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1 / 48 第1章 米国再輸出規制ってなに? Q1 米国再輸出規制とはなんですか? 本文 Q2 どのような法律に基づいているのですか? 本文 Q3 BISやEARといった略語がわかりません! 本文 Q4 これら以外に規制はありますか? 本文 Q5 米国法の「関係法令集」はありますか? EARはどこで手に入れられますか? 本文 Q6 なぜ他国の法律なのに従わないといけないのですか? 本文 Q7 Q6のリストはどこに掲載されていますか? 効率よく検索する方法はありますか? 本文 Q8 日本国内での取引の場合に、EARの規制が適用されることはありますか? 本文 Q9 単にモノや技術を輸入する場合であっても、EARの規制対象となりますか? 本文 Q10 ホワイト国(別表第3の国)とリスト規制品でないものを取引する場合はどうなりますか? 本文 Q11 見なし輸出とはなんですか? 本文 Q12 米国製品を再輸出します。企業や大学はどのような審査を行えばいいのですか? 本文 Q13 そもそもEARの対象かどうかはどのように調べればいいのですか?米国原産品目であること 以外に何かEARの対象になるものはありますか? 本文 Q14 Q13の組込品、直接製品、直接製品のプラントからつくられた貨物について、詳しく教えて ください。 本文 Q15 de-minimis値とはなんですか? 本文 Q16 米国原産品目かどうかを見分けるのってけっこう労力がいるようなきがします。何かいい方 法はありませんか? 本文 Q17 日本では、食料品や木材といった安全保障上の輸出規制の対象からはずれるものがあります が、米国法ではどういったものがありますか? 本文 Q18 米国製品を米国に再輸出する場合、EARの規制対象になりますか? 本文 Q19 再輸出以降〟もずっと、永遠に、EARの規制対象ですか? 本文 Q20 EARの規制対象品目を再輸出した場合、日本企業としてはどこまで責任がありますか? 本文 Q21 EARには、日本の包括許可のようなものはありますか? 本文 Q22 日本国内のお客さんからEARについて聞かれますが、どの程度対応すればよいですか? 本文 第2章 米国政府への許可要否の判断? Q23 ECCNとはなんですか? EAR99とはなんですか? 本文 Q24 どうして、米国法では該非判定という作業がないのですか? 本文 Q25 ECCNはどこにありますか? 本文

第1章 米国再輸出規制ってなに? - CISTECcistec.or.jp/service/webseminar/free/data/houjin/... · 1 / 48 . 第1章 米国再輸出規制ってなに? q1 . 米国再輸出規制とはなんですか?

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第1章 米国再輸出規制ってなに?

Q1 米国再輸出規制とはなんですか? 本文

Q2 どのような法律に基づいているのですか? 本文

Q3 BISやEARといった略語がわかりません! 本文

Q4 これら以外に規制はありますか? 本文

Q5 米国法の「関係法令集」はありますか? EARはどこで手に入れられますか? 本文

Q6 なぜ他国の法律なのに従わないといけないのですか? 本文

Q7 Q6のリストはどこに掲載されていますか? 効率よく検索する方法はありますか? 本文

Q8 日本国内での取引の場合に、EARの規制が適用されることはありますか? 本文

Q9 単にモノや技術を輸入する場合であっても、EARの規制対象となりますか? 本文

Q10 ホワイト国(別表第3の国)とリスト規制品でないものを取引する場合はどうなりますか?

本文

Q11 見なし輸出とはなんですか? 本文

Q12 米国製品を再輸出します。企業や大学はどのような審査を行えばいいのですか? 本文

Q13 そもそもEARの対象かどうかはどのように調べればいいのですか?米国原産品目であること

以外に何かEARの対象になるものはありますか? 本文

Q14 Q13の組込品、直接製品、直接製品のプラントからつくられた貨物について、詳しく教えて

ください。 本文

Q15 de-minimis値とはなんですか? 本文

Q16 米国原産品目かどうかを見分けるのってけっこう労力がいるようなきがします。何かいい方

法はありませんか? 本文

Q17 日本では、食料品や木材といった安全保障上の輸出規制の対象からはずれるものがあります

が、米国法ではどういったものがありますか? 本文

Q18 米国製品を米国に再輸出する場合、EARの規制対象になりますか? 本文

Q19 “再輸出以降〟もずっと、永遠に、EARの規制対象ですか? 本文

Q20 EARの規制対象品目を再輸出した場合、日本企業としてはどこまで責任がありますか?

本文

Q21 EARには、日本の包括許可のようなものはありますか? 本文

Q22 日本国内のお客さんからEARについて聞かれますが、どの程度対応すればよいですか?

本文

第2章 米国政府への許可要否の判断?

Q23 ECCNとはなんですか? EAR99とはなんですか? 本文

Q24 どうして、米国法では該非判定という作業がないのですか? 本文

Q25 ECCNはどこにありますか? 本文

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2 / 48 Q26 ECCNの構成について教えてください。 本文

Q27 許可申請の判断は具体的にどのようにすればいいのですか? 本文

Q28 ECCNの決定は、メーカーの責任ですか? 再輸出者の責任ですか? 本文

Q29 複数の米国製品を購入して、1つの製品を日本で作った場合、ECCNはどうなりますか?

本文

Q30 ECCNがわからない、あるいはEAR対象品だとわからなかった場合は違反になりますか?

本文

Q31 例えば、米国からの購入品であれば、米国の輸出申告関連書類なんかに、ECCNが記載されて

いたりしないのですか? 本文

Q32 日本の代理店から購入した米国製品の場合、ECCNを教えてもらうことがかなりむつかしいで

す。そういった場合はどうすればいいですか。 本文

Q33 ECCNは変わることはありますか? 本文

Q34 「EAR99」と「ECCN〇〇999」は同じ意味ですか? 本文

Q35 EAR99を再輸出する場合は、仕向地や用途にかかわらず許可不要と考えていいですか?

本文

Q36 ECCNの2桁目がD(ソフトウェア)の場合、E(テクノロジー)の判定も必要ですか?

日本における技術の判定と頭がごっちゃになります。 本文

Q37 米国から、自社で使う製造機器を購入して、製品を作っています。この場合もECCNを調べた

り、米国法の管理は必要になりますか? 本文

Q38 日本原産の材料を米国の子会社へ輸出し、米国で熱処理加工を行い、その後加工済み材料を

日本に輸入しました。この材料は第三国への再輸出の際、米国法の管理対象となりますか?

本文

Q39 当社は、米国企業の日本現地法人です。日本や米国以外の国で作られた製品を日本から輸出

する場合、米国法の規制の対象となりますか?同じ製品を米国から他国に輸出する場合は、

EAR99に分類されるものです。 本文

第3章 許可例外ってなに?

Q40 許可例外とはなんですか? 本文

Q41 どのような許可例外があるのですか? 本文

許可例外 LVS (Shipments of Limited Value) 本文

許可例外 GBS (Shipments to Country Group B Countries) 本文

許可例外 CIV (Civil End-Users) 本文

許可例外 TSR (Technology and Software under Restriction) 本文

許可例外 APP (Computers) 本文

許可例外 TMP (Temporary Imports, Exports, Reexports, and Transfers (in-country))

本文

許可例外 RPL (Servicing and Replacement of Parts and Equipment) 本文

許可例外 GOV (Governments, International Organizations, International Inspections under

the CWC and The International Space Station) 本文

許可例外 GFT (Gift Parcels and Humanitarian Donations) 本文

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3 / 48 許可例外 TSU (Technology and Software Unrestricted) 本文

許可例外 BAG (Baggage) 本文

許可例外 AVS (Aircraft, Vessels and Spacecraft) 本文

許可例外 APR (Additional Permissive Reexport) 本文

許可例外 ENC (Encryption Commodities, Software and Technology) 本文

許可例外 STA (Strategic Trade Authorization)本文

許可例外 SCP (Support for the Cuban People) 本文

許可例外 CCD (Consumer Communications devices) 本文

Q42 適用できる許可例外はどのように調べればいいのですか? 本文

Q43 CCLに〝 List Based License Exceptions〟と書いてありますが、 これはどういう意味です

か? 本文

Q44 カントリーグループとはなんですか? 本文

Q45 許可例外TSRの「確約書」とはなんですか? 本文

Q46 確約書のフォーマットはありますか? 本文

Q47 買主から、確約書をもらえませんでした。どうすればいいでしょうか。 本文

Q48 許可例外RPLは、部品であればなんでも適用できますか? 本文

Q49 いざ交換部品が必要になった時では遅いので、あらかじめRPLを適用して交換部品を再輸出

しておくことはできますか? 本文

第4章 デミニミス・ルールってなに?

Q.50 組込製品とはなんですか? 本文

Q.51 米国製品目を組み込んだ日本製品目を輸出するときのECCNは、組み込まれた米国製品を主と

して考えるのか、完成品としての日本製品目で判断するか? 本文

Q.52 米国企業が米国製品を組み込んで、米国内で製造した製品も「米国原産組込品」ですか?

本文

Q.53 では、Made in Japanの米国製品組込品を米国から輸出する場合は、どうなりますか?

本文

Q.54 米国製品組込品を、日本から米国に輸出する場合はEARの規制対象ですか? 本文

Q.55 デミニミス計算の方法はどこに定義されていますか? 本文

Q.56 デミニミス計算の計算式を教えてください。 本文

Q.57 テロ支援国や禁輸国の場合、EAR99であっても分子に算入しなければならないということで

すか? 本文

Q.58 例えばキューバに組込品を輸出する際、組込比率が10%を超える場合は規制対象だというこ

とですが、このとき分子に算入するのは「すべての米国製品」ですか?たとえば、一般的な

ねじなど計算の対象にならないようなものもありますか? 本文

Q.59 フリーのソフトウェアはどのように計算すべきですか? 本文

Q.60 デミニミス計算の際、分母となる「日本で作った製品の価格」の考え方を教えてください。

本文

Q.61 計算の結果、デミニミスレベルを超えないのであれば、BISへの許可も必要ないということで

すか? 本文

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Q.62 米国から購入したドイツ製の部品を組み込む場合は、デミニミスはどうなりますか?本文

Q.63 5D992の米国暗号ソフトが組み込まれていても、貨物のデミニミス計算で10%以下となれ

ば、その貨物はイランへ輸出できますか?イランへの再輸出を考える際、貨物とソフトを合

わせてデミニミス計算してもいいでしょうか? 本文

Q.64 マスマーケットソフトウェアを弊社が開発する日本製のハード製品にバンドルして販売して

います。使用しているソフトウェアは米国製のもののみで、その組込比率は10%以下です。

EAR対象外としてもいいでしょうか?本文

第5章 エンドユース/エンドユーザー規制ってなに?

