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第14回 日経STOCKリーグレポート 最優秀賞 (PDF)manabow.com/sl/result/14/pdf/300154.pdf5 <Case1 JR 北海道の管理体制の不備> (出所)日本経済新聞2013

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投資銘柄一覧

要旨

証券番号 取引所 業種 企業名 購入株数 最終購入金額(円)

2229 東証一部 食料品 カルビー株式会社 40 217,2264901 東証一部 化学 富士フイルムホールディングス株式会社 182 265,0814912 東証一部 化学 ライオン株式会社 37 269,5065334 東証一部 ガラス・土石製品 日本特殊陶業株式会社 67 220,5625486 東証一部 鉄鋼 日立金属株式会社 192 277,5635947 東証一部 金属製品 リンナイ株式会社 236 308,0006367 東証一部 機械 ダイキン工業株式会社 116 232,0906383 東証一部 機械 株式会社ダイフク 178 245,4526444 東証一部 機械 サンデン株式会社 202 218,8496473 東証一部 機械 株式会社ジェイテクト 117 222,9816448 東証一部 電気機器 ブラザー工業株式会社 93 298,3356752 東証一部 電気機器 パナソニック株式会社 61 226,4166952 東証一部 電気機器 カシオ計算機株式会社 34 229,4427203 東証一部 輸送用機器 トヨタ自動車株式会社 83 217,1357205 東証一部 輸送用機器 日野自動車株式会社 514 298,5087267 東証一部 輸送用機器 本田技研工業株式会社 143 295,7627313 東証一部 輸送用機器 テイ・エス テック株式会社 199 221,5967966 東証一部 その他製品 リンテック株式会社 192 227,4028001 東証一部 卸売業 伊藤忠商事株式会社 448 230,4128036 東証一部 卸売業 株式会社日立ハイテクテクノロジーズ 95 277,627

4,999,942

58

5,000,000

精算金額合計

残金

合計

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目次

1 テーマ決定 ....................................................................................................................... 4

1-1 理念の重要性 ........................................................................................................... 4

1-2 社会背景 ................................................................................................................... 4

1-3 ビジョン&投資意義 ................................................................................................ 8

1-4 理想の企業 ............................................................................................................. 10

2 ポートフォリオ決定までの全体像 .................................................................................. 11

2-1 理念の流れイメージ ............................................................................................... 11

2-2 STAGE ごとの点数内訳 ....................................................................................... 11

3 ユニバースの抽出 ............................................................................................................ 13

3-1 1st STAGE【行動指針の有無・内容 】 ............................................................ 13

3-2 2nd STAGE【「社員と共有(Internal Stakeholder)」】 ................................ 13

3-3 3rd STAGE【サプライチェーンとの共有】 ...................................................... 14

4 ポートフォリオの決定 ................................................................................................... 18

4-1 Final STAGE【「市民と共有(External Stakeholder)」】 .............................. 18

4-2 Final STAGE【財務評価】.................................................................................. 22

4-3 ユニバース総合順位 .............................................................................................. 26

4-4 ポートフォリオ企業紹介 ....................................................................................... 28

5 組入比率および購入金額の決定 .................................................................................... 39

6 アンケート調査&企業ヒアリング ................................................................................. 41

6-1 レンゴー株式会社 .................................................................................................. 41

6-2 株式会社日立ハイテクノロジーズ ........................................................................ 42

6-3 本田技研工業株式会社 ........................................................................................... 43

6-4 ライオン株式会社 .................................................................................................. 44

6-5 リンナイ株式会社 .................................................................................................. 45

6-6 ブラザー工業株式会社 ........................................................................................... 46

6-7 前田建設工業株式会社 ........................................................................................... 47

6-8 西松建設株式会社 .................................................................................................. 48

6-9 日本精工株式会社 .................................................................................................. 48

6-10 日立金属株式会社 ............................................................................................... 49

6-11 富士フイルムホールディングス株式会社 ........................................................... 50

7 ポートフォリオ運用結果 ............................................................................................... 51

8 最後に ............................................................................................................................. 52

8-1 「非意識」から「意識」へ、そして「無意識」へ ................................................. 52

8-2 エンゲージメントの重要性 ................................................................................... 52

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8-3 証券業界ならびに投資家の皆様へ ........................................................................ 52

8-4 学ぶこと・実践すること・生かすこと ................................................................. 53

参考文献、参考 web、資料一覧 ......................................................................................... 55

1 テーマ決定

1-1 理念の重要性

世界中で愛されるアニメーションキャラクター「ミッキーマウス」の生みの親であるウ

ォルト・ディズニー氏が『夢見ることができれば、それを実現することができる』と語っ

たように、良い社会を構築するためには目標を掲げることが重要である。

企業経営は、社会の要請に応えたいという経営者の強い思いから始まるものである。し

かし、経営者一人ではその思いを、製品・サービスとして形にすることは難しい。資本を

整備し、社員を雇い、関係する企業と協力するなど多くのステークホルダーとその思いを

共有しなければならない。そこで、その思いを共有するために必要となるのが、明文化し

た理念である。

私たちは、理念を経営理念、経営哲学、社是、社訓などと同義と捉え、自社のなすべき

こと、存在意義を表明する言葉と定義する。グローバル市場における競争の激化と価値観

が多様性する現代社会において、経営理念が果たす役割は大きい。それは、企業の存在意

義を physicalや financialの側面だけではなく、社会との関係性の視点から意味づけてくれ

るからである。

しかし、理念は実践されなければ意味がない。次項では、高邁な理念を掲げていてもス

テークホルダーを欺くこととなった事例を取り上げ、理念を浸透させる重要性を述べる。

1-2 社会背景

IBMの創業者 T・ワトソンは、「経営理念は、技術、経済能力、組織構造、イノベーショ

ン、タイミングといったことより、組織としての成功にずっと深いかかわりを持っている。」

と述べている。企業が永続するには、自社を取り巻く様々なステークホルダーと理念を共

有する経営を行う必要がある。近年、さまざまな企業による不祥事が世間を騒がせている。

相次いで勃発する不祥事の要因の一つには、自社の社会的役割・任務をしっかりと把握出

来ていないがために、消費者の信頼に背いた行動をとってしまうことがある。

企業は社会の要請に応えたいという創業者の思いから産み出されたものであるにもかか

わらず、どうしてこのような不祥事が起こるのだろうか。企業が掲げた理念と日々の業務

の乖離が産み出す不祥事。企業は何のために存在するのかを私たちはもう一度問い直した

い。

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<Case1 JR 北海道の管理体制の不備>

(出所)日本経済新聞 2013年 10月 5日記事をもとに筆者作成

この Case1 では、企業理念が現場で共有できていなかったことが伺える。なぜなら、同

社は社是において、「私たちは、『お客様を大切にします』『安全輸送に徹します』『知恵と

活力を結集します』」と掲げているが、今回のケースにおける現場の行動はこの理念に反す

るものであったためである。組織全体で、自社の理念を実践する意識が欠落していたとい

わざるを得ない。同社は役職員全員が理念を教育し共有する仕組みを設け、日々の担当業

務で実践するよう意識改革を行わねばならない。安全で安定した輸送を徹底するという理

念を、現場までしっかり共有することで同社の存在意義は示せる。

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<Case2 ホテルや百貨店における偽装表示>

(出所)日経MJ 2013年 11月 15日 1ページをもとに筆者作成

Case2 は、業界全体に蔓延する食品偽装の実態が明らかとなったケースを取り上げる。

当たり前のように表示を偽って料理を提供していた企業側と、当たり前のように表示を信

じていた消費者側。二者の間には大きな乖離が生じていた。つまり、企業の常識が社会の

非常識となっていたのである。

例えば、2013 年 10 月に食品の虚偽表示問題が発覚した阪急阪神ホテルズの掲げるスロ

ーガンは「満足、そして感動(Delight)へ」というものである。ホテルのレストランとは、

レストランの中でもとりわけ消費者に、高い料金を払ってもいいと思わせるような「ブラ

ンド」を持ち、そこに大きな価値があるはずだ。しかし、食材表記を偽装し料理を提供し

ていた同社に、その価値があるはずがない。もう一度自社の存在意義を見直し、調理現場

をはじめ、現場の隅々まで理念を意識して業務を遂行しなければならない。

このまま偽装表記が絶えないならば、失われる企業価値はその罪の代償以上に大きなも

のになるはずだ。

一方、自社理念をしっかりと継承させ、持続的な企業経営を行う企業もある。以下にそ

の例を取り上げる。

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<Case3 トヨタ自動車のケース>

(出所)日本経済新聞夕刊記事 2013年 11月 25日 をもとに筆者作成

Case3 は、創業理念を組織がしっかりと継承し、持続可能な経営を行う事例である。ト

ヨタ自動車の実質的な生みの親である豊田喜一郎が国産車開発を目指した背景には、「何か

人びとに役立つ発明がしたい」という創業者豊田佐吉の創業理念があった。

喜一郎の思いは創業家一族である豊田英二や豊田章一郎に継承された。さらに、創業家

以外から経営トップとなった張富士夫も「遺志を受け継ぎ、よりよい会社づくりに貢献し

ていく」と述べている。「自動織機」を開発した佐吉、「国産自動車」を開発した喜一郎に

共通するのは、「人々に役立つ発明がしたい」という理念である。時代によって消費者へ提

供する製品は違えども、同じ理念を掲げ、企業のアイデンティティを確立していく体制が、

同社には存在する。

企業は年々多様化する社会のニーズに応え続け新たな価値を創出していく必要がある。

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持続可能な経営の大前提となるのは、誠実な経営を行うことである。これは当たり前のこ

