11
第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進

第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

  • Upload
    others

  • View
    1

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進

Page 2: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減
Page 3: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 75 -

第2-1 県産農林水産物のブランド確立

1 動向

(1) 新潟米を巡る販売環境の変化

新潟米全体ではトップブランドとして価格の優位性は保たれているものの、近年、他県産

米の販売攻勢や新品種の登場等により販売環境が変化し、一部の他県産米では、相対取引価

格が新潟一般コシヒカリを上回る銘柄も出てきている。

【年産別・銘柄別の相対取引平均価格】

資料:農林水産省「米の相対取引価格」(27年産は出回り~H28.8の加重平均、28年産は出回り~H28.12ま

での加重平均)

注:山形県つや姫・北海道ゆめぴりかは、25年産の数値から公表されている。

(2) ブランド化を目指す農産物の首都圏販売額は増加傾向

新潟米に続く主要4品目(「越後姫」・ 【主要4品目の首都圏出荷状況】

「えだまめ」・「ル レクチエ」・「にいがた

和牛」)のブランド化を推進する中で、首

都圏における出荷量や販売額は増加傾向に

ある。

個々の品目については、「えだまめ」は需

要期の好天による旺盛な需要に支えられ販

売単価が向上し、「ル レクチエ」は病害の

被害軽減により出荷量・販売単価が向上し

たことから、販売額が前年を上回る結果と

なった。一方、「越後姫」は果実傷みの発生

等で出荷量が減少したことなどから、前年資料:農林水産部(食品・流通課、農産園芸課)調査

を下回る販売額となった。注1:越後姫は年産の値、他は年度の値

注2:にいがた和牛のH28年出荷状況は未確定

2 施策の取組状況と成果

(1) 新潟米のブランド管理の徹底とおいしさや魅力の情報発信の強化

ア ブランド管理の徹底

首都圏等で流通している新潟県産コシヒカリのDNA検査を250点実施し、検査結果を

(単位 : t、百万円)

H18(開始年)

H27 H28

出荷量 8.1 37 32販売額 7.6 48 44出荷量 281 369 372販売額 192 285 290出荷量 148 105 119販売額 83 75 92出荷量 121 126販売額 107 149

4品目 計 販売額 390 557 未確定

にいがた和牛

ル レクチエ(西洋なし)

えだまめ

越後姫(いちご)

円/60kg

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

20,000

22,000

24,000

H23産 H24産 H25産 H26産 H27産 H28産

魚沼コシヒカリ

山形県つや姫

新潟一般コシヒカリ

北海道ゆめぴりか

富山県コシヒカリ

秋田県あきたこまち

Page 4: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 76 -

公表することで不正流通の抑止を図るとともに、全国の消費者や米流通関係者に本県の姿

勢を示すことができている。

イ おいしさや魅力の情報発信の強化

首都圏を中心に、消費者へ新潟米のおい

しさと魅力をお伝えするため、関係機関と

連携し、JR駅構内のおむすび・弁当店等

とタイアップし、喫食機会を創出した。合

わせてNGT48と新潟ライスガールズを

起用したイベント開催や交通広告、インタ

ーネットでの映像配信等による情報発信に

取り組んだ。

この結果、取組がメディアに広く取り上

げられるなど、効果的な情報発信を行うこと

ができた。

(2) 県産農林水産物のブランド戦略の推進

新潟米に続く新潟ブランドの創出に向け、主要4品目(越後姫、えだまめ、ル レクチエ、

にいがた和牛)をはじめとした県産農林水産物の首都圏等における取扱拡大と定着化に向けた

取組を推進した。

えだまめでは、地域イベント(恵比寿、有楽町、銀座等)や上野駅産直市等でPRブース

を出店するとともに、銀座飲食店(計27店舗)や東京・上野駅ナカ飲食店(計7店舗)と連

携し、旬を迎えた新潟茶豆を提供することで、首都圏消費者に県産えだまめの品質の高さを

PRした。

また、ル レクチエの販売解禁を契機に、銀座地区の百貨店や飲食店と一体となった消費

者プロモーションを展開し、ル レクチエやにいがた和牛など新潟を代表する逸品の喫食・

購入機会を提供するとともに、米山知事によるトップセールス等によりPRを実施した。

さらに、関西圏においても、県アンテナショップを活用した試食宣伝会を実施し、実需者

及び消費者への県産農林水産物の認知度向上に努めた。

<えだまめPRブース出店や飲食店と連携したキャンペーン> <銀座三越での知事トップセールス>

<NGT48を起用した新潟米PR>

Page 5: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 77 -

3 今後の課題

○ 産地間競争が激化する中、新潟米の美味しさや、品質重視の米づくり等について、喫食機

会の提供や説得力のある情報の発信が必要である

○ 首都圏における県産農林水産物のブランド価値向上を図るためには、首都圏実需者と連携

し、より一層、県産農林水産物の魅力を首都圏消費者に発信していく必要がある。

新潟県「夢おこし」政策プラン指標項目の進捗状況

指標項目プラン策定時 実績 目標

平成27年 平成28年 (平成28年)