Q.65 エンドユース・エンドユーザー規制とは何ですか? 本文

Q.66 EARの規制対象品目をストック販売する際、最終需要者は未確定です。どうすればいいです

か? 本文

Q.67 エンティティ・リストに掲載された顧客とは、どのような品目も取引できないのですか?

本文

Q.68 対中国軍事エンドユース規制の「中国」とは、カントリーグループD:1の中国本土のみを対象

と考えていいですか?マカオや香港は対中軍事エンドユースの管理対象外と考えていいです

か? 本文

Q.69 中国に対して、民生用途であることを確認して米国原産品を再輸出しましたが、のちに、中

国の軍事企業の工場で使われていることがわかりました。違反になりますか? 本文

Q.70 一度でも、DPLやエンティティ・リスト等に掲載された企業とは、たとえその後リストから

外れた後であっても、取引するのがはばかられます。そういう企業とはどのようにつきあえ

ばいいのでしょうか。 本文

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Q1 米国再輸出規制とはなんですか?

再輸出規制とはどういうものか、まずはイメージをつかみましょう。

米国製の製品、技術、ソフトウェア等が、米国から輸出された後に、当該製品を輸入した国から

さらに第三国へ輸出されることを〝再〟輸出といいます。製品等が再輸出される場合、その製品

等がもともと米国からの直接輸出が規制されているものであれば、再輸出の際にも同等の規制を

受けるのです。これを米国による再輸出規制と言います。

根拠は EAR§734.2 に

あるよ!

EAR§734.2 Important EAR terms and principles (b)(4) Definition of reexport. ‘‘Reexport’’ means an actual shipment or

transmission of items subject to the EAR from one foreign country to

another foreign country; or release of technology or software subject to

the EAR to a foreign national outside the United States

米国製品 輸出

米国製品

アメリカ 日本

米国製品

日本・米国以外の

第三国

再輸出

輸出国の法律(米国法)に基づく輸出規制

輸出国の法律(外為法)に基づく輸出規制

米国法に基づく輸出規制(再輸出規制)

アメリカからみて「再び

輸出される」から〝再輸

出〟なのね~! +

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Q2 どのような法律に基づいているのですか?

Q3 BISやEARといった略語がわかりません!

デュアル・ユース品目

(+機微度の低い武器品目) 軍事品目

監督省庁 商務省産業安全保障局=BIS

(The Bureau of Industry and Security at

U.S. Department of Commerce)

国務省防衛取引管理局=DDTC

(The Directorate of Defense Trade Controls at

U.S. Department of State)

根拠法

Law 1979 年輸出管理法ECRA へ

(The Export Administration Act of 1979:EAA)

1976 年武器輸出管理法

(The Arms Export Control Act)

規則

Regulations

輸出管理規則

(The Export Administration Regulations: EAR)

国際武器取引規則

(The International Traffic in Arms Regulations: ITAR)

リスト 商務省規制リスト

(Commerce Control List: CCL)

米国軍事品目リスト

(U.S. Munitions List: USML)

その他

■79 年 EAA は 2001 年から 2018 年まで失効して

いたため、その間は、国際緊急経済権限法

(International Emergency Economic Powers Act:

IEEPA)のもとでのデュアル・ユース品管理してき

た。後述の通り、2018 年に、ECRA という法律が制

定された。

■再輸出規制は、米国輸出時の許可条件に従う

■違反者は DPL に掲載されることもある

■「シースルー・ルール」がある

法律については、以下の表の通りです。米国には大きく分けて二つの法律とその下位

の規則や規制リストがあります。一つはBISが管轄するデュアルユース品(と機微度

の低い武器品目)を管理するもの。もう一つは、国務省が管轄する武器を管理するも

のです。BISやEARについては、下の表をご確認ください。

日本の法令は、貨物と技術で法令が分かれて

いて、かつ、階層構造になっているから、そ

れらすべてに目を通さないといけないけれ

ど、米国法では、〝EAR〝という規則をみる

だけで OK だよ!

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Q4 これら以外に規制はありますか?

Q5 米国法の「関係法令集」はありますか? EARはどこで手に入れられますか?

デュアルユース品(と機微度の低い武器品目)を管理するEARと、武器を管理する

ITARの他にも、色々な規制があります。米国では、規制品目によって所管する官庁が

異なります。網羅的に記すと、以下のような形になりますが、まずは、EARやITAR、

そして、財務省による金融制裁や、CFIUSによる投資規制等をおさえてください。

ありません。検索エンジンに「U.S. BIS」と入れて、BISのホームページにアクセス

し、ご自身でPDFをダウンロードしてファイルしてください。マイ法令集EAR版を作

るイメージです。

EAR はここからダウンロードできます!

https://www.bis.doc.gov/index.php/regulations/export-administration-

regulations-ear

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Q6 なぜ他国の法律なのに従わないといけないのですか?

リスト名称 管轄省庁 内容

Denied Persons List

(DPL)

商務省

BIS

EAR に違反して輸出取引権限をはく奪されている個人・企業・機関が掲載されて

いる。DPL に掲載された企業と取引すること禁止されている。DP に指定される

ということは、実質米国の市場から締め出されることを意味する。

*日本国内においてリストに掲載されている企業・個人・団体等と取引すること

も要許可(許可申請しても原則不許可)

Entity List

エンティティ・リスト

EAR

Part744

Supplement No.4

商務省

BIS

米国の安全保障・外交政策上の利益に反する、又は大量破壊兵器の開発等に関与

した企業等のリスト。EAR Part744 Supplement No.4 において掲載され、官報に

おいて随時アップデートが公表される。日本の企業や大学が米国製品を再輸出す

る際は、DPL 同様必ず確認する必要がある。

*日本国内においてリストに掲載されている企業・個人・団体等と取引すること

も要許可(許可申請しても原則不許可)

Unverified List

EAR §744.15

商務省

BIS

輸出許可審査時や出荷後確認(PSV)時において懸念が払拭できなかったとし

て、米商務省が公表した企業・機関等が掲載されているリスト。未承認エンドユ

ーザーリストとも訳される。特に不正転売や WMD 拡散リスクの観点から、EAR

の禁止事項に当てはまらないことを念入りにチェックする必要がある。具体的に

は、掲載顧客と取引する場合は、許可例外は適用できず、また個別許可の取得が

不要な場合は UVL 文書を入手しなければならない。EAR §744.15 で公表されて

いる。*日本国内の取引も規制対象なので慎重に審査を要する

Speciall

Designated Nationals

List

(SDN リスト)

財務省

OFAC

国連制裁国、米国禁輸国、テロ支援国の政府関係機関、関連企業等の企業・個人

のリストを指す。違反者リストではないが、掲載企業・個人への米国人の関与を

禁止している。なお、イラン、ロシア、北朝鮮の掲載者については、EAR 対象品

目かどうかを問わず、非米国人も取引が禁止される(二次制裁)。また、テロ組織

や大量破壊兵器拡散者(NPWMD)なども掲載されており、これらの掲載者向けに

EAR 規制対象品目を輸出・再輸出又は国内移転する場合には BIS の許可が必要で

ある。

Debarred List 国 務 省

DDTC

武器輸出管理法(AECA)に違反した取引禁止のリスト。国務省が管轄する ITAR

の下で、輸出権限を剥奪されている企業・個人が掲載されている。EAR 規制対象

品を輸出することは禁止されてはいないが、取引には警戒を要する。

輸出管理は国家安全保障の観点から極めて重要な規制でありますので、米国は米国以

外の国から米国製品等が不法に移転されることをとても警戒しています。そして非米

国の企業や大学であっても、米国法に違反すると、下記のような、いわゆる制裁リス

トに掲載されてしまい、米国製品や技術を一切調達できなくなったり、罰金を支払っ

たりしなくてはいけません。ちなみに制裁者リストとは、このようなものがありま

こうしたリストに名前が載ってしまったら、要するに米国企業と一切取引できないばかりか、世界中の企業

からも取引してもらえなくなる可能性もあるのか(涙)

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Q7 Q6のリストはどこに掲載されていますか? 効率よく検索する方法はありますか?

米・商務省BISのホームページに掲載されています。検索エンジンに「U.S. BIS」と入力

して、BISのトップページにはいってください。

トップページの中ほどにある

Exporter Portalをクリックする

Exporter portalのなかの Lists to

Checkをクリックする

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DPL、エンティティ・リスト、

Unverified List にそれぞれ

ここからアクセスできる。

Consolidated Screening Listは、米国政府が出している禁止顧客や懸念顧客の11のリ

ストを「統合」したもので、オバマ政権時の輸出規制改革のときに、輸出者等の利便

性の向上のためにつくられました。CISTECのChaser検索システムに加入していないけ

れど、米国の禁止&懸念顧客を調べたい場合は、このシステムを使ってください。

そこでおすすめなのが、コレ!!

Consolidated Screening List です。

でも、これらの

リストを一つず

つ調べるのって

大変ですね。

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外部サイトに移動するか聞かれるので、Continue to the external site をクリックすると・・・

顧客の名称の一部を入力し、検索を行う

このように商務省、財務省、国務省等の11のリストを一括して検索できるエンジンが起動する。

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ページの下部に検索結果が表示される

ちなみに…

CISTEC の「CHASER コーナー」

の会員になると、様々な国の

輸出規制に関するリストを統

合したデータを一括検索でき

ます。このサービスは情報収

集の範囲が大変広く、横断検

索ができるため、企業や大学

の危機管理上のリスク分析に

適しています。

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Q8 日本国内での取引の場合に、EARの規制が適用されることはありますか?

Q9 単にモノや技術を輸入する場合であっても、EARの規制対象となりますか?

Q10 ホワイト国(別表第3の国)とリスト規制品でないものを取引する場合はどうなりますか?

適用されることがあります。DPLやEntity List掲載者とのEAR対象品目の取引は日本国

内における取引であってもBISの許可が必要です。またEAR規制対象の技術やソース

コードを日本や米国の国籍を有しない者に「日本国内で」開示することも、規制対象

の行為です。これは「みなし再輸出」と呼ばれる規制です。その他、大量破壊兵器関

連のエンドユース・エンドユーザー規制により、日本国内の取引(移転)であっても

米国政府の許可が必要になることがあります。

根拠は EAR§734.2

にあるよ!