とであるが、誠実な経営を全うするためには、理念が形骸化しないよう、常に共有するこ

とが不可欠だ。

1-3 ビジョン&投資意義

理念はステークホルダーと共有しなければ意味がない。そうすることで、企業とステー

クホルダーによる双方向のコミュニケーションが確立され、企業は独善的な経営に陥るこ

とを回避することができる。

企業はステークホルダーに対して、理念を伝え、信頼を得るために努力することであり、

その信頼を獲得できたとき、理念が浸透したといえるのだ。ただ、ステークホルダーと一

口に言っても、多様で利害関係が異なるため、ここからはステークホルダーへの理念の浸

透を、事業をともに遂行する【①社員(internal stakeholder)と共有】、社外でありつつも特

定の事業をともに遂行する【②サプライチェーンと共有】、投資家・消費者・地域社会とい

った【③市民(external stakeholder)と共有】の 3つのカテゴリーに分けることとする。

≪① 社員(Internal Stakeholder)と共有≫

理念を共有することで、社員のモチベーションは高まる。経営者が自社製品・サービス

にかける情熱=理念を社員に伝える。やっつけ仕事ではなく、理念に掲げられた社会の実現

のために社員一丸となるよう、働きかける。社員間で理念を共有することで、社会の要請

に応える新たなイノベーションが創出される。

また、理念の共有とは、企業の理想と社員の理想が一致することでもある。企業理念を

踏まえた教育を行うことで、社員自身の価値向上が企業価値の向上にもつながるのである。

これは、社員の不祥事防止などコンプライアンス面の強化、企業に対する帰属意識の向上

など、企業側のメリットも期待できる。

≪② サプライチェーンと共有≫

多様化するサプライチェーンと理念を共有することは難しい。しかし、一つのチームと

して価値観を共有することで、消費者に安心な製品・サービスを生み出すことが出来るよ

うになる。双方向コミュニケーションによってお互いの理念を理解し共有することで、信

頼関係が構築されるのである。理念が共有できたとき、良好な取引関係と健全な調達を実

現できるのだ。

≪③ 市民(External Stakeholder)の共有≫

市民との理念の共有は、主に 3 つの側面から考えることができる。まず、投資家に対

しては、経営者並びに社員が何を考え、自社の事業活動にどれだけの情熱をもっている

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のかを投資家に明確に伝え、理解してもらうことである。投資家からの信頼獲得、ひい

ては新たな投資家が増え、企業に資本が集まるようになった時、理念が共有できたとい

えるのだ。

次に、消費者は高い品質の製品・サービスを通じて企業の理念を理解し共有すること

で、当該企業を信頼できる。その結果として永続的な需要が生まれ、製品・サービスの

ブランド価値向上にもつながり、企業価値も向上させる。

最後に、地域住民と理念を共有することは、社会問題を把握、解決し、ボランティア

活動、環境経営の実践などを通じて、信頼関係を築き上げようとすることである。理念

が地域住民と共有できたときに初めて事業活動に賛同が得られるのだ。これは、世界へ

と活躍の領域を展開させる必要がある現代社会において、重要な要素である。また、地

球に生きる企業として、自然環境と共存していく取り組みを促すことができる。

以上のように、各ステークホルダーと理念を共有することで、企業の存在意義を社会全

体で認識することができる。

繰り返すようだが、企業経営は、社会からの要請に応えたいという経営者の思いから始

まるものである。生み出された製品・サービスがその要請に応えたものであることを前提

とすれば、当然それは社会に受け入れられる。結果として、企業には利潤が生まれ、企業

活動は持続する。また、企業が社会からの要請に応えたため、問題や不満のない社会が実

現する。よって、社会は企業活動によって持続可能となり、企業活動は社会によって持続

可能となる。理念の共有によって企業が社会にとって必要不可欠な存在となり、持続可能

な社会の構築に貢献する。このようにして、本業を通じた社会貢献活動は企業の社会的価

値を高めると同時に、企業の経済的価値をも高めることができる。この 2 つの価値の向上

がさらなる「企業価値」の創造につながる、というプロセスである。

つまり、これからの企業は、経済的価値と社会的価値の両立を意識して経営しなければ

ビジネスは成り立たないのである。M.ポーターはこれを CSV と名づけた。CSV の概念は、

「共有価値の創造」を指しており、企業が本業を通じて社会的な価値をつくっていくとい

う考えである。

しかし、経済的な価値を評価するスキームは存在するが、社会的な価値を評価するスキ

ームは確立していないのが現状である。M.ポーターの言う、「共有価値の創造」の第一歩が

「理念の浸透」であると、当ファンドは考える。本業を通じた社会貢献活動は業種や事業

形態によって内容や範囲も異なり、貢献度合いそのものを一つの物差しで評価するのは難

しい。しかし、理念は業種に限らずどの企業にも存在するものであり、浸透度合いは横一

線で評価することができるはずである。この思いが当ファンドの根底にはあり、企業の社

会的価値の一つとして企業理念の浸透を評価するスキームを確立したいのである。

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図 1 ビジョンの概念図

(出所)筆者作成

1-4 理想の企業

理念を浸透させることは、インターナル・エクスターナル問わずステークホルダーと共

有することであり、さまざまなメリットがある。私たちは、理念に基づいた経営を行う体

制を持ち、事業を展開していること、理念を各ステークホルダーと積極的に共有する企業

こそ、誠実な経営を全うすることが出来る

かけがえのない企業だと考え、

をテーマに投資を行う。

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2 ポートフォリオ決定までの全体像

2-1 理念の流れイメージ

私たちの目指すビジョンに忠実な企業を選び出すため、4つの STAGEに分けて調査を行

った。

<ポートフォリオ選定までのフロー>

2-2 STAGE ごとの点数内訳

ポートフォリオ 20社を決定するにあたり、全 STAGEにおける点数内訳は、非財務評

価 60 点・財務評価 40 点の合計 100 点満点とした。私たちは理念の浸透において、【「社員

と共有(Internal Stakeholder)」→「サプライチェーンと共有」→「市民と共有(External

Stakeholder)」】と 3つの STAGE に分け評価を行っているが、いずれの STAGEも理念が

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浸透していく過程の中で同等の価値を持っていると考えた。そのため、非財務評価を行っ

ている 2nd STAGE(社員と共有)、3rd STAGE(サプライチェーンと共有)、Final STAGE

(市民と共有、アンケート・ヒアリング)の計 4項目は、均等の点数である 15点を配分す

ることで、私たちの考えを点数結果にも反映させた。(図 2)

また、非財務面の点数が高い企業を評価したいと考えたため、非財務・財務の評価点数

のウエイトを 60:40と定めた。これは、市場価値に占める非財務面の割合(図 3)からも

読みとれるように、近年、無形要因(非財務面)の市場価値を占める割合が大きくなって

いる。1975年と比べ、2009年には非財務面を市場価値として評価する割合が、全体の 17%

から 81%へと増加している。市場価値は財務的資産や有形資産のみによって表象されるも

のではない。このことからも、非財務面を重要視して評価することにした。

図 2 非財務評価と財務評価の点数内訳

(出所)筆者作成

図 3 市場価値に占める非財務面の割合

(出所)財団法人企業活力研究所「企業における非財務情報の開示のあり方に関する調査

研究報告書」2012年、11頁をもとに筆者作成

1st STAGE 2nd STAGE 3rd STAGE

行動指針・社会との整合性

社員 サプライチェーン エクススターナルアンケート・ヒアリング 成長性 収益性 効率性 安全性

有無・内容 15点 15点 15点 15点 10点 10点 10点 10点

合計100点

財務評価

40点

Final STAGE Final STAGE

非財務評価

60点

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3 ユニバースの抽出

3-1 1st STAGE【行動指針の有無・内容 】

1st STAGE では、理念を確実かつ円滑に遂行するために社員が日頃から理念に即した行

動ができるよう、行動指針や行動規範などを設けているかどうかを選定基準とした。指針

の有無に加え、時代に即した指針であるために、持続可能な社会の実現において無視する

ことのできない 4 つの項目の言及がなされているかにより、東証 1・2 部、東証マザーズ、

ジャスダックに上場する企業約 3,500社から 490社を選定した。(図 4)

4 つの項目とは「人材」「資源」「地域社会」「製品・サービス」である。「人材」「資源」

「地域社会」の 3つは、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)

を企業価値に反映させようという国連投資原則の潮流を受けたものだ。企業価値は財務資

産や有形資産のみによって表象されるものではなく、図 3 でも明らかにしたように、非財

務情報を含めた多面的な視点から生み出されるという考えである。持続可能な社会の構築

において、企業の利益の量的拡大と質的均衡は至上命題だ。その実現には 4 つの項目すべ

てに言及していることが不可欠なのである。

図 4 1st STAGE 詳細

(出所)筆者作成

3-2 2nd STAGE【「社員と共有(Internal Stakeholder)」】

2nd STAGEでは、社員との理念の共有に関して点数付けを行い、168社を選出した。理

念の浸透の第一歩は企業内に共通の価値観を共有することであると考えたため、①新入社

員研修と②階層別研修において計 15点満点(各 7.5点)で評価を行った。(図 5)

