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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材 海事産業における 設備保全メンテナンス

海事産業における 設備保全メンテナンス - Belzona海事産業における設備保全メンテナンス キャビテーションからの保護 耐キャビテーション保護コーティング-高温作業や高額な新品交換を不要に

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

海事産業における設備保全メンテナンス

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海事産業における設備保全メンテナンス

1950 1960 1970 1980

会社創立、ジンクリッチ防食塗料の製造販売

初期の常温硬化性メタルポリマーを開発

海洋産業へのサービス提供を開始

BELZONA TIMELINE

耐食性スチール合金を初導入

初のラダー軸受け設置案件が完了

セラミックメタルを開発

現場のニーズに応える確かなソリューション船舶は、日常的に厳しい環境に直面しています。多くの金属部材が悪天候、海水、異種金属接触などの悪条件に晒されていることからも、常日頃からこれらの諸問題に取り組み、母材を劣化損傷から守ることは重要な課題です。また各種舶用機器ではキャビテーション、摩耗、衝撃腐食などを原因に既存コーティングが破損してしまい、その結果露出した母材の腐食が進行します。

船舶および海洋構造物を対象とした既設物のメンテナンスおよび新設物の保護の両分野において長年の実績を持つベルゾナは、効果的な補修と長期的な保護を両立させたソリューションをご提供いたします。弊社のユニークなソリューションは、各々が顧客からのニーズを基に考案されたものであり、次のようなメリットがあります。

• 設備支出の削減• メンテナンス費の低減• 安全性と効率の改善• 復旧時間の短縮• 補修手順の簡素化• 設備機器の延命化

ベルゾナの多岐にわたる保護コーティングおよび補修用複合材は、海事産業が直面する各種の問題を解決することを目的に製造されています。ベルゾナは製品品質に確固たる自信を持つと共に、高い施工品質を維持するための技術トレーニングと現地サポートを提供しています。

沿革1952年の創業以来、ポリマーテクノロジー分野におけるパイオニアとして革新的な発展を続け、従来のメンテナンス方法に革命をもたらしてきました。ポリマーベースのメンテナンス素材と保護コーティングにおける世界的リーダーとして、ベルゾナは今なお増え続ける工業界のニーズに応えるべく新たなソリューションの研究開発を継続的に行っています。

エロージョン、コロージョン、キャビテーションに対して高耐久な保護コーティング

接着、成型、肉盛に適し、常温で施工可能なメンテナンス素材

軟質な母材の補修に適した、エラストマー

機器据付に最適な無収縮性の樹脂ライナー

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

1980

グローバルな事業展開と細やかな現地サポート弊社の各国事業所に加え、世界120カ国以上で展開している140を超える海外販売代理店とのグローバルなサービスネットワークを通じて、製品の供給のみに留まらず、施工仕様の策定から、現地での施工管理や現場監督業務を含む包括的なサービスをご提供可能です。サービス拠点となるヨーロッパ、北アメリカ、アジアの各事業所が諸地域の販売代理店のサポートにあたっています。

経験豊富なベルゾナの技術コンサルタントが、問題箇所の診断から材料選定、具体的な工法提案、現地での施工サポートまで一連して貴社をお手伝いいたします。

Belzona Polymerics LtdHarrogate, UKt: +44 1423 567641f: +44 1423 505967

Belzona Asia PacificChonburi, Thailandt: +66 38 491031f: +66 38 491102

Belzona CanadaOntario, Canadat: +1 (905) 737-1515f: +1 (905) 737-1597

Belzona IncMiami, Fl, USAt: +1 (305) 594-4994f: +1 (305) 599-1140

各国事業所

特定地域の現地代理店をお探し求めの際は、下記URLから検索いただけます。www.belzona.com/find

1990 2000 2010

スプレー対応の耐摩耗性ライニング剤の開発

初の耐キャビテーション保護コーティングの開発

機械据付の樹脂ライナー新素材を開発

流体効率の向上効果を持つコーティングの開発

ゴム補修剤の開発

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海事産業における設備保全メンテナンス

キャビテーションからの保護耐キャビテーション保護コーティング-高温作業や高額な新品交換を不要に

ASTM(米国試験材料協会)規格に基づくキャビテーション抵抗の評価試験において、ベルゾナの耐キャビテーション保護コーティングの壊食量(体積減少量)は非常に少量であることが証明されています。