Deemed reexport(み

なし再輸出)という

用語に注目してね。

EAR§734.2 Important EAR terms and principles

(5) Reexport of technology or software. Any release of

technology or source code subject to the EAR to a foreign

national of another country is a deemed reexport to the home

country or countries of the foreign national. However, this

deemed reexport definition does not apply to persons lawfully

admitted for permanent residence. The term ‘‘release’’ is

defined in paragraph (b)(3) of this section. Note that the release

of any item to any party with knowledge or reason to know a

violation is about to occur is prohibited by § 736.2(b)(10) of the

EAR.

規制対象になることがあります。DPL掲載者からEAR対象品目を輸入(購入)することは

許可対象であり原則許可はおりません。(EAR Part 764 Supp.No.1)

米国法には「ホワイト国」という指定はありません。米国製品・技術を取り扱ってい

る企業や大学は、ホワイト国という概念はいったん忘れて、BISが示している管理フロ

ー(後ほど説明します)に従って、管理を行ってください。

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Q11 見なし輸出とはなんですか?

見なし輸出/みなし再輸出は、技術やソースコードを移転・開示する際の用語です。

英語ではDeemed export/Deemed Re-exportと表します。

技術やソースコード

技術移転

みなし再輸出

米国原産技術

米国以外の J国において、J国以外の国籍保持者に対し

て、米国原産技術を移転することは、技術の再輸出が行

われたと「みなす...

」=みなし再.輸出

輸出 再輸出 モノ

米国から品目が輸出される その品目が日本から第三国に輸出

米国からみるとそれは「再輸出」となる。

これは〝モノ〟の場合。米国から輸出された貨物が、輸入国から再び輸出されると

き、米国から見てそれを再輸出という、ということ。では、技術やソースコードの

場合はどうなるかというと…

技術移転

みなし輸出

米国原産技術

アメリカ国内におけるフランス人に対する技術移転であ

っても、「フランス国」への技術輸出と「みなす...

」=みな

し輸出。

米国法の場合は、国籍で判断するというところがポイントね!日本の法令では技術提

供の履行地と居住性が判断基準になるから、日米における技術移転規制の考え方の違

いをおさえておかないと、ミスが起こる可能性があるわね。しかも、みなし再輸出ま

であるし。

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Q12 米国製品を再輸出します。企業や大学はどのような審査を行えばいいのですか?

みなし再輸出でミスが起こるのはどういうときだと思いますか?

EAR 732 Supp No.1とNo.2に、Decision Tree とAm I Subject to the EAR ?が掲載されて

います。基本的にはこれに従って審査をしていきましょう。

仕向地が禁輸国、テロ支援国か?用途や顧客はどうか?

例えば、日本国内の企業に勤める外国人(非米国人)って、日本の法令上は居住者

になりますよね。だから外為法上では、この外国人に技術提供することは許可申請

の対象にはなりません。でも、国籍で判断する米国法だと、この外国人への(米国

原産の)技術提供を行うことは、外国籍保持者への技術提供ということで、みなし

再輸出になるってこと。だから、日本国内において同一企業や同一大学にいる外国

人に対して、米国原産の技術を提供するときは十分な注意が必要だということで

す。実際に「みなし再輸出」の違反で罰金刑等の制裁を受けたシンガポールの企業

もあります。

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Q13 そもそもEARの対象かどうかはどのように調べればいいのですか?米国原産品目であること

以外に何かEARの対象になるものはありますか?

EARに対応する際は、4つのWを確認するということを覚えておいてくださ

い。

① What are you exporting ? (何を輸出するか=輸出品目の確認)

EARの規制対象か?

ECCNありかEAR99か?

規制理由は?(Reason for Control)

許可例外は何が使える?

② Where are you exporting ? (どこに輸出するか=仕向地の確認)

カントリーチャートの確認

③ Who will receive your item ? (誰が購入するのか?=需要者の確認)

エンドユーザーチェック

④ What will your item be used for ? (何に使われるのか?=用途の確認)

エンドユースの確認

大変重要なポイントです。再輸出規制の対象としては、

① 米国原産品目

② 米国品目を一定以上組み込んだ組込品

③ 米国原産技術やソフトウェアからつくられた直接製品

④ 直接製品のプラントからつくられた貨物

*ただし、米国国内の輸出者は、これ以外に、「米国国内にあるすべての品目(貨

物・技術・ソフトウェア)」も規制の対象です。米国内にあるすべての品目ですか

ら、原産国は関係ありません。米国から出ていく品目に関しては、原産国がどこの

ものであってもEARの対象として管理が必要です。

再輸出者である日本の企業や大学は①~④について検討すれば

いいってことですね!

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Q14 Q13の組込品、直接製品、直接製品のプラントからつくられた貨物について、詳しく教えて

ください。

【米国製品の組込品】

①規制対象の米国原産の貨物を込みこんだ非米国製貨物

(Foreign-made commodities)

こうしたものであって、Part734.4(c)

と(d)で規定されている de-minimis 値

を超えるものは許可要否判断の対象

となる。逆に言えば、de-minimis 値を

超えない限りは、EAR の対象とはなら

ないので、許可要否判断を行わずに許

可不要と判断できる。

②規制対象の米国原産ソフトウェアをバンドルした非米

国製貨物(Foreign-made commodities)

③規制対象の米国原産ソフトウェアを混合した非米国製

ソフトウェア(Foreign-made software)

④規制対象の米国原産技術(technology)を混合した非

米国製技術(Foreign-made technology)

【直接製品】

米国原産の技術又はソフトウェアを用いて外国で製造さ

れた製品のこと。

具体的には、

① CCL の規制理由欄(Reason for Control)が、 NS 規制

(国家安全保障理由の規制)。

② かつ購入時に、購入元に対して「確約書」の提出が求

められた

上記①と②のどちらも満たす米国原産の技術・ソフトウ

ェアを使って、日本で製品を作った場合、その Made in

Japan の製品は、「直接製品」と呼ばれる。要するに、米

国の技術を使って直接的につくられた製品という意味。

なお、米国原産の技術又はソフトウェ

アの直接製品である米国外にあるプ

ラント又は主要コンポーネントによ

って生産された商品についても、EAR

の対象となる。

Q15 de-minimis値とはなんですか?

下記の表を見て、組込品と直接製品の概要をつかんでください。

de-minimis値とは、非米国製品目の価格における米国原産品目の価格比率によって、

EARの対象品目かどうかを判断するルールであり、EAR Part 734.4に記載されていま

す。詳しい計算方法はのちほど解説しますが、まずは、下記の図を見て、概要をつか

んでください。

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日本製貨物 A

EARの対象外です

非米国製品に組み込まれた米国製品の

価格が全体の 10%以下の場合

米国原産品 価格比率 10%以下

非米国製品に組み込まれた米国製品の

価格が全体の 10%超 25%以下の場合 日本製貨物 B

米国原産品 価格比率 25%以下

EARの対象外です。

(ただし仕向先がテロ

支援国の場合には EAR

の対象です)

非米国製品に組み込まれた米国製品の

価格が全体の 25%以上

米国原産品 価格比率 25%以上

EARの対象です。

日本製貨物 C

一般的には「25パーセント」が判断の分岐点となるけれど、仕向先がテロ支援国で

ある場合には、「10パーセント」が判断の分岐点になるってことね。

組込比率の計算については、後ほど解説します!

(Q.50 へ)

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The following items are not subject to the EAR.―EAR の対象にならないもの―

(1) 国家安全保障又は外交政策上の目的により商務省以外の他の省庁(国務省、財務省、NRC、エ

ネルギー省、特許商標局、国防総省等)によって独占的に規制されている品目

(=つまり商務省が管轄する EAR による規制ではなく、他省が規制しているという意味)

(2)

書籍、パンフレット、新聞や定期刊行物、及びそれらの内容を録音したレコード、絵本、楽譜、カレ

ンダー、地図、海図、地図帳、地球儀、マイクロフィルムや映画のフィルムやサウンドトラック等

(3) 公知の技術及びソフトウェア

(i)Are published, as described in § 734.7; 出版されたもの(詳細は734.7参照)

(ii)Arise during, or result from, fundamental

research, as described in § 734.8;

基礎研究による結果又はその途中経過のもの

(詳細は 734.8 参照)

(iii) Are released by instruction in a catalog

course or associated teaching laboratory of an

academic institution;

学術研究機関における科目一覧やシラバスに掲

載されているような授業内容

Q16 米国原産品目かどうかを見分けるのってけっこう労力がいるようなきがします。何かいい方

法はありませんか?

Q17 日本では、食料品や木材といった安全保障上の輸出規制の対象からはずれるものがあります

が、米国法ではどういったものがありますか?

確かに、組込品のことまで考えると米国原産品を特定するのは大変な場合があると思

います。そこで、わが寺子屋でお勧めしているのは、米国から買ってきたもの(米国

から輸入したもの)については、すべてEARの規制対象とみなして、外為法の輸出管

理に加えて米国法の輸出管理も行うといいと思います。これを寺子屋では「みなし管

理」と呼んでいます。EAR対象品と〝みなして〟管理をするという、リスクマネジメ

ントですね。

米国法では、日本における食料品や木材のように、輸出規制からはずれるものはあり

ません。あとで説明する規制品目分類番号(ECCN)を持たない品目であっても、それ

はEAR99と呼ばれ、やはりEARの規制対象として管理をする必要があります。「ホワ

イト国」と「除外品が無い」ということが、日本の規制との大きな違いです。

米国法ではいったんすべての品目(貨物、技術、ソフトウェア)を規制対象に

し、そこから許可不要や許可例外の適用可否を判断していくという考え方なん

ですよね。ただし、規制からまったくはずされているものもあります。(EAR

734.3)

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20 / 48 (iv) Appear in patents or open (published)

patent applications available from or at any

patent office, unless covered by an invention

secrecy order, or are otherwise patent

information as described in § 734.10;

特許又は特許出願に関するもの(ただし、発明に

関する機密事項となっていないもの)

(詳細は 734.10 参照)

(v) Are non-proprietary system descriptions; or 機密でないシステムに関する記述

(vi) Are telemetry data as defined in Note 2 to

Category 9, Product Group E (see Supplement

No. 1 to part 774 of the EAR).