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言わずと知れた経営の神様・松下幸之助は、「松下電器は人を作る会社です。合わせて電

気製品も作っています。」と述べている。“経営の根幹は人である”という信念のもと、人

を育ててきた松下は「どんなに完備した組織をつくり、新しい手法を導入しても、それを

生かす人を得なければ成果もあがらず企業の使命も果たせない」とも述べている。つまり、

個人の成長力は組織の成長力でもあり、それは個人の責任が組織の責任を帯びていること

も意味する。

松下の言うように、成果をあげ企業の使命を果たす人材を作らなければならないのは言

うまでもない。そこで、企業内教育が必要性を増す。新入社員に自社の考え方や価値観を

教育し、企業という一つのコミュニティーや社風を共に創り上げることは、自社の長期的

な安定の実現に寄与する。また、価値観を共有した社員は自らが主体となり、たとえ規模

は小さくとも日ごろの業務の中で自主的に理念に即した判断を下せるようになると考え、

新入社員研修を評価した。

そして、一度だけでなく繰り返し教育することによって、社員と理念をより共有できる

と考えたため階層別研修も評価した。長年、企業という一つのコミュニティーの中で生活

すると、自分の事業がどう社会の役に立っているのか、企業ならびに社員自身の業務の目

的認識が希薄になりがちだ。魚が頭から腐るのと同じように、企業の役員の腐敗は、取り

返しのつかない不祥事や事故へとつながってしまう危険性をはらんでいる。ここに階層別

研修の重要性がある。

図 5 2nd STAGE 詳細

(出所)筆者作成

3-3 3rd STAGE【サプライチェーンとの共有】

3rd STAGEでは、理念の共有を目的としたサプライチェーンとのコミュニケーションに

関して点数付を行い、87 社を選定した。企業が生み出した製品・サービスのライフサイク

→社員と理念を共有出来るような研修内容であるかチェック 計15点満点

*理念共有を目的とした研修を行っている 各7.5点

*理念共有以外の目的で研修を行っている 各4.5点

*研修を行っている 各1.5点

*情報の発信なし 各0点

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ルは、1社だけでは支えることが出来ない。よってサプライチェーンとの理念の共有は必要

不可決であると考えたため、③各種研修と④その他コミュニケーションの 2 項目を評価項

目に定め、計 15点満点(各 7.5点)で点数付を行った。(図 6)

図 6 3rd STAGE詳細

(出所)筆者作成

1st STAGE~3rd STAGEにおいて、社員とサプライチェーンへ積極的に理念の共有を行

っている企業を抽出した。これまでの STAGE で選び出された 87 社をユニバースとする。

ユニバース選定企業、並びに点数詳細は以下の通りである。

→サプライチェーンと理念を共有するための取り組みがあるかチェック 計15点満点

*理念共有を目的とした取り組みを行っている 各7.5点

*理念共有ではない目的で取り組みを行っている 各4.5点

*取り組みがある 各1.5点

*情報の発信なし 各0点

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<ユニバース選定企業一覧>

証券番号 取引所 業種 企業名 ① ② ③ ④ 合計1720 東証一部 建設業 東急建設株式会社 7.5 7.5 4.5 4.5 241722 東証一部 建設業 ミサワホーム株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 241820 東証一部 建設業 西松建設株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 241824 東証一部 建設業 前田建設工業株式会社 7.5 7.5 4.5 4.5 242206 東証一部 食料品 江崎グリコ株式会社 4.5 4.5 4.5 4.5 182229 東証一部 食料品 カルビー株式会社 7.5 4.5 7.5 7.5 272269 東証一部 食料品 明治ホールディングス株式会社 7.5 7.5 0 7.5 22.52501 東証一部 食料品 サッポロホールディングス株式会社 7.5 7.5 4.5 4.5 242809 東証一部 食料品 キューピー株式会社 4.5 4.5 7.5 4.5 212811 東証一部 食料品 カゴメ株式会社 4.5 4.5 4.5 4.5 183863 東証一部 パルプ・紙 日本製紙株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 243941 東証一部 パルプ・紙 レンゴー株式会社 4.5 4.5 4.5 4.5 184004 東証一部 化学 昭和電工株式会社 7.5 7.5 7.5 4.5 274188 東証一部 化学 株式会社三菱ケミカルホールディングス 4.5 4.5 4.5 4.5 184202 東証一部 化学 株式会社ダイセル 4.5 4.5 7.5 4.5 214217 東証一部 化学 日立化成株式会社 4.5 7.5 4.5 7.5 244631 東証一部 化学 DIC株式会社 4.5 4.5 4.5 7.5 214901 東証一部 化学 富士フイルムホールディングス株式会社 4.5 4.5 7.5 4.5 214912 東証一部 化学 ライオン株式会社 7.5 7.5 4.5 4.5 244523 東証一部 医薬品 エーザイ株式会社 7.5 7.5 7.5 4.5 274581 東証一部 医薬品 大正製薬ホールディングス株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 245002 東証一部 石油・石炭製品 昭和シェル石油株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 245332 東証一部 ガラス・土石製品TOTO株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 245334 東証一部 ガラス・土石製品日本特殊陶業株式会社 4.5 7.5 7.5 7.5 275711 東証一部 非鉄金属 三菱マテリアル株式会社 4.5 4.5 4.5 7.5 215802 東証一部 非鉄金属 住友電気工業株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 305486 東証一部 金属製品 日立金属株式会社 1.5 7.5 4.5 4.5 185938 東証一部 金属製品 株式会社LIXILグループ 7.5 7.5 7.5 7.5 305947 東証一部 金属製品 リンナイ株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 306367 東証一部 機械 ダイキン工業株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 306371 東証一部 機械 株式会社椿本チエイン 7.5 4.5 7.5 7.5 276383 東証一部 機械 株式会社ダイフク 7.5 7.5 7.5 7.5 306444 東証一部 機械 サンデン株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 306471 東証一部 機械 日本精工株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 246472 東証一部 機械 NTN株式会社 7.5 4.5 4.5 4.5 216473 東証一部 機械 株式会社ジェイテクト 7.5 4.5 7.5 7.5 277013 東証一部 機械 株式会社IHI 7.5 7.5 7.5 7.5 304968 東証一部 電気機器 荒川化学工業株式会社 7.5 7.5 4.5 4.5 245992 東証一部 電気機器 中央発條株式会社 7.5 7.5 7.5 4.5 276448 東証一部 電気機器 ブラザー工業株式会社 1.5 7.5 4.5 4.5 186501 東証一部 電気機器 株式会社日立製作所 7.5 4.5 7.5 7.5 276502 東証一部 電気機器 株式会社東芝 4.5 7.5 7.5 4.5 246503 東証一部 電気機器 三菱電機株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 246506 東証一部 電気機器 株式会社安川電機 7.5 4.5 4.5 7.5 24

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証券番号 取引所 業種 企業名 ① ② ③ ④ 合計6508 東証一部 電気機器 株式会社明電舎 4.5 4.5 7.5 7.5 246641 東証一部 電気機器 日新電機株式会社 7.5 4.5 4.5 4.5 216702 東証一部 電気機器 富士通株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 246724 東証一部 電気機器 セイコーエプソン株式会社 7.5 4.5 7.5 7.5 276752 東証一部 電気機器 パナソニック株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 306753 東証一部 電気機器 シャープ株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 246787 東証JQS 電気機器 株式会社メイコー 7.5 7.5 4.5 4.5 246798 東証一部 電気機器 SMK株式会社 4.5 4.5 4.5 7.5 216859 東証一部 電気機器 エスペック株式会社 7.5 7.5 4.5 4.5 246860 東証一部 電気機器 パナソニック デバイスSUNX 7.5 4.5 4.5 4.5 216952 東証一部 電気機器 カシオ計算機株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 306997 東証一部 電気機器 日本ケミコン株式会社 4.5 4.5 4.5 4.5 187751 東証一部 電気機器 キヤノン株式会社 4.5 4.5 4.5 7.5 217752 東証一部 電気機器 株式会社リコー 7.5 4.5 7.5 7.5 277012 東証一部 輸送用機器 川崎重工業株式会社 4.5 4.5 4.5 4.5 187203 東証一部 輸送用機器 トヨタ自動車株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 307205 東証一部 輸送用機器 日野自動車株式会社 7.5 4.5 4.5 7.5 247267 東証一部 輸送用機器 本田技研工業株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 307313 東証一部 輸送用機器 テイ・エス テック株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 307701 東証一部 精密機器 株式会社島津製作所 4.5 4.5 7.5 7.5 247702 東証一部 精密機器 株式会社JMS 4.5 4.5 4.5 7.5 217762 東証一部 精密機器 シチズンホールディングス株式会社 4.5 4.5 7.5 7.5 247868 東証一部 その他製品 株式会社廣済堂 7.5 7.5 4.5 4.5 247911 東証一部 その他製品 凸版印刷株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 307912 東証一部 その他製品 大日本印刷株式会社 4.5 4.5 4.5 7.5 217914 東証一部 その他製品 共同印刷株式会社 4.5 4.5 4.5 7.5 217951 東証一部 その他製品 ヤマハ株式会社 4.5 7.5 7.5 7.5 277966 東証一部 その他製品 リンテック株式会社 4.5 4.5 4.5 7.5 214283 東証一部 情報・通信業 パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社4.5 4.5 7.5 7.5 242651 東証一部 卸売業 株式会社ローソン 4.5 4.5 7.5 7.5 243099 東証一部 卸売業 株式会社三越伊勢丹ホールディングス 4.5 4.5 7.5 7.5 247473 東証一部 卸売業 伯東株式会社 4.5 4.5 7.5 4.5 218001 東証一部 卸売業 伊藤忠商事株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 308031 東証一部 卸売業 三井物産株式会社 7.5 4.5 4.5 7.5 248036 東証一部 卸売業 日立ハイテクテクノロジー株式会社 4.5 4.5 1.5 7.5 188058 東証一部 卸売業 三菱商事株式会社 7.5 7.5 7.5 7.5 308200 東証一部 卸売業 株式会社リンガーハット 4.5 4.5 4.5 7.5 218249 東証二部 卸売業 株式会社テクノアソシエ 4.5 4.5 7.5 0 16.57956 東証二部 小売業 株式会社魚力 7.5 7.5 7.5 7.5 308028 東証一部 小売業 株式会社ファミリーマート 7.5 7.5 7.5 7.5 302322 東証一部 サービス業 NECフィールディング株式会社 4.5 4.5 0 7.5 16.52498 東証JQS サービス業 ACKグループ株式会社 4.5 4.5 4.5 4.5 189603 東証一部 サービス業 株式会社エイチ・アイ・エス 4.5 4.5 0 7.5 16.5

