23
- 5 - 第2章 佐久市の現況と課題 1.佐久市の現況 (1)位置と地勢 ほぼ 央、 にあり、 1つ ある 央に位 する、 から す。 によ り、 じめ 、太 あります。 園)、 ヶ岳 み、 ヶ岳 園)、 園)に囲まれ、 する、 まれた す。 32.1km、 23.1km 423.99k㎡ っています。 (2)人口・世帯数 ①人口・世帯数推移 17 、100,462 っています。 50 けていますが、 にあります。 について にあり、4 17 、35,362 っています。 17 12 、4.5% しており、 .4% より っています。 佐久市における人口・世帯数の推移 資料:国勢調査 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 新佐久市 旧佐久市 旧臼田町 旧望月町 旧浅科村 世帯数(旧4市町村計) 出典:第一次佐久市総合計画

第2章 佐久市の現況と課題 - Saku...-5 - 第2章 佐久市の現況と課題 1.佐久市の現況 (1)位置と地勢 佐久市は、本州のほぼ中央、長野県の東部にあり、県下4

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第2章 佐久市の現況と課題

1.佐久市の現況

(1)位置と地勢 佐久市は、本州のほぼ中央、長野県の東部にあり、県下4

つの平の1つである佐久平の中央に位置する、日本で海から

一番遠い都市です。

上信越自動車道の開通や北陸新幹線佐久平駅の開業によ

り、首都圏をはじめ日本海圏、太平洋圏を結ぶ交通の要衝に

あります。

北に浅間山(上信越高原国立公園)、南に八ヶ岳連邦を望

み、蓼科山・双子山(八ヶ岳中信高原国定公園)、荒船山(妙

義荒船佐久高原国定公園)に囲まれ、千曲川が市の中央部を

南北に貫流する、自然環境に恵まれた高原都市です。

市域は、東西32.1km、南北23.1kmで、面積は

423.99k㎡となっています。

(2)人口・世帯数 ①人口・世帯数推移

4市町村合併後の平成17年の人口は、100,462人となっています。昭和50年以降は人口が増加し続けていますが、人口伸び率は、近年低下傾向にあります。 世帯数についても増加傾向にあり、4市町村合併後の平成17年では、35,362世帯となっています。平成17年と平成12年の世帯数を比べると、4.5%増加しており、人口伸び率の0.4%増より高い値となっています。 佐久市における人口・世帯数の推移

資料:国勢調査

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年

人口

(人

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

世帯数

(世帯

新佐久市 旧佐久市 旧臼田町 旧望月町 旧浅科村 世帯数(旧4市町村計)

出典:第一次佐久市総合計画

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望月支所

浅科支所

佐久市役所

臼田支所

②人口分布

用途地域内の平成12年の人口密度は、平均で31.2人/haとなっています。 100人/ha以上の地区は岩村田、中込、野沢に点在しています。 一方、用途地域外の平成12年の人口密度は平均で5.5人/haです。大半が、農地又は山林のため、概ね10人/ha未満となっています。平地部で比較的大きい旧集落

等を含む区域でも20人/ha未満となっています。 現行の都市計画区域外は、概ね用途地域外と同様の傾向を示し、概ね10人/ha未

満となっています。 地区別人口密度

出典:平成17年度佐久市都市計画基礎調査(平成12年国勢調査より集計)

都市計画区域及び都市計画区域外で市街化が進んでいると思われる区域を調査対象区域として設定、緑線は旧市町村界

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③通勤圏・商圏

平成17年の東信地域の通勤流動をみると、自市町村内への通勤率は上田市、南牧村

及び川上村で80%超、佐久市及び軽井沢町で70%超となっています。佐久市への通

勤率が20%以上の市町は、佐久市、佐久穂町、小諸市、御代田町、立科町、小海町、

北相木村となっています。

佐久市

(新)上田市

川上村

長和町

佐久穂町

南牧村

軽井沢町

小海町

東御市

小諸市

立科町

青木村

南相木村

御代田町

北相木村

凡例

5%以下

10%以下

20%以下

30%以下

30%超

佐久市への通勤流動率(平成17年)

佐久市

(新)上田市

川上村

長和町

佐久穂町

南牧村

軽井沢町

小海町

東御市

小諸市

立科町

青木村

南相木村

御代田町

北相木村

凡例

50%以下

60%以下

70%以下

80%以下

80%超

自市町村内通勤率(平成17年)自市町村内通勤率(H17)

資料:国勢調査

佐久市への通勤流動率(H17)

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長野県商圏調査で、平成元年度と平成18年度を比較してみると、佐久商圏は急速に