EAR のカテゴリー9(グループ E)に関する注記2

で定義されているテレメトリデータ

(テレメトリデータとは電送されてくる衛星やロケッ

トの本体及び内部機器に関する種々の情報のこ

と。主なものに、電圧、電流、温度、圧力、送信

/受信電力、その他太陽照射角、機器の ON/

OFF など)

Note (2)及び(3)に対する注記

暗号ソースコードが記載された出版物または他の印刷物は EAR の対象ではない。しかしながら、

電子的な形式やメディア(CD-Rom 等)に記録された暗号ソースコードは EAR の対象である。また

“Publicly available(公知)“の要件(§742.15 参照)を満たす ECCN-5D002 に分類されるソースコ

ード及びそれに基づく暗号オブジェクトコード(ソフトウェア)は EAR の対象ではない。

Note (3)に対する注記 この章のパート760で記載されているものを除いて、「技術」の定義にあてはまらない情

報は、EARの対象にはならない。

Q18 米国製品を米国に再輸出する場合、EARの規制対象になりますか?

基本的には、米国製品等を米国に輸出することは、EARの規制対象行為とはならず、

許可不要です。(ただし、リスト規制品である場合は、外為法の許可は必要ですよ)

もしくは、許可例外APR(米国への返却)の適用も可能です。(許可例外については、

のちほど説明します)

塾長が「基本的には」と言っているのは、米国企業の中にもDPLに掲載されている企業があ

るからです。DPL掲載企業との取引は禁止されているので、その点は注意が必要です。

根拠は EAR§734.2 にあ

るよ!

EAR§734.2 (4) Definition of reexport. ‘‘Reexport’’ means an actual shipment or transmission

of items subject to the EAR from one foreign country to another foreign country;

or release of technology or software subject to the EAR to a foreign national outside

the United States, as described in paragraph (b)(5) of this section.

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Q19 “再輸出以降〟もずっと、永遠に、EARの規制対象ですか?

Q20 EARの規制対象品目を再輸出した場合、日本企業としてはどこまで責任がありますか?

Q21 EARには、日本の包括許可のようなものはありますか?

Q22 日本国内のお客さんからEARについて聞かれますが、どの程度対応すればよいですか?

EARの規制対象品目である以上は、再輸出以降もずっと、永遠に、EARの規制対象と

なります。米国製品を米国企業から購入し、それを第三国に輸出するときは「再輸

出規制」(←あなたの責任)。その第三国の企業がまた別の国に輸出する場合は

(再々輸出規制とはいいませんが)やはり、EARの規制対象として、第三国の輸入者

が米国法に基づく管理をする必要があります。仕向国が変われば、許可要否も変わ

ってくる場合があるので、再輸出と再々輸出では、許可の要否が変わることもある

でしょう。

基本的には、何事も輸出者の責任です。つまり、購入したものを輸出する企業が輸出

管理をしなければなりません。あなたが販売する立場の場合、あなたの責任として

は、販売するものがEARの対象であることや、ECCNを教えてあげること等でしょう。

あとは、何か起こった時に米国政府が売り先とあなたが、EAR違反を共謀・ほう助し

たと思われないよう、必要に応じて記録を残しておくべきでしょう。

以前は日本でいうところの「特定包括許可」のようなものが、ありましたが、現在で

はありません。基本的に米国では、リスト規制品であっても、許可申請不要という場

合が多くあるため、日本でいうところの一般包括許可のようなものが必要ないからで

す。ちなみに個別許可の有効期限は通常4年間で、許可された品目を許可された範囲

内の数量で同一顧客に輸出することができます。

当該製品がEARの規制対象となっているか、ECCNは何か等、分かる範囲で回答すれば

いいと思います。

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Q23 ECCNとはなんですか? EAR99とはなんですか?

Q24 どうして、米国法では該非判定という作業がないのですか?

米国法では、「該非判定」という用語は使わない。

ECCN のを特定すること、そして CCL を使って米国政府へ

の許可が必要かどうかを判定することが最重要ポイント

ECCNとは、Export Control Classification Numberの頭文字をとったもので、日本

語としては、規制品目分類番号と呼ばれています。日本の法令でいうところ

の、項番とさらにその下の枝番とイメージしてください(あくまでイメージで

す。あとで説明する通り、ECCNと日本の項番では構成がまったく異なりま

す)。また、EAR対象でありながら、ECCNをもたない品目については、EAR99

というリスト外規制品の意味を持つ番号が付与されます。

また、該非判定という作業がないという点については、厳密いうと、「該非判

定」が「ない」ということではありませんので、注意してください。日本の法

令でいうところの「該非判定」という作業は、米国法においても実施します。

しかし、いわゆる「該当」になったからといって、すぐに許可申請とはならな

いのが、米国法の大きな特徴です。それには、リストの構造と許可例外の適用

に関係があります。日本の法令では、各項の「中欄に掲げるもの」であって、

かつ貨物等省令で決められている詳細スペックに合致すれば、「リスト規制該

当」となり原則許可が必要になります。米国法での輸出審査の場合は、基本は

ECCNの特定から始め、この部分は日本の項番特定の部分と重なります。しか

し、そこからが異なり、ECCNが特定されてもすぐに許可申請、というわけでは

ないのです(米国法の判定については、Q12を参照のこと)。まとめると次のペ

ージのような全体イメージです。決して、該非判定という作業が「ない」とい

うことではありませんから、誤解しないようにしてください。

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輸出貿易管理令別表第1

→項番を探す

外為令別表

→項番を探す

貨物等省令で貨物の詳細

な規制スペックを調べる

貨物等省令で貨物の詳細

な規制スペックを調べる

該当であれば、経済産業大臣の許可を

受けなければ輸出(提供)はできない。

EAR Part774 Supp. No.1 の

Alphabetical Index to the

Commerce Control List で

ECCN を探す

CCL において、その ECCN の記載されてい

る箇所を探し、スペックの確認を行う

カントリーチャートを調べる

(仕向け先がどの国かによって、許可申請

の要否が変わってくる)

適用できる許可例外を CCL で調べる

適用できる許可例外等がなければ、

米国商務省の許可がなければ輸出(提供)できない。

許可申請までの日米比較

日米、共に、事前のライセンス制だよ!

違反すると、刑事罰、行政制裁があるよ!

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Q25 ECCNはどこにありますか?

Q26 ECCNの構成について教えてください。

EAR Part 774 Supp. NO.1のCCL(Commerce control List)に掲載されています。

カテゴリー0~9までの規制リストのいわゆる本体部分のほかに、規制品目の名称を

アルファベットオーダーにして、当該品目のECCNを記した索引もあります

(Alphabetical Index to the Commerce Control List)。

ECCNは、5桁の数字とアルファベットから成り立っていてそれぞれの数字とアルファ

ベットに意味があります。

4 A 0 0 3

1桁目のカテゴリーの詳細は、以下の通りです。日本の別表第一のカテゴリーと似て

いるでしょう?

ECCNの付番は、米国独自規制品目を除いて、基本的には欧州の番号とほぼ同じだと思

ってください。

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カテゴリー 品目 分類番号 品目例

0 核物質、核施設、装置及びその他 0A001~0E984 各ECCN

に分類されないものは、すべて

EAR99

である

1 材料、化学物質、細菌、

有毒物質等

1A001~1E998 1C005:超電導材

2 材料加工 2A001~2E994 2A001:ベアリング

3 エレクトロニクス 3A001~3E991 3A001:半導体

4 コンピュータ 4A001~4E993 4A003:ディジタル計算機

5 通信・情報セキュリティ 5A001~5E992 5D002:暗号ソフト

6 センサー・レーザー 6A001~6E993 6A008:レーダシステム

7 航法装置、航空電子 7A001~7E994 7A003:慣性航行装置

8 海洋技術 8A001~8E992 8A001:潜水艦

9 航空宇宙及び推進 9A001~9E993 9A001:ガスタービンエンジン

注意点としては、EAR99ですね。EAR99は、これらのカテゴリーのどのECCNにも当て

はまらないバスケット項番です。各カテゴリーの最後にそのように書かれてあります

ので、一度原文を見てみてくださいね。

通常、「CCL 記載の品目」と言えば、ECCN を持つ品目のことです。

「EAR の対象品目」というときは、ECCN を持つ品目と EAR99 の両方をさします。

4 A 0 0 3

4 A 0 0 3

2桁目は品目の形態です。日本の法令との大きな違いは、日本のように、リストが貨物

と技術に分かれていないという点でしょう。つまり米国法では、ECCN上で、貨物か技

術かソフトウェアか…といったことがわかるようになっているのです。具体的には、

ECCNの2桁目を見ることによって、品目の形態がわかります。

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2 レター 正式英語名 日本語訳

AT Anti-Terrorism テロ活動防止規制

CB Chemical & Biological Weapons 化学・生物兵器関連拡散防止規制

CC Crime Control 犯罪防止規制

CW Chemical Weapons Convention 化学兵器禁止条約規制

EI Encryption Items 暗号規制

FC Firearms Convention 小火器条約規制

MT Missile Technology ミサイル関連拡散防止規制

NS National Security 国家安全保障規制

NP Nuclear Non-proliferation 核拡散防止規制

RS Regional Stability 地域安定規制

SS Short Supply 不足物資規制

UN United Nation Sanction 国連制裁規制

SI Significant Items 重要品目規制

SL Surreptitious Listening 通信傍受防止規制

4 A 0 0 3

3桁目は、規制理由です。米国法では、品目ごとに、どういった理由で規制している

のかということを明示しています。3桁目には0~9の数字が割り当てられ、どういう

規制なのかというおおよその分類がわかります。ただし、3桁目でわかるのはおおよそ

の理由なので、詳細についてはCCLを確認する必要があります。

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Q27 許可申請の判断は具体的にどのようにすればいいのですか?