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4 ポートフォリオの決定

4-1 Final STAGE【「市民と共有(External Stakeholder)」】

Final STAGE では、市民との理念の共有と財務面で評価を行う。市民を「⑤投資家」「⑥

消費者」「⑦地域社会」の三者に分類し、三者ごとに理念の共有の取り組みがどの程度行わ

れているかを各 5点、計 15点満点で点数付を行い評価した。(図 7)理念に基づくコミュニ

ケーションをどの程度行っているのかを調査した。この3項目で評価を行った理由は、企

業が製品・サービスを生み出すには投資家からの投資、利益をもたらす消費者、地域住民

の事業に対する理解が不可欠だと考えたからである。

図 7 Final STAGE【エクスターナル】詳細

(出所)筆者作成

また、これまで各 STAGE の調査媒体は、各社ホームページ、CSR報告書、IR報告書を

始めとする各社ディスクロージャーを利用した。それに加え、テーマに関連するより詳細

な情報を入手するため、郵送によるアンケート調査と企業ヒアリングを実施した。アンケ

ート調査と企業ヒアリングにおいても、それぞれ点数付を行った。(図 8)

今回のテーマにおいて私たちは、目に見えない部分を評価することを強く意識した。企

業理念と企業価値の関連性は社員の生の声を実際に聞いてみないと把握できない部分が多

い。報告書を読んでも果たして企業の理念が社員と共有できているのかは判断しづらいの

だ。

社会人としての経験のない私たちにとって、ホームページや各種報告書では見えない部分、

→エクスターナルと理念を共有することに関してチェック 計15点満点

*積極的に理念を共有する場を設けて、双方向のコミュニケーションを図っている

各5点

*頻繁にコミュニケーションの場を設けている 各3点

*取り組みがある 各1点

*情報の発信なし 各0点

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あるいは企業が見せる必要があるのに見せていない部分も足を運んで評価することは、レ

ポートのリアリティを高める上でも重要な要素である。事実、直接話を聞いて感じること

が予想以上に多く、理念は企業と社員の「価値観」を築いていることを更に実感した。

図 8 Final STAGE【アンケート・ヒアリング】詳細

(出所)筆者作成

2nd STAGE~Final STAGE までの非財務評価点数詳細結果は、以下の通りである。

⑧アンケート調査 5点満点

*社員と理念を共有する取り組みが行われている 2点

*サプライチェーンと理念共有の取り組みが行われている 2点

*エクスターナルと理念を共有する取り組みが行われている 1点

※回答内容により変動あり

⑨企業ヒアリング

*理念浸透に対する取り組みを積極的に行っているかで加点 0~10点

※取り組みの差によって変動あり

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<非財務評価順位>

順位 企業名 ①~④の合計 ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 合計1 サンデン株式会社 30 5 5 5 5 10 602 リンナイ株式会社 30 5 3 5 0 10 532 ホンダ株式会社 30 3 5 5 0 10 532 トヨタ自動車株式会社 30 3 5 5 0 10 532 凸版印刷株式会社 30 3 5 5 0 10 536 株式会社ダイフク 30 5 5 5 5 0 507 住友電気工業株式会社 30 3 3 3 0 10 498 ダイキン工業株式会社 30 5 3 5 5 0 488 伊藤忠商事株式会社 30 5 5 5 3 0 488 日本特殊陶業株式会社 27 1 5 5 0 10 488 セイコーエプソン株式会社 27 3 5 3 0 10 48

12 株式会社リコー 27 3 1 5 0 10 4613 テイ・エス テック株式会社 30 5 5 5 0 0 4513 株式会社LIXILグループ 30 5 5 5 0 0 4513 三菱商事株式会社 30 5 5 5 0 0 4516 パナソニック株式会社 30 3 5 5 0 0 4316 カシオ計算機株式会社 30 3 5 5 0 0 4316 株式会社ファミリーマート 30 5 5 3 0 0 4316 株式会社IHI 30 5 5 3 0 0 4316 株式会社ジェイテクト 27 5 3 3 5 0 4321 株式会社椿本チエイン 27 5 5 5 0 0 4221 エーザイ株式会社 27 5 5 5 0 0 4223 株式会社魚力 30 1 5 5 0 0 4123 中央発條株式会社 27 1 3 5 5 0 4125 昭和電工株式会社 27 3 5 5 0 0 4025 株式会社日立製作所 27 3 5 5 0 0 4025 パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 24 5 3 3 5 0 4028 株式会社三越伊勢丹ホールディングス 24 5 5 5 0 0 3929 日本精工株式会社 24 5 3 3 3 0 3829 東急建設株式会社 24 3 5 3 3 0 3829 三菱電機株式会社 24 3 3 3 5 0 3832 TOTO株式会社 24 5 5 3 0 0 3732 日野自動車株式会社 24 5 5 3 0 0 3732 西松建設株式会社 24 5 3 5 0 0 3732 シャープ株式会社 24 3 5 5 0 0 3736 カルビー株式会社 27 3 3 3 0 0 3636 ヤマハ株式会社 27 3 3 3 0 0 3636 富士フイルムホールディングス株式会社 21 5 5 5 0 0 3639 ライオン株式会社 24 1 5 5 0 0 3539 日立化成株式会社 24 1 5 5 0 0 3539 富士通株式会社 24 1 5 5 0 0 3539 株式会社メイコー 24 1 5 5 0 0 3539 三井物産株式会社 24 5 3 3 0 0 3539 前田建設工業株式会社 24 5 3 3 0 0 35

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順位 企業名 ①~④の合計 ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 合計39 株式会社明電舎 24 3 5 3 0 0 3546 株式会社ローソン 24 1 3 5 0 0 3346 ミサワホーム株式会社 24 3 3 3 0 0 3346 株式会社島津製作所 24 1 3 5 0 0 3346 日本製紙株式会社 24 3 3 3 0 0 3346 大正製薬ホールディングス株式会社 24 3 3 3 0 0 3346 株式会社廣済堂 24 3 3 3 0 0 3352 共同印刷株式会社 21 3 5 3 0 0 3252 株式会社JMS 21 1 5 5 0 0 3252 伯東株式会社 21 3 3 5 0 0 3255 明治ホールディングス株式会社 22.5 3 3 3 0 0 31.556 エスペック株式会社 24 3 3 1 0 0 3156 シチズンホールディングス株式会社 24 1 3 3 0 0 3156 荒川化学工業株式会社 24 1 3 3 0 0 3159 株式会社安川電機 24 1 0 5 0 0 3059 サッポロホールディングス株式会社 24 1 5 0 0 0 3059 キューピー株式会社 21 3 3 3 0 0 3059 大日本印刷株式会社 21 3 3 3 0 0 3059 株式会社リンガーハット 21 1 3 5 0 0 3059 DIC株式会社 21 3 3 3 0 0 3059 NTN株式会社 21 3 3 3 0 0 3059 三菱マテリアル株式会社 21 3 3 3 0 0 3067 株式会社東芝 24 1 3 1 0 0 2967 カゴメ株式会社 18 1 5 5 0 0 2969 昭和シェル石油株式会社 24 1 0 3 0 0 2869 株式会社ダイセル 21 1 3 3 0 0 2869 日新電機株式会社 21 1 3 3 0 0 2869 SMK株式会社 21 1 3 3 0 0 2873 キヤノン株式会社 21 1 5 0 0 0 2773 江崎グリコ株式会社 18 1 3 5 0 0 2775 リンテック株式会社 21 1 1 3 0 0 2675 パナソニック デバイスSUNX 21 1 1 3 0 0 2677 日立金属株式会社 18 1 3 3 0 0 2577 レンゴー株式会社 18 1 3 3 0 0 2577 日本ケミコン株式会社 18 1 1 5 0 0 2580 ACKグループ株式会社 18 1 1 1 3 0 2481 ブラザー工業株式会社 18 1 1 3 0 0 2381 川崎重工業株式会社 18 1 1 3 0 0 2383 日立ハイテクテクノロジー株式会社 18 1 3 0 0 0 2283 株式会社三菱ケミカルホールディングス 18 1 3 0 0 0 2285 株式会社エイチ・アイ・エス 16.5 1 0 0 0 0 17.585 株式会社テクノアソシエ 16.5 1 0 0 0 0 17.585 NECフィールディング株式会社 16.5 1 0 0 0 0 17.5

