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第2学年 理科学習指導案 平成18年12月13日(水)3校時 2年B級 (男子20名,女子21名) 授業提案者 教諭 単元名 天気とその変化 目標 ○ 自然界で起こる様々な気象現象について,積極的に調べようとする意欲を高める。 ○ 水蒸気量と湿度について微視的な視点から考察する力を育成する。 ○ 気象要素を体感し,それらを測定できるようにする。 ○ 天気の変化に関する規則性について説明できるようにする。 指導観 本単元には,気象の基本的な観測記録の仕方を身につけ,気温,湿度,気圧, 風向などの気象要素を調べること,天気の変化の規則性について考察することの 二つの内容が含まれている。具体的には,霧や雲の発生についての観察,実験を 行い,そのでき方を気圧,気温及び湿度の変化と関連付けてとらえる。次に,前 線の通過に伴う天気変化の観測結果などに基づいて,その変化を暖気,寒気と関 連付けてとらえるようにする。また,これらの大気の変化についてモデルを用い て考察し,気象の変化を巨視的な視点から説明することで,気象の変化の規則性 を考察し,日頃の気象現象について積極的に調べようとする態度を育てる。次に, 湿度については,水蒸気量の変化について粒子モデルで微視的な視点から生徒が自 分の言葉で説明することで気象全般への理解が一層深まると考え,この題材を設定 した。 生徒は,小学校時に,天気によって1日の気温の変化の仕方に違いがあることや台 風の進路による天気の変化や台風と降雨の関係について学んでいる。しかし,本学級 の生徒に事前に調査したところ,身の回りの大気について,その存在について興味を もったり,科学的に見ようとしたりしたことのある生徒は少ない。また,湿度が高か ったり,低かったりする状況は知っているが,理由については,「夏は湿度が高く, 冬は湿度が低い。」という認識にとどまっている。雲や霧,結露について興味や疑問 をもったことはあるが,積極的に調べようとしたことのある生徒はあまりいない。 ○ そこで,指導にあたっては,天気の変化の規則性について考えることができるよう にモデルを使った実験を行う。その際,モデルと自然事象の対応関係に注意し,実験 結果と考察を明確にしながら指導したい。また,露点の実験を行うことで,身近な自 然現象のメカニズムについて考察する態度を養いたい。雲の発生実験を行うことで, 体積と熱との関係について見いださせる。さらに,これらの変化についてモデル等を 使いながら飽和水蒸気量に注目し,相対湿度と温度の関係について説明できるように したい。湿度の変化についての考察では,自分と違う考えに対し,相手を説得したり, 反論したりする力を養いたい。その際,それぞれの班のアイデアを全体で考えること ができるようにパネル等で可視化を図り,互いの発言や考えを参考にして,科学的に 妥当な考えを導き出すようにしたい。また,「夏は,暑くて湿度が高い」という一般 的な気象現象についての疑問から,気団さらには地球規模の大気の流れにも注目でき るようにしたい。 本時は,日頃の生活体験から生じる「空気を暖めると湿度が上がるのではない か。」という素朴概念を基に意欲を喚起しながら学習を深めていきたい。そこで,密 閉した容器の温度を上げ,湿度の変化を測定する実験を行い,予想の真偽についてそ の原因や変化の流れを微視的にとらえていく過程において,自分の表現で温度の変化 と湿度の関係を説明することができるようにしたい。 授業80-1

第2学年 理科学習指導案 平成18年12月13日(水)3校時 2年B ...第2学年 理科学習指導案 平成18年12月13日(水)3校時 2年B級 (男子20名,女子21名)

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  • 第2学年 理科学習指導案

    平成18年12月13日(水)3校時 2年B級 (男子20名,女子21名) 授業提案者 教諭 隈 元 修 一

    1 単元名 天気とその変化 2 目標

    ○ 自然界で起こる様々な気象現象について,積極的に調べようとする意欲を高める。 ○ 水蒸気量と湿度について微視的な視点から考察する力を育成する。 ○ 気象要素を体感し,それらを測定できるようにする。 ○ 天気の変化に関する規則性について説明できるようにする。

