加え、急発進、急ブレーキな

どの広範な運行データをデジタル化してハードディスクなどに記

録できる。

各種運行データのデジタル化により、解析作業が素早く、正確に

処理されるため、運行管理、燃費管理、労務管理等の効率化に

も有効。

ヒヤリ・ハット 運転者が運転中に他の自動車等と衝突、または接触するおそれ

があったと認識することをいう。

事故に至る事例の背景には、それよりはるかに多数のヒヤリ・ハッ

ト事例が潜んでいる。

ハインリッヒの法則 1件の重大災害が起こる背景には29件の軽傷事故と300件のヒ

ヤノ・ハットがある。

適性診断 運転者の安全意識を向上させ、ヒューマンエラーによる事故を未

然に防止するための手段。

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◇運行記録計

記録の義務 車両総重量7t以上または最大積載量4t以上の事業用自動車及び

けん引自動車、特別積合せ貨物運送用自動車

記録するもの 瞬間速度、運行距離、運行時間

保存期間 1年間

運行管理者の業務 管理及び記録の保存、装着義務車で運行記録計による記録ができ

ない場合は運行させない。

◇走行時に働く自然の力

カーブ走行時の遠心力 重量及び速度が同じ場合

・カーブの半径が2分の1 → 遠心力は2倍

・カーブの半径が2倍 → 遠心力は2分の1

自動車に働く慣性力、遠心力、衝撃力 速度の二乗に比例

追越し 前車との速度差が小さいほど、追越しに長い時

間と距離が必要になる。

◇自動車に生じる諸現象

ウエットスキッド現象 雨の降り始めの、タイヤと路面の間に滑りによる自動車のスリ

ップなど。

ハイドロプレーニング現象 道路の水たまり等の上を高速走行したときに、タイヤが水の上

を滑走すること。

ペーパーロック現象 ブレーキ系統の過熱によりブレーキ液に気泡が生じブレーキ

の効きが悪くなること。

フェード現象 ブレーキ系統の過熱により摩擦力が減り、ブレーキの効きが

悪くなること。

スタンディングウェーブ現

高速走行時、タイヤの空気圧不足にため、タイヤ接地部の後

方に波打ち現象が生じ、タイヤの剥離やコード切れが生じる

現象。

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◇視野等

運転席の高さ、視野 大型車の場合は車間距離に余裕があるように感じる。

乗用車の場合は大型車の場合と反対に余裕がないように感じ

る。

四輪車から見た二輪車 二輪車は、実際の速度より遅く感じたり、距離が実際より遠く感じ

たりする。

蒸発現象 夜間に走行中、自車と対向車のライトで道路中央付近の歩行者

が見えにくくなる現象。

内輪差 ホイールベースの長い大型車ほど内輪差が大きいため、左折時

には歩行者や自転車等との事故に注意する。

◇計算の方法

速度 距離÷時間

例えば 距離60㎞を2時間で走行すると60÷2=時速30㎞

時間 距離÷速度

例えば 距離60㎞を時速30㎞で走行すると60÷30=2時間

距離 速度×時間

例えば 時速50㎞で3時間走行すると50×3=距離150㎞

時間→分 時間×60分

例えば 2時間を分にすると2×60=120分

分→時間 分÷60分

例えば 180分を時間にすると180÷60=3時間

時速→秒速 時速×1000÷3600

例えば 時速100㎞を秒速にすると100×1000÷3600=27,7秒

停止距離 空走距離+制動距離

燃料消費率 走行距離÷燃料消費量

例えば 300㎞走行し15リットル燃料消費したら

300÷15=20 つまり1リットル消費で20㎞走行