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4-2 Final STAGE【財務評価】

私たちの財務評価の目的は、資金・収益を企業活動の成長へと有効に活用できているか

を判断すること、そして理念を浸透させて生み出された製品・サービスが消費者にどの程

度受け入れられているかを把握することである。企業の社会的存在価値を測る重要な役割

を担っているのが財務評価だ。

財務分野における各企業の点数決定の手順は、評価の視点を【成長性】【収益性】【効率

性】【安全性】の 4つのグループに分けた後、さらにそのグループをカテゴリーに細分化し

て分析を行った。(図 9)評価方法は、まずカテゴリー内での順位を決定し、順位に応じて

点数を配分。(図 10)次にその点数を合算することでグループ内での順位を決定し、順位に

応じてさらに点数を配分。最後に、4つのグループごとの点数を合算したものが、財務分野

における各企業の獲得点数となる。

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図 9 財務評価【4つのグループとカテゴリー】

(出所)筆者作成

図 10 財務評価【点数の分配内訳】

(出所)筆者作成

各グループの順位 得点(10点満点)

1~10位 10点

11~30位 7点

31~50位 5点

51~70位 3点

71~87位 1点

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尚、選定企業の財務評価点数と順位の詳細は以下の通りである。

<財務評価順位>

順位 企業名 成長性 収益性 効率性 安全性 合計1 リンテック株式会社 7 7 10 10 342 キヤノン株式会社 7 10 3 10 302 株式会社テクノアソシエ 10 3 10 7 304 テイ・エス テック株式会社 10 10 3 5 285 日新電機株式会社 5 5 10 7 275 パナソニック デバイスSUNX 7 7 3 10 275 株式会社島津製作所 5 5 10 7 275 日立ハイテクテクノロジー株式会社 10 5 7 5 279 カゴメ株式会社 7 7 5 7 269 日立金属株式会社 7 5 7 7 269 ダイキン工業株式会社 7 7 5 7 269 株式会社ダイフク 7 5 7 7 269 伊藤忠商事株式会社 7 7 5 7 26

14 カルビー株式会社 7 10 1 7 2514 日本特殊陶業株式会社 5 7 3 10 2514 リンナイ株式会社 3 10 5 7 2514 エスペック株式会社 3 5 7 10 2514 日野自動車株式会社 10 7 7 1 2519 パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 1 10 3 10 2419 エーザイ株式会社 1 10 3 10 2419 カシオ計算機株式会社 7 7 3 7 2419 伯東株式会社 7 3 7 7 2419 株式会社JMS 7 3 7 7 2424 株式会社LIXILグループ 10 3 7 3 2324 日本ケミコン株式会社 3 10 3 7 2324 川崎重工業株式会社 5 5 10 3 2327 DIC株式会社 3 7 7 5 2227 TOTO株式会社 7 7 5 3 2227 株式会社椿本チエイン 3 7 7 5 2227 ブラザー工業株式会社 5 7 3 7 2227 三菱電機株式会社 5 5 7 5 2227 シチズンホールディングス株式会社 7 5 3 7 2227 三井物産株式会社 7 5 5 5 2234 前田建設工業株式会社 7 1 10 3 2134 大正製薬ホールディングス株式会社 1 7 3 10 2134 富士フイルムホールディングス株式会社 3 3 5 10 2134 株式会社安川電機 3 5 10 3 2134 パナソニック株式会社 10 7 3 1 2134 トヨタ自動車株式会社 10 7 1 3 2134 ホンダ株式会社 10 7 1 3 2134 株式会社エイチ・アイ・エス 10 7 1 3 2142 ミサワホーム株式会社 5 7 7 1 2042 住友電気工業株式会社 7 3 5 5 2042 サンデン株式会社 7 1 7 5 20

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順位 企業名 成長性 収益性 効率性 安全性 合計42 NTN株式会社 5 3 7 5 2042 株式会社東芝 7 5 7 1 2047 ACKグループ株式会社 10 1 7 1 1947 荒川化学工業株式会社 3 1 10 5 1947 昭和シェル石油株式会社 10 1 7 1 1947 株式会社明電舎 3 5 10 1 1947 シャープ株式会社 1 10 5 3 1947 株式会社IHI 3 5 10 1 1947 株式会社廣済堂 3 10 1 5 1954 NECフィールディング株式会社 3 5 5 5 1854 キューピー株式会社 5 5 3 5 1854 株式会社ダイセル 1 5 5 7 1854 株式会社ジェイテクト 5 3 7 3 1854 セイコーエプソン株式会社 5 3 5 5 1854 共同印刷株式会社 5 1 7 5 1854 三菱商事株式会社 3 5 3 7 1861 レンゴー株式会社 3 5 5 3 1661 日立化成株式会社 1 5 3 7 1661 中央発條株式会社 5 1 5 5 1661 日本精工株式会社 3 3 5 5 1661 株式会社日立製作所 5 5 5 1 1661 富士通株式会社 3 5 5 3 1661 株式会社魚力 3 5 1 7 1661 株式会社リコー 1 3 5 7 1661 凸版印刷株式会社 3 1 5 7 1661 ヤマハ株式会社 5 1 3 7 1661 株式会社リンガーハット 7 5 1 3 1672 西松建設株式会社 3 1 10 1 1572 株式会社ローソン 3 10 1 1 1572 株式会社ファミリーマート 3 10 1 1 1575 ライオン株式会社 3 3 5 3 1475 三菱マテリアル株式会社 5 5 3 1 1475 株式会社メイコー 3 3 3 5 1475 大日本印刷株式会社 3 1 5 5 1479 東急建設株式会社 1 1 10 1 1380 サッポロホールディングス株式会社 5 3 1 3 1280 SMK株式会社 1 1 3 7 1282 江崎グリコ株式会社 3 1 3 3 1082 明治ホールディングス株式会社 1 1 5 3 1082 昭和電工株式会社 1 3 3 3 1082 株式会社三菱ケミカルホールディングス 1 1 5 3 1086 株式会社三越伊勢丹ホールディングス 3 3 1 1 886 日本製紙株式会社 1 1 1 5 8

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4-3 ユニバース総合順位

これで、全ての STAGEの評価が終了した。合計点数と順位の対照表は以下の通りである。

<ユニバース総合順位>

順位 企業名 非財務 財務 合計1 リンナイ株式会社 53 25 782 株式会社ダイフク 50 26 763 ダイキン工業株式会社 48 26 743 ホンダ株式会社 53 21 745 ブラザー工業株式会社 48 22 706 リンテック株式会社 35 34 696 伊藤忠商事株式会社 43 26 698 日立金属株式会社 41 26 679 日立ハイテクテクノロジー株式会社 39 27 66

10 日本特殊陶業株式会社 40 25 6510 テイ・エス テック株式会社 37 28 6512 トヨタ自動車株式会社 43 21 6412 日野自動車株式会社 39 25 6414 カルビー株式会社 38 25 6314 サンデン株式会社 43 20 6314 株式会社ジェイテクト 45 18 6314 エスペック株式会社 38 25 6314 カシオ計算機株式会社 39 24 6319 株式会社椿本チエイン 40 22 6219 パナソニック株式会社 41 21 6221 パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 37 24 6121 ライオン株式会社 47 14 6121 TOTO株式会社 39 22 6121 住友電気工業株式会社 41 20 6121 富士フイルムホールディングス株式会社 40 21 6126 エーザイ株式会社 36 24 6026 キヤノン株式会社 30 30 6026 シチズンホールディングス株式会社 38 22 6029 カゴメ株式会社 33 26 5929 株式会社LIXILグループ 36 23 5929 日本精工株式会社 43 16 5932 株式会社日立製作所 42 16 5832 株式会社安川電機 37 21 5832 株式会社島津製作所 31 27 5832 株式会社リコー 42 16 5836 日新電機株式会社 30 27 5736 三井物産株式会社 35 22 5738 川崎重工業株式会社 33 23 5638 株式会社IHI 37 19 5640 株式会社テクノアソシエ 25.5 30 55.541 ミサワホーム株式会社 35 20 5541 レンゴー株式会社 39 16 5541 三菱電機株式会社 33 22 5541 共同印刷株式会社 37 18 55