東信地域東部全域に拡大し、平成元年度に中心都市だった小諸市、小海町は商圏が消滅

しています。

商圏の変遷 [平成元年度と平成18年度の比較]

商圏中心都市名と同じ色で商圏範囲を表示。実線は平成18年度、破線は平成元年度

[いずれも長野県商圏調査より、依存率が30%以上の市町村を商圏範囲とした]

資料:長野県商圏調査

茅野市

川上村

佐久市

真田町

上田市

南牧村

高遠町

望月町

佐久町

軽井沢町

小海町

富士見町

丸子町

諏訪市

小諸市

長門町和田村

武石村

東部町

臼田町

更埴市

立科町

松本市

原村

青木村

坂城町

八千穂村

南相木村

下諏訪町

御代田町

北相木村

坂井村

岡谷市

戸倉町

北御牧村

浅科村

上山田町

箕輪町

上田市

丸子町

東部町

小諸市

佐久市

小海町

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(3)産業 就業人口は、第1次産業が減少、第2次産業がやや減少、第3次産業が増加という傾

向にあります。第3次産業の就業人口は、5割に達しています。

製造品出荷額については、近年は横ばいですが、昭和50年代後半より長期的な傾向

としては増加基調で推移しています。商品販売額のうち小売業については、やはり長期

的な傾向としては増加基調で推移しています。卸売業については、昭和57年をピーク

に減少、平成14年にはピーク時の約4割の水準に低下しています。

佐久市(旧4市町村計)の産業別就業者数構成比

23.1%

18.7%

14.8%

13.4%

11.7%

12.1%

38 .6%

41 .2%

42 .8%

40 .5%

38 .9%

32 .8%

38.3%

40.1%

42.4%

46.2%

49.4%

55.1%

S55

S60

H2

H7

H12

H17

第1次産業 第2次産業 第3次産業

資料:国勢調査

佐久市の製造品出荷額及び商品販売額の推移(旧4市町村計/平成12年価格)

