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父母の会 だより No.85 C O N T E N T S 大学におけるクラブ活動・・・・・・・・・・・・・・1 医学教育分野別評価を受審して・・・・・・・・・・・2 ディープラーニングを目指したICT活用・・・・・・・・2 4年生用(ポリクリ学生)自習室の新設・ ・・・・・・・3 本学とミラノ・ビコッカ大学間の MOU締結10周年記念シンポジウムについて・ ・・・・3 学園生活アルバム・・・・・・・・・・・・・・・・・4 学生の心と体の健康を支える、笑顔であふれる 明るい学生食堂を目指して・・・・・・・・・・・・・6 SD報告会(専門職連携) ・・・・・・・・・・・・・6 学事日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 卒後臨床研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 先輩訪問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 〒470-1192・豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98 藤田保健衛生大学医学部父母の会 生涯教育研修センター 2号館から1号館を臨む・ 2017年2月 鴨下淳一撮影 大学におけるクラブ活動 父母の会 副会長 渡邊 真 学生時代の前半は、クラブ活動が大きな比重 を占めていたと感じます。準硬式野球部の一員 として参加した、夏の炎天下での合宿や西医体 での遠征、また満塁のチャンスで空振り三振し たことなどを思い出します。他大学の学生であ った外科教授宇山先生と対戦したこともありま す。現在のダヴィンチの操作にも通ずるような、 針の穴を通すようなコントロールであったと記 憶しています。また、練習や試合だけでなく、 大会の運営や協賛集めなどの活動を通してお金 の伴う社会のしくみを初めて学んだ機会でもあ ります。 習得すべき医学知識が年々増加する中、医学 部のカリキュラムも対応に迫られています。そ の影響から、試験が続く中で、練習量が確保で きないなどの話もあります。そんな中、当大学 の西医体での成績が振るわないとの声を耳にす ることがありました。トーナメントでは、多く の試合を経験するには勝ち続ける必要がありま す。団体競技なのか個人競技なのか、高校まで に経験したか否かの差はありますが、皆アマチ ュアであることには変わりありません。練習方 法、練習量で結果は大きく変わってくるものと 思います。限られた範囲で、効率良く練習する には、適切なコーチングを受ける必要があるの かもしれません。 クラブ活動は、勝ち負け以外にも貴重な人間 関係を醸成する場でもあります。同級生、OB の存在は頼もしく、卒業前の勉強また卒業後の 医師人生の中で、多くの助言を頂きました。振 り返ってみて初めてわかる大切なことも多く、 学生の皆さんもクラブ活動に励んでくれること を期待しています。 藤田保健衛生大学 医学部 平成29年3月6日発行

父母の会 - Fujita Health University · 2018-12-06 · 父母の会 副会長 渡邊 真 学生時代の前半は、クラブ活動が大きな比重 を占めていたと感じます。準硬式野球部の一員

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Page 1: 父母の会 - Fujita Health University · 2018-12-06 · 父母の会 副会長 渡邊 真 学生時代の前半は、クラブ活動が大きな比重 を占めていたと感じます。準硬式野球部の一員

父母の会だよりNo.85

C O N T E N T S

大学におけるクラブ活動・・・・・・・・・・・・・・1医学教育分野別評価を受審して・・・・・・・・・・・2ディープラーニングを目指したICT活用・・・・・・・・24年生用(ポリクリ学生)自習室の新設・・・・・・・・3本学とミラノ・ビコッカ大学間のMOU締結10周年記念シンポジウムについて・ ・・・・3学園生活アルバム・・・・・・・・・・・・・・・・・4学生の心と体の健康を支える、笑顔であふれる明るい学生食堂を目指して・・・・・・・・・・・・・6SD報告会(専門職連携)・ ・・・・・・・・・・・・・6学事日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6卒後臨床研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7先輩訪問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

〒470-1192・豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98 藤田保健衛生大学医学部父母の会