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順位 企業名 非財務 財務 合計45 前田建設工業株式会社 33 21 5445 株式会社ファミリーマート 39 15 5445 三菱商事株式会社 36 18 5448 西松建設株式会社 38 15 5348 東急建設株式会社 40 13 5348 株式会社東芝 33 20 5351 株式会社ローソン 37 15 5251 キューピー株式会社 34 18 5251 昭和電工株式会社 42 10 5251 株式会社明電舎 33 19 5251 セイコーエプソン株式会社 34 18 5251 シャープ株式会社 33 19 5251 ヤマハ株式会社 36 16 5258 日立化成株式会社 35 16 5158 富士通株式会社 35 16 5158 凸版印刷株式会社 35 16 5161 株式会社ダイセル 32 18 5061 大正製薬ホールディングス株式会社 29 21 5061 DIC株式会社 28 22 5061 荒川化学工業株式会社 31 19 5061 昭和シェル石油株式会社 31 19 5061 株式会社魚力 34 16 5067 株式会社メイコー 35 14 4967 パナソニック デバイスSUNX株式会社 22 27 4967 株式会社JMS 25 24 4970 株式会社エイチ・アイ・エス 27.5 21 48.571 中央発條株式会社 32 16 4871 NTN株式会社 28 20 4873 サッポロホールディングス株式会社 35 12 4773 株式会社廣済堂 28 19 4775 伯東株式会社 22 24 4675 株式会社リンガーハット 30 16 4677 大日本印刷株式会社 30 14 4478 ACKグループ株式会社 24 19 4379 SMK株式会社 30 12 4279 日本ケミコン株式会社 19 23 4281 明治ホールディングス株式会社 31.5 10 41.581 NECフィールディング株式会社 23.5 18 41.583 三菱マテリアル株式会社 26 14 4084 江崎グリコ株式会社 29 10 3984 株式会社三菱ケミカルホールディングス 29 10 3986 株式会社三越伊勢丹ホールディングス 30 8 3887 日本製紙株式会社 29 8 37

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ユニバース総合順位の結果から、上位 20社をポートフォリオと選定し投資を行う。

例外としてヒアリング調査の結果から、当ファンドの投資意義と非常にマッチしている

と感じた、ライオン株式会社と富士フイルム株式会社の 2 社をポートフォリオに組み込む

こととした。それに伴い、19 位の株式会社椿本チエイン、アンケート回答結果からサプラ

イチェーンとの理念共有の取り組みに物足りなさを感じたエスペック株式会社への投資を

見送ることとした。(ユニバース総合順位参照)

続いてポートフォリオ 20社を紹介する。

4-4 ポートフォリオ企業紹介

私たちが選び出した 20社を企業理念と共に紹介する。

業種 食料品

証券コード 2229

設立 1949年4月

企業理念

合計

事業内容

サプライチェーンと、芋づる式に。

Calbeeカルビー株式会社

非財務評価 財務評価

63点

私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかな暮らしに貢献します。

特徴・選定理由

菓子・食品の製造・販売

品質向上や安全・安心を確保するために、サプライチェーンとの信頼向上に努めている。日々の取引のなかでのコミュニケーションだけでなく、毎年「パートナーシップミーティング」を開催。

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業種 化学

証券コード 4901

設立 1934年1月

企業理念

合計

事業内容 イメージングソリューション、インフォメーション、ドキュメント分野の開発・製造・販売・サービス

特徴・選定理由

関連企業との協働、生物・化学・工学・機械分野大学との産学連携を実施するなどして、サプライチェーンや外部団体を巻き込んだミッション共有力に秀でている。

FUJIFILM富士フイルムホールディングス株式会社

Value from Innovation

非財務評価 財務評価

61点

わたしたちは、先進・独自の技術をもって、 最高品質の商品やサービスを提供する事により、 社会の文化・科学・技術・産業の発展、健康増進、環境保持に貢献し、 人々の生活の質のさらなる向上に寄与します。

業種 化学

証券コード 4912

設立 1918年9月

社是

合計

事業内容

LIONライオン株式会社

何でもない今日の幸せに寄り添う、愛の精神。

非財務評価 財務評価

61点

歯磨き、歯ブラシ、石けん、薬品等の製造・販売

特徴・選定理由

研究開発現場と経営層をはじめとした本社とのコミュニケーションに重点。とくに社内研修は階層別や能力開発だけでなく、社会貢献活動も研修に組み込むなど多岐にわたり、教育に力を注いでいる。

わが社は、「愛の精神の実践」を経営の基本とし、人々の幸福と生活の向上に寄与する。

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30

業種 ガラス・土石製品

証券コード 5334

創立 1936年10月

企業理念

合計

事業内容

日本特殊陶業日本特殊陶業株式会社

サプライチェーンと同じ陶器で飯を食う

非財務評価 財務評価

65点

スパークプラグおよび内燃機関用関連品等の製造・販売

特徴・選定理由

会社方針の共有のため、主要取引先を招待し、会社方針説明会を開催。業績、中期経営計画とそれに基づく各部門の方針について説明し、進むべき方向を表明して、厳しい環境をともに乗り越えることを確認するなど、サプライチェーンとのコミュニケーションに力を入れている。

1.存在意義2.経営姿勢3.行動指針

業種 鉄鋼

証券コード 5486

設立 1956年4月

社是

合計

事業内容

日立金属日立金属株式会社

顧客と消費者に、トリックではなくマジックを。

非財務評価 財務評価

67点

高級金属製品、磁性材料、電線材料等の製造・販売

特徴・選定理由

品質保証活動理念のもと、これまで構築してきた品質保証技術に磨きをかけ、顧客とその先に存在する消費者に喜ばれる製品を提供することで、社会に貢献していきたいと考えている。経営方針などを説明するために、株主通信、アニュアルレポート(英語版)、Webサイトをはじめとした情報発信ツールを充実させているなど、外部のステークホルダーへの発信活動に注力している。

和則彊

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31

業種 金属製品

証券コード 5947

設立 1950年9月

社是

合計

事業内容

Rin n a iリンナイ株式会社

信頼回復の烽火が、今日も湯を沸かしている。

非財務評価 財務評価

78点

熱エネルギー機器の開発・製造・販売

特徴・選定理由

各種研修において、企業共通の価値観の浸透を行っている。取引先との共存共栄をめざし、情報開示ツールを使用した双方向のコミュニケーションも行っている。どのステークホルダーに対しても理念浸透活動を積極的に行っている。

和気眞

業種 機械

証券コード 6367

設立 1934年2月

社是

合計

事業内容

DAIKIN

ダイキン工業株式会社

理念の風を、大阪から世界へ

非財務評価 財務評価

74点

空調・冷凍機能、油機、特機部門等の製造・販売・サービス

特徴・選定理由

グローバルに展開している企業であるため、本社と各拠点をつなぎ、理念を浸透させる「グローバル人材」の育成に注力している。品質にもこだわりがあり、サプライチェーンからの納入品に不具合が発見された場合は品質を評価・分析し、改善への取り組みの報告を要請している。

「最高の信用」「進取の経営」「明朗な人の和」

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業種 機械

証券コード 6383

設立 1937年5月

社是

合計

事業内容

DAIFUKU株式会社ダイフク

DAIFUKUは、中身がぎっしり。

非財務評価 財務評価

76点

物流システムに関するコンサルティングとエンジニアリングおよび設計・製造・据付・サービス

特徴・選定理由

社員、サプライチェーン、外部のステークホルダーすべてにおいて満点である。メーカー・商社から加工・工事・サービス・設計・ソフト関係までのサプライチェーンのトップを招待し、「経営・生産動向説明会」を毎年開催。ここでは、社長から経営方針や中期計画についての説明が行われる。

日新「今日の「われ」は 昨日の「われ」にあらず 明日の「われ」は 今日の「われ」にとどまるべからず」

業種 機械

証券コード 6444

設立 1943年7月

創業の精神

合計

事業内容

SANDENサンデン株式会社

快適な空間は、みんなでなきゃつくれない。

非財務評価 財務評価

63点

コンプレッサー・エアコン、店舗システム等の製造・販売・サービス

特徴・選定理由

国内機関投資家向けの決算説明会だけでなく、海外投資家向けにビジネス地域である欧州、米国へトップ自らが直接訪問し、経営の概況を説明する海外IRを実施している。

知を以て開き和を以て豊に

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33

業種 機械

証券コード 6473

設立 1935年1月

企業理念

合計

事業内容

J TEK T株式会社ジェイテクト

サプライチェーンとともに、市民とともに支える、ベアリングの軸

非財務評価 財務評価

63点

自動車関連駆動部品、軸受等の製造・販売

特徴・選定理由

多くの工場を持つジェイテクトでは地域社会とのコミュニケーションを積極的にとっている。全工場で「地域懇親会」を行い、環境保全活動に関する実績報告や意見交換、工場見学などを通じて地域との良好な関係を構築している。