新潟米産出額シェア 8.7% 8.6% - 10%以上

【再掲】 (平成23年)

ブランド化を目指す農産 4品目合計を50

物(越後姫、えだまめ、ル 37億円 43.6億円 - %程度増加させ

レクチエ及びにいがた和牛の (平成23年) る(23年比)

4品目)の販売額

資料:農産園芸課、食品・流通課

トピックス「都内で“えだまめPRイベント”を開催」

~新潟県民が愛してやまない新潟県産えだまめの魅力を発信~

新潟県は、えだまめの作付面積が全国1位、消費量も多い「えだまめ県」であることから、首

都圏消費者からも、新潟県民が愛してやまない県産えだまめの美味しさを知ってもらうため、都

内のビアガーデンとタイアップし、産地直送の新潟茶豆が食べ放題のイベント「ニイガタ枝豆ナ

イト」を開催した。

“どんぶり一杯えだまめを食べる”などの新潟県民の食文化を体感してもらうため、来店者に

山盛りの新潟茶豆を提供するとともに、生産者が新潟茶豆の魅力や美味しい茹で方等のレクチャ

ーを行った。参加者からは、「えだまめが美味しいから、気づいたらどんぶり一杯分くらい食べ

てしまった」、「甘くて美味しい。新潟の茶豆がこれほどおいしいとは知らなかった」など、新潟

茶豆の美味しさに賞賛の声が上がっていた。

<産地直送の新潟茶豆を山盛りで提供> <生産者が新潟茶豆の美味しさをPR>

Page 6: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 78 -

第2-2 多様な販路の確保

1 動向

(1) 加工用米の契約数量が微増 【契約数量の推移】 (単位:トン、%)

米どころである新潟県では、米菓、包

装餅、日本酒など米を原材料とした食品

産業が発展しており、加工用米やもち

米、酒米は一定の需要が見込めるもの

の、国の支援制度の変更等により供給量

は変動している。

(2) 米粉用米の契約数量は微減 【米粉用米契約数量の推移】

平成25~26年産の米粉用米の契約数量

は、製粉企業の在庫調整等により5,000ト

ン台と大幅な減少となった。しかし、そ

の後は在庫調整の落ち着きや実需者にお

ける安定した需要などから回復傾向にあ

り、平成28年産は約8,000トン、全国シェ

アは43.8%と引き続き高い水準を維持し

ている。

(3) 加工用トマトの出荷数量が微減

外食化や加工食品の利用が進み、県内食品企業等でも加工・業務用での県産農産物のニ

ーズは高まっており、にんじん、キャベツなどの一部の品目では出荷数量は順調に増加し

ているが、全体的には生産が需要に十分応え切れていない状況にある。

加工用トマトは、実需者からの強い

要望がある中、生産者の高齢化等によ 【契約数量等の推移】(単位:トン、%)

り、平成27年以降の作付面積は減少し

ているものの、平均単収の向上により

り、平成28年の出荷数量は943トンと

微減にとどまった。

大豆は、実需者からの要望が増えて

いるものの、平成28年の契約数量は平

年並みの3,850トンとなった。

資料:米粉用米・加工用米は農林水産省、もち米・酒米はJA全農にいがた調査

10,158

8,089

22,925

18,454

0

10000

20000

30000

40000

50000

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28

新潟県

全国

(t)