海洋環境において特にキャビテーションが発生しやすい箇所となるのが、舵面、ポンプベーン、推進装置周辺などです。一度キャビテーションによって損傷した箇所は、エロージョン・コロージョンの影響も相まってより深刻な劣化を招きやすく、対策が取られないまま放置されると最終的には機器が使い物にならない状態まで悪化してしまいます。

キャビテーションによって損傷した機器や部材の取り替え施工には、毎年多額の費用が費やされ続けています。高額な上に時間を要する取り換え前提の対応は、そもそも問題の根本的な解決には至らず、必然的に再発を繰り返すことになります。また溶接作業を伴う補修法の場合も、やはり根本的な問題解決に至らないばかりか、溶接熱影響部(HAZ:HeatAffectedZone)に応力腐食割れの問題を引き起こす原因となります。

キャビテーションによる壊食部に対しては、高温作業が不要なベルゾナ素材を用いることで容易に修復可能です。加えて再発防止のための対策として、セラミック含有のエポキシ樹脂コーティングと、弾力性のあるポリウレタン樹脂コーティングを重ねた複合工法を施すことで、極めて優れた耐食および耐キャビテーション効果を付与することが可能となります。弊社のセラミックコーティングは、流体効率を向上させることが証明されており、更に腐食を防ぐと同時にエロージョンの進行を軽減させる効果を併せ持ちます。ポリウレタン樹脂コーティングはキャビテーションによる衝撃エネルギーを吸収し、消散させる特性に優れており、壊食の発生防止を目的に特定箇所に採用されます。

耐キャビテーション保護コーティングを施したスーパーヨットのウォータージェット海水吸入口

スクリュープロペラ周辺のキャビテーション

スクリュープロペラ周辺のキャビテーション

ウォータージェット推進装置のキャビテーション 施工完了後のチューブ内部

肉盛補修後、保護コーティングが施された

肉盛補修後、保護コーティングが施された

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

下地処理 孔食部を肉盛後に下塗り 施工完了

損傷を受けたコルトノズル 表面を肉盛再生 施工完了

舵面キャビテーションによって損傷した舵面は、孔食をはじめとする各種の腐食問題を招き、時には舵が故障するまで劣化を進行させてしまいます。減肉した孔食部をベルゾナの補修剤で充填し、耐キャビテーション保護コーティングを重ねることで補修後の再発を防ぎます。またこの保護コーティングは新造船にも有効で、キャビテーションによる被害を低減させると同時に長期的な保護を実現します。

推進装置船舶の種類や大きさ、構造の違いなどによって差異は見られるものの、多くの場合において船舶の推進装置は何らかの形でキャビテーション問題を抱えています。コルトノズル、バウスラスター、ウォータージェット、スクリュープロペラなどを含むこれらの装置では、母材金属の肉盛と表面再生に適したベルゾナを用いて欠損部の再形成を行った後、耐エロージョン・コロージョンおよび耐キャビテーション保護コーティングを全面に施すことで、将来的な被害から装置を保護します。

エンジンブロック船舶用エンジンでは、シリンダー内部のブロックやライナーなどが度々キャビテーションによる深刻な損傷を受けます。耐熱性の補修剤とライニングにより損傷箇所の再生と保護を行うことで、エンジンの延命化が可能です。

エンジンブロック 補修後損傷を受けたシリンダーライナー

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海事産業における設備保全メンテナンス

軸受けブッシュの固定設置-下方軸受けブッシュの固定設置-上方

施工後のアンカー収納部アンカー収納部の接着

動画:注入式接着工法

出渠後のアンカー収納部

低温接着と機械据付常温にて施工可能で無収縮のベルゾナは接着剤としても機械据付の材料としても最適です。

接着剤としてのベルゾナの使用は、もともと1950年代後半に機器への識別プレートの貼り付け接着を目的に用いられていました。その後これらの材料では、高圧、高温に耐えるための性能向上の研究開発が進み、接着性と圧縮強度においても大きく向上することとなりました。従来であれば溶接作業を行っていた場面でも、高分子素材を用いたコールドボンディング(低温接着)工法は火気や高温作業を伴うことなく機器の補修や設置を可能にします。

ベルゾナのコールドボンディング工法は、溶接と同様あるいはそれ以上の強度を持つ補修を可能するだけでなく、接着面積が広域となることで荷重が分散される点で構造上の利点となります。同工法では塗布と硬化の両方が常温にて行われることから安全性の向上に繋がるだけでなく復旧時間の短縮にも繋がります。