Step 1 ECCN を探す Alphabetical Index to the Commerce Control List

@EAR Part 774 Supp. NO.1

Step 2 CCL を参照し、輸出する品目とス

ペックを照らし合わせる

CCL

@EAR Part 774 Supp. NO.1

Step 3 輸出する品目の規制理由や規制

レベルを確認する

CCL

@EAR Part 774 Supp. NO.1

Step 4 カントリーチャートで、仕向国と

規制理由の交わる場所に×があ

るかないかを調べる

Commerce Country Chart

@EAR Part738 Supplement No.1

Step 5 許可例外の適用可否を確認する License Exceptions

@EAR Part740

4 A 0 0 3

4桁目は、米国における独自規制かそうでないかということを識別する2つの数字のい

ずれかが入ります。4桁目が9であれば独自規制、それ以外の数字であれば多国間レジ

ームで行っている規制ということです。

4 A 0 0 3

5桁目は、品目ごとに割り当てられている通し番号です。ただし、カテゴリー5(通信/

情報セキュリティ)では、5桁目の数字が、「1」の場合には通信関連の品目であり、「2」

の場合には暗号関連の品目となっています!

おおまかにいえば、以下のような手順になります。詳細は、こちらの書籍を購入してく

ださい。

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ると購入ページに

いけます

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Q28 ECCNの決定は、メーカーの責任ですか? 再輸出者の責任ですか?

Q29 複数の米国製品を購入して、1つの製品を日本で作った場合、ECCNはどうなりますか?

Q30 ECCNがわからない、あるいはEAR対象品だとわからなかった場合は違反になりますか?

Q31 例えば、米国からの購入品であれば、米国の輸出申告関連書類なんかに、ECCNが記載されて

いたりしないのですか?

再輸出者の責任です。

出来上がった製品がEAR対象となる場合、つまり組込比率が25%(テロ支援国

向けには10%)以上である場合は、組み込まれた米国製品のここのECCNには関

係なく、完成品としての機能・性能からECCNを判定します。この製品を日本か

ら輸出する際、リスト規制品であれば経済産業大臣の許可を取得すると同時

に、再輸出規制の対象でもありますので、米国法の許可要否の判断も行い、許

可が必要な場合には、米国政府に申請に再輸出許可の申請にいきます。

ECCNの特定は、米国政府への輸出許可の要否の判断に直結してきます。再輸出者

自身で判定をするか、できない場合は輸入元・販売元に聞くか、BISに問い合わせ

るなどの方法で、必ず調べるようにしてください。

調達元に聞けば、ほとんどの企業は、ECCN を把握しているはずです。また大手のベン

ダーやメーカーは自社のホームページで ECCN を公開しているところもありますよ。

一般的には記載されていません。EARではECCNの通知の義務は課されていないか

らです。ただし、許可例外STAを適用する場合や、600番台品目(国務省から商

務省に移管された機微度の低い武器品目は、ECCNの3桁目「6」になります。そ

ういう品目は「600番台の品目」と呼びます)の場合は、ECCNを通知する義務

が米国側の輸出者にはあります。

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Q32 日本の代理店から購入した米国製品の場合、ECCNを教えてもらうことがかなりむつかしいで

す。そういった場合はどうすればいいですか。

Q33 ECCNは変わることはありますか?

Q34 「EAR99」と「ECCN〇〇999」は同じ意味ですか?

Q35 EAR99を再輸出する場合は、仕向地や用途にかかわらず許可不要と考えていいですか?

米国製品である以上は、EAR対象品目であることは間違いないので、判定には絶

対にECCNが必要になります。例えば調達元から入手したカタログや公表されて

いるスペック等の情報をもとに自社でECCN判定をするしかありません。その

際、輸出貿易管理令や外為令の別表と照らし合わせて、だいたいのあたりを付け

てから、ECCNを探すと効率的です。代理店が教えてくれなくても、違反は違反

です。もう一つの方法は、入手した仕様書などの情報をもとに、BISに判定のリ

クエストをすることもできます。再輸出者はBISにECCNを問い合わせる権利をも

っています。SNAP-Rというシステムを使って、関係書類をきちんと揃えて依頼

すると、通常は1-2週間で回答をしてくれるようです

外為法下において、該当項番が変わることがあるのと同じで、国際レジームでの

合意事項を反映させたり、米国独自規制品目を追加したり、色々な理由により、

ECCNが変わることはあります。外為法下での輸出管理の際、法令改正が行われる

たびに該非判定書類を見直すのと同様、EARの改定があった場合には、ECCNの見

直しを行ってください。

EAR99は「リスト外規制品」で、ECCNは持っていないけれど、EARの規制対象とい

う品目です。日本でいうところの16項品目に近いイメージです。他方、ECCNに99と

いう数字が入っている場合は、Q.26で詳しく解説した通り、3桁目・4桁目に9が入っ

ている(〇〇99〇とか〇〇999)場合は米国独自規制という意味です。なので、

EAR99とECCNに99が入っているのでは、意味はまったく異なります。

このご質問はよくいただきますが、これは誤った考え方です。外為法に置き換えま

すと、16項品目(キャッチオール対象品目)を用途審査・顧客審査を行わずに輸

出してもいいですか?という質問と同じです。EAR99であっても、用途、需要者等

のチェックをする必要があります。

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Q36 ECCNの2桁目がD(ソフトウェア)の場合、E(テクノロジー)の判定も必要ですか?

日本における技術の判定と頭がごっちゃになります。

Q37 米国から、自社で使う製造機器を購入して、製品を作っています。この場合もECCNを調べた

り、米国法の管理は必要になりますか?

Q38 日本原産の材料を米国の子会社へ輸出し、米国で熱処理加工を行い、その後加工済み材料を

日本に輸入しました。この材料は第三国への再輸出の際、米国法の管理対象となりますか?

Q39 当社は、米国企業の日本現地法人です。日本や米国以外の国で作られた製品を日本から輸出

する場合、米国法の規制の対象となりますか?同じ製品を米国から他国に輸出する場合は、

EAR99に分類されるものです。

日本の規制では、技術の中にプログラムが含まれていることはみなさんご存じの通

りですね。他方EARでは、ソフトウェア(D)とテクノロジー(E)は、異なる

ECCNが付番されていることは説明した通りです。ソースコードは、EARにおいて

はソフトウェアですので、D(ソフトウェア)で判定してください。

米国から購入した機械で製造した製品は、EARの対象とはなりません。おそらく、「直

接製品」のことを気にしておられると思いますが、これは直接製品には当てはまりま

せん。この機械を使って製造された製品を輸出する場合は、外為法の管理をきちんと

行ってください。

同様の質問は、化学品の加工の際にもよくいただきます。しかし、日本製の製品

を米国に送って、米国においてどのような加工をどのレベルまで行ったら「米国

原産品」になるのかは、定義がありません。米国から、熱処理済みの材料が輸出

される段階ではEARの対象であることは間違いないので、この材料を再輸出する

際も、米国製品とみなして、ECCNを判定し、許可要否の判断を行う方が、安全だ

と思います。特殊な材料でなければ、再輸出ができないということはないと思い

ます。

米国以外で製造された製品を日本から他国へ輸出することは、そもそも米国法の管理

対象ではありません。外為法の輸出管理を行って輸出をしてください。また念のため

ですが、米国から他国に輸出する際は、米国法の管理を行ってください。

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許可例外 LVS (Shipments of Limited Value) 少額特例

◆いわゆる少額特例。B 国群向けの貨物の輸出/再輸出の場合に適用できる。

◆1 回の出荷額が CCL で規定されている上限値を超えない範囲(未満ではなく「以下」)で適用でき

る。ただし外為法とは異なり、ECCN ごとに細かく金額が設定されているので要注意。

◆また外為法の少額特例とは異なり、同一の ECCN の貨物を同一の荷受人に輸出/再輸出する場合

には年間限度額がある。LVS を適用する場合は、年間限度額の管理も行う必要がある。

◆暗号の構成要素又はスペア部品については既に輸出/再輸出が許可された貨物のサポートに使用

される場合にのみ、上限額500ドルの許可例外 LVS が適用できる。

許可例外 GBS (Shipments to Country Group B Countries)

B 国群(旧自由圏)向け

◆規制理由が NS のみであり、CCL に「GBS-Yes」と書かれてある場合、B 国群向けの貨物の輸出/再

Q40 許可例外とはなんですか?

Q41 どのような許可例外があるのですか?

許可例外はEAR Part 740で規定されています。米国法の考え方は、いったんす

べてを規制対象にして、そこから許可不要や許可例外の適用可否を判断していく

という手順になります。つまり、本来であれば輸出/再輸出の許可取得が求めら

れる品目であっても、特定のカントリーグループ向けに、許可例外の適用可否を

検討することで、許可不要にできるわけです。これにより、輸出者にとって許可

申請手続きの負担を減らし、またBIS側も審査の負担を軽減することができま

す。ひいては、機微度の高い重要な品目に対する政府内審査により多くの時間を

割くことができます。

米国からの輸出の場合は、輸出申告書や自動輸出申告システムに、ECCN と適用し

た許可例外を記載する必要があります。しかし、日本からの再輸出の際には、許可

例外が適用できる案件については、BIS への申請や税関申告は不要です。ただし、

もしもの時のために、許可例外の適用可否を判断した根拠資料や記録を保管する必

要があります。

たくさんあるのですが、以下の通り表でまとめてみましょう。

まずは、解説にて大枠をつかみ、実際に許可例外を適用して再輸出しようという局

面になった場合は、必ずEAR Part 740の原文を確認してください。

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32 / 48 輸出に適用できる。

◆技術やソフトウェアには適用できないので要注意(技術やソフトウェアの B 国群向けの輸出/再輸出

は別の許可例外 TSR の適用可否を検討する必要がある)

許可例外 CIV (Civil End-Users) 北朝鮮を除く D:1国群(旧共産圏)向け

◆規制理由が NS のみであり、CCL に「CIV-Yes」と書かれてある品目を、北朝鮮を除く D:1 国群の民

間エンドユーザー向け、かつ民生用途で輸出/再輸出する場合に適用できる。

◆〝Civil End-User”なので、当然、輸出/再輸出する品目が軍事エンドユース又は軍事エンドユーザ

ー向けであることを知っている場合には適用できない。

◆CIV で輸出/再輸出したものを、軍事エンドユーザーもしくは軍事エンドユースとして「国内移転」す

ることもできない。

許可例外 TSR (Technology and Software under Restriction)