資料:農林水産省「新規需要米取組認定計画」

資料:JA全農にいがた調査注:加工用トマトは実績値、大豆は契約数量

主要品目 H26年産 H27年産 H28年産 対前年比

米粉用米(新規需要米) 5,970 10,158 8,089 79.6

加工用米 36,242 35,008 36,912 105.4

もち米 7,386 8,103 9,375 115.7

酒米 9,898 11,245 10,449 92.9

主要品目 H26年産 H27年産 H28年産 対前年比

加工用トマト 1,072 1,017 943 92.7

大豆 3,728 3,717 3,850 103.6

Page 7: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 79 -

(4) 県産米の業務用向け販売割合は2割

食生活の変化等により米の家庭内消 【米の業務用向け販売割合

費が減少している一方で、中食・外食 (H27年7月~H28年6月)】

による消費割合は、昭和60年の15%か

ら平成27年には31%にまで増加してお

り、中食・外食等の業務用向けの需要

は、今後も堅調な需要が期待されている。

本県産米のうち、平成28年6月まで

の1年間で、業務用向けに販売された

米の割合は2割で、全国平均を下回っ

ている。資料:農林水産省調査

注:年間玄米取扱量4千t以上の販売事業者が業務用向け

(コンビニ、スーパー、給食等の中食事業者及びレストラン、

宿泊施設等の外食事業者)に精米販売した数量を調査

(5) 香港、シンガポール向けの米輸出が増加 【主な農産物の輸出実績】

県産農産物の輸出は、福島第一原子力

発電所事故の影響を受けた平成23年度を

底として平成24年度以降着実に増加して

いる。特に、本県の主要輸出品目である

米については、香港、シンガポールを始

めとする業務用需要の増加により輸出拡

大が続いている。平成28年度も、香港、

シンガポール等を中心に拡大し、主要農

産物の輸出実績は326百万円、1,715トン

(H28年12月末現在)となった。

2 施策の取組状況と成果

(1) 県産米を使った米菓や県産大豆を使った味噌の消費拡大の取組

県産米の消費拡大を推進するため、新潟県米菓工業

協同組合と連携し、平成28年10月から11月まで開催さ

れた「あられ・おせんべいまつり2016」において県産

米を使った米菓のPRを行った。

また、県産大豆の消費拡大を推進するため、新潟県

味噌工業協同組合連合会と連携し、平成28年11月に開

催された「2016食育フォーラムin上越」において、県

産大豆を使った味噌のPRを行った。

集客力のあるイベントと連動したこれらの取組に

より、多くの方から県産米及び県産大豆を使った商品に興味・関心を持ってもらうこ

とができた。

(2) にいがた発「R10プロジェクト」※の推進

にいがた発「R10プロジェクト」の推進と県産米粉の更なる需要拡大を図るため、

消費者への影響力が強い大手食品メーカー等の大口需要者の開拓や、多様な分野での

< 盛況だった「あられ・おせんべいまつり2016」>

資料:食品・流通課調査注:平成28年度実績は平成28年12月現在(速報値)

20%

業務用向け

37%

80%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

新潟県

全 国家庭内食向け等

63%

1,715

326

0

100

200

300

400

500

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

23年度 24年度 25年度 26年度 27年度 28年度

(百万円)(トン)

輸出量(トン)

輸出額(百万円)

H27.12月末

時点の値

Page 8: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 80 -

需要創出等に取り組んだ。

大口需要者の開拓に向けては、大手食品メーカー等を対象とした米粉活用セミナー

を首都圏の他、初めて関西圏でも開催し、実需者のニーズに対応した情報提供を行った。

また、多様な分野での米粉需要創出のため、欧米を中心に海外で普及している「グ

ルテンフリー」に着目したイベント開催や県内飲食店等での米粉メニューの提供など

により、米粉の新しい価値の周知を図ったほか、米粉製造コストの低減に向けた研究

に取り組んだ。

これらの取組により、平成28年の本県米粉用米生産量の全国シェアは43.8%で第1

位を誇るなど、米粉のトップリーダーとしての地位を維持している。

※にいがた発「R10プロジェクト(Rice Flour 10% Project)」:

食料自給率向上のため、小麦粉消費量の10%以上を国産の米粉に置き換える国民的なプロジェクト。

(3) 食品産業との連携強化による契約取引の推進

県内の食品関連企業へ県産農産物を安定的に供給する

ため、食品産業等と連携した加工・業務用野菜等の契約

栽培型の産地拡大や低コスト流通の取組を支援すること

により、加工・業務用野菜等の産地育成や生産拡大を図っ

た。

また、県産米粉を使ったアレルギーフリーの製品や加

工・業務用野菜の新たな産地化による商品開発など、県

内食品関連企業と産地が連携して取り組む県産農林水産

物を主原料とする4件の商品開発を支援した。

さらに、県外の大手実需者からの要望が強い加工用ト

マトについては、生産者、加工メーカー及び関係機関に

よる現地検討会や次年度対策検討会を開催し、生産面の

課題検討や栽培技術指導などを行い、契約栽培に取り組

む産地の育成を図った。

(4) 業務用米の需要開拓

需要に応じた業務用米の生産を進めるとともに、多様な銘柄米の生産者等と首都圏・

関西圏の中食・外食分野企業等とのマッチングの場を設定し、業務用米の販路開拓を支

援した。このマッチングの場として、「新潟米産地プレゼンテーション及び商談会」を

東京で2回、大阪で1回開催し、中食・外食分野企業延べ135社・200名、県内生産者等

延べ46者が商談を行ったことで、新たに多数の取引が開始された。

(5) 県産農産物の輸出促進

香港、シンガポールにおいて、県産米の業務

需要拡大に向け、現地日本食レストランやバイ

ヤー等を対象に県産農産物の宣伝会及び商談会

を開催するとともに、流通業者と連携した新潟

米の情報発信等に取り組み、香港、シンガポー

ルを中心に米の輸出は着実に増加している。 <新潟米宣伝会inシンガポールの様子>

<県産米粉を使用したアレルギー対応食>

<加工用トマト栽培講習会の様子>

Page 9: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 81 -

また、県産米の新規市場開拓のため、アメリ

カ、EUで新潟米のPRを行ったほか、農業者

等を対象に輸出セミナーを開催し、輸出に関す

る最新事情について情報提供するとともに、輸

出事業者との個別相談会も実施した。

中国に対しては、福島第一原子力発電所事故の

影響により、中国政府が本県を含む10都県の食

品を輸入禁止としているため、現地でのPR活 <新潟の食 香港商談会の様子>

動は実施していないが、在新潟中国総領事館に対し、県内の放射線測定結果を提供して

いるほか、ホームページにおいて中国語による情報発信を行うなど、本県産食品の信頼

確保に努めた。

また、輸出拡大と商業輸出の安定化を図るため、生産者と輸出商社との連携による新

規輸出国への販路開拓など民間事業者が行うモデル的な取組を支援した。

3 今後の課題

○ 加工用米等の非主食用米については、県内食品産業との契約栽培など安定的・継続

的な供給体制の構築を推進するとともに、加工適性の高い多収性品種の導入・普及を

図る必要がある。

○ 県産米粉の一層の需要拡大に向け、米粉の製造コスト低減に向けた取組を進めると

ともに、東京オリンピック・パラリンピックを見据え、グルテンフリーを切り口とし

て、米粉の需要を喚起する必要がある。

○ 加工・業務用野菜等については、県内実需者からの県産農産物に対する需要は多い

が、企業が求める量に応えられる産地・品目は限定的であり、産地の拡大による数量

確保の取組を推進する必要である。

○ 業務用米については、多様な銘柄米の生産拡大とあわせ、首都圏・関西圏等の企業

に対する継続的なPRにより、需要拡大を進めていく必要がある。

○ 輸出については、香港、シンガポールを中心に業務需要向けの米の供給拡大を進め、

新潟米の知名度向上による現地需要のさらなる拡大を図るとともに、アメリカ、EU

などの新規有望市場の開拓や米以外の品目の輸出促進に取り組む必要がある。また、

中国に対しては、輸入停止措置の解除に向け、放射性物質の検査結果などの正確な情

報を粘り強く発信する必要がある。

新潟県「夢おこし」政策プラン指標項目の進捗状況

指標項目 プラン策定時 実績 目標

平成27年度 平成28年度 (平成28年度)

主要県産農産物の 90,356 380,473 326,423 400,000

輸出額 千円 千円 千円 千円

(平成23年)

非主食用米の作付面積 12,741ha 18,840㏊ 19,688ha 22,000ha以上

【再掲】 (平成24年)

園芸品目の産出額 643億円 586億円 - 産出額100億円

【再掲】 (平成23年) 以上増を目指す

資料:食品・流通課、農産園芸課

注:「主要県産農産物の輸出額」の平成28年度実績は平成28年12月末現在(速報値)