生涯教育研修センター2号館から1号館を臨む・ 2017年2月 鴨下淳一撮影

大学におけるクラブ活動

父母の会副会長渡邊 真

 学生時代の前半は、クラブ活動が大きな比重を占めていたと感じます。準硬式野球部の一員として参加した、夏の炎天下での合宿や西医体での遠征、また満塁のチャンスで空振り三振したことなどを思い出します。他大学の学生であった外科教授宇山先生と対戦したこともあります。現在のダヴィンチの操作にも通ずるような、針の穴を通すようなコントロールであったと記憶しています。また、練習や試合だけでなく、大会の運営や協賛集めなどの活動を通してお金の伴う社会のしくみを初めて学んだ機会でもあります。 習得すべき医学知識が年々増加する中、医学部のカリキュラムも対応に迫られています。その影響から、試験が続く中で、練習量が確保できないなどの話もあります。そんな中、当大学の西医体での成績が振るわないとの声を耳にす

ることがありました。トーナメントでは、多くの試合を経験するには勝ち続ける必要があります。団体競技なのか個人競技なのか、高校までに経験したか否かの差はありますが、皆アマチュアであることには変わりありません。練習方法、練習量で結果は大きく変わってくるものと思います。限られた範囲で、効率良く練習するには、適切なコーチングを受ける必要があるのかもしれません。 クラブ活動は、勝ち負け以外にも貴重な人間関係を醸成する場でもあります。同級生、OBの存在は頼もしく、卒業前の勉強また卒業後の医師人生の中で、多くの助言を頂きました。振り返ってみて初めてわかる大切なことも多く、学生の皆さんもクラブ活動に励んでくれることを期待しています。

藤田保健衛生大学 医学部平成29年3月6日発行

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 本学医学部は、2016年12月5日から5日間にわたって、日本医学教育評価機構(JACME:世界医学教育連盟

(WFME)の日本支部に相当)による、医学教育分野別評価を受審しました。これは本学の医学教育が世界水準に適合しているかを審査するものです。背景として、20世紀後半より米国をはじめ世界各国で、医師が国境を越えて働くケースが増えてきたため、医学教育の質を国際的な見地から保証する必要が生じました。 その対策として、米国では2023年以降はWFMEが認可した医学部の卒業生以外は医師としての活動を認めないという方針を打ち出しました(2023年問題)。これに呼応して、厚労省は我が国の医学教育を向上・充実させるべく、日本の80医学部全てにこの外部評価を受審させる施策を開始しました。これまで2年間で12ほどの医学部が受審しています。本学の教育改革の状況からJACMEより受審準備ができていると判断され、2015年12月頃に、1年後の受審が言い渡されました。 チェック項目は「使命と教育成果」「教育プログラム」「学生評価」「学生」「教員」「教育資源」「プログラム評価」「統轄及び管理運営」「継続的改良」の9領域191項目と多岐に渡ります。これらの水準を満たすべく、短期間でカリキュラム委員会の立ち上げ、プログラムの検証を行うIR推進センターの立ち上げ、教員評価規則改正など、多くの改革を成し遂げました。それに並行して全232ページの報告書と、数千ページに及ぶ証拠資料集をまとめ上げ、8月末に提出するなど教員、事務方が一丸となって準備を整え、審査を迎えました。審査にはJACMEから6名の委員(医学教育関係者)と2名の事務員が訪れ、会議形式の質疑応答だけでなく、教育関連設備の実地調査や、学生、研修医、若手教員に対する聞き取り調査が実施されました。審査直後の全体講評の要旨を以下に抜粋します。

【全体講評の要旨】 藤田保健衛生大学は、1964年創設以来、建学の理念「独創一理」に基づき、独創的な学究精神を持った謙虚で誠実な医師を育成するとの明確な使命をもって、さらに2025年を見据えた藤田ビジョンを策定して医師の育成を行われてこられました。2014年には卒業コンピテンス・卒業コンピテンシーを策定され、2015年の小改訂を経て、学修成果基盤型教育を導入されました。 医療系総合大学としての特色を活かしたアセンブリ教育は、チーム医療の基盤づくりとして高く評価いたします。藤田式PBL、屋根瓦式臨床実習など、工夫された教育は学修成果を高める方法として評価いたします。教職員は情熱をもって学生指導にあたっておられ、シミュレーション教育施設、IT設備、少人数グループ学修用SGL室等、教育の施設・設備が充実していることも評価いたします。豊富な病床数を有する教育病院、地域医療施設を活用して臨床教育を行っていることも評価いたします。 その一方で、統合型教育が十分ではないこと、全学生の研究マインドを涵養する教育が十分ではないこと、学生の評価も知識レベルが主であることなど、今後改善すべき事項があげられます。診療参加型臨床実習の一層の充実ものぞまれるところです。さらに、最近設立されましたIR推進センターが実質的に活動し、プログラム評価体制を確立して教育改革につなげるべきです。