資料:工業統計調査

-

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

S54

S55

S56

S57

S58

S59

S60

S61

S62

S63

H元 H2

H3

H4

H5

H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

(百

商品販売額 卸売業

商品販売額 小売業

製造品出荷額

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望月支所

浅科支所

佐久市役所

臼田支所

(4)土地利用等の状況 ①土地利用現況

市域は、東西32.1km、南北23.1kmに広がり、面積は423.99km2とな

っています。

地形的に山岳・丘陵部と盆地部に分かれ、山岳・丘陵部は山林を中心とした土地利用、

盆地部は市街地を取り囲むように集落が点在する田園的な土地利用となっています。 市街地は、岩村田~中込原~中込・野沢~臼田に連続した市街地が形成され、浅科地

区、望月地区には、中山道沿道に集落が形成されています。 商業系の施設は、用途地域内では、佐久平駅周辺、佐久インターチェンジ周辺、国道

141号沿道などに大規模な商業施設が立地しています。岩村田、中込原、中込、野沢、

臼田では商業施設と住宅が混在しています。また、用途地域外では、国道141号や国

道142号など主要幹線道路の沿道に商業施設が点在しています。 工業系の施設は、用途地域内では、岩村田西部、岩村田北部、中込原、臼田地区南部

に比較的まとまって集積しているほか、既成市街地内に小規模な施設が点在しています。

用途地域外には、小田井、佐久リサーチパークなどに集積しています。浅科地区及び望

月地区には、中山道など主要な道路の沿道部を中心に比較的規模の大きい施設が点在し

ています。

土地利用現況図

出典:平成17年度佐久市都市計画基礎調査 調査対象区域は佐久市全域、青線は旧市町村界

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土地利用現況面積

区分

用途地域

指定区域

用途地域

指定外区域

都市計画

区域合計

都市計画

区域外 その他地区

合計

田 107.6 2,921.4 3,029.0 524.6 1,323.0 4,876.6

畑 172.4 1,581.2 1,753.6 1,260.1 1,270.3 4,284.0農地

小計 280.0 4,502.6 4,782.6 1,784.7 2,593.3 9,160.6

山林 20.3 2,965.4 2,985.7 21,760.3 2,205.0 26,951.0

水面 7.2 171.1 178.3 59.8 72.2 310.3

その他自然地 14.3 553.6 567.9 299.2 84.7 951.8

自然的土地利用

小計 321.8 8,192.7 8,514.5 23,904.0 4,955.2 37,373.7

住宅用地 421.6 889.3 1,310.9 195.0 372.1 1,878.0

商業用地 132.7 80.3 213.0 49.1 32.4 294.5

工業用地 127.7 143.8 271.5 10.2 41.5 323.2

宅地

小計 682.0 1,113.4 1,795.4 254.3 446.0 2,495.7

公共・公益用地 127.1 329.5 456.6 88.1 50.3 595.0

道路用地 178.5 586.9 765.4 265.3 232.8 1,263.5

交通施設用地 11.6 22.1 33.7 - - 33.7

その他公的施設用地 - - - - - -

その他の空地 65.0 226.4 291.4 330.8 15.2 637.4

都市的土地利用

小計 1,064.2 2,278.3 3,342.5 938.5 744.3 5,025.3

合計 1,386.0 10,471.0 11,857.0 24,842.5 5,699.5 42,399.0

可住地 1,004.3 8,779.9 9,784.2 24,092.5 5,253.2 39,129.9

非可住地 381.7 1,691.1 2,072.8 750.0 446.3 3,269.1

出典:平成17年度佐久市都市計画基礎調査

単位:ha

注1) 「公共・公益用地」は土地利用現況図の「公益施設用地」と「公共空地」の合計。 注2) 非可住地は、以下のとおりとする。

「水面」、「その他自然地」、「商業用地」の内で敷地面積1ha以上の大規模施設用地、「公共・公益用地」、「道路用地」、「交通施設用

地」、「その他公的施設用地」。これらのほか、土地利用状況に関係なく全ての工業専用地域。 注3) 都市的土地利用(平成17年8月に現地調査) 注4) 「その他地区」は佐久市東立科地区と旧浅科村の全域及び旧望月町のうち市街化が進んでいると思われる区域。

「都市計画区域外」は行政区域の内都市計画区域及びその他地区以外の区域。

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望月支所

浅科支所

佐久市役所

臼田支所

②法令等による土地利用制限

都市計画区域内では、用途地域に隣接して農業振興地域が指定されていますが、集落周

辺部を中心に農振白地の区域が多く残されています。 また、丘陵部の大部分は地域森林計画対象民有林に指定されているのみで、土地利用の

規制は比較的緩やかなものになっています。 都市計画区域外においては、東部の県境一帯が妙義荒船佐久高原国定公園に、蓼科山周

辺が八ヶ岳中信高原国定公園に指定されており、それらに隣接して保安林が指定されてい

ます。 また、浅科地区、望月地区の平地部は農業振興地域が指定されていますが、都市計画区

域内と同様に、集落周辺部を中心に農振白地の区域が多く残されています。 その他の区域については、地域森林計画対象民有林または無指定地域となっており、土

地利用の規制としては比較的緩やかです。

法適用状況図

資料:平成17年度佐久市都市計画基礎調査

調査対象区域は佐久市全域、青線は旧市町村界

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③用途地域の指定状況

行政区域42,399haのうち、都市計画区域は11,857haで、用途地域は1,386haとなっています。浅科村、望月町では、都市計画区域の指定はなかったため、現

都市計画区域は、すべて佐久地区、臼田地区内にあります。そのため、行政区域に対する

都市計画区域の割合は約28%(用途地域は内3.3%)、都市計画区域外の割合は約7

2%であり、行政区域の大半は、都市計画区域の無指定地域となっています。 なお、用途地域の指定は、住居系が約65%、商業系が約9%、工業系が約26%を占

めています。

用途地域の指定状況

区分 面積(ha)用途地域に対する割合(%)

行政区域に対する割合(%)

第1種低層住居専用地域 117 8.4 0.3第2種低層住居専用地域 7 0.5 0.0第1種中高層住居専用地域 146 10.5 0.4第2種中高層住居専用地域 30 2.2 0.1第1種住居地域 415 29.9 1.0第2種住居地域 81 5.9 0.2準住居地域 104 7.5 0.3近隣商業地域 60 4.3 0.1商業地域 59 4.3 0.1準工業地域 216 15.6 0.5工業地域 92 6.6 0.2工業専用地域 59 4.3 0.1