ラダー軸受けの設置ラダー軸受け設置時に重要になるのが、ハウジングへの軸受けブッシュの固定維持を効果的に行う方法です。腐食や衝撃摩耗などが原因で軸受けブッシュとハウジングの間に環状間隙が生じると、これが原因でラダーの不具合を招き、高額かつ時間のかかる補修を強いられることになります。ベルゾナとドイツロイド船級協会が共同となり、1977年に初めてベルゾナがラダー軸受けの設置に使用されました。同プロジェクトでは、スチール製のハウジングとピントルブッシュ間、およびラダーピントル(舵針)とライナー間に起こるガルバニック腐食(異種金属接触腐食)問題への対策としてベルゾナが採用されることとなりました。今日、造船業界においてベルゾナ素材は、軸受けブッシュやピントルハウジング内ライナーの初期設置および再設置に広く使用されています。同材料は最小0.1mmから最大25mmまで厚み調整が可能で、高い接着性と圧縮強度を有することから、長期的な対策として非常に有効です。

プレートを用いた注入工法による構造物の復元設備や構造物などの腐食に対しては、ベルゾナの注入式プレート接着工法を用いて補修を行うことで、構造健全性の再生が可能となります。同技術は、船体やデッキの改修を行うのに効率的な工法として多用されており、またエンジンケーシングのひび割れなど機械装置の補修にも用いられています。弊社のデッキ補強工法は、たわみ、衝撃、曲げ強度、引張接着強度、せん断接着強度など一連の強度試験を実施しており、高耐久な工法であることが裏付けられています。

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

部材の固定設置コールドボンディング工法を用いることで高温作業は不要となり、効率的な設置作業が可能になります。引張せん断接着強度20.4MPa、プルオフ接着強度22.3MPa、曲げ強度98.6MPaを誇り、支持具や取付け金具などを安全かつ恒久的に接着します。ベルゾナによるコールドボンディングは、甲板備え付けの機器やその他設備の再設置にも適しており、出渠後でも施工可能なことから入渠期間の短縮にも繋がります。

船上設備の据付とレベル調整従来、造船においては、鉄製や鋼製のライナーが標準的に使用されてきました。これら金属製ライナーは剛性が高いことから、据付時に少しでも誤差があると偏心荷重を生じてしまう問題がありました。

旧来の金属製ライナーに代わる素材として開発されたのが流し込み工法で施工を行う樹脂ライナーです。ベルゾナの樹脂ライナーは、もともと船舶エンジンや他の設備の据付を行う用途を目的に開発されており、耐衝撃性と圧縮強度が高く耐荷重性に優れます。また無溶剤であるため硬化時の収縮は一切無く、正確な軸心調整を可能にします。

セルフレベリング(自己水平)性を備える同材料は施工が容易で、据付施工の時間短縮に繋がります。また正確な調心と確実な固定が求められる船舶の推進装置やその他の重機の据付に腐食の心配が無い高耐久な工法を提供します。

動画:チョッキング新素材

キールの設置 シム材を充填中 充填作業完了

ハッチカバーの設置 設置完了 接着部

設置後のステースルトラックステースルトラックの固定設置

流し込み工法による機械据付 据付完了後

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海事産業における設備保全メンテナンス

流体による腐食からの内面保護

熱交換器の補修と保護管板とチューブの接触部では、電解質の溶液にさらされることでガルバニック腐食(異種金属接触腐食)が発生します。ベルゾナを用いた熱交換器の補修と保護はその優位性から1970年代から使用され続けており、30年以上に渡る実績があります。ベルゾナを採用することで過度な部品交換は不要となり、ひいてはメンテナンス費の削減に寄与するだけでなく、その優れた接着性、耐摩耗性、耐薬品性が機器を長期的に保護します。また新造の熱交換器に対しては、予め設計にベルゾナの保護コーティングを組み込むことでガルバニック腐食の発生を未然に防ぐことが可能となります。

ポンプ流体効率向上ポンプの劣化は、流体効率の低下を招くだけでなく、最終的には高額な部品交換を要する結末に繋がります。孔食部や、摩耗したウェアリングの隙間、ケーシングの減肉部などは、エロージョン・コロージョン対策を念頭に開発された耐摩耗性の材料で、肉盛再生を行います。肉盛後はポンプ内面を滑らかな疎水性ライニングで覆うことで流体効率を回復させます。この際しばしば新品の状態よりも流体効率が向上するとともに、エロージョン・コロージョンによる再度の劣化からポンプを保護します。ベルゾナの保護ライニングが施されたポンプは以降何年もの間メンテナンスがほぼ不要となり、時には数十年後に至っても施されたライニングを残したまま運用維持されているケースもある程優れた耐用性が期待できます。

