14
Jack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください) 具体例で知る

具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

  • Upload
    others

  • View
    3

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

Jack Knife法富谷 昭夫

akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp

(_AT_をアットマークにしてください)

具体例で知る

Page 2: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

Jack knife(ジャックナイフ)法とは?

•実験をしたとする。•そこから意味のある結果を引き出したい。それには、誤差の評価が必要。

•誤差の伝播則を考慮しながら計算するのは大変。

•楽な方法は?• Jack Knife(JK)法!(ただし計算数は増える)

Page 3: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0720.15 0.1430.20 0.240

ボールを落として落下距離・時間から重力加速度を求めたい。4回実験したとする。

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0740.15 0.1480.20 0.247

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1490.20 0.246

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1470.20 0.242

(a) (b)

(c) (d)

(ここでは、実験の代わりに乱数を加えながら値を生成した。)

Page 4: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

JK法3ステップ

•JKデータづくり•計算• JKエラー付け

Page 5: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

bin-(a) : (a)のデータを除いた平均1ジャックナイフデータづくり

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0740.15 0.1480.20 0.247

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1490.20 0.246

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1470.20 0.242

(b) (c) (d)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02460.10 0.07460.15 0.1480.20 0.245

bin-(a)

3つのデータで平均

(同様にb, c, d も作成する。)(1つのデータを抜くので、1bin jack-knifeと言ったりする。)

Page 6: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0720.15 0.1430.20 0.240

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1490.20 0.246

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1470.20 0.242

(a) (c) (d)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02470.10 0.07400.15 0.1460.20 0.243

bin-(b)

1ジャックナイフデータづくり

Page 7: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0720.15 0.1430.20 0.240

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0740.15 0.1480.20 0.247

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1470.20 0.242

(a) (b) (d)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02430.10 0.07370.15 0.1460.20 0.243

bin-(c)

1ジャックナイフデータづくり

Page 8: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0720.15 0.1430.20 0.240

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0240.10 0.0740.15 0.1480.20 0.247

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.0250.10 0.0750.15 0.1490.20 0.246

(a) (b) (c)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02430.10 0.07370.15 0.1470.20 0.244

bin-(d)

1ジャックナイフデータづくり

Page 9: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02460.10 0.07460.15 0.1480.20 0.245

bin-(a)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02470.10 0.07400.15 0.1460.20 0.243

bin-(b)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02430.10 0.07370.15 0.1460.20 0.243

bin-(c)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02430.10 0.07370.15 0.1470.20 0.244

bin-(d)

1ジャックナイフデータづくり

出来た4つのbinごとに重力加速度を計算する。

binに切ったことにより、各binは、ゆらぎが抑えられている。

Page 10: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

2.計算

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02460.10 0.07460.15 0.1480.20 0.245

bin-(a)

y =1

2gt2

各binごとに重力加速度を計算する

ここでは最小二乗法などで求めたとする。

今の場合、↑なので、加速度は以下で求められる。

0+0.0246+0.0746+0.148+0.245

0+0.025+0.01+0.0225+0.04

0.49220.0975

) g(a) = 10.1 (m/s2)

g(a) =2P

i yiPi t

2i

2

2

Page 11: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

g(b) =

g(c) =

g(d) =

0+0.0247+0.0740+0.146+0.243

0+0.025+0.01+0.0225+0.04

0.48770.0975

2 2

0+0.0243+0.0737+0.146+0.243

0+0.025+0.01+0.0225+0.04

0.4870.0975

2 2

0+0.0243+0.0747+0.147+0.244

0+0.025+0.01+0.0225+0.04

0.490.0975

2 2

時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02470.10 0.07400.15 0.1460.20 0.243

bin-(b)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02430.10 0.07370.15 0.1460.20 0.243

bin-(c)時刻(s) 距離(m)0 00.05 0.02430.10 0.07370.15 0.1470.20 0.244

bin-(d)

10.0

9.99

10.1

2.計算

Page 12: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

bin-(b)bin-(c)bin-(d)

10.0

9.99

10.1

bin-(a) 10.1

10.0475

102.0

100.0

99.8

102.0

100.95

100.95 100.95225625 0.00225625

0.006768750.082

g g2

平均

(bin数-1)倍

ルートをとる

(誤差)

3.JKエラー付

g=10.05 ± 0.082(m/s2)よってこの実験での重力加速度は、

と求まる。

ここがJK法の特徴:割るんじゃなくてかける

gの平均値の2乗gの2乗の平均値

Page 13: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

g=10.05 ± 0.082(m/s2)

考察(余談)

g=9.806 65 m/s2(定義値)

つまり、誤差の2倍の範囲で無矛盾である。(2シグマ・コンシステントといったりする)

既知の値との比較を行ってみる。

重要な点

最初のデータからbinを作った時に、各binごとでは、平均されているためにゆらぎが減った。それを最終段階で(bin数-1)をかけ、増幅した。

Page 14: 具体例で知る Jack Knife法 - 京都大学akio/filebox/jack-knife.pdfJack Knife法 富谷 昭夫 akio_AT_het.phys.sci.osaka-u.ac.jp (_AT_をアットマークにしてください)

JK法3ステップ(まとめ)

• JKデータづくり(ワンセット抜いて平均。これを実験した回数だけ繰り返す=bin作成)

• 物理量をbinごとに計算• JKエラー付け:平均値は、全てのbinの平均で良い。• 誤差は、二乗平均-(平均)2に(bin数-1)をかけ、ルートを取る