制限付きで技術やソフトウェアを輸出できる

◆規制理由が NS のみであり、CCL に「TSR-Yes」と書かれてあるテクノロジーとソフトウェアを B 国群向

けに輸出/再輸出する場合に適用できる。ただし、TSR を適用して輸出する場合は、事前に荷受人か

ら確約書を取得しておかねばならない。

◆技術の輸出に必要な確約書の内容は、以下の通りである。

(1)D:1 国群、E:1 国群又は E:2 国群に再輸出もしくは開示しない。

(2)この技術を使用した直接製品が NS 理由で規制される品目である場合、その直接製品を D:1

国群又は E:1 国群、E:2 国群に輸出しない。

(3)この技術を使用して製造した直接製品がプラント、もしくはプラントの主要コンポーネントであり、

それが NS 理由で規制される又は国務省が管轄する ITAR の規制品目に該当する場合は、

D:1,E:1,E:2 に輸出しない。

◆ソフトウェアの輸出に必要な確約書の内容は、以下の通りである。

(1)D:1 国群、E:1 国群、E:2 国群に再輸出や提供をしない。

(2)このソフトウェアを使用して製造した直接製品が NS 理由で規制される品目である場合、この直接

製品を D:1,E:1,E:2 の国に輸出しない。

◆確約書は書面で入手すること(FAX も含む)。確約書が入手できない場合は、個別に許可申請をす

る必要があるが、その際、確約書を入手できなかった理由を述べる必要がある。

許可例外 APP (Computers) 高性能コンピュータに関する例外

◆APP とは、コンピューターの加重最高性能(Adjusted Peak Performance: APP)を基準に考え、仕向

地(Tier1 か Tire3⇒巻末を参照)によって適用できる APP の条件等が定められている。また E:1 国群

(テロ支援国)及びキューバ向けには適用できない。

【貨物の場合】

◆ECCN 4A003 で記載されているコンピューター(電子組立品、専用構成要素も含む)の輸出/再輸

出の場合か、若しくはシステムとして別々に又は一部として輸出/再輸出する場合に適用できる。

◆コンピューター規制国群の Tier 1 向けには APP 値の上限なく適用可能。Tier3 向けには適用できな

い。

【技術及びソフトウェアの場合】

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33 / 48 ◆ECCN 4A003 で規制されているコンピューター(電子組み立て品、専用構成要素を含む)の開発、

製造、使用のために設計又は改造された ECCN 4D001 又は 4E001 で規制される技術・ソフトウェアの

輸出/再輸出及び国内移転。ただし…

☞A:5 国群向けは AAPP 値の上限なく適用可能

☞A:5 国群を除く Tier1 向けと Tier3向けについては、以下の範囲において米国内での「みなし輸

出(第 3 章を参照)」に限って、適用可能。ただし、米国外における「みなし再輸出」には許可例外 APP

は適用できないので要注意。

[上記以外の Tier1 向けのみなし輸出]

APP 値が 40WT以下のコンピューターの設計・製造の技術/ソースコードと、APP値が 200WT 以下

のコンピューターの使用の技術/ソースコード

[Tier3 向けのみなし輸出]

APP 値が 16WT 以下のコンピューターの設計・製造の技術/ソースコードと、APP 値が 32WT 以下

のコンピューターの使用の技術/ソースコード

◆許可例外 APP が適用できないケースでも、B 国群向けの技術の輸出/再輸出であって、29WT 以

下の貨物の設計・製造用の技術であれば、条件を満たせば許可例外 TSR が適用できるので、確認を

要する。

◆許可例外 APP が適用できる品目は、4A003,4D001、4E001 であるが、なかには細かい規定や条件が

定められているものもあるため、適用の際には原文の確認を要する。

許可例外 TMP (Temporary Imports, Exports, Reexports, and Transfers (in-country))一時輸出

◆一時的な輸出/再輸出や一時的に米国にある外国製品の輸出、あるいはベータテストソフトウェア

(発売前にユーザーに提供して評価してもらうテストのこと)を輸出/再輸出する場合に適用できる。当

然のことではあるが、同許可例外の条件を超えて当該品目が海外にとどまることがわかっている場合

や、調達注文のようにこの品目を購買することがわかっているとき、あるいは、海外でリースやレンタルさ

れる場合等にはこの許可例外は適用できない。また、この許可例外を使用した品目に関しては、遅くと

も 1 年以内に米国もしくは移転元の国に返却される必要がある。ソフトウェアに関しては不正アクセスを

防止する処置が必要である。

◆外国における一時的な使用とは具体的には以下のような場合である。(以下は抜粋。詳細は§740.9

を参照のこと)

☞職業用の道具

輸出者が合法的に使用するための職業用の道具(貨物及びソフトウェア)の輸出/再輸出/国内移

転は、E:1 国群以外であれば適用可能。ただし、当該道具は輸出者又はその従業員の管理下におい

ておく必要がある。また E:1国群のなかでもスーダンのみは、§740.19(b)で規定された品目に限り、職

業用であれば適用できる。

☞展示会・デモンストレーション(E:1 国群向けは適用不可)

☞検査・試験・校正・修理(E:1国群向けは適用不可)

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34 / 48 ☞報道機関

☞米国人による海外子会社等への一時的輸出

☞一時的に米国にある品目の輸出(輸送中、一時的に米国を通過するようなもの)

☞米国でのマーケティングや展示用にボンドに基づいて一時的に輸入されたもの(E:1 国群向けには

適用不可。また規制理由が NS、NP、CB の場合は D:1、D:2、D:3 国群向けには適用できない)

☞輸入された外国原産品目の返却

☞ 米国税関等の省庁によって輸入が拒否されたものの返却

☞ベータソフトウェアの輸出

許可例外 RPL (Servicing and Replacement of Parts and Equipment) 修理や返却

◆修理品又は交換部品の輸出・再輸出に適用できる許可例外。ただし、交換は 1 対1で行われる必要

があり、またイラン、シリア、北朝鮮向けには一切適用できない。600 番台の品目や 9x515 を D:5国群

向けに輸出/再輸出する場合には適用できない。

◆交換部品とは、欠陥や消耗による部品や構成要素の緊急の修理に必要な交換を意味する。当然な

がら、性能の向上等のスペックの変更がみこまれるようなものは交換部品とは言わない。また、これらは

既に「合法的に」輸出/再輸出された貨物や部品を 1 対1で交換するというのが原則である。

◆交換対象の部品は、破壊、もしくは供給元への返還等が行われなければならない。

◆修理や不良品交換のために一旦返却された貨物やソフトウェア、当初の性能を向上させることなく必

要な処置を行い返送する場合等にも適用できる。ただし E:1 国群向けは適用不可。600 番台と 9x515

品目は、D:5国群向けは適用不可。

許可例外 GOV (Governments, International Organizations, International Inspections under the

CWC and The International Space Station) 政府、国際機関、CWC 国際査察、国際宇宙ステーション

◆政府や国際機関、化学兵器禁止条約による調査や国際宇宙ステーション向けの許可例外

許可例外 GFT (Gift Parcels and Humanitarian Donations) 贈与品、人道的支援

◆贈与(寄贈)品の小包に適用できる許可例外

◆個人が、個人、宗教団体、慈善団体、教育団体等に贈り物をする際の小包の輸出/再輸出であれ

ば、仕向地は関係なく適用できる。ただし贈り物は「無償」であること。

◆キューバ向けは、EAR 740.19(b)に掲載されている品目以外は、贈答品にはできない。すなわち、本

許可例外も適用できない。

◆軍用衣類は、たとえボタンやバッジが外されていたとしても、D:1 と E:2 国群に対して贈答することは

できない。すなわち、輸出してはならない。

◆金塊、金貨、金棒は、再販や再輸出を意図する場合は適用できない。

◆一つの小包に含まれる貨物とソフトウェアの合計額は 800 ドルを超えてはならないが、キューバに食

料を送る際は、上限はない。

許可例外 TSU (Technology and Software Unrestricted) 技術やソフトウェアに関する例外

◆運転用技術・ソフトウェア、販促用技術、ソフトウェアのアップデート、マスマーケットソフトウェアの輸

出/再輸出の際に適用できる許可例外

◆米国の大学の正規従業員向けに技術やソースコードを開示する場合にも適用可能。(ただし D:5 国

群の国籍保持者には同許可例外は適用できない。)

許可例外 BAG (Baggage) 個人使用の一時持ち出し

◆米国を出国する個人が、個人的使用のために旅行手荷物等を輸出/再輸出する場合に適用できる

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35 / 48 許可例外。

許可例外 AVS (Aircraft, Vessels and Spacecraft) 航空機・船舶用の機材

◆米国に一時滞在した外国登録の民間航空機が米国を出発する際、あるいは米国の民間航空機が一

時的に外国に滞在するために米国を出発する際、また船舶や航空機で恒久的に使用するための装備

及び予備部品の輸出、米国やカナダ船籍の船舶又は飛行機への輸出、米国やカナダの航空会社の

取り付けや代理人への輸出、基礎研究のための宇宙船及び構成部品の輸出の際に適用できる許可例

外。

許可例外 APR (Additional Permissive Reexport) 特定の再輸出に適用できる

◆特定の「再輸出」にのみ適用できる許可例外。ただしイラン、シリア、北朝鮮、イラク、ウクライナのクリミ

ア地域向けは適用できない)

許可例外 ENC (Encryption Commodities, Software and Technology) 暗号関連の例外

◆暗号(EI)規制に該当する品目の輸出/再輸出又は国内移転に適用可能な許可例外。ただし、E:1

国群又は E:2 国群への輸出/再輸出等には適用できない。

◆医療用に専用設計された装置は、暗号機能が搭載されている場合でも、暗号規制されない。また医

療用に専用設計された装置に組み込まれた暗号品目は、NP、MT、CB 理由で規制されるものでけれ

ば、「医療用に専用設計された装置全体として EAR99」となる。

◆商務省の暗号判定を経た「暗号マスマーケット品目(規制から除外され ECCN5A992,5D992 に再分

類された暗号品目)は、許可例外 ENC ではなく、許可不要であり、E:1国群及び E:2 国群を除くすべ

ての国に輸出/再輸出ができる。

許可例外 STA (Strategic Trade Authorization) 37 か国+7 か国向け

◆①規制理由が、NS、CB、NP、RS,CC、SI の品目の A:5 国群向けの輸出/再輸出に適用可能。

②STA 適用除外品目を除く NS 理由にのみ規制される品目については A:6国群への輸出/再輸出に

適用可能。

◆STA が適用できないものは、CCL の ECCN の許可例外の欄に記載されている。また、適用に関する

種々の制限事項及び適用条件(荷受人からの誓約書の取得及び荷受人への ECCN 及び STA 適用の

通知等)がある。更に、許可例外 STA を適用して輸出された品目の再輸出には、許可例外 APR の(a)

及び(b)は適用できないため、注意する必要がある。①の 37 カ国及び②の 7 カ国は EAR§740.20(c)に

記されている。

許可例外 SCP (Support for the Cuban People) キューバ関連

◆キューバ人の生活環境の改善や経済活動の支援等を目的とした EAR99又は AT 規制品目の輸出

/再輸出に適用できる許可例外

許可例外 CCD (Consumer Communications devices) キューバ・スーダン向け民生用通信機器

◆キューバ及びスーダン向けに民生用の通信機器を輸出/再輸出する際に適用できる許可例外

Q42 適用できる許可例外はどのように調べればいいのですか?