ポンプ補修において30年以上の経験があるベルゾナのライニングは、その有効性から新規ポンプの保護ライニングとしても広く指定を受けており、メンテナンスを容易にするとともにポンプの寿命を大幅に延長する点で非常に合理的です。エロージョン・コロージョンやキャビテーションなどからポンプ内面を保護する高性能なライニングとして各方面で高い評価を得ています。

船上にて全改修が行われた熱交換器

補修と保護が完了した仕切り部分

損傷を受けたポンプケーシング

仕切り部分の深刻なピッティング

動画:ポンプの補修と保護

エロージョン・コロージョン対策の保護ライニング

肉盛再生後、コーティングが施されたケーシング

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

ライニング後のスタンチューブライニング前のスタンチューブ

ウェットスペース(水まわり)スターンチューブ、通風トランク、エレベーターピット、汚水処理装置タンク、船底などの海水に浸漬する、あるいは頻繁に接触する箇所は、常にエロージョン・コロージョンの脅威に晒されています。このような条件下において十分に保護されていない母材金属では、驚異的な速度で腐食が進行する恐れがあります。施工およびメンテナンスによる運転への影響を最小限に抑えつつも、効果的な長期的保護を付与することが可能となれば、船舶の効率的な運航に大きく貢献できます。

ベルゾナの各種ライニングは、常時浸漬条件下でも機能するよう考案されており、エロージョン・コロージョンから浸漬部を保護します。またガルバニック腐食や海水汚染などにより激しいピッティングを受けるストレーナーに対しても同様に、ベルゾナのライニング工法を用いた補修と保護が可能です。

特に腐食性の強い化学薬品に対する保護が求められる箇所に対しては、耐薬品性に特化したベルゾナの耐薬ライニングが最適となります。

配管配管やダクトなどもまた、ベルゾナのコーティングによって風化や外面腐食などの被害から保護可能です。特に湿潤面や油面に対して最低限の下地処理を行うだけで十分な接着が得られるよう特殊開発されたバリヤーコーティングが効果的となります。

レジャーボートなどの船内エンジン部で度々見られる現象として、排気管の腐食問題が挙げられます。高温の排気ガスと海水の影響から腐食が促進され、金属部の減肉は驚異的な速度で進行します。まず配管の減肉部は耐熱性の肉盛材を用いて肉盛再生し、元の形状を復元します。その後、全面に耐熱性ライニングを施すことで、補修部を保護するだけでなく、排気管全体を腐食から長期的に守り再発を防止します。

ベルゾナはスプレー施工が可能な配管ライニング材の開発にも力を入れており、同材料は砂などの固形物を含む海水によって生じるエロージョン・コロージョンから配管内面を保護するのに適しています。硬質セラミックフィラーを添加することで耐摩耗性が発揮される従来タイプの材料と比較すると、熱可塑性フィラーを特殊配合したこの新素材ではスプレー装置が受ける摩耗によるダメージが劇的に減少します。同ライニング材は手塗りまたはスプレー装置にてその場で塗布可能、膜厚は最大2000µmまで垂れることなく、円周溶接部や継ぎ手部分を一度の塗布で効率的にカバーできます。含有される熱可塑性フィラーは、衝撃やすべり摩耗に対して強いだけでなく、優れた強靭性や耐薬品性を発揮する素材として開発されています。

ライニング後のカーゴタンクライニング後のエレベーターピット

スピンスプレー装置によって内面ライニングが施された排気管

肉盛後にコーティングが施された排気管激しい減肉が見られる排気管

動画:スピンスプレー装置による配管ライニング

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海事産業における設備保全メンテナンス

シール部およびゴム製品の補修フレキシブルな補修剤-手早く施工、常温で硬化

フェンダー(防舷材)、ブイ、マリンホースなどのゴム製の海洋資材は、洋上での使用中に損傷または劣化する場面が多々見られます。元々は小さな裂傷や亀裂であっても劣化が進行すると最終的には交換廃棄を余儀なくされてしまいます。加硫処理による補修は可能なものの、高コストかつ時間がかかる補修法です。ベルゾナのエラストマーはポリウレタン樹脂を原料とするフレキシブルな材料で、、補修費と復旧時間を抑えつつ資材を使用可能な状態に戻すことが出来ます。