 講評の後の懇談会の中で、審査委員長より「‘高く評価する’とされた項目は大学あたり一つあればいい方であるのに、5項目もあるのは素晴らしい。」という賞賛のコメントがありました。本学のこれまでの教育に対する取り組みが評価されたものと考えております。その一方で、改革すべき項目も多々指摘されました。今後医学部全体での対応を行ってまいりますので引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

ディープラーニングを目指したICT活用医学情報教育推進室・室長 鈴木 茂孝 近頃「教育の2020年問題」という話題をよく見聞きされていると思いますが、これからの社会に必要な人材育成のため、小学校から大学に至るまで、教育の質の転換が求められていることを指します。従来の知識、技能の伝達(丸暗記)中心の学修ではない、知識の活用力、創造力を育む

「深い学び」ディープラーニングが求められています。また、その手法として、アクティブラーニングの導入を本学は推進しています。 学修へのICT(Information and Communication Technology)

活用を推進するために、本学では「ICT教育委員会」、「医学情報教育推進室」を設置しております。しかし、ICT活用自体が目的ではなく、この「深い学び」の支援こそを目的としています。 知識の定着、思考力・判断力・表現力の育成を目指した

「深い学び」という挑戦には、素手で立ち向かうより、ICTという近代兵器(道具)を用いた方が勝算が高くなるという考えです。そうした武器を活用して、学生本人の多様性、目的に合った学修方法を提供し、「知りたい!」「や

医学教育分野別評価を受審して教務委員長 長崎 弘

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 今年度より、医学部4年生のポリクリ(臨床実習)が10月17日より開始となり、5年生と同時期に各診療科をローテートします。そこで、従来からある医学部5年用ポリクリ学生自習室とは別に、医学部1号館1Fに自習室を設け

ました。 第一教育病院A棟の各フロアと3病棟等には、医学生専用の電子カルテ端末(実際の診療で使用)が設置されていますが、自習室にも必要と判断し、設置しました。また、それ以外の通常のパソコンも複数台設置しま

した。 学生は、空き時間を使って患者さんのカルテを閲覧しながら、実臨床に沿った学習ができます。24時間利用可能で、ポリクリが始まる少し前に登校して、夜間に起こった変化などを把握してからその日のポリクリに臨むといったように活用されています。 また、学習だけでなく、学生同士の談笑の場としても有効に利用されています。学生の声をきくと, 傘立て、シュレッダー等の備品やインターネットに無線接続できるWiFi設置等のリクエストがあり、学務課、用度課の職員と共に検討しています。

 本学とイタリアのミラノビコッカ大学(UNIMIB)との学術交流は、武藤脳神経内科学教授とMasserini生化学教授間での共同研究に端を発し、研究者の相互交流の後、2006年にMOUを締結し、10周年を迎えた。この間、本学へ34名、本学から19名の医学生の交流が行われてきた。これを記念し、11月12日、「UNIMIB・FHU MOU 10th Anniversary Medical Symposium」をANAクラウンプラザグランコート名古屋で開催した。テーマは、老年医学とした。我が国が高齢社会であることは周知の事実であるが、実はイタリアも、ドイツと並んで、世界のトップ3に入る高齢化率を示すことに関連する。来賓として、大村愛知県知事、メンゴーニイタリア大使館科学技術部長、神野文部科学省高等教育局長代理の3氏から祝辞をいただいた。小野理事長の開会の挨拶の後、Parenti教授が、両学の交流の歴史や交流実績、岩田医学部長は、本学の理念、医学教育や今後の国際化に向けたビジョンについて説明された。続いて、リハビリテーション医学における運動支援ロボット(才藤教授)、分子画像診断(Prof. Gilardi)、老齢者における譫妄