輸出しようとしている品目のCCLに〝License Exceptions〟という欄があります。そ

こで、当該品目の適用できる許可例外がわかります。

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Q43 CCLに〝 List Based License Exceptions〟と書いてありますが、 これはどういう意味です

か?

List Based License Exceptions (See Part 740 for a description of all license exceptions) LVS: N/A for MT or NP; N/A for “Monolithic Microwave Integrated Circuit” (“MMIC”) amplifiers in 3A001.b.2 and discrete microwave transistors in 3A001.b.3, except those that are being exported or reexported for use in civil telecommunications applications Yes for: $1500: 3A001.c $3000: 3A001.b.1, b.2 (exported or reexported for use in civil telecommunications applications), b.3 (exported or reexported for use in civil telecommunications applications), b.9, .d, .e, .f, and .g. $5000: 3A001.a (except a.1.a and a.5.a when controlled for MT), b.4 to b.7, and b.12. GBS: Yes for 3A001.a.1.b, a.2 to a.14 (except .a.5.a when controlled for MT), b.2 (exported or reexported for use in civil telecommunications applications), b.8 (except for vacuum electronic device amplifiers exceeding 18 GHz), b.9, b.10, .g, .h, and .i. CIV: Yes for 3A001.a.3, a.7, and a.11.

Special Conditions for STA

Q.41で、たくさんの許可例外があることをお話しましたが、実は、あれらすべて

が、CCLで示されているわけではありません。CCLに出てくる許可例外は、それぞ

れの品目の性能や仕様に応じて適用可否が決まってくるという(Q.42を参照)、い

わゆる「リストベース」の許可例外です。他方、CCLに記載されない許可例外

は、「取引ごと」に確認する「取引ベース」となっています。たとえば、当該取引

の用途や取引形態に依存する、TMPやRPL、GOV等がそれにあたります。

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Q44 カントリーグループとはなんですか?

カントリーグループは、米国政府がその国の「懸念度」に応じて分類した国別

グループのことです。EAR Part 740 Supp. NO.1に掲載されています。許可例外

の適用可否を判定する際に、仕向け先のカントリーグループを把握することは

とても大事なので、一度原文を見ておいてください。基本的にはA、B、D、Eの

4つのグループがあります。

A国群 輸出管理レジーム参加国

B国群 旧自由圏やNATO加盟国

D国群 懸念国

E国群 テロ支援国及び禁輸国

ご覧いただいたらわかる通り、Aがもっとも懸念度が低く、B→D→Eと懸念度が

高くなり、規制も強くなります。Aはレジーム参加国ですので、許可例外の適

用幅も広く、日本も当然Aに分類されています。

出典:CISTEC 米国法研修会資料

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Q45 許可例外TSRの「確約書」とはなんですか?

Q46 確約書のフォーマットはありますか?

Q47 買主から、確約書をもらえませんでした。どうすればいいでしょうか。

TSRはB国群向けのNS規制の技術及びソフトウェアに関して、確約書を取得する

ことで、輸出や再輸出できるという許可例外です。CCLには、TSR適用可能と書

かれてあります。TSRが適用できるのは技術もしくはソフトウェアなので、

ECCNの2桁目は、「D」もしくは「E」の品目になります。

【確約書Witten Assurance】とは?

確約書とは、当該品目の買主から、BISの許可もしくは許可例外なしに、以下の

行為を行わないことを事前に確約させる書面です。確約書を買主から取得して

も、それをBISに提出する必要はありません。

確約するのは以下の内容です。

① D:1国群(旧共産圏)、もしくはE:1国群(テロ支援国)、E:2国群の国籍者に対す

る当該技術/ソフトウェアの提供、ソースコードの開示はしないという確約。

② 当該技術・ソフトウェアを使用して製造した直接製品をD:1国群又はE:1国群、

E:2国群に輸出しないという確約。

③ 当該技術を使用して製造した直接製品がプラント、もしくはプラントの主要部

分であって、そのプラント若しくは主要部分で製造された品目が、NS規制、又

は国務省の武器品目リストに掲載されたものである場合、D:1国群、又はE:1国

群、E:2国群に輸出しないという確約。

フォーマットは特にありません。買主より書面ベースで確約をもらえば大丈夫で

す。もしくは契約書にその確約内容が盛り込まれていればOKです。ただし、契約

書に確約文言を盛り込む場合は、その確約内容が契約期間終了後も継続する形にな

っていないといけません。

確約書を入手できなかった場合、TSRは適用できません。(TSRを適用できる条件は、

確約書を入手することだからです)。つまりこの場合、BISへの許可申請が必要になり

ます。また、申請する際、確約書を入手できなかった理由等を説明しなければいけま

せん。

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Q48 許可例外RPLは、部品であればなんでも適用できますか?

Q49 いざ交換部品が必要になった時では遅いので、あらかじめRPLを適用して交換部品を再輸出

しておくことはできますか?

Q.50 組込製品とはなんですか?

RPLは(1)既に輸出した装置の「1対1」の部品交換や、(2)修理のためにいったん返

却された貨物やソフトウェアの返送のための輸出・再輸出に適用できる許可例外で

す。

しかし、部品であればなんでも適用できるというわけではなく、米国原産の部品を

正当に組み込んで米国外で製造された貨物について、その貨物の部品と交換するた

めに、「1対1」で交換する場合は適用できます。当然ですが、交換部品は、性能の

向上や特性の変更といったことができるものは適用できません。また、最初の輸出

の時に、「部品を交換するときには個別の輸出許可を要す」といった条件が付いて

いる場合は、当然ですが、RPLは使えません。

RPLを適用して事前に交換部品を輸出・再輸出することはできません。あくまで

も、「1対1」での交換が条件です。

米国原産品目(貨物、ソフトウェア、技術)を一定比率以上組み込んだ非米国産の

品目のことを「米国製品組込品」と呼びます。例えば、米国から米国原産品目を購

入し、日本の向上でその米国原産品目を一定比率以上組み込んでできたMade in

Japanの品目は、米国製品組込品となり、EARの規制対象となります。この時、一定

比率以上というところがポイントで、その比率によって、EARの規制対象になった

り、ならなかったりします。品目の中の米国製品の割合のことを「デミニミスレベ

ル」といい、次のようなものをいいます

デミニミスってなに?

デ・ミニミス (De minimis)とは、ラテン語で「些細なこと」という意味です。

WTO の農業協定にも「デミニミス条項」というものがあります。いずれの場合も、一定の比率を超

えない場合は、対象外とする考え方です。

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組込製品

① 規制対象の米国原産の貨物を込みこんだ(incorporated)

非米国製貨物(Foreign-made commodities)

←このようなものであって、

Part734.4(c)と(d)で規定されて

いる de-minimis 値を超えるもの

は許可要否判断の対象となる。

逆に言えば、de-minimis 値を超え

ない限りは、EAR の対象とはなら

ないので、許可要否判断を行わ

ずに許可不要と判断できる。

① 規制対象の米国原産ソフトウェアをバンドルした(Bundled)

非米国製貨物(Foreign-made commodities)

② 規制対象の米国原産ソフトウェアを混合した(commingled)

非米国製ソフトウェア(Foreign-made software)

③ 規制対象の米国原産技術(technology)を混合した(commingled)

非米国製技術(Foreign-made technology)

Q.51 米国製品目を組み込んだ日本製品目を輸出するときのECCNは、組み込まれた米国製品を主と

して考えるのか、完成品としての日本製品目で判断するか?

2つのポイントで考えます。

① そもそも完成品としてのMade in Japanの製品が、EARの対象となるか

② その場合に許可が必要か

①をを考える際に必要になるのが、デミニミスレベルを導き出す「デミニミス

計算」です。

輸出

米国原産品を日本で

組み込んで製品を作る

=日本製品

再輸出

これらがEARの対象

かどうか?

デミニミス計算を行う

ときは、この米国原産

品目の ECCN で考える

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Q.52 米国企業が米国製品を組み込んで、米国内で製造した製品も「米国原産組込品」ですか?

Q.53 では、Made in Japanの米国製品組込品を米国から輸出する場合は、どうなりますか?

Q.54 米国製品組込品を、日本から米国に輸出する場合はEARの規制対象ですか?

Q.55 デミニミス計算の方法はどこに定義されていますか?

いいえ、違います。米国内で製造された製品は、組込比率は関係なく「米国原産

品」であり、EARの規制対象です。

組込品とは、米国以外の国(例えば日本)で作られた製品に米国原産品が「組み込

まれている」ことを言います。考え方としては、①日本製の製品であってもEARの対

象になることがある、②それは、組み込まれた米国製品が一定以上入っている場

合、ということです。

日本の企業が米国から購入した米国原産品目を組み込んだMade in Japanの製品を作っ

たとします。このMade in Japanの製品を米国の親会社が米国から輸出するというケー

スを考えてみましょう。この製品を米国から輸出する際は、組込品やMade In Japan製

品だということはまったく関係なく、米国からの輸出としてEARの規制対象です。

EAR Part.734.3をもう一度確認しましょう。

この点は、勘違いされる人が多い点ですね。「米国から輸出されるものは、原産国や組

込比率等関係なく、〝すべてEARの対象〟」です。

Q.18で解説した通りですが、米国製品組込品や米国原産品目そのものを、日本から

米国に輸出する場合は、EARの規制対象とはなりません。カントリーチャートに米国

が記載されていないのは、米国への米国原産品(や米国製品組込品等)の輸出・再

輸出は、そもそも規制対象ではないからです。ただし、米国国内のDPL掲載者やエン

ドユース規制の許可要件に当てはまる場合はこの限りではありません。DPL掲載者と

取引することは禁止されていますので、エンドユーザーチェック行う必要がありま

す。

EAR Part 734のSupplement No.2や、EAR Part 734.4に記載されています。

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【貨物の場合】

【ソフトウェアの場合】

【技術の場合】

Q.56 デミニミス計算の計算式を教えてください。

組込比率の計算は、貨物、技術、ソフトウェアの3区分で、それぞれの

区分ごとに計算します。それぞれの区分の計算でデミニミス値を超えて

初めて許可対象となるのです。

組み込まれている

米国原産貨物の価格の合計

貨物全体の価格 ×100

貨物、ソフトウェア、技術は

別々に計算する

貨物、技術、ソフトウェアの価格を合計して計算したものを分子にするのではなく、再輸出する貨

物、技術、ソフトウェアそれぞれの価格を分母にし、貨物なら貨物だけ、技術なら技術だけを分子

にして、その割合がデミニミス値を超える場合に許可が必要となります。

組み込まれている

米国原産ソフトウェアの価格の合計

ソフトウェア全体の価格

×100

組み込まれている

米国原産技術の価格の合計

技術全体の価格

×100

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Q.57 テロ支援国や禁輸国の場合、EAR99であっても分子に算入しなければならないということで

すか?