1985年に初開発されたベルゾナのエラストマーは、部品交換が高額となる場合や代替品では耐久性が不十分な場合において、ゴム製の資材や部品の肉盛再生、シール、接着などに広く使用されています。

フェンダー(防舷材)係留時の緩衝材として用いられるフェンダーは、度々その役割から衝撃や摩耗を受けて損傷してしまいます。その結果パンクなどのトラブルが頻発しますが、加硫処理のような従来の補修法は高額かつ時間が掛かる上に、対応が困難なケースもあり必ずしも効果的な補修が可能とは限りません。このような問題に対し、ベルゾナのエラストマーは確実な補修が可能です。裂傷や亀裂に対してはペースト状エラストマーによって、また表層の劣化に対しては液状エラストマーを用いて容易に補修可能です。

ベルゾナで補修後、再び使用可能な状態に

補修中のフェンダー裂傷を受けたフェンダー

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

ゴム製ベローズベローズに裂け目や穴などが見つかった場合、機器本体の故障を防ぐためにも早急に対応する必要があります。しかし、代替品を発注してから実際に交換するまでには時間が掛かる上に高額となります。ゴムや金属に強力に接着するベルゾナのエラストマーは、旧来の方法に取って替わり素早く確実な補修を可能にします。緊急補修に適した急速硬化タイプのエラストマーならば現場での応急補修を可能にし、補修部は塗布後1時間以内に硬化を完了するため復旧時間の短縮に繋がります。

ハッチカバーのガスケットメンテナンス不備によりハッチカバーに水漏れが起こった場合、船内への浸水によって貨物が濡れてしまうだけでなく、船内設備に腐食を招くなどの二次被害を誘発しかねません。ゴム製パッキン部分が裂けたり擦り切れるなどの物理的な損傷を受けると水漏れの原因となるため早急な補修が必要となります。優れた耐久性と柔軟性を有するベルゾナのエラストマーにより、損傷したガスケットの再生補修を行いハッチカバーの防水性の維持再生を行うことは、特に交換品の入手が困難な場合などにおいて大変有効となります。

マリンホースマリンホースやその浮力体などは、海上使用時の劣化が原因で、ゴム面、ホース内面、フランジ継手などの各部が破損する可能性があり、この場合、高額な補修費または交換費を要します。初期の段階で対策すべき問題を放置してしまうことでホースの浮力低下を招くだけでなく、最終的には石油や原油の流出による重大な海洋汚染事故に繋がり賠償問題へと発展しかねません。

耐久性に優れるベルゾナのエラストマーは、損傷したマリンホースや浮力体を迅速に補修可能です。この画期的なゴム補修剤はあらゆる種類のホースに強力に接着し、補修部は復旧後も優れた耐摩耗性、耐衝撃性を発揮します。多種にわたるベルゾナの多目的エラストマーを活用することで、局所的あるいは広範囲いずれの補修にも対応でき、また垂直面であっても垂れることなく施工可能です。

また、腐食したフランジ継手やホース内面に対しても、ベルゾナのライニング工法およびフランジ成型工法による効果的な補修と保護が可能です。

部分補修ベローズの破れ

補修完了エキスパンションガスケットの割れ

動画:マリンホース修復

深刻な破損マリンホースの浮力体

補修後の浮力体

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海事産業における設備保全メンテナンス

洋上での補修船舶機器のシンプルで手早い補修を可能にするマリン用緊急補修キット

人材および資材が限られる洋上で、航行に欠かすことのできない設備に緊急の補修やメンテナンスが求められる状況への備えとして、配管、エンジン、シャフト、油圧シリンダーなどの補修時に必要となるアイテムを一括したマリン用緊急補修キットを提供しています。

同キットには急速硬化型および遅延硬化型のポリマー補修剤が含まれており、あらゆる気候や施工環境に対応可能です。キット付属のヘラやアプリケーターを用いて容易に施工可能で、専用工具などは不要です。

ベルゾナのマリン用緊急補修キットは、海上での突発的なメンテナンスのニーズに対し、シンプルかつ効果的で安全性の高い補修ソリューションを提供します。※現在のところ、マリン用緊急補修キットの日本国内での販売はございません。

フランジ面成型隙間腐食や電食により損傷を受けたフランジは、離型剤を塗布した成形治具を用いた修復、保護が可能です。修復後のフランジは元の形状を保つと共に、将来的な腐食を防ぎます。この補修方法は、設備を解体せずにその場で行うことができ、溶接の必要もありません。