合計 1,386 100.0 3.3

10,471 - 24.711,857 - 28.0

都市計画区域外 30,542 - 72.042,399 - 100.0

用途地域外都市計画区域

行政区域

用途地域

出典:平成17年度佐久市都市計画基礎調査

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(5)都市基盤施設の整備状況 ①土地区画整理事業

土地区画整理事業は、事業中を含め11箇所で実施されています。施行区域全体で約1

38haあり、用途地域に対して約9.9%を占めています。

土地区画整理事業の実施状況

事業名 施行者 施行面積(ha) 都市計画決定 事業年度1 中込橋場土地区画整理事業 佐久市 30.7 S48.10.1 S48~S622 大和町土地区画整理事業 大和町土地区画整理組合 4.4 - S59~S623 岩村田北部第一土地区画整理事業 佐久市 25.9 S63.7.4 H元~H74 取出東田土地区画整理事業 取出東田土地区画整理組合 3.7 - H元~H55 佐久駅周辺土地区画整理事業 佐久市 60.0 H6.3.7 H6~H146 岩村田西本町沿道土地区画整理事業 佐久市 4.4 H8.7.5 H8~H137 平賀新町土地区画整理事業 平賀新町土地区画整理組合 3.8 - H9~H128 野沢本町沿道整備土地区画整理事業 佐久市(同意施行者) 0.7 - H14~H179 花園土地区画整理事業 花園土地区画整理組合 3.0 - H16~H1910 猿久保土地区画整理事業 個人施行 0.2 - H15~H1811 岩村田相生町南土地区画整理事業 佐久市 1.5 - H19~H21

138.3合 計 資料:佐久市

②都市計画道路

都市計画道路は39路線あり、うち18路線の整備が完了しています。完了済の道路の

多くは土地区画整理事業に関連して整備されています。 平成18年度時点、整備率は50.6%となっています。

③都市公園

街区公園34箇所、近隣公園4箇所、地区公園4箇所、総合公園2箇所、特殊公園1箇

所の計45箇所、約71.9haの公園が整備されています。 ④公共下水道

公共下水道は、佐久公共下水道と南佐久公共下水道の2つが都市計画決定されています。 佐久公共下水道は、雨水汚水分流方式で、佐久地区1,640ha、臼田地区421haの範囲で平成22年を目途に進められています。 南佐久公共下水道については、排水区域233ha(佐久市61ha、小海町172h

a)で、平成19年度を目途に進められています。 また、特定環境保全公共下水道が、浅科、望月、春日、茂田井の4地区で整備されてい

ます。

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都市施設の整備状況図

資料:佐久圏域都市計画マスタープラン

佐久市

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(6)交通の状況 ①鉄道

JR小海線の1日平均乗降客数は、北陸新幹線との接続駅である佐久平駅で増加傾向に

ありますが、その他の駅は減少傾向です。 主要駅の1日平均乗車人員の推移(JR小海線・北陸新幹線)

1,7801,705 1,683 1,634 1,564 1,536

1,367 1,328

1,420 1,4061,321 1,285 1,254 1,245 1,197 1,144

2,093

2,3092,463

2,5972,676 2,708 2,698

488 454 389

1,278

1,078

2,769

1,675

336 315 311 290 270 2430

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18

(人)

佐久平駅

岩村田駅

中込駅

臼田駅

※佐久平駅は北陸新幹線と小海線乗客数の合計

資料:JR東日本HP ②バス

市内で、高速バス、路線バス、市内巡回バスが運行されています。 高速バスは、佐久市と長野市方面を結ぶ路線、佐久市と東京池袋方面を結ぶ路線、軽井

沢町から佐久市を経由して京都・大阪方面を結ぶ路線などがあります。 路線バスは、佐久市内と小諸、上田、立科、東御等の各方面を結んでいます。 市内巡回バスは、医療機関、福祉施設、市関係施設などを巡回しており、10コースを

運行しています。大人100円、子供50円で利用できます。一部バス停では、車イスの

乗降ができ、リフト付バスも奇数週、偶数週で交互に運行されています。 ③道路

ゾーン間の交通量では、小諸市間の自動車交通量が最も多くなっています。 また、平成6年と平成11年を比較すると、交通量そのものが増加しています。

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ゾーン間の自動車交通量

出典:平成17年度佐久市都市計画基礎調査

市内巡回バス 路線図

出典:佐久市資料

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(7)自然・歴史・景観 佐久市は、浅間山、蓼科山、荒船山などに囲まれた佐久平の中心に位置し、美しい山並

みを背景とした田園地域です。 東西の中山道と南北の佐久甲州街道を軸に発展し、それぞれの街道筋に形成された宿場

町の姿を現在も一部に残しています。 避暑地としての軽井沢、城下町としての小諸に隣接しており、周辺地域とあわせると多

彩な歴史・文化を有しています。 佐久周辺の江戸時代の諸街道と主な宿場

八幡宿本陣跡 望月宿

茂田井間宿

浅間山

出典:佐久圏域都市計画マスタープラン

資料:2002長野県の道路

塩名田宿

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国・県指定の文化財、史跡・名勝・天然記念物

分類 名称

旧中込学校 史跡

龍岡城跡

旧中込学校校舎(附 建築文書3点)

