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フードビジネス・イニシアティブ
フードビジネス・イニシアティブ
食の未来研究会 「フードビジネス・イニシアティブ」について第1期テーマ:食のパーソナライズ化
フードビジネス・イニシアティブ 1
食の未来研究会“フードビジネス・イニシアティブ”について
○背景と目的
食産業はすそ野が広い産業であり雇用面でのポテンシャルも大きい。2030年頃の我が国の
食に期待する未来を描き、我が国の高い技術力を活かしたイノベーションやサイエンスに基づく課
題解決により、産業としての飛躍的な成長や、新たな切り口でのビジネスの可能性が期待できる。
本会は、生活者にまつわる社会課題をビジネスで解決するための有望なテーマを取り上げ、
必要となる協調領域の課題や解決策などについて検討し、産官学協働体のプラットフォームと
して先導することを目的とする。
フードビジネス・イニシアティブ 2
フードビジネスの可能性
○フードビジネス市場の魅力➢ 大きな市場規模と成長性➢ グローバルマーケットで日本の競争力発揮
○ビジネスと社会課題解決の両立➢ ビジネスを通じて多様な社会的課題を解決➢ 持続可能性の高いビジネス
○フードビジネスの多様性➢ 活用可能な技術・リソースが多様➢ 裾野が広く雇用力大
○イノベーションの時代➢ 経験的解決からサイエンス・テクノロジーによるソリューション➢ 新規参入機会が多数出現
飽和しない産業
フードビジネス・イニシアティブ 3
フードビジネスの可能性
出典:FAO ”FAOSTAT”, OECD ”Economic Outlook No, 95”, United Nations “World Population Prospects: The 2017 Revision”, 一般財団法人食品産業センター「食品産業統計年報」, AT Kearney資料, 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」等より三菱総合研究所推計。
2030年には世界市場は約1,400兆円(2010年比1.7倍)に成長
医療・介護:10-15%
レジャー:15%(内観光10%)
フードビジネス・イニシアティブ 4
食にまつわる社会問題と課題の概要
カテゴリー
社会問題主な
発生地域発生原因、動向 課題 SDGs
Ⅰ 貧困層の飢餓途上国、新興国
◼所得格差の拡大や水資源等の偏在などにより飢餓が深刻化
◼7億9500万人が健康な生活を送るために十分な食料を与えられていない。アジアでは総人口の3分の2が飢餓に陥っている
グローバルな食糧需要増に対応した供給確保
1,2
Ⅰ タンパク不足 全地域
◼世界的な人口増加と経済成長により、良質なタンパク質の需要が増加。
◼従来のタンパク質を含む食品は、天然資源の枯渇と制限により、世界的に需給がタイトに。
持続的で高効率なタンパク供給
2,3,14
Ⅱ少子高齢化に伴う需要減退・供給過剰
日本を含む先進国
◼高齢化に伴う一人当たり消費量の減少◼我が国においては食生活の欧米化によるコメあまりが顕著に(コメ需要はピーク時の昭和30年代後半に比較して半分以下に)
新規需要拡大 12
Ⅲ食生活等に起因する健康問題の増加
日本を含む先進国
◼ジャンクフード等の摂取。◼我が国においては若い女性の過度なダイエットによる「ヤセ」が深刻化。 多様なニーズへの
対応
3
Ⅲ宗教や思想に応じた食へのニーズの高まり
全地域◼イスラム圏の人口が世界的に急激に増加する中、ハラル対応の遅れ。
◼有機野菜やビーガンなど食へのこだわりも進展。10
Ⅲ 食品ロスの増大途上国、新興国、先進国
◼コールドチェーン未整備によるロス増大◼食品安全に係る我が国でのいわゆる“1/3ルール”などの進展
◼食料生産量の1/3にあたる約13億トン分の食品が廃棄処分に。
食料生産・供給・消費の高効率化、廃棄物の削減・活用
12
フードビジネス・イニシアティブ 5
食にまつわる社会問題と課題の概要
カテゴリー
社会問題主な
発生地域発生原因、動向 課題 SDGs
Ⅳ農地の有する多面的機能の減退
新興国、日本
◼農地の減少・改廃に伴い洪水抑制機能、地下水涵養機能、土壌侵食抑制機能などの公益的機能が減退。社会的コスト増加。
◼我が国では高齢化による担い手不足などにより、耕地の約1割が耕作放棄地化。
農地流動化促進、農業生産の省力化、担い手対策