国 分類 再輸出の規制

キューバ 米国独自禁輸国(E:2) EAR99 を含む全品目許可要

(原則不許可)

イラン 禁輸国・テロ支援国(E:1) リスト規制品許可要

(原則不許可) スーダン テロ支援国(E:1)

シリア テロ支援国(E:1) EAR99 を含む全品目許可要

(原則不許可)

北朝鮮 テロ支援国(E:1) EAR99 を含む全品目許可要

(原則不許可)

ウクライナのクリミア 禁輸国並みの扱い EAR99 を含む全品目輸出許

可要(原則不許可)

デミニミスルール適用不可の品目ではないか?ココ重要!デミニミスルールが適用で

きない品目もあるので要注意(詳細は EAR Part734.4(a)をご確認ください) NLR もしくは許可例外 GBS が適用できるものは、分子に含まない EAR99 の場合は、仕向先が重要。つまりキューバ、シリア、北朝鮮、ウクライナのクリミ

ア地域の場合は、組み込まれている EAR99 のデミニミス値が 10%を超える場合、EAR の

対象。逆に上記の国以外の場合は、EAR99 がいくら組み込まれていても分子にはいれな

くてよい。

いいえ、そうではありません。そもそも、〝再輸出”の場合におけるテロ支

援国や禁輸国への規制のありかたを復習しましょう(以下の表)。

再輸出の場合の規制対象品は??

米国製品そのものであっても、再輸出の場合は EAR99 は規制対象になっていませ

ん。「況や、組込品をや」、ということですね。EAR99 をどれほど組み込んだとして

も、仕向け先が一般の国はもとより、イランやスーダンであれば、分子は0になる

ということですね。逆に言えば、キューバ、北朝鮮、シリア、そして最近ではウク

ライナのクリミア向けであれば、EAR99 であっても分子に算入して、デミニミスを

計算する必要がありますね。

例えば日本から中国の普通の企業に輸出する際、EAR99はNLR(許可不要)なので分子に

入れる必要はないけれど、同じ品目であってもキューバ(や北朝鮮、シリア)向けで

あれば、EAR99であっても分子に含めないといけないのね~。

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Q.58 例えばキューバに組込品を輸出する際、組込比率が25%を超える場合は規制対象だというこ

とですが、このとき分子に算入するのは「すべての米国製品」ですか?たとえば、一般的な

ねじなど計算の対象にならないようなものもありますか?

Q.59 フリーのソフトウェアはどのように計算すべきですか?

Q.60 デミニミス計算の際、分母となる「日本で作った製品の価格」の考え方を教えてください。

Q.57の回答と同じ考え方ですよ。まず基本事項として、米国法ではすべての

品目が「EARの対象(Subject to the EAR)」だということを思い出してくださ

い。ねじやボルトといった、取るに足りないようなものであったとしてもそ

れが米国原産のねじであれば、EAR99として、やはりEARの規制対象になり

ますね。よって、この質問への回答は、キューバ向けであれば、「すべての米

国製品」を分子に算入する必要があります。組込品であろうとなかろうと、

その品目を〇〇という国に再輸出する場合、規制対象となるかどうか?と考

えてください。

〝当たり前〟のことですが、米国原産でないものをどれだけ組み込んでも、デミニミ

ス計算の対象にはならないということですね。

フリーソフトは「フリー(Free)」なので、デミニミス計算では0になります。

EAR Part734 Supp. No.2には、このように書かれてあります。

つまり生産国における〝fair market price”(公正な市場価格)で計算する

ように規定されています。この公正な市場価格とは、例えば値引きや値上

げをした価格ではなく、その販売地域における付加価値税を除く市場価格

と考えてください。例えば、特約販売などで市場価格よりも安値で販売す

る場合は、その製品を通常に販売した場合の価格で考えてください。

The value of the foreign-made product shall reflect the fair market price of such product in the market where the foreign product is sold. In most cases, this value will be the same as the actual cost to a buyer of the foreign-made product.

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【ワンタイムレポートの提出先】

https://bis.doc.gov/index.php/component/rsform/form/38-one-time-de-minimis-report-form

Q.61 計算の結果、デミニミスレベルを超えないのであれば、BISへの許可も必要ないということで

すか?

この手の計算は日本における 10%ルールでもありますが、いずれの場合も、安全

サイドにたおして計算しておくほうがいいと思います!たとえば、分子となる米国

原産品は購入価格、分母の製品価格は、FOB 価格で計算しておけば、デミニミス比

率が高くなるので、それでも、ルールの上限値を超えないのであれば、問題なしと

考えられますね。

いいえ、米国原産技術を混合した品目について計算を行った結果、デミニミ

スレベル超えないという場合は、BISに対して「ワンタイムレポート」という

ものを提出する必要があります。組み込んだ米国原産技術の概要や計算結

果、根拠資料等を添付してBISのホームページから申請します。

Form形式(下記参照)で情報を送ったあと、BISから30日以内に折り返しの

連絡がなければ、その申請は受理されたということで、EARの対象外である

ことが認められたということになります。つまり、米国原産技術を組み込む

場合は、最低30日間の余裕をもって、行動する必要があるということです。

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Q.62 米国から購入したドイツ製の部品を組み込む場合は、デミニミスはどうなりますか?

このようなフォームを使ってワ

ンタイムレポートを提出します。

米国から購入したドイツ製の品目Aは、米国から日本に輸出されるときは、

EARの対象品ですが、それを日本から別の第三国に再輸出するときは、EARの

対象ではありません。同様の考えで、米国から購入したドイツ製の部品を組み

込んでMade in Japanの製品を作った場合には、組込比率を計算する必要もあり

ません。

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Q.63 5D992の米国暗号ソフトが組み込まれていても、貨物のデミニミス計算で10%以下となれ

ば、その貨物はイランへ輸出できますか?イランへの再輸出を考える際、貨物とソフトを合

わせてデミニミス計算してもいいでしょうか?

Q.64 マスマーケットソフトウェアを弊社が開発する日本製のハード製品にバンドルして販売して

います。使用しているソフトウェアは米国製のもののみで、その組込比率は10%以下です。

EAR対象外としてもいいでしょうか?

Q.65 エンドユース・エンドユーザー規制とは何ですか?

Q.66 EARの規制対象品目をストック販売する際、最終需要者は未確定です。どうすればいいです

か?

デミニミス値関係なく、5D992のソフトはイランへ再輸出することはできませ

ん。このソフトを内蔵している貨物をイランに再輸出することはEAR違反にな

ります。ただし、バンドルソフトの条件を満たす場合は、貨物とソフトを合わ

せてデミニミス計算を行い、全体の価格比で10%以下となる場合にはイラン

へ再輸出することができます。

マスマーケットソフトウェアのECCNを判定してください。EAR99(又はAT規

制品目)であって、御社の製品にConfigureされているのであれば、バンドルソ

フトウェアの扱いが可能となり、また組込比率も10%以下なので、EARの規制

対象外と考えられます。

製品、技術、ソフトウェアの規制レベルと仕向け先の掛け合わせで行う輸出

管理とは別に、大量破壊兵器の開発に使われるかどうか、その他の理由によ

って規制される特定の用途やユーザーへの転用のおそれがないかによって管

理を要請される不拡散を目的とした管理です。同規程の詳細はEAR Part744に

記載されています。744で禁止されているエンドユース、エンドユーザー向け

であることを知っていながら、許可なくEAR対象品目を輸出/再輸出すること

はできません。また原則として適用できる許可例外はありません。

販売代理店にストック用に販売するときには、その代理店を最終需要者とし、

必要な管理を行えば再輸出できます。EAR規制対象品の場合には、代理店との

契約において、米国法令遵守に関する条項も盛り込むといいでしょう。

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Q.67 エンティティ・リストに掲載された顧客とは、どのような品目も取引できないのですか?

Q.68 対中国軍事エンドユース規制の「中国」とは、カントリーグループD:1の中国本土のみを対象

と考えていいですか?マカオや香港は対中軍事エンドユースの管理対象外と考えていいです

か?

Q.69 中国に対して、民生用途であることを確認して米国原産品を再輸出しましたが、のちに、中

国の軍事企業の工場で使われていることがわかりました。違反になりますか?

Q.70 一度でも、DPLやエンティティリスト等に掲載された企業とは、たとえその後リストから外

れた後であっても、取引するのがはばかられます。そういう企業とはどのようにつきあえば

いいのでしょうか。

原則として、EAR規制対象品目が規制されますが、EAR99が対象外だったり、

逆に特定の品目が指定されていたりとパターンが色々あります。個々に確認を

してください。

対中軍事エンドユース規制は、中国本土限定で、香港やマカオは対象外です。

再輸出をした時点で、管理は終わっているので違反にはならないでしょう。し

かし、事実が判明した時点でBISに報告しておいたほうが、リスクマネジメント

的には正解かもしれません。

リストから削除された後であれば、基本的にはペナルティーを受けることはな

いでしょう。しかし、BISはEntity ListやUnverified Listに掲載されたことのある

事業体は、「懸念行為に関与していた過去があるということに注意せよ」と記

しているため、リスクマネジメントとして慎重に判断するほうがいいでしょ

う。