駒形神社本殿(附 棟札4枚)

新海三社神社三重塔

新海三社神社東本社

六地蔵幢

高良社(旧八幡神社本殿)

真山家住宅

鉄鐘

紙本着色一遍上人絵伝巻第二(金台寺)

紙本墨書他阿上人自筆仮名消息(金台寺)

重要文化財

福王寺の木造阿弥陀如来坐像

天然記念物 岩村田ヒカリゴケ産地

重要無形民俗文化財 跡部の踊り念仏

国指定

登録有形文化財 武重家及び武重本家酒造

木造阿弥陀如来坐像(西念寺)

木造地蔵菩薩半跏倚像(正法寺)

木造阿弥陀如来坐像及び両脇侍立像(安養寺)

版本大般若経(安養寺)

貞祥寺三重塔

県宝

貞祥寺惣門及び山門

三河田大塚古墳

伴野城跡

根井氏館跡

北高禅師墓碑(龍雲寺)

岩尾城跡

平賀氏城跡

大井城跡(王城・黒岩城)

史跡

五郎兵衛用水跡

王城のケヤキ 天然記念物

広川原の洞穴群

井出家座敷

上宮寺梵鐘 有形文化財

鋳銅箔鍍金花瓶(弥勒寺)

県指定

無形民俗文化財 湯原神社式三番

資料:佐久市

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2.佐久市の課題

(1)佐久市全体に係る都市づくりの課題 <課題整理のための視点> ①時代潮流・広域的な動向

上信越自動車道の開通、北陸新幹線佐久平駅の開業等高速交通網の整備により、佐久市

の立地条件は飛躍的に向上しました。本市と静岡市を結ぶ中部横断自動車道は、上信越自

動車道と連結して太平洋と日本海を結び、北関東自動車道とともに関東大環状連携軸を構

成する重要路線となることから、早期完成により更なる交通の要衝となります。 佐久平駅及び佐久インターチェンジ周辺は、土地区画整理事業により土地利用が大きく

変貌し、長野県内有数の商業圏が形成されています。 第一次佐久市総合計画では、「10万都市、100万経済圏、1000万交流圏の拠点」

が目指す将来像として描かれています。現在の地理や交通の優位性を背景に、更なる人・

モノ・情報の結節点として拠点性の強化を図ることが求められています。 また、4市町村の合併により、これまで様々な面で条件が異なっていた市町村を新「佐

久市」として、一つの枠組みの中で整合のとれた都市づくりを進めることが必要となって

います。 一方、時代の趨勢としては、一つにグローバル化があります。資本や労働力の移動が活

発になり、世界の中での地域間競争が激化しています。また、情報通信技術(IT)の飛

躍的な発展は、インターネットの普及と電子商取引の拡大など、企業活動や人々の日常生

活にも影響を及ぼし、グローバル化を加速させています。 二つ目には、全国的に少子高齢化が進行し、平成16年には人口減少社会に入っていま

す。県内において佐久市は人口が増加している地域ではありますが、長期的にはこの時代

潮流を視野にいれておくことが必要と考えられます。 都市計画行政の動向としては、都市機能の無秩序な拡散は、効率的な公共投資を阻害し、

都市の空洞化を招くとして、市街地の郊外への広がりを抑制し、街の機能を中心市街地に

集約させるという考え方が基本的な方向となっています。この考え方に沿った法改正(ま

ちづくり三法の見直し)が平成18年に行われ、佐久市をはじめとする地方都市において

は、大規模集客施設について、原則、用途地域内の商業地域、近隣商業地域、準工業地域

以外では立地を抑制するなど、それぞれの地域特性に応じた都市機能の集積や空間形成の

誘導が求められています。

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②佐久市の大型プロジェクト

第一次佐久市総合計画によると、施設整備型のプロジェクトとしては次のものがあげら

れています。都市計画マスタープランにおいても、これらを受けることが必要です。 【公共公益施設】

・ 地域の芸術・文化活動の拠点施設となる総合文化会館の整備 ・ 地域ニーズに対応した特色ある4年制大学等の誘致 ・ 公式競技開催にも対応できる総合運動公園の整備 ・ 中込地区に複合型公共施設として公営住宅の整備(障害者共同作業所、口腔歯科保健