洋上で補修された軸受けブッシュ損傷を受けた軸受けブッシュ

肉盛再生後のフランジ腐食したフランジ

動画:フランジ成型

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

配管およびタンク漏れ部のシーリングマリン用緊急補修キットには、現場での漏れ止め補修に必要となる各種の材料が含まれています。漏れのある配管は、急速硬化型のペースト材で仮止水した後、ベルゾナのラップ工法による恒久的な補修が可能です。

シャフトとキー溝の緊急補修グランドパッキンやブッシュからの負荷に加え、砂などの異物による摩耗や海水への露出などが相まって深刻なエロージョン・コロージョンがシャフトを劣化させてしまいます。損傷したシャフトや緩んだキー溝は、常温硬化型の補修材により、機械加工を行わずともその場で原寸サイズの肉盛成型が可能です。

エンジンブロックのひび割れ補修船舶エンジンはしばしばケーシングのひび割れによる破損に悩まされることになります。マリン用緊急修復キットなら、熱変形を起こす溶接を行わずとも、エンジンのひび割れを迅速に補修可能です。ベルゾナは低速および中速ディーゼルエンジンのメーカーから広く認知されており、効果的な補修方法として認定を受けています。

損傷を受けたキー溝 成型補修 現場補修で復旧

下処理として割れ止め処理と補強を施す 補修後のケーシング

漏れのある配管 問題箇所 漏れ止め補修

エンジンケーシングのひび割れ

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海事産業における設備保全メンテナンス

グローバルな施工規格事前資格審査全てのベルゾナ製品には第三者機関または社内ラボでの厳格な試験が課せられており、各種の試験結果は製品仕様書および耐薬品性表に記載されています。全ての試験はISO9001に準拠する弊社の研究施設または第三者試験機関にて行われます。

ベルゾナ製品は、ロイド船級協会、ビューロー・ベリタス、アメリカ船級協会、ドイツロイド船級協会、日本海事協会、ロシア船級協会、中国船級協会、韓国船級協会を含む各国の主要な船級協会に加え、アメリカ海軍や英国国防省からも承認を受けています。

施工仕様の策定対象機器の設計および運転条件に基づき、最適となる材料と工法、そして施工仕様が選定されます。現地における経験豊富な海事の専門スタッフが、弊社技術部からの適切なサポートを受けながら入念な選定作業を行います。

グローバルなサービスネットワークを構成する各国ベルゾナ販売代理店が自由にアクセス可能な包括的データベースが構築されており、仕様や施工品質をより一層向上させる目的で施工実績の情報共有を行っています。

施工品質対象表面の下地処理を含めて、施工時の作業品質が施工の成否を大きく左右します。このため弊社ではグローバル基準の施工品質を設定して監督するよう努めています。

正規のトレーニングを受けて経験を積んだ作業員が施工を行うことで、確かな品質管理を実現します。ベルゾナでは、理論と技術を両立させた実践的な講習プログラムに加え、必要に応じて現地トレーニングも実施しています。特に海事関連の重要案件に対しては施工仕様書、施工要領書、品質管理手順、作業報告書などの提出を義務付けることで、施工品質の維持向上に努めています。

品質検査NACE認定塗装検査員などをはじめとする有効な資格を有した作業員により、施工を通して一定基準以上の作業品質が維持されているか、また最終的にクライアントの要求を満たしているか継続的な検査が行われます。

予定の耐用年数の期限が近づいた折には施工箇所の再検査が行われ、適切な対策の提示が行われます。しばしばベルゾナによる施工は予定の耐用年数より長寿命化する傾向にあり、もっぱら部分的な補修を除けば特に対策が必要無いケースが多々見られます。

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ベルゾナの保護コーティングおよびメンテナンス素材

コーティングとライニング流体下のエロージョン・コロージョン対策

ベルゾナの海事産業における設備保全

耐キャビテーション保護コーティングキャビテーションによるダメージを低減

樹脂ライナー機械据付とレベル調整

コールドボンディングとシム入れ高温作業を不要に

エラストマー軟質母材に適した補修剤

緊急補修用洋上での補修案件に

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www.belzona.jp

ISO 9001:2008Q 09335ISO 14001:2004EMS 509612

ベルゾナ製品は、国際基準規格ISO9000に準拠した品質管理基準で製造されています。 UK • USA • Canada • Thailand

Copyright © Belzona International Limited 2015 ZCORPMAR(JP)02/15