私たちジェイテクトは、社会の信頼に応え、モノづくりを通じて、人々の幸福と豊かな社会づくりに貢献する

業種 電気機器

証券コード 6448

設立 1934年1月

企業理念

合計

事業内容

brotherブラザー工業株式会社

世界のみんなとおそろいの刺繍で

非財務評価 財務評価

70点

情報通信機器、ミシン、産業機器等の製造・販売・サービス

特徴・選定理由

グローバルに展開する企業であるため、海外を含む地域社会とのコミュニケーションに注力している。株主とは株主総会やIRセミナー、顧客とは訪問やグループインタビュー、地域社会とは地域に合わせたそれぞれの活動を通じてコミュニケーションを取っている。

ブラザーグループグローバル憲章

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業種 電気機器

証券コード 6752

設立 1935年12月

綱領

合計

事業内容

Panasonicパナソニック株式会社

力強さは使命感を持つところから生まれる。

非財務評価 財務評価

64点

部品、家庭用電子機器等の製造・販売・サービス

特徴・選定理由

経営研修総括では、経営理念に基づき、経営理念を実践するためのリーダーシップの育成に取り組んでいる。研修総括では、組織内のあらゆる階層の従業員を対象に「経営理念セミナー」を開催しており、改革や経営理念を実践する方法を学ぶことができる。

産業人タルノ本分ニ徹シ社會生活ノ改善ト向上ヲ圖リ世界文化ノ進展ニ寄興センコトヲ期ス

業種 電気機器

証券コード 6952

設立 1957年6月

企業理念

合計

事業内容

CA SIOカシオ計算機株式会社

無限の想像力が、計算機を生み出した

非財務評価 財務評価

63点

デジタルカメラ、時計、電子辞書、電子楽器、電卓の製造・販売

特徴・選定理由

生産活動を行っている海外の自社工場と生産委託先にむけて、資材調達方針説明会を行っている。一方的に方針を説明する場ではなく、取引先からCSR推進改善事例の発表を行ってもらうなど双方向のコミュニケーションを目指している。

創造 貢献

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業種 輸送用機器

証券コード 7203

設立 1937年8月

企業理念

合計

事業内容

TOYOTAトヨタ自動車株式会社

A Toyota. Race fast, safe car. A Toyota.

非財務評価 財務評価

64点

自動車の生産・販売

特徴・選定理由

「トヨタ基本理念」を、ステークホルダーとの関係を念頭に環境変化、社会のCSRへの関心の高まりなどを踏まえ、2008年8月、CSR方針「社会・地球の持続可能な発展への貢献」として改定した。これを連結子会社と共有、行動している。

1.内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす2.各国、各地域の文化、慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する3.クリーンで安全な商品の提供を使命とし、あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む4.様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる商品・サービスを提供する5.労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる6.グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす7.開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する

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業種 輸送用機器

証券コード 7205

設立 1942年5月

会社の使命

合計

事業内容

64点

HINO日野自動車株式会社

日の出とともに日野が走る

非財務評価 財務評価

トラック・バス、小型商業車・乗用車等の製造・販売

特徴・選定理由

顧客の立場に立ち、車の安全技術をより一層進化させることとともに、お客様テクニカルセンターを中心に安全運転講習会を開催している。

人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する

業種 7267

証券コード 輸送用機器

設立 1948年9月

基本理念

合計

事業内容

H O N D A本田技研工業株式会社

海を渡った、Hondaの哲学

非財務評価 財務評価

74点

オートバイ、自動車、航空機等の製造・販売

特徴・選定理由

会社に対する理解をさらに深めていただくために、積極的に株主とのコミュニケーションの場を設け、企業側からの一方的なPRに陥ることがないよう、市場の声に耳を傾けるよう努めています。株主総会や決算説明会など、株主・投資家の皆様との双方向コミュニケーションを通じて事業活動への理解、Hondaに対する信頼や共感を一層深めていただき、市場を通じて適切な企業評価を得られるよう活動を継続していきます。

人間尊重、三つの喜び(買う喜び、売る喜び、創る喜び)

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業種 輸送用機器

証券コード 7313

設立 1960年12月

企業理念

合計

事業内容 四輪車用シート、四輪車用内装品等の製造・販売

TSTechテイ・エス テック株式会社

ファンタスティックなテイ・エス テック

特徴・選定理由

企業倫理にもあるように人材を重視したミッション浸透活動に注力している。2012年より、新たな研修制度TS Campが始動した。 TS Campでは、「TSフィロソフィーの理解・実践」の講習が実施されている。

非財務評価 財務評価

65点

「人材重視」「喜ばれる企業」

業種 その他機器

証券コード 7966

設立 1934年10月

社是

合計

事業内容

LINTECリンテック株式会社

絶対にはがれない理念がある

特徴・選定理由

イントラネットを活用したアンケート調査やチェックシートの掲出、倫理観や行動規範を川柳に表わした「りんりかわら版」の作成など情報網の活用に秀でている。研修参加者数なども積極的に公表。

「至誠と創造」

非財務評価 財務評価

69点

粘着素材、粘着関連機器、特殊紙等の開発・製造・販売

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注)尚、順番は業種別、証券コード順での掲載となっている。

業種 卸売業

証券コード 8001

設立 1949年12月

ミッション

合計

事業内容 各分野において、国内、輸出入及び三国間取引など

特徴・選定理由

人事評価制度と研修制度をミックスさせ、社員のモチベーション向上を図っている。社員それぞれのキャリアに応じた多様な研修を実施し、参加人数をはじめ具体的なデータを公表している点は特長的。

ITOCHU伊藤忠商事株式会社

理念の糸を世界中に

非財務評価 財務評価

69点

豊さを担う責任Committed to the Global Good

業種 卸売業

証券コード 8036

設立 1947年4月

企業理念

合計

事業内容

66点

半導体製造装置、チップマウンタ等の製造・販売・サービス

特徴・選定理由

冊子の配布、ワークショップの開催など、理念の浸透策を国内だけでなく国外にも実施。非製造業だが、製造業並みにサプライヤーとの双方向のコミュニケーションは高水準。

日立ハイテク株式会社日立ハイテクノロジーズ

ハイテク変えてくテクマクマヤコン

非財務評価 財務評価

日立ハイテクノロジーズは、あらゆるステークホルダーから「信頼」される企業を目指し、ハイテク・ソリューションによる「価値創造」を基本とした事業活動を通じ、社会の進歩発展に貢献します。あわせて、当社は「公正かつ透明」で信頼される経営を行い、成長し続けていくとともに、「環境との調和」を大切にし、情熱と誇りを持ち、社会的責任を全うする企業市民として豊かな社会の実現に尽力します。

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5 組入比率および購入金額の決定

ポートフォリオ 20社の投資を行う。組入比率を決める際、まず、リスクを分散するため

最低投資金額として 20 社に 10 万円ずつ分配した。次に、ヒアリング調査の承諾をしてい

ただいた企業 7 社に対して 5 万円ずつ分配した。最後に 265 万円を各企業の合計獲得点数

に基づいて、得点率(各企業の獲得得点÷ポートフォリオ 20 社の合計点数)で分配した。

また、消費税や手数料を加味した際に生じた 19,168円は、ヒアリング実施企業を中心に

日経ストックリーグの株式取引可能期間に株価が上昇している企業に投資した。以上が組

入比率決定までの手順である。

<投資配分フロー>

組入比率決定の際、Process1 と 3 は全 20 社に分配したが、Process2 と 4 においては、

それぞれヒアリング実施企業、株価上昇企業に分配した。Process2 と 4 における投資金額

分配企業は以下の通りである。

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<ヒアリング実施企業と株価上昇企業一覧>

※Process2と 4は上記の投資配分フローに対応している。

また、20社の最終的な購入金額及び組入比率は以下の通りである。

※最終購入金額に手数料、消費税を加味している。

ヒアリング実施企業(7社)

リンナイ

本田技研工業

ブラザー工業

日立金属

日立ハイテクテクノロジーズ

ライオン

富士フイルムホールディングス

株価上昇企業(6社)

本田技研工業

日野自動車

日立金属

日立ハイテクノロジーズ

ライオン

富士フイルムホールディングス

証券番号 業種 企業名 購入株数 最終購入金額(円) 組入比率

2229 食料品 カルビー株式会社 40 217,226 4.34%4901 化学 富士フイルムホールディングス株式会社 182 265,081 5.30%4912 化学 ライオン株式会社 37 269,506 5.39%5334 ガラス・土石製品 日本特殊陶業株式会社 67 220,562 4.41%5486 鉄鋼 日立金属株式会社 192 277,563 5.55%5947 金属製品 リンナイ株式会社 236 308,000 6.16%6367 機械 ダイキン工業株式会社 116 232,090 4.64%6383 機械 株式会社ダイフク 178 245,452 4.91%6444 機械 サンデン株式会社 202 218,849 4.38%6473 機械 株式会社ジェイテクト 117 222,981 4.46%6448 電気機器 ブラザー工業株式会社 93 298,335 5.97%6752 電気機器 パナソニック株式会社 61 226,416 4.53%6952 電気機器 カシオ計算機株式会社 34 229,442 4.59%7203 輸送用機器 トヨタ自動車株式会社 83 217,135 4.34%7205 輸送用機器 日野自動車株式会社 514 298,508 5.97%7267 輸送用機器 本田技研工業株式会社 143 295,762 5.92%7313 輸送用機器 テイ・エス テック株式会社 199 221,596 4.43%7966 その他製品 リンテック株式会社 192 227,402 4.55%8001 卸売業 伊藤忠商事株式会社 448 230,412 4.61%8036 卸売業 株式会社日立ハイテクテクノロジーズ 95 277,627 5.55%