(Prof. Bellelli)、認知症患者への地域ケア(武地教授)、神

経疾患における糖脂質(武藤教授)、アルツハイマー病治療におけるナノメディシン(Prof. Masserini)について講演された。星長学長は、閉会の辞で「次回はミラノ・ビコッカ大学でのシンポ開催を」と提案して、シンポジウムを終えた。計95名の参加があり、このシンポをきっかけに共同研究のスタートが見込まれた例もあるとのことだ。これを機に、本学とミラノ・ビコッカ大学との交流がますます盛んになることが期待される。

4年生用(ポリクリ学生)自習室の新設教務副委員長 大槻 眞嗣

りたい!」という自発的な意欲を引き出す環境を提供したいと考えています。 本学のICT活用の主な例をあげますと、1)eラーニングシステム、2)ピア評価システム、3)PBL用の検査応答システム、4)授業資料配信システム、5)授業ビデオ収録配信システム、6)バーチャル顕微鏡システム、7)学生ポータルwebサイト、8)IT学習室(授業で活用)、9)情報検索室(自己学修)などがあります。この様にICTという道具は揃いつつあります。こうした道具を存分に活用し、学生の「深い学び」を支援して参ります。今後も、皆様のご支援とご協力を賜ります様お願い申し上げます。

資料配信システム資料配信システムは紙資料で配布していた資料をデジタル化してタブレット端末(iPad)に配信します。鮮明な画像、マルチメディア情報(心音、超音波動画等)を閲覧できます。

本学とミラノ・ビコッカ大学間のMOU締結10周年記念シンポジウムについて国際交流推進センター・センター長 谷口 孝喜

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学園生活アルバム

 今年度の学園祭は、FUJITA FESTIVAL 2016 ~百花祭放 がんばるんばやるんば~をテーマに行われました。学園祭期間中は天候にも恵まれ、本学の学生をはじめ、病院関係の方々、地域の方々など多くの人々に足を運んでいただき、良き学園祭になったと思います。 今年度の学園祭では、それまでの学園祭で行われてきた企画に加え、新たな企画を導入しました。医療系大学ならではの生命倫理をテーマにした映画の上映会です。私自身も上映会に参加しましたが、学生に加え、子どもからご高齢の方まで一般の方々にも参加していただけました。また、特設ステージでのバンド演奏では、それぞれのバンドが日頃の練習の成果を発揮し、会場を盛り上げ、学術・文化展示発表では、様々な展示・作品を見に多くの人々が足を運んでいました。 自分が学園祭の実行委員長をすることになった時は、「自分に実行委員長が務まるだろうか」と不安になりましたが、学園祭を成功させなければという思いと実行委員や教職員

の方々のご協力により学園祭を無事終えることができました。その中で数々の失敗をしましたが、実行委員長を務めたことによって得られた経験もありました。この経験を今後の生活に活かしていければと思います。 (学園祭実行委員長 3年生 可知弘成)

 今回の藤田保健衛生大学の学園祭ではMay J.さんに来て頂き、コンサートを行いました。今年は例年と比べて出演者の決定が順調に進まず一時はどうなることかと思いましたが、いろいろな人が支えてくださり、当日は素晴らしいコンサートを開催することができました。 私は今まで学園祭には関わったことがなかったので、この学園祭の一大イベントが本当に私に務まるのかとても不安でしたが、無事この企画を成功させることができ本当に良かったなと思いました。 コンサート当日は私が想像していたよりも忙しく、あたふたしてしまうことも多かったです。そのような中で、受付・案内や搬入搬出、ケータリングや会場警備などを早朝から夜遅くまで手伝ってくださった学生スタッフの皆さ

ん、全面的に支えてくださった学生部の柘植さん、岡田さんにこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。 (3年生 福田結以)