センター等) ・ 平尾の森、春日の森等の森林セラピー基地としての一層の施設整備 【道路・ネットワーク】

・ 上信越自動車道全線4車線化の早期完成の促進 ・ 中部横断自動車道の整備促進とインターチェンジの整備促進 ・ 松本・佐久間の地域高規格道路の候補路線化の促進 ・ 国道141号、142号の4車線化の促進 ・ 主要地方道川上佐久線及び佐久小諸線のバイパス建設の促進 ・ 市内を網羅する双方向型の高度情報通信ネットワークの整備の推進 【産業・観光】

・ 中部横断自動車道佐久南インターチェンジ(仮称)周辺に民間企業や研究機関と連携

した新農業技術開発拠点の整備を推進 ・ 臼田インターチェンジ(仮称)周辺に、広域的医療施策として救命救急センターの設

置を促進し、医療機関との連携による医療拠点づくりを目指す「メディカルハイウェイ

オアシス構想」の推進 ・ 企業立地用地の確保を推進 ・ 龍岡城五稜郭、中山道望月宿、春日温泉などの周辺整備による新たな観光拠点の創出 ・ 岩村田宿から茂田井間の宿までの中山道沿線の歴史文化遺産をネットワーク化した観

光ルートの構築 ・ 滞在型市民農園(クラインガルテン)の開設

③市民意向の把握

○第一次佐久市総合計画策定に係る市民アンケート 日常生活において欠かせないことに対する満足度は高く、住みやすいまちと認識され

ている一方、公共交通面や非日常的な娯楽という点に関して不満があることがうかがえ

ます。 市への要望や、施策としては、「保健・医療・福祉」の充実への期待が大きく、市民

との協働や、行財政のスリム化も望まれています。 ・佐久市のイメージ・・・発展しているまち(46.5%) ・満足度が高い施策(充分満足・まあ満足の合計が50%以上) 「日用品・食料品などの買い物の便利さ」67.4% 「上下水道の整備」60.6%

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「学校教育施設(小中学校)の整備」54.1% 「保健・医療体制の充実」52.6% 「広域的な移動に使う幹線道路網整備」52.1% ・満足度が低い施策(全く不満・やや不満の合計が50%以上) 「鉄道・バスなどの交通機関の使いやすさ」52.2% 「レジャー・娯楽施設の充実」51.8% ・最も力を入れてほしい施策 第1位「保健・医療・福祉」43.2%(⇒「都市基盤」は、最下位5%) ・将来なってほしいまちの姿 第1位 「保健・医療・福祉が充実した健康長寿のまち」41.6% ・佐久市の行財政運営で重要なこと 第1位「市民・企業・行政の協働によるまちづくりを進める」36.5% 第2位「公共事業の見直しを進める」34.4% 第3位「多少サービスが低下しても行政の事務や組織のスリム化を行う」25.2% ○緑の基本計画策定に係るアンケート 佐久市になくてはならないものとして、美しい山並みの景観や山そのものが市民意識

に定着していることがうかがえます。 一方、身近な緑については、量としても少なく、また、利用もあまりされていないよ

うであり、今後の重点課題と考えられます。 ・佐久市の緑で気に入っているところ 第1位「内山峡、八ヶ岳、蓼科山麓などの山並みの緑」42.6% 第2位「五稜郭、五郎兵衛記念館周辺、長野牧場等の平地林」22.2% ・佐久市の緑の課題として、多くの回答があったもの 「街なかに少なく、緑の豊かさが感じられない」 「身近な公園が少ない」 「(現在)公園はほとんど使っていない」 「誰もが親しめるよう、身近な緑づくりを進めるべき」 ・佐久市が誇れるもの 「美しい山並みなどの自然環境」40.9%

④佐久市の現況特性のまとめ

○人口 ・ 平成17年の人口100,462人、世帯数35,362世帯。人口、世帯共に増加傾向です。

・ 用途地域内の平成12年の人口密度は、平均で31.2人/haです。100人/ha以上の地区がある一方、用途地域内の一般的基準である40人/haに満たな

い地区もあります。 ・ 用途地域に近接する用途地域外で市街化が進行し、既存集落周辺等で住居系開発

地が多く立地しています。 ・ 通勤圏や商圏から見ると、佐久市を中心に、御代田町、佐久穂町、小海町及び小

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諸市までを含んだ生活圏(以下「佐久都市圏」という)が形成されています。 ○産業 ・ 第3次産業の就業人口は、5割に達しています。また、製造品出荷額及び小売商