4,999,942 100%

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5,000,000

精算金額合計

残金

合計

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6 アンケート調査&企業ヒアリング

企業内で行われている理念浸透のための制度や取り組みとその成果を詳細に調査するた

め、ユニバース内の全ての企業 87社を対象に郵送によるアンケート調査を実施した。また、

企業ヒアリング承諾を申請したところ、11社へ訪問することが出来た。

企業ヒアリングの際には、理念浸透のために行っている具体的な取り組みとその成果、

共通価値観を持つことの重要性、目指すべき企業の姿等を尋ねた。全ての企業が「企業価

値を高めるには、理念の浸透が必要だ。」と認識し、各々独自の取り組みを私たちに提示し

てくれた。実際の研修内容や社内アンケート項目などを PDFで拝見することもできた。

この企業ヒアリングにより、私たちのテーマの信憑性が増した。同時に、直接対話する

ことにより、目には見えない企業の風土や価値観を肌で感じ取ることが出来た。web 媒体

や紙面では分からない企業の芯となる部分に触れ、実際に足を運んではじめて分かる、企

業の空気に終始刺激を受けた貴重な経験となった。

※尚、アンケートは巻末の資料一覧に掲載した。

6-1 レンゴー株式会社

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6-2 株式会社日立ハイテクノロジーズ

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6-3 本田技研工業株式会社

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6-4 ライオン株式会社

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6-5 リンナイ株式会社

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6-6 ブラザー工業株式会社

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6-7 前田建設工業株式会社

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6-8 西松建設株式会社

6-9 日本精工株式会社

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6-10 日立金属株式会社

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6-11 富士フイルムホールディングス株式会社

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7 ポートフォリオ運用結果

2013年 11月 27日~

最高評価額 5,272,617円

最低評価額 4,864,993円

SL300154: 5,272,617円

平均評価額: 5,182,555円 (1月 9日現在)

資産運用の評価額は、平均評価額 5,182,555 円に対し、5,272,617 円であり、参加 1491

チーム中 364番目という結果であった。

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8 最後に

8-1 「非意識」から「意識」へ、そして「無意識」へ

足立光正は、企業理念の社員への浸透の段階を「『非意識』から『意識』へ、そして『無

意識』へ」 と表現した。これは、ブラザー工業株式会社(6-6ブラザー工業株式会社参照)

で学んだ「意識が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わる」ことに通ずる。

ヒアリング調査を行った企業において、特にライオン株式会社(6-4ライオン株式会社参照)

と本田技研工業株式会社(6-3 本田技研工業株式会社参照)は、「無意識」の段階にあると

感じた。ライオン株式会社へのヒアリングの際に担当の飯田様は「話していくことで理念

が浸透しているのかもしれないと感じた」と話していた。このように理念の浸透が「無意

識」の段階に達した企業も、さらにそのことを自覚することでサプライチェーンや市民へ

の理念の発信がより良いものになるのではないだろうか。

8-2 エンゲージメントの重要性

今回のレポート作成にあたって、私たちはすべての上場企業のホームページや各種報告

書を閲覧した。CSR 報告書、社会性報告書、サステナビリティレポート、アニュアルレポ

ート…呼び名は違えども、ステークホルダーを意識した多くの情報が開示されている。鮮

やかな色使い、子供たちや大自然の写った写真はさわやかで好印象だ。しかし、こういっ

た報告書が社会でどの程度認識されているかは甚だ疑問である。企業の言う「ステークホ

ルダー」とは、一体誰なのか。誰を意識したもので、どう読んでもらいたいのか。現状、

企業の発行する報告書は「宛名のない手紙」のようである。

つまり、報告書発行企業はステークホルダーに対して一方通行的なコミュニケーション

をとるのではなく、企業自身のコミュニケーション活動の自己評価を繰り返しながら、双

方向コミュニケーションをとらなければ意味がない。そして、パートナーシップを生むコ

ミュニケーションへと発展させることが求められているのである。特に、理念は開示する

だけでなく、理解してもらうために、説得・説明(エンゲージメント)を実行しないと、

浸透はしない。

そのためには、ステークホルダーとの対話の推進が急務である。対話によって、社会問

題への対応力や、その問題の解決に向けた合意形成を深化させていくことができるからだ。

8-3 証券業界ならびに投資家の皆様へ

明治~昭和前期を代表する企業家の一人である各務鎌吉(東京海上火災保険㈱会長)は

「保険会社の事業の基礎は信用であり、信用は会社の資産や大小ではなく、社員の人格・

行動に左右される。それゆえ、商業上の信用は無形財産であるが、有形財産の蓄積は無形

財産から生み出された結果であり、経営者は社会からの信用を獲得するために最上の努力

をすべきで、たとえどんなに利己心があろうとも、ほかのすべてを犠牲にしてまで信用を

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守り通さねばならない」と主張しているが、これは保険会社のみならず全ての企業に通じ

る価値観である。

企業の利益は、企業並びに経営者をはじめとする社員に対するステークホルダーの信頼

から生まれるものだ。ただ、これは現在の株式市場評価のメインストリームである財務諸

表には表れない要素である。

はじめにも述べたように、どんなに高邁な理念を掲げていても、それに反し、消費者を

犠牲にして利益を上げるような企業は、必ずやしっぺ返しを食らう。理念に反して事業を

行う企業はその事実が明るみに出た瞬間、どん底へ突き落される。そこから立ち直るのは

相当な苦労と時間がかかる。

ヒアリングを行った企業の中で、強く印象に残ったリンナイ株式会社(6-5リンナイ株式

会社参照)。同社は過去の事故に対し正面から向き合い、世代を越えて継承することを本当

に大切にしている。自社の理念を見直し、考え方や管理体制を大きく変えた。そして、社

員のメンタルの深い部分で理念を共有、日々業務に取り組ませることを肝に銘じている。

マスコミや世間の批判を真摯に受け止め、しかし決して腐ることはなかった。リンナイの

業績は今、右肩上がりだ。

このように、過去の失敗を教訓に努力をしている企業は少なからずある。だから、こう

いった企業を評価する風潮が、日本にもっとあっても良いはずだ。不祥事は決して起こっ

てはならないが、失敗を永遠に責め続けることは持続可能性には繋がらない。もし企業が

再生に向け誠意を持って動き始めたら、応援してほしい。如何せん、どん底を経験した企

業の結束は強いことを、企業訪問で感じたからである。

不祥事を起こした企業に対する見方だけでなく、リスクマネジメントの観点でも、投資

家側は今一度考え直すべきだ。非正規雇用の増加や情報化の進展など現代社会は、理念に

反する事業が世間に知れ渡る危険性を多分にはらんでいる。こういったリスクはすべての

企業が抱えているといっても過言ではなく、財務諸表のみでは把握し難い。先の各務鎌吉

の言葉にもあるように、有形財産は信頼という無形財産から生み出されることは言うまで

もない。証券業界も、企業の信頼を評価するようなスキームを企業、投資家、市民ととも

に確立しなければ、国連投資原則の目指す、持続可能な社会の構築は絵に描いた餅となる。

いつまでも財務評価にこだわる証券業界ならびに投資家に対して、このレポートが一石

を投じるものとなれば幸甚である。

8-4 学ぶこと・実践すること・生かすこと

私たちの生きる現代社会は、様々な課題で溢れている。小さな事件から大きな事件、流

行や景気も目まぐるしい勢いで変わっている。今回、ストックリーグに挑戦するにあたり、

チームで何時間もミーティングを重ね、「理念の浸透」こそ、社会問題の根本的な解決に繋

がるというテーマに至った。環境に配慮した製品・サービスの提供や CSR活動を展開して

いくには、利他心が大切だ。企業経営における持続可能性の意味とは、「企業は誰のものか」

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ではなく「企業は何のために存在するのか」を見出すことにある。それは、企業の存在意

義の本質が全て凝縮されている“理念”に立ち返ることではなかろうか。

ストックリーグを通して企業が大きな役割を担っていることを学び、投資という形で評

価したことで、それらの企業は今後の社会の構築に不可欠な存在であるという確信を得る

ことができた。また企業の理念には、「持続可能な~」や「未来のために」というフレーズ

が頻繁に使われているが、私たちも理念が目指す社会の一員である。今回学んだ多くのこ

とは、これから就職し社会人となる私たちの生活に、必ず活かして行きたいし、活きてく

ると感じている。

そして表紙で示した日本地図のように、各都道府県から東京へ集結した仲間と共に、日

本の企業の素晴らしさを学び、世界へ更に目を向け日々学んでいきたいと強く思っている。

最後に、このような学習機会を設けていただいた日経ストックリーグの関係者の皆様、

お忙しい中、ヒアリングやアンケート調査に快く対応していただいた企業の皆様、親身に

なって、厳しくそして温かく指導していただいた長谷川先生、共に切磋琢磨して刺激し合

ったゼミの仲間、粉骨砕身してレポートを作り上げたチームメイトに心からの御礼を申し

上げます。ありがとうございました。

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参考文献、参考 web、資料一覧

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