 ミスコンは、医学部、医療科学部、看護専門学校からそれぞれ一名ずつ参加してもらいました。当日の流れとしては、第一部(12:00 ~ 12:30)に参加者の自己紹介、第二部(12:40 ~ 13:00)に観客に行っていただいた投票の集計結果の発表という形式で開催しました。また、投票結果に関しては、医学部の参加者がミス藤田に選ばれました。しかし、学園祭当日までに出場者集め、医学部1,2年生からのスタッフの確保、投票用紙の準備、当日のスケジュールの計画など苦労したところも多々ありました。ヘアメイクのアトリエはるかさん、下級生のスタッフ、自分の同級生、昨年のチーフ、学生部の方々などのご協力もあったことから、このイベントを無事に遂行することができました。この場をお借りして、お礼を申し上げます。 今回は、事務的なことや当日のスケジュールを決めるこ

とや出場者や司会者との打ち合わせをすることといった、企画にあたっての一連の流れを経験しました。これからも、今回の経験を活かして頑張っていきたいと思います。 最後に、来年度以降も今年度の反省を踏まえながら、ミスコンを盛り上げてもらえたらと思います。 (3年生 寺川雄貴)

学園祭を振り返って

ミュージックフェスティバル

ミス藤田学園コンテスト

学 園 祭

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 Heart SaverはBLS(一次救命処置)の普及を目的として設立された本学のサークルです。設立3年ながら部員は80名を超え、その半数が医学部学生です。本学学生、豊明市民、小学生を対象としたBLS講習会に参加する他、マラソン大会救護班に参加したり、他大学の救命サークルと連携して高度な救急救命を学んだりするなど、活動の幅を大きく広げています。 本年度8月・9月には本学大学病院職員を対象としたBLS研修にインストラクターとして参加しました。教員をディレクターとし、職員3名に対し部員1名が担当する密度の濃い講習形式です。事務職員、メディカルケア・アシスタント、臨床工学技士など、2日間4回で89名の方が参加されました。普段接点のない病院職員の方々とお話しできたことが印象に残っています。 私達がBLSを伝える際に大事にしているのは、何よりも楽しく、わかりやすくということで、これは多くの方々にBLSを伝え広めていきたいという思いからです。参加には

不安もありましたが、研修後のアンケートでは「親切でアドバイスも分かりやすかった」「楽しく学べた」等のお言葉を頂き、思いがけず大変好評だったことに安堵しています。これを糧に、一つでも多くの命を守ることができるよう、さらに多くの方々にBLSを伝えていきたいと思います。 (3年生 柳崎 基)

 第2回白衣式で総代をつとめさせて頂いた第42回生の吉田淳平です。まず初めに、諸先生方、ならびに御父母の皆様の御協力のもと、白衣式を無事に終えることができましたことを、この場を借りて御礼申し上げます。白衣式は昨年度より始まり、今年で2回目の運びとなりました。昨年度の白衣式では、私は上階より諸先輩方の雄姿を拝見させていただき、白衣にそでを通す先輩方に目を輝かせておりました。今年度の白衣式では、私たち自身が医学部長の岩田仲生先生より、白衣を着る責任についてご指導いただきました。そのお言葉の中で、岩田先生は私たちに二つの課題を提起されました。一つ目は、天地神明に誓って社会の信託を裏切らないようにすることです。本学の病院理念である「我ら弱き人々へ無限の同情心もて、片時も自己に驕ることなく医を行わん」を実践していきたいと思っております。二つ目は不屈の闘志を持てということです。不屈の闘志を持って、病に苦しむ人々に医療を提供していくとともに、科学者として様々な研究に取り組んでいきたいと思います。私は未来の医師として以下のことを宣誓させていただきました。

① 人々への貢献に自らの人生を捧げること② 医療を受ける患者様の人格を尊重し、心を通わせ、常に

謙虚な気持ちで思いやりを持って暖かい医療を提供できるように尽くすこと

③ 共に学ぶ仲間を常に敬愛し協力して医療を実践すること この内容は、医学生としては当たり前のことなのかもしれません。しかしながら、それを言葉に出すことによって、その重圧に押しつぶされるような気持ちがしました。この言葉を胸に、藤田保健衛生大学の臨床医学生として恥じない臨床実習ができるように、精一杯努力していきたいと思っております。至らぬ点も多いかと存じますが、これからもご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 (4年生 吉田淳平)