11,15
Ⅴ地球温暖化による農業生産への影響
全地域
◼計画生産の困難性や取引価格の暴騰・暴落などが先鋭化。
◼温暖化対策がなされない場合、2010年前後と比較し2080年における農業生産率は約20%前後減少。
需給予測システム構築、ゲノム編集等によるオンデマンド生産の実現
13
Ⅴ食の安全、健康被害
全地域
◼食品事故や食品偽装など多発。2016年の事故情報は、年間総件数839件。
◼食中毒やいわゆる健康食品、遺伝子組み換え食品、ゲノム編集等の課題も先鋭化。
サプライチェーン全体を通じた信頼性向上
12
Ⅴ 奴隷労働 途上国◼主に先進国企業による途上国の安価な労働力搾取。
エシカルでサステナブルな社会システムの構築
10,8,12
Ⅴ 孤独の深刻化日本を含む先進国
◼少子高齢化や単身世帯の増加などに伴い孤食が進展。
◼孤独死者のうち現役世代(50代以下)が占めるのは約4割。
◼英国では孤独が原因の損失が、年間25億ポンド(約3560億円)に及ぶとする調査結果も。
多様なコミュニケーションの場の創出と価値化
3、11
フードビジネス・イニシアティブ 6
食に係る社会課題に対する今回のテーマ選定での着眼点
6
社会課題
飢餓・食料問題
食の量
食の質
タンパク不足
栄養バランス・健康
食の安全
豊食への欲求増大
解決策のキーワード
環境制御型供給システム
ロングテール型ビジネス
コミュニケーションの価値化
次世代タンパク食
食品プラットフォーム
人財育成システム
食料供給力向上
マーケット拡大
ビジネスインフラ
サイエンス・テクノロジー
◼ IoT, AI, ロボット
◼ ゲノム編集
◼ ブロックチェーン
◼ 3Dフードプリンター
◼ 新素材…など
社会システム、ビジネスモデル
◼ 法制度・規制(国内外)
◼ 先進技術等を活用した新たなビジネスモデル
◼ 資金調達、高付加価値化方法の多様化…など
変化のドライバー
孤独の深刻化
宗教や思想に応じた食へのニーズの高まり
成長産業化、持続可能な関連ビジネスの進展への期待拡大
フードビジネス・イニシアティブ 7
社会課題解決に向けた食の未来研究会での活動テーマ
○主な実施内容◼ 有望なフードビジネスについて、事業環境、特長を整理する。
◼ 事業発展に必要とされる協調領域の課題を明らかにする。
◼ 課題解決に向けた有効な施策やルールづくりなどについて検討する。
○第1期での選定テーマ✓ 食のパーソナライズ化
消費者データを活用した食のパーソナライズ化により、サプライチェーンに大きな変革が生
じ、新たなビジネスモデルを創出。
○選定理由✓ 社会動向:グローバル経済の発展、成熟社会の到来に伴う価値観の変化
✓ 市場動向:消費者ニーズの多様化・個別化、高齢化の進展
✓ 技術動向:フードテック、ビッグデータ等の活用
食のデジタル・ディスラプション 『食生活革命』
○実施方法◼ テーマ設定は会員ニーズをふまえつつ決定
◼ 半年程度を1サイクル(1期)として1テーマ設定
◼ 必要に応じて研究会とは別に意見交換会や分科会なども実施
フードビジネス・イニシアティブ 8
今後の活動方針①
展開の方向性
食の未来研究会 農林水産省
共催
フードビジネス・イニシアティブ
参加企業、団体等
協調領域
◼ 実施事項の具体化による実証事業応募
(仕組みづくり、データ基盤づくり)
◼ スモールスタート(テストラン)実施
◼ 新規テーマ、関連テーマの検討
競争領域
◼ 参加企業主導によるサブワーキング組成
◼ NDA締結、プロジェクト化
◼ 大阪万博PJ組成
◼ 取組概況公表
ネットワーキング、連携強化
◼ 他省庁
◼ 地方自治体、研究機関
◼ 万博協会ほか
フードビジネス・イニシアティブ 9
今後の活動方針②
協調領域
◼ 実施事項の具体化による実証事業応募
(仕組みづくり、データ基盤づくり)
◼ スモールスタート(テストラン)実施
◼ 新規テーマ、関連テーマの検討
競争領域
◼ 参加企業主導によるサブワーキング組成
◼ NDA締結、プロジェクト化
◼ 大阪万博PJ組成
◼ 取組概況公表
実証プロジェクト産学官ラウンドテーブル 事業化プロジェクト
◼ 仕組み・データ基盤づくりのため、
問題意識の共有、論点整理、
対応方向のとりまとめなどを
産学官のラウンドテーブルで実施
◼ 国等の事業も活用しながら、
仕組み・データ基盤づくりの
実証事業を実施
◼ 民・民や産学連携による個別の
サービス、プロダクト等の開発、
事業化を進める取組を実施