    3 指導観

    ○ 本単元には,気象の基本的な観測記録の仕方を身につけ,気温,湿度,気圧,

    風向などの気象要素を調べること,天気の変化の規則性について考察することの

    二つの内容が含まれている。具体的には,霧や雲の発生についての観察,実験を

    行い,そのでき方を気圧,気温及び湿度の変化と関連付けてとらえる。次に,前

    線の通過に伴う天気変化の観測結果などに基づいて,その変化を暖気,寒気と関

    連付けてとらえるようにする。また,これらの大気の変化についてモデルを用い

    て考察し,気象の変化を巨視的な視点から説明することで,気象の変化の規則性

    を考察し,日頃の気象現象について積極的に調べようとする態度を育てる。次に,

    湿度については,水蒸気量の変化について粒子モデルで微視的な視点から生徒が自

    分の言葉で説明することで気象全般への理解が一層深まると考え,この題材を設定

    した。 ○ 生徒は,小学校時に,天気によって1日の気温の変化の仕方に違いがあることや台

    風の進路による天気の変化や台風と降雨の関係について学んでいる。しかし,本学級

    の生徒に事前に調査したところ,身の回りの大気について,その存在について興味を

    もったり,科学的に見ようとしたりしたことのある生徒は少ない。また,湿度が高か

    ったり,低かったりする状況は知っているが,理由については,「夏は湿度が高く,

    冬は湿度が低い。」という認識にとどまっている。雲や霧,結露について興味や疑問

    をもったことはあるが,積極的に調べようとしたことのある生徒はあまりいない。 ○ そこで,指導にあたっては,天気の変化の規則性について考えることができるよう

    にモデルを使った実験を行う。その際,モデルと自然事象の対応関係に注意し,実験

    結果と考察を明確にしながら指導したい。また,露点の実験を行うことで,身近な自

    然現象のメカニズムについて考察する態度を養いたい。雲の発生実験を行うことで,

    体積と熱との関係について見いださせる。さらに,これらの変化についてモデル等を

    使いながら飽和水蒸気量に注目し,相対湿度と温度の関係について説明できるように

    したい。湿度の変化についての考察では,自分と違う考えに対し,相手を説得したり,

    反論したりする力を養いたい。その際,それぞれの班のアイデアを全体で考えること

    ができるようにパネル等で可視化を図り,互いの発言や考えを参考にして,科学的に

    妥当な考えを導き出すようにしたい。また,「夏は,暑くて湿度が高い」という一般

    的な気象現象についての疑問から,気団さらには地球規模の大気の流れにも注目でき

    るようにしたい。 本時は,日頃の生活体験から生じる「空気を暖めると湿度が上がるのではない

    か。」という素朴概念を基に意欲を喚起しながら学習を深めていきたい。そこで,密

    閉した容器の温度を上げ,湿度の変化を測定する実験を行い,予想の真偽についてそ

    の原因や変化の流れを微視的にとらえていく過程において,自分の表現で温度の変化

    と湿度の関係を説明することができるようにしたい。

    授業80-1

  • 4 学習指導計画 天気とその変化

    気象情報と気象観測・・・・・・・・・・・・・・・2時間

    空気中の水の変化 ・・・・・・・・・・・・・・・6時間(本時2/6)

    前線と天気の変化 ・・・・・・・・・・・・・・・5時間

    5 本時の学習指導 (1) 目 標 ○ 温度の変化と湿度について微視的な視点から説明できる。

    (2) 準備物

    ○ 密閉容器,湿度計,レポートノート,模造紙,油性ペン,DVD

    (3) 学習指導過程

    学習内容及び活動 教師の支援 1 夏や冬の気象の特徴を発表する。

    ○ 気温について。 ○ 湿度や他の気象現象について。 2 課題「温度を上げると湿度はどうな

    るだろうか。」について考える。 ○予想の理由

    4 実験の結果について,グループで

    話し合い,発表する。 ○ 実験結果を発表する。

    5 湿度の変化の原因を整理し,その

    過程を発表する。 ○ 自分の予想と比較しながら湿度の

    変化を説明する。 ○ 考察をボードに書いて発表する。 ○ 他 の 意 見 を 基 に 自 分 の 説 明 を 行

    う。 6 次時の予告 ○夏に湿度が高いのは,なぜ?

    ○夏をイメージしやすいように,映像を準

    備する。 ○生徒への調査の結果を基に,「温度を

    上げると湿度は高くなる。(低く・変

    化しない)」というテーマに取り組む

    ことを伝え,実験への主体性をもつよ

    うにする。 ○現象を順序立てて調べることができるよ

    うにレポートノートを使用する。 ○科学的な思考ができるように,実験結果

    を文章で書くように伝える。 ○実験結果から考えられることを考察とし

    てレポートに記入する時間を設定する。 ○グループ内外で,自分の考えについて発

    表できる場を設定する。 ○ お互いの考えを参考に話し合いができる

    ように話し合いの結果を模造紙に書いて

    掲示する。 予想される生徒の反応

    ○気温が上がったのに湿度が下がっ た

    のはおかしい。 ○飽和水蒸気量を考えてみよう。 ○密閉してあるから水蒸気量は変化 し

    ないはずだ。

    ○周囲に自分の考えを受け入れてもらえ

    るようにモデル等を使った説明につい

    て助言する。 ○ 疑問から次時への意欲を喚起する。

    3 密閉容器を暖め,湿度の変化を調

    べる実験を行う。

    授業80-2

  • (4) 本時の評価規準・基準 評価規準 評価基準 評価方法

    ○ 実験結果から飽和水蒸

    気量とその空気の水蒸気

    量の関係について説明で

    きる。

    A 実験の考察が明確で,飽和水蒸気量と

    その空気の水蒸気量の関係について説明

    できる。 B 実験の結果から湿度が下がった理由に

    ついての説明ができる。 C 現象を述べることが中心になってい

    て,実験の結果から考えられることが明

    確でない。

    レポートノ

    ート 発表

    ○ 実験結果からわかった

    ことを自分の言葉で周囲

    に伝えることができる。

    A 自分の考えを実験事実から明確に表現

    できる。 B 自分の考えを伝えることができる。 C 自分の考えを伝えることができない。

    観察 発表 班での話し

    合い

    6 板書計画

    テーマ 「温度を上げると湿度はどうなるだろうか。」

    予 想 例:気温が高いとジメジメするので,温度を上げると湿度は高くなる。

    例:密閉されているので変わらない。

    材 料 密閉容器,湿度計,ドライヤー,スタンド

    方 法 密閉容器に湿度計を入れ,ドライヤーで3分加熱する。

    結 果 50%から30%に湿度が下がった。

    考 察 空気を温めると湿度が下がった。その理由は,温度を上げることによって

    飽和水蒸気量が増したが,密閉容器の水蒸気量は変わらない。湿度は,その

    ときの水蒸気量を飽和水蒸気量でわったものなので,湿度が下がったと考え

    られる。しかし,夏は,暑くて湿度が高いことは,説明がつかなかった。

    授業80-3

  • 授業80-4

  • 授業80-5

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