品販売額は、長期的な傾向としては増加基調で推移しています。 ○土地利用 ・ 用途地域内では、自然的土地利用が23%、都市的土地利用が77%を占め、行

政区域全体では、自然的土地利用が88%(山林64%)、都市的土地利用が12%

となっています。 ・ 岩村田~中込原~中込・野沢~臼田に連続した市街地が形成されており、浅科地

区、望月地区には、中山道沿道に市街地が形成されています。 ・ 佐久平駅周辺、佐久インターチェンジ周辺に大規模な商業施設が立地していま す。

○法規制 ・ 行政区域に対して都市計画区域の割合は約28%(用途地域は内3.3%)となっています。

・ 都市計画区域外において、農業振興地域の白地地域や地域森林計画対象民有林、

無指定地域など、法令上土地利用の転換が比較的容易な区域が多く分布しています。 ○都市基盤施設 ・ 土地区画整理事業:施行区域全体で133.6ha、用途地域に対して約9.6%を占めています。

・ 都市計画道路:39路線のうち18路線の整備が完了しています。 ・ 都市公園:45箇所、約71.9haの公園が整備されています。人口1人あたり公園面積は約7.4㎡/人になっています。

・ 下水道:公共下水道水洗化率74.0%となっています。 ○交通 ・ JRの1日平均乗車人員は、佐久平駅(新幹線利用者含)のみ増加、その他は減

少傾向にあります。 ・ 高速バス、路線バス、市内巡回バスが運行しています。 ○自然・歴史 ・ 浅間山、蓼科山、荒船山など佐久盆地を取り巻く美しい山並みに囲まれていま す。

・ 中山道、佐久甲州街道の宿場町として発展し、当時の面影を今も街並みなどの一

部に残しています。

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<佐久市の都市づくりの課題> □ まちづくり全般 ・ 広域交通ネットワークが結節する優位性を生かし、高次都市機能の集積強化等を進め、

拠点性を高めていくことが求められています。

・ 全国的に人口減少局面を迎える中、市の活力を維持するために、I ターン・J ターン

や多様なライフスタイルへの対応等により、一層の定住促進策を講じることに加え、観

光、文化、スポーツ等の魅力あるまちづくりを進めることで、交流人口の増加を目指す

ことが求められています。

・ 道路は人々の交流や物流を支える基本的な都市施設であり、道路のネットワークの広

がりは最終的に市民サービスの向上につながるという視点で、「みちづくり」を進める

ことが求められています。

・ 障害者のみならず、居住者、来訪者、外国人、子供からお年寄りまで、あらゆる人に

とって生活・交流しやすいよう、ユニバーサルデザインの精神に則って、都市づくりを

進めることが必要です。

・ 市民と協働のまちづくりの実現のために、情報を共有できるよう情報公開を進めると

ともに、協働でのまちづくりの機会をつくっていくことが求められています。

□ 都市計画 ・ 行政区域を越えた生活圏の広がりに対して、都市計画区域は佐久、小諸、小海の3区

域に分かれて指定されているなど、行政単位を基本としています。

・ 佐久市内においても、浅科地区、望月地区などには都市計画が無指定の地域があ

り、都市基盤の整備水準やそれに対する市民負担の面などで市民に不公平感を与えるお

それがあり、市内の都市計画の整合をとることが必要です。

□ 土地利用 ・ 用途地域外での住宅地開発や大規模施設の立地が比較的容易であるため、田園環境が

無秩序に改変されること、また、それに伴う通行車両の増加や騒音、排水等により既存

集落地等の居住環境の低下、営農環境の悪化などが懸念されます。

・ 上記の結果、低密な市街地が広範囲に、かつ点在して形成されることにより、道路や

下水道等の都市基盤整備の効率が低下する恐れがあり、地域特性に応じた土地利用の規

制や誘導等を行うことが必要です。

・ 中心市街地の空洞化を是正するために、中心市街地の活性化に関する施策を計画的に

推進するとともに、用途地域内の低・未利用地の解消を進めることが必要です。

・ 中部横断自動車道佐久南インターチェンジ(仮称)周辺は「新農業技術開発拠点」と

して、中部横断自動車道臼田インターチェンジ(仮称)周辺は「メディカルハイウェイ

オアシス構想」として、中佐都インターチェンジ(仮称)周辺は、佐久平駅に近接する

立地条件を活用し、交通結節拠点・交流拠点としての土地利用を推進することが求めら

れています。

・ 世帯数の増加に対応した住宅供給、雇用を創出する企業活動に対応した工業用地の供

給を計画的に推進していくことが必要です。

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□ 都市施設 ・ 中部横断自動車道や地域高規格道路等の広域交通ネットワークの早期実現に向け、国、