Page 10: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 82 -

第2-3 地産地消・食育の推進

1 動向

(1) 「地産地消」は県民に浸透 【地産地消の認知度】

「地産地消」については、県民認知度が

約9割と広く認知されている状況の中、行

政のみならず農業団体や直売所運営団体、

NPO法人、宿泊・飲食事業者等、地産地

消の実践者やその取組は多様化している。

また、県内市町村では、農商工連携や食

育、地域の特産品開発等と一体的に地産地

消が推進され、地産地消に積極的な飲食店

や小売店等を認定する取組など、多様な取

組が実施されている。

(2) 農産物直売所では年間販売額が過去最高

本県の農産物直売所は、平成27年では設置箇所数615か所、年間販売額133億5,743

万円となり、設置箇所数は近年横ばいで推移、年間販売額は過去最高となった。

また、水産物直売所は、設置箇所数は横ばい、年間販売額は漁協設置が1億3,242

万円でほぼ横ばい、漁業者設置が6億4,180万円でやや減少(前年比91.5%)した。

【農産物直売所】 【水産物直売所】

資料:食品・流通課調査 資料:水産課調査

(3) 学校給食での県産食材数割合は全国平均を上回る状況

県内公立小中学校給食における県産農

林水産物の使用食材数割合は34.4%と、

全国平均(26.9%)を7.5ポイント上回っ

ている(平成26年度調査結果)。

また、項目別では、畜産物が一番高く

5割を超える一方、水産物は8.7%と特に

低い状況にある。

資料:県民アンケート

56.9

74.0

79.2

77.0

80.8

16.0

11.8

10.9

11.5

8.9

25.0

13.5

9.9

10.2

8.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

H17

H22

H24

H26

H28

知っていた 聞いたことがある 知らなかった 無回答

【H26年度学校給食での県産使用食材数割合】

総使用食品うち油脂・砂糖・種実類除く穀物(注1)農産物(注2)畜産物(注3)水産物

資料:文部科学省、教育庁保健体育課(調査抽出)注1 穀物:米、小麦、豆、いも、澱粉類等注2 農産物:野菜、果実、きのこ類注3 畜産物:肉類、牛乳、卵類、乳製品等

56.4%

34.4%

8.7%

項 目 県産使用割合

34.1%42.0%42.2%

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

0

100

200

300

400

500

600

700

H13 H16 H17 H22 H23 H24 H25 H26 H27

百万円箇所販売額

直売所数

615か所、13,357百万円

132

642

6

13

0

100

200

300

400

500

600

700

800

0

2

4

6

8

10

12

14

H16 H18 H22 H24 H25 H26 H27 H28

百万円箇所 漁協設置 販売額

漁業者設置 販売額

漁協設置 直売所数

漁業者設置 直売所数

Page 11: 第2 県産農林水産物の販売力強化と利用促進 · 2019. 4. 3. · の、国の支援制度の変更等により供給量 は変動している。 (2)米粉用米の契約数量は微減

- 83 -

また、米飯給食の週あたりの平均実

施回数は4.2回となり、パン・めん給

食についても、米粉製品の導入を推進

しており、年間1回以上導入した学校

の割合は、米粉パン91.4%(平成28年

度計画値)、米粉めん74.1%(平成28

年度計画値)となった。

(4) 食育実践活動に食育ボランティア※が活躍

県内の食育ボランティアの登録者数は、平成28年11月末現在で54人・12団体(2,289

人)であり、学校や地域において農業体験や調理実習などの食育実践活動で活躍している。

県内の公立小中学校の多くは、教育効果を期待し、総合学習の一環として、農林漁業

体験学習を取り入れており、特に、小学校では、稲作体験学習が定着している。

※ 食育ボランティア:郷土料理の歴史や作り方、農産物の育て方、食と体づくりの関わりなど「食」

に関する専門的な知識を持ち、学校や地域での「食育」に関する活動を行っている方々をいう。

2 施策の取組状況と成果

(1) 県産農林水産物を利用しやすい環境づくり

地産地消を推進する市町村や団体等に対して適切な情報を提供するとともに、県ホームペ

ージ等を活用して市町村等の取組や県産農林水産物、直売所等の情報を発信した。

また、県内食品製造業者の商品開発を支援することにより、県産農林水産物を使用した商

品開発や、県内産地と県内食品製造業者との連携が促進された。

(2) 学校給食における県産農林水産物の利用促進

学校給食用米粉パンの品質審査会や学校給食用米粉

めん品質評価会を開催するとともに、製造工場に対す

る技術指導を実施した。

また、栄養教諭等への県産農林水産物の情報提供や、

市町村による地場産農林水産物の利用促進に向けた取組

を支援した。

これらの取組により、学校給食への高品質な米粉製

品の供給拡大が図られるとともに、全国平均を上回る県産食材の使用につながっている。

(3) 新潟の食および農林水産業への理解を深める活動の促進

県が設置する食育ボランティアとJA、民間団体等が、小中学校での農業体験学習

や、県産食材を使用した郷土料理教室等を開催し、農林水産業や県産農林水産物に対す

る理解促進を図った。

3 今後の課題

○ 県民の地産地消意識の高まりの中、市町村等の取組促進や、県内流通量の増加に向けた生

産拡大と施設整備等への支援を進め、地域で地産地消を実践しやすい環境をつくっていく必

要がある。

○ 食育ボランティアの活動を支援するとともに、活動事例のPR等により制度を周知し

ていくことで、さらに食育実践活動の充実を図る必要がある。

H24 H25 H26 H27

新潟県 4.09 4.4 4.2 4.2

全国平均 3.3 3.3 3.4 未公表資料:文部科学省、教育庁保健体育課

【週あたり米飯給食回数の推移】

<学校給食米粉パン品質審査会の様子>