 10月16日に第二回白衣式にて白衣を頂きました。去年、先輩方の白衣式に参加させて頂いたときはまだ先のことのように感じておりましたが、4年生になってから怒涛のような試験を受け、あっという間にここまできてしまって正直びっくりしています。それとともにとてもほっとしております。試験には苦しめられましたが、助け合いながら、苦しみを分かち合いながら、みんなで白衣式を迎えられたこと、とても誇らしく、嬉しい気持ちでいっぱいです。制度も変わり、Student Doctorとして医療に「参加」させて頂けるということなので、医学的な面はもちろん、それ以上のことも含めて、少しでも多くのことを吸収し、机にかじりついて覚えたことを本当の理解に変え、患者さんの治

療の過程に関わっていけたらと思います。 これからではありますが…私たちを厳しくも導いてくださる先生方、いつも変わらず見守り支援してくれる家族、励まし助言を下さる先輩、たくさんのお菓子と笑顔と癒しをくれた後輩、共に苦しみ、学び、笑う友人たちに、心より感謝申し上げます。 (4年生 中山真魚)

Heart Saver:大学病院BLS研修に参加して

白衣式の総代をつとめて

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 栄養面はもちろん、心豊かな学生生活を送る上でも、良好な食環境の整備が重要です。 平成29年4月はじめよりリニューアルする学生食堂のコンセプトは「Natural & Clean」です。学生の心と体の健康を支える「ココカラセット」、ボリューム重視の「フルチャージセット」など定食のバリエーションを追加するとともに、カロリーを抑えたヘルシー定食もラインアップするなど、選べる楽しさを重視しています。厨房の器材の刷新により、スピーディーに、適温でおいしい料理を提供したり、セルフ形式の小鉢やスープのブースも設けられます。また、カフェコーナーが新たに設置され、昼食時間外にも軽食が提供され、授業後に利用が可能です。清潔・明るい・お洒落な空間にリノベーションし、WiFiを備えた自習・休憩スペースが整備されます。 1月12日には三学(医学部・医療科学部・看護専門学校)

合同の試食会が開催されました(写真)。ご父母の皆様も、ご来学の際は是非、新しい学生食堂にお立ち寄りください。

(PSA:Professors and Students Association)

 今回のSD報告会は、二部構成で開催されました。まず第一部では、僕たちが今年の夏休みに行ったアセンブリⅣトライアルでの活動内容や、このトライアルで学んだことを発表しました。また、僕自身もトライアルで訪問介護の見学や介助をさせてもらいました。介護保険等の保険から疾患のいろいろな病態まで様々な勉強ができ、非常に良い機会であったと考えています。次に、第二部では昭和大学の木内先生がチーム医療に関する講演をしてくださいました。この講演では、4学部合同の体験実習やPBLチュートリアルなどといった、活発なチーム医療教育が行われているという話がありました。具体的には、1年次に医学部、保健医療学部、薬学部、歯学部の4学部で病院見学をした

り、心肺蘇生を学んだりするといったことがありました。さらに、山梨の富士吉田キャンパスの寮で上記の4学部がPBLを行っているということも先生がおっしゃっていました。藤田でもよりチーム医療に貢献できるようなプログラムを可能であれば取り入れてほしいと考えています。

(SD:Staff Development)

医学部PSA委員会 委員長 八谷  寛

3年生 寺川 雄貴

学生の心と体の健康を支える、笑顔であふれる明るい学生食堂を目指して

SD報告会(専門職連携)

学 事 日 程4月1日(土) ガイダンス (2~4年) 8月14日(月) 夏季休業開始 ~8月18日(金) (5年)3日(月) 講義開始 (2~4年・6年) 21日(月) 臨床実習開始 (5年)5日(水) ガイダンス ~8日(土) (1年) 23日(水) 共用試験医学系CBT (4年)9日(日) 入学式 9月1日(金) 試験開始 (1~3年)10日(月) 講義開始 (1年) 2日(土) 共用試験医学系OSCE (4年)14日(金) 新入生学外オリエンテーション~ 15日(土) (1年) 6日(水) 第1回卒業試験 ~8日(金) (6年)

休講 ~ 15日(土) (2・ 3年) 13日(水) 講義開始 (6年)5月15日(月) ガイダンス (6年) 19日(火) 試験開始 (4年)6月1日(木) 解剖体慰霊法要 (3年) 10月2日(月) 講義開始 (1~3年)24日(土) 父母の会総会・懇親会(ウエスティングナゴヤキャッスル 17:00~) 進級判定 (4年)