県等に働きかけていくことが必要です。 ・ 第一次佐久市総合計画で示された地域幹線ネットワークを基本に、広域交通を担う道

路や生活道路などその道路の機能に応じた道路ネットワークが合併4市町村ごとに整

合がとれた形で構築できているかどうか見直すとともに、その役割に応じた整備の推進

が必要です。 ・ 交通弱者に対しての交通アクセスを確保するために、鉄道やバスなど公共交通の維持、

利便性の向上を図ることが必要です。 ・ 都市生活に欠かせない様々な処理施設の整備推進が必要です。 ・ 山並みや農地などの緑が豊富である一方、公園などの身近な緑については、市民の満

足度も低く、市民が利用しやすい公園を計画的に整備することが必要です。 ・ 佐久総合運動公園の整備に向けた具体的な取り組みを進めることが必要です。 ・ 佐久市地域防災計画に沿った防災施策を展開するとともに、防災情報伝達システムの

充実や市民の自主防災組織の育成等に努め、ハード・ソフトの両面から災害に強いまち

づくりを推進することが必要です。また、道路や公園などの都市施設の整備にあたって

は、災害時の活用など防災や防犯の視点を十分考慮するとともに、費用対効果の検証を

行うことが必要と考えられます。 ・ 全世帯の水洗化を進めるとともに、過去、様々な事業手法で下水道事業が進められて

きたため、より効率的な下水道運営に向けての検討が必要です。

□ 地域の個性・魅力づくり ・ 佐久地区のみならず、臼田、浅科、望月地区ごとに地域性を生かした都市の魅力の向

上により多機能都市を実現していくことが求められています。

・ 美しい自然景観を守るためには、山林の保全策を講じるとともに、特定用途制限地域

の指定や、建築物の高さ規制などを行うことも必要と考えられます。

・ 歴史ある街並み景観や温泉など、地域独自の景観資源を保全・活用することで地域の

魅力を高め、新たな観光拠点を創出することが必要となっています。

・ 田園環境に調和した佐久らしい生活スタイルを検討し、より多様な居住スタイルを実

現できる環境整備を進めることが望まれます。

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(2)地区特性とまちづくり課題 佐久市全体の課題とともに、市内の各地区は、高次都市機能が集積した拠点、市街地、

田園エリア、自然環境豊かな丘陵部・山間部まで多様であり、それぞれの地区特性とま

ちづくり課題を整理すると以下のようになります。

地区 地区特性とまちづくり課題

佐久地区

岩村田は、北陸新幹線や上信越自動車道などの交通の

要衝であり、広域商業等の高次都市機能の集積が進む佐

久平駅周辺市街地と古くからの歴史や文化が残る岩村

田市街地からなります。新たな拠点性の充実強化と歴史

的伝統文化との調和によるまちづくりが求められてい

ます。

中込原は、行政機能や産業機能が立地するとともに、

駒場公園や長野牧場等のやすらぎ空間が広がる地区で

す。これらの環境が調和した市街地整備を進める必要が

あります。

中込・野沢は、伝統的な商業拠点(中込)と、歴史文化

のまち(野沢)が連携するとともに、市街地に流れる千

曲川の清流環境を生かした特色あるまちづくりを展開

する必要があります。

臼田地区

龍岡城五稜郭やスタードーム、コスモタワーなどの特

色ある観光資源を有しており、佐久市街地の南部の拠点

として、多くの人々が訪れる魅力ある市街地形成を図る

必要があります。

浅科地区

中山道沿いの宿場跡などの歴史的資源が多く、また、

五郎兵衛米で有名な穀倉地帯で、伝統と自然豊かな田園

地帯としての環境を守るとともに、市街地環境整備につ

いての検討が必要です。

望月地区

温泉や渓谷等の自然的観光資源に恵まれるとともに、

川西地域の拠点性を活かし、多くの人々が交流できるや

すらぎある環境づくりが求められます。また、市街地環

境整備についての検討が必要です。

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※ベース図は新市建設計画より引用

浅科地区・望月地区

の中心部の拠点性の

確保と市街地環境整

高速交通体系の整備推進と

佐久市としての広域交通ネ

ットワークへの対応

佐久市全体の幹

線道路ネットワ

ークの形成

鉄道・バス等による公

共交通ネットワーク

サービスの向上

用途地域内の市街地整備の

推進

誰もが安心して暮らせる環

境づくり

山・川・緑の豊かな自

然環境や地域資源の保

全と活用

都市内拠点の役割

分担の明確化と機

能の充実

豊かな田園環境や優良

農地の維持・保全と集

落部の生活環境の向上 山・川・緑の豊かな自

然環境や地域資源の保

全と活用

(浅科地区)

(望月地区)

(佐久地区)

(臼田地区)

佐久市の都市づくりにおける課題図