7月27日(木) 夏季休業開始 ~9月5日(火) (6年) 5日(木) 第49回藤田学園医学会 ~6日(金)24日(月) 試験開始 (4年) 7日(土) 臨床実習準備講義 ~ 14日(土) (4年)31日(月) 夏季休業開始 ~8月22日(火) (4年) 15日(日) 白衣式 (4年)

8月1日(火) 夏季休業開始 ~8月31日(金) (1~3年) 19日(木) 第1回総合試験 (5年)

発表者が筆者

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 熊本労災病院での研修医生活が始まってから、8 ヶ月が過ぎました。皆様も御存知の通り、4月14日夜~ 16日にかけて熊本地震が発生しました。当病院は、災害拠点病院として、救護活動の中心的役割を担う病院として位置づけられるため、まるで 「戦場」 のような毎日でした。 停電、道路の寸断、断水などをもたらした未曾有の災害に際し、現場にいた事は本当に得難い経験となり、今後どのような緊急時であっても真摯に患者と向き合う姿勢が培われたのではないかと思います。通常とは異なるスタートを切った私ではありますが、それでも人に遅れを取ることなく研修医として携わっていける知識と技術を先生方に御指導いただいたことには大変感謝しております。在学生の皆様も先生を信じ頑張っていかれると、どんな環境に置かれても活躍できる医師へと成長できると思います。 最後になりましたが、熊本人の一人として、全国の皆様からの温かい御支援に心から感謝致します。まだまだ復興

とは言い難いですが、365歩のマーチさながら、一歩ずつ未来へ歩んでいたけらと思っています。

 名古屋医療センターでの研修医生活が始まってから、8か月が過ぎました。全く新しい環境で右も左もわからない状況で始まった臨床研修ですが、ようやく慣れてきたようにも思います。同時に、自分の未熟さを感じる毎日でもあります。研修医となってから、日々の診療で実際の患者さんを診察することがいかに勉強になるか、そしていかに難しいかを痛感するようになりました。目の前の患者さんが今どういった状態にいるのか、どんな検査が必要なのか、急いで処置するべきかどうか、どういう判断で今後どうしていくか。考えることは山ほどあって、問題集のように一対一の答えなんて無いと日々学んでいます。最初こそ1人の患者さん相手に何をすればいいのかわからなかった私ですが、指導医の先生方や先輩研修医の先生方がとても熱心に指導してくださるおかげで、少しずつは成長できていると感じられるようになりました。また、日常業務以外に名古屋医療センターでは勉強会も数多く行われており、ER症例の振り返りから専門医の先生による診察の仕方を教えていただいたり、実際の道具を使って手技をさせてもらえ

たりと勉強になる環境が整っています。 研修先に悩む方はたくさんいらっしゃると思いますが、大学病院にも市中病院にもそれぞれの良い点があります。積極的に病院見学をし、自分にあった病院を見つけていくとよいと思います。そして希望病院での研修生活に向けて、国家試験への勉強を頑張ってください。

 研修医として藤田保健衛生大学病院で働き始めて半年が経ちました。ついこの間まで学生だった自分が医療の現場で働いているということにいまだ驚いています。藤田保健衛生大学病院の研修プログラムでとても良かったと思うのは、初めの1週間で手技や院内のルールなどを学べる準備期間があったことです。採血やルートキープなど医療を行う上で必須の手技を学べ、手技は未熟であるけれど、手順を理解し臨床の場では自信を持って医療を行うことができたと思います。 また、救急外来での外傷患者に対するアプローチの仕方など、明日から使える知識なども学ぶことができました。各科のローテーションに関しては先生方も親切で優しくアカデミックな医療を学ぶことができます。科によっては学会や勉強会にも同行でき、近年の動向なども学べます。研修プログラムがしっかりしていることは藤田保健衛生大学病院で研修する大きなメリットです。とても魅力のある研

修病院だと思います。新卒の先生方、来年の春一緒に働けることを楽しみにしています。この場を借りて各科で指導いただいている上級医の先生方、研修医2年・同期の先生方に御礼申し上げます。

藤田保健衛生大学病院 研修医1年 杉田 晃

卒後臨床研修名古屋医療センター 研修医1年 横井 麻衣

熊本労災病院 研修医1年 関 昭秀

前列向かって右から2人目が筆者

後列向かって左側が筆者

中央が筆者

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先輩訪問

―・・・現在に至る経緯を教えてください。

 平成12年に藤田保健衛生大学を卒業し、大学病院にて2年間の研修後、救急部・GICUで8年間診療に携わりました。その間、外科・内科をはじめ、多くの先生方に御教授頂きました。そのことを胸に刻み、実家である高浜市の医院を継ぐ決心をし、平成23年4月より外科・内科で開業医として地域医療に専念しております。

―・・・学生時代はどのように過ごされましたか。

 野球部に所属し、部活に明け暮れ、勉強がおろそかになった時期もありました。ただ、野球部で得た経験や人脈は、私の人生で今でもかけがえのない宝物です。大学病院に在籍中は、ほとんど睡眠がとれない時期もありましたが、野球部で培った体力で乗り越えてきましたし、診療で困ったときはありがたいことにこの人脈に助けてもらうこともしばしばありました。 苦しい経験や辛い経験、うまくいかない事は、過ぎ去ってみれば必ず得られるものがあるはずです。私自身、長く在籍した大学で幅広い人間関係を築くことができ、今では良い経験であったと思っております。

―・・・開業医の魅力や苦労を教えてください。

 開業すると診断のみならず、全てのことを自分の責任で解決しなければならなくなります。中には、早急に診断し、二次病院に搬送の判断を迫られることもあります。 また、地域の皆様が私を信じて受診してくださるので、その信頼を裏切らないよう、自分自身の健康管理には気を付けています。それに加えて、診察する上では、丁寧で正確な診療が行えるよう、患者様の訴えをしっかりと聞くように心がけています。

―・・・診療科を選ぶポイントを教えてください。

 医師という職業は、世間が思うほど良いことばかりではありません。汚い・危険・時間の拘束が長いなど、不満の

要素は多くあります。もちろん医師になるまでも、大変な勉強量ですが学生時代を乗り越え、医師になってからも日々進歩する医学を学んでいかなければなりません。そして、患者様との会話で必要な世の中の流れにも敏感である必要があります。ですから、どんな環境下でも頑張れるよう自分自身が興味を持てる診療科であることが診療科を選ぶ第一条件だと考えます。また、自分が尊敬する先生がいらっしゃる診療科で学ばれるのも良いでしょう。憧れや目標が具体的に目の前に存在していると意欲も出るでしょうし、励みになると思います。

―・・・これからの地域医療についてどのように考えていますか。教えて下さい。

 医療についても、介護についても全く知識も経験もない家庭で、突然、家族を介護しなくてはならない時代になってきました。往診や訪問看護では、患者様だけでなく、そのご家族に対して、介護方法の指導や精神的フォローも必要だと考えます。実際、介護が必要なご主人を自宅に放っておけないから、自分の受診がなかなか難しいとおっしゃるご年配の女性もいらっしゃいます。結局、看病する方が倒れてから、病院にかかることになりかねません。かかりつけ医として、そのような方の健康管理もどのようにしていくべきか、これからの課題だと考えます。

―・・・最後に後輩へのメッセージをひと言お願いします。

 机の上の勉強とは違い、病気を診るだけではなく、まずは患者様自身の人間にふれ、痛み・悩みを理解しようとする医師になって欲しいと思います。患者様に寄り添う気持ちを持って診療することは、病気を見つけるだけでなく、健康を維持することにつながるものと考えます。 医療はチームプレーです。独りよがりの診療は結局患者様の不利益になります。これは自分自身にとっても一生の課題ではありますが、医師なら誰でもいいのではなく、患者様のみならず、医療者、医療従事者からも、「あの先生に」と個人を求められる医師を目指して頑張って欲しいと思います。

チームプレーを大切に本学卒業生(23回生)の岩月外科内科クリニック 院長 岩月昇治 先生の下で臨床実習を行った4年生の後藤泰裕君がお話